【実施例】
【0012】
(テーブル部分、及び、支柱部分)
先ず、実施例から説明するが、
図1とその背面図である
図2に示すように、病院等のベッドD近傍には本発明の実施例のベッドサイドテーブル1が配置され、ベッドサイドテーブル1は、主に上部のテーブル部11とこれを支える支柱部12と脚部13とから構成されている。
テーブル部11の上面は平坦で水平に保たれ、食事等に使用されるようになっており、このテーブル部11は一本の支柱部12によって片側を支持され、この支柱部12は、通常、ベッド上に位置するテーブル部11の高さを調整するため、伸縮自在になっており、高さ調節レバー121によって、支柱部12の長さを調整している。
支柱部12は、上部の四角柱のテーブル支持部122と、この支持部122の内側に嵌合しスライドする小径四角柱の基礎部123からなり、高さ調節レバー121によって支持部122への基礎部123の嵌合度合いを調整するようになっている。
【0013】
この基礎部123のは、脚部13に設けられた支柱固定部材131に固定する。この支柱固定部材131は、使用するベッドサイドテーブル1の各種の支柱部12の形状に合わせて設計すればよく、通常、多くのベッドサイドテーブルに適用可能とすることができる。
脚部13は、大凡、エの字状で平行な二本のキャスター付き枠体132,133と、これを連結する連結枠体134とから構成され、ベッドサイドテーブル1が転倒しないような形状をしている。前記エの字状で平行な二本の枠体は、通常、手前の枠体132が ベッドDの外側に配置され、主に支柱基礎部123を支持し、外側の枠体133はベッドDの下の空間に差し込んでベッドサイドテーブル1が倒れないような位置にするように構成されている。
【0014】
この脚部13の底部には、
図3に示すように、その底面はほぼエの字状で、通常、ベッドDの外側に位置する枠体132の底面の両端部に位置する2箇所に、一対の比較的車輪直径が大きく、旋回ロック機構と車輪回転のロック機構とを有する双輪キャスター4(4c,4d)が取付けられ、支柱部12から離れ、通常、ベッドDの下の空間に差し込む枠体133の底面の両端部に位置する2箇所にも一対の比較的車輪の直径が小さく、車輪回転のロック機構を有する双輪キャスター4(4a,4b)が取付けられており、移動の際には、キャスターのロック状態が一斉に全部解除され、容易に移動することができる。
この場合に、
図1、
図6(a)に示すように、ベッド下に挿入する枠体133と小径の双輪キャスター4a,4bとの全体の高さh2は、ベッドの下の空間で床から僅かに(5cm)しか離れていない横棒等があっても移動可能な高さ以下としており、手前の枠体132はベッド下に挿入しないので、移動や車輪の回転ロックが確実で安定して作動する比較的大径のキャスター4c,4dを取り付けている。枠体132と双輪キャスター4c,4dの全体の高さh1は、前記のh2より高い構成となっている。
また、
図1、
図4、
図5(b)に示すように、テーブル部11の縁の全周には、テーブル部11よりも多少高い縁部111(
図5(b)のh3を参照)が設けられ、使用者が把持部16に掴まり、テーブルが多少揺れて容器から液体が溢れても、テーブル部11の縁部111の全周を高くしてあるので、液体がテーブルにこぼれてもテーブルから垂れることはない。
【0015】
(把持部)
図1、
図2に示すように、ベッドサイドテーブル1の所定位置、本実施例では使用者から見て、右端の手前にグリップ16が固着されている。この把持部16はベッドの使用者が掴まることが容易なグリップ(把持部)16で、手の平に包み込んで、食事等の際に、このグリップを利用して使用者自らで上半身を起こしたり、立ち上がる際の助けとすることができる。なお、この把持部16は、必ずしも必要ではなく、掴まることが危険である場合は、むしろ撤去しておくことが好ましい。
【0016】
(ワイヤー収納機構)
図1、
図2に示すように、テーブル部11のベッド使用者の患者等がベッドにいても手の届く範囲のテーブル縁部111の適所には、キャスター操作部2が設けられている。このキャスター操作部2は、患者や看護師等が操作し易い位置がよい。
