(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718484
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】共有ネットワークのアクセス制御方法、アクセスネットワークノード及びコアネットワークノード
(51)【国際特許分類】
H04W 28/08 20090101AFI20150423BHJP
H04M 3/00 20060101ALI20150423BHJP
H04W 76/06 20090101ALI20150423BHJP
【FI】
H04W28/08
H04M3/00 E
H04W76/06
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-553771(P2013-553771)
(86)(22)【出願日】2012年1月16日
(65)【公表番号】特表2014-510456(P2014-510456A)
(43)【公表日】2014年4月24日
(86)【国際出願番号】CN2012070433
(87)【国際公開番号】WO2012109951
(87)【国際公開日】20120823
【審査請求日】2013年9月6日
(31)【優先権主張番号】201110037367.7
(32)【優先日】2011年2月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511207729
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100170346
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 望
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジ チュンシア
(72)【発明者】
【氏名】ドン ユン
(72)【発明者】
【氏名】シエ バオグオ
【審査官】
冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−268249(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/080056(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/023608(WO,A1)
【文献】
Alcatel-Lucent,Discussion in MTC requirements and ACB,3GPP TSG-RAN WG2#72, R2-106429,2010年11月19日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共有ネットワークのアクセス制御方法であって、
アクセスネットワークノードが、公衆陸上移動通信ネットワーク(PLMN:Public Land Mobile Networks)を識別できる過負荷インジケータを受信するステップと、
アクセスネットワークノードが、受信された過負荷インジケータによって、アクセス制御を必要とするPLMNを知るステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
アクセスネットワークノードがPLMNを識別できる過負荷インジケータを受信するステップでは、
アクセスネットワークノードが、コアネットワークノードが過負荷の場合に、PLMNを識別できる過負荷インジケータをコアネットワークノードから直接的に受信するか、
または、アクセスネットワークノードが、コアネットワークノードが過負荷の場合に、運用保守システムを介してPLMNを識別できる過負荷インジケータを受信する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アクセスネットワークノードが、PLMNを識別できる過負荷インジケータを受信するステップでは、アクセスネットワークノードが、PLMN識別子が含まれる過負荷メッセージを受信する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
アクセスネットワークノードは、
アクセスネットワークノードが、アクセス制御を必要とするPLMNごとに対応するEAB(Extended Access Barring)パラメータを設定し、放送メッセージでPLMNに対応するEABパラメータを端末に送信する方式1と、
アクセスネットワークノードが、端末により送信されたメッセージから、端末により選択されたPLMN識別子を取得し、このPLMN識別子がアクセス制御を必要とする現在のPLMN識別子である場合、この端末の接続確立要求を拒絶するかまたはこの端末が既に確立した接続を解放する方式2と
のうちの1つ方式でアクセス制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
アクセスネットワークノードは、コアネットワークノードの過負荷が終了した場合に、アクセス制御の停止を必要とするPLMN識別子を含む過負荷終了メッセージを受信する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
