(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718397
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】積層チップ電子部品及びその実装基板
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20150423BHJP
H01G 4/232 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
H01G4/30 301B
H01G4/30 301F
H01G4/12 352
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-54660(P2013-54660)
(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公開番号】特開2014-86718(P2014-86718A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2013年3月18日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0119642
(32)【優先日】2012年10月26日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ビュン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】イ・ビョン・ファ
(72)【発明者】
【氏名】グ・ヒュン・ヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム・チャン・フン
(72)【発明者】
【氏名】アン・ヨン・ギュ
【審査官】
瀧内 健夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−359103(JP,A)
【文献】
特開2007−281134(JP,A)
【文献】
特開2013−058558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/232
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部電極及び誘電体層を含むセラミック本体と、
前記セラミック本体において長さ方向の両端部を覆うように形成される外部電極と、
前記外部電極を成しながら前記セラミック本体の外部面に形成される第1めっき層と、
前記第1めっき層の外部側面に形成される不導体層と、
前記不導体層を除外した前記第1めっき層上に形成されて前記不導体層と区分される領域に配置される第2めっき層と、を含み、
前記不導体層の両端部は、前記セラミック本体の側面内に配置され、前記セラミック本体の厚さ方向を基準とするとき、前記内部電極の最下部面より低く、かつ前記内部電極の最上部面より高く配置される、積層チップ電子部品。
【請求項2】
前記不導体層は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックのうち選択された少なくとも一つを含む、請求項1に記載の積層チップ電子部品。
【請求項3】
前記第2めっき層は、前記外部電極のバンド部のみに形成される、請求項1に記載の積層チップ電子部品。
【請求項4】
前記第1めっき層及び第2めっき層は、Cu、Ni及びSnのうち少なくとも一つを含む、請求項1に記載の積層チップ電子部品。
【請求項5】
請求項1の積層チップ電子部品と、
はんだフィレットによって前記第2めっき層と連結される電極パッドと、
前記電極パッドが形成される印刷回路基板と、を含み、
前記はんだフィレットは、前記印刷回路基板と隣接する前記不導体層の一端まで形成される、積層チップ電子部品の実装基板。
【請求項6】
前記不導体層は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックのうち選択された少なくとも一つを含む、請求項5に記載の積層チップ電子部品の実装基板。
【請求項7】
前記第2めっき層は、前記外部電極のバンド部のみに形成される、請求項5に記載の積層チップ電子部品の実装基板。
【請求項8】
前記第1めっき層及び第2めっき層は、Cu、Ni及びSnのうち少なくとも一つを含む、請求項5に記載の積層チップ電子部品の実装基板。
【請求項9】
内部電極及び誘電体層を含み六面体状を有するセラミック本体の側面及び上部面に形成される第1めっき層と、
前記セラミック本体の側面に形成される不導体層と、
前記不導体層を除外した前記第1めっき層に被覆されて前記不導体層と区分される領域に配置される第2めっき層と、を含み、
前記不導体層の両端部は、前記セラミック本体の側面内に配置され、前記セラミック本体の厚さ方向を基準とするとき、前記内部電極の最下部面より低く、かつ前記内部電極の最上部面より高く配置される、積層チップ電子部品。
【請求項10】
前記不導体層は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックのうち選択された少なくとも一つを含む、請求項9に記載の積層チップ電子部品。
【請求項11】
前記第1めっき層及び第2めっき層は、Ni及びSnのうち少なくとも一つを含む、請求項9に記載の積層チップ電子部品。
【請求項12】
請求項9の積層チップ電子部品と、
はんだフィレットによって前記第2めっき層と連結される電極パッドと、
