【文献】
モンスターハンター マッシブハンティング,電撃ゲームアプリ Vol.8,株式会社アスキー・メディアワークス,2013年 2月14日,第8巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザの操作によりゲームを開始する旨の入力を受け付けると、ゲームをプレイするユーザによって利用される携帯端末と通信可能に接続され、前記ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、フレンドユーザの数を示すフレンドユーザ数情報とを関連付けて記憶する記憶手段を備えたサーバ装置から、前記ゲームを開始する旨の入力を行なったユーザのユーザ識別情報に関連付けられたフレンドユーザ数情報を取得するフレンドユーザ数情報取得工程と、
前記取得されたフレンドユーザ数情報により示されるフレンドユーザの数に応じて、前記携帯端末の画面に表示される第1のオブジェクト又は第2のオブジェクトを変化させることにより、前記ゲームの難易度を調整する難易度調整工程と
を備え、
前記ゲームは、
前記携帯端末の画面に、複数の同心円からなる第1のオブジェクトと、当該画面上を移動する第2のオブジェクトとを表示させ、前記ユーザの操作により前記第1のオブジェクト上に前記第2のオブジェクトが配置されることで所定の得点を獲得させるゲームであり、前記第2のオブジェクトが配置された位置が前記第1のオブジェクトの中心に近い程、高得点を獲得させるゲームである、ことを特徴とするゲーム制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明するが、その前に、本発明の概要について
図1〜
図4を用いて説明する。
【0014】
本発明の概要は、ソーシャルゲームの一機能として組み込まれるミニゲームに関する。具体的には、ソーシャルゲームにおけるフレンドユーザの数に応じて、難易度が変化する(調整される)ミニゲームに関する。ここで、フレンドユーザとは、ソーシャルゲームにおいて互いにフレンド関係が構築されたユーザ、すなわち、友達を示す用語である。なお、フレンド関係を構築する方法としては、例えば、所定のユーザが他のユーザに対してフレンド登録要求を送出し、他のユーザがこのフレンド登録要求を承認することによって、フレンド関係を構築する方法がある。但し、フレンド関係を構築する方法は、上記方法だけに限定されるものではない。また、「フレンド関係が構築されたユーザ」は、「フレンド関係にあるユーザ」と読み替えてもよい。
【0015】
以下の説明では、ソーシャルゲームが、各種キャラクタ等のゲーム要素としてカードキャラクタを用いたカードバトルゲームであり、ミニゲームが、音楽に合わせてユーザが所定の操作を行うリズムゲームであると想定して説明する。但し、ソーシャルゲーム及びミニゲームは、それぞれ、上記カードバトルゲーム及び上記リズムゲームだけに限定されるものではない。
【0016】
また、本発明の概要におけるミニゲームは、ソーシャルゲームをプレイ中であれば常時プレイ可能なゲームではなく、所定の条件を満足したときにだけプレイ可能なゲームを想定する。但し、ミニゲームは、必ずしも所定の条件を満足したときにだけプレイ可能なゲームである必要はなく、上記したように、ソーシャルゲームをプレイ中であれば常時プレイ可能なゲームであるとしても良い。
【0017】
なお、ミニゲームをプレイするための所定の条件の一例としては、ソーシャルゲームがカードバトルゲームである場合、例えば、カードキャラクタを強化合成することや、カードキャラクタを進化合成すること等が挙げられる。すなわち、本発明の概要におけるミニゲーム、すなわち、リズムゲームは、ユーザによってカードキャラクタの強化合成又は進化合成を行う旨の入力がなされたときにプレイ可能なゲームを想定する。
【0018】
ここで、カードキャラクタの強化合成とは、カードバトルゲームにおけるカードキャラクタの優劣を決定し得る各種パラメータ(例、攻撃力、防御力、ヒットポイント等)を上昇させる行為を示す。また、カードキャラクタの進化合成とは、カードバトルゲームにおける複数のカードキャラクタを用いて新たなカードキャラクタを生成する行為を示す。なお、これらカードキャラクタの強化合成及び進化合成は、一般的に、必ずしも成功するものではない、すなわち、カードキャラクタの強化合成を行えば各種パラメータが必ず上昇する、カードキャラクタの進化合成を行えば新たなカードキャラクタが必ず生成されるものではなく、カードキャラクタの強化合成及び進化合成の成功または失敗はランダムに決定されるものである。
