特許第5718385号(P5718385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッドの特許一覧

特許5718385フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム
<>
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000002
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000003
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000004
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000005
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000006
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000007
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000008
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000009
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000010
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000011
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000012
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000013
  • 特許5718385-フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718385
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】フィールドシーケンシャルカラーディスプレイ装置において調光性能を向上させる方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20150423BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20150423BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20150423BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20150423BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20150423BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 641E
   G09G3/20 641A
   G09G3/34 J
   G09G3/20 642E
   G09G3/20 642C
   G09G3/20 642L
   G09G3/20 612J
   G02F1/133 510
   G02F1/133 550
   G02F1/13357
   G02F1/133 575
   G02F1/133 580
   H05B37/02 Z
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-15484(P2013-15484)
(22)【出願日】2013年1月30日
(62)【分割の表示】特願2008-288932(P2008-288932)の分割
【原出願日】2008年11月11日
(65)【公開番号】特開2013-130877(P2013-130877A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2013年1月30日
(31)【優先権主張番号】11/972,199
(32)【優先日】2008年1月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・シュミット
(72)【発明者】
【氏名】カルリ・アール・サーマ
(72)【発明者】
【氏名】デニス・エム・デイヴィ
【審査官】 山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−354717(JP,A)
【文献】 特開2002−056996(JP,A)
【文献】 特開2009−175695(JP,A)
【文献】 特開平10−326080(JP,A)
【文献】 特開2003−044016(JP,A)
【文献】 特開2008−102442(JP,A)
【文献】 特開2007−322945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G02F 1/133
G02F 1/13357
G09G 3/20
G09G 3/34
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源及び第2の光源を有するディスプレイ装置に画像を表示する方法であって、
前記ディスプレイ装置にビデオ信号を提供するステップであって、該ビデオ信号は第1のビデオフレーム及び第2のビデオフレームを含み、各ビデオフレームは、それぞれ前記第1の光源及び前記第2の光源に対応する第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを含み、前記第1のサブフレーム及び前記第2のサブフレームは前記第1の光源及び前記第2の光源についての調整可能なオン時間及びそれによって調整可能なパルス幅を有する、ステップと、
前記第1のビデオフレームの前記第1のサブフレーム中に前記第1の光源を動作させて第1の複数の第1の発光パルスを生成するステップであって、前記第1の複数の第1の発光パルスの各々は第1のオン時間及びそれによって第1のパルス幅を有し、前記第1のパルス幅は、最小パルス幅、最大パルス幅又は最小パルス幅と最大パルス幅との間のパルス幅に等しい、ステップと、
前記第2のビデオフレームの前記第1のサブフレーム中に前記第1の光源を動作させて第2の複数の第1の発光パルスを生成するステップであって、前記第2の複数の第1の発光パルスの各々は第2のオン時間及びそれによって第2のパルス幅を有し、前記第2のパルス幅は、前記最小パルス幅、前記最大パルス幅又は前記最小パルス幅と前記最大パルス幅との間のパルス幅に等しく、前記第2のオン時間は前記第1のオン時間とは異なり、そのため前記第2のパルス幅は前記第1のパルス幅とは異なる、ステップと、
