特許第5718488号(P5718488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718488
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】ケトライド中間体の調製方法
(51)【国際特許分類】
   C07H 17/08 20060101AFI20150423BHJP
【FI】
   C07H17/08 B
【請求項の数】14
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2013-555978(P2013-555978)
(86)(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公表番号】特表2014-507447(P2014-507447A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】IB2012050940
(87)【国際公開番号】WO2012117357
(87)【国際公開日】20120907
【審査請求日】2013年10月29日
(31)【優先権主張番号】559/MUM/2011
(32)【優先日】2011年3月1日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】506224012
【氏名又は名称】ウォックハート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100179925
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 真紀
(72)【発明者】
【氏名】パティル ヴィジャイクマー ジャグディシュワー
(72)【発明者】
【氏名】ビラダー サティシュ
(72)【発明者】
【氏名】ドンド ブハラート
(72)【発明者】
【氏名】トリヴェディ ブハラート カーリダーサ
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−526050(JP,A)
【文献】 特表2004−531471(JP,A)
【文献】 特表2006−524702(JP,A)
【文献】 特表2010−501541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H 1/00−99/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IX)の化合物の調製方法であって、
【化1】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、
R1はヒドロキシル保護基であり、及び
R2は水素又はフッ素である)
(a)式(I)の化合物を式(II)の化合物に変換すること;
【化2】
【化3】
(b)式(II)の化合物を式(III)の化合物に変換すること;
【化4】
(c)式(III)の化合物を式(IV)の11,12-カーボネート中間体に変換すること;
【化5】
(d)式(IV)の化合物を式(V)の化合物に酸化すること;
【化6】
(e)式(V)の化合物を式(VI)の化合物(式中、R2は水素又はフッ素である)に変換すること;
【化7】
(f)式(VI)の化合物をクロロ酢酸無水物又はクロロ酢酸と反応させ、塩基の存在下であってもよく、式(VII)の化合物を得ること;
【化8】
(g)式(VII)の化合物をシアン化剤と塩基の存在下で反応させ、式(VIII)の化合物を得ること;
【化9】
(h)式(VIII)の化合物をヒドロキシルアミン塩酸塩と塩基の存在下で反応させ、式(IX)の化合物を得ること
を含む、調製方法。
【請求項2】
ステップ(f)で使用される塩基が、ピリジン、ジメチルアミノピリジン又はピリジン及びジメチルアミノピリジンの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(g)又は(h)で使用される塩基が、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウム-t-ブトキシド水酸化カリウム、水素化カリウム及びカリウム-t-ブトキシドの1つ以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(g)で使用されるシアン化剤が、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化銅又はシアン化トシルである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
式(IX)の化合物の調製方法であって、
【化10】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、
R1はヒドロキシル保護基であり、及び
R2は水素又はフッ素である)
(a)式(I)の化合物を、塩酸、硫酸及びリン酸から選択される少なくとも1つの酸性水溶液及びメタノール、エタノール及びイソプロパノールから選択される少なくとも1つの溶媒の存在下で式(II)の化合物に変換すること;
【化11】
【化12】
(b)式(II)の化合物を式(III)の化合物に変換すること;
【化13】
(c)式(III)の化合物を、トリホスゲン及び塩基の存在下で、溶媒の存在下であってもよく、式(IV)の11,12-カーボネート中間体に変換すること;
【化14】
(d)式(IV)の化合物を式(V)の化合物に酸化すること;
【化15】
(e)式(V)の化合物を式(VI)の化合物(式中、R2は水素又はフッ素である)に変換すること;
【化16】
(f)式(VI)の化合物をクロロ酢酸無水物又はクロロ酢酸と反応させ、ピリジン、ジメチルアミノピリジン又はピリジン及びジメチルアミノピリジンの混合物の存在下であってもよく、式(VII)の化合物を得ること;
【化17】
(g)式(VII)の化合物をシアン化カリウムと、ジメチルホルムアミド中の重炭酸ナトリウムの存在下で反応させ、式(VIII)の化合物を得ること;及び
【化18】
(h)式(VIII)の化合物をヒドロキシルアミン塩酸塩と、メタノール中重炭酸ナトリウムの存在下で反応させ、式(IX)の化合物を得ること
を含む、調製方法。
【請求項6】
式(XI)の化合物の調製方法であって、
【化19】
(式中、
Tは、-CH(R3)-P-Q(R3水素、未置換もしくは置換された低級アルキル又はアリールである)であり、
Pはヘテロアリール環であり、
Qは、未置換もしくは置換されたアリール又はヘテロアリール環であり、
Pは、炭素-炭素結合によりQに結合しており、
RはC1-C6アルキルであり、及び
R2は水素又はフッ素である)
(a)式(I)の化合物を式(II)の化合物に変換すること;
【化20】
【化21】
(b)式(II)の化合物を式(III)の化合物(式中、R1はヒドロキシル保護基である)に変換すること;
【化22】
(c)式(III)の化合物を式(IV)の11,12-カーボネート中間体に変換すること;
【化23】
(d)式(IV)の化合物を式(V)の化合物に酸化すること;
【化24】
(e)式(V)の化合物を式(VI)の化合物(式中、R2は水素又はフッ素である)に変換すること;
【化25】
(f)式(VI)の化合物をクロロ酢酸無水物又はクロロ酢酸と反応させ、塩基の存在下であってもよく、式(VII)の化合物を得ること;
【化26】
(g)式(VII)の化合物をシアン化剤と塩基の存在下で反応させ、式(VIII)の化合物を得ること;
【化27】
(h)式(VIII)の化合物をヒドロキシルアミン塩酸塩と塩基の存在下で反応させ、式(IX)の化合物を得ること;
【化28】
(i)式(IX)の化合物を式T-Yの化合物(Yは脱離基である)と反応させ、塩基の存在下であってもよく、式(X)の化合物を得ること;及び
【化29】
(j)式(X)の化合物を脱保護剤と反応させ、式(XI)の化合物を得ること
を含む、調製方法。
【請求項7】
ステップ(j)で使用される脱保護剤が、塩酸、硫酸及びピリジンフッ化水素酸塩の1つ以上から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
式(VIb)の化合物の調製方法であって、