前記電極パッドが形成される印刷回路基板と、を含み、
前記はんだフィレットは、前記印刷回路基板と隣接する前記不導体層の一端まで形成される、積層チップ電子部品の実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧印加時に積層チップ電子部品によって発生するアコースティックノイズを低減させることができる積層チップ電子部品及びその実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
積層チップ電子部品の一つである積層チップキャパシタは、複数の誘電体層の間に内部電極が形成される。
【0003】
誘電体層を介して重畳される内部電極が形成される積層チップキャパシタにおいて、直流及び交流電圧が印加されると、内部電極の間で圧電現象が生じ、振動が発生するようになる。
【0004】
上記振動は、上記積層チップキャパシタの外部電極から上記積層チップキャパシタが実装された印刷回路基板に伝達される。このとき、上記印刷回路基板が振動して騒音が発生する。
【0005】
また、上記印刷回路基板の振動によって発生する騒音が可聴周波数(20〜20000Hz)領域に含まれると、その振動音が人に不快を与える可能性がある。このような音をアコースティックノイズ(acoustic noise)と言う。
【0006】
上記積層チップキャパシタに電圧が印加されるとき、上記積層チップキャパシタが変形される形状を調べると、上面及び下面は厚さ方向に膨張及び収縮され、側面は上記上面及び下面と反対の位相差を有しながら収縮及び膨張されることが分かる。
【0007】
側面における膨張及び収縮は、上記積層チップキャパシタを印刷回路基板に固定するはんだフィレット(solder fillet)を通じて上記積層チップキャパシタの振動が印刷回路基板に伝達されて行われる。
【0008】
従って、はんだフィレットの高さを低く形成して積層チップキャパシタの振動が印刷回路基板に伝達されることを防止する積層チップ電子部品に対する研究が必要な実情にある。
【0009】
下記特許文献1は、耐衝撃性を強化するために、積層素体の主面から金属めっき層の端部上にわたって導電性樹脂層を被着したセラミック電子部品を開示している。また、特許文献2は、外部電極を形成するPdめっき層及びAuめっき層の厚さを調節して溶接のオーバーフロー(overflow)を防止するセラミック電子部品を開示している。
【0010】
上記特許文献からは、本特許の請求項及び本発明の実施例が提案する不導体層を用いて溶接のオーバーフローを防止する内容などを開示または予想できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】日本特許公開公報 第2005−243944号
【特許文献2】日本特許公開公報 第2003−109838号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、印刷回路基板及び積層チップ電子部品をはんだ付けするとき、はんだが積層チップ電子部品の厚さ方向上側にオーバーフローされることを防止する積層チップ電子部品を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、上記積層チップ電子部品が印刷回路基板に実装されることによりアコースティックノイズが減少する積層チップ電子部品の実装基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1側面による積層チップ電子部品は、内部電極及び誘電体層を含むセラミック本体と、上記セラミック本体において長さ方向の両端部を覆うように形成される外部電極と、上記外部電極を成しながら上記セラミック本体の外部面に形成される第1めっき層と、上記第1めっき層の外部側面に形成される不導体層と、上記不導体層を除外した上記第1めっき層上に形成される第2めっき層と、を含むことができる。
【0015】
上記不導体層において厚さ方向の少なくとも一つの端部は、上記第1めっき層の上記外部側面と共に、上部面及び下部面のうち少なくとも一つの一部まで延長されて形成されることができる。
【0016】
上記不導体層において厚さ方向の少なくとも一つの端部は、上記セラミック本体の上部面及び下部面のうち少なくとも一つより厚さ方向の上部及び下部に形成されることができる。
【0017】
上記不導体層において厚さ方向の少なくとも一つの端部は、上記セラミック本体内に形成される内部電極の最下部面及び最上部面のうち少なくとも一つより厚さ方向の上部及び下部に形成されることができる。
【0018】
上記不導体層は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックのうち選択された少なくとも一つを含むことができる。
【0019】
上記第2めっき層は、上記外部電極のバンド部のみに形成されることができる。
【0020】
上記第1めっき層及び第2めっき層は、Cu、Ni及びSnのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0021】
他の側面において、本発明の第1側面による積層チップ電子部品の実装基板は、上記第1側面の積層チップ電子部品と、はんだフィレットによって上記第2めっき層と連結される電極パッドと、上記電極パッドが形成される印刷回路基板と、を含み、上記はんだフィレットは、上記印刷回路基板と隣接する上記不導体層の一端まで形成されることができる。
【0022】
上記不導体層において厚さ方向の少なくとも一つの端部は、上記第1めっき層の外部側面と共に、上部面及び下部面のうち少なくとも一つの一部まで延長されて形成されることができる。