共有ネットワークのアクセスを制御するためのアクセスネットワークノードであって、
PLMN(Public Land Mobile Networks)を識別できる過負荷インジケータを受信し、
受信された過負荷インジケータによって、アクセス制御を必要とするPLMNを知る
ことを特徴とするアクセスネットワークノード。
【請求項7】
過負荷インジケータは、コアネットワークノードが過負荷である場合に、コアネットワークノードから直接的に受信されるか、
または、過負荷インジケータは、コアネットワークノードが過負荷である場合に、運用保守システムを介して受信される
ことを特徴とする請求項6に記載のアクセスネットワークノード。
【請求項8】
過負荷インジケータは、PLMN識別子を含む過負荷メッセージである
ことを特徴とする請求項6に記載のアクセスネットワークノード。
【請求項9】
前記アクセスネットワークノードは、
アクセスネットワークノードが、アクセス制御を必要とするPLMNごとにそれぞれ対応するEABパラメータを設定し、放送メッセージでPLMNに対応するEAB(Extended Access Barring)パラメータを端末に送信する方式1と、
アクセスネットワークノードが、端末により送信されたメッセージから、端末により選択されたPLMN識別子を取得し、このPLMN識別子がアクセス制御を必要とする現在のPLMN識別子である場合、この端末の接続確立要求を拒絶するかまたはこの端末が既に確立した接続を解放する方式2と
のうちの1つ方式でアクセス制御を行う
ことを特徴とする請求項6に記載のアクセスネットワークノード。
【請求項10】
更に、コアネットワークの過負荷が終了した場合に、アクセス制御の停止を必要とするPLMN識別子を含む過負荷終了メッセージを受信する
ことを特徴とする請求項6に記載のアクセスネットワークノード。
【請求項11】
共有ネットワークのアクセスを制御するためのコアネットワークノードであって、
アクセスネットワークノードが過負荷インジケータによって、アクセス制御を必要とするPLMN(Public Land Mobile Networks)を知ることができるように、コアネットワークノードが過負荷である場合に、PLMNを識別できる過負荷インジケータをアクセスネットワークへ送信する
ことを特徴とするコアネットワークノード。
【請求項12】
過負荷インジケータは、PLMN識別子を含む過負荷メッセージである
ことを特徴とする請求項11に記載のコアネットワークノード。
【請求項13】
更に、過負荷インジケータを送信する前に、現在の負荷状況によって、アクセス制御を必要とするPLMNを確定する
ことを特徴とする請求項11に記載のコアネットワークノード。
【請求項14】
更に、コアネットワークノードの過負荷が終了した場合に、アクセス制御の停止を必要とするPLMN識別子を含む過負荷終了メッセージをアクセスネットワークノードに送信する
ことを特徴とする請求項11に記載のコアネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関し、具体的に共有ネットワークのアクセス制御方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルネットワークサービス及び自動制御技術の発展に伴い、マシンツーマシン(M2M:Machine to Machine)通信モードとも称されるマシンタイプ通信モードが出現した。この通信モードでは、少なくとも1つの機械装置が通信に関与する。
【0003】
M2Mは、狭義にはマシンからマシンへの通信であると定義されるが、広義にはマシン端末の知能インタラクティブをコアとするネットワーク化の応用及びサービスを含む技術であると定義される。M2Mは、知能マシン端末に基づいて、アクセス手段としての様々な通信モードをユーザに提供する情報化解決策であり、モニタリング、コマンド・スケジューリング、データ収集及び測定などのユーザの情報化ための要求を満たすために用いられる。M2Mは、業界向けアプリケーション、家庭向けアプリケーション、個人向けアプリケーションなどに応用することができる。
【0004】
M2Mは、その通信オブジェクトがマシンであり、通信動作が自動的に制御される。即ち、通信の開始、終了、及び通信過程におけるいくつかのアドミタンス及び制限に対する制御は、いずれも自動的に行われる。このような動作は、M2M通信においてマシン(即ち、M2M通信における端末)の動作に対する制約・制御に依存し、M2M通信における端末の動作は、サービス加入データによって制約され、ネットワークは、サービス加入データによってM2M通信における端末を管理する。
【0005】
マシンタイプ通信において最も典型的な通信モードは、MTC装置(MTC device)と称される端末と、MTCサーバ(MTC Server)と称されるアプリケーションサーバとの間の通信である。
【0006】
2G/3G/LTEアクセスの場合、M2M通信は、主にパケットサービス(PS:Packet Service)ネットワークを下位層ベアラネットワークとして、MTC装置とMTCサーバとの間のサービス層通信を実現する。
