特許第5718380号(P5718380)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718380
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】タンデム型光電池
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/44 20060101AFI20150423BHJP
   H01L 51/46 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   H01L31/04 120
   H01L31/04 152C
   H01L31/04 152D
   H01L31/04 152G
   H01L31/04 152H
   H01L31/04 152J
【請求項の数】18
【全頁数】63
(21)【出願番号】特願2013-7567(P2013-7567)
(22)【出願日】2013年1月18日
(62)【分割の表示】特願2009-505600(P2009-505600)の分割
【原出願日】2007年4月11日
(65)【公開番号】特開2013-80962(P2013-80962A)
(43)【公開日】2013年5月2日
【審査請求日】2013年2月15日
(31)【優先権主張番号】60/790,606
(32)【優先日】2006年4月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/792,485
(32)【優先日】2006年4月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/792,635
(32)【優先日】2006年4月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/793,442
(32)【優先日】2006年4月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/795,103
(32)【優先日】2006年4月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/797,881
(32)【優先日】2006年5月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/798,258
(32)【優先日】2006年5月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/850,963
(32)【優先日】2006年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/850,845
(32)【優先日】2006年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/888,704
(32)【優先日】2007年2月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】308014846
【氏名又は名称】メルク パテント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バーク、ハワード
(72)【発明者】
【氏名】ブラーベック、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ゴーディアナ、ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】キングスボロー、リチャード
(72)【発明者】
【氏名】シ、シァオボ
(72)【発明者】
【氏名】ウォラー、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルダウフ、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ、ジェングオ
【審査官】 和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/121252(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/017530(WO,A1)
【文献】 特表2002−523904(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/030827(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/031891(WO,A1)
【文献】 特表2003−519266(JP,A)
【文献】 特開2005−255776(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/133705(WO,A1)
【文献】 特表2004−523129(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/112161(WO,A1)
【文献】 特表2006−520533(JP,A)
【文献】 OHSHITA, J. et al.,MACROMOLECULES,2000年,Vol.33, No.23,P.8890-8893
【文献】 Thin Solid Films,2004年,Vol.451-452,p.515-517
【文献】 Applied Physics Letters,2004年,Vol.85, No.23,p.5757-5759
【文献】 Hakan Usta et al,Dithienosilole− and Dibenzosilole−Thiophene Copolymers as Semiconductors for Organic Thin-Film Tra,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2006年 6月23日,vol.128,pp.9034-9035
【文献】 Michelle S. Liu et al,Efficient Green-Light-Emitting Diodes from Silole-Containing Copolymers,Chemistry of Materials,2003年,vol.15,pp.3496-3500
【文献】 Feng Wang et al,Conjugated Fluorene and Silole Copolymers: Synthesis, Characterization, Electronic Transition, Ligh,Macromolecules,2005年,vol.38,pp.2253-2260
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/42 − 51/48
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間にある再結合層と、
前記第1電極と前記再結合層の間にあって、第1の有機電子供与体材料と第1の有機電子受容体材料とを含んだ単一の層からなる第1光活性層と、
前記第2電極と前記再結合層の間にあって、第2の有機電子供与体材料と第2の有機電子受容体材料とを含んだ単一の層からなる第2光活性層とを備えるシステムであって、
前記システムは光起電力システムとして構成されており、
前記第1の有機電子供与体材料、前記第1の有機電子受容体材料、前記第2の有機電子供与体材料、又は前記第2の有機電子受容体材料は、ポリシクロペンタジチオフェン共重合体を含み、
前記ポリシクロペンタジチオフェン共重合体は、第1のコモノマー繰り返し単位と、第1のコモノマー繰り返し単位とは異なる第2のコモノマー繰り返し単位とを有し、
前記第1のコモノマー繰り返し単位は、シクロペンタジチオフェン部分を含み、
前記第2のコモノマー繰り返し単位は、ベンゾチアジアゾール部分、チアジアゾロキノキサリン部分、シクロペンタジチオフェンオキシド部分、ベンゾイソチアゾール部分、ベンゾチアゾール部分、チオフェンオキシド部分、チエノチオフェン部分、チエノチオフェンオキシド部分、ジチエノチオフェン部分、ジチエノチオフェンオキシド部分、テトラヒドロイソインドール部分、フルオレン部分、シロール部分、フルオレノン部分、チアゾール部分、セレノフェン部分、チアゾロチアゾール部分、シクロペンタジチアゾール部分、ナフトチアジアゾール部分、チエノピラジン部分、シラシクロペンタジチオフェン部分、オキサゾール部分、イミダゾール部分、ピリミジン部分、ベンズオキサゾール部分、またはベンズイミダゾール部分を含む、システム。
【請求項2】
前記システムはタンデム型光電池からなる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第2のコモノマー繰り返し単位は、式(2)のベンゾチアジアゾール部分、式(3)のチアジアゾロキノキサリン部分、式(4)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(5)のシクロペンタジチオフェンモノオキシド部分、式(6)のベンゾイソチアゾール部分、式(7)のベンゾチアゾール部分、式(8)のチオフェンジオキシド部分、式(9)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(10)のシクロペンタジチオフェンテトラオキシド部分、式(11)のチエノチオフェン部分、式(12)のチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(13)のジチエノチオフェン部分、式(14)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(15)のジチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(16)のテトラヒドロイソインドール部分、式(17)のチエノチオフェンジオキシド部分、式(18)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(19)のフルオレン部分、式(20)のシロール部分、式(22)のフルオレノン部分、式(23)のチアゾール部分、式(24)のセレノフェン部分、式(25)のチアゾロチアゾール部分、式(26)のシクロペンタジチアゾール部分、式(27)のナフトチアジアゾール部分、式(28)のチエノピラジン部分、式(29)のシラシクロペンタジチオフェン部分、式(30)のオキサゾール部分、式(31)のイミダゾール部分、式(32)のピリミジン部分、式(33)のベンズオキサゾール部分、または式(34)のベンズイミダゾール部分を含み、
【化1】
XとYの各々は独立して、CH、O、またはSであり、RとRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、またはSORであり、Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルであり、RとRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記再結合層がp型半導体材料およびn型半導体材料を含むか、p型半導体材料とn型半導体材料が1つの層に混合されている請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のコモノマー繰り返し単位は、式(1)のシクロペンタジチオフェン部分を含み、
【化2】
、R、RおよびRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、またはSORであり、Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間にあって、第1の有機電子供与体材料と第1の有機電子受容体材料とを含んだ単一の層からなる第1光活性層と、
前記第2電極と前記第1光活性層の間にあって、第2の有機電子供与体材料と第2の有機電子受容体材料とを含んだ単一の層からなる第2光活性層と、
前記第1光活性層と前記第2光活性層の間にある第3、第4および第5の層とを備えるシステムであって、前記第5の層は前記第3の層と前記第4の層の間にあり、
前記システムは光起電力システムとして構成され、
前記第3、第4および第5の層は、使用時、前記第1光活性層と前記第2光活性層のうち一方で生成する電子と、前記第1光活性層と前記第2光活性層のうち他方で生成する正孔とが、前記第5の層で再結合するように構成されており、
前記第1の有機電子供与体材料、前記第1の有機電子受容体材料、前記第2の有機電子供与体材料、又は前記第2の有機電子受容体材料は、ポリシクロペンタジチオフェン共重合体を含み、
前記ポリシクロペンタジチオフェン共重合体は、第1のコモノマー繰り返し単位と、第1のコモノマー繰り返し単位とは異なる第2のコモノマー繰り返し単位とを有し、
前記第1のコモノマー繰り返し単位は、シクロペンタジチオフェン部分を含み、
前記第2のコモノマー繰り返し単位は、ベンゾチアジアゾール部分、チアジアゾロキノキサリン部分、シクロペンタジチオフェンオキシド部分、ベンゾイソチアゾール部分、ベンゾチアゾール部分、チオフェンオキシド部分、チエノチオフェン部分、チエノチオフェンオキシド部分、ジチエノチオフェン部分、ジチエノチオフェンオキシド部分、テトラヒドロイソインドール部分、フルオレン部分、シロール部分、フルオレノン部分、チアゾール部分、セレノフェン部分、チアゾロチアゾール部分、シクロペンタジチアゾール部分、ナフトチアジアゾール部分、チエノピラジン部分、シラシクロペンタジチオフェン部分、オキサゾール部分、イミダゾール部分、ピリミジン部分、ベンズオキサゾール部分、またはベンズイミダゾール部分を含む、システム。
【請求項7】
前記第5の層は金属酸化物を含む請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化インジウム錫、酸化錫、および酸化亜鉛からなる群から選択される酸化物を含む請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第5の層は金属粒子を含む請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第3の層はn型半導体材料を含み、前記第4の層はp型半導体材料を含む請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記p型半導体材料は金属酸化物を含む請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記金属酸化物は、酸化銅、酸化ストロンチウム銅、酸化ストロンチウムチタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される酸化物を含む請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記p型半導体材料は、pドープされた金属酸化物を含む請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記pドープされた金属酸化物はpドープ酸化亜鉛またはpドープ酸化チタンを含む請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記n型半導体材料は金属酸化物を含む請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化モリブデン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される酸化物を含む請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記n型半導体材料は、フラーレン、無機ナノ粒子、オキサジアゾール、ディスコティック液晶、炭素ナノロッド、無機ナノロッド、CN基を含むポリマー、CF基を含むポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記第3の層は前記第1光活性層と前記第5の層の間にある請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年4月11日に出願された米国仮出願第60/790,606号、2006年4月17日に出願された米国仮出願第60/792,485号、2006年4月17日に出願された米国仮出願第60/792,635号、2006年4月20日に出願された米国仮出願第60/793,442号、2006年4月26日に出願された米国仮出願第60/795,103号、2006年5月5日に出願された米国仮出願第60/797,881号、2006年5月5日に出願された米国仮出願第60/798,258号、2006年10月11日に出願された米国仮出願第60/850,963号、2006年10月11日に出願された米国仮出願第60/850,845号、および2007年2月7日に出願された米国仮出願第60/888,704号に対して米国法典(U.S.C.)35巻119条の下に優先権を主張するものである。これらの特許出願の全ての内容は参照によりここに組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、タンデム型光電池並びに関連する部品、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
光電池(光起電力セル)は、光の形態のエネルギーを電気の形態のエネルギーに変換するために一般に使用される。典型的な光電池は、2つの電極間に配置される光活性材料を含む。一般に光は、光活性材料と相互に作用する電極の一方または両方を通過して電気を発生する。その結果、電極の一方または両方が光(例えば、光活性材料によって吸収され
る1以上の波長の光)を伝導する能力は、光電池の全体的な効率を制限する可能性がある
。半導体材料は、導電体材料よりも電気伝導率が低いものの、多くの導電体材料よりも多くの光を伝導することができるため、多くの光電池では、光が通過する電極を形成するために半導体材料(例えば、酸化インジウム錫)からなる膜が使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、タンデム型光電池並びに関連する部品、システムおよび方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極の間にある再結合層と、第1電極と再結合層の間にある第1光活性層と、第2電極と再結合層の間にある第2の光活性層とを備えるシステムを特徴とする。再結合層は第3、第4および第5の層を含む。第5の層は第3の層と第4の層の間にある。システムは光起電力システムとして構成されている。
【0006】
別の態様では、本発明は、第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極の間にある第1光活性層と、第2電極と第1光活性層の間にある第2光活性層と、第1光活性層と第2光活性層の間にある第3、第4および第5の層とを備えるシステムを特徴とする。第5の層は第3の層と第4の層の間にある。第3、第4および第5の層は、使用時、第1光活性層と第2光活性層のうち一方で生成する電子と、第1光活性層と第2光活性層のうち他方で生成する正孔とが、第5の層で再結合するように構成されている。システムは光起電力システムとして構成されている。
【0007】
別の態様では、本発明は、第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極の間にある
第1光活性層と、第2電極と第1光活性層の間にある第2光活性層とを備えるシステムを特徴とする。第1光活性層と第2光活性層のうち少なくとも1つは、第1のコモノマー繰り返し単位と、第1のコモノマー繰り返し単位と異なる第2のコモノマー繰り返し単位とを有するポリマーを含む。第1のコモノマー繰り返し単位はシクロペンタジチオフェン部分を含む。システムはタンデム型光電池として構成されている。