図5(a)(b)に示すように、テーブル部11は中空部112が形成され、詳細は後述する操作ワイヤー31が緊張したり弛緩したりするのを中空部112で吸収し弛緩部分を蓄積する。
すなわち、本実施例の最も特徴とする構成は、操作ワイヤー31が緊張したり弛緩したりするのを中空部112で吸収し弛緩部分を蓄積するものであって、固定された複数の双輪キャスター4を操作する場合、キャスター操作部2を昇降するテーブル部の側に設けるには必要な構成である。
この操作ワイヤー31の一方の末端部311(
図9参照)は、キャスター操作部2のハンドル21に接続され、他方は中空部112で蓄積されて脚部13の伸縮パイプ15にへ繋がるワイヤー案内孔151へ導入され、更に、脚部13の支柱固定部材131の内部に設けられたワイヤー分岐盤32の一方に接続する。
ワイヤー案内部を形成する前記伸縮パイプ15は、上部のやや直径が大きい中空の上部パイプ15aと、下部のやや直径が小さい中空の下部パイプ15bとから構成され、下部パイプ15bを上部パイプ15aの中空内側孔に挿入し、上下にスライド可能とし、上部パイプ15aの上端をテーブル部11の底部に固定し、下部パイプ15bの下端を脚部13の上面に固定し、この中空部分に操作ワイヤー31を挿入案内している。なお、上部パイプ15aの上端は、テーブル部11のワイヤー案内孔151との接合し、近傍には弛緩する操作ワイヤ31の出入が容易となるように、湾曲状の案内部(図示せず)を設けている。
【0017】
図1及び
図6に示すように、テーブル部11の昇降に伴い弛緩と弛緩の無い状態を繰り返すが、テーブル部11が下降した場合は、
図5(a)の点線Aのような状態になり、弛緩した部分を中空部112で収納し、テーブル部11が上昇した場合は、
図5(a)の点線Bのような状態になり、ほぼ弛緩しない状態の分岐ワイヤーを貯留する。なお、中空部112の適所には、分岐ワイヤー33が弛緩する際にスムースに湾曲するように案内部材141が適所に配置されている。このように、操作ワイヤー31の弛緩部分の蓄積空間をテーブル部11の中空部112に設けたが、テーブル部11の裏面の裏側部に別途中空部と同様の機能の収納枠体を設けてもよい。
支柱固定部材131に設けられたワイヤー分岐盤32からの4本の分岐ワイヤー33は、双輪キャスター4a、4bに接続する2本の分岐ワイヤー33a,33bと、双輪キャスター4c、4dに接続する2本の分岐ワイヤー33c,33dとに分かれ、4本のうち2本の分岐ワイヤー(33a,33b)は、更に、連結枠体134の内部に挿入されワイヤー連通用貫通孔134bからベッドDの下に挿入されるキャスター付き枠体(取付枠体)133の双輪キャスター4a,bに接続される。他の2本分岐ワイヤー33c,33dは、手前のキャスター付き枠体(取付枠体)132の双輪キャスター4c,dに接続される。
ワイヤー案内部を形成する伸縮パイプ15は、テーブル部11の昇降に伴う伸縮するテーブル支柱部12の内部に収納され、テーブルの昇降に伴う操作ワイヤー31がテーブル支柱部付近で弛緩することがなく、絡まることもなく操作がスムースであればよい。
【0018】
ところで、キャスター操作部2をテーブル部11に設け、ワイヤー分岐盤32を脚部13(又はテーブル支柱部12)に設けることによって、操作ワイヤー31だけが緊張や弛緩を繰り返すようにして分岐ワイヤー33では移動や弛緩が生じないようにし、かつ、全体のワイヤーの長さを短くしている。
このテーブル部11上のキャスター操作部2を操作することにより、詳細には後述するが、インナーワイヤーとアウターワイヤーの同軸ワイヤーを用いた操作伝達機構3を介し、4個の双輪キャスター4のそれぞれの車輪ロック機構5を操作する。この操作用のワイヤーは、自転車等のブレーキワイヤーと同等のもので、芯のインナーワイヤーとこれを被覆し両端を固定するアウターワイヤーからなるもので、大凡、この際にキャスター操作部2のハンドル21(レバー)を引き挙げることにより、インナーワイヤーを引っ張り双輪キャスター4の車輪ロック機構5のロックを解除し、逆に、ハンドル21を下げて車輪ロック機構5のバネによりロックする。