図1は関連技術によるM2M通信エンティティが発展型パケットシステム(EPS:Evoled Packet System)にアクセスする構造を示す図である。
図1に示すように、下位層ベアラネットワークは、発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN:Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)、移動管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)、サービングゲートウェイ(S−GWまたはSGW:Serving Gateway)、パケットデータネットワークゲートウェイ(PDN GW、またはP−GW、またはPGW:Packet Data Network Gateway)、ホーム加入者サーバ(HSS:Home Subscriber server)、ポリシー及び課金ルール機能(PCRF:Policy and Charging Rules Function)エンティティを含む。ここで、E−UTRANの主要なネットワークエレメントは、発展型基地局(eNodeBまたはeNB:Evolved NodeB)である。
【0007】
図1において、MMEは、移動性管理、非アクセス層シグナリングの処理、及びユーザの移動管理におけるコンテキストの管理などの制御プレーンに関連する作業を担当する。S−GWは、E−UTRANに接続されるアクセスゲートウェイ装置であり、E−UTRANとP−GWとの間のデータ転送、及びページング待ちデータのキャッシングを担当する。P−GWは、EPSとパケットデータネットワーク(PDN:Packet Data Network)の境界ゲートウェイであり、PDNのアクセス及びEPSとPDNの間のデータ転送などの機能を担当する。PCRFは、ポリシー及び課金ルール機能エンティティであり、受信インターフェイスRxを介してオペレータネットワークプロトコル(IP:Internet Protocol)サービスネットワークと接続されてサービス情報を取得する。また、PCRFは、Gxインターフェイスを介してネットワークにおけるゲートウェイ装置と接続され、IPベアラの確立の開始を担当し、サービスデータのサービス品質(QoS:Quality of Service)を保証し、そして課金制御を行うことができる。HSSは、ユーザの加入データの管理、ネットワークアクセス時におけるユーザの重要なコンテキスト情報の管理を提供することに用いられる。
【0008】
また、MTC Serverは、アプリケーション機能(AF:Application Function)としての役割を果たし、Rxインターフェースを介してPCRFと接続されて、ベアラに対する制御を実現することができる。また、MTC Serverは、SIP ASとしての役割を果たし、Shインターフェースを介してHSSと接続されて、アプリケーションサービスデータにアクセスすることができる。
【0009】
図1において、MTC UEは、E−UTRAN(eNodeB)を介してEPSネットワークにアクセスし、IPアドレスが割り当てられた後に、MTC Serverとの間にIPチャネルを確立し、それによってMTC Serverとの上位層サービス通信を実現することができる。MTC UEとMTC serverとの間に確立されるIPチャネルは、論理的なIPチャネルである。
【0010】
現在、M2M通信を実現する1つの方法は、MTC UEとMTC Serverの間のIPチャネルにサービス層インタフェースプロトコルを確立するという方法である。このインタフェースプロトコルにより、MTC UEとMTC Serverはサービスデータを交換し、同時にMTC ServerもMTC UEに対する制御を実現する。
【0011】
MTC UEとMTC Serverとの間のIP接続により、MTC UEとMTC Serverとの間のデータ通信を実現できるが、MTCのモニタリングの要求は、このIP接続により実現することが困難である。MTC Serverは、MTC UEの動作状態をモニタリングし、タイムリーに動的にMTC UEの現在の状態を知る必要があり、MTC UEの現在の状態が変化した場合に、MTC Serverは、通知をリアルタイムに取得する必要がある。これらのMTC UEの状態変化は、MTC UEがネットワークから切断したり、MTC UEが非接続状態になったり、MTC UEが無線接続を解放したり、MTC UEの現在の位置が変化したりしたときに生じる。これらのMTC UEの状態変化は、MTCイベントとも称される。一般的に、モニタリングする必要があるMTCイベントは、HLR/HSSのMTC加入データに定義され、ネットワークへのMTC UEの接続プロセスを介して、HLR/HSSからサービングGPRSサポートノード(SGSN)/MMEに送信することができる。一般的に、MTCイベントの検出は、コアネットワークのネットワークエンティティで行なわれる必要があり、例えば、EPSネットワークにおいて、MTCイベントの検出を担当するネットワークエレメントは、MME/SGW/PGWなどであり、GPRSネットワークにおいて、MTCイベントの検出を担当するネットワークエレメントは、SGSN/GGSNなどである。一般的に、MTCイベントが検出された場合、MTC ServerがリアルタイムにMTC UEの動作状況を知ることができるように、MTCイベントは、MTC Serverに報告される必要がある。