【0008】
別の態様では、本発明は、第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極の間にある第1光活性層と、第2電極と第1光活性層の間にある第2光活性層とを備えるシステムを特徴とする。第1光活性層と第2光活性層のうち少なくとも1つは、第1のコモノマー繰り返し単位と、第1のコモノマー繰り返し単位と異なる第2のコモノマー繰り返し単位とを有するポリマーを含む。第1のコモノマー繰り返し単位はシラシクロペンタジチオフェン部分を含む。システムは、タンデム型光電池として構成されている。
【0009】
別の態様では、本発明は、第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極の間にある第1光活性層と、第2電極と第1光活性層の間にある第2光活性層とを備えるシステムを特徴とする。第1光活性層と第2光活性層のうち少なくとも1つは、第1のコモノマー繰り返し単位と、第1のコモノマー繰り返し単位と異なる第2のコモノマー繰り返し単位とを有するポリマーを含む。第1のコモノマー繰り返し単位はシクロペンタジチオフェン部分を含む。システムは光起電力システムとして構成されている。
【0010】
別の態様では、本発明は、第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極の間にある第1光活性層と、第2電極と第1光活性層の間にある第2光活性層とを備えるシステムを特徴とする。第1光活性層と第2光活性層のうち少なくとも1つは、第1のコモノマー繰り返し単位と、第1のコモノマー繰り返し単位と異なる第2のコモノマー繰り返し単位とを有するポリマーを含む。第1のコモノマー繰り返し単位はシラシクロペンタジチオフェン部分を含む。システムは光起電力システムとして構成されている。
【0011】
別の態様では、本発明は、基板上に第1光活性層を設けることと、第1光活性層の上に第2光活性層を設けることと、2つの電極の間に第1および第2光活性層を配置して光起電力システムを形成することとを備える方法を特徴とする。第1光活性層は有機電子供与体材料および有機電子受容体材料を含む。第2光活性層は無機半導体材料を含む。第1光活性層と第2光活性層のうち少なくとも1つは第1の液体ベースのコーティング工程によって設けられる。
【0012】
さらに別の態様では、本発明は、第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極の間にある第1光活性層および第2光活性層とを備えるシステムを特徴とする。第1光活性層は有機電子供与体材料および有機電子受容体材料を含む。第2光活性層は無機半導体材料を含んでいる。システムは光起電力システムとして構成されている。
【0013】
実施形態は、次の特徴のうち1つ以上を含みうる。
いくつかの実施形態では、第5の層は金属酸化物を含む。例えば、金属酸化物は、酸化チタン、酸化インジウム錫、酸化錫、酸化亜鉛、およびそれらの組合せからなる群から選択される酸化物を含みうる。特定の実施形態では、第5の層は金属粒子を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、第3の層はn型半導体材料を含み、第4の層はp型半導体材料を含む。
いくつかの実施形態では、p型半導体材料はポリマーを含む。ポリマーは、ポリチオフェン(例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT))、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、ポリシクロペンタジチオフェン、
ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアジアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリテトラヒドロイソインドール、およびそれらの共重合体からなる群から選択しうる。
【0015】
いくつかの実施形態では、p型半導体材料は金属酸化物を含む。例えば、金属酸化物は、酸化銅、酸化ストロンチウム銅、酸化ストロンチウムチタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される酸化物を含みうる。特定の実施形態では、p型半導体材料はpドープされた金属酸化物(例えば、pドープ酸化亜鉛またはpドープ酸化チタン)を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、n型半導体材料は金属酸化物を含む。例えば、金属酸化物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化モリブデン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される酸化物を含みうる。他の実施形態では、n型半導体材料は、フラーレン、無機ナノ粒子、オキサジアゾール、ディスコティック液晶、炭素ナノロッド、無機ナノロッド、CN基を含むポリマー、CF基を含むポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、第3の層は第1光活性層と第5の層の間にある。
いくつかの実施形態では、システムは、第1光活性層と第1電極の間にある正孔キャリア層をさらに備える。正孔キャリア層は、ポリチオフェン(例えば、PEDOT)、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、およびそれらの共重合体からなる群から選択されるポリマーを含みうる。
【0018】
いくつかの実施形態では、システムは、第2光活性層と第2電極の間にある正孔ブロック層をさらに備える。正孔ブロック層は、LiF、金属酸化物(例えば、酸化チタンまたは酸化亜鉛)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含みうる。
【0019】
いくつかの実施形態では、第5の層は半導体材料または導電体材料を含む。
いくつかの実施形態では、第1光活性層または第2光活性層は電子供与体材料および電子受容体材料を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、電子供与体材料は、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、ポリシクロペンタジチオフェン、ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアジアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリテトラヒドロイソインドール、およびそれらの共重合体からなる群から選択されるポリマーを含む。例えば、電子供与体材料は、ポリチオフェン(例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT))、ポリシクロペンタジチオフェン(例えば、ポリ(シクロペンタジチオフェン−コ−ベンゾチアジアゾール))、およびそれらの共重合体からなる群から選択されるポリマーを含みうる。
【0021】
いくつかの実施形態では、電子受容体材料は、フラーレン、無機ナノ粒子、オキサジア
ゾール、ディスコティック液晶、炭素ナノロッド、無機ナノロッド、CN基を含むポリマー、CF基を含むポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。例えば、電子受容体材料は置換フラーレン(例えば、C61−フェニル酪酸メチルエステル(PCBM))を含みうる。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1光活性層は第1のバンドギャップを有し、第2の光活性層は第1のバンドギャップと異なる第2のバンドギャップを有する。
いくつかの実施形態では、第1電極と第2電極のうち少なくとも1つはメッシュ電極を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、システムはタンデム型光電池を含む。
いくつかの実施形態では、シクロペンタジチオフェン部分またはシラシクロペンタジチオフェン部分は、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、およびSORからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである。例えば、シクロペンタジチオフェン部分またはシラシクロペンタジチオフェン部分は、ヘキシル、2−エチルヘキシル、または3,7−ジメチルオクチルで置換されている。特定の実施形態では、シクロペンタジチオフェン部分またはシラシクロペンタジチオフェン部分は4位において置換されている。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のコモノマー繰り返し単位は、式(1)のシクロペンタジチオフェン部分または式(29)のシラシクロペンタジチオフェン部分を含む。
【0025】
【化1】
、R、R、R、R、R、RおよびRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、またはSORである。Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである。例えば、R、R、RおよびRの各々は独立して、ヘキシル、2−エチルヘキシル、または3,7−ジメチルオクチルでありうる。
【0026】
いくつかの実施形態では、第2のコモノマー繰り返し単位は、ベンゾチアジアゾール部分、チアジアゾロキノキサリン部分、シクペンタジチオフェンオキシド部分、ベンゾイソチアゾール部分、ベンゾチアゾール部分、チオフェンオキシド部分、チエノチオフェン部分、チエノチオフェンオキシド部分、ジチエノチオフェン部分、ジチエノチオフェンオキシド部分、テトラヒドロイソインドール部分、フルオレン部分、シロール部分、シクロペンタジチオフェン部分、フルオレノン部分、チアゾール部分、セレノフェン部分、チアゾロチアゾール部分、シクロペンタジチアゾール部分、ナフトチアジアゾール部分、チエノピラジン部分、シラシクロペンタジチオフェン部分、オキサゾール部分、イミダゾール部分、ピリミジン部分、ベンズオキサゾール部分、またはベンズイミダゾール部分を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、第2のコモノマー繰り返し単位は、式(2)のベンゾチアジアゾール部分、式(3)のチアジアゾロキノキサリン部分、式(4)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(5)のシクロペンタジチオフェンモノオキシド部分、式(6)のベンゾイソチアゾール部分、式(7)のベンゾチアゾール部分、式(8)のチオフェンジオキシド部分、式(9)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(10)のシクロペンタジチオフェンテトラオキシド部分、式(11)のチエノチオフェン部分、式(12)のチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(13)のジチエノチオフェン部分、式(14)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(15)のジチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(16)のテトラヒドロイソインドール部分、式(17)のチエノチオフェンジオキシド部分、式(18)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(19)のフルオレン部分、式(20)のシロール部分、式(21)のシクロペンタジチオフェン部分、式(22)のフルオレノン部分、式(23)のチアゾール部分、式(24)のセレノフェン部分、式(25)のチアゾロチアゾール部分、式(26)のシクロペンタジチアゾール部分、式(27)のナフトチアジアゾール部分、式(28)のチエノピラジン部分、式(29)のシラシクロペンタジチオフェン部分、式(30)のオキサゾール部分、式(31)のイミダゾール部分、式(32)のピリミジン部分、式(33)のベンズオキサゾール部分、または式(34)のベンズイミダゾール部分を含む。
【0028】
【化2】
上記の式中、XとYの各々は独立して、CH、O、またはSでありうる。RとRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、またはSORでありうる。Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルでありうる。RとRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルでありうる。例えば、第2のコモノマー繰り返し単位は、RとRの各々がHである式(2)のベンゾチアジアゾール部分を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、第2のコモノマー繰り返し単位は少なくとも3つのチオフェン部分(例えば、5つのチオフェン部分)を含む。特定の実施形態では、チオフェン部分の少なくとも1つは、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、およびC−C20ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0030】
いくつかの実施形態では、ポリマーは第3のコモノマー繰り返し単位をさらに含む。第3のコモノマー繰り返し単位はチオフェン部分またはフルオレン部分を含みうる。チオフェン部分またはフルオレン部分は、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、およびC−C20ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されうる。
【0031】
いくつかの実施形態では、システムは再結合層をさらに備えうる。再結合層はp型半導体材料およびn型半導体材料を含みうる。いくつかの実施形態では、p型半導体材料とn型半導体材料は1つの層に混合されている。特定の実施形態では、再結合層は2つの層を有し、一方の層はp型半導体材料を含み、他方の層はn型半導体材料を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1光活性層は第1の液体ベースのコーティング工程によって設けられ、第2光活性層は第2の液体ベースのコーティング工程によって設けられる。第1または第2の液体ベースのコーティング工程は、溶液コーティング、インクジェット印刷、スピンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、バーコーティング、吹付コーティング、ローラーコーティング、スロットコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、またはスクリーン印刷を含みうる。
【0033】
いくつかの実施形態では、有機電子供与体材料はポリマーを含む。ポリマーは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、ポリシクロペンタジチオフェン、ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアジアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリテトラヒドロイソインドール、およびそれらの共重合体からなる群から選択されうる。例えば、有機電子供与体材料は、ポリチオフェン(例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT))、ポリシクロペンタジチオフェン(例えば、ポリ(シクロペンタジチオフェン−コ−ベンゾチアジアゾール))、およびそれらの共重合体からなる群から選択されるポリマーを含みうる。
【0034】
いくつかの実施形態では、有機電子受容体材料は、フラーレン、オキサジアゾール、炭素ナノロッド、CN基を含むポリマー、CF基を含むポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。例えば、有機電子受容体材料は置換フラーレン(例えば、C61−フェニル酪酸メチルエステル(PCBM))を含みうる。
【0035】
いくつかの実施形態では、無機半導体材料は、アモルファスシリコン、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、砒化ガリウム、セレン化銅インジウム(CIS)、またはセレン化銅インジウムガリウム(CIGS)を含む。特定の実施形態では、無機半導体材料は無機ナノ粒子を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、方法は、第1光活性層と第2光活性層の間に再結合層を設けることをさらに備える。再結合層は第3の液体ベースのコーティング工程によって設けられうる。このコーティング工程は、溶液コーティング、インクジェット印刷、スピンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、バーコーティング、吹付コーティング、ローラーコーティング、スロットコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、またはスクリーン印刷を含みうる。
【0037】
いくつかの実施形態では、システムは、第1光活性層が正孔キャリア層と第2光活性層の間にあるように正孔キャリア層を設けることをさらに含む。正孔キャリア層は第4の液体ベースのコーティング工程によって設けられうる。このコーティング工程は、溶液コーティング、インクジェット印刷、スピンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、バーコーティング、吹付コーティング、ローラーコーティング、スロットコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、またはスクリーン印刷を含みうる。
【0038】
いくつかの実施形態では、システムは、第2光活性層が正孔ブロック層と第1光活性層の間にあるように正孔ブロック層を設けることをさらに含む。正孔ブロック層は第5の液体ベースのコーティング工程によって設けられうる。このコーティング工程は、溶液コーティング、インクジェット印刷、スピンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、バーコーティング、吹付コーティング、ローラーコーティング、スロットコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、またはスクリーン印刷を含みうる。
【0039】
いくつかの実施形態では、方法はロールツーロール法を含む。
実施形態は、次の利点のうち1つ以上を提供しうる。
いくつかの実施形態では、上述の光起電力システム中の各層は、連続的なロールツーロール法において容易に使用することのできる液体ベースのコーティング工程によって製造
されうる。このようなプロセスは、光起電力システムを製造する費用を著しく低減することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、上述の光起電力システムは、交互に並んだ無機層と有機層を含みうる。無機層中の材料は一般に、有機層を塗布するために使用される溶剤に溶解せず、その逆も同様であるので、このような実施形態では、下層(無機層か有機層のいずれか)が、隣接する上層を塗布するために使用される溶剤によって損なわれることはない。
【0041】