【0019】
このため、本発明の概要におけるリズムゲームは、当該リズムゲームの結果に応じて、カードキャラクタの強化合成及び進化合成の成功率を高める効果を有したゲームを想定する。
【0020】
図1は、本発明の概要におけるリズムゲームの画面の一例を示す模式図である。このリズムゲームは、
図1に示すように、画面上に、複数の同心円からなる第1のオブジェクトO1と、当該画面上を移動する第2のオブジェクトO2とを表示させ、所定の制限時間内(例えば、所定の音楽の演奏が終了するまで)に、ユーザの操作により第1のオブジェクトO1上に第2のオブジェクトO2が配置されることで所定の得点を獲得可能なゲームであり、より詳細には、第2のオブジェクトO2が配置された位置が第1のオブジェクトO1の中心に近い程、高得点を獲得可能なゲームである。例えば、このリズムゲームでは、第2のオブジェクトO2が、第1のオブジェクトO1を構成する3つの同心円R1〜R3のうち、同心円R1と同心円R2との間に配置された場合を「成功」、同心円R2と同心円R3との間に配置された場合を「大成功」、同心円R3内に配置された場合を「超成功」とし、「成功」、「大成功」及び「超成功」のそれぞれ(の段階)に対応した得点が獲得可能である。更に、このリズムゲームでは、第2のオブジェクトO2が、第1のオブジェクトO1上とは異なる位置に配置された場合を「失敗」とし、「失敗」に対応した得点がこれまでに獲得した得点の累計(以下、累計得点と表記)から減算される。なお、
図1に示す画面の上方に位置する得点バーは、1回のリズムゲームにおいてユーザが獲得した累計得点を示すものであり、リズムゲーム終了時にこの累計得点が高い程、カードキャラクタの強化合成及び進化合成の成功率は高くなる。
【0021】
このリズムゲームは、上記したように、フレンドユーザの数に応じて難易度が変化するゲームである。難易度を変化させる方法としては、例えば
図2に示すように、フレンドユーザの数が多い程、第2のオブジェクトO2の大きさを大きくする方法がある。
図2の例では、フレンドユーザの数が15名の場合、フレンドユーザの数が10名のときに比べて、第2のオブジェクトO2の大きさが1.5倍の大きさになる旨を示している。
【0022】
また、難易度を変化させる別の方法としては、例えば
図3に示すように、フレンドユーザの数が多い程、第2のオブジェクトO2が画面上を移動する速度を遅くする方法がある。
図3の例では、フレンドユーザの数が15名の場合、フレンドユーザの数が10名のときに比べて、第2のオブジェクトO2の移動速度が2/3倍の移動速度になる旨を示している。
【0023】
難易度を変化させる更に別の方法としては、例えば
図4に示すように、フレンドユーザの数が多い程、第1のオブジェクトO1を構成する複数の同心円R1〜R3のうち、中心に近い同心円R3の大きさを大きくする方法がある。
図4の例では、フレンドユーザの数が15名の場合、フレンドユーザの数が10名のときに比べて、第1のオブジェクトを構成する複数の同心円R1〜R3のうち、中心に近い同心円R3の大きさが1.5倍の大きさになる旨を示している。
【0024】
但し、本発明の概要におけるリズムゲームの難易度を変化させる方法は、上記した方法にだけ限定されるものではなく、例えば、上記した複数の方法の組合せ等であっても良いし、更に別の方法(例えば、制限時間を延長する等)であっても良い。すなわち、ゲームの難易度を変化させる方法としては、フレンドユーザの数に応じて、ゲームパラメータやゲームアルゴリズム等を変化させる方法であれば、任意の方法が使用可能となっている。また、難易度の変化としては、フレンドユーザの数に応じて下げる場合に限らず、(難易度を少し上げた方が面白いゲームになることもあるので、)難易度が閾値より低い範囲内であれば、フレンドユーザの数に応じて上げる場合があってもよい。但し、ゲームの難易度を上げる場合には、獲得可能な得点や強化合成・進化合成の成功率といった他のインセンティブも上げることが好ましい。