少なくとも前記第1のパルス幅及び前記第2のパルス幅が前記最小パルス幅と前記最大パルス幅との間のパルス幅に等しい場合に前記第1の光源に一定のピーク電流を供給するステップであって、前記第1のパルス幅と前記第2のパルス幅との差によって前記第1の光源の輝度が変化する、ステップと、
前記第1のパルス幅又は前記第2のパルス幅が前記最小パルス幅に等しい場合に、前記第1の光源に供給されるピーク電流を小さくすることによって、前記第1の光源の輝度をさらに低くするステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のビデオフレームの前記第2のサブフレーム中に前記第2の光源を動作させて第1の複数の第2の発光パルスを生成するステップであって、前記第1の複数の第2の発光パルスの各々は第3のオン時間及びそれによって第3のパルス幅を有する、ステップと、
前記第2のビデオフレームの前記第2のサブフレーム中に前記第2の光源を動作させて第2の複数の第2の発光パルスを生成するステップであって、前記第2の複数の第2の発光パルスの各々は第4のオン時間及びそれによって第4のパルス幅を有する、ステップと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ディスプレイ装置システムであって、
第1の発光体及び第2の発光体を備えるバックライトと、
前記バックライトに結合され、前記第1の発光体及び前記第2の発光体から放出される光によって画像を生成するように構成される画像源と、
前記バックライト及び前記画像源に結合されるコントローラであって、
前記バックライト及び前記画像源にビデオ信号を提供するように構成され、該ビデオ信号は第1のビデオフレーム及び第2のビデオフレームを含み、各ビデオフレームは、前記バックライトのそれぞれ前記第1の発光体及び前記第2の発光体に対応する第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを含み、前記第1のサブフレーム及び前記第2のサブフレームは前記第1の発光体及び前記第2の発光体についての調整可能なオン時間を有し、
前記第1のビデオフレームの前記第1のサブフレーム中に前記第1の発光体を動作させて第1の複数の第1の発光パルスを生成するように構成され、前記第1の複数の第1の発光パルスの各々は第1のオン時間及びそれによって第1のパルス幅を有し、前記第1のパルス幅は、最小パルス幅、最大パルス幅又は最小パルス幅と最大パルス幅との間のパルス幅に等しく、
前記第2のビデオフレームの前記第1のサブフレーム中に前記第1の発光体を動作させて第2の複数の第1の発光パルスを生成するように構成され、前記第2の複数の第1の発光パルスの各々は第2のオン時間及びそれによって第2のパルス幅を有し、前記第2のパルス幅は、前記最小パルス幅、前記最大パルス幅又は前記最小パルス幅と前記最大パルス幅との間のパルス幅に等しく、前記第2のオン時間は前記第1のオン時間とは異なり、そのため前記第2のパルス幅は前記第1のパルス幅とは異なり、
少なくとも前記第1のパルス幅及び前記第2のパルス幅が前記最小パルス幅と前記最大パルス幅との間のパルス幅に等しい場合に前記第1の発光体に一定のピーク電流を供給するように構成され、前記第1のパルス幅と前記第2のパルス幅との差によって前記第1の発光体の輝度が変化し、
前記第1のパルス幅又は前記第2のパルス幅が前記最小パルス幅に等しい場合に、前記第1の発光体に供給されるピーク電流を小さくすることによって、前記第1の発光体の輝度をさらに低くするように構成される
コントローラと、
を備えるディスプレイ装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国政府の権利
本発明は、包括的にはディスプレイ装置に関し、詳細には、フィールドシーケンシャルカラー(FSC)ディスプレイ装置における性能を向上させる方法及びシステムに関する。
【0002】
本発明は、米国ディスプレイ・コンソーシアム(USDC)−軍及びアビオニクス・ユーザ・グループ(Military and Avionics Users Group)(MAUG)によって与えられた契約RFP06−121の下で米国政府支援によって為された。米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)及び他のフラットパネルディスプレイ装置は、航空機等の輸送手段の操作者に対し情報を表示する機構として、ますます一般的になってきた。この理由の1つは、LCDが、日中の飛行等、周囲光が強い環境にあってもユーザが容易に見ることができる非常に明るく且つ鮮明な画像を提供することができるということである。
【0004】
従来のアクティブマトリクス(AM)LCDは、ピクセルの空間的平均化を使用して、カラーフィルタのアレイと共に、発光ダイオード(LED)等の発光体の3つの異なる色(たとえば、赤、緑及び青(RGB))からフルカラーを生成する。しかしながら、利用可能なバックライト出力のおよそ2/3が、出力効率を著しく損なうカラーフィルタアレイによって吸収されることが多い。この出力効率の損失によって、従来のLCDディスプレイにおいて、高い表示輝度を必要とする用途に対し、熱管理が重要な問題となる。
【0005】
近年、LCD、ブラウン管(CRT)、LCOS(liquid crystal on silicon)及びデジタルマイクロミラー(DMM)等、さまざまな画像源で使用するために、フィールドシーケンシャルカラー(FSC)ディスプレイが開発された。FSCディスプレイは、カラーフィルタを使用せず、バックライトにおいてRGB発光体を逐次切り換えると共に、ディスプレイに各ピクセルを逐次書き込むことによってフルカラーを生成する。フルカラーは、各ピクセルにおいて、各ピクセルのRGB発光を時間的に平均化することによって生成される。カラーフィルタが必要でないため、電力消費が大幅に低減され、それによって、高輝度アプリケーションにおけるディスプレイの能動的な冷却が不要となることが多い。さらに、フルカラーを、複数のピクセルを組み合わせて使用するのではなく、各個々のピクセルで生成することができるため、従来のLCDに比較した場合、ディスプレイ解像度が事実上3倍になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、依然としてFSCディスプレイにはいくつかの制限がある。1つの制限は、FSCディスプレイには調光機能がほとんどないか又はまったくなく、それによって、FSCディスプレイを、2000:1以上の調光比が通常必要な無数の軍用ディスプレイ及びアビオニクスディスプレイの用途で使用することができない、ということである。現在のFSCディスプレイの第2の制限は、広範囲の動作温度にわたって色が不安定である、ということである。発光部品(たとえばLED)は、広範な動作温度範囲及び駆動条件にわたって広いカラーシフトを示す。