いくつかの実施形態では、光活性層は、他の従来のポリマーのほとんどが利用することのできない電磁スペクトルの赤色領域および近赤外領域(例えば、650−800nm)に吸収波長を有するポリマーのような、低バンドギャップ電子供与体または受容体材料を含みうる。このようなポリマーが従来の半導体ポリマー(例えば、P3HT)とともに光電池(例えば、タンデム型光電池)に組み込まれた場合、スペクトルのその領域において電池が光を吸収することができ、これにより電池の電流および効率が増大する。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1光活性層と第2光活性層は、異なるバンドギャップを有する。したがって、一方の光活性層によって吸収されない光がもう一方の光活性層によって吸収されることができ、これにより光電池の効率が増大する。
【0043】
いくつかの実施形態では、無機の光活性層は、光起電力システムを損なう可能性のあるUV光または太陽スペクトルの濃青色部分を除去するウィンドウ層として使用することができる。
【0044】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態の詳細は、添付の図面と以下の説明の中で述べられる。本発明の他の特徴、目的および利点はその説明、図面および請求項から明白になる。
【0045】
互いに異なる図面中の同様の参照符号は、同様の構成要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】タンデム型光電池の一実施形態の断面図。
図2】メッシュ電極の一実施形態の正面図。
図3図2のメッシュ電極の断面図。
図4】タンデム型光電池の別の実施形態の断面図。
図5】直列に電気的に接続された複数の光電池を含んだシステムの模式図。
図6】並列に電気的に接続された複数の光電池を含んだシステムの模式図。
図7】折り畳まれていない光起電力モジュールの断面図。
図8】折り畳まれた光起電力モジュールの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、2つの半電池102,104を有するタンデム型光電池100を示す。半電池102は、陰極110、正孔キャリア層120、光活性層130、n型半導体層140および中間層150を備える。半電池104は、中間層150、p型半導体層160、光活性層170、正孔ブロック層180および陽極190を備える。外部負荷は、陰極110および陽極190を介して光電池100に接続される。n型半導体層140、中間層150およびp型半導体層160は、再結合層として機能する。一般に再結合層は、第1の半電池で生成する電子が第2の半電池で生成する正孔と再結合するタンデム型光電池中の層をいう。n型半導体層140はn型半導体材料を含み、p型半導体層160はp型半導体材料を含む。一般に、n型半導体材料は電子を選択的に輸送し、p型半導体材料は正孔を選択的に輸送する。その結果として、第1の半電池で生成する電子は、第2の半電池で生
成する正孔と、n型半導体材料とp型半導体材料の界面(例えば、中間層150)において再結合する。
【0048】
生産プロセスおよび所望の装置構造に応じて、半電池における電流の流れは、特定の層の電子/正孔の伝導度を変更すること(例えば、正孔ブロック層180を正孔キャリア層に変更すること、およびp型半導体層160をn型半導体層に変更すること)により逆転することができる。そうすることによって、タンデム型電池における半電池が直列または並列に電気的に相互接続することができるようにタンデム型光電池を設計することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、層160で使用されるp型半導体材料は、ポリマーおよび/または金属酸化物を含む。p型半導体ポリマーの例としては、ポリチオフェン(例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT))、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、ポリシクロペンタジチオフェン、ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアジアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリテトラヒドロイソインドール、およびそれらの共重合体が挙げられる。金属酸化物は、真性p型半導体(例えば、酸化銅、酸化ストロンチウム銅、または酸化ストロンチウムチタン)、あるいはドーパントでドープした後にp型半導体を形成する金属酸化物(例えば、pドープ酸化亜鉛またはpドープ酸化チタン)でありうる。ドーパントの例としては、フッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物の塩または酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、金属酸化物は、ナノ粒子の形態で使用することができる。
【0050】
中間層150は一般に、電子と正孔の再結合を促進する材料を含む。特定の実施形態では、層150は、光活性層130,170で生成する電子および正孔のほぼすべてが層150において再結合するような材料を含む。いくつかの実施形態では、層150は半導体材料または導電体材料を含む。例えば、層150は、酸化チタン、酸化インジウム錫、酸化錫、酸化亜鉛、およびそれらの組み合わせのような、半導体金属酸化物を含みうる。特定の実施形態では、層150は非化学量論の金属酸化物を含みうる。いくつかの実施形態では、層150中の金属酸化物は、金属(例えば、アルミニウムまたはニオブ)、またはフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物の塩または酸のようなドーパントを含みうる。層150はまた、鉄、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、プラチナ、チタン、およびそれらの合金のような導電性の金属粒子を含みうる。
【0051】
いくつかの実施形態では、中間層150中の材料はナノ粒子の形態をしている。特定の実施形態では、ナノ粒子は、少なくとも約0.1nm(例えば、少なくとも約0.5nm、少なくとも約1nm、少なくとも約5nm、または少なくとも約10nm)および/または最大約100nm(例えば、最大約50nm、最大約10nm、最大約5nm、または最大約1nm)の平均粒径を有する。特定の実施形態では、中間層150中の材料はナノチューブの形態をしている。
【0052】
理論に縛られることを望まないが、中間層150は光吸収およびプラズモン励起を促進すると考えられる。理論に縛られることを望まないが、中間層150は、層140,150,160を含む再結合層における電子と正孔の再結合を増強するとも考えられる。
【0053】
いくつかの実施形態では、層140で使用されるn型半導体材料は、酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化タングステン、酸化モリブデン、およびそれらの組み合わせのような金属酸化物を含む。金属酸化物は、ナノ粒子の形態で使用することができる。他の実施形態では、n型半導体材料は、フラーレン、無機ナノ粒子、オキサジアゾール、ディスコティック液晶、炭素ナノロッド、無機ナノロッド、CN基を含むポリマー、CF基を含むポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。
【0054】
層140,150,160の各々は一般に十分な厚みを有し、その真下の層はその上に塗布されるあらゆる溶剤から保護される。いくつかの実施形態では、層140,150,160の各々は、少なくとも約10nm(例えば、少なくとも約20nm、少なくとも約50nm、または少なくとも約100nm)および/または、最大約500nm(例えば、最大約200nm、最大約150nm、または最大約100nm)の厚さを有しうる。
【0055】
一般に、層140,150,160の各々は、実質的に透明である。例えば、タンデム型光電池の動作時に使用される波長または波長域(例えば、約350nmから約1,000nmまで)において、層140,150,160の各々は、タンデム型光電池100で使用される厚さで、入射光の少なくとも約70%(例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、または少なくとも約90%)を透過しうる。
【0056】
層140,150,160の各々は一般に十分に低い抵抗率を有する。いくつかの実施形態では、層140,150,160の各々は、最大約1×10オーム/平方(例えば、最大約5×10オーム/平方、最大約2×10オーム/平方、または最大約1×10オーム/平方)の抵抗率を有する。
【0057】
理論に縛られたくないが、層140,160は、半電池102および半電池104の電極とそれぞれ見なすことができ、層150は、これらの2つの半電池の共有電極と見なすことができると考えられる。
【0058】
光電池100の他の部品に移ると、陰極110は一般に、導電体材料から形成される。導電体材料の例としては、導電性金属、導電性合金、および導電性ポリマーが挙げられる。典型的な導電性金属には、鉄、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、プラチナおよびチタンが含まれる。典型的な導電性合金には、ステンレス鋼(例えば、332ステンレス鋼、316ステンレス鋼)、金合金、銀合金、銅合金、アルミニウム合金、ニッケル合金、パラジウム合金、プラチナ合金およびチタン合金が含まれる。典型的な導電性ポリマーには、ポリチオフェン(例えば、PEDOT)、ポリアニリン(例えば、ドープされたポリアニリン)、ポリピロール(例えば、ドープされたポリピロール)が含まれる。いくつかの実施形態では、導電体材料の組み合わせが使用される。
【0059】
いくつかの実施形態では、陰極110はメッシュ電極を含みうる。メッシュ電極の例は、共同所有されている同時係属中の米国特許出願公開第20040187911号および第20060090791号に記載されており、これらの内容は参照によりここに組み込まれる。
【0060】
図2,3は、固体領域112および開放領域114を備えるメッシュ陰極110を示す。一般に領域112は、メッシュ陰極110が領域114によって光を通過し、かつ領域112によって電子を伝導することができるように、導電体材料から形成されている。
【0061】
メッシュ陰極110のうち開放領域114(メッシュ陰極110の空隙部分)が占める面積は適宜に選択することできる。一般にメッシュ陰極110の開放領域は、メッシュ陰極110の全面積の少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約7
0%、少なくとも約80%)および/または最大約99%(例えば、最大約95%、最大約90%、最大約85%)である。
【0062】
メッシュ陰極110は種々の方法で製造することができる。いくつかの実施形態では、メッシュ陰極110は、固体領域112を形成する材料からなるワイヤを編むことにより形成された編み込みメッシュである。ワイヤは、例えば、平織、オランダ織り、あや織、オランダあや織、またはそれらの組み合わせを使用して編むことができる。特定の実施形態では、メッシュ陰極110は溶接金網から形成される。いくつかの実施形態では、メッシュ陰極110は展伸メッシュから形成される。展伸(expanded)金属メッシュは、例えば、シート状の材料(例えば、金属などの導電体材料)から領域114を取り除き(例えば、レーザー除去、化学エッチング、穿孔によって)、その後にシートを延伸する(例えば、二次元にシートを延伸する)ことにより製造することができる。特定の実施形態では、メッシュ陰極110は、領域114を取り除き(例えば、レーザー除去、化学エッチング、穿孔によって)、その後にシートを延伸することなく形成される金属板である。
【0063】
特定の実施形態では、固体領域112は、前述したような導電体材料から全体に形成される(例えば、領域112は、導電性のほぼ均質な材料から形成される)。いくつかの実施形態では、固体領域112は、平方当たり約3オーム未満の抵抗率を有することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、固体領域112は、第1の材料から形成され、第1の材料と異なる第2の材料で覆われている(例えば、金属化を使用して、または蒸着を使用して)。一般に、第1の材料は任意の所望の材料(例えば、電気絶縁体材料、導電体材料、または半導体材料)から構成することができ、第2の材料は導電体材料である。第1の材料を構成することのできる電気絶縁体材料の例としては、織物、光ファイバー材料、ポリマー材料(例えば、ナイロン)、および天然材料(例えば、亜麻、綿、羊毛、絹)が挙げられる。第1の材料を構成することのできる導電体材料の例としては、先に開示した導電体材料が挙げられる。第1の材料を構成することのできる半導体材料の例としては、酸化インジウム錫、フッ素化された酸化錫、酸化錫、および酸化亜鉛が挙げられる。いくつかの実施形態では、第1の材料はファイバーの形態であり、第2の材料は、第1の材料の上に被覆される導電体材料である。特定の実施形態では、第1材料は、メッシュ状に形成された後に第2の材料で被覆されたメッシュ(上記の説明を参照)の形態である。一例として、第1の材料を展伸金属メッシュ、第2の材料を展伸金属メッシュの上に被覆されたPEDOTとすることができる。
【0065】
一般に、メッシュ陰極110の最大厚さは、正孔キャリア層120の全厚みよりも小さいべきである。典型的には、メッシュ陰極110の最大厚さは、少なくとも0.1ミクロン(例えば、少なくとも約0.2ミクロン、少なくとも約0.3ミクロン、少なくとも約0.4ミクロン、少なくとも約0.5ミクロン、少なくとも約0.6ミクロン、少なくとも約0.7ミクロン、少なくとも約0.8ミクロン、少なくとも約0.9ミクロン、少なくとも約1ミクロン)および/または最大約10ミクロン(例えば、最大約9ミクロン、最大約8ミクロン、最大約7ミクロン、最大約6ミクロン、最大約5ミクロン、最大約4ミクロン、最大約3ミクロン、最大約2ミクロン)である。
【0066】
矩形形状を有するように図2に示したが、開放領域114は一般に、任意の所望の形状(例えば、四角形、円形、半円形、三角形、ダイヤモンド形、楕円形、台形、不定形)でありうる。いくつかの実施形態では、メッシュ陰極110中の異なる開放領域114は、異なる形状を有しうる。
【0067】
正方形の断面形状を有するように図3に示したが、固体領域112は一般に、任意の所
望の形状(例えば、長方形、円形、半円形、三角形、ダイヤモンド形、楕円形、台形、不定形)でありうる。いくつかの実施形態では、メッシュ陰極110中の異なる固体領域112は、異なる形状を有しうる。固体領域112が円形の断面を有する実施形態では、その断面は約5ミクロンから約200ミクロンまでの範囲の直径を有しうる。固体領域112が台形の断面を有する実施形態では、その断面は約0.1ミクロンから約5ミクロンまでの範囲の高さと、約5ミクロンから約200ミクロンまでの範囲の幅を有しうる。
【0068】
いくつかの実施形態では、メッシュ陰極110は可撓性(例えば、連続的なロールツーロール製造法を使用して光電池100に組み込むのに十分な可撓性)である。特定の実施形態では、メッシュ陰極110は半剛性または非可撓性である。いくつかの実施形態では、メッシュ陰極110の異なる領域は、可撓性、半剛性または非可撓性(例えば、可撓性を有する1つ以上の領域と半剛性を有する1つ以上の別の領域、可撓性を有する1つ以上の領域と非可撓性を有する1つ以上の別の領域)でありうる。
【0069】
一般に、メッシュ電極110は基板(図1には示されていない)の上に配置することができる。いくつかの実施形態では、メッシュ電極110は、基板に部分的に埋め込まれうる。
【0070】
基板は一般に、透明材料から形成される。基板を形成することのできる典型的な材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、高分子炭化水素、セルロースポリマー、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテルおよびポリエーテルケトンが挙げられる。特定の実施形態では、ポリマーはフッ素化ポリマーでありうる。いくつかの実施形態では、高分子材料の組み合わせが使用される。特定の実施形態では、基板の異なる領域を異なる材料から形成することができる。
【0071】
一般に、基板は、可撓性、半剛性、または剛性(例えば、ガラス)でありうる。いくつかの実施形態では、基板は約5,000メガパスカル未満(例えば、1,000メガパスカル未満または500メガパスカル未満)の曲げ弾性率を有する。特定の実施形態では、基板の異なる領域は、可撓性、半剛性または非可撓性(例えば、可撓性を有する1つ以上の領域と半剛性を有する1つ以上の別の領域、可撓性を有する1つ以上の領域と非可撓性を有する1つ以上の別の領域)でありうる。
【0072】
典型的には、基板は、厚さが少なくとも約1ミクロン(例えば、少なくとも約5ミクロン、少なくとも約10ミクロン)および/または最大約1000ミクロン(例えば、最大約500ミクロン、最大約300ミクロン、最大約200ミクロン、最大約100ミクロン、最大約50ミクロン)である。
【0073】
一般に、基板は着色されていてもよいし、着色されていなくてもよい。いくつかの実施形態では、基板の1つ以上の部分が着色されている一方、基板の1つ以上の別の部分は着色されていない。
【0074】
基板は、1つの平坦面(例えば、光が当たる面)または2つの平坦面(例えば、光が当たる面とその反対側の面)を有してもよいし、平坦面を有さなくてもよい。基板の非平坦面は、例えば、湾曲または段差でありうる。いくつかの実施形態では、基板の非平坦面はパターン化されている(例えば、フレネルレンズ、レンチキュラレンズまたはレンチキュラプリズムを形成するパターン化ステップを有する)。
【0075】
正孔キャリア層120は一般に、タンデム型光電池100で使用される厚さで、陰極110に正孔を輸送し、かつ陰極110への電子の輸送を実質的に遮断する材料から形成される。層120を形成することのできる材料の例としては、ポリチオフェン(例えば、P
EDOT)、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、およびそれらの共重合体が挙げられる。いくつかの実施形態では、正孔キャリア層120は、正孔キャリア材料の組み合わせを含むことができる。
【0076】
一般に、正孔キャリア層120(すなわち、光活性層130に接する正孔キャリア層120の面と正孔キャリア層120に接する陰極110の面の間の距離)の厚みは適宜に変更することができる。典型的には、正孔キャリア層120の厚みは、少なくとも0.01ミクロン(例えば、少なくとも約0.05ミクロン、少なくとも約0.1ミクロン、少なくとも約0.2ミクロン、少なくとも約0.3ミクロン、または少なくとも約0.5ミクロン)および/または最大約5ミクロン(例えば、最大約3ミクロン、最大約2ミクロン、または最大約1ミクロン)である。いくつかの実施形態では、正孔キャリア層120の厚みは約0.01ミクロンから約0.5ミクロンである。
【0077】
光活性層130,170のうち少なくとも1つ(例えば、両方の層130,170)は、電子受容体材料(例えば、有機電子受容体材料)および電子供与体材料(例えば、有機電子供与体材料)を含むことができる。いくつかの実施形態では、光活性層130,170のうち少なくとも1つ(例えば、両方の層130,170)は無機半導体材料を含むことができる。特定の実施形態では、光活性層130,170のうち一方は有機電子受容体材料および有機電子供与体材料を含み、光活性層130,170のうち他方は無機半導体材料を含む。
【0078】