【0023】
上記不導体層は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックのうち選択された少なくとも一つを含むことができる。
【0024】
上記第2めっき層は、外部電極のバンド部のみに形成されることができる。
【0025】
上記第1めっき層及び第2めっき層は、Cu、Ni及びSnのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0026】
さらに他の側面において、本発明の第2側面の積層チップ電子部品は、六面体状を有するセラミック本体の側面及び上部面に形成される第1めっき層と、上記セラミック本体の側面に形成される不導体層と、上記不導体層を除外した上記第1めっき層に被覆される第2めっき層と、を含むことができる。
【0027】
上記不導体層において厚さ方向の少なくとも一つの端部は、上記第1めっき層の上記外部側面と共に、上部面及び下部面のうち少なくとも一つの一部まで延長されて形成されることができる。
【0028】
上記不導体層において厚さ方向の少なくとも一つの端部は、上記セラミック本体の上部面及び下部面のうち少なくとも一つより厚さ方向の上部及び下部に形成されることができる。
【0029】
上記不導体層において厚さ方向の少なくとも一つの端部は、上記セラミック本体内に形成される内部電極の最下部面及び最上部面のうち少なくとも一つより厚さ方向の上部及び下部に形成されることができる。
【0030】
上記不導体層は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックのうち選択された少なくとも一つを含むことができる。
【0031】
上記第2めっき層は、上記外部電極のバンド部のみに形成されることができる。
【0032】
上記第1めっき層及び第2めっき層は、Ni及びSnのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0033】
他の側面において、本発明の第2側面による積層チップ電子部品の実装基板は、上記第2側面の積層チップ電子部品と、はんだフィレットによって上記第2めっき層と連結される電極パッドと、上記電極パッドが形成される印刷回路基板と、を含み、上記はんだフィレットは、上記印刷回路基板と隣接する上記不導体層の一端まで形成されることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明による積層チップキャパシタ及びその実装基板によると、アコースティックノイズを著しく減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施例による積層チップキャパシタを一部切開して示した概略切開斜視図である。
【
図2】
図1の積層チップキャパシタを長さ方向及び厚さ方向に切断して示した断面図である。
【
図3】第1実施例の積層チップキャパシタを長さ方向及び厚さ方向に切断して示した断面図である。
【
図4】第2実施例の積層チップキャパシタを長さ方向及び厚さ方向に切断して示した断面図である。
【
図5】第3実施例の積層チップキャパシタを長さ方向及び厚さ方向に切断して示した断面図である。
【
図6】本発明の実施例による積層チップキャパシタが印刷回路基板に実装された形状を概略的に示した概略斜視図である。
【
図7】
図6の積層チップキャパシタが印刷回路基板に実装された形状を示した概略平面図である。
【
図8】
図6の積層チップキャパシタが印刷回路基板に実装された形状を長さ方向及び厚さ方向に切断して示した断面図である。
【
図9】
図6の積層チップキャパシタが印刷回路基板に実装された状態で、電圧が印加された場合に積層チップキャパシタが変形される形状を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。なお、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0037】
本発明の一実施例による積層チップ電子部品は、誘電体層を用いており、上記誘電体層を介して内部電極が対向する構造を有する積層セラミックキャパシタ、積層バリスタ、サーミスタ、圧電素子、多層基板などに適切に用いられることができる。
【0038】
また、各実施例において、図面に示す同一思想の範囲内の機能が同一の構成要素は、同一の参照符号を用いて説明する。
【0040】
図1は、本発明の実施例による積層チップキャパシタを一部切開して示した概略切開斜視図であり、
図2は、
図1の積層チップキャパシタを長さ方向及び厚さ方向に切断して示した断面図である。
【0041】
また、
図3は、第1実施例の積層チップキャパシタを長さ方向及び厚さ方向に切断して示した断面図であり、
図4は、第2実施例の積層チップキャパシタを長さ方向及び厚さ方向に切断して示した断面図であり、
図5は、第3実施例の積層チップキャパシタを長さ方向及び厚さ方向に切断して示した断面図である。
【0042】
図1から
図5を参照すると、積層チップキャパシタ10は、セラミック本体12と、外部電極40と、内部電極20と、不導体層80と、を含むことができる。
【0043】
上記セラミック本体12は、セラミックグリーンシート上に上記内部電極20が形成されるように導電性ペーストを塗布し、上記内部電極20が形成されたセラミックグリーンシートを積層して圧搾した後、焼成することで製造されることができる。上記セラミック本体12は、複数の誘電体層52、54及び内部電極22、24が繰り返し積層されて形成されることができる。