【0012】
ネットワーク共有は、複数のオペレータへの公衆陸上移動通信ネットワーク(PLMN)に、同じネットワークノードを共同で使用する能力を提供し、同じ領域でのネットワーク構築の繰り返しを回避し、オペレータのネットワーク構築コストを節約することができる。共有ネットワークにおいて、コアネットワークノードは、過負荷の場合に、アクセスネットワークノードへ過負荷メッセージを送信する。アクセスネットワークノードは、過負荷メッセージを受信した後、このノードを端末のサービスノードとして選択せずに、他の利用可能なネットワークノードを選択する。利用可能なネットワークノードがない場合、アクセスネットワークノードは、端末のアクセス要求を拒絶するかまたはACB(アクセスクラス禁止:Access Class Brring)パラメータを放送する。コアネットワークノードは、負荷が正常になった場合に、アクセスネットワークノードへ過負荷終了メッセージを送信し、その後、アクセスネットワークノードは、このコアネットワークノードを端末のサービスノードとして引き続き選択することができる。しかし、上記の技術は、PLMNを識別してアクセス制御を行っておらず、共有ネットワークノードの過負荷を引き起こさないオペレータの端末に対しても同じように取り扱うため、共有ネットワークの全てのPLMN端末のアクセス制御の公平性を保証できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
これを鑑みて、本発明の主要な目的は、PLMNを識別してアクセス制御を行うことによって、共有ネットワークの全て
の端末に対するアクセス制御の公平性を保証する共有ネットワークへのアクセス制御方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明の技術的スキームは、以下のように実現される。
共有ネットワークのアクセス制御方法であって、
アクセスネットワークノードが、公衆陸上移動通信ネットワーク(PLMN:Public Land Mobile Networks)を識別できる過負荷インジケータを
受信するステップと、
アクセスネットワークノードが、受信された過負荷インジケータによって、アクセス制御を必要とするPLMNを知るステップとを含む。
【0015】
ここで、アクセスネットワークノード
がPLMNを識別できる過負荷インジケータを
受信するステップでは、
アクセスネットワークノードが、
コアネットワークノードが過負荷の場合に、PLMNを識別できる過負荷インジケータを
コアネットワークノードから直接的に
受信するか、
または、
アクセスネットワークノードが、コアネットワークノードが過負荷の場合に、運用保守システム
を介してPLMNを識別できる過負荷インジケータを
受信する。
【0016】
ここで、
アクセスネットワークノードが、PLMNを識別できる過負荷インジケータを
受信するステップでは、
アクセスネットワークノードが、PLMN識別子が含まれる過負荷メッセージを
受信する。
【0017】
ここで、アクセスネットワークノードは、以下2つの方式のうち1つの方式
でアクセス制御を行う。
方式1、アクセスネットワークノードは、アクセス制御を必要とするPLMNごとに対応するEABパラメータを設定し、そして放送メッセージでPLMNに対応するEABパラメータを端末に送信する。
方式2、アクセスネットワークノードは、端末により送信されたメッセージから、端末により選択されたPLMN識別子を取得し、このPLMN識別子がアクセス制御を必要とする現在のPLMN識別子である場合、この端末の接続確立要求を拒絶するかまたはこの端末が既に確立した接続を解放する。
【0018】
ここで、
アクセスネットワークノードは、コアネットワークノードの過負荷が終了した場合に
、アクセス制御の停止を必要とするPLMN識別子を含む過負荷終了メッセージを
受信する。
【0019】
共有ネットワークのアクセスを制御するためのアクセスネットワークノードは、
PLMN(Public Land Mobile Networks)を識別できる過負荷インジケータを
受信し、
受信された過負荷インジケータによって、アクセス制御を必要とするPLMNを知る。
【0020】
ここで、過負荷インジケータは、コアネットワークノードが過負荷である場合に、コアネットワークノードから直接的に
受信されるか、
または、
過負荷インジケータは、コアネットワークノードが過負荷である場合に、運用保守システム
を介して受信される。
【0021】
ここで、
過負荷インジケータは、PLMN識別子を含む過負荷メッセージである。
【0022】
ここで、前記アクセスネットワークノードは、さらに以下の2つの方式のうち1つの方式