【0007】
したがって、広範囲の温度及び駆動条件にわたって調光及び色性能を向上させる等、FSCディスプレイ装置における性能を向上させる方法及びシステムを提供することが望ましい。さらに、本発明の他の望ましい特徴及び特性が、添付の図面及び本発明の背景技術と共に考慮される、本発明の後続する詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の光源及び第2の光源を有するディスプレイ装置に画像を表示する方法が提供される。ディスプレイ装置にビデオ信号が提供される。ビデオ信号は、第1のビデオフレーム及び第2のビデオフレームを含む。各ビデオフレームは、それぞれの第1の光源及び第2の光源に対応する第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを含む。第1の光源は、第1のビデオフレームの第1のサブフレーム中に第1の持続時間にわたって動作させられる。第1の光源は、第2のビデオフレームの第1のサブフレーム中に第2の持続時間にわたって動作させられる。第2の持続時間は第1の持続時間とは異なる。
【0009】
第1の複数の発光体及び第2の複数の発光体並びに画像形成源を有するディスプレイ装置に画像を表示する方法が提供される。ディスプレイ装置にビデオ信号が提供される。ビデオ信号は、第1のビデオフレーム及び第2のビデオフレームを含む。各ビデオフレームは、それぞれの第1の複数の発光体及び第2の複数の発光体に対応する第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを含む。第1の複数の発光体は、第1のビデオフレームの第1のサブフレーム中に第1の持続時間にわたって動作させられる。第1の複数の発光体は、第2のビデオフレームの第1のサブフレーム中に第2の持続時間にわたって動作させられる。第2の持続時間は第1の持続時間とは異なる。第2の複数の発光体は、第1のビデオフレームの第2のサブフレーム中に第3の持続時間にわたって動作させられる。第2の複数の発光体は、第2のビデオフレームの第2のサブフレーム中に第4の持続時間にわたって動作させられる。第4の持続時間は第3の持続時間とは異なる。画像形成装置によって、それぞれの第1の持続時間及び第2の持続時間中に第1の複数の発光体及び第2の複数の発光体から放出される光によって画像が生成される。
【0010】
ディスプレイ装置システムが提供される。ディスプレイ装置システムは、第1の発光体及び第2の発光体を含むバックライトと、当該バックライトに結合され、且つ第1の発光体及び第2の発光体から放出される光によって画像を生成するように構成される画像源と、バックライト及び画像源に結合されるコントローラとを備える。コントローラは、バックライト及び画像源にビデオ信号を提供するように構成され、ビデオ信号は、第1のビデオフレーム及び第2のビデオフレームを含み、各ビデオフレームは、バックライトのそれぞれの第1の発光体及び第2の発光体に対応する第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを含み、コントローラは、第1のビデオフレームの第1のサブフレーム中に第1の持続時間にわたって第1の発光体を動作させ、第2のビデオフレームの第1のサブフレーム中に第2の持続時間にわたって第1の発光体を動作させ、第2の持続時間は第1の持続時間とは異なる。
【0011】
以下、本発明について、同様の符号が同様の要素を示す添付の図面の図に関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態によるフィールドシーケンシャルカラー(FSC)ディスプレイシステムの概略平面図である。
図2図1のディスプレイシステム内のLCDパネルの一部の等角断面図である。
図3図1のディスプレイシステム内のバックライトの平面図である。
図4】本発明の一実施形態による1つのビデオフレーム中の図1のディスプレイシステムの動作を示す時間図である。
図5】連続したビデオフレーム中の図1のディスプレイシステムの動作を示す時間図である。
図6図4に示すものに類似するディスプレイシステムの動作と組み合わせて使用されるピーク電流制御方法をグラフで示す図である。
図7】異なる実施形態による、図4に示すものに類似するディスプレイシステムの動作と組み合わせて使用されるピーク電流制御方法をグラフで示す図である。
図8】非対称LEDのオン時間が使用される連続したビデオフレーム中の図1のディスプレイシステムの動作を示す時間図である。
図9】本発明の別の実施形態による液晶ディスプレイ(LCD)パネルの平面図である。
図10図9のLCDパネルと共に使用されるバックライトの平面図である。
図11】本発明のさらなる実施形態によるLCDパネルの平面図である。
図12図11のLCDパネルと共に使用されるバックライトの平面図である。
図13図1のディスプレイシステムを実装することができる輸送手段の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明は、本質的に単に例示的なものであり、本発明又は本発明の適用及び使用を限定するように意図されるものではない。さらに、前述の技術分野、背景技術及び簡潔な概略又は以下の詳細な説明に提示されるいかなる明示的な理論又は暗示的な理論によっても拘束される意図はない。また、図1図13は単に例示的なものであり、一定比例尺になっていない可能性があることも留意されるべきである。
【0014】
図1図13は、第1の光源及び第2の光源(たとえば、複数の色の発光ダイオード(LED))を有するディスプレイ装置に画像を表示する方法及びシステムを示す。ディスプレイ装置に、ビデオ信号が提供される。ビデオ信号は、第1のビデオフレーム及び第2のビデオフレームを含む。各ビデオフレームは、それぞれの第1の光源及び第2の光源に対応する第1のサブフレーム及び第2のサブフレームを含む。第1の光源は、第1のビデオフレームの第1のサブフレーム中に、第1の持続時間にわたって動作する。第1の光源は、第2のビデオフレームの第1のサブフレーム中に、第2の持続時間にわたって動作する。第2の持続時間は第1の持続時間とは異なる。持続時間の差によって、ディスプレイ装置の輝度を、調光(及び/又は増光)を提供するように制御することができる。
【0015】