【0044】
上記セラミック本体12は六面体状からなることができる。チップ焼成時に、セラミック粉末の焼成収縮により、セラミック本体12は完全な直線を有する六面体状ではないが、実質的に六面体状を有するものと理解してよい。
【0045】
本発明の実施例を明確に説明するために、六面体の方向を定義すると、
図1に示されるL、W及びTは、それぞれ長さ方向、幅方向、厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向は、誘電体層が積層された積層方向と同一の概念で用いられることができる。
【0046】
図1の実施例は、長さ方向が幅または厚さ方向より長い直六面体状を有する積層チップキャパシタ10に関する。
【0047】
上記誘電体層50を形成する材料として、高容量化のために高誘電率を有するセラミック粉末を用いることができる。上記セラミック粉末は、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系粉末またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)系粉末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0048】
上記内部電極20は、第1内部電極22及び第2内部電極24を含むことができ、上記第1及び第2内部電極22、24は、それぞれ第1及び第2外部電極42、44と電気的に連結されることができる。
【0049】
ここで、上記第1内部電極22及び第2内部電極24は、誘電体層(54、
図1参照)を介して対向して重畳された第1及び第2電極パターン部222、242と、それぞれの第1及び第2外部電極42、44に引出される第1及び第2リード部224、244と、を含むことができる。
【0050】
上記第1及び第2電極パターン部222、242は、厚さ方向に連続して積層されてセラミック本体12内において静電容量を形成するアクティブ層60を構成することができる。
【0051】
積層チップキャパシタの長さ方向及び厚さ方向の断面において、上記アクティブ層60を除外した部分をマージン部と定義することができる。上記マージン部において厚さ方向に上記アクティブ層60の上部マージン部及び下部マージン部を、特に上部カバー層53及び下部カバー層55と定義することができる。
【0052】
上記上部カバー層53及び下部カバー層55は、上記第1内部電極22と第2内部電極24との間に形成される誘電体層52、54とは異なり、内部電極を形成するための導電性ペーストが塗布されない複数のセラミックグリーンシートが焼結されて形成されることができる。
【0053】
上記上部カバー層53及び下部カバー層55を含む複数の誘電体層50は、焼結された状態で、走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)を利用せずには隣接する誘電体層50間の境界が確認できないほど一体化されていることができる。
【0054】
上記外部電極40は、上記セラミック本体12において長さ方向の両端部を覆うように形成されることができる。ここで、一方の長さ方向の端部に形成される外部電極を第1外部電極42、他方の長さ方向の端部に形成される外部電極を第2外部電極44と規定することができる。
【0055】
上記セラミック本体12において長さ方向の端部面を除外した上記セラミック本体12の外部側面、上部面S
T及び下部面S
Bに形成される外部電極40は、所定の幅を有する帯状であることから、バンド部と規定することができる。
【0056】
本実施例は、長さ方向の両端部に形成される積層セラミックキャパシタを説明しているが、本発明がこれに限定されるものではない。セラミック本体12の側面に複数の外部電極が形成される多連型(array type)積層セラミックキャパシタにも適用されることができる。
【0057】
上記第1及び第2外部電極42、44は、金属粉末を含む導電性ペーストで形成されることができる。上記第1及び第2外部電極42、44は、上記セラミック本体12の外部面に直接被覆される第1めっき層422、442が形成されることができる。ここで、上記第1めっき層422、442は、Cu、Ni及びSnのうち少なくとも一つを含むことができるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0058】
上記不導体層80は、上記第1めっき層422、442の外部側面に形成されることができる。また、上記不導体層80を除外した上記第1めっき層422、442に電気めっき方式によって第2めっき層424、444が被覆されることができる。
【0059】
上記不導体層80は、第2めっき層424、444が被覆されることを防止することができる。また、印刷回路基板(120、
図6参照)に上記積層チップキャパシタ10を表面実装するとき、上記不導体層80は、電極パッド(122、
図6参照)に形成されるはんだペーストが溶融(wetting)されることを防止することで、はんだが不導体層80にくっつかないようにする。
【0060】
これにより、上記不導体層80は、印刷回路基板(120、
図6参照)に上記積層チップキャパシタ10が表面実装されるとき、上記積層チップキャパシタ10が上記印刷回路基板120に固定するはんだフィレット(142、144、
図6参照)の高さを減らすことができる。
【0061】
一方、上記第2めっき層424、444は、Cu、Ni及びSnのうち少なくとも一つを含むことができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0062】