電子受容体材料の例としては、フラーレン、オキサジアゾール、炭素ナノロッド、ディスコティック液晶、無機ナノ粒子(例えば、酸化亜鉛、酸化タングステン、リン化インジウム、セレン化カドミウム、および/または硫化鉛からなるナノ粒子)、無機ナノロッド(例えば、酸化亜鉛、酸化タングステン、リン化インジウム、セレン化カドミウム、および/または硫化鉛からなるナノロッド)、または電子を受容することあるいは安定した陰イオンを形成することのできる部分を含んだポリマー(例えば、CN基を含むポリマー、CF基を含むポリマー)が挙げられる。いくつかの実施形態では、電子受容体材料は置換フラーレン(例えば、PCBM)である。いくつかの実施形態では、電子受容体材料の組み合わせを光活性層130,170で使用することができる。
【0079】
電子供与体材料の例としては、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、ポリシクロペンタジチオフェン、ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアジアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリテトラヒドロイソインドール、およびそれらの共重合体のような共役ポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、電子供与体材料は、ポリチオフェン(例えば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT))、ポリシクロペンタジチオフェン、およびそれらの共重合体でありうる。特定の実施形態では、電子供与体材料の組み合わせを光活性層130,170で使用することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、電子供与体材料または電子受容体材料は、第1のコモノマー繰り返し単位と、第1のコモノマー繰り返し単位と異なる第2のコモノマー繰り返し単位とを有するポリマーを含むことができる。第1のコモノマー繰り返し単位は、シクロペンタジチオフェン部分、シラシクロペンタジチオフェン部分、シクロペンタジチアゾール部
分、チアゾロチアゾール部分、チアゾール部分、ベンゾチアジアゾール部分、チオフェンオキシド部分、シクロペンタジチオフェンオキシド部分、ポリチアジアゾロキノキサリン部分、ベンゾイソチアゾール部分、ベンゾチアゾール部分、チエノチオフェン部分、チエノチオフェンオキシド部分、ジチエノチオフェン部分、ジチエノチオフェンオキシド部分、またはテトラヒドロイソインドール部分を含むことができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1のコモノマー繰り返し単位は、シクロペンタジチオフェン部分またはシラシクロペンタジチオフェン部分を含む。いくつかの実施形態では、シクロペンタジチオフェン部分またはシラシクロペンタジチオフェン部分は、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、およびSORからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである。例えば、シクロペンタジチオフェン部分またはシラシクロペンタジチオフェン部分は、ヘキシル、2−エチルヘキシル、または3,7−ジメチルオクチルで置換することができる。特定の実施形態では、シクロペンタジチオフェン部分またはシラシクロペンタジチオフェン部分は4位において置換される。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1のコモノマー繰り返し単位は、式(1)のシクロペンタジチオフェン部分または式(29)のシラシクロペンタジチオフェン部分を含む。
【0083】
【化3】
ここで、R、R、R、R、R、R、RおよびRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、またはSORである。Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである。例えば、R、R、RおよびRの各々は独立して、ヘキシル、2−エチルヘキシル、または3,7−ジメチルオクチルでありうる。
【0084】
アルキルは、飽和または不飽和であってもよく、分岐または直鎖であってもよい。C−C20アルキルは1〜20の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20の炭素原子)を含む。アルキル部分の例としては、−CH、−CH−、−CH=CH−、−CH−CH=CH、および分岐−Cが挙げられる。アルコキシは、分岐または直鎖であってもよく、飽和または不飽和であってもよい。C−C20アルコキシは、酸素ラジカルおよび1〜20の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20の炭素原子)を含む。アルコキシ部分の例としては、−OCHおよび−OCH=CH−CHが挙げられる。シクロアルキルは、飽和または不飽和のいずれかであってもよい。C−C20シクロアルキルは3〜20の炭素原子(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20の炭素原子)を含む。
シクロアルキル部分の例としては、シクロヘキシルおよびシクロヘキセン−3−イルが挙げられる。ヘテロシクロアルキルもまた、飽和または不飽和のいずれかであってもよい。C−C20ヘテロシクロアルキルは、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えば、O、NおよびS)および3〜20の炭素原子(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20の炭素原子)を含む。ヘテロシクロアルキル部分の例としては、4−テトラヒドロピラニルおよび4−ピラニルが挙げられる。アリールは1つ以上の芳香環を含むことができる。アリール部分の例としては、フェニル、フェニレン、ナフチル、ナフチレン、ピレニル、アントリルおよびフェナントリルが挙げられる。ヘテロアリールは1つ以上の芳香環を含むことができ、そのうちの少なくとも1つは少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えば、O、NおよびS)を含む。ヘテロアリール部分の例としては、フリル、フリレン、フルオレニル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、キナゾリニル、キノリル、イソキノリルおよびインドリルが挙げられる。
【0085】
ここで述べるアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、特に断りのない限り、置換部分および未置換部分の両方を含む。シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール上の置換基の例としては、C−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C20アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アミノ、C−C10アルキルアミノ、C−C20ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヒドロキシル、ハロゲン、チオ、C−C10アルキルチオ、アリールチオ、C−C10アルキルスルホニル、アリールスルフォニル、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、カルボキシルおよびカルボン酸エステルが挙げられる。アルキルまたはアルコキシ上の置換基の例としては、C−C20アルキル以外の上記置換基の全てが挙げられる。シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールはまた融合基(fused groups)を含む。
【0086】
第2のコモノマー繰り返し単位は、ベンゾチアジアゾール部分、チアジアゾロキノキサリン部分、シクロペンタジチオフェンオキシド部分、ベンゾイソチアゾール部分、ベンゾチアゾール部分、チオフェンオキシド部分、チエノチオフェン部分、チエノチオフェンオキシド部分、ジチエノチオフェン部分、ジチエノチオフェンオキシド部分、テトラヒドロイソインドール部分、フルオレン部分、シロール部分、シクロペンタジチオフェン部分、フルオレノン部分、チアゾール部分、セレノフェン部分、チアゾロチアゾール部分、シクロペンタジチアゾール部分、ナフトチアジアゾール部分、チエノピラジン部分、シラシクロペンタジチオフェン部分、オキサゾール部分、イミダゾール部分、ピリミジン部分、ベンズオキサゾール部分またはベンズイミダゾール部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2のコモノマー繰り返し単位は3,4−ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール部分である。
【0087】
いくつかの実施形態では、第2のコモノマー繰り返し単位は、式(2)のベンゾチアジアゾール部分、式(3)のチアジアゾロキノキサリン部分、式(4)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(5)のシクロペンタジチオフェンモノオキシド部分、式(6)のベンゾイソチアゾール部分、式(7)のベンゾチアゾール部分、式(8)のチオフェンジオキシド部分、式(9)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(10)のシクロペンタジチオフェンテトラオキシド部分、式(11)のチエノチオフェン部分、式(12)のチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(13)のジチエノチオフェン部分、式(14)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(15)のジチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(16)のテトラヒドロイソインドール部分、式(17)のチエノチオフェンジオキシド部分、式(18)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(19)のフルオレン部分、式(20)のシロール部分、式(21)のシクロペンタジチオフ
ェン部分、式(22)のフルオレノン部分、式(23)のチアゾール部分、式(24)のセレノフェン部分、式(25)のチアゾロチアゾール部分、式(26)のシクロペンタジチアゾール部分、式(27)のナフトチアジアゾール部分、式(28)のチエノピラジン部分、式(29)のシラシクロペンタジチオフェン部分、式(30)のオキサゾール部分、式(31)のイミダゾール部分、式(32)のピリミジン部分、式(33)のベンズオキサゾール部分、または式(34)のベンズイミダゾール部分を含むことができる。
【0088】

【化4】
上式中、XとYの各々は独立して、CH、OまたはSである。RとRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、またはSORである。Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである。RとRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、第2のコモノマー繰り返し単位は、RとRの各々がHである式(2)のベンゾチアジアゾール部分を含む。
【0089】
第2のコモノマー繰り返し単位は少なくとも3つのチオフェン部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、チオフェン部分のうち少なくとも1つは、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、およびC−C20ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。特定の実施形態では、第2のコモノマー繰り返し単位は5つのチオフェン部分を含む。
【0090】
ポリマーは、チオフェン部分またはフルオレン部分を含んだ第3のコモノマー繰り返し単位をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、チオフェン部分またはフルオレン部分は、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリー
ル、C−C20シクロアルキル、およびC−C20ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている。
【0091】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、第1、第2および第3のコモノマー繰り返し単位のいずれかの組み合わせによって形成することができる。特定の実施形態では、ポリマーは、第1、第2および第3のコモノマー繰り返し単位のうちのいずれかを含んだホモポリマーでありうる。
【0092】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、nが1よりも大きい整数であることのできる
【0093】
【化5】
でありうる。
【0094】
ここで述べるポリマーを製造するためのモノマーは1つ以上の非芳香族二重結合および
1つ以上の不斉中心を含みうる。したがって、それらはラセミ化合物およびラセミ混合物、単一の鏡像異性体、個別のジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、およびシスまたはトランス−異性体形態として生じうる。そのようなすべての異性体が意図される。
【0095】
上述のポリマーは、共同所有されている同時係属中の米国出願第11/601,374号に記載のもののような当技術分野において公知の方法によって製造することができ、その内容は参照によりここに組み込まれる。例えば、共重合体は、遷移金属触媒の存在下における2つのアルキルスタニル基を含んだ1つ以上のコモノマーと2つのハロ基を含んだ1つ以上のコモノマーの間の架橋反応によって製造することができる。別の例として、共重合体は、遷移金属触媒の存在下における2つのホウ酸塩基を含んだ1つ以上のコモノマーと2つのハロ基を含んだ1つ以上のコモノマーの間の架橋反応によって製造することができる。コモノマーは、ここに記載の方法によって、あるいは米国特許出願第11/486,536号、CoppoらのMacromolecules(2003年、36巻、2705−2711ページ)、KurtらのJ.Heterocycl Chem.(1970年、6巻、629ページ)に記載のもののような当技術分野において公知の方法によって製造することができ、これらの内容は参照によりここに組み込まれる。
【0096】
理論に縛られることを望まないが、上述のポリマーの利点は、それらの吸収波長が、他の従来のポリマーのほとんどが利用することのできない電磁スペクトルの赤色領域および近赤外領域(例えば、650−800nm)にシフトすることであると考えられる。このようなポリマーが従来の半導体ポリマー(例えば、P3HT)とともに光電池(例えば、タンデム型光電池)に組み込まれた場合、スペクトルのその領域において電池が光を吸収することができ、これにより電池の電流および効率が増大する。
【0097】
いくつかの実施形態では、ポリマーのHOMO準位は、光電池(例えば、ポリマー−フラーレン電池またはタンデム型電池)の中の電子受容体(例えば、PCBM)のLUMOに対して正確に定められることができ、高電池電圧を可能にする。ポリマーのLUMOは、光電池の中の電子受容体の伝導帯に対して正確に定めることができ、これにより電子受容体への電子の効率的な移動がもたらされる。例えば、約1.4−1.6eVのバンドギャップを有するポリマーの使用によって、電池電圧を大きく向上することができる。電池の性能、特に効率は、光電流の増大および電池電圧の増大の両方から利することができ、15%またはそれ以上の効率にまで至ることができる。ポリマーの正電荷移動性は比較的高くてもよく、およそ10−4から10−1cm/Vsの範囲である。一般に、比較的高い正電荷移動性は、比較的速い電荷分離を可能にする。ポリマーはまた、有機溶媒および/またはフィルム成形において可溶であってもよい。さらに、ポリマーは光学的に非散乱であってもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、光活性層130は第1のバンドギャップを有し、光活性層170は第1のバンドギャップと異なる第2のバンドギャップを有する。このような実施形態では、一方の光活性層によって吸収されない光がもう一方の光活性層によって吸収されることができ、これにより光電池100の効率が増大する。
【0099】
一般に、光活性層130,170は、対応する電子および正孔を形成するべくその上に衝突する光子の吸収を比較的効率的にするために十分に厚く、かつ正孔と電子の輸送を比較的効率的にするために十分に薄い。特定の実施形態では、光活性層130,170は、厚さが少なくとも0.05ミクロン(例えば、少なくとも約0.1ミクロン、少なくとも約0.2ミクロン、少なくとも約0.3ミクロン)および/または最大約1ミクロン(例えば、最大約0.5ミクロン、最大約0.4ミクロン)である。いくつかの実施形態では、光活性層130,170は、厚さが約0.1ミクロンから約0.2ミクロンである。
【0100】
いくつかの実施形態では、光活性層130,170のうち一方または両方は無機半導体材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、無機半導体材料は、IV族半導体材料、III−V族化合物半導体材料、II−VI族半導体材料、カルコゲン半導体材料、および半導体金属酸化物を含む。IV族半導体材料の例としては、アモルファスシリコン、結晶シリコン(例えば、微結晶シリコンまたは多結晶シリコン)、およびゲルマニウムを含む。III−V族半導体材料の例としては、砒化ガリウムおよびリン化インジウムが挙げられる。II−VI族半導体材料の例としては、セレン化カドミウムおよびテルル化カドミウムが挙げられる。カルコゲン半導体材料の例としては、セレン化銅インジウム(CIS)およびセレン化銅インジウムガリウム(CIGS)が挙げられる。半導体金属酸化物の例としては、酸化銅、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ストロンチウム銅、または酸化ストロンチウムチタンが挙げられる。特定の実施形態では、半導体のバンドギャップはドーピングによって調整することができる。いくつかの実施形態では、無機半導体材料は無機ナノ粒子を含むことができる。
【0101】
理論に縛られることを望まないが、光活性層130,170がほぼ同じ量の電流を生成する場合にタンデム型光電池100は最も高い効率を達成すると考えられる。
正孔ブロック層180は一般に、光電池100で使用される厚さで、陽極190に電子を輸送し、かつ陽極190への正孔の輸送を実質的に遮断する材料から形成される。正孔ブロック層180を形成することのできる材料の例としては、LiF、金属酸化物(例えば、酸化亜鉛、酸化チタン)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0102】
典型的には、正孔ブロック層180は、厚さが少なくとも0.02ミクロン(例えば、少なくとも約0.03ミクロン、少なくとも約0.04ミクロン、少なくとも約0.05ミクロン)および/または最大約0.5ミクロン(例えば、最大約0.4ミクロン、最大約0.3ミクロン、最大約0.2ミクロン、最大約0.1ミクロン)である。
【0103】