本発明の例示的な実施形態はまた、FSC液晶ディスプレイ(LCD)モジュールに結合されるフィールドシーケンシャルカラー(FSC)バックライトを備えるディスプレイも提供する。バックライトシステムコントローラは、赤色発光体、緑色発光体及び青色発光体に対する輝度データと、FSCバックライト動作をFSC LCD動作と同期させるビデオタイミング信号とを受け取り処理する。さらに、バックライトシステムコントローラを、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、個別論理、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ及びデジタル信号プロセッサ(DSP)又はそれらの組合せを含む、複数のデジタル制御を使用して実装してもよい。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるFSCディスプレイシステム10を概略的に示す。FSCシステム10は、LCDパネル12、FSCバックライト14、LCDシステムコントローラ16、バックライトサブシステムコントローラ18、バックライト出力コントローラ20及び電源22を備える。図1に示す実施形態では、FSCシステム10はまた、温度センサ21及び明度センサ23も備える。
【0017】
LCDパネル12は、LCDシステムコントローラ16及び電源22と動作可能に通信する。図2は、本発明の一実施形態によるLCDパネル12の一部を示す。LCDパネル12は、一実施形態では、薄膜トランジスタ(TFT)LCDパネルであり、下部基板24、上部基板26、液晶層28及び偏光板30を含む。当業者には理解されるように、下部基板24をガラスから作製してもよく、そこには、複数のTFT(薄膜トランジスタ)32が形成されており、複数のゲート電極34(すなわち行線)とソース電極36(すなわち列線)とがトランジスタ32のそれぞれの行及び列を相互接続している。ゲート電極34及びソース電極36は、一般に理解されるように、下部基板24を複数のディスプレイピクセル38に画定する。上部基板26もまた、ガラスから作製してもよく、その下部に共通電極40がある。少なくとも一実施形態では、LCDパネル12はカラーフィルタアレイ層を含まないことが留意されるべきである。共通電極40は、実質的に上部基板26にわたって延在してもよい。液晶層28は、下部基板24と上部基板26との間に配置してもよく、FSC LCDディスプレイで使用するために適した液晶材料を含む。図示するように、LCDパネル12は2つの偏光板30を含み、1つは下部基板24の下方に配置されており、1つは上部基板26の上方に配置されている。図示しないが、偏光板30を、LCDパネルがノーマリーホワイトモードで動作するように方向付けてもよい。
【0018】
再び図1を参照すると、バックライト14は、LCDパネル12に近接して配置されており、バックライト出力コントローラ20と動作可能に通信する。図3は、バックライト14をより詳細に示す。一実施形態では、バックライト14は、LEDのアレイ(たとえばRGB LED)46が取り付けられた支持基板44を含む発光ダイオード(LED)パネルである。支持基板44は、LED46のすべてを相互接続する熱伝導性(たとえば銅製)部品か、又は各色のLEDを熱的に且つ/又は電気的に相互接続する熱伝導性且つ/又は導電性部材の複数(たとえば3つ)のセットを含んでもよい。
【0019】
一実施形態では、LED46は、赤色LED48の行、緑色LED50の行及び青色LED52の行を含む。図3に示すLED46は、合計108のLEDに対し、12×9アレイで配置されているが、バックライト14は、それより少ないか、又は1000を超える等、大幅に多いLEDを含んでもよい、ということが理解されるべきである。一般に理解されるように、赤色LED48は、たとえば430テラヘルツ(THz)〜480THzの周波数(又は周波数帯域)の赤色光を放出する。緑色LED50は、たとえば540THz〜610THzの周波数の光を放出する。青色LED52は、たとえば610THz〜670THzの周波数の光を放出する。当業者には、LED46、したがって全体としてバックライト14の正確な性能特性又は放射特性(たとえば、周波数、輝度、放出角度等)が、LED46の製造業者と、単一製造業者が受ける製造上のばらつきと、によって変化する可能性があることが理解されよう。しかしながら、性能特性におけるこれら変動を、当該技術分野において既知である技法(たとえば、光学試験)を使用して求めることができる。そして、後述するようにディスプレイシステムの性能を最適化する際に、LEDの放射特性の差を利用することができる。
【0020】
再び図1を参照すると、LCDシステムコントローラ16、バックライトサブシステム18、バックライト出力コントローラ20及び電源22は、図示するように動作可能に通信し且つ/又は電気的に接続されている。一実施形態では、コントローラ16、18及び20は、FPGA、ASIC、個別論理、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ及びDSP等、さまざまな回路及び/若しくは集積回路を含む電子部品、並びに/又は、後述する方法及びプロセスを個々に又は共同で実行するように回路によって実行される、コンピュータ可読媒体に格納されている命令を含む。このように、LCDシステムコントローラ16、バックライトサブシステムコントローラ18及びバックライト出力コントローラ20は、共同で処理システム又は制御システムを形成することができる。当業者には理解されるように、温度センサ21はバックライト14に近接して配置され、バックライト14の動作温度を検知するように構成される。動作温度を、全体としてバックライト14に関連付けてもよく、又はバックライト14上のLED46の1つ又は複数の特定の色に関連付けてもよい。明度センサ23は、LED46の3つの色の各々の輝度を別個に検出するように構成される、一般に理解されるような明所視光(又はカラー)センサであってもよい。温度センサ21及び明度センサ23は、バックライトサブシステムコントローラ18と動作可能に通信する。
【0021】
動作中、LCDシステムコントローラ16は、ビデオデータ又はビデオ信号を、色及び輝度の形態でLCDパネル12に提供する。一実施形態では、且つFSCディスプレイ動作に従って、ビデオデータは連続したフレーム(完全なビデオフレーム又は部分的ビデオフレーム)で与えられ、各フレームは、各々が特定の色(たとえば赤、緑又は青)にのみ対応する複数(たとえば3つ)のサブフレームを含む。たとえば、第1のサブフレームは、各ディスプレイピクセル38(図2)に対して赤色データのみを含み、第2のサブフレームは、各ディスプレイピクセル38に対し緑色データのみを含み、第3のサブフレームは、各ディスプレイピクセル38に対し青色データのみを含む。これらの逐次与えられるビデオサブフレームは、見る人の眼54によって時間的に平均化され、LCDパネル12上の各表示ピクセル38に対し赤色、緑色及び青色の適切な混合を生成する。