でアクセス制御を行う。
方式1、アクセスネットワークノードは、アクセス制御を必要とするPLMNごとにそれぞれ対応するEABパラメータを設定し、そして放送メッセージでPLMNに対応するEABパラメータを端末に送信する。
方式2、アクセスネットワークノードは、端末により送信されたメッセージから、端末により選択されたPLMN識別子を取得し、このPLMN識別子がアクセス制御を必要とする現在のPLMN識別子である場合、この端末の接続確立の要求を拒絶するかまたはこの端末が既に確立した接続を解放する。
【0023】
ここで、
アクセスネットワークノードは、更に、コアネットワークの過負荷が終了した場合に
、アクセス制御の停止を必要とするPLMN識別子を含む過負荷終了メッセージを
受信する。
【0024】
共有ネットワークのアクセスを制御するためのコアネットワークノードは、
アクセスネットワークノードが過負荷インジケータによって、アクセス制御を必要とするPLMN(Public Land Mobile Networks)を知ることができるように、コアネットワークノードが過負荷である場合に、PLMNを識別できる過負荷インジケータをアクセスネットワークへ送信する。
【0025】
ここで、過負荷インジケータは、PLMN識別子を含む過負荷メッセージである。
【0026】
ここで、コアネットワークノードは、更に、過負荷インジケータを送信する前に、現在の負荷状況によって、アクセス制御を必要とするPLMNを確定する。
【0027】
ここで、コアネットワークノードは、更に、コアネットワークノードの過負荷が終了した場合に、アクセス制御の停止を必要とするPLMN識別子を含む過負荷終了メッセージをアクセスネットワークノードに送信する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の方法及びシステムは、共有ネットワークのPLMNよって引き起こされるネットワークノードの過負荷の実際の状況に応じて、PLMNを識別してアクセス制御を行うことにより、共有ネットワークの全て
の端末に対するアクセス制御の公平性を保証する。従って、共有ネットワークにおいて、異なるPLMN端末に対してアクセス制御を行う場合の不公平の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】本発明の実施形態におけるEPS共有ネットワークにおいて、共有されるeNBが拡張アクセス禁止(EAB)機構を採用してアクセス制御を行うフローチャート1である。
【
図3】本発明の実施形態におけるUMTS共有ネットワークにおいて、共有されるRNCがEAB機構を採用してアクセス制御を行うフローチャート1である。
【
図4】本発明の実施形態におけるEPS共有ネットワークにおいて、共有されるeNBがUEの無線接続を解放する方式でアクセス制御を行うフローチャート1である。
【
図5】本発明の実施形態におけるUMTS共有ネットワークにおいて、共有されるRNCがMSの無線接続を解放する方式でアクセス制御を行うフローチャート1である。
【
図6】本発明の実施形態におけるEPS共有ネットワークにおいて、共有されるeNBがEAB機構を採用してアクセス制御を行うフローチャート2である。
【
図7】本発明の実施形態におけるUMTS共有ネットワークにおいて、共有されるRNCがEAB機構を採用してアクセス制御を行うフローチャート2である。
【
図8】本発明の実施形態におけるEPS共有ネットワークにおいて、共有されるeNBは、UEの無線接続を解放する方式でアクセス制御を行うフローチャート2である。
【
図9】本発明の実施形態におけるUMTS共有ネットワークにおいて、共有されるRNCは、MSの無線接続を解放する方式でアクセス制御を行うフローチャート2である。
【
図10】本発明の実施形態における共有ネットワークのアクセス制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
概して説明すると、共有ネットワークにおけるコアネットワークは、過負荷の場合に、アクセスネットワークノードへ過負荷メッセージを送信する。コアネットワークノードが複数のPLMNによって共有されている場合、まず、どのPLMNがコアネットワークの過負荷を引き起こしているか、または、どのPLMNの負荷が予め定義された閾値を超えたかが判断される。そして過負荷メッセージにPLMN識別子が含められ、選択的に、他のアクセス制御パラメータ(例えばアクセス制御タイプ、待ち時間長さなど)が含められる。アクセスネットワークノードは、過負荷メッセージを受信した後、メッセージ内のPLMN識別子によってどのPLMNに対してアクセス制御を行う必要があるかを知る。
【0031】
アクセスネットワークノードは、以下の2つの方式
で端末に対してアクセス制御を行うことができる。
【0032】
方式1、アクセスネットワークノードは、アクセス制御を必要とするPLMNごとにそれぞれ対応するEABパラメータを設定し、そして放送メッセージでPLMNに対応するEABパラメータを端末に送信する。コアネットワークノードから送信された過負荷メッセージに、アクセス制御タイプ、待ち時間長さなどの他のアクセス制御パラメータが含まれる場合、アクセスネットワークノードは、EABパラメータを設定するときに、コアネットワークから送信されたこれらの情報を参照する必要がある。