【0025】
なお、本発明の概要では、カードキャラクタの強化合成又は進化合成を行う旨の入力がなされたときにリズムゲームがプレイ可能であるとしたが、例えば、フレンドポイントを消費することによってリズムゲームがプレイ可能であるとしても良い。フレンドポイントとは、例えば、他ユーザとフレンド関係を構築する度に得られるポイントを示す。
【0026】
以上のようなゲームにおいては、フレンドユーザの数が多い程、ゲームの難易度を下げることができ、ひいては、カードキャラクタの強化合成及び進化合成の成功率の上昇を期待できるため、他ユーザとフレンド関係を構築するといった行為を活性化させることができる。
【0027】
以上が本発明の概要である。続いて、本発明の一実施形態の詳細について説明する。
【0028】
図5は本発明の一実施形態に係るゲーム制御方法が適用されたゲームシステムの構成例を示す模式図である。インターネット等を含むネットワーク1に対し、ウェブサーバ装置2が接続されると共に、本システムでユーザが使用するクライアント装置となる、複数、例えば3台の携帯端末4A〜4Cが、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイント(AP)5、あるいは基地局6を介して接続される。
【0029】
ウェブサーバ装置2は、カードバトルゲーム及びこのカードバトルゲームの一機能であるリズムゲームを実現するためのゲーム制御プログラム及びイベント情報を携帯端末4A〜4Cに提供するコンピュータである。このウェブサーバ装置2は、例えばSNSを運営する企業が、サービスの一環としてオンラインゲームのサービスを提供するべく設置するものであり、ネットワーク1に接続される。
【0030】
一方、クライアント側の携帯端末4A〜4Cは、それぞれスマートフォン、フィーチャー・フォン等を含み、例えば、Android(登録商標)又はiOS等のOS(Operating System)上で動作する携帯電話であっても良いし、さらにはノートブック型のパーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ等であっても良い。以下の実施形態では、説明を簡略化するために、携帯端末4A〜4Cはいずれもタッチパネルを有するスマートフォンであるものとして説明する。
【0031】
携帯端末4A〜4Cは、上記基地局6を介してのネットワーク1との接続に加えて、例えばIEEE802.11a/b/g/n規格の無線LANであるWi−Fi(登録商標)を優先的に選択可能として、上記アクセスポイント5と相互接続が可能であるものとする。
【0032】
また、携帯端末4A〜4Cは、例えば、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)技術により相互に無線接続が可能となっている。
【0033】
携帯端末4A〜4Cとしては、その機種固有のハードウェア構成、採用しているOS、インストールされているアプリケーション等が多岐にわたるものとし、ウェブサーバ装置2はそれら多様な携帯端末に対応した各種アプリケーションプログラムをそれぞれに配信可能であるものとする。
【0034】
上記ウェブサーバ装置2と携帯端末4A〜4Cのそれぞれの機能ブロック構成について
図6及び
図8を参照して述べる。
【0035】
ウェブサーバ装置2は、
図6に示すように、メモリ21、記憶装置22、プロセッサ23及び通信部24を備えている。
【0036】
メモリ21は、後述する記憶装置22に記憶されるゲーム制御プログラムp_s3等を実行する際に必要とされるワークエリアとして使用される。また、メモリ21は、ゲーム制御プログラムp_s3により実現されるカードバトルゲーム及びリズムゲームにおいて使用されるフレンド情報を記憶する。
【0037】
フレンド情報は、カードバトルゲームをプレイするユーザ毎に記述される情報であり、例えば