【0022】
LCDシステムコントローラ16は、バックライトサブシステムコントローラ18に対して同期信号を提供することによって、LCDシステムコントローラ16によって提供される赤色ビデオサブフレームが赤色LED48(図3)の起動と同期することを確実にする。同様に、LCDシステムコントローラ16は、バックライトサブシステムコントローラ18に対して同期信号を提供することによって、LCDシステムコントローラ16によって提供される緑色ビデオサブフレーム及び青色ビデオサブフレームが、それぞれの緑色LED50及び青色LED52の起動と同期することを確実にする。
【0023】
図2を参照すると、各ピクセル38にわたって、液晶層28に配置される液晶分子が示す移動(傾斜、ねじれ等)の量を指示する時間変化電圧が印加されることによって、LCDパネル12を通過する光の量が制御される。したがって、LCDパネル12は、情報が見る人の眼54に(たとえば画像、テキスト、シンボル等の形式で)表示されるように、通過する光を変調する。
【0024】
LCDシステムコントローラ16は、バックライトサブシステムコントローラ18に画像同期信号を提供し、これは、画像同期信号の起点に応じて、サブフレームレートの1/3で、サブフレームレートで、又はLCDパネル12とバックライト14との間の同期した動作を確実にする代替レートで発生してもよい。たとえば、サブフレームレートが180Hzである場合、画像同期信号を60Hz又は180Hzで提供してもよい。
【0025】
図4は、本発明の一実施形態による、LCDパネル12と共にバックライト14の動作を時間的に例示する。図4には1つのフレームしか示さないが、動作はビデオフレーム56に分割され、それらの各々が、赤色サブフレーム58、緑色サブフレーム60及び青色サブフレーム62を含む。本発明の一態様によれば、サブフレーム58、60及び62は、一般に理解されるように、パルス幅変調(PWM)を使用して制御され得る、バックライト14の所望の輝度に応じてLEDの調整可能な「オン時間(on-time)」を有する。
【0026】
フレーム56の持続時間は、サブフレーム58、60及び62の持続時間の合計に等しく、FSC動作に対する従来のフレーム時間(たとえば、60Hz動作に対して16.6667ミリ秒)と同様であってもよい。図4に示すように、サブフレーム58、60及び62は、非活動部分64と活動部分66とを含む。当業者には理解されるように、非活動部分64の間、バックライト14上のLED46はいずれも動作せず、ゲート電極34及びソース電極36(図2)は、ピクセル38に適切な電圧を印加するように構成される(すなわち「書き込まれる」)。サブフレーム58、60及び62の各々の活動部分66の間、LED46のそれぞれの色(たとえば、赤色LED48、緑色LED50又は青色LED52)は起動され、ピクセル38は、LED46によって放出される光を選択的に遮断するように適切に構成される。
【0027】
このように、単一ビデオフレーム56内において、バックライト14及びLCDパネル12の動作は、ピクセル38を3回(すなわち、LEDの色の各々に対して1回)構成すること、及びLCDパネル12を通じて光を3回放出する(すなわち、LEDの色の各々が1回起動される)ことを含む。赤色サブフレーム58の間、ピクセル38は、非活動部分64内で赤色光に対して適切に構成され、赤色LED48は活動部分66内で動作する。緑色サブフレーム60の間、ピクセル38は、非活動部分64内で緑色光に対して適切に再構成され、緑色LED50は活動部分66内で動作する。青色サブフレーム62の間、ピクセル38は再び非活動部分64内で青色光に対して適切に再構成され、青色LED52は活動部分66内で動作する。
【0028】
さらに図4を参照すると、ビデオ信号にパルス幅変調が適用されることによって、パルス上に示す破線によって示すように、サブフレーム58、60及び62の活動部分66(又はLEDの「オン時間」)、又はそれぞれのLEDのオン時間を示す「パルス幅」59、61及び63を調整することによって、バックライトの明度の変化がもたらされる。赤色LEDのオン時間又はパルス幅が増大すると、サブフレーム58の非活動部分64(又はその持続時間)(すなわちvblankDelay)が低減する。同様に、赤色LEDのパルス幅
が低減すると、サブフレーム58の非活動部分64が増大して、低減した赤色パルス幅を相殺する。同様に、サブフレーム60の活動部分66(又は緑色パルス幅)が増大すると、サブフレーム60の非活動部分64(すなわちrgDelay)が低減する。緑色パルス幅が低減すると、サブフレーム60の非活動部分64が増大する。これは、青色LEDにも当てはまり、青色パルス幅(又はサブフレーム62の活動部分66)が増大すると、サブフレーム62の非活動部分64(すなわちgbDelay)が低減し、青色のパルス幅が低減すると、サブフレーム62の非活動部分64が増大して、低減した青色パルス幅を相殺する。一実施形態では、LED色の各々に対するあり得る最小パルス幅は、あり得る最大パルス幅のおよそ10%とすることができる。
【0029】
図5は、上述したパルス幅変調調整を使用する2つの連続したビデオフレーム56を示す。図示するように、赤色LED、緑色LED及び青色LEDのパルス幅、又はオン時間は、第1のビデオフレーム56(左側)の方が第2のビデオフレーム56(右側)より大きい。より詳細には、赤色LEDの動作時間は、第1のフレーム56の第1の持続時間から第2のフレーム56の第2の持続時間まで変化している。緑色LEDの動作時間は、第1のフレームの第3の持続時間から第2のフレームの第4の持続時間まで変化している。青色LEDの動作時間は、第1のフレームの第5の持続時間から第2のフレームの第6の持続時間まで変化している。図5に示す実施形態では、第1の持続時間、第3の持続時間及び第5の持続時間が等しく、第2の持続時間、第4の持続時間及び第6の持続時間が等しい。
【0030】
その結果、LEDが動作する合計時間が低減し、それによって、LEDによって放出される光の量が低減する。このため、LCDシステム10(図1)の輝度が低減する。
一実施形態では、上述したパルス幅調整を使用して、比較的高い出力レベルで動作しているときのバックライト14の輝度を調整する。赤色、緑色又は青色の最小パルス幅に達すると、図6に示すように、下方の輝度制御範囲内の追加の調光を、ピーク電流制御を通じて提供することができる。図6は、最小赤色パルス幅と電流プログラミング値との間の関係、すなわちグラフ70を示す。図示する例では、最小赤色パルス幅に達すると、ピーク発光体電流をグラフ70の傾斜部分72によって示すような低減する値に対しプログラムすることによって、追加の調光機能が提供される。ピーク電流を、動作電流下限74(Imin)に達するまで低下させてもよい。上方の輝度調整範囲内では、又はパルス幅が最小パルス幅を上回る場合、ピーク電流は固定最大値76(Imax)に設定される。最大許容電流値及び最小許容電流値は、一般に理解されるように、特定のディスプレイシステム10に基づいて変化し得る。図6は特に、赤色パルス幅又はLEDに対する下方の輝度制御範囲を示すが、緑色LED及び青色LEDに対し同様な制御方式が同様に適用されるということが理解されるべきである。