【0033】
方式2、アクセスネットワークノードは、端末により送信された接続確立に関連するメッセージまたはその他のメッセージから、端末により選択されたPLMN識別子を取得する。このPLMN識別子がアクセス制御を必要とする現在のPLMN識別子である場合、アクセスネットワークノードは、この端末の接続確立の要求を拒絶するかまたはこの端末が既に確立した接続を解放する。コアネットワークノードから送信された過負荷メッセージにアクセス制御タイプ、待ち時間長さなどの他のアクセス制御パラメータが含まれる場合、アクセスネットワークノードは、端末の無線接続を拒絶または解放するときに、コアネットワークから送信されたこれらの情報を参照する必要がある。また、端末の無線接続を拒絶または解放するメッセージに、待ち時間長さなどのアクセス制御のパラメータを含ませてもよい。
【0034】
コアネットワークノードの過負荷状況は、O&M(運用保守)システムによってモニタリングされてもよい。例えば、予めO&Mに共有ネットワークノードの負荷閾値を設定し、コアネットワークノードの負荷が閾値に達したと検出した場合、O&Mは、アクセスネットワークノードへ、アクセス制御を必要とするPLMN識別子及び他の関連パラメータを含む過負荷メッセージを送信する。アクセスネットワークノードが過負荷インジケータメッセージを受信した後の後続の処理は、上記の対応する技術の内容と同じである。負荷閾値は、ノードの全体の負荷閾値として設定されていてもよいし、PLMNによってそれぞれ異なる閾値に設定されていてもよい。
【0035】
共有ネットワークにおけるコアネットワークノードは、過負荷が終了した場合に、アクセスネットワークノードへ過負荷終了メッセージを送信する。コアネットワークノードが複数のPLMNによって共有されている場合、過負荷終了メッセージにアクセス制御停止のPLMN識別子を含ませる必要がある。アクセスネットワークノードは、過負荷終了メッセージを受信した後、対応す
る端末に対するアクセス制御を停止する。
【0036】
なお、具体的な動作では、共有されるコアネットワークノードは、現在の負荷状況によって、アクセス制御を必要とするPLMNを確定する。共有されるコアネットワークノードは、共有されるアクセスネットワークノードへ送信される過負荷メッセージに、アクセス制御を必要とするPLMN識別子を含ませる。共有されるアクセスネットワークノードは、アクセス制御を必要とするPLMNごとにそれぞれEABパラメータを設定し、そして放送メッセージにおいてEABパラメータを端末に送信する。共有されるアクセスネットワークノードは、アクセス制御を必要とするPLMN識別子を保存し、アクセス制御を必要とするPLMN端末における、後に開始される無線接続を解放する。共有されるコアネットワークノードは、過負荷が終了した場合に、共有されるアクセスネットワークノードへ、アクセス制御の停止を必要とするPLMN識別子が含まれる過負荷終了メッセージを送信する。
【0037】
以下、図面と実施形態を参照して本発明を詳細に説明する。
【0038】
コアネットワークとアクセスネットワークが同時に共有される場合。
【0039】
実施の形態1:
図2に示すように、EPS共有ネットワークにおいて、共有されるeNBがEAB機構を採用してアクセス制御を行う具体的な実施プロセスは、以下の通りである。
【0040】
1、共有されるMMEは、過負荷の場合に、どのPLMNに対してアクセス制御を行うかを確定し、選択的に、対応するアクセス制御パラメータを設定する。
【0041】
2、共有されるMMEは、共有されるeNBへ、アクセス制御を必要とするPLMN識別子及び対応するアクセス制御パラメータ(オプションナル)を含む過負荷開始メッセージを送信する。
【0042】
3、共有されるeNBは、現在の負荷状況及び受信された情報によって、アクセス制御を必要とするPLMNごとに対応するEABパラメータを設定する。
【0043】
4、共有されるeNBは、UEへアクセス制御を必要とするPLMNに対応するEABパラメータを放送する。
【0044】
5、共有されるMMEの過負荷が終了し、負荷が正常に戻る。
【0045】
6、共有されるMMEは、共有されるeNBへ、アクセス制御停止のPLMN識別子が含まれる過負荷停止メッセージを送信する。
【0046】
7、共有されるeNBは、UEへPLMNに対応するEABパラメータを放送することを停止する。
【0047】
実施の形態2:
図3に示すように、UMTS共有ネットワークにおいて、共有されるRNCがEAB機構を採用してアクセス制御を行う具体的な実施プロセスは、以下の通りである。
【0048】
1、共有されるSGSNは、過負荷の場合に、どのPLMNに対してアクセス制御を行うかを確定し、選択的に、対応するアクセス制御パラメータを設定する。
【0049】
2、共有されるSGSNは、共有されるRNCへ、アクセス制御を必要とするPLMN識別子及び対応するアクセス制御パラメータ(オプションナル)を含む過負荷メッセージを送信する。