なお、本実施例では、ワイヤー分岐盤32は比較的小型であるので、ワイヤー分岐盤32を脚部13の中に設けたが、テーブル支柱部12中に設けてもよく、4本の分岐ワイヤー33a〜dが長くなるが中空部112やテーブル部11の裏側部に設けても良く、要は、ワイヤーのインナーワイヤー312,332等がスムースに移動するように配置すればよい。
【0019】
(キャスターのキャスター操作部)
ベッドサイドテーブル1の縁111の一部には、キャスター操作部2が設けられるが、このテーブル部11上のキャスター操作部2を操作することにより、詳細には後述するが、インナーワイヤーとアウターワイヤーの同軸ワイヤーを用いた操作伝達機構3を介し、4個の双輪キャスター4のそれぞれの車輪ロック機構5を操作する。この操作用のワイヤーは、自転車等のブレーキワイヤーと同等のもので、芯のインナーワイヤーとこれを被覆し両端を固定するアウターワイヤーからなるもので、大凡、
図7とその背面図の
図8に示すように、キャスター操作部2のハンドル21(レバー)を引き挙げることにより、インナーワイヤーを引っ張り双輪キャスター4の車輪ロック機構5のロックを解除し、逆に、ハンドル21を下げて車輪ロック機構5のバネによりロックする。
【0020】
以下、キャスターのキャスター操作部の作動構造の詳細を説明する。
図1及び
図2は、キャスター操作部2で4個の双輪キャスターをロック状態にした外観斜視図で、
図7及び
図8が解除状態にした外観斜視図と背面図であるが、このキャスター操作部2の詳細から説明する。
先ず、4個の双輪キャスターのロックを解除した状態の
図7及び
図8について、その内部機構を示す
図9を参照して説明すると、キャスター操作部2は主にハンドル21、解除維持機構22、解除ボタン23、枠体25から構成されている。
図9において、ハンドル21は回動軸211を中心に回動胴部212が回動し、回動胴部212の外周一部に凸部213が設けられ、この凸部213が枠体25の胴体収納部251に設けた溝部252の回動規制範囲で規制される。
回動胴部212の回動軸211の近傍の回動する部位には、操作伝達機構3の操作ワイヤー31の操作部側のボール(従来タイコと呼ばれる部分)状のインナーワイヤー312の末端部311を係止する係止部214が設けられ、この係止部214は枠体25の適所に設けられた係止部256に固定されており、端末部導入溝215に沿って末端部311を係止部214に係止するようにしている。ハンドル21(正面)には手の指が挿入できる把持部217が設けられ、
図9に示すように、ハンドル21の把持部217に手をかけ引き上げると、係止部214も上方に回動し操作ワイヤー31の末端部311も引き寄せられる(
図9で左側に引き寄せられる)。
【0021】
ハンドル21が引き上げられると、回動胴部212の下側の周面に設けた扇形歯車216が
図9で時計方向に回動し、この扇形歯車216の回動に伴って扇形歯車216に噛み合うアイドル歯車218を反時計方向に回転させる。このアイドル歯車218は、枠体25に設けられた軸2181を中心に回転するが、アイドル歯車218の下側には左右にスライドするスライド部材219が設けられ、スライド部材219の歯列2191と噛み合ってスライド部材219を
図9で右側に移動させる。なお、スライド部材219は枠体25に設けられた規制部253によって左右方向にのみ移動するように規制される。
このスライド部材219は右側端2192で押し圧バネ2193によって常時左側に押されているが、ロック解除の場合は、ハンドル21を挙げることにより、この押圧バネ2193の押圧力と順方向にスライド部材219は左側に移動する。
スライド部材219の左端部2194の近傍には、ロック部材係止孔2195が設けられ、このロック部材係止孔2195が所定の距離を移動すると、解除維持機構22のロック部材221の下端の先端部2211がこのロック部材係止孔2195に嵌合する。
この解除維持機構22は、回動軸222を中心にして回動部材223が設けられ、一端2231は解除ボタン23の底面に設けられた操作桿231の下端部232に接しており、他端2232はロック部材221を貫通孔2233内の支持軸2234で軸支している。