【化30】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、及び
R1はヒドロキシル保護基である)
(a)式(I)の化合物を式(II)の化合物に変換すること;
【化31】
【化32】
(b)式(II)の化合物を式(III)の化合物に変換すること;
【化33】
(c)式(III)の化合物を式(IV)の11,12-カーボネート中間体に変換すること;
【化34】
(d)式(IV)の化合物を式(V)の化合物に酸化すること;
【化35】
(e)式(V)の化合物を式(VIa)の化合物に変換すること;
【化36】
(f)式(VIa)の化合物をフッ素化剤と、塩基及び溶媒の存在下で反応させ、式(VIb)の化合物を得ることを含む調製方法。
【請求項9】
フッ素化剤が、N-フルオロベンゼンスルホンイミド、1-(クロロメチル)-4-フルオロ-1,4ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタンビス[テトラフルオロボレート]、フッ化テトラブチルアンモニウム及び三フッ化ジエチルアミノ硫黄の1つ以上である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
塩基が、カリウム-t-ブトキシド、水素化カリウム、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化ナトリウム及びナトリウム-t-ブトキシドの1つ以上から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
溶媒が、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N-N-ジメチルホルムアミド及び二塩化エチレンの1つ以上である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
式(VIa)の化合物の調製方法であって、
【化37】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、
R1はヒドロキシル保護基である)
(a)式(I)の化合物を式(II)の化合物に変換すること;
【化38】
【化39】
(b)式(II)の化合物を式(III)の化合物に変換すること;
【化40】
(c)式(III)の化合物を式(IV)の11,12-カーボネート中間体に変換すること;
【化41】
(d)式(IV)の化合物を式(V)の化合物に酸化すること;
【化42】
(e)式(V)の化合物を式(VIa)の化合物に変換すること
を含む調製方法。
【請求項13】
式(I)の化合物を酸性水溶液及び溶媒の存在下で式(II)の化合物に変換する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
式(III)の化合物を、トリホスゲン及び塩基の存在下で、溶媒の存在下であってもよく、式(IV)の11,12-カーボネート中間体化合物に変換する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、11,12-γラクトンケトライド化合物の合成に有用である式(IX)の化合物の調製方法に関する。
【化1】
(式中、
*はキラル中心を表し、
RはC1-C6アルキルであり、
R1は水素又はヒドロキシル保護基であり、及び
R2は水素又はフッ素である。)
【背景技術】
【0002】
マクロライド化合物は、抗菌薬の周知ファミリーを表す。例えば、エリスロマイシンA、14員マクロライドが1952年にストレプトマイセス・エリスレウス(Streptomyces erythraeus)から単離された。治療薬として使用されているマクロライドの例としては、ロキシスロマイシン(Roxithromycin)、クラリスロマイシン(Clarithromycin)及びアジスロマイシン(Azithromycin)(アザライド)が挙げられる。ケトライドは、マクロラクトン環に存在するL-クラジノース部分に代えて3位にケト官能が存在することを特徴とする、半合成の14員環マクロライド誘導体である。テリスロマイシン(Telithromycin)及びセスロマイシン(Cethromycin)はケトライドの例である。
米国特許第4,331,803号は、エリスロマイシンの6-O-メチル誘導体、すなわちクラリスロマイシンを開示している。米国特許第4,349,545号はロキシスロマイシンを開示している。米国特許第4,517,359号はアジスロマイシンを開示している。別の化合物であるテリスロマイシンは、EP 680967 A1及び対応する米国特許第5,635,485号ならびにBioorg. Med. Chem. Lett. 1999, 9(21), 3075-3080に記載されている。別のケトライドであるセスロマイシン(ABT 773)はWO 98/09978、及びJ. Med. Chem. 2000, 43, 1045で開示されている。
米国特許第6,900,183号は、シアノ又はアミノ誘導体で置換されたラクトンのC-21を有する11,12-γラクトンケトライドについて記載している。US 2004/0077557、WO 02/16380、WO 03/42228、WO 04/16634及びWO 03/072588などのいくつかの他の開示は、11,12-γラクトンケトライドを開示している。WO 07/060518は、ケトライド及び新規のケトライドの合成において有用ないくつかの中間体を開示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一般的な一態様において、式(IX)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、多形体又は立体異性体が提供される。
【化2】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、
R1は水素又はヒドロキシル保護基であり、及び
R2は水素又はフッ素である。)
別の一般的な態様において、式(IX)の化合物の調製方法が提供される。
【化3】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、
R1は水素又はヒドロキシル保護基であり、及び
R2は水素又はフッ素である。)
別の一般的な態様において、式(XI)の化合物の調製方法が提供される。
【化4】
(式中、
Tは、-CH(R3)-P-Q(ここでR3はH、未置換もしくは置換された低級アルキル又はアリールである)であり、
Pはヘテロアリール環であり、
Qは、未置換もしくは置換されたアリール又はヘテロアリール環であり、
Pは、炭素-炭素結合によりQに結合しており、
RはC1-C6アルキルであり、及び
R2は水素又はフッ素である。)
さらに別の一般的な態様において、式(VIb)の化合物の調製方法が提供される。
【化5】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、及び
R1は水素又はヒドロキシル保護基である。)
本発明の1つ以上の態様の詳細について下記に説明する。本発明の他の特徴、目的及び利点については、特許請求の範囲を含む以下の記載から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0004】
(発明の詳細な説明)
ここでは例示的な態様について言及され、本明細書においては特定の言語が同じことを説明するために用いられる。それでも本発明の範囲を限定することをそれによって意図するものと解釈されるべきではない。本明細書で説明される本発明の特徴の変更及びさらなる修正ならびに本明細書で説明される本発明の本質の追加適用は、関連技術の当業者及び本開示を有する者が考えることであり、本発明の範囲内であるものとみなされる。本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、単数形の「1つの」("a"、"an")及び「その」("the")は、他の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意すべきである。
【0005】
概して、他に記載のない限り以下の定義が使用される。
記号*は、R型もしくはS型のどちらか又は両方の型の混合物である、式(I)におけるキラル中心を意味する。