【0031】
図7に示すように、別の実施形態では、上方の調光範囲が、図6に示すものと同様の電流プログラミンググラフ78によって制御され、下方の調光範囲は、上述したようにパルス幅変調調整によって制御される。ピーク電流を、固定最大値84(Imax)で開始した後に傾斜部分80において動作電流下限82(Imin)まで低下させてもよい。図示するように、電流が下限82まで低減した後に、パルス幅変調調整が、最大のパルス幅で開始して使用される。
【0032】
ピーク動作電流及びパルス幅が、特定のシステム要件に基づいて無数の組合せ及びプロファイルに対しプログラムされ得ることが理解されるべきである。たとえば、1つの例示的な実施形態は、パルス幅が、ピーク電流プロファイルが変更される前の最小値まで調整されることを示すが、パルス幅の任意の所与の設定に対して、ピーク電流を任意の許容可能なシステム値に設定することが可能である。同様に、パルス幅を変更する前にピーク電流を最小値に調整する例示的な実施形態は、電流が最小限界を上回る任意の値にパルス幅を設定することができる。
【0033】
温度センサ21及び明度センサ23を使用して、上述した調光方式に対し調整を行ってもよい、ということも理解されるべきである。たとえば、LED46の性能特性は、バックライト14の動作温度(複数可)及び/又はLED46の「寿命」(又は使用量)によって決まる可能性がある。未補償LEDバックライトユニットは、ディスプレイ動作温度範囲にわたって、且つバックライトユニットのフルスケール調光範囲にわたって、未制御カラーシフトを示すことが多い。この望ましくない特性は、LEDの特性曲線によってもたらされる。LED色は、一意の輝度対駆動電流性能曲線と、輝度対ダイ温度特性曲線とを示し、これらの特性を補償することが望ましく且つ有益である。LED製造業者のデータシートを使用して、特性動作情報をバックライド制御システムにプログラムし、バックライト動作を輝度及び温度の関数として補償することができる。
【0034】
一実施形態では、多項式曲線当てはめを使用して温度補償が提供される。LEDの各色の輝度対温度がプロットされる。このプロットから、多項式曲線当てはめが適用され、多項式がバックライト制御システムにプログラムされる。検知されるバックライト温度を使用して、LEDの温度性能が計算され、格納されている多項式に従ってLEDの駆動電流が補償される。同様に、LEDの輝度対駆動電流を、任意の次数の多項式を使用する適切な曲線当てはめによって、又は指数関数によって定義してもよい。駆動電流と輝度とのこの数学的関係は、バックライト制御ユニットの処理アルゴリズムにプログラムされ、これは、バックライト温度及びバックライト輝度に基づいて各LED駆動電流を補償する。したがって、本発明の実施形態は、各LED色に対する補償を提供する。色補償は、ディスプレイ動作温度の全範囲にわたり且つ全調光範囲にわたりディスプレイの色性能を安定化することができる。
【0035】
図8は、非対称パルス幅を利用する、本発明の別の実施形態による連続したビデオフレーム90の2つの対を示す。上述したビデオフレーム56に類似する方法で、ビデオフレーム90は各々、それぞれ赤色LED、緑色LED及び青色LEDに対応する3つのサブフレーム92、94及び96を含む。サブフレーム92、94及び96の各々は、上述したものと同様の非活動部分98及び活動部分100を含む。しかしながら、図8に示す実施形態では、サブフレーム92、94及び96の活動部分100は大幅に異なる。すなわち、各サブフレーム92、94及び96では、ピクセル38を構成するためにかかる時間はおよそ同じであるが、各色に対する「オン時間」は一意である。各色に対するオン時間を、上述したような色の各々からの必要な輝度及び個々の発光体の相対的な性能特性(すなわち放射特性の差)と共に、見る人の眼54による種々の色の光の知覚に基づいて、最適化してもよい。
【0036】
さらに図8を参照すると、赤色LED、緑色LED及び青色LEDに対するパルス幅、又はオン時間は、LEDのパルス幅の非対称を維持しながら、第1のビデオフレーム90(左側)の方が第2のビデオフレーム90(右側)より大きい。その結果、LEDが動作する合計時間が低減し、それによって、LEDが放出する光の量が低減する。このため、非対称パルス幅の性能利益を維持しながら、ディスプレイシステム10(図1)の輝度が低減する。
【0037】
各色に対するオン時間(したがってサブフレーム持続時間)を、上述したように色の各々からの必要な輝度及び個々の発光体の相対的な性能特性(すなわち放射特性の差)と共に、見る人の眼54による種々の色の光の知覚に基づいて、最適化してもよい。たとえば、青色輝度要件が低い場合、青色LED52のバックライトデューティサイクル、したがって青色サブフレーム62時間が、緑色サブフレーム60時間及び赤色サブフレーム58時間に対して低減する。緑色LED50及び赤色LED48に対するオン時間をそれらのデューティサイクルを増大させる(したがってそれらのサブフレーム時間を増大させる)ことによって増大させることによって、それらの色に対する表示輝度が増大する。
【0038】
上述した方法及びシステムの1つの利点は、FSCディスプレイの調光範囲が大幅に向上し2000:1を超過する可能性がある、ということである。別の利点は、FSCディスプレイにおける色一様性及びグレーレベル輝度が向上する、ということである。
【0039】
図9及び図10は、本発明の別の実施形態によるLCDパネル102及びバックライト104を示す。図9及び図10に示す実施形態は、動作の非対称サブフレーム時間モードに関連して複数の独立して制御可能なバックライトゾーンを使用する。バックライトゾーンは、行スキャン方向に対して垂直に(すなわち、図2のLCDパネル12のゲート線34に対して平行に)配置されている。複数のバックライトゾーンによって、第1のゾーンの後方のRGBバックライトを、対応するディスプレイ領域がアドレス指定され且つLCDピクセルが応答した直後に、ディスプレイ全体がアドレス指定されて応答するまで待つ必要なく、「オン」とすることができる。その結果、RGB発光体のデューティサイクルを増大させることができ、それによって表示輝度がさらに増大する。
【0040】