前述したロック部材221は、枠体25に設けられ規制部254によって上下方向にのみ規制され、ロック部材221の上端部2212は常時下側に押圧する押圧バネ2213が設けられていいる。
【0022】
また、スライド部材219の側部2196には、後述するように、ロック解除状態からロック状態に移行する際に、ハンドル21の把持部217が急激に降下しないようにショックアブソーバー2197が枠体25側とスライド部材219と間に設けられている。
したがって、ハンドル21は、ロック部材221の先端部2211がロック部材係止孔2195に嵌合するまで引き上げ、このロック部材係止孔2195の嵌合によってこの位置を維持することになる。すなわち、インナーワイヤー312を引っ張った状態を維持することになり、結果として、後述する大小の双輪キャスター4内に設けたノック部材531(特に、
図18、24を参照)を押し下げ、ノック部材531に連動した基部541の歯部542をキャスターの内歯車45(
図17参照)から引き下げ嵌合を解除して、
図1、2、6の通常状態のロック状態を、
図7、8に示すようにロック状態を解除し、この解除状態を維持することになる。
解除維持機構22は解除ボタン23と協働するが、双輪キャスター4をロック解除状態にするには、先ず、キャスター操作部2のハンドル21を上方に挙げるが、この状態で、解除ボタン23の先端は、枠体25の上面部255から突出した状態になる。
なお、解除ボタン23は、解除表示ボタンとして、より効果的に機能させるため、危険状態を喚起するために目立つ色彩、例えば、赤色、緑色とすればよい。
また、
図6(a)に示すように、ハンドル21を下ろしてキャスター4(4a,b,c,d)をロック状態にして、ハンドル21の先端部21aをハンドル先端カバー26に収納する。これは、
図6(b)に示すように、ハンドル先端カバー26が無いと ハンドル21の先端部21aが露出して、病人やベッド使用者や看護師の衣服の一部を先端部21aに引っ掛ける虞があり、これを避ける為にハンドル先端カバー26を設けたものである。
【0023】
次に、
図1,2,6に示すように4個の双輪キャスター4の車輪部41をロック状態にした場合を、その内部機構を
図10を参照して説明すると、解除ボタン23の上端操作部233を下に押圧すると、解除ボタン23の底部に設けられた操作桿231の下端部232が、回動部材223の一端2231を下に押し、回動軸222の反対側の他端2232を、押圧バネ2213の下側への押圧力に抗して上昇させ、ロック部材221の先端部2211をスライド部材219のロック部材係止孔2195から抜く。
先端部2211の係合が解除されると、スライド部材219は
図10で常時左側へ押圧する押圧バネ2193によりスライド部材219は左側へ移動し、歯列2191、アイドル歯車218、扇形歯車216を介してハンドル21は
図10のように降下し、ハンドル21の上端面がキャスター操作部2の枠体上端部135の表面とほぼ同じ水準で平坦になり、
図1,2,6及び、
図10の状態になる。
また、バネの引っ張り力により急激にハンドル21が戻り騒音等を生じる場合には、
図10で示されるショックアブソーバー2197によって戻り速度を緩和させてもよく、バネと同様に、このショックアブソーバー2197の一端は枠体25の適所に固着され、他端はスライド部材219の適所に固着されている。
【0024】
(操作伝達機構)
操作伝達機構3は、
図11で示すように、芯のインナーワイヤーと同軸で被覆部でもあるアウターワイヤーとからなる同軸の所謂ロックワイヤーを用いたもので、主に操作ワイヤー31とワイヤー分岐盤32と4本の分岐ワイヤー33とから構成される。
前述したキャスター操作部2に取り付けられる操作ワイヤー31は、その末端部Aの拡大図の
図12に示すように、芯のインナーワイヤー312、それを覆うアウターワイヤーである被覆部313とからなり、インナーワイヤー312の先端にはボール状(球状)の末端部311が設けられ、被覆部313の先端には取付固定部314が設けられ、インナーワイヤー312が取付固定部314に対して、末端部311が進退可能に構成され、他方の末端部316(