図7に示すように、ユーザ識別情報とフレンドユーザ数情報とが関連付けて記述される。ここで、ユーザ識別情報は、カードバトルゲームをプレイするユーザを識別するための情報である。また、フレンドユーザ数情報は、カードバトルゲームにおいてフレンド関係が構築されたフレンドユーザの数を示す情報である。なお、フレンド情報は、上記ユーザ識別情報及び上記フレンドユーザ数情報だけでなく、フレンドユーザに関する更なる情報が関連付けられているとしても良く、例えば、フレンドユーザのユーザ識別情報が更に関連付けられているとしても良い。
【0038】
記憶装置22は、カードバトルゲーム及びリズムゲームを実現するためのゲーム制御プログラムp_s3等を記憶するものであり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、光ディスクドライブ、DVD、MO等の大容量記憶装置である。この記憶装置には、OS p_s0、サーバ側JS実行環境プログラムp_s1、A社フレームワークプログラムp_s2及びゲーム制御プログラムp_s3が記憶されている。
【0039】
OS p_s0は、ウェブサーバ装置2の基本的な機能を実現するためのプログラムである。
【0040】
サーバ側JS実行環境プログラムp_s1は、プロセッサ23により実行され、後述するサーバ側JS実行環境S1を実現するためのプログラムである。
【0041】
A社フレームワークプログラムp_s2は、プロセッサ23により実行され、後述するA社フレームワークS2を実現するためのプログラムである。
【0042】
ゲーム制御プログラムp_s3は、プロセッサ23により実行され、カードバトルゲーム及びリズムゲームを実現させるためのプログラムであり、例えば以下の各機能(f1)〜(f3)をプロセッサ23に実現させるためのプログラムを含んでいる。但し、ここでは、リズムゲームを実現させるためのプログラムをプロセッサ23が実行することにより実現する機能についてのみ説明するものとする。
【0043】
(f1)携帯端末のユーザの操作によりリズムゲームを開始する旨の入力と共に、当該ユーザを識別するためのユーザ識別情報の入力を受け付けると、当該入力を受け付けたユーザ識別情報に関連付けられたフレンドユーザ数情報をメモリ21から取得するフレンドユーザ数情報取得機能。
【0044】
(f2)上記(f1)の機能により取得したフレンドユーザ数情報により示されるフレンドユーザの数に応じて、リズムゲームの難易度を調整する難易度調整機能。
【0045】
なお、上記(f2)の機能は、以下の各機能(f2-1)〜(f2-4)を更に含んでいる。
【0046】
(f2-1)上記(f1)の機能により取得したフレンドユーザ数情報により示されるフレンドユーザの数が多い程、リズムゲームの難易度を下げるように調整する機能。
【0047】
(f2-2)上記(f1)の機能により取得したフレンドユーザ数情報により示されるフレンドユーザの数が多い程、第2のオブジェクトO2の大きさを大きくするように調整する機能。
【0048】
(f2-3)上記(f1)の機能により取得したフレンドユーザ数情報により示されるフレンドユーザの数が多い程、第2のオブジェクトO2が移動する速度を遅くするように調整する機能。
【0049】
(f2-4)上記(f1)の機能により取得したフレンドユーザ数情報により示されるフレンドユーザの数が多い程、第1のオブジェクトO1を構成する複数の同心円C1〜C3のうち、中心に近い同心円C3の大きさを大きくするように調整する機能。
【0050】
(f3)上記(f2)の機能により難易度が調整されたリズムゲームを携帯端末4A〜4Cでプレイ可能にさせるゲームデータを後述する通信部24を介して送出するゲームデータ送出機能。
【0051】
プロセッサ23は、記憶装置22に記憶されたゲーム制御プログラムp_s3と協働して、カードバトルゲーム及びリズムゲームを行う他、ウェブサーバ装置2全体の制御を司るものである。
【0052】
通信部24は、ネットワーク1を介した携帯端末4A〜4C等の外部装置との通信の制御を司る。
【0053】
各携帯端末4A〜4Cの機能ブロック構成は、互いに同一のため、ここでは携帯端末4Aの機能ブロック構成を代表例に挙げて述べる。
【0054】
携帯端末4Aは、