用語「立体異性体」は、同じ化学組成を有するが、空間における原子及び基の配置については異なる化合物を表す。これらには、エナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体、アトロプ異性体及び配座異性体が含まれる。幾何異性体は、化合物が二重結合又は一定量の構造剛性を分子に与える何らかの他の特徴を含む場合に生じうる。エナンチオマーは、参照分子の重ね合わせることができない鏡像である、参照分子の立体異性体である。ジアステレオマーは、参照分子の鏡像でない形状を有する、参照分子の立体異性体である。アトロプ異性体は、NMR又は実験室タイムスケールに関して緩徐にのみ参照化合物に変換する、参照化合物の立体配座である。配座異性体(又はコンホーマー又は回転異性体又はロータマー)は、σ結合の回りの回転によって生じ、かつ多くの場合、室温で迅速に相互転換している、立体異性体である。ラセミ混合物も本発明の範囲に包含される。本発明の化合物のいくつかはトランス及びシス異性体ならびにE-及びZ-幾何異性体を有しうる。波状結合は、該化合物がE-又はZ-異性体のどちらかとして存在しうることを示す。本発明の化合物のいくつかはジアステレオマーとして存在することもありうる。さらに、本発明の化合物の調製方法が立体異性体の混合物を生じさせる場合、これらの異性体は、分取クロマトグラフィー及びHPLC等の従来技術により分離しうる。化合物は、単一の立体異性体として、又はいくつかの可能な立体異性体の混合物としてのラセミ形態で調製しうる。
用語「多形体、溶媒和物及び水和物」は、ここに説明される意味を有する。本発明の化合物は、結晶形や非晶形などの異なる多形体として存在することができ、それ自体が本発明に包含されるものとする。さらに、化合物のいくつかは、さまざまな量の水を含有する水との溶媒和物(すなわち水和物)、例えば水和物、半水和物及びセスキ水和物の形態を形成することもある。化合物は、標準的な有機溶媒との溶媒和物も形成することができる。そのような溶媒和物及び水和物は本発明の範囲に包含されるものとする。
【0006】
用語「低級アルキル」は、飽和、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基であって、1-6個の炭素原子を含有する、C1-C6アルキルを表す。C1-C6アルキル基の例として、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル及びそれらの分岐鎖の異性体、例えばイソ-プロピル、イソ-ブチル又はtert-ブチルが挙げられる。
用語「シクロアルキル」は、3-6個の炭素原子を含有する、C3-C6飽和炭素環式基を示す。C3-C6飽和炭素環式基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルが挙げられる。
用語「置換低級アルキル」は、1つ又は2つ又は3つの水素原子のその点における、F、Cl、Br、I、NO2、NH2、CN、OH、C1-C6アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、ホルミル、カルボキシ、アルコキシカルボニル及びカルボキサミド、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリールによる独立置換により置換された、置換C1-C6アルキルを表す。そのような置換基の例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ニトロメチル、アミノメチル、シアノメチル、ヒドロキシメチルなどである。C1-C6アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシである。
用語「アルキルアミノ」は、構造-NH(C1-C6アルキル)(ここでC1-C6アルキルは前に定義したとおりである)を有する基を示す。
用語「ジアルキルアミノ」は、構造-N(C1-C6アルキル)(C1-C6アルキル)(ここでC1-C6アルキルは前に定義したとおりである)を有する基を示す。ジアルキルアミノの例は、限定されないが、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノなどである。
【0007】
用語「アリール」は、単環式系又は二環式系、例えばフェニル又はナフチルを示す。
用語「ヘテロアリール」は、N、O、Sの群から選択される原子により置換された少なくとも1つの芳香環の炭素原子を有する、単環式、すなわち5-6員の芳香族環系、又は二環式、すなわち縮合した芳香族環系を表す。例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チエニル、トリアゾリル、トリアジニル、フラニル、N-オキソ-ピリジルなどである。それは縮合ビアリール系、例えばインドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、N-オキソ-キノリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、インダゾリル、インドリジニル、ベンゾフリル、キノキサリニル、ピロロピリジニル、フロピリジニル(例えば、フロ[2,3-c]ピリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル、フロ[2,3-b]ピリジニル)、ナフチリジニル、フタラジニル、ピリドピリジル、キナゾリニル、チエノフリル、チエノピリジル、チエノテイニル(thienotheinyl)、プリニル(例えば、9H-プリン-1-イル、6-アミノ-9H-プリン-9-イル)、ピリジニル-1H-ピラゾール-1-イルなども含む。
アリール又はヘテロアリール基は、1つ以上の水素原子がそこで、C1-C6アルキル、置換C1-C6アルキル、シアノ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルボキシアミド、C1-C6アルコキシ、C1-C6チオアルコキシ、C1-C6アルキルカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ又はハロアルキルから選択される置換基により独立に置換されてもよい。
【0008】
本明細書で使用される用語「医薬的に許容可能な塩」は、遊離塩基の所望の薬理活性を有し、生物学的にも他の面でも望ましくないものではない、本発明の遊離塩基の1つ以上の塩を表す。その塩は、ヒト及び下等動物の組織に、過度の毒性、刺激及びアレルギー反応等なしに接触させて使用するのに適しており、妥当な利益/リスク比に見合っている。医薬的に許容可能な塩は当技術分野において周知である。例えばS. M. Bergeらは、医薬的に許容可能な塩についてJ. Pharmaceutical Sciences, 66: 1-19 (1977)にて詳しく述べており、その内容は本明細書に参照により組み込まれる。塩は、本発明の化合物の最終単離及び精製中にその場で調製することができ、あるいは遊離塩基の官能基を適切な酸と反応させることにより単独で調製することができる。これらの塩は無機酸又は有機酸から得ることができる。無機酸の例は、塩酸、硝酸、過塩素酸、臭化水素酸、硫酸又はリン酸である。有機酸の例は、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及びサリチル酸等である。アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンもしくはバリンなどの種々のアミノ酸又はその光学活性異性体又はそのラセミ混合物又はそのモノアミノ酸単位から誘導されるジペプチド、トリペプチド及びポリペプチドとの塩も包含される。