陽極190は一般に、上述の導電体材料のうちの1つ以上のような導電体材料から形成される。いくつかの実施形態では、陽極190は導電体材料の組み合わせから形成される。特定の実施形態では、陽極190はメッシュ電極から形成することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、陽極190は基板(図1には示されていない)によって包囲することができる。基板は、陰極110に隣接する基板と同じ材料から形成してもよく、あるいは同じ特性を有してもよい。
【0105】
一般に、正孔キャリア層120、光活性層130、n型半導体層140、中間層150、p型半導体層160、光活性層170および正孔ブロック層180の各々は、液体ベースのコーティング工程によって製造することができる。ここで述べる「液体ベースのコーティング工程」という用語は、液体ベースのコーティング組成物を使用するプロセスをいう。液体ベースのコーティング組成物の例としては、溶液、分散液または懸濁液が挙げられる。液体ベースのコーティング組成物の濃度は一般に、適宜に調整することができる。いくつかの実施形態では、コーティング組成物の所望の粘度またはコーティングの所望の厚みを達成するために濃度を調節することができる。層120−180の各々で使用される材料は一般に、隣接する層で使用される材料を溶解しない溶剤に溶解または分散させることが可能である。
【0106】
液体ベースのコーティング工程は、以下の工程のうち少なくとも1つを使用して行なうことができる。溶液コーティング、インクジェット印刷、スピンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、バーコーティング、吹付コーティング、ローラーコーティング、スロットコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、またはスクリーン印刷。理論に縛られることを望まないが、液体ベースのコーティング工程はロールツー
ロール法のような連続生産プロセスで容易に使用することができ、これにより光電池を製造する時間および費用を大きく減らすことができると考えられる。ロールツーロール法の例は、例えば、共同所有されている同時係属中の米国特許出願第11/134,921号、米国特許出願第10/395,823号および米国特許出願第11/127,439号に記載されており、これらの内容は参照によりここに組み込まれる。
【0107】
いくつかの実施形態では、層120,130,140,150,160,180が無機半導体ナノ粒子を含む場合、液体ベースのコーティング工程は、(1)ナノ粒子(例えば、CISまたはCIGSナノ粒子)を溶剤(例えば、水性溶媒または無水アルコール)に混合して分散液を形成すること、(2)基板上に分散液を塗布すること、および(3)塗布した分散液を乾燥することによって行なうことができる。特定の実施形態では、無機金属酸化物ナノ粒子を含んだ層を製造するための液体ベースのコーティング工程は、(1)適切な溶剤(例えば、無水アルコール)に前駆物質(例えば、チタン塩)を分散させて分散液を形成すること、(2)光活性層の上に分散液を塗布すること、(3)分散液を加水分解して無機半導体ナノ粒子層(例えば、酸化チタンナノ粒子層)を形成すること、および(4)無機半導体材料層を乾燥することによって行なうことができる。特定の実施形態では、液体ベースのコーティング工程はゾルゲル法によって行なうことができる。
【0108】
一般に、有機半導体材料を含んだ層を製造するために使用される液体ベースのコーティング工程は、無機半導体材料を含んだ層を製造するために使用されるものと同じであってもよいし、異なってもよい。いくつかの実施形態では、層120,130,140,150,160,180が有機半導体材料を含む場合、液体ベースのコーティング工程は、有機半導体材料を溶剤(例えば、有機溶媒)に混合して溶液または分散液を形成すること、基板上に溶液または分散液を塗布すること、および塗布した溶液または分散液を乾燥することによって行なうことができる。例えば、有機光活性層は、適切な溶剤(例えば、キシレン)に電子供与体材料(例えば、P3HT)および電子受容体材料(例えばPCBM)を混合して分散液を形成すること、基板上に分散液を塗布すること、および塗布した分散液を乾燥することによって製造することができる。
【0109】
液体ベースのコーティング工程は、高温(例えば、少なくとも約50℃、少なくとも約100℃、少なくとも約200℃、または少なくとも約300℃)で行なうことができる。温度は、使用されるコーティング工程およびコーティング組成物などの様々な要因に応じて調節することができる。例えば、無機ナノ粒子を含んだ層を製造する場合には、ナノ粒子は高温(例えば、少なくとも約300℃)で焼結されて相互に結合したナノ粒子を形成しうる。一方、高分子連結剤(例えば、ポリ(n−ブチルチタネート))を無機ナノ粒子に加える場合、焼結法は低い温度(例えば、約300℃未満)で行うことができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、図1に記載の中間層150をタンデム型光電池から省くことができる。例えば、図4は、陰極410、正孔キャリア層420、光活性層430、再結合層450、光活性層470、正孔ブロック層480、陽極490、および陰極410および陽極490を介して光電池400に接続される外部負荷を備えたタンデム型光電池400を示す。再結合層450は、n型半導体材料を含んだ層440と、p型半導体材料を含んだ層460とを備える。
【0111】
いくつかの実施形態では、p型半導体材料とn型半導体材料は1つの層に混合されている。このような実施形態では、層440,460は一層の再結合層450になる。
いくつかの実施形態では、再結合層450は、少なくとも約30重量%(例えば、少なくとも約40重量%または少なくとも約50重量%)および/または最大約70重量%(例えば、最大約60重量%または最大約50重量%)のp型半導体材料を含む。いくつかの実施形態では、再結合層140は、少なくとも約30重量%(例えば、少なくとも約4
0重量%または少なくとも約50重量%)および/または最大約70重量%(例えば、最大約60重量%、または最大約50重量%)のn型半導体材料を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、二層の再結合層は、n型半導体材料の層とp型半導体材料の層を別々に塗布することによって製造することができる。例えば、n型半導体材料として酸化チタンナノ粒子を使用する場合には、酸化チタンナノ粒子の層は、(1)溶剤(例えば、無水アルコール)に前駆物質(例えば、チタン塩)を分散させて分散液を形成すること、(2)光活性層の上に分散液を塗布すること、(3)分散液を加水分解して酸化チタン層を形成すること、および(4)酸化チタン層を乾燥することによって形成することができる。別の例として、p型半導体としてポリマー(例えば、PEDOT)を使用する場合には、ポリマー層は、溶剤(例えば、無水アルコール)にポリマーをまず溶解させて溶液を形成し、その後に光活性層の上に溶液を塗布することによって形成することができる。いくつかの実施形態では、一層の再結合層は、光活性層の上にn型半導体材料とp型半導体材料の混合物を塗布することによって製造することができる。例えば、n型半導体とp型半導体を溶剤にまず分散および/または溶解させて分散液または溶液を形成し、その後に光活性層の上に分散液または溶液を塗布することにより、再結合層を形成することができる。上述のコーティング工程は、上述の液体ベースのコーティング工程のうち少なくとも1つを使用することにより達成することができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、光起電力システムを形成するべく複数のタンデム型光電池を電気的に接続することができる。一例として、図5は、複数のタンデム型光電池520を含んだモジュール510を有する光起電力システム500の模式図である。電池520は直列に電気的に接続されており、システム500は負荷530に電気的に接続されている。別の例として、図6は、複数のタンデム型光電池620を含んだモジュール610を有する光起電力システム600の模式図である。電池620は並列に電気的に接続されており、システム600は負荷630に電気的に接続されている。いくつかの実施形態では、光起電力システム中のタンデム型光電池のうちのいくつか(例えば、すべて)が1つ以上の共通基板を有してもよい。特定の実施形態では、光起電力システム中のいくつかのタンデム型光電池が直列に電気的に接続され、かつ光起電力システム中のいくつかのタンデム型光電池が並列に電気的に接続されている。
【0114】
いくつかの実施形態では、複数のタンデム型光電池を電気的および/または機械的に接続して光起電力モジュールを形成することができる。図7は、複数のタンデム型光電池710,720を含んだ折り畳まれていない光起電力モジュール700の断面図を示す。タンデム型光電池710,720の各組は、角度θを有するV字部分を形成する。角度θは一般に、V字部分の一方の面の上の1つのタンデム型光電池によって吸収されない入射光が、同じV字部分の他方の面の上のタンデム型光電池に向けて反射されることを可能にする。いくつかの実施形態では、角度θは、少なくとも約5°(例えば、少なくとも約10°、少なくとも約30°、少なくとも約50°、少なくとも約70°、少なくとも約90°、少なくとも約110°、少なくとも約130°、少なくとも約150°、または少なくとも約170°)および/または最大約175°(例えば、最大約160°、最大約140°、最大約120°、最大約100°、最大約80°、最大約60°、最大約40°、または最大約20°)である。いくつかの実施形態では、角度θは60°である。特定の実施形態では、1つのV字部分の角度θは、別のV字部分の角度θと異なってもよい。特定の実施形態では、1つのV字部分の角度θは、別のV字部分の角度θと同じであってもよい。光起電力モジュール700は不使用時、コンパクトな形に折り畳むことができ、容易に保管または運搬することができる。図8は、折り畳まれた光起電力モジュール700の断面図を示す。
【0115】
一般に、タンデム型光電池710,720の各々は1つ以上の光活性材料を含む。いく
つかの実施形態では、タンデム型光電池710中の光活性材料は、タンデム型光電池720中の光活性材料と同じ最大吸収波長を有する。特定の実施形態では、タンデム型光電池710中の光活性材料は、タンデム型光電池720中の光活性材料と少なくとも25nm(例えば、少なくとも約50nm、少なくとも約100nm、少なくとも約150nm、少なくとも約200nm、少なくとも約250nm、少なくとも約300nm、少なくとも約350nm、少なくとも約400nm、または少なくとも約450nm)だけ異なる最大吸収波長を有する。
【0116】
いくつかの実施形態では、タンデム型光電池710,720の各々は少なくとも2つの電極を含む。各タンデム型光電池中の電極は同一であってもよいし、異なってもよい。特定の実施形態では、各タンデム型光電池710,720中の電極のうち少なくとも1つを透明な導電体材料から形成することができる。このような材料の例としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫、フッ素ドープされた酸化錫、および酸化亜鉛のような特定の金属酸化物が挙げられる。いくつかの実施形態では、各タンデム型光電池710,720中の電極のうち少なくとも1つを金属メッシュまたは金属箔から形成することができる。メッシュまたは箔を形成するのに使用することのできる適切な金属としては、パラジウム、チタン、プラチナ、ステンレス鋼、およびそれらの合金が挙げられる。特定の実施形態では、一つの光電池の電極のうち少なくとも1つを、別の光電池の電極のうち少なくとも1つと異なる材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、タンデム型光電池710がタンデム型光電池720と電極を共有することができる。例えば、タンデム型光電池710,720は、各電池の下部(すなわち、基板と光電池710,720の他の部品との間)に位置する電極を共有することができる。このような光起電力モジュールは、基板の上に共有の電極を配置させ、その後に共有の電極の上に光電池710,720の他の部品を配置させることによって製造することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、各タンデム型光電池710,720は、2つ以上の半電池(例えば、3、4、5、6、7、8、9または10個の半電池)を含むことができる。いくつかの実施形態では、タンデム型光電池710,720の各々は、その表面の上に抗反射性(すなわち、反射防止(AR))コーティングを含むことができる。理論に縛られることを望まないが、光電池の上のそのようなARコーティングは、光電池の表面で反射する入射光の量を最小限にすることができ、これにより光電池による吸収に利用することのできる入射光の量が増大すると考えられる。
【0118】
いくつかの実施形態では、ARコーティングは、基板の屈折率の平方根である屈折率を有する透明材料からなる単一の4分の1波長層から構成することができる。このようなARコーティングは、中心波長において反射率ゼロを示すことができ、中心付近の広い帯域の波長に向けて反射率は徐々に増加する。基板の一例として光学ガラス(例えば、クラウンガラスまたはベアガラス)が挙げられる。特定の実施形態では、基板は、少なくとも約1.3(例えば、少なくとも約1.4、少なくとも約1.5、少なくとも約1.6、少なくとも約1.7、少なくとも約1.8、または少なくとも約1.9)の屈折率を有することができる。いくつかの実施形態では、屈折率が1.38であるフッ化マグネシウム(MgF)から単一層のARコーティングを形成することができる。MgFコーティングは典型的には、クラウンガラス上で約1%の反射率、ベアガラス上で約4%の反射率を有する。一般に、MgFコーティングは、可視スペクトルの中間部の波長に使用される場合、全可視スペクトルにわたり優れた反射防止を示す。
【0119】
いくつかの実施形態では、ARコーティングは、対照的な屈折率を有する交互に並んだ層を備えた透明薄膜構造から形成される。層の厚みは、界面から反射されたビーム中に破壊的干渉が生じ、かつ対応する透過ビーム中に建設的干渉が生じるように選択することができる。これにより、波長および入射角による(回折と同様に)構造の特性変化が生じる
。したがって、このようなコーティングは典型的には、特定の波長領域(例えば、赤外線、可視または紫外線領域の中の)向けに設計される。特定の実施形態では、ARコーティングは、交互に並んだ低指数材料(例えば、シリカ)と高指数材料の層を含むことができる。このようなARコーティングは、単一波長で0.1%という低い反射率を有することができる。いくつかの実施形態では、ARコーティングは、複数の波長でゼロに近い反射率のようなユニークな特徴、あるいは0°以外の入射角で最適な性能を有することができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、タンデム型光電池710,720の各々は、図1,4に記載のタンデム型光電池であってもよい。望むならば、光起電力モジュール700中の異なるタンデム型光電池は、異なるタイプの電池であってもよい。例えば、光起電力モジュール700のV字部分について、タンデム型光電池710は有機光活性材料のみを含んでもよく、タンデム型光電池720は有機および無機の両方の光活性材料を含んでもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、光起電力モジュール700は、ロールツーロール法を使用して可撓性基板の上に複数のタンデム型光電池をまず製造し、その後に可撓性基板を部分的に切断して2つのタンデム型光電池をそれぞれ含んだ複数のV字部分に形成することによって製造することができる。切断の方法の例は、同時係属中の共同所有されている米国特許出願第10/351,250号に開示されており、これは参照によりここに組み込まれる。
【0122】
いくつかの実施形態では、V形(例えば、放物線状または半球形状)以外の形状を光起電力モジュールで使用することができる。他の形状の例は、同時係属中の共同所有されている米国出願公開第2006−0225778号に開示されており、これは参照によりここに組み込まれる。
【0123】
特定の実施形態をこれまで開示してきたが、さらに別の実施形態も可能である。
いくつかの実施形態では、タンデム型電池中の半電池は電気的に直列に相互接続される。直列に接続する場合、一般に、層は図1に示す順序であってもよい。特定の実施形態では、タンデム型電池中の半電池は、電気的に並列に相互接続される。並列に相互接続する場合、2つの半電池を備えるタンデム型電池は次の層を含むことができる。第1陰極、第1正孔キャリア層、第1光活性層、第1正孔ブロック層(陽極として機能することが可能)、第2正孔ブロック層(陽極として機能することが可能)、第2光活性層、第2正孔キャリア層、および第2陰極。このような実施形態では、第1正孔ブロック層と第2正孔ブロック層は、2つの別個の層であってもよいし、単一の層であってもよい。第1正孔ブロック層と第2正孔ブロック層の導電率が十分ではない場合、必要な導電率を与える追加の層(例えば、導電性メッシュ層)が挿入されてもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、タンデム型電池は、2よりも多い半電池(例えば、3、4、5、6、7、8、9または10個の半電池)を含むことができる。特定の実施形態では、いくつかの半電池は電気的に直列に相互接続されてもよく、いくつかの半電池は電気的に並列に相互接続されてもよい。
【0125】
これまで光電池を述べてきたが、いくつかの実施形態では、ここに記載のポリマーを他の装置およびシステムで使用することができる。例えば、ポリマーは、電界効果トランジスター、光検出器(例えば、IR検出器)、光起電力検出器、画像装置(例えば、カメラ用または医療画像システム用のRGB画像装置)、発光ダイオード(LED)(例えば、有機LED、あるいは赤外または近赤外LED)、レーザー装置、変換層(例えば、可視発光を赤外発光に変換する層)、電気通信用の増幅器およびエミッター(例えば、ファイバー用ドーパント)、記憶素子(例えば、ホログラフィー記憶素子)、およびエレクトロ
クロミック装置(例えば、エレクトロクロミックディスプレー)のような適切な有機半導体装置で使用することができる。
【0126】
以下の実施例は例示であって、制限されることを意図するものではない。
実施例1: 4,4−ビス−(2−エチルヘキシル)−4Hシクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェンの合成
【0127】
【化6】
4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン(1.5g、0.00843モル)をDMSO(50mL)に溶解した。溶液を窒素で脱気した後、粉末のKOH(1.89g、0.0337モル)、ヨウ化ナトリウム(50mg)および臭化2−エチルヘキシル(3.25g、0.0169モル)を連続して加えた。窒素の下で反応混合物を一晩(約16時間)撹拌した。水を加え、反応物をt−ブチルメチルエーテルで抽出した。有機層を回収し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮した。溶離剤としてヘキサンを使用してクロマトグラフィーにより残渣を精製した。純粋な4,4−ビス−(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ[2、1−b;3、4−b’]ジチオフェン産物を含んだ画分を合わせて濃縮した。真空下で乾燥した後、無色の油状物として生成物を得た。収量:2.68g(79%)。H NMR(CDCl、250MHz):7.13(m、2H)、6.94(m、2H)、1.88(m、4H)、0.94(m、16H)、0.78(t、6.4Hz、6H)、0.61(t、7.3Hz、6H).