図8に示すように、メモリ41A、記憶装置42A、プロセッサ43A、通信部44A、電子コンパス45A、カメラ46A、表示部47A及びタッチパネル48Aを備えている。各部41A〜48Aの説明は、符号の末尾AをB又はCに読み替えることにより、他の携帯端末4Bの各部41B〜48Bの説明又は他の携帯端末4Cの各部41C〜48Cの説明として読み替え可能となっている。
【0055】
メモリ41Aは、後述するクライアントサイドのゲーム制御プログラムp_c4を実行する際に必要とされるワークエリア等として使用される。
【0056】
記憶装置42Aは、カードバトルゲーム及びリズムゲームを実現するためのクライアントサイドのゲーム制御プログラムp_c4等を記憶するものであり、例えば、フラッシュメモリ等の大容量記憶装置である。この記憶装置42Aには、OS(オペレーティングシステム)p_c0、アプリケーション実行環境プログラムp_c1、A社DB接続キットプログラムp_c2、A社フレームワークプログラムp_c3及びゲーム制御プログラムp_c4が記憶されている。
【0057】
OS p_c0は、携帯端末4Aの基本的な機能を実現するためのプログラムである。
【0058】
アプリケーション実行環境プログラムp_c1は、プロセッサ43Aにより実行され、後述するアプリケーション実行環境C1を実現するためのプログラムである。
【0059】
A社DB接続キットプログラムp_c2は、プロセッサ43Aにより実行され、後述するA社DB接続キットC2を実現するためのプログラムである。
【0060】
A社フレームワークプログラムp_c3は、プロセッサ43Aにより実行され、後述するA社フレームワークC3を実現するためのプログラムである。
【0061】
ゲーム制御プログラムp_c4は、プロセッサ43Aにより実行され、カードバトルゲーム及びリズムゲームのクライアント側の処理を制御するプログラムである。
【0062】
プロセッサ43Aは、記憶装置42Aに記憶されたゲーム制御プログラムp_c4と協働して、カードバトルゲーム及びリズムゲームを行う他、携帯端末4A全体の制御を司るものである。
【0063】
通信部44Aは、ネットワーク1を介したウェブサーバ装置2等の外部装置との通信の制御を司る。また、通信部44Aは、無線LAN、Bluetooth、Wi−Fi等の無線通信機能をも有する。
【0064】
電子コンパス45Aは、地磁気センサを有し、方位を測定する。
【0065】
カメラ46Aは、撮像機能を有し、撮像した画像を記憶装置42Aに格納する。
【0066】
表示部47Aは、タッチパネル48Aが取り付けられたディスプレイ装置である。
【0067】
タッチパネル48Aは、ユーザの操作に応じて、操作データを入力する機能をもっている。
【0068】
上記ウェブサーバ装置2と携帯端末4A〜4Cのそれぞれの機能ブロック構成に対応する電子回路のハードウェア構成自体は、きわめて一般的で周知であるものとして、その記載及び説明を省略する。
【0069】
図9は、本実施形態に係るウェブサーバ装置2と携帯端末4A〜4C間の接続アーキテクチャの概念を示す模式図である。同図に示すように、A社が提供するオンラインのゲームプログラム又はアプリケーションプログラムを実行するにあたり、携帯端末4A〜4Cには、例えばAIR(登録商標)等で記述された、当該ゲームプログラム又はアプリケーションプログラムのためのアプリケーション実行環境C1が実装されると共に、当該A社のデータベースに接続して課金処理等を行うためのA社データベース接続キットC2が組み込まれる。
【0070】
これと共に、携帯端末4A〜4Cがウェブサーバ装置2との通信を行う部分に関しては、A社が開発した(ソフトウェア)クライアントサイドのフレームワークC3がインストールされる。
【0071】
一方のウェブサーバ装置2では、オンラインゲーム及びアプリケーションを実行するための、例えばNode.js(登録商標)で記述されたサーバ側JavaScript(登録商標)実行環境S1が設けられると共に、携帯端末4A〜4Cとの通信を行う部分には、上記フレームワークC3と対応するA社(ソフトウェア)サーバサイドのフレームワークS2が設けられる。
【0072】
携帯端末4A〜4CのフレームワークC3と、ウェブサーバ装置2のフレームワークS2との間では、HTML5に関連した規格であるウェブソケット(WebSocket)を基盤としてアイテムの情報等が送受される。