他の医薬的に許容可能な塩として、アジペート、アルギネート、アスコルベート、アスパルテート、ベンゼンスルホネート、ベンゾエート、ビスルフェート、ボレート、ブチレート、カンホレート、ショウノウスルホネート、シトレート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、ホルメート、グルコヘプトネート、グリセロホスフェート、グルコネート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヒドロヨージド、2-ヒドロキシ-エタンスルホネート、ラクトビオネート、ラクテート、ラウレート、ラウリルスルフェート、マロネート、2-ナフタレンスルホネート、ニコチネート、オレエート、パルミテート、パモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3-フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、ステアレート、スルフェート、タルトレート、チオシアネート、p-トルエンスルホネート、ウンデカノエート及びバレレートの塩などが挙げられる。
化合物中の酸部分の塩は、適切な塩基と反応させることによって調製することもできる。これらの適切な塩はさらに無機塩基又は有機塩基の当該塩である。無機塩基は、例えばKOH、NaOH、Ca(OH)2、Al(OH)3である。有機塩基の塩は、エチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン及びグアニジンなどの塩基性アミン、又はピペリジン、ヒドロキシエチルピロリジン、ヒドロキシエチルピペリジン、モルホリン、ピペラジン及びN-メチルピペラジンなどのヘテロ環式アミン、又はアルギニン、リシン、ヒスチジン及びトリプトファンなどの光学的に純粋なラセミ異性体のような塩基性アミノ酸から得られる。さらなる医薬的に許容可能な塩として、適切な場合、無毒アンモニウム、第4級アンモニウム、及びハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、低級アルキルスルホネート及びアリールスルホネートなどの対イオンを用いて形成されるアミンカチオンが挙げられる。
【0009】
後述のスキーム及び実施例の記載において使用されうる短縮形は以下のとおりである:アセチルのAc;アゾビス-イソブチロニトリルのAIBN;ベンジルのBn;t-ブトキシカルボニルのBoc;トリブチルスズ水素化物のBu3SnH;ベンゾイルのBz;カルボニルジイミダゾールのCDI;1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンのDBU;1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミドのDCC;ジエチルアゾジカルボキシレートのDEAD;1,3-ジイソプロピルカルボジイミドのDIC;ジメチルアミノピリジンのDMAP;ジメチルホルムアミドのDMF;ジフェニルホスホリルアジドのDPPA;エチルアセテートのEtOAc;カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのKHMDS;リチウムジイソプロピルアミドのLDA;メタノールのMeOH;ジメチルスルフィドのMe2S;メトキシメチルのMOM;ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのNaN(TMS)2;N-クロロスクシンイミドのNCS;4-メチルモルホリンN-オキシドのNMO;ピリジニウムクロロクロメートのPCC;ピリジニウムジクロメートのPDC;フェニルのPh;トリエチルアミンのTEA;テトラヒドロフランのTHF;トリフェニルホスフィンのTPP又はPPh3;tert-ブチルジメチルシリルのTBS;トリメチルシリルのTMS。
【0010】
一般的な一態様において、式(IX)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、多形体又は立体異性体が提供される。
【化6】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、
R1は水素又はヒドロキシル保護基であり、及び
R2は水素又はフッ素である。)
語句「ヒドロキシル保護基」には、ヒドロキシル保護基として作用することが可能な多種類の基が含まれる。ヒドロキシル保護基の非限定的な例として、トリエチルシリル、アセチル、ベンゾイル、メトキシメチル、ベンジル、メトキシエトキシメチル、tertブチルジメチルシリル基が挙げられる。
【0011】
別の一般的な態様において、式(IX)の化合物の調製方法であって、
【化7】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、
R1は水素又はヒドロキシル保護基であり、及び
R2は水素又はフッ素である)
(a)式(VI)の化合物をクロロ酢酸無水物又はクロロ酢酸と反応させ、塩基の存在下であってもよく、式(VII)の化合物を得ること;
【化8】
【化9】
(b)式(VII)の化合物を、シアン化剤(cyanating agent)と塩基の存在下で反応させ、式(VIII)の化合物を得ること;
【化10】
(c)式(VIII)の化合物を、ヒドロキシルアミン塩酸塩と塩基の存在下で反応させ、式(IX)の化合物を得ること;
【化11】
を含む、調製方法が提供される。
【0012】
式(VII)の化合物
一般に、式(VI)の化合物を、クロロ酢酸無水物又はクロロ酢酸で処理し、塩基の存在下であってもよく、式(VII)の化合物を得る。さまざまな塩基をこの反応において使用することができる。塩基の典型的、非限定的な例として、ピリジン、ジメチルアミノピリジン又はピリジン及びジメチルアミノピリジンの混合物などの塩基が挙げられる。
式(VIII)の化合物
式(VII)の化合物をシアン化剤と塩基の存在下で反応させ、式(VIII)の化合物を得る。この反応で用いることができるシアン化剤の典型的、非限定的な例として、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化銅又はシアン化トシルが挙げられる。反応は塩基の存在下で行われる。この反応で用いることができる典型的、非限定的な塩基の例として、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウム-t-ブトキシド水酸化カリウム(sodium-t-butoxide potassium hydroxide)、水素化カリウム及びカリウムt-ブトキシドが挙げられる。
式(IX)の化合物
式(VIII)の化合物をヒドロキシルアミン塩酸塩と塩基の存在下で反応させ、式(IX)の化合物を得る。さまざまな塩基をこの反応において使用することができる。塩基の典型的、非限定的な例として、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウム-t-ブトキシド水酸化カリウム、水素化カリウム及びカリウムt-ブトキシドといった塩基が挙げられる。
【0013】
いくつかの態様において、式(IX)の化合物の調製方法であって
【化12】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり;
R1は水素又はヒドロキシル保護基であり;
R2は水素又はフッ素である)
(a)式(VI)の化合物をクロロ酢酸無水物又はクロロ酢酸と反応させ、ピリジン、ジメチルアミノピリジン又はピリジン及びジメチルアミノピリジンの混合物の存在下であってもよく、式(VII)の化合物を得ること;
【化13】
【化14】
(b)式(VII)の化合物をシアン化カリウムと、ジメチルホルムアミド中の重炭酸ナトリウムの存在下で反応させ、式(VIII)の化合物を得ること;
【化15】
(c)式(VIII)の化合物をヒドロキシルアミン塩酸塩と、メタノール中重炭酸ナトリウムの存在下で反応させ、式(IX)の化合物を得ること;
【化16】
を含む、調製方法が提供される。
【0014】
いくつかの態様において、式(XI)の化合物の調製方法であって、
【化17】
(式中、
Tは、-CH(R3)-P-Q(ここでR3はH、未置換もしくは置換された低級アルキル又はアリールである)であり、
Pはヘテロアリール環であり、
Qは、未置換もしくは置換されたアリール又はヘテロアリール環であり、
Pは、炭素-炭素結合によりQに結合しており、
RはC1-C6アルキルであり、及び
R2は水素又はフッ素である)
(a)式(VI)の化合物をクロロ酢酸無水物又はクロロ酢酸と反応させ、塩基の存在下であってもよく、式(VII)の化合物を得ること;
【化18】
【化19】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、
R1は水素又はヒドロキシル保護基であり、及び