実施例2: 4、4−ビス−(2−エチルヘキシル)−2,6−ビス−トリメチルスタンナニル−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェンの合成
【0128】
【化7】
出発物質4,4−ビス−(2−エチル−ヘキシル)−4H−シクロペンタ[2、1−b;3,4−b’]ジチオフェン(1.5g、0.00372モル)を乾燥THF(20mL)に溶解した。溶液を−78℃にまで冷却した後、ブチルリチウム(5.21mL、0.0130モル)を滴下して加えた。反応混合物を同温度で1時間撹拌した。その後、室温まで温めてさらに3時間撹拌した。再び混合物を−78℃にまで冷却し、塩化トリメチル錫(ヘキサン中に1M、15.6mL、15.6ミリモル)を滴下して加えた。反応混合物を室温まで温めて一晩(約16時間)攪拌した。
【0129】
水を添加し、反応物をトルエンで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。残渣をトルエンに溶解し、トリエチルアミンで前処理されたシリカゲ
ルの小さな栓に素早く通した。溶剤を除去し、残渣を真空下で乾燥した。1.25gの生成物が得られた。H NMR(CDCl、250MHz):6.96(m、2H)、1.85(m、4H)、1.29(m、2H)、0.92(m、16H)、0.78(t、6.8Hz、6H)、0.61(t、7.3Hz、6H)、0.38(m、18H)。
【0130】
実施例3: ビス−(トリメチルスタニル)−4,4−(2−エチルヘキシル)シクロペンタ[2、1−b:3,4−b’]ジチオフェンおよび4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾールの重合
【0131】
【化8】
ビス−(トリメチルスタニル)−4,4−ジ(2−エチルヘキシル)−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェン(0.686g、0.000943モル)および4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(0.269g、0.000915モル)をトルエン(20mL)に溶解した。反応液を窒素で脱気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(25.1mg、0.0275ミリモル)およびトリフェニルフォスフィン(57.6mg、0.220ミリモル)を加えた。反応液を窒素でさらに10分間脱気し、窒素の下で120℃にまで24時間加熱した。真空下で溶剤を除去し、残渣をクロロホルムに溶解した。混合物をメタノール(500mL)に注いだ後、こうして得られた青色の沈殿物を濾過により回収し、メタノールで洗浄し、乾燥した。沈殿物を加熱下でクロロホルム(30mL)に溶解し、0.45μmの膜で濾過した。3mLずつ溶液をリサイクルHPLC(ダイクロムのリサイクルHPLC上の2H+2.5Hカラム、各注入につき5サイクル)にかけて精製した。高分子量の画分を合わせて120mgの純粋なポリマー(Mn=35kDa)を得た。
【0132】
実施例4: ビス−(5,5’−トリメチルスタニル)−3,3’−ジ−n−ヘキシル−シリレン−2’,2−ジチオフェンの合成
【0133】
【化9】
0.638g(1.76ミリモル)の3,3’−ジ−n−ヘキシルシリレン−2,2’−ジチオフェン(UstaらのJ.Am.Chem.Soc.、2006年、128(28)、9034−9035ページに記載の手順で製造され、この内容は参照によりここに組み込まれる)を20mLの新たに蒸留した乾燥THFに溶解した。溶液を窒素で15分
間脱気し、−78℃にまで冷却した。ヘキサン(10ミリモル)中の4.00mLのn−ブチルリチウムを滴下してこの溶液に加えた。同温度で2時間溶液を反応させた。その後、溶液を室温まで温めてさらに2時間半、反応させた。続いて、溶液を−78℃にまで冷却した後、ヘキサン中の12.00ml(12.00ミリモル)の塩化トリメチル錫を溶液に滴下して加えた。反応溶液を−78℃でさらに2時間攪拌した。その後、溶液を室温まで温めてさらに16時間反応させた。反応の完了後、100mlの蒸留水を加え、溶液をトルエン(3×60ml)を使用して抽出した。合わせられた有機相を蒸留水(3×150ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。真空下での回転蒸発により有機溶媒を除去した。残渣をトルエンに溶解し、トリエチルアミンで前処理されたシリカゲルパッドに素早く通した。有機溶媒を真空下で除去して、表題の化合物(1.048g)を得た。収量は約86.50%であった。CDClの中のH NMR:7.00(m、2H)、1.25−1.42(m、16H)、0.86−0.94(m、10H)および0.38(m、18H)。
【0134】
実施例5: ビス−(5,5’−トリメチルスタニル)−3,3’−ジ−n−ヘキシル−シリレン−2,2’−ジチオフェンおよび4,7−ジブロモ−2,13−ベンゾチアジアゾールの重合
【0135】
【化10】
0.353g(0.513ミリモル)のビス−(5,5’−トリメチルスタニル)−3、3’−ジ−n−ヘキシル−シリレン−2,2’−ジチオフェンおよび0.135g(0.500ミリモル)(モノマー比=1.025)の4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾールを12mLの無水トルエンに溶解した。溶液を窒素で脱気した後、12.55mg(0.014ミリモル)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および28.80mg(0.110ミリモル)のトリフェニルフォスフィンを加えた。溶液を窒素でさらに15分間脱気した。その後、溶液を110−120℃にまで加熱し、40時間反応させた。反応の完了後、回転蒸発により溶剤を除去した。得られた残渣を約30mLのクロロベンゼンに溶解した。クロロベンゼン溶液を600mLのメタノールに注いだ後、かくして得られた濃青色の沈殿物(未精製ポリマー生成物)を濾過により回収した。回収した固形分を加熱しながら約40mLのクロロベンゼンに再溶解した。クロロベンゼン溶液を0.45μの膜で濾過し、600mLのメタノールに注いだ。かくして得られた紺青色のポリマー生成物を濾過により回収した後、それをメタノール(3×100ml)で洗浄し、真空下で乾燥した。乾燥後のポリマー生成物を60mlの熱クロロベンゼンに再溶解し、60mLの7.5%のジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム三水和物(DDC)水溶液に注いだ。溶液を窒素で15分間脱気した。こうして得られた混合二相溶液を約80℃に加熱し、窒素の下で15時間激しく攪拌した。有機相を熱蒸留水(3×60ml)で洗浄した後、それを800mLのメタノールにゆっくりと注いだ。沈殿物を濾過により回収した。回収したポリマー生成物をまずソックスレー(Soxhlet)抽出器
によりアセトンとメタノールを用いて各々12時間抽出した。その後、ポリマー生成物を回収し、乾燥した。ポリマー生成物の分子量分布を、参照としてポリスチレンを用いたG
PCカラムによるHPLCを使用して分析した(HPLC装置:アジレントテクノロジー、モデル番号1090M。HPLCカラム:PLゲル 1OM混合B。使用した溶剤:クロロベンゼン。)。測定された分子量分布はM=4,000およびM=5,000。λmax.(nm)(クロロベンゼン中)=641nm。λmax.(nm)(薄膜)=673nm。
【0136】
HOMO(eV)=−5.47(電気化学的測定から)、LUMO(eV)=−3.69(電気化学的測定から)、バンドギャップの値は1.78eV(電気化学的測定の結果から計算)。
【0137】
実施例6: ビス−(5,5’−トリメチルスタニル)−3,3’−ジ−n−ヘキシル−シリレン−2,2’−ジチオフェンおよび3−ヘキシル−2,5−ジブロモ−チオフェンの重合
【0138】
【化11】
0.353g(0.513ミリモル)のビス−(5、5’−トリメチルスタニル)−3,3’−ジ−n−ヘキシル−シリレン−2,2’−ジチオフェンおよび0.163g(0.500ミリモル)(モノマー比=1.025)の3−ヘキシル−2,5−ジブロモチオフェンを12mLの無水トルエンに溶解した。溶液を窒素で脱気した後、12.55mg(0.014ミリモル)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および28.80mg(0.110ミリモル)のトリフェニルフォスフィンを加えた。溶液を窒素でさらに15分間脱気した。その後、溶液を110−120℃にまで加熱し、40時間反応させた。反応の完了後、回転蒸発により溶剤を除去した。得られた残渣をメタノール(50mL×3)で洗浄し、その後アセトン(3×50ml)で洗浄した。ポリマー生成物の残渣を暗赤紫色の固形物として回収した。回収したポリマー生成物を加熱下で約60mLのクロロホルムに再溶解した。クロロホルム溶液を0.45μ膜によって濾過した後、真空下での回転蒸発により溶剤を除去した。その後、ポリマー生成物を真空下で乾燥した。
【0139】
乾燥後のポリマー生成物を60mlの熱トルエンに再溶解した。溶液を60mLの7.5%のDDC水溶液に注いだ。溶液を窒素で15分間脱気した。こうして得られた混合二相溶液を約800℃に加熱し、窒素保護の下で12時間激しく攪拌した。その後、有機相を熱蒸留水(3×60ml)で洗浄した後、有機相を回収し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶剤を除去して固形のポリマー生成物を得た。固形のポリマー生成物をソックスレー抽出器によりメタノールとアセトンを用いて各々12時間連続して抽出した。最後に、ポリマー生成物を回収および乾燥した。ポリマーの分子量分布を、参照としてポリスチレンを用いたGPCカラムによるHPLCを使用して分析した(HPLC装置:アジレ
ントテクノロジー、モデル番号1090M。HPLCカラム:PLゲル 10M混合B。使用した溶剤:クロロベンゼン。)。測定された分子量分布はM=10,000およびMv=13,500。λmax.(nm)(クロロベンゼン中)=501nm。λmax.(nm)(薄膜)=503nm。
【0140】
実施例7: ビス−(5,5’−トリメチルスタニル)−3,3’−ジ−n−ヘキシル−シリレン−2,2’−ジチオフェン、4,7−ジブロモ−2,13−ベンゾチアジアゾール、および3−ヘキシル−2,5−ジブロモ−チオフェンの重合
【0141】
【化12】
0.310g(0.450ミリモル)のビス−(5,5’−トリメチルスタニル)−3,3’−ジ−n−ヘキシル−シリレン−2,2’−ジチオフェン、0.068g(0.225ミリモル)(モノマー比=1.025)の4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、および0.073g(0.225ミリモル)の3−ヘキシル−2,5−ジブロモチオフェン(モノマー比=2:1:1)を12mLの無水トルエンに溶解した。溶液を窒素で脱気した後、12.55mg(0.014ミリモル)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および28.80mg(0.110ミリモル)のトリフェニルフォスフィンを加えた。溶液を窒素でさらに15分間脱気した。その後、溶液を110−1200℃にまで加熱し、40時間反応させた。反応の完了後、回転蒸発により溶剤を除去した。得られる残渣を約30mLのクロロベンゼンに溶解した。溶液を600mLのメタノールに注いだ後、濃青黒色の沈殿物を濾過により回収した。その後、回収した固形のポリマー生成物を加熱下で約40mLのクロロベンゼンに再溶解した。クロロベンゼン溶液を0.45μ膜によって濾過した後、600mLのメタノールに注いだ。濃青黒色のポリマー生成物を濾過により再び回収した。固形のポリマー生成物をメタノール(3×100ml)で洗浄し、真空下で乾燥した。
【0142】
乾燥後のポリマー生成物を60mlの熱クロロベンゼンに再溶解し、60mLの7.5%DDC水溶液に注いだ。溶液を窒素で15分間脱気した。こうして得られた混合二相溶液を約800℃に加熱し、窒素保護の下で15時間激しく攪拌した。その後、有機相を熱蒸留水(3×60ml)で洗浄した。クロロベンゼン溶液を800mlのメタノールにゆっくりと注いだ後、得られた沈殿物を濾過により回収した。続いて、回収した固形のポリマー生成物をソックスレー抽出器によりアセトンとメタノールを用いて各々12時間連続して抽出した。その後、ポリマー生成物を回収および乾燥した。ポリマーの分子量分布を、参照としてポリスチレンを用いたGPCカラムによるHPLCを使用して分析した(HPLC装置:アジレントテクノロジー、モデル番号1090M。HPLCカラム:PLゲル 10M混合B。使用した溶剤:クロロベンゼン。)。測定された分子量分布はM=7,500およびM=10,400。λmax.(nm)(クロロベンゼン中)=595nm。λmax.(nm)(薄膜)=649nm。
【0143】
実施例8: ビス−(5,5’−トリメチルスタニル)−3,3’−ジ−n−ヘキシル−シリレン−2,2’−ジチオフェンおよび5,5’−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−4,4’−ジヘキシル−2,2’−ビチアゾールの重合
【0144】
【化13】
100mLのシュレンクフラスコに0.045g(0.0654ミリモル)のビス−(5,5’−トリメチルスタニル)−3,3’−ジ−n−ヘキシル−シリレン−2,2’−ジチオフェン、0.043g(0.0654ミリモル)の5,5’−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−4,4’−ジヘキシル−2,2’−ビチアゾール、1.0mg(0.00109ミリモル)のPddba、および2.0mg(0.0076ミリモル)のPPhを入れた。そのフラスコを排気し、アルゴンを3回補充した。固形物を3mLのo−キシレンに溶解し、溶液を95℃にまで24時間加熱した。その後、溶液を冷却し、500mLの撹拌したMeOHに注ぎ、濾過した。こうして得られた暗色の沈殿物をMeOHで洗浄し、真空下で乾燥し、茶色の固形物(0.069g)を得た。M=3.7kDa。M=4.6kDa。
【0145】
実施例9: 2,6−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4H−4,4−ビス(2’−エチルヘキシル)シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]チオフェンの製造
【0146】
【化14】
オーブンで乾燥した100mLのシュレンクフラスコに1.097g(2.72ミリモル)の4H−4、4−ビス(2’−エチルヘキシル)シクロペンタ[2,1−b:3、4−b’]ジチオフェンを入れた。そのフラスコを排気し、アルゴンで3回脱気した。その後、このフラスコに20mLの乾燥蒸留THFを加えた。得られた溶液を−78℃にまで冷却し、4.35mL(10.88ミリモル、4当量)の2.5M BuLiを滴下して加えた。反応物を−78℃で1時間攪拌し、その後室温まで温めてさらに3時間攪拌した
。再び溶液を−78℃にまで冷却し、2.77mL(13.6mmol、5当量)の2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを注射器により一部に加えた。反応物を−78℃で1時間攪拌し、その後一晩、室温まで温めた。その溶液を水に注ぎ、メチルtert−ブチルエーテルの4×150mLを用いて抽出した。有機層を合わせて2×150mLの塩水で洗浄し、無水MgSOを用いて乾燥し、濾過した。溶剤を真空下で除去し、オレンジ色の油状物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の5%のEtOAc)によって精製し、無色で粘性の油状物1.34g(収量75%)を得た。
【0147】
実施例10: 2,6−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4H−4,4−ビス(2’−エチルヘキシル)シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]チオフェンおよび5,5’−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−4,4’−ジヘキシル−2,2’−ビチアゾールの重合
【0148】
【化15】
100mLのシュレンクフラスコに0.1515g(0.231ミリモル)の2,6−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−4H−4,4−ビス(2’−エチルヘキシル)シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]チオフェン、0.152g(0.231ミリモル)の5,5’−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−4,4’−ジヘキシル−2,2’−ビチアゾール、2.1mgのPddba(0.00231ミリモル)、4.2mgのPPh(0.0162ミリモル)、および35mg(0.0855ミリモル)のアリコート(Aliquat)336を入れた。その
後、凝縮器が装備されたフラスコを排気し、アルゴンを3回補充した。試薬を20mLのTHFと15mLのトルエンの混合物に溶解した。2MのNaCO水溶液2mLを攪拌しながら上記の溶液に添加した。反応物を90℃で3日間加熱した。14mg(0.1155ミリモル)のフェニルボロン酸および1.6mg(0.00231ミリモル)のPdCl(PPhのTHF溶液1mLを加えた。加熱をさらに24時間継続した。その後、反応物を80℃にまで冷却した後、7.5%ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液10mLを加えた。その混合液を攪拌しながら80℃で18時間加熱した。反応物を冷却した後、有機層を分離し、温水(3×100mL)で洗浄した。トルエン溶液を濃縮し、その後、撹拌している750mLのMeOHに注いだ。溶液を濾過した後、暗色の沈殿物を回収し、MeOHで洗浄した。その後、沈殿物をソックスレーのシンブル(thimble)に移し、アセトンで一晩洗浄した。こうして得られた生成物を真空下で乾燥し
、0.176gの茶色の固形物(0.195ミリモル、84%)を得た。H NMR(200MHz、CDCl):δ7.2−7.1(br、6H)、3.0(m、4H)、1.86(m、8H)、1.6(br、16H)、1.20−0.65(br、32H)
【0149】
実施例11: 太陽電池の製作
実施例3(PCPDTBT)で製造されるポリマーとPC61BMまたはPC71BM(マサチューセッツ州ウェストウッドのナノ−Cから購入)との混合物を、透明陽極と蒸着金属陰極の間に挟まれた1:3のw/w比でドクターブレードすることにより、ポリマー太陽電池を作製した。透明陽極は、ドクターブレードによって使用される〜60nm厚のPEDOT:PSS層(H.C.シュタークから得られるベイトロン(Baytron)PH
)で被覆された酸化インジウム錫(ITO)被覆ガラス基板(メルク(Merck)、ニュー
ジャージー州ホワイトハウスステーション)であった。ITOガラス基板をアセトン、イソプロピルアルコールおよび脱イオン水中で連続して超音波処理することによって洗浄した。80nmのAlで覆われた薄い(1nm)LiF層の二重層である陰極は熱蒸着によって製造した。PCPDTBTとPC61BMまたはPC71BMとをオルトジクロロベンゼン(ODCB)に溶解し、全体として40mg/mlの溶液を得て、グローブボックスの中で60−70℃で一晩撹拌した。AFMによって測定した場合、活性層の厚さは150−250nmであった。装置の特性評価は、オリエルのキセノンソーラーシミュレータ上でAM1.5Gの照射(100mW/cm)の下、十分に較正された0.98jVのスペクトルミスマッチでで行われ、ケイスレイ(Keithley)2400で特徴を記録した。有効面積は15〜20mmの範囲であった。EQEは、単色照明の下でロックイン増幅器を用いて検知した。入射光の較正は、単結晶シリコンダイオードを用いて行った。移動度の測定は、アジレント(Agilent)の4155Cパラメーター分析器を使用して行っ
た。吸収測定は、アバンテス(Avantes)の光ファイバー分光計を用いてグローブボック
ス内で、あるいはHP分光計を用いてその外側で行った。
【0150】
PCBMおよび光誘発性の電荷移動との相互作用をPLクエンチ(PL quenching)によって調べた。当初のPCPDTBT対PCPDTBT/PCBM複合体のPLは、クリオスタット(cryostat)中で液体N温度において測定され、Arレーザーによって488nmで励起した。
【0151】
室温のグローブボックス内で、ドロップキャストによるポリマーフィルムに電気化学的実験を行った。支持電解質は、無水アセトニトリル(アルドリッチ(Aldrich))中の〜