【0050】
3、共有されるRNCは、現在の負荷状況及び受信された情報によって、アクセス制御を必要とするPLMNごとに対応するEABパラメータを設定する。
【0051】
4、共有されるRNCは、MSへアクセス制御を必要とするPLMNに対応するEABパラメータを放送する。
【0052】
5、共有されるSGSNの過負荷状況が終了し、負荷が正常に戻る。
【0053】
6、共有されるSGSNは、共有されるRNCへ、アクセス制御停止のPLMN識別子を含む過負荷停止メッセージを送信する。
【0054】
7、共有されるRNCは、MSへPLMNに対応するEABパラメータを放送することを停止する。
【0055】
実施の形態3:
図4に示すように、EPSネットワークにおいて、共有されるeNBがUEの無線接続を解放する方式でアクセス制御を行う具体的な実施プロセスは、以下の通りである。
【0056】
1、共有されるMMEは、過負荷の場合に、どのPLMNに対してアクセス制御を行うかを確定し、選択的に、対応するアクセス制御パラメータを設定する。
【0057】
2、共有されるMMEは、共有されるeNBへ、アクセス制御を必要とするPLMN識別子及び対応するアクセス制御パラメータ(オプションナル)を含む過負荷開始メッセージを送信する。
【0058】
3、共有されるeNBは、アクセス制御を必要とするPLMN識別子を保存する。
【0059】
4、共有されるeNBは、UEにより選択されたPLMN識別子を取得する。
【0060】
5、取得された、UEにより選択されたPLMN識別子が、共有されるeNBによって保存されたアクセス制御を必要とするPLMN識別子であるか、またはその中の1つである場合、eNBは、このUEのRRC接続を解放することを確定する。
【0061】
6、共有されるeNBは、UEへRRC接続の解放メッセージを送信する。
【0062】
7、共有されるMMEの過負荷状況が終了し、負荷が正常に戻る。
【0063】
8、共有されるMMEは、共有されるeNBへ、アクセス制御停止のPLMN識別子を含む過負荷停止メッセージを送信する。
【0064】
9、共有されるeNBは、PLMNに対応するUEのRRC接続の解放を停止する。
【0065】
実施の形態4:
図5に示すように、UMTS共有ネットワークにおいて、共有されるRNCが、MSの無線接続を解放する方式でアクセス制御を行う具体的な実施プロセスは、以下の通りである。
【0066】
1、共有されるSGSNは、過負荷の場合に、どのPLMNに対してアクセス制御を行うかを確定し、選択的に、対応するアクセス制御パラメータを設定する。
【0067】
2、共有されるSGSNは、共有されるRNCへ、アクセス制御を必要とするPLMN識別子及び対応するアクセス制御パラメータ(オプションナル)を含む過負荷メッセージを送信する。
【0068】
3、共有されるRNCは、アクセス制御を必要とするPLMN識別子を保存する。
【0069】
4、共有されるRNCは、MSにより選択されたPLMN識別子を取得する。
【0070】
5、取得された、MSにより選択されたPLMN識別子が、共有されるRNCによって保存されたアクセス制御を必要とするPLMN識別子であるか、またはその中の1つである場合、RNCは、このMSのRRC接続を解放することを確定する。
【0071】
6、共有されるRNCは、MSへRRC接続の解放メッセージを送信する。
【0072】
7、共有されるSGSNの過負荷状況が終了し、負荷が正常に戻る。
【0073】
8、共有されるSGSNは、共有されるRNCへ、アクセス制御停止のPLMN識別子を含む過負荷停止メッセージを送信する。
【0074】
9、共有されるRNCは、PLMNに対応するMSのRRC接続の解放を停止する。
【0075】
アクセスネットワークのみが共有される場合。
【0076】
実施の形態5:
図6に示すように、EPS共有ネットワークにおいて、共有されるeNBがEAB機構を採用してアクセス制御を行う具体的な実施プロセスは、以下の以下の通りである。
【0077】
1、MMEは、過負荷の場合に、共有されるeNBへ過負荷開始メッセージを送信する。
【0078】
2、共有されるeNBは、現在の負荷状況及び受信された情報によって、アクセス制御を必要とするPLMN識別子を確定し、そしてアクセス制御を必要とするPLMNごとに対応するEABパラメータを設定する。
【0079】
3、共有されるeNBは、UEへアクセス制御を必要とするPLMNに対応するEABパラメータを放送する。
【0080】
4、MMEの過負荷状況が終了し、負荷が正常に戻る。
【0081】
5、MMEは、共有されるeNBへ過負荷停止メッセージを送信する。
【0082】
6、共有されるeNBは、UEへPLMNに対応するEABパラメータを放送することを停止する。
【0083】
実施の形態6:
図7に示すように、UMTS共有ネットワークにおいて、共有されるRNCがEAB機構を採用してアクセス制御を行う具体的な実施プロセスは、以下の通りである。
【0084】
1、SGSNは、過負荷の場合に、共有されるRNCへ過負荷メッセージを送信する。
【0085】