【0073】
ウェブソケットによれば、サーバクライアント間でHTTP(hyper text transfer protocol)を使用して1回ハンドシェイクを行い、サーバクライアント間で接続が確立すると、HTTP(リクエスト&レスポンス方式)を使用せずに、ウェブソケット専用のプロトコルで双方向通信が実行される。ウェブソケットによる双方向通信は、長時間の接続を前提としており、サーバ又はクライアントにより切断されるまで継続して実行される。また、ウェブソケットによる通信は、HTTP通信よりもヘッダ情報及び処理負荷(オーバーヘッド)が小さい利点もある。更に、ウェブソケットによる通信は、接続状態にある全ての装置が同じデータをリアルタイムで送受信して共有できる利点もある。また、ウェブソケットでは、クライアント側とサーバ側とのいずれからでも送信が可能であり、例えば、サーバ側からクライアント側にデータをプッシュ配信することが可能である。
【0074】
このように、ウェブソケットによれば、処理負荷が小さいリアルタイム通信を実現できるので、従来とは異なり、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をサーバ装置に接続でき、様々なゲーム(例、カードバトルゲーム、リズムゲーム等)を実現できる。
【0075】
上記フレームワークC3,S2は、OSに依存しないスクリプト言語として、例えばJavaScriptを用いて記述されている。そのため、携帯端末4A〜4CのOSがAndroid及びiOS等のいずれのOSであっても同一接続環境を構築できる。
【0076】
次に、以上のように構成されたゲームシステムの動作の一例について、
図7の模式図と、
図10のフローチャートとを参照しながら説明する。なお、以下の説明では、ウェブサーバ装置2には、予め
図6に示した各プログラムp_s1〜p_s3がインストールされているものとする。同様に、携帯端末4Aには、最初にA社からサービス提供を受けた際に、
図8に示した各プログラムp_c1〜p_c4がインストールされたものとする。また、以下の説明では、記載を簡潔にする観点から、送受信に通信部を介在させている旨の記載を省略する。
【0077】
始めに、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、携帯端末4Aのユーザの操作によりリズムゲームを開始する旨の入力と共に、当該ユーザを識別するためのユーザ識別情報の入力を受け付けると、当該入力を受け付けたユーザ識別情報に関連付けられたフレンドユーザ数情報をメモリ21から取得する(ステップST1)。本動作例では、プロセッサ23は、カードバトルゲームにおけるカードキャラクタの強化合成又は進化合成のいずれかを行う旨の入力に伴うリズムゲームを開始する旨の入力と共に、ユーザ識別情報「user1」の入力を受け付け、このユーザ識別情報「user1」に関連付けられたフレンドユーザ数情報「15」をメモリ21から取得したものとする。
【0078】
続いて、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、上記ステップS1の処理において取得したフレンドユーザ数情報により示されるフレンドユーザの数「15」に応じて、リズムゲームの難易度を下げるように調整する(ステップST2)。
【0079】
すなわち、上記ステップS2の処理では、予め設定された指標となるフレンドユーザの数に比べて、上記ステップS1の処理において取得したフレンドユーザ数情報により示されるフレンドユーザの数がどの程度多いのかを判断し、この判断結果に基づいてリズムゲームの難易度をどれだけ下げるかを決定した後に、例えば
図2〜
図4を用いて説明したいずれかの方法を用いて、リズムゲームの難易度を下げるように調整する。例えば、予め設定された指標となるフレンドユーザの数が10名であり、かつリズムゲームの難易度を
図2を用いて説明した方法を用いる場合、上記ステップS1の処理において取得したフレンドユーザ数情報により示されるフレンドユーザの数「15」名は、予め設定された指標となるフレンドユーザの数「10」名の1.5倍であるため、第2のオブジェクトO2の大きさを1.5倍の大きさにするようにしてリズムゲームの難易度を調整する。