R2は水素又はフッ素である)
(b)式(VII)の化合物をシアン化剤と塩基の存在下で反応させ、式(VIII)の化合物を得ること;
【化20】
(c)式(VIII)の化合物をヒドロキシルアミン塩酸塩と塩基の存在下で反応させ、式(IX)の化合物を得ること;
【化21】
(d)式(IX)の化合物を式T-Yの化合物(Yは脱離基である)と反応させ、塩基の存在下であってもよく、式(X)の化合物を得ること;
【化22】
【化23】
(e)式(X)の化合物を脱保護剤と反応させ、式(XI)の化合物を得ること
【化24】
を含む、調製方法が提供される。
【0015】
式(X)の化合物
一般に、式(IX)の化合物を式T-Yの化合物と反応させ、塩基の存在下であってもよく、式(X)の化合物を得る。さまざまな塩基をこの反応において使用することができる。Yは適切な脱離基である。脱離基の典型的、非限定的な例として、メシレート、トシレート、ノシレート、塩化物、臭化物又はヨウ化物が挙げられる。
式(XI)の化合物
一般に、式(X)の化合物を脱保護剤と反応させて式(XI)の化合物を得る。さまざまな脱保護剤をこの反応において使用することができる。脱保護剤の典型的、非限定的な例として、塩酸、硫酸及びピリジンフッ化水素酸塩から選択される、ステップ(b)で使用される脱保護剤が挙げられる。
【0016】
いくつかの態様において、式(VIb)の化合物の調製方法であって、
【化25】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、及び
R1は水素又はヒドロキシル保護基である)
式(VIa)の化合物をフッ素化剤と、塩基及び溶媒の存在下で反応させ、式(VIb)の化合物を得ることを含む調製方法が提供される。
【化26】
【0017】
式(VIb)の化合物
一般に、式(VIb)の化合物を、式(VIa)の化合物をフッ素化剤と、塩基及び溶媒の存在下で反応させることにより得る。さまざまなフッ素化剤をこの反応において使用することができる。フッ素化剤の典型的、非限定的な例として、N-フルオロベンゼンスルホンイミド、1-(クロロメチル)-4-フルオロ-1,4 ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタンビス[テトラフルオロボレート]、フッ化テトラブチルアンモニウム及び三フッ化ジエチルアミノ硫黄の1つ以上が挙げられる。この反応で使用することができる塩基の典型的、非限定的な例として、カリウム-t-ブトキシド、水素化カリウム、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化ナトリウム及びナトリウム-t-ブトキシドの1つ以上が挙げられる。この反応で使用することができる溶媒の典型的、非限定的な例として、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N-N-ジメチルホルムアミド及び二塩化エチレンの1つ以上が挙げられる。
【0018】
いくつかの態様において、式(VIb)の化合物の調製方法であって
【化27】
(式中、
RはC1-C6アルキルであり、
R1は水素又はヒドロキシル保護基である)
式(VIa)の化合物をN-フルオロベンゼンスルホンイミドと、テトラヒドロフラン中のナトリウム-t-ブトキシドの存在下で反応させ、式(VIb)の化合物を得ることを含む調製方法が提供される。
【化28】
【0019】
本発明の化合物は、トランス及びシス異性体ならびに幾何E-及びZ-異性体を有しうる。これらの化合物はまた、ジアステレオマーとしても存在しうる。さらに、本発明のアミドキシム化合物の調製方法が、立体異性体の混合物を生じる場合、これらの異性体は、分取クロマトグラフィーなどの従来技術により分離しうる。化合物は、単一の立体異性体として、又はいくつかの可能な立体異性体の混合物としてのラセミ形態で調製しうる。
さらに、これらの化合物のいくつかの結晶形態が多形体として存在することができ、それ自体が本発明に含まれるものと意図される。さらに、化合物のいくつかは、さまざまな量の水を含有する水との溶媒和物(すなわち水和物)、例えば水和物、半水和物及びセスキ水和物の形態を形成しうる。また化合物は、標準的な有機溶媒との溶媒和物を形成することができ、そのような溶媒和物は本発明の範囲内であることも意図される。
【0020】
一般的な手順
(a)11,12-γ-ラクトンを有する新規なアミドキシムのコアの合成
スキーム1に示されるように、エリスロマイシンA、クラリスロマイシン又はエリスロマイシン及びクラリスロマイシンの誘導体が、反応の出発物質として用いられる。スキーム1で化合物(I)によって表される適切なマクロライド出発物質は、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの溶媒存在下で、1〜24時間にわたり0℃〜45℃の温度範囲で、例えば塩酸、硫酸、リン酸などの酸性水溶液により処理され、中間体(II)が得られる。中間体(II)は次に、DCM、EDC、ヘキサン、エチルアセタートなどのような溶媒中のトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ピリジン、N.N-ジメチルアニリンなどの適切な塩基の存在下で、2-6時間にわたり0℃から開始して45℃までの温度にて、適切な保護基、例えばトリエチルシリル、トリメチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル、ベンジル、アリル、アセチル、ベンゾイル、ピバロリルなどで保護され、中間体(III)を得る。中間体(III)を次に、ジクロロメタンのような適切な溶媒中でピリジンなどの塩基の存在下でトリホスゲンと反応させ、11,12-カーボネート中間体(IV)(ここでR、R1は式(I)における定義と同じ意味を有する)を提供する。中間体(IV)における3-ヒドロキシ基から3-ケトンへの変換は、ピリジニウムトリフルオロアセテート又はデス-マーチンペルヨージナン(Dess-Martin periodinane)存在下で、N-クロロスクシンイミド-ジメチルスルフィド(NCS-DMS)によるコーリー・キム(Corey-Kim)酸化、又はカルボジイミド-ジメチルスルホキシド(DMSO)複合体によるモファット(Moffat)酸化を用いることにより達成される。そのような名称の反応は、技術上開示されている一般手順に従って行われる。好ましい態様において、化合物IVをジクロロメタン又はクロロホルムといった塩素系溶媒に溶解し、これに約10〜25℃にてデス-マーチンペルヨージナン(Dess-Martin periodinane)試薬を加え、室温にて約0.5〜1時間撹拌して、対応する3-ケトン中間体(V)を得る。中間体(V)を溶媒、例えば酢酸エチルもしくはアセトニトリルもしくはテトラヒドロフラン又はこれらの混合物、好ましくは酢酸エチルに溶解し、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンなどの強塩基を用いて50-80℃にて、好ましくは70℃にて、2-12時間処理し、中間体(VIa)を得る。
【0021】
【化29】
【0022】
スキーム2に示されるように、中間体VIa/VIb(ここでR2は水素又はフッ素である)は、溶媒、例えばジクロロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフランもしくはN,N-ジメチルホルムアミド又はこれらの混合物、好ましくはジクロロメタン中に溶解され、5-40℃にてピリジン及びジメチルアミノピリジンなどの塩基の存在下でクロロ酢酸無水物で処理されるか、又はEDC、HOBtの存在下でクロロ酢酸で処理されて、中間体(VII)を得る。中間体(VII)は溶媒、例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミドもしくはDMSO又はこれらの混合物、好ましくはN,N-ジメチルホルムアミド中に溶解され、15-40℃にてシアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化トシル又はシアン化銅で処理されて中間体(VIII)を得る。中間体(VIII)は、溶媒、例えばテトラヒドロフラン、メタノール、エタノール又はこれらの混合物、好ましくはメタノール中に溶解され、10-70℃にて塩基、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウム-t-ブトキシド、水酸化カリウム、水素化カリウム又はカリウム-t-ブトキシドの存在下、好ましくは重炭酸ナトリウムの存在下でヒドロキシルアミン塩酸塩で処理され、化合物IXを得る。