2、共有されるRNCは、現在の負荷状況及び受信された情報によって、アクセス制御を必要とするPLMNを確定し、そしてアクセス制御を必要とするPLMNごとに対応するEABパラメータを設定する。
【0086】
3、共有されるRNCは、MSへアクセス制御を必要とするPLMNに対応するEABパラメータを放送する。
【0087】
4、SGSNの過負荷が終了し、負荷が正常に戻る。
【0088】
5、SGSNは、共有されるRNCへ過負荷停止メッセージを送信する。
【0089】
6、共有されるRNCは、MSへPLMNに対応するEABパラメータを放送することを停止する。
【0090】
実施の形態7:
図8に示すように、EPS共有ネットワークにおいて、共有されるeNBがUEの無線接続を解放する方式でアクセス制御を行う具体的な実施プロセスは、以下の通りである。
【0091】
1、MMEは、過負荷の場合に、共有されるeNBへ過負荷開始メッセージを送信する
【0092】
2、共有されるeNBは、現在の負荷状況及び受信された情報によって、アクセス制御を必要とするPLMNを確定する。
【0093】
3、共有されるeNBは、UEにより選択されたPLMN識別子を取得する。
【0094】
4、取得されたUEにより選択されたPLMN識別子が、アクセス制御を必要とするPLMNであるか、またはその中の1つである場合、eNBは、このUEのRRC接続を解放することを確定する。
【0095】
5、共有されるeNBは、UEへRRC接続の解放メッセージを送信する。
【0096】
6、MMEの過負荷が終了し、負荷が正常に戻る。
【0097】
7、MMEは、共有されるeNBへ過負荷停止メッセージを送信する。
【0098】
8、共有されるeNBは、PLMNに対応するUEのRRC接続を解放することを停止する。
【0099】
実施の形態8:
図9に示すように、UMTS共有ネットワークにおいて、共有されるRNCがMSの無線接続を解放する方式でアクセス制御を行う具体的な実施プロセスは、以下の通りである。
【0100】
1、SGSNは、過負荷の場合に、共有されるRNCへ過負荷メッセージを送信する。
【0101】
2、共有されるRNCは、現在の負荷状況及び受信された情報によって、アクセス制御を必要とするPLMNを確定する。
【0102】
3、共有されるRNCは、MSにより選択されたPLMN識別子を取得する。
【0103】
4、取得されたMSにより選択されたPLMN識別子が、アクセス制御を必要とするPLMNであるか、またはその中の1つである場合、RNCは、このMSのRRC接続を解放することを確定する。
【0104】
5、共有されるRNCは、MSへRRC接続の解放メッセージを送信する。
【0105】
6、SGSNの過負荷が終了し、負荷が正常に戻る。
【0106】
7、SGSNは、共有されるRNCへ過負荷停止メッセージを送信する。
【0107】
8、共有されるRNCは、PLMNに対応するMSのRRC接続を解放することを停止する。
【0108】
コアネットワークのみが共有される場合。
【0109】
コアネットワークノードのみが共有されてアクセスネットワークノードがそれぞれ独立している場合、コアネットワークノードは、過負荷の場合に、どのPLMNに対してアクセス制御を行うかを確定する必要がある。共有されるコアネットワークノードは、アクセス制御を必要とするアクセスネットワークノードへ過負荷メッセージを送信する。共有されるコアネットワークノードは、過負荷が終了した場合に、アクセス制御を行っているアクセスネットワークノードへ過負荷終了メッセージを送信する必要がある。
【0110】
なお、PLMN識別子が含められる過負荷メッセージ、過負荷開始メッセージなどのインジケータは、アクセスネットワークノードがPLMNを識別できることを保証して、アクセス制御を必要とするPLMNを確定するためのものである。明らかなように、実際の応用においては、PLMNを識別することができれば、PLMNを識別できる過負荷インジケータは特に限定されない。
【0111】
上記の各実施形態を参照すると、本発明に係る共有ネットワークのアクセス制御の方法は、
図10に示すプロセスで表すことができる。このプロセスは、以下のステップを含む。
【0112】
ステップ1001において、共有ネットワークにおけるコアネットワークノードは、過負荷の場合に、アクセスネットワークノードへPLMNを識別できる過負荷インジケータを送信する。
【0113】
ステップ1002において、アクセスネットワークノードは、受信された過負荷インジケータによって、アクセス制御を必要とするPLMNを知る。
【0114】
上述したように、方法かシステムかに関わらず、本発明に係る共有ネットワークのアクセス制御技術によれば、共有ネットワークのPLMNによるネットワークノードの過負荷の実際の状況によって、PLMNを識別してアクセス制御を行うことにより、共有ネットワークの全て
の端末に対するアクセス制御の公平性が保証される。従って、共有ネットワークにおいて、異なるPLMN端末に対してアクセス制御を行う場合の不公平性の問題を解決することができる。
【0115】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。