図14参照)はワイヤー分岐盤32のスライダー322(
図14参照)に接続される。
ワイヤー分岐盤32からの4本の分岐ワイヤー33の1本の
図11での末端部Bの拡大図である
図13(a)の側面図とその上面図の
図13(b)に示すように、芯のインナーワイヤー332、それを覆う被覆部333からなり、ワイヤー332の先端には中心に係合孔を有する末端部331が設けられ、被覆部333の先端には取付固定部334が設けられ、インナーワイヤー332が取付固定部334に対して、末端部331が進退可能に構成され、他の末端はワイヤー分岐盤32に接続される。
【0025】
ワイヤー分岐機構のワイヤー分岐盤32は、
図14(a)(b)に示すように、操作ワイヤー31と4本の分岐ワイヤー33を接続するもので、
図14(a)のワイヤー分岐盤32の蓋321(
図14(b))を開けた内部は、スライダー322が左右移動可能に収納されている。ワイヤー分岐盤32の操作ワイヤー31側の側板323に操作ワイヤー31の取付固定部315を取り付け、前記スライダー322の操作ワイヤー31側にはワイヤーの末端部316の嵌合部3221が設けられ末端部316を嵌合する。
また、ワイヤー分岐盤32の4本の分岐ワイヤー33側の側板324に分岐ワイヤー33の取付固定部335を取り付け、前記スライダー322の分岐ワイヤー33側には4本のワイヤーの末端部336の嵌合部3222が設けられ末端部336を嵌合する。このようにして、操作ワイヤー31の端末部316が引っ張られると、スライダー322が側板323側に移動(
図14(a):右方向)するが、スライダー322に嵌合される4個の末端部336も一括して側板324から離れるように移動(
図14(a):右方向)する。
【0026】
図15(a)の
図14(a)でのa−a線断面図、
図15(b)の
図14(a)でのc−c線断面図に示すように、このスライダー322は4本のインナーワイヤーの末端部336の移動距離が同じでなければ、正確に4個の双輪キャスター4をロックすることができない。このため、スライダー322の上面の移動方向に平行な山部3223が複数設けられ、
図14(b)の蓋321を嵌め込んだ側面図に示すように、山部3223を左右方向に案内する案内溝3211を蓋321に設けて、正確にスライダー322がワイヤー軸線に対して平行移動するようにしている。勿論、この逆に、平行な山部を蓋321に設け、対応する案内溝をスライダーに設けてもよい。なお、蓋321の嵌合側面には固定凸部3212はワイヤー分岐盤32の内壁に挿入固定するためのものである。
したがって、スライダー322をインナーワイヤー312,332の前進後退方向と平行に移動させるための平行進退移動手段として、ワイヤー分岐盤32の内側の両側壁は勿論こと、これだけでは、平行移動には不十分であるので、スライダー322の上面には平行な山部3223が複数設けられ、蓋321側にも山部3223を左右方向に案内する案内溝3211が設けられている。
【0027】
このように、操作ワイヤー31の進退移動がワイヤー分岐盤32を介して4本の分岐ワイヤー33に伝達される。また、操作伝達に同軸ワイヤーを用いたので、
図3に示すように、ベッドサイドテーブル1の脚部13の4個の双輪キャスター4の位置を自由に設定でき、また、リンク機構の組み合わせや、前掲特許文献1のようなテーブル全体を浮かせるための接地部材とは異なり、構造も簡単で制作費も安価で、保守も容易になる。更に、1本の操作ワイヤー31を4本に分岐して用いているので、極めて簡単な構成で4個のキャスターを同時に正確にロック状態及びロック解除状態にでき、ワイヤー分岐盤32も小型で薄く扁平に成形できるので、ワイヤー分岐機構の高さも低く薄くでき小さなスペースに収納できる。したがって、ワイヤー分岐盤32は本実施例のように脚部13の内側に収納固定でき、他にもテーブル支柱部12の内部や、ベッドサイドテーブル1の中空部112や、或いは、テーブル部11の底部に別途収納枠を設けて収納固定してもよい。
また、キャスター操作部2からの1本の操作ワイヤー31を4本の分岐ワイヤー33に分岐して4個の車輪ロック機構5であるキャスター操作機構に接続し、1本の操作ワイヤー31のインナーワイヤー312の前進/後退を4本の分岐ワイヤー33のインナーワイヤー332の前進/後退に伝達しており、4本の分岐ワイヤー33に分岐するためにワイヤー分岐機構としてワイヤー分岐盤32を設け、ワイヤー分岐盤32には4本の端末部331を並列にして固定するスライダー322を設けて、スライダー322をインナーワイヤー312,332の前進後退方向とて正確に平行に移動伝達できる。
【0028】
(双輪キャスターの配置)
前述した
図3は、ベッドサイドテーブル1の脚部13の裏面の平面図で、ベッドDの外側の枠体132の両端に一対の双輪キャスター4(4c,4d)、ベッドD下の床面の枠体133の両端に一対の双輪キャスター4(4a,4b)が取付けられている。
これらのキャスター4の外観概略は、
図16に示すようなもので、キャスター4の構成の詳細は後述するが、キャスター操作機構である車輪ロック機構5の枠体51の両側に一対の車輪41A、41Bがそれぞれ回転可能に軸支されており、ロック機構枠体51の上面には、キャスター4が取付枠に対して旋回可能に軸支するための旋回支持部52が設けられ、旋回支持部52の軸心Xと同軸に、上下動するノック部材531が設けられており、ノック部材531を押圧バネ543により押し上げると双輪キャスターがロックされ車輪は回転することができない。逆に、ノック部材531の押上力に抗して下方に押し下げると、双輪キャスター4の内歯車45への歯部542が離反しロックが解除され、双輪が自由に回転することができる。
ところで、本実施例で使用する双輪キャスター4(4a,4b,4c,4d)は、双輪の巾が単輪よりも広いので、単輪キャスターに比べて走行安定性があり、また、双輪の回転をロックすると進行方向は勿論のこと、双輪の巾が広いことから旋回阻止できる。特に、本実施例のように4本の双輪キャスター4(4a,4b,4c,4d)での各双輪の回転をロックすると、前後左右の移動や旋回がロックされ、1箇所の双輪キャスターの固定では不十分である場合もあるが、ベッドサイドテーブル1のキャスター4はテーブル支持側の2個所でもベッドサイドテーブルはほぼ固定され、全部のキャスターである4箇所のキャスターをロックした場合は確実にベッドサイドテーブル1が所定の位置に固定される。
したがって、本実施例のように、4箇所の全てキャスターをロックしようとした場合は、仮に、4箇所のうち一箇所のキャスターのロック機構が不完全、或いは、破損した場合でも、ベッドサイドテーブルを確実に固定及び解除できる。
【0029】
(キャスターの車輪部)
上述した双輪キャスター4の車輪部41を説明するが、前述したように、ベッドD下の空間に差し込む枠体133裏の両端部2箇所の一対の車輪の回転ロック機構とを有する双輪キャスター4(4a,4b)は比較的車輪41の直径が小さな直径であり、ベッドDの外側に配置される手前の枠体132の両端部における2箇所での一対の旋回ロック機構と車輪回転のロック機構とを有する双輪キャスター4(4c,4d)は、比較的車輪41の直径が大きな直径であることが異なり、また、後述する旋回ロック機構の有無が異なるだけで、その他の具体的構成は同じであるので、双輪キャスター(a〜d)を一括して説明する。
図3に示す4個の双輪キャスター4には、両側に1個ずつ車輪部41が配置され、その内の片方の車輪部41は、
図17に示すように、車輪軸42は、後述する車輪ロック機構5の車輪軸受部511に回転自在に軸支され(
図20を参照)、
図17に示す車輪部41の車輪軸固定部43に固定される(車輪軸固定部43は、車輪を回転自在に軸支する構成でもよい。)。車輪部41の外輪44はゴム製で振動を吸収し走行を滑らかにし雑音を軽減するとともに、床へのグリップを強くしている。
また、双輪キャスター4の車輪部41の内側の外輪近傍には、車輪軸と同軸心の内歯車45が形成され、後述するロック歯部542が押圧バネ543により上昇した際には、内歯車45に歯部542が噛み合い車輪部41の回転を阻止する。
【0030】
(キャスターの車輪ロック機構)
本実施例のキャスターは、
図16でも説明したように、車輪ロック機構5のロック機構枠体51を挟んで、所定の間隔を持った車輪41A,41Bの双輪キャスターであり、移動時には単輪キャスターに比べて走行に安定性がある。また、車輪41(41A,41B)の両車輪(双輪)がロックすると走行が出来なくなり、キャスターの旋回も制限されて、更に、本実施例のように、ベッドサイドテーブル1の脚部13の枠体132の両端の2箇所の双輪キャスター4c,4d、及び、枠体133の両端の双輪キャスター4a,4bの各車輪41A,41Bが固定されると、キャスター4自体の旋回を固定しなくても、車輪の回転の固定だけでベッドサイドテーブル1は、ほぼ完全に固定されることを見出し、この知見を基礎とするものである。
ただし、車輪41A,41Bの間隔を狭くすると単輪状態に近くなり、或いは、車輪の直径を小さくすると、この固定作動が弱くなるので、横方向に負荷がかかる支柱固定部材131を支える枠体132の双輪キャスター4c,4dには旋回ロック機構が組み込まれている。
【0031】
(小径双輪キャスター(4a,4b)の車輪ロック機構)
先ず、上記の車輪ロック機構5の枠体133に配置する小径双輪キャスター(4a,4b)の車輪ロック機構について、
図18乃至
図23に沿って更に詳しく説明する。
図18は、キャスターロック状態の図で、ノック部材531が分岐ワイヤー33の弛緩、コイルバネ567によりスライダーカム56が図で左側に移動し、ノック部53が上方に上がった状態の図であり、
図18(a)は車輪ロック機構5の横断面図で、
図18(b)は
図18(a)の側断面図である。また、
図19は、
図18の(a)のa−a線での上方からの断面図であり、歯部542が双輪キャスター4の内歯車45に嵌合してロックした状態の図である。
図20は、歯部542を内歯車45から離反させて、双輪キャスター4のロック解除状態の図で、ノック部材531が分岐ワイヤー33により引っ張られ、コイルバネ567の引張力に抗してスライダーカム56が図で右側に移動し、また、キャスター内部の押圧バネ543に抗して、歯部542が下った状態の図、即ち、キャスターのロック解除状態の図で、
図21は
図20(a)の上方からの平面図である。
【0032】
図18(a)(b)は、ベッドサイドテーブル1の通常の状態、すなわち、
図1でハンドル21を下げて双輪キャスター4をロック状態にした図で、車輪ロック機構5の枠体51内には、キャスター取付金具55に対して双輪キャスター4が旋回可能なように旋回支持部52が軸支され、旋回支持部52の内側に上下動するノック部53が設けられ、ノック部53に続いて車輪歯噛合ロック部54が押圧バネ543を介して連結されている。車輪歯噛合ロック部54は、ノック部材531を上下動させるスライダーカム56のカム面561によって、歯部542が押圧バネ543の押圧力によってノック部53が上昇している状態では、歯部542も上昇していて、この歯部542が車輪部41の内側の内歯車45に嵌合して、車輪41A,41Bの回転を阻止し、双輪キャスター4をロック状態にする。
【0033】
ここで、各部の構成を更に詳細に説明するが、先ず、枠体51はプラスチックで成型されたもので、
図18に示すように、中心に車輪軸受部511が設けられ、枠体51の左側には、旋回支持部52(ノック部53)を挿入する円筒型の嵌合部512と収納部513が配置され、嵌合部512のキャスター取付金具55に近接する部分は双輪キャスター4の旋回をスムーズにするために突出輪514が設けられ、前記車輪軸受部511の上側には上下動する車輪歯噛合ロック部54及び押圧バネ543を収納する収納部515が配置されている。この収納部515を含めた双輪キャスター4の嵌合部512と旋回支持部52とを回動自在に強固に支持するが、旋回支持部52はキャスター取付金具55側に強固に固着している。
また、収納部513は下側面及び片側面が開放口となっており(必要に応じて、防塵のための蓋部を設けてもよい。)、これは組み立て作業で、キャスター取付金具55に固着される旋回支持部52を嵌合部512に回動自在に、旋回補助ワッシャー5221及び止め金具(固定スナップリング)523を取り付ける際のためのものである。
旋回支持部52を嵌合部512に挿入した後、旋回支持部52の下部末端には、旋回補助ワッシャー5221を挿入し、旋回支持部52の下端に設けられた止め金具(スナップリング)523用の固定円周溝524に、旋回支持部52を固定するためスナップリング523を係止して、旋回支持部52からロック機構枠体51が抜け落ちないようにしている。
【0034】
更に、ノック部53のノック部材531の下端部に車輪歯噛合ロック部54の基部541を取り付けるが、この基部541は
図18に示すが、車輪軸42を囲むようにコの字状(或いは、反対側から見れば逆コの字状)であり、下部水平部5411と上部水平部5412とこれを連結する連結部5413とから構成され、下部水平部5411の上面はノック部材531の下部先端部533により押圧され、又は解除(
図20では解除)される受圧部を有し、上部水平部5412は歯部542が固着されるとともに、外方に拡がるように押し圧するバネ543の上端部に係合する上部バネ係合部544を有する。なお、押圧バネ543の下端部はロック機構枠体51側に設けた下部バネ係合部545に係合し、常に、上部水平部5412の下面の上部バネ係合部544を上方に押圧している。
【0035】
(旋回支持部及びノック部)
次に、
図18での嵌合部512と旋回支持部52とノック部材531について説明する。
旋回支持部52の固定支持筒部材521は金属製の円筒(パイプ)で、その上端部を金属のキャスター取付金具55の底板554に取付縁部522の上端を溶接等で固着する。ここで、双輪キャスター4の旋回とは、
図16に示されるように、通常の双輪キャスター4の接地箇所X2の垂直線とノック部材531の軸心の接地箇所X1とが偏心することによって、ベッドサイドテーブル1を移動させる際に、自動的に双輪キャスター4の進行方向が移動方向に向くようにしたものであるが、当然、双輪キャスター4がロック状態では、双輪キャスター4が回動しないことによって旋回は阻止されるが、逆に、ベッドサイドテーブルの移動時のロック状態で無い場合には自由に旋回させなければならない。そのため、旋回支持部52とキャスター取付金具55の底板554との間に突出輪514を介在させて、ロック機構枠体51の上面での旋回をスムーズにさせるようにしてある。
旋回支持部52は、キャスターの旋回軸を構成するとともに、ノック部材531を嵌合して収納するが、このノック部53は旋回支持部52の同心上の嵌合部512に上下動が自在に嵌合されている。
【0036】
(車輪歯噛合ロック部)
基部541は、
図22に示すように、基部541の断面コの字状(反対側からは、逆コの字状)の上部水平部5412の下面の(
図18での)中央部分には、押圧バネ543の上端を係止する上部バネ係合部544を設け、さらに、双輪キャスター4の一対の車輪部41の各内歯車45に嵌合するように左右に一対の2本の歯部542a,bが固着してあり、外側に拡がるような押圧する押圧バネ543で、常に上方に押し上げる構成になっている。
したがって、車輪歯噛合ロック部54の歯部542a,bは、
図18、
図19(
図17点線)に示すように、ノック部材531の規制がなければ、常に、押圧バネ543によって上側に押圧され上昇するようになっており、ベッドサイドテーブルをベッド近傍に設置した通常の場合は、歯部542a,bは押圧バネ543によって各双輪キャスター4の内歯車45に嵌合して、双輪キャスター4の回転を阻止し、ロック状態になりベッドサイドテーブルの移動を不可能にしている。
なお、車輪歯噛合ロック部54の上下動は、枠体51に設けた車輪歯噛合ロック部54の収納部の案内溝516の側壁に沿って降下・上昇する。
また、双輪キャスター4の車輪部41の内側の外輪近傍には、車輪軸42に同心の内歯車45が形成され、歯部542a,bが上昇した際には、内歯車45に歯部542が噛み合い車輪部41の回転を阻止する。
【0037】
(キャスター取付金具とスライダーカム)
図18乃至
図23におけるキャスター取付金具55とノック部材531を操作するスライダーカム56について説明する。
操作伝達機構3のハンドル21(
図7,8,9を参照)を上方に挙げる操作によって、操作ワイヤー31が引っ張られ、ワイヤー分岐盤32(
図14を参照)によって4本の分岐ワイヤー33も