ここで図9を参照すると、LCDパネル102は、図1及び図2に示すものと同様であってもよく、同様に複数のピクセル106を含む。しかしながら、ピクセル106は、上部(又は第1の)セクション(又はゾーン)108、中間部分(又は第2のセクション)110及び下部(又は第3の)セクション112に分割されている。一実施形態では、LCDパネル102は、従来のLCDのように、頂部から底部までスキャンされる。スキャンプロセス中に、所定数の複数のゾーン又はセクション108、110及び112が時間境界によって画定される。各ゾーンに対するこれらの時間境界において、バックライト動作が、与えられるLCDデータとの色同期を維持するように調整される。
【0041】
図10に示すように、バックライト104は図3に示すものと同様であってもよく、基板114と、その上の赤色LED行118、緑色LED行120及び青色LED行122に配置されるLEDアレイ116とを含む。図9のセクション108、110及び112と同様に、LED116は上部グループ124、中間グループ126及び下部グループ128に分割されており、それらの各々は、後述するように別個に駆動される。バックライト104はまた、LED116からの光がグループ124、126及び128の境界を越えないようにする仕切り130も含む。
【0042】
動作中、LCDパネル102及びバックライト104は、LCDパネル102の上部セクション108、中間セクション110及び下部セクション112がバックライト104のそれぞれの上部グループ124、中間グループ126及び下部グループ128と位置合せされるように配置される。LCDパネル102及びバックライト104を、図4に示すものと同様の信号を使用して駆動してもよい。しかしながら、LCDパネル102の上部セクション108におけるピクセル106の照明は、中間セクション110及び下部セクション112におけるピクセル106の照明の前に発生する。すなわち、赤色サブフレーム58(図4)において、LCDパネル102の上部セクション108のピクセル106が書き込まれ構成されると(すなわち、赤色サブフレーム58の非活動部分64の後に)、バックライト104の上部グループ124における赤色LED118が起動される(すなわち、赤色サブフレーム58の活動部分66)。上部グループ124の赤色LED118の起動中、LCDパネル102の中間部分110のピクセル106が書き込まれ構成される。LCDパネル102の中間部分110のピクセル106が構成された後に、バックライト104の中間グループ126の赤色LED118が起動される。
【0043】
本実施形態で特に重要なのは、LCDパネル102の上部セクション108とバックライト104の上部グループ124とが、他のセクション及びグループが依然として赤色サブフレーム58下で動作している間に、緑色サブフレーム60及び青色サブフレーム62によって指示されるように動作を実行し続ける、ということである。
【0044】
図11及び図12は、本発明の別の実施形態による、それぞれLCDパネル132及びバックライト134を示す。LCDパネル132のピクセルは、例示を明確にするために示さないことが留意されるべきである。図9及び図10に示すものと同様に、図11及び図12の実施形態は、それぞれLCDパネル132のセクション142、144及び146に対応する、複数の独立して制御可能なバックライトゾーン136、138及び140を使用する。バックライト134の各ゾーン136、138及び140は、4つの独立して制御可能な領域(又はバックライト部分)148、150、152及び154を含み、それらの境界を図11及び図12の両方に示す。図示するように、バックライトゾーン136、138及び140の各々の領域148、150、152及び154を、LCDパネル132のセクション142、144及び146のうちの1つに位置合せしてもよい。図9及び図10に示す実施形態と同様に本実施形態では、バックライトゾーン136、138及び140は、行スキャン方向に対して垂直に(すなわち、図2のLCDパネル12のゲート線34に対して平行に)配置されている。さらに、各ゾーン136〜140の領域148〜154の各々におけるR、G、B輝度値は、バックライトゾーンが、FSC LCDに対して動作の調整可能なパルス幅モードでスキャンされる際に、個々に制御可能である。
【0045】
構成に関して、LCDパネル132は、先の実施形態で使用したものに類似してもよい。図9及び図10に示す実施形態と同様に、ゾーン136〜140の数は、行スキャン(又はフレームリフレッシュ)プロセス中に時間境界によって定義される。各ゾーン136〜140に対する境界において、バックライト動作は、LCDデータとの色同期を維持するように調整される。LCDのさまざまな領域は、独立したR、G、B輝度制御によってバックライト134の対応する領域によって照明される。実際の動作時、バックライト134のゾーン136〜140の各々における領域148〜154の各々のRGB輝度値が、LCDに提示される画像データから計算される。上述した調整可能パルス幅方法を使用して、画像(画像データ)の明るい方の領域に対応するLEDバックライト領域148〜154は、より高い輝度レベルに駆動され、画像データの暗い方の領域に対応するLEDバックライト領域148〜154は、より低い輝度レベルに駆動される。その結果、低グレースケールピクセルに対し、LCD軸外光漏れが劇的に低減し、ディスプレイコントラスト比が広い視野角にわたって向上する。このため、ディスプレイの画像品質が向上する。
【0046】
LEDバックライト134の各領域148〜154に対するRGB輝度値が、表示される画像データから計算される。本質的に、図12に示すLEDバックライト134を、LCDに表示される画像データから計算される駆動電圧を使用して、非常に低解像度のディスプレイとして(たとえば、12個の領域148〜154の各々がピクセルに対応する)駆動してもよい。図11及び図12は、3つのゾーン136〜140と各ゾーンにおける4つの領域148〜154とを有するディスプレイを示すが、ディスプレイを、実際には、それより多いか又は少ないゾーンに分割してもよく、そして、各ゾーンを、それより多いか又は少ない独立して制御可能なバックライト領域に分割してもよい。本実施形態の追加の利点は、表示動作中にさらなる電力節約が可能になるということである。
【0047】
他の実施形態は、光源(たとえばLED)の異なる数及び配置を利用することができる。数及び配置は、LEDのサイズ及び形状と共に、変化してもよい。たとえば、青色等の特定の色の数を、パルス幅をより広い範囲にわたって変化させることができるように、その特定の色の輝度を調整するように調整してもよい。さらに、使用されるLCDパネル(又は他の画像源)の全体的なサイズ及び形状を変更してもよい。たとえば、実質的に矩形形状のLCDパネルは、長さが3インチ(約7.62cm)〜15インチ(約38.1cm)であり、幅が約1.5インチ(約38.1cm)〜12インチ(約30.48cm)であることができる。