【0080】
次に、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、上記ステップS2の処理において難易度が調整されたリズムゲームをプレイ可能にさせるためのゲームデータを携帯端末4A、すなわち、ユーザ識別情報「user1」により識別されるユーザが操作する携帯端末に送出する(ステップST3)。
【0081】
続いて、携帯端末4Aでは、プロセッサ43Aが、ウェブサーバ装置2から送出されたゲームデータの入力を受け付けると、当該入力を受け付けたゲームデータに従って、リズムゲームを開始する(ステップST4)。
【0082】
次に、携帯端末4Aでは、プロセッサ43Aが、上記ステップS4の処理において開始されたリズムゲームの結果、すなわち、累計得点を示す結果データをウェブサーバ装置2に送出する(ステップST5)。
【0083】
しかる後、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、携帯端末4Aから送出された結果データの入力を受け付けると、当該入力を受け付けた結果データにより示される累計得点に応じて、リズムゲームを開始するにあたり実行するとされたカードキャラクタの強化合成又は進化合成の成功率を高める処理を実行し(ステップST6)、本動作例におけるウェブサーバ装置2及び携帯端末4Aでの動作を終了させる。
【0084】
なお、累計得点に応じてカードキャラクタの強化合成又は進化合成の成功率をどれだけ高めるかは、ウェブサーバ装置2に予め設定されているものとし、その具体的な数値は任意に設定することが可能であるものとする。
【0085】
また、本実施形態では、リズムゲームがウェブアプリケーションであると仮定して説明したが、ウェブアプリケーションに限定するものではなく、例えば、ネイティブアプリケーション又はウェブアプリケーションとネイティブアプリケーションの両方を用いたハイブリッドアプリケーションとして実現されても構わない。
【0086】
以上説明した本実施形態によれば、フレンドユーザの数に応じて、ゲームの難易度を調整する構成により、他ユーザとフレンド関係を構築するといった行為を活性化させることができる。
【0087】
また、本実施形態によれば、フレンドユーザの数が多い程、ゲームの難易度を下げることができ、ひいては、カードキャラクタの強化合成及び進化合成の成功率の上昇を期待できるようにしたので、他ユーザとフレンド関係を構築するといった行為を活性化させることができる。
【0088】
ここで、例えば、複数の同心円からなる第1のオブジェクトと、画面上を移動する第2のオブジェクトとを表示させ、ユーザの操作により第1のオブジェクト上に第2のオブジェクトが配置され、当該第2のオブジェクトが配置された位置が第1のオブジェクトの中心に近い程、高得点を獲得させるゲームの場合、第1のオブジェクトの中心に近い程、強化合成・進化合成の高い成功率(=高得点)が得られることが直感的に分かるので、ゲームに対する意欲を向上させることができる。
【0089】
このゲームにおいて、フレンドユーザの数が多い程、第2のオブジェクトの大きさを大きくする場合、フレンドユーザの数が多いユーザほど、高得点を得やすいゲームとなるので、フレンドユーザの数を増やす行為(=他ユーザとフレンド関係を構築する行為)を活性化させることができる。
【0090】
また、フレンドユーザの数が多い程、第2のオブジェクトが移動する速度を遅くする場合、同様な理由で、フレンドユーザの数を増やす行為を活性化させることができる。
【0091】
さらに、フレンドユーザの数が多い程、第1のオブジェクトを構成する複数の同心円のうち、中心に近い同心円の大きさを大きくする場合、同様な理由で、フレンドユーザの数を増やす行為を活性化させることができる。
【0092】
なお、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0093】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。