【0023】
【化30】
【0024】
(b)11,12-γ-ラクトンを有する新規な3-フルオロアミドキシムのコアの合成
C-2位でのフッ素化は、フッ素化剤、例えばN-フルオロベンゼンスルホンイミド(NFSI)、1-(クロロメチル)-4-フルオロ-1,4 ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス[テトラフルオロボラート](SELECTFLUORTM)、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリドを塩基の存在下で用いることにより達成することができ、化合物(VIb)が得られる。
一般的に、中間体(VIa、スキーム-3)を、DMF中のナトリウムヘキサメチルジシラザンの存在下にてSELECTFLUOR(商標)と、又はテトラヒドロフラン中のN-フルオロベンゼンスルホンイミドと塩基としてのカリウムt-ブトキシドのどちらかで処理した。反応は、−78℃〜+60℃、好ましくは−78℃〜−50℃の温度範囲にて、5分から24時間、好ましくは15時間にわたって行い、化合物(VIb)を得た。
スキーム3に示されるように、中間体(VIa)は、NFSI、フッ化テトラブチルアンモニウム、DASTなどのフッ素化剤を用い、DCM、EDC、THF、DMFなどの溶媒中、水素化カリウム、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、水素化ナトリウム、カリウムtert-ブトキシド、ナトリウムtert-ブトキシドといった塩基の存在下で、−50℃〜50℃の温度範囲にて処理し、中間体(VIb、ここでRはC1-C6アルキルであり、R1はTESである)を得る。
【0025】
【化31】
【0026】
(c)所望のケトライドを合成するためのコアの使用
得られたコアをさらに操作して、所望のケトライドを得る。このコア(化合物IX)のo-アルキル化は、T-Y. C*H(R3)-P-Q(ここでYはメシレート、トシレート、ノシレート、塩化物、臭化物、ヨウ化物などの適切な脱離基であり、Tは前述したようなR3、P及びQを含む側鎖である)のようなアルキル化剤を用い、−78℃〜+45℃の温度範囲にて、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウム-tertブトキシドなどの塩基の存在下にて、THF又はトルエン又はDMFなどの溶媒中で行い、中間体Xを得る。中間体X中の保護基(R1=TES)は次に、HCl、H2SO4などの希鉱酸又はDCM、アセトニトリルもしくはTHFなどの溶媒中でHF-ピリジンなどの脱保護剤を用いて、−10℃〜45℃の温度範囲にて脱保護され、最終ケトライドXI(ここで側鎖Tは前述のとおりである)を得る。
【実施例】
【0027】
アミドキシムのコアの調製
ステップ-1:5-O-デソサミニル-6-O-メチルエリトロノリド
0.1Nの塩酸水溶液(3600ml)に、クラリスロマイシン(200gm、0.267mol)、続いてメタノール(300ml)を加え、この混合物を室温にて16-17時間撹拌した。反応混合液のpHを2NのNaOH水溶液(200ml)を用いて10-11に調整した。得られた混合液を15-20分間撹拌し、分離固形物を吸引濾過した。残存固形物を水で洗浄した(2×400ml)。この固形物を室温にて14時間乾燥し、152gの無色粉末の生成物を得た。収率:96%。(M.P.:235-238℃、質量:m/z590(M+H)+、分子式-C30H55NO10)。
ステップ-2:2'-O-TES-6-O-メチル-エリスロマイシン
ヘキサン(1.5L)中の中間体-1(150gm、0.254mol)の溶液に、窒素雰囲気下にてトリエチルアミン(158.8ml、1.141mol)、DMAP(62gm、0.508mol)を連続して加えた。得られた混合液を45℃まで温め、トリエチルクロロシラン(156.5ml、0.932mol)を20分間滴下して加えた。反応混合液を45℃にて2時間にわたり撹拌した。得られた混合液を室温まで冷却し、次に水(500ml)で希釈した。有機層を分離し、水層を追加のヘキサン(500ml)で抽出した。複合有機層を飽和NH4Cl水溶液(500ml)にて洗浄した。溶媒を減圧下にて蒸発させ、残存物をn-ペンタン(500ml)で処理して混合液を15分間撹拌した。分離した固形物を吸引濾過し、残存物をn-ペンタン(100ml)で洗浄した。得られた固形物を室温にて10時間乾燥し、159g、収率89%の白色粉末の中間体-2を得た(M.P.95-98℃、質量:m/z704(M+H)+、分子式-C36H69NO10Si)。
ステップ-3:11,12-カルボネート-2'-O-TES-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-エリスロマイシン
ピリジン(95ml、1.177mol)を含む無水DCM(1380ml)中の中間体-2(138g、0.196mol)の溶液を-10℃まで冷却し、窒素雰囲気下にてDCM(207ml)中トリホスゲン(72.70g、0.244mol)溶液を加えた。反応混合液を0℃にて2時間さらに撹拌した。得られた混合液を飽和NaHCO3水溶液(2.0L)で中和した。有機層を分離し、塩水(500ml)で洗浄した。溶媒を減圧下にて蒸発させた。残存物をn-ペンタン(400ml)を用いてすりつぶした。分離した固形物を吸引濾過し、追加のn-ペンタン(50ml)で洗浄した。固形物を室温にてさらに乾燥し、136g及び95%収率の白色粉末の中間体-3を得た(MP:221-225℃;質量:m/z730(M+H);分子式-C37H67NO11Si)。
【0028】
ステップ-4:11,12-カルボネート-2'-O-TES-11,12-ジデオキシ3-O-デクラジノシル-6-O-メチル-3-オキソ-エリスロマイシン
無水DCM(1.450L)中のN-クロロスクシンイミド(199g、1.49mol)の溶液に、-10℃にてジメチルスルフィド(181.8ml、2.47mol)をゆっくりと加えた。得られた混合液を-10℃にて1時間撹拌し、次に-40℃まで冷却した。DCM(1.74L)中の中間体-3(145g、0.198mol)の溶液をゆっくり(0.5h)加えた。得られた混合液を-40℃にて3時間撹拌し、トリエチルアミン(275ml、1.98mol)を用いてクエンチした。得られた混合液を飽和NaHCO3水溶液(1.45L)で希釈した。有機層を分離し、水層を新しいDCM(1.45L)で抽出した。複合有機層を減圧下にて蒸発させた。残渣塊に水(500ml)を加え、混合液を30分間撹拌し、分離した固形物を濾過した。水の同じ処理を3回行った(3×500ml)。固形物を室温にて16時間乾燥し、144g、収率99%の白色粉末である、表題の中間体-4を得た(この粗原料のHPLCは、〜73%の純度を示し、精製した試料は以下のデータを示した:M.P.:160-165℃;MS:728(M+H);分子式-C37H65NO11Si)。
ステップ-5:2'-O-TES-3-デクラジノシル-11-デオキシ-10,11-ジデヒドロ6-O-メチル-3-オキソ-エリスロマイシン
アセトン(865ml)中の中間体-4(144g、0.197mol)の溶液に、室温にてDBU(65ml、0.434mol)を加えた。得られた混合液を55-58℃にて3時間撹拌した。この溶液を室温まで冷却し、減圧下にて溶媒を蒸発させた。残渣塊に水(800ml)を加え、混合液を30分間撹拌した。分離した固形物を濾過した。固形物をさらに2回水洗浄に供した(2×800ml)。固形物を室温にて16時間乾燥し、131g、収率97%の白色粉末の中間体-5を得た(M.P.90-93℃;M.S.684(M+H);分子式-C36H65NO9Si)。
ステップ-6:12-クロロエタノイル-2'-O-TES-3-デクラジノシル-11-デオキシ-10,11-ジデヒドロ6-O-メチル-3-オキソ-エリスロマイシン