0.1Mのテトラブチルアンモニウム−ヘキサフルオロリン酸塩(TBAPF、電気化学的等級、オールドリッチ)であった。対向電極(CE)に加えて作用電極(WE)もプラチナ箔であった。AgClで覆われた銀線を参照電極(RE)として使用した。各測定の後に、フェロセン(E=400mV対NHE)を用いてREを校正し、E(フェロセン)と測定したE1/2(フェロセン)との相違に従ってNHE(NHE24,25の−4.75eVを使用して)に電位軸を修正した。λmax(CHCl)=710nm、λband gap(CHCl)=780nm、バンドギャップ(CHCl)=1.59eV、λmax(フィルム)=700−760nm、λband gap(フィルム)=855nm、バンドギャップ(フィルム)=1.45eV、HOMO=−5.3eV、−5.7eV(電気化学)、LUMO=−3.85eV、−4.25eV、μ=2xl0−2cm/対(TOF)、1x10−3cm/対(FET)。
【0152】
実施例12: タンデム型太陽電池の製作
ITO/TiO/P3HT:PCBM/PEDOT/TiO2/P3HT:PCBM/PEDOT/Agの構造を有するタンデム型光電池を以下のようにして製造した。ITO(13オーム/平方の抵抗率)を備えた基板を、アセトンとイソプロパノールを用いて超音波浴中で室温で連続して10分間洗浄した。無水イソプロパノール中に1:199で希釈したテトラ−n−ブチル−チタネート(TYZOR、デラウエア州ウィルミントンのE.I.デュポン・ド・ヌムール・アンド・カンパニー)をドクターブレード(40mm
/s、40℃で600μmのスロット)することによりITOの上に塗布し、蒸留水によって加水分解した。こうして得られたコーティングを10分間乾燥し、10±5nmの厚みを有する酸化チタン層を得た。その後、オルト−キシレン(100μl)中のポリ−(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)(1.5mg):C61−フェニル酪酸メチルエステル(PCBM)(1.2mg)の溶液をドクターブレード(7.5mm/s、65℃で600μmのスロット)することにより酸化チタン層の上に塗布し、P3HT:PCBM層を得た。続いて、イソプロパノール(5ml)中のPEDOT(1ml)の溶液をドクターブレード(2×5mm/s、85℃で150μmのスロット)することによりP3HT:PCBM層の上に塗布し、30±10nmのPEDOT層を得た。こうして得られたデバイスを窒素雰囲気で140℃で10分間焼成した後、無水イソプロパノール中に1:199で希釈したテトラ−n−ブチルチタネートをドクターブレード(40mm/s、40℃で600μmのスロット)することによりPEDOT層の上に塗布した。コーティングを加水分解し、10分間乾燥して10±5nmの第2の酸化チタン層を得た。先に得られたPEDOT層および第2の酸化チタン層は、最終のタンデム型光電池における再結合層として構成した。その後、オルト−キシレン(100μl)中のP3HT(1.5mg):PCBM(1.2mg)の溶液をドクターブレード(65mm/s、65℃で600μmのスロット)することにより第2の酸化チタン層の上に塗布し、300±30nmの厚さを有する第2のP3HT:PCBM層を得た。続いて、イソプロパノール(5ml)中のPEDOT(1ml)の溶液をドクターブレード(2×5mm/s、85℃で150μmのスロット)することにより第2のP3HT:PCBM層の上に塗布し、30±10nmの厚さを有する第2のPEDOT層を得た。こうして得られたデバイスを窒素雰囲気中で140℃で20分間焼成した後、熱蒸着(3x10−6ミリバールで0.05−0.5nm/s)により第2のPEDOT層の上に銀からなる100nmの層を設け、タンデム型光電池を得た。
【0153】
ITO/TiO/P3HT:PCBM/PEDOT/Agの構造を有する単一の光電池もまた製造した。酸化チタン層、P3HT:PCBM層、PEDOT層および銀層は前の段落に記載したのと同じ方法を使用して製造した。
【0154】
タンデム型光電池および単一の電池をそれらの特性に関して試験した。1kW/m、エアマス1.5グローバルでソーラーシミュレータ(オリエル)によってデバイスを照射したときの両方の電池の開回路電圧を、電源測定ユニット(SMU)のケイスレイ2400を使用して零電流で測定した。結果は、タンデム型光電池の開回路電圧は、ITO/TiO/P3HT:PCBM/PEDOT/Agの構造を有する単一の光電池の開回路電圧の2倍の1.025Vであった。
【0155】
他の実施形態は請求項の中にある。
[付記1]
第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間にある再結合層と、
前記第1電極と前記再結合層の間にある第1光活性層と、
前記第2電極と前記再結合層の間にある第2光活性層とを備えるシステムであって、
前記再結合層は第3、第4および第5の層を含み、前記第5の層は前記第3の層と前記第4の層の間にあり、前記システムは光起電力システムとして構成されているシステム。
【0156】
[付記2]
前記第5の層は金属酸化物を含む付記1に記載のシステム。
[付記3]
前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化インジウム錫、酸化錫、および酸化亜鉛からなる群から選択される酸化物を含む付記2に記載のシステム。
【0157】
[付記4]
前記第5の層は金属粒子を含む付記1に記載のシステム。
[付記5]
前記第3の層はn型半導体材料を含み、前記第4の層はp型半導体材料を含む付記1に記載のシステム。
【0158】
[付記6]
前記p型半導体材料は、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、ポリシクロペンタジチオフェン、ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアジアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリテトラヒドロイソインドール、およびそれらの共重合体からなる群から選択されるポリマーを含む付記5に記載のシステム。
【0159】
[付記7]
前記p型半導体材料はポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を含む付記6に記載のシステム。
【0160】
[付記8]
前記p型半導体材料は金属酸化物を含む付記5に記載のシステム。
[付記9]
前記金属酸化物は、酸化銅、酸化ストロンチウム銅、酸化ストロンチウムチタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される酸化物を含む付記8に記載のシステム。
【0161】
[付記10]
前記p型半導体材料は、pドープされた金属酸化物を含む付記8に記載のシステム。
[付記11]
前記pドープされた金属酸化物はpドープ酸化亜鉛またはpドープ酸化チタンを含む付記10に記載のシステム。
【0162】
[付記12]
前記n型半導体材料は金属酸化物を含む付記5に記載のシステム。
[付記13]
前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化モリブデン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される酸化物を含む付記12に記載のシステム。
【0163】
[付記14]
前記n型半導体材料は、フラーレン、無機ナノ粒子、オキサジアゾール、ディスコティック液晶、炭素ナノロッド、無機ナノロッド、CN基を含むポリマー、CF基を含むポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む付記5に記載のシステム。
【0164】
[付記15]
前記第3の層は前記第1光活性層と前記第5の層の間にある付記5に記載のシステム。
[付記16]
前記第1光活性層と前記第1電極の間にある正孔キャリア層をさらに備える付記15に記載のシステム。
【0165】
[付記17]
前記正孔キャリア層は、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、およびそれらの共重合体からなる群から選択されるポリマーを含む付記16に記載のシステム。
【0166】
[付記18]
前記正孔キャリア層はポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を含む付記17に記載のシステム。
【0167】
[付記19]
前記第2光活性層と前記第2電極の間にある正孔ブロック層をさらに備える付記15に記載のシステム。
【0168】
[付記20]
前記正孔ブロック層は、LiF、金属酸化物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む付記19に記載のシステム。
【0169】
[付記21]
前記正孔ブロックは酸化チタンまたは酸化亜鉛を含む付記20に記載のシステム。
[付記22]
前記第5の層は半導体材料または導電体材料を含む付記5に記載のシステム。
【0170】
[付記23]
前記第1光活性層と前記第2光活性層のうち少なくとも1つは電子供与体材料および電子受容体材料を含む付記1に記載のシステム。
【0171】
[付記24]
前記電子供与体材料は、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、ポリシクロペンタジチオフェン、ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアジアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリテトラヒドロイソインドール、およびそれらの共重合体からなる群から選択されるポリマーを含む付記23に記載のシステム。
【0172】
[付記25]
前記電子供与体材料は、ポリチオフェン、ポリシクロペンタジチオフェン、およびそれらの共重合体からなる群から選択されるポリマーを含む付記24に記載のシステム。
【0173】
[付記26]
前記電子供与体材料はポリ(3−ヘキシルチオフェン)またはポリ(シクロペンタジチオフェン−コ−ベンゾチアジアゾール)を含む付記25に記載のシステム。
【0174】
[付記27]
前記電子受容体材料は、フラーレン、無機ナノ粒子、オキサジアゾール、ディスコティック液晶、炭素ナノロッド、無機ナノロッド、CN基を含むポリマー、CF基を含むポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む付記23に記載のシステム。
【0175】
[付記28]
前記電子受容体材料は置換フラーレンを含む付記27に記載のシステム。
[付記29]
前記置換フラーレンはPCBMを含む付記28に記載のシステム。
【0176】
[付記30]
前記第1光活性層は第1のバンドギャップを有し、前記第2光活性層は前記第1のバンドギャップと異なる第2のバンドギャップを有する付記1に記載のシステム。
【0177】
[付記31]
前記第1電極と前記第2電極のうち少なくとも1つはメッシュ電極からなる付記1に記載のシステム。
【0178】
[付記32]
前記システムはタンデム型光電池からなる付記1に記載のシステム。
[付記33]
第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間にある第1光活性層と、
前記第2電極と前記第1光活性層の間にある第2光活性層と、
前記第1光活性層と前記第2光活性層の間にある第3、第4および第5の層とを備えるシステムであって、前記第5の層は前記第3の層と前記第4の層の間にあり、
前記システムは光起電力システムとして構成され、前記第3、第4および第5の層は、使用時、前記第1光活性層と前記第2光活性層のうち一方で生成する電子と、前記第1光活性層と前記第2光活性層のうち他方で生成する正孔とが、前記第5の層で再結合するように構成されているシステム。
【0179】
[付記34]
前記第3の層はn型半導体材料を含み、前記第4の層はp型半導体材料を含む付記33に記載のシステム。
【0180】
[付記35]
前記第5の層は半導体材料または導電体材料を含む付記33に記載のシステム。
[付記36]
前記第1電極と前記第2電極のうち少なくとも1つはメッシュ電極からなる付記33に記載のシステム。
【0181】
[付記37]
前記システムはタンデム型光電池からなる付記33に記載のシステム。
[付記38]
第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間にある第1光活性層と、
前記第2電極と前記第1光活性層の間にある第2光活性層とを備えるシステムであって、
前記第1光活性層と前記第2光活性層のうち少なくとも1つは、第1のコモノマー繰り返し単位と、前記第1のコモノマー繰り返し単位と異なる第2のコモノマー繰り返し単位
とを有するポリマーを含み、前記第1のコモノマー繰り返し単位はシクロペンタジチオフェン部分を含み、前記システムはタンデム型光電池として構成されているシステム。
【0182】
[付記39]
前記シクロペンタジチオフェン部分は、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、およびSORからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである付記38に記載のシステム。
【0183】
[付記40]
前記シクロペンタジチオフェン部分は、ヘキシル、2−エチルヘキシル、または3,7−ジメチルオクチルで置換されている付記39に記載のシステム。
【0184】
[付記41]
前記シクロペンタジチオフェン部分は4位において置換されている付記40に記載のシステム。
【0185】
[付記42]
前記第1のコモノマー繰り返し単位は式(1)のシクロペンタジチオフェン部分を含み、
【0186】
【化16】
、R、RおよびRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、またはSORであり、Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである付記38に記載のシステム。
【0187】
[付記43]
とRの各々は独立して、ヘキシル、2−エチルヘキシル、または3,7−ジメチルオクチルである付記42に記載のシステム。
【0188】
[付記44]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は、ベンゾチアジアゾール部分、チアジアゾロキノキサリン部分、シクロペンタジチオフェンオキシド部分、ベンゾイソチアゾール部分、ベンゾチアゾール部分、チオフェンオキシド部分、チエノチオフェン部分、チエノチオフェンオキシド部分、ジチエノチオフェン部分、ジチエノチオフェンオキシド部分、テトラヒドロイソインドール部分、フルオレン部分、シロール部分、シクロペンタジチオフェン部分、フルオレノン部分、チアゾール部分、セレノフェン部分、チアゾロチアゾール部分、シクロペンタジチアゾール部分、ナフトチアジアゾール部分、チエノピラジン部分、シラシクロペンタジチオフェン部分、オキサゾール部分、イミダゾール部分、ピリミジン部分
、ベンズオキサゾール部分、またはベンズイミダゾール部分を含む付記38に記載のシステム。
【0189】
[付記45]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は、ベンゾチアジアゾール部分、チオフェン部分、チオフェンジオキシド部分、またはチアゾール部分を含む付記44に記載のシステム。
【0190】
[付記46]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は、式(2)のベンゾチアジアゾール部分、式(3)のチアジアゾロキノキサリン部分、式(4)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(5)のシクロペンタジチオフェンモノオキシド部分、式(6)のベンゾイソチアゾール部分、式(7)のベンゾチアゾール部分、式(8)のチオフェンジオキシド部分、式(9)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(10)のシクロペンタジチオフェンテトラオキシド部分、式(11)のチエノチオフェン部分、式(12)のチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(13)のジチエノチオフェン部分、式(14)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(15)のジチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(16)のテトラヒドロイソインドール部分、式(17)のチエノチオフェンジオキシド部分、式(18)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(19)のフルオレン部分、式(20)のシロール部分、式(21)のシクロペンタジチオフェン部分、式(22)のフルオレノン部分、式(23)のチアゾール部分、式(24)のセレノフェン部分、式(25)のチアゾロチアゾール部分、式(26)のシクロペンタジチアゾール部分、式(27)のナフトチアジアゾール部分、式(28)のチエノピラジン部分、式(29)のシラシクロペンタジチオフェン部分、式(30)のオキサゾール部分、式(31)のイミダゾール部分、式(32)のピリミジン部分、式(33)のベンズオキサゾール部分、または式(34)のベンズイミダゾール部分を含み、
【0191】
【化17】
XとYの各々は独立して、CH、O、またはSであり、
とRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、またはSORであり、Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルであり、
とRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである付記44に記載のシステム。
【0192】
[付記47]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は、RとRの各々がHである式(2)のベンゾチアジアゾール部分を含み、RとRの各々はHである付記46に記載のシステム。
【0193】
[付記48]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は少なくとも3つのチオフェン部分を含む付記38に記載のシステム。
【0194】
[付記49]
前記チオフェン部分のうち少なくとも1つは、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、およびC−C20ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている付記48に記載のシステム。
【0195】
[付記50]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は5つのチオフェン部分を含む付記48に記載のシステム。
【0196】
[付記51]
前記ポリマーは、第3のコモノマー繰り返し単位をさらに含む付記38に記載のシステム。
【0197】
[付記52]
前記第3のコモノマー繰り返し単位はチオフェン部分またはフルオレン部分をさらに含む付記51に記載のシステム。
【0198】
[付記53]
前記チオフェン部分または前記フルオレン部分は、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、およびC−C20ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている付記52に記載のシステム。
【0199】
[付記54]
再結合層をさらに備える付記38に記載のシステム。
[付記55]
前記再結合層はp型半導体材料およびn型半導体材料を含む付記54に記載のシステム。
【0200】
[付記56]
前記p型半導体材料と前記n型半導体材料は1つの層に混合されている付記55に記載のシステム。
【0201】
[付記57]
前記再結合層は2つの層を有し、一方の層はp型半導体材料を含み、他方の層はn型半導体材料を含む付記55に記載のシステム。
【0202】
[付記58]
前記第1電極と前記第2電極のうち少なくとも1つはメッシュ電極からなる付記38に記載のシステム。
【0203】
[付記59]
第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間にある第1光活性層と、
前記第2電極と前記第1光活性層の間にある第2光活性層とを備えるシステムであって、
前記第1光活性層と前記第2光活性層のうち少なくとも1つは、第1のコモノマー繰り返し単位と、前記第1のコモノマー繰り返し単位と異なる第2のコモノマー繰り返し単位とを有するポリマーを含み、前記第1のコモノマー繰り返し単位はシラシクロペンタジチオフェン部分を含み、前記システムはタンデム型光電池として構成されているシステム。
【0204】
[付記60]