図3から
図5は、上記不導体層80の形成形状によるそれぞれの実施例に関する。
【0063】
図3に示される積層チップキャパシタ10において上記不導体層80の厚さ方向の少なくとも一つの端部82、84は、上記第1めっき層422、442の外部側面S
Sと共に、上部面S
T及び下部面S
Bのうち少なくとも一つの一部まで延長されて形成されることができる。
【0064】
図3のように、不導体層80は、上記外部電極40においてバンド部の一部まで延長されて形成されるため、上記積層チップキャパシタ10が印刷回路基板に形成されると、はんだフィレットの高さを大きく減らすことができるようになる。
【0065】
図4に示される積層チップキャパシタ10において上記不導体層80の厚さ方向の少なくとも一つの端部82、84は、上記セラミック本体12の上部面S
T及び下部面S
Bのうち少なくとも一つより厚さ方向の上部及び下部に形成されることができる(
図4のD1参照)。
【0066】
図3及び
図4の実施例における第2めっき層424、444は、上記外部電極40のバンド部のみに形成されることができる。
【0067】
図5に示される積層チップキャパシタ10において上記不導体層80の厚さ方向の少なくとも一つの端部82、84は、上記セラミック本体12内に形成される内部電極の最下部面S
IT及び最上部面S
IBのうち少なくとも一つより厚さ方向の上部及び下部に形成されることができる(
図5のD2参照)。
【0068】
図4及び
図5のように不導体層80が形成されると、
図3の場合に比べて高いはんだフィレット142、144の高さを有するが、これにより実装の面において信頼性が向上することができる。
【0069】
一方、上記不導体層80は、エポキシ、耐熱性高分子、ガラス及びセラミックのうち選択された少なくとも一つを含むことができる。
【0071】
図6は、本発明の実施例による積層チップキャパシタが印刷回路基板に実装された形状を概略的に示した概略斜視図であり、
図7は、
図6の積層チップキャパシタが印刷回路基板に実装された形状を示した概略平面図である。
【0072】
図6及び
図7を参照すると、本実施例による積層チップキャパシタの実装基板100は、積層チップ電子部品10と、電極パッド122、124と、印刷回路基板120と、を含むことができる。
【0073】
上記積層チップ電子部品10は、上記した通り、積層チップキャパシタであることができ、内部電極22、24が上記印刷回路基板120と水平になるように積層チップキャパシタ10が印刷回路基板120に実装されることができる。
【0074】
また、印刷回路基板120及び積層チップ電子部品10の第2めっき層424、444は、はんだフィレット142、144によって上記電極パッド122、124と連結され、上記はんだフィレット142、144は、上記印刷回路基板120と隣接する上記不導体層80の一端まで形成されることができる。
【0075】
上記積層チップキャパシタ10が印刷回路基板120に実装された状態で、電圧が印加されると、アコースティックノイズが発生する可能性がある。上記アコースティックノイズは、上記はんだフィレット142、144の高さを減らすことで減少させることができる。
【0076】
図8は、
図6の積層チップキャパシタが印刷回路基板に実装された形状を長さ方向及び厚さ方向に切断して示した断面図であり、
図9は、
図6の積層チップキャパシタが印刷回路基板に実装された状態で、電圧が印加されると、積層チップキャパシタが変形される形状を概略的に示した断面図である。
【0077】
積層チップキャパシタ10の両端部に形成される第1及び第2外部電極42、44に異なる極性を有する電圧が印加されると、誘電体層の逆圧電効果(Inverse piezoelectric effect)によってセラミック本体12が厚さ方向に膨張及び収縮するようになり、第1及び第2外部電極42、44における長さ方向の両端部は、ポアソン効果(Poisson effect、
図9のP方向)によってセラミック本体12において厚さ方向の膨張及び収縮とは反対に収縮及び膨張するようになる。
【0078】
ここで、
図9には、第1及び第2外部電極42、44に異なる極性を有する電圧が印加されると、はんだフィレット142、144の大きさによって印刷回路基板120が変形される程度が示されている。
【0079】
図9に示される仮想の点線は、上記はんだフィレット142’、144’が積層セラミック本体12の中間程度の高さまで形成される場合を示す。即ち、上記はんだフィレット142’、144’が積層セラミック本体12の中間程度の高さまで形成された場合には、上記セラミック本体12が変形される程度がはんだフィレット142’、144’に伝達されることができる。このとき、はんだフィレット142’、144’に作用する力(F1、矢印1(「○1」方向)は、本発明の実施例であるはんだフィレット142、144に作用する力(F2、矢印2「○2」方向)に比べて大きくなる。即ち、はんだフィレット142’、144’の高さが高い場合、印刷回路基板120が変形される程度が大きく、アコースティックノイズの大きさもより大きくなる。
【0080】
従って、本発明の実施例であるはんだフィレット142、144の高さが不導体層80によって規定されると、印刷回路基板120はほとんど変形されず、アコースティックノイズも著しく減少するようになる。
【符号の説明】
【0081】
10 積層チップキャパシタ
20 内部電極
42、44 第1及び第2外部電極
50 誘電体層
80 不導体層