無水DCM(56ml)中のクロロ酢酸(2.87g、0.0306mol)の冷却溶液に、-5℃にてDCC(DCM21ml中6.31g、0.0306mol)の溶液をゆっくり加え、この溶液を窒素雰囲気下にて45分間撹拌した。中間体-5(DCM(21ml)中7g、0.0102mol)の溶液をゆっくり加え、続いてDMAP(0.622g、0.0051mol)を加えた。得られた混合液を-5〜0℃にて4時間撹拌した。この溶液を室温まで温め、減圧下にて溶媒を蒸発させた。残存物をアセトニトリル(7ml)で希釈し、この溶液をヘキサンで抽出した(3×25ml)。ヘキサン抽出物を減圧下にて蒸発させ、5.4g、収率70%の中間体-10を得た(M.P.119-122℃;M.S.:760(M+H);分子式-C38H66ClNO10Si)。
【0029】
ステップ-7:(11S,21R)-2'-O-TES-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-12,11-[オキシカルボニル-(シアノ)-メチレン]-3-オキソ-エリスロマイシン
無水DMF(18.5ml)中の中間体-10(5.3g、0.0069mol)の溶液に、窒素雰囲気下にてシアン化カリウム(0.681g、0.00104mol)を1回で加えた。反応混合液を室温にて16時間撹拌した。混合液をDCM(45ml)、飽和NaHCO3水溶液(75ml)及び20%の硫酸第一鉄水溶液(38ml)で希釈した。得られた混合液を室温にて4時間撹拌した。DCM層を分離し、水層をDCMで再抽出した(2×45ml)。複合有機層を10%の硫酸第一鉄水溶液(75ml)で洗浄した。溶媒を減圧下にて蒸発させ、残存物に冷却メタノール(5ml)を加え、この混合液を10℃にて30分間撹拌した。分離した固形物を濾過し、追加の冷却メタノール(1ml)で洗浄した。固形物を室温にて10時間乾燥し、1.84g、40%の収率の白色粉末の中間体-11を得た(M.P.207-210℃;M.S.:751(M+H);分子式-C39H66N2O10Si)。
ステップ-8:(11S,21R)-2'-O-TES-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-12,11-[オキシカルボニル-(21R-アミドキシム-)-メチレン]-3-オキソ-エリスロマイシン
無水メタノール(12.75ml)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(0.841g、0.0121mol)の溶液に、窒素雰囲気下にて重炭酸ナトリウム(1.22g、0.0145mol)を加えた。混合液を5-10分間撹拌して中間体-11(1.82g、0.00242mol)を1回で加えた。得られた混合液を〜24時間撹拌した。溶媒を減圧下にて蒸発させ、残存物を水(25ml)で希釈した。得られた混合液を15分間撹拌し、濾過して水(5ml)で洗浄した。固形物を減圧下にて1.5時間乾燥し、1.86g、収率98%の白色粉末の中間体-12を得た(M.P.145-147℃;M.S.:784(M+H);分子式-C39H69N3O11Si)。
【0030】
フルオロアミドキシムのコアの調製
ステップ-6:2'-O-TES-2-フルオロ-3-デクラジノシル-11-デオキシ-10,11-ジデヒドロ6-O-メチル-3-オキソ-エリスロマイシン
DMF(2.56L)中の中間体-5(128g、0.187mol)を-40℃まで冷却した。ナトリウムt-ブトキシド(21.5g、0.223mol)を-40℃にて加え、5分後に窒素雰囲気下にてN-フルオロジベンゼンスルホンイミド(DMF896ml中64.81g(0.205mol)をゆっくり加えた。得られた混合液を5-10分間-40℃にて撹拌した。反応混合液を飽和NH4Cl水溶液(1.28L)でクエンチし、さらに水(17.28L)で希釈した。分離した固形物を濾過し、残存物を水(512ml)で洗浄した。固形物を室温にて乾燥し、101g、収率77%の微白色粉末の中間体6を得た(M.P.:132-135℃(カラム精製試料);M.S.702(M+H);分子式-C36H64FNO9Si)。
ステップ-7:12-クロロエタノイル-2'-O-TES-2-フルオロ-3-デクラジノシル-11-デオキシ-10,11-ジデヒドロ6-O-メチル-3-オキソ-エリスロマイシン
無水DCM(760ml)中のクロロ酢酸(51g、0.540mol)の冷却溶液に、-5℃にて、235mlのDCM中のDCC(111.4g、0.539mol)をゆっくり加え、溶液を窒素雰囲気下にて45分間撹拌した。DCM(235ml)中の中間体-6(95g、0.135mol)の溶液をゆっくり加え、続いてDMAP(8.235g、0.0675mol)を加えた。得られた混合液を-5〜0℃にて1-2時間撹拌した。得られた溶液を室温に戻し、溶媒を減圧下にて蒸発させた。残存反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(400ml)で希釈しヘキサン(1.0L)で抽出した。有機層を分離し、飽和NH4Cl水溶液(400ml)と塩水(200ml)とで洗浄した。溶媒を減圧下にて蒸発させた。濃縮物にアセトニトリル(100ml)を-10℃にて加え、得られた混合液を-10℃にて2時間撹拌した。分離した固形物を吸引濾過し、残存物を冷却したアセトニトリル(25ml)で洗浄した。固形物を室温にて16時間乾燥し、84g、収率80%の白色粉末の中間体7を得た(M.P.136-140℃;M.S.:778(M+H);分子式-C38H65ClFNO10Si)。
ステップ-8:(11S,21R)-2'-O-TES-2-フルオロ-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-12,11-[オキシカルボニル-(シアノ)-メチレン]-3-オキソ-エリスロマイシン
無水DMF(287ml)中の中間体-7(82g、0.105mol)の溶液に、窒素雰囲気下にてシアン化カリウム(12.3g、0.189mol)を1回で加え、得られた混合液を室温にて16時間撹拌した。反応混合液をDCM(700ml)、飽和NaHCO3水溶液(1.15L)及び20%の硫酸第一鉄水溶液(580ml)で希釈した。得られた混合液を室温にて4時間撹拌した。有機層を分離し、水層をDCMで再抽出した(2×700ml)。複合有機層を10%の硫酸第一鉄水溶液で洗浄した(2×400ml)。溶媒を減圧下にて蒸発させ、残渣塊に水(200ml)を加えて30分間撹拌した。分離固形物を濾過し、水(100ml)で洗浄した。固形物をカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン中5%アセトンで溶離)、複合画分を濃縮して固形物を得た。この固形物にメタノール(100ml)を加えて混合液を撹拌しながら0-5℃に冷却した。0-5℃にて2時間後、分離固形物を吸引濾過し残存固形物を冷却メタノール(25ml)で洗浄した。固形物を室温にて10時間乾燥し、47g、収率58%の白色粉末の中間体-8を得た(M.P.:190-192℃;M.S.:769(M+H);分子式-C39H65FN2O10Si)。
ステップ-9:(11S,21R)-2'-O-TES-2-フルオロ-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-12,11-[オキシカルボニル-(21R-アミドキシム-)-メチレン]-3-オキソ-エリスロマイシン
無水メタノール(270ml)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(20.35g、0.439mol)に、窒素雰囲気下にて重炭酸ナトリウム(29.5g、0.529mol)を加えた。混合液を5-10分間撹拌して中間体-8(45g、0.0585mol)を加えた。得られた混合液を24時間撹拌した。溶媒を減圧下にて蒸発させた。残存物を水(200ml)で希釈した。得られた混合液を10分間撹拌し、分離固形物を吸引濾過した。残存物を追加の水(50ml)で洗浄した。固形物をカラムクロマトグラフィーによりさらに精製した(ヘキサン中12.5%アセトンで溶離)。複合画分を減圧下にて濃縮し、40.35g、収率86%の白色粉末の化合物-9を得た(M.P.:184-188℃;M.S.:802(M+H);分子式-C39H68FN3O11Si)。
【0031】
ケトライドの合成