前記シラシクロペンタジチオフェン部分は、C−C2Oアルキル、C1−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、およびSORからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されており、Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである付記59に記載のシステム。
【0205】
[付記61]
前記シラシクロペンタジチオフェン部分は、ヘキシル、2−エチルヘキシル、または3,7−ジメチルオクチルで置換されている付記60に記載のシステム。
【0206】
[付記62]
前記シラシクロペンタジチオフェン部分は4位において置換されている付記61に記載のシステム。
【0207】
[付記63]
前記第1のコモノマー繰り返し単位は式(29)のシラシクロペンタジチオフェン部分を含み、
【0208】
【化18】
、R、RおよびRの各々は独立して、H、C−C2Oアルキル、C−C2Oアルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、またはSO
Rであり、Rは、H、C−C2Oアルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである付記59に記載のシステム。
【0209】
[付記64]
とRの各々は独立して、ヘキシル、2−エチルヘキシル、または3,7−ジメチルオクチルである付記63に記載のシステム。
【0210】
[付記65]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は、ベンゾチアジアゾール部分、チアジアゾロキノキサリン部分、シクロペンタジチオフェンオキシド部分、ベンゾイソチアゾール部分、ベンゾチアゾール部分、チオフェンオキシド部分、チエノチオフェン部分、チエノチオフェンオキシド部分、ジチエノチオフェン部分、ジチエノチオフェンオキシド部分、テトラヒドロイソインドール部分、フルオレン部分、シロール部分、シクロペンタジチオフェン部分、フルオレノン部分、チアゾール部分、セレノフェン部分、チアゾロチアゾール部分、シクロペンタジチアゾール部分、ナフトチアジアゾール部分、チエノピラジン部分、シラシクロペンタジチオフェン部分、オキサゾール部分、イミダゾール部分、ピリミジン部分、ベンズオキサゾール部分、またはベンズイミダゾール部分を含む付記59に記載のシステム。
【0211】
[付記66]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は、ベンゾチアジアゾール部分、チオフェン部分、チオフェンジオキシド部分、またはチアゾール部分を含む付記65に記載のシステム。
【0212】
[付記67]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は、式(2)のベンゾチアジアゾール部分、式(3)のチアジアゾロキノキサリン部分、式(4)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(5)のシクロペンタジチオフェンモノオキシド部分、式(6)のベンゾイソチアゾール部分、式(7)のベンゾチアゾール部分、式(8)のチオフェンジオキシド部分、式(9)のシクロペンタジチオフェンジオキシド部分、式(10)のシクロペンタジチオフェンテトラオキシド部分、式(11)のチエノチオフェン部分、式(12)のチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(13)のジチエノチオフェン部分、式(14)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(15)のジチエノチオフェンテトラオキシド部分、式(16)のテトラヒドロイソインドール部分、式(17)のチエノチオフェンジオキシド部分、式(18)のジチエノチオフェンジオキシド部分、式(19)のフルオレン部分、式(20)のシロール部分、式(21)のシクロペンタジチオフェン部分、式(22)のフルオレノン部分、式(23)のチアゾール部分、式(24)のセレノフェン部分、式(25)のチアゾロチアゾール部分、式(26)のシクロペンタジチアゾール部分、式(27)のナフトチアジアゾール部分、式(28)のチエノピラジン部分、式(30)のオキサゾール部分、式(31)のイミダゾール部分、式(32)のピリミジン部分、式(33)のベンズオキサゾール部分、または式(34)のベンズイミダゾール部分を含み、
【0213】

【化19】
XとYの各々は独立して、CH、O、またはSであり、
とRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20シクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CN、OR、C(O)R、C(O)OR、またはSORであり、Rは、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C2Oシクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルであり、
とRの各々は独立して、H、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、またはC−C20ヘテロシクロアルキルである付記65に記載のシステム。
【0214】
[付記68]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は、RおよびRの各々がHである式(2)のベンゾチアジアゾール部分を含む付記67に記載のシステム。
【0215】
[付記69]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は少なくとも3つのチオフェン部分を含む付記59に記載のシステム。
【0216】
[付記70]
前記チオフェン部分のうち少なくとも1つは、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、およびC−C20ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている付記69に記載のシステム。
【0217】
[付記71]
前記第2のコモノマー繰り返し単位は5つのチオフェン部分を含む付記69に記載のシステム。
【0218】
[付記72]
前記ポリマーは、第3のコモノマー繰り返し単位をさらに含む付記59に記載のシステム。
【0219】
[付記73]
前記第3のコモノマー繰り返し単位はチオフェン部分またはフルオレン部分をさらに含
む付記72に記載のシステム。
【0220】
[付記74]
前記チオフェン部分または前記フルオレン部分は、C−C20アルキル、C−C20アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C−C20シクロアルキル、およびC−C20ヘテロシクロアルキルからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換されている付記73に記載のシステム。
【0221】
[付記75]
再結合層をさらに備える付記59に記載のシステム。
[付記76]
前記再結合層はp型半導体材料およびn型半導体材料を含む付記75に記載のシステム。
【0222】
[付記77]
前記p型半導体材料と前記n型半導体材料は1つの層に混合されている付記76に記載のシステム。
【0223】
[付記78]
前記再結合層は2つの層を有し、一方の層はp型半導体材料を含み、他方の層はn型半導体材料を含む付記76に記載のシステム。
【0224】
[付記79]
前記第1電極と前記第2電極のうち少なくとも1つはメッシュ電極からなる付記59に記載のシステム。
【0225】
[付記80]
第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間にある再結合層と、
前記第1電極と前記再結合層の間にある第1光活性層と、
前記第2電極と前記再結合層の間にある第2の光活性層とを備えるシステムであって、
前記第1光活性層と前記第2光活性層のうち少なくとも1つは、第1のコモノマー繰り返し単位と、前記第1のコモノマー繰り返し単位と異なる第2のコモノマー繰り返し単位とを有するポリマーを含み、前記第1のコモノマー繰り返し単位はシクロペンタジチオフェン部分を含み、前記システムは光起電力システムとして構成されているシステム。
【0226】
[付記81]
前記システムはタンデム型光電池からなる付記80に記載のシステム。
[付記82]
第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間にある再結合層と、
前記第1電極と前記再結合層の間にある第1光活性層と、
前記第2電極と前記再結合層の間にある第2光活性層とを備えるシステムであって、
前記第1活性層と前記第2光活性層のうち少なくとも1つは、第1のコモノマー繰り返し単位と、前記第1のコモノマー繰り返し単位と異なる第2のコモノマー繰り返し単位とを有するポリマーを含み、前記第1のコモノマー繰り返し単位はシラシクロペンタジチオフェン部分を含み、前記システムは光起電力システムとして構成されているシステム。
【0227】
[付記83]
前記システムはタンデム型光電池からなる付記82に記載のシステム。
[付記84]
有機電子供与体材料および有機電子受容体材料を含んだ第1光活性層を基板上に設ける工程と、
無機半導体材料を含んだ第2光活性層を前記第1光活性層の上に設ける工程と、
2つの電極の間に前記第1および第2光活性層を配置して光起電力システムを形成する工程とを備える方法であって、
前記第1光活性層と前記第2光活性層のうち少なくとも1つは第1の液体ベースのコーティング工程によって設けられる方法。
【0228】
[付記85]
前記第1の液体ベースのコーティング工程によって前記第1光活性層が設けられる付記84に記載の方法。
【0229】
[付記86]
前記第1の液体ベースのコーティング工程によって前記第2光活性層が設けられる付記84に記載の方法。
【0230】
[付記87]
前記第1光活性層は前記第1の液体ベースのコーティング工程によって設けられ、前記第2光活性層は第2の液体ベースのコーティング工程によって設けられる付記84に記載の方法。
【0231】
[付記88]
前記第1または第2の液体ベースのコーティング工程は、溶液コーティング、インクジェット印刷、スピンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、バーコーティング、吹付コーティング、ローラーコーティング、スロットコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、またはスクリーン印刷を含む付記87に記載の方法。
【0232】
[付記89]
前記有機電子供与体材料はポリマーを含む付記84に記載の方法。
[付記90]
前記ポリマーは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、ポリシクロペンタジチオフェン、ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアジアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリテトラヒドロイソインドール、およびそれらの共重合体からなる群から選択される付記89に記載の方法。
【0233】
[付記91]
前記有機電子供与体材料は、ポリチオフェン、ポリシクロペンタジチオフェン、およびそれらの共重合体からなる群から選択されるポリマーを含む付記90に記載の方法。
【0234】
[付記92]
前記有機電子供与体材料は、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)またはポリ(シクロペンタジチオフェン−コ−ベンゾチアジアゾール)を含む付記91に記載の方法。
【0235】
[付記93]
前記有機電子受容体材料は、フラーレン、オキサジアゾール、炭素ナノロッド、CN基を含むポリマー、CF基を含むポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む付記84に記載の方法。
【0236】
[付記94]
前記有機電子受容体材料は置換フラーレンを含む付記93に記載の方法。
[付記95]
前記置換フラーレンはPCBMを含む付記94に記載の方法。
【0237】
[付記96]
前記無機半導体材料は、アモルファスシリコン、結晶シリコン、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、砒化ガリウム、セレン化銅インジウム、セレン化銅インジウムガリウム、または金属酸化物を含む付記84に記載の方法。
【0238】
[付記97]
前記無機半導体材料は無機ナノ粒子を含む付記84に記載の方法。
[付記98]
前記第1光活性層は第1のバンドギャップを有し、前記第2光活性層は前記第1バンドギャップと異なる第2のバンドギャップを有する付記84に記載の方法。
【0239】
[付記99]
前記第1光活性層と前記第2光活性層の間に再結合層を設ける工程をさらに備える付記84の方法。
【0240】
[付記100]
前記再結合層は第3の液体ベースのコーティング工程によって設けられる付記99に記載の方法。
【0241】
[付記101]
前記第3の液体ベースのコーティング工程は、溶液コーティング、インクジェット印刷、スピンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、バーコーティング、吹付コーティング、ローラーコーティング、スロットコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、またはスクリーン印刷を含む付記100に記載の方法。
【0242】
[付記102]
前記再結合層はp型半導体材料およびn型半導体材料を含む付記99に記載の方法。
[付記103]
前記p型半導体材料はポリマーを含む付記102に記載の方法。
【0243】
[付記104]
前記ポリマーは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、ポリシクロペンタジチオフェン、ポリシラシクロペンタジチオフェン、ポリシクロペンタジチアゾール、ポリチアゾロチアゾール、ポリチアゾール、ポリベンゾチアジアゾール、ポリ(チオフェンオキシド)、ポリ(シクロペンタジチオフェンオキシド)、ポリチアジアゾロキノキサリン、ポリベンゾイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチエノチオフェン、ポリ(チエノチオフェンオキシド)、ポリジチエノチオフェン、ポリ(ジチエノチオフェンオキシド)、ポリテトラヒドロイソインドール、およびそれらの共重合体からなる群から選択される付記103に記載の方法。
【0244】
[付記105]
前記p型半導体材料はポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を含む付記104に記載の方法。
【0245】
[付記106]
前記p型半導体材料は金属酸化物を含む付記102に記載の方法。
[付記107]
前記金属酸化物は、酸化銅、酸化ストロンチウム銅、酸化ストロンチウムチタン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される酸化物を含む付記106に記載の方法。
【0246】
[付記108]
前記p型半導体材料は、pドープされた金属酸化物を含む付記106に記載の方法。
[付記109]
前記pドープされた金属酸化物はpドープ酸化亜鉛またはpドープ酸化チタンを含む付記108に記載の方法。
【0247】
[付記110]
前記n型半導体材料は金属酸化物を含む付記102に記載の方法。
[付記111]
前記金属酸化物は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化モリブデン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される酸化物を含む付記110に記載の方法。
【0248】
[付記112]
前記n型半導体材料は、フラーレン、無機ナノ粒子、オキサジアゾール、ディスコティック液晶、炭素ナノロッド、無機ナノロッド、CN基を含むポリマー、CF基を含むポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む付記102に記載の方法。
【0249】
[付記113]
前記p型半導体材料と前記n型半導体材料は1つの層に混合されている付記102に記載の方法。
【0250】
[付記114]
前記再結合層は2つの層を有し、一方の層はp型半導体材料を含み、他方の層はn型半導体材料を含む付記102に記載の方法。
【0251】
[付記115]
正孔キャリア層を設ける工程をさらに備え、前記第1光活性層は前記正孔キャリア層と前記第2光活性層の間にある付記84に記載の方法。
【0252】
[付記116]
前記正孔キャリア層はポリマーを含む付記115に記載の方法。
[付記117]
前記ポリマーは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレン、ポリフェニルビニレン、ポリシラン、ポリチエニレンビニレン、ポリイソチアナフタネン、およびそれらの共重合体からなる群から選択される付記116に記載の方法。
【0253】
[付記118]
前記正孔キャリア層は第4の液体ベースのコーティング工程によって設けられる付記115に記載の方法。
【0254】
[付記119]
前記第4の液体ベースのコーティング工程は、溶液コーティング、インクジェット印刷、スピンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、バーコーティング、吹付コーティング、ローラーコーティング、スロットコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、またはスクリーン印刷を含む付記118に記載の方法。
【0255】
[付記120]
正孔ブロック層を設ける工程をさらに備え、前記第2光活性層は前記正孔ブロック層と前記第1光活性層の間にある付記84に記載の方法。
【0256】
[付記121]
前記正孔ブロック層は、LiF、金属酸化物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む付記120に記載の方法。
【0257】
[付記122]
前記正孔ブロック層は第5の液体ベースのコーティング工程によって設けられる付記120に記載の方法。
【0258】
[付記123]
前記第5の液体ベースのコーティング工程は、溶液コーティング、インクジェット印刷、スピンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、バーコーティング、吹付コーティング、ローラーコーティング、スロットコーティング、グラビアコーティング、フレキソ印刷、またはスクリーン印刷を含む付記122に記載の方法。
【0259】
[付記124]
前記第1電極と前記第2電極のうち少なくとも1つはメッシュ電極である付記84に記載の方法。
【0260】
[付記125]
前記システムはタンデム型光電池からなる付記84に記載の方法。
[付記126]
前記方法はロールツーロール法からなる付記84に記載の方法。
【0261】
[付記127]
第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極の間にあって有機電子供与体材料および有機電子受容体材料を含んだ第1光活性層と、
前記第1電極と前記第2電極の間にあって無機半導体材料を含んだ第2光活性層とを備えるシステムであって、
前記システムは光起電力システムとして構成されているシステム。
【0262】
[付記128]
前記無機半導体材料は、アモルファスシリコン、結晶シリコン、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、砒化ガリウム、セレン化銅インジウム、セレン化銅インジウムガリウム、または金属酸化物を含む付記127に記載のシステム。
【0263】
[付記129]
前記無機半導体材料は無機ナノ粒子を含む付記127に記載のシステム。
[付記130]
第1光活性層と第2光活性層の間にある再結合層をさらに備える付記127に記載のシステム。
【0264】
[付記131]
正孔キャリア層をさらに備え、前記第1光活性層は、前記正孔キャリア層と前記第2光活性層の間にある付記130に記載のシステム。
【0265】
[付記132]
正孔ブロック層をさらに備え、前記第2光活性層は、前記正孔ブロック層と前記第1光活性層の間にある付記131に記載のシステム、
[付記133]
前記第1電極と前記第2電極のうち少なくとも1つはメッシュ電極である付記127に記載のシステム。
【0266】
[付記134]
前記システムはタンデム型光電池からなる付記127に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8