【0048】
図13は、本発明の一実施形態による、上述したディスプレイシステム10(図1)を実装することができる、航空機等の輸送手段200を概略的に示す。輸送手段200は、一実施形態では、たとえば民間プロペラ機又はジェットエンジン駆動飛行機、商用ジェットライナ若しくはヘリコプタ等、複数の種々の種類の航空機のうちのいずれであってもよい。図示する実施形態では、輸送手段200は、フライトデッキ202(又はコックピット)及びアビオニクス/飛行システム204を備える。特に図示しないが、輸送手段200は、一般に理解されるように、フライトデッキ202及びアビオニクス/飛行システム204が接続されるフレーム又は本体も備えることが理解されるべきである。また、輸送手段200は、単に例示的なものであり、図示する構成要素、システム及びデータ源のうちの1つ又は複数を必要とせずに実装することができるということも留意されるべきである。さらに、輸送手段200を、1つ又は複数の追加の構成要素、システム又はデータ源と共に実装することができるということが理解されよう。さらに、システム10を、閉鎖コックピットを備える有人車両(たとえば、戦車又は装甲人員運搬車)又はハンビークラスの車両等の開放車両等、航空機以外の輸送手段で利用してもよい、ということが理解されるべきである。さらに、ディスプレイシステム10を、ラップトップコンピュータ、及びLCDディスプレイを備える他の同様の移動装置等、携帯計算装置で使用してもよい。
【0049】
フライトデッキ202は、ユーザインタフェース206、ディスプレイ装置208(たとえば、プライマリフライトディスプレイ(PFD))、通信無線210、航法無線212及び音声装置214を備える。ユーザインタフェース206は、ユーザ211(たとえばパイロット)から入力を受け取り、そのユーザ入力に応じて、アビオニクス/飛行システム204にコマンド信号を供給するように構成される。ユーザインタフェース206は、飛行制御、及び限定されないが、マウス、トラックボール又はジョイスティック等のカーソル制御装置(CCD)、及び/又はキーボード、1つ又は複数のボタン、スイッチ若しくはノブを含むさまざまな既知のユーザインタフェース装置のうちの任意の1つ又はそれらの組合せを含むことができる。図示する実施形態では、ユーザインタフェース206はCCD216及びキーボード218を含む。ユーザ211はCCD216を使用して、特にディスプレイ装置208上でカーソルシンボルを移動させ、且つキーボード218を使用して、特にテキストデータを入力することができる。
【0050】
さらに図13を参照すると、上述したフラットパネルディスプレイシステムを含むことができるディスプレイ装置208を使用して、さまざまな画像及びデータがグラフィック、アイコン及び/又はテキストフォーマットで表示され、ユーザ211がユーザインタフェース206に提供するユーザ入力コマンドに応じてユーザ211に視覚的フィードバックが提供される。
【0051】
通信無線210は、一般に理解されるように、航空管制官及び他の航空機のパイロット等、輸送手段200の外側の存在と通信するために使用される。航法無線212は、全地球測位衛星(GPS)システム及び自動方向探知機(ADF)(後述するような)等、輸送手段の位置に関するさまざまな種類の情報を、外側の情報源から受け取り且つユーザに通信するために使用される。音声装置214は、一実施形態では、フライトデッキ202内に取り付けられている音声スピーカである。
【0052】
アビオニクス/飛行システム204は、滑走路状況認識アドバイザリーシステム(runway awareness and advisory system)(RAAS)220、計器着陸システム(ILS)222、フライトディレクタ224、気象データソース226、地形回避警報システム(terrain avoidance warning system)(TAWS)228、空中衝突防止システム(TCAS)230、複数のセンサ232(たとえば、気圧センサ、温度計及び風速センサ)、1つ又は複数の地形データベース234、1つ又は複数の航法データベース236、航法制御システム(又は航法コンピュータ)238及びプロセッサ240を備える。アビオニクス/飛行システム204のさまざまな構成要素は、データバス242(又はアビオニクスバス)を介して動作可能に通信する。図示しないが、航法制御システム238は、飛行管理システム(FMS)、制御表示器(control display unit)(CDU)、オートパイロット又は自動誘導システム、多重操縦翼面(たとえば、補助翼、昇降蛇及び方向蛇)、エアデータコンピュータ(ADC)、高度計、エアデータシステム(ADS)、全地球測位衛星(GPS)システム、自動方向探知機(ADF)、コンパス、少なくとも1つのエンジン、及びギア(すなわち、着陸装置)を含むことができる。
【0053】
プロセッサ240は、プログラム命令に応答して動作する多数の既知の汎用マイクロプロセッサ又は特定用途向けプロセッサのうちのいずれかであってもよい。図示する実施形態では、プロセッサ240は、オンボードRAM(ランダムアクセスメモリ)244及びオンボードROM(読み出し専用メモリ)246を含む。プロセッサ240を制御するプログラム命令を、RAM244及びROM246のいずれか又は両方に格納することができる。例えば、オペレーティングシステムソフトウェアをROM246に格納してもよく、さまざまな動作モードソフトウェアルーチン及びさまざまな動作パラメータをRAM244に格納してもよい。これは、オペレーティングシステムソフトウェア及びソフトウェアルーチンを格納するための1つの方式を単に例示するものであり、他のさまざまな格納方式を実装してもよいということは理解されよう。また、プロセッサ240を、プログラム可能なプロセッサだけではなく、他のさまざまな回路を使用して実装してもよい、ということも理解されよう。例えば、デジタル論理回路及びアナログ信号処理回路を使用してもよい。
【0054】
少なくとも1つの例示的な実施形態を、上述した詳細な説明で提示したが、極めて多数の変形が存在することが理解されるべきである。また、1つ又は複数の例示的な実施形態は単なる例であり、本発明の範囲、適用又は構成をいかようにも限定するようには意図されていないことは理解されるべきである。むしろ、上述した詳細な説明は、当業者に対し、1つ又は複数の例示的な実施形態を実施するための好都合なロードマップを提供することになる。添付の特許請求の範囲に示されるような本発明及びその法的な均等物の範囲から逸脱することなく、要素の機能及び配置においてさまざまな変更を行い得ることは理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13