基本手順
ステップ-I:O-アルキル化
トルエン(tolune)(60vol)中水素化カリウム(鉱油中1.1mmol、30%懸濁液)の撹拌溶液に、室温にて、18-クラウン-6-エーテル(0.15mmol)及びアミドキシムのコア又はフルオロアミドキシムのコア(1.0mmol)を連続して加えた。得られた溶液を室温にて5分間撹拌し、要求温度まで冷却した。次に固形のアルキル化剤又は側鎖(1.2mmol)を少量ずつ加えた。反応混合液を要求温度にて5-300分間さらに撹拌した(必要により)。次に反応混合液を、飽和塩化アンモニウム水溶液(5vol)を加えることによりクエンチした。混合液を酢酸エチルで抽出した(10vol×2)。層を分離し、複合有機層を減圧下にて蒸発させ、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(5-20%アセトン:ヘキサン)によりさらに精製し、ステップ-Iの化合物としての2'-O-トリエチルシリル保護されたケトライドを得た。
ステップ-II:TESの脱保護
アセトニトリル(10vol)中のステップ-Iの生成物(1.0mmol)の溶液に、70%のHF-ピリジン(1.5mmol)溶液を加え、得られた溶液を30℃でN2雰囲気下にて必要な時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5vol)を次に反応混合液に加え、さらに15分間撹拌した。得られた混合液を減圧下にてその体積の4分の1まで濃縮した。得られた懸濁液を冷水(5vol)で希釈し、この懸濁液を15分間撹拌した。分離した固形物を吸引濾過した。湿潤固形物を水(10vol)、続いてジエチルエーテル(2vol)でさらに洗浄した。残存物を減圧下にて乾燥し、生成物を得た。
【0032】
上記手順を用いて、以下の例が合成される。
1. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-[E-(N-(2-(ピリジン-2-イル)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル)-メチルオキシ)-カルボキサミジノ-メチレン]}-エリスロマイシンA:
2. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-2-フルオロ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-[E-(N-(2-(ピリジン-2-イル)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル)-メチルオキシ)-カルボキサミジノ-メチレン]}-エリスロマイシンA:
3. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-[E-(N-(2-(ピリミジン-2-イル)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル)-メチルオキシ)-カルボキサミジノ-メチレン]}-エリスロマイシンA:
4. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-2-フルオロ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-[E-(N-(2-(ピリミジン-2-イル)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル)-メチルオキシ)-カルボキサミジノ-メチレン]}-エリスロマイシンA:
5. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-[E-(N-(2-(ピラジン-2-イル)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル)-メチルオキシ)-カルボキサミジノ-メチレン]}-エリスロマイシンA:
6. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-2-フルオロ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-[E-(N-(2-(ピラジン-2-イル)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル)-メチルオキシ)-カルボキサミジノ-メチレン]}-エリスロマイシンA:
7. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-3-オキソ-12, 11-{オキシカルボニル-[E-(N-(2-(ピリジン-2-イル)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル)-エチル-1-オキシ)-カルボキサミジノ-メチレン]}-エリスロマイシンA:
8. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-2-フルオロ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-[E-(N-(2-ピリジン-2-イル)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル)-(S)-エチル-1-オキシ]-カルボキサミジノ-メチレン}-エリスロマイシン-A:
9. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-[E-(N-(2-ピリミジン-2-イル)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル)-(S)-エチル-1-オキシ]-カルボキサミジノ-メチレン}-エリスロマイシン-A:
10. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-2-フルオロ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-[E-(N-(2-ピリミジン-2-イル)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル)-(S)-エチル-1-オキシ]-カルボキサミジノ-メチレン}-エリスロマイシン-A:
11. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-E-(N-[1-(5-ピラジン-2-イル-[1,3,4]-チアジアゾール-2-イル)-(S)-エチル-1-オキシ]-カルボキサミジノ-メチレン}-エリスロマイシン-A:
12. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-2-フルオロ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-E-(N-[1-(5-ピラジン-2-イル-[1,3,4]-チアジアゾール-2-イル)-(S)-エチル-1-オキシ]-カルボキサミジノ-メチレン}-エリスロマイシン-A:
13. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-[E-アミノ-((5-ピリミジン-2-イル)-イソオキサゾール-3-イル-メチルオキシ-イミノ)-メチレン]}-エリスロマイシンA:
14. (11S,21R)-3-デクラジノシル-11,12-ジデオキシ-2-フルオロ-6-O-メチル-3-オキソ-12,11-{オキシカルボニル-[E-アミノ-((5-ピリミジン-2-イル)-イソオキサゾール-3-イル-メチルオキシ-イミノ)-メチレン]}-エリスロマイシンA:
【0033】
当然のことながら、本明細書で提供される様々な態様及び実施例などの開示は、本発明の本質の適用のほんの例示あるいは説明に過ぎない。本発明の意図及び範囲から逸脱することなく、多くの改良及び代替組成物、方法及び系が、当業者により考案されうる。特許請求の範囲はそのような改良や調整を含むことを意図する。したがって、本発明が上記に具体的に記載されたが、様々な態様及び実施例は、現在本発明の最も実用的及び好ましい態様であるとみなされていることに関連してさらなる詳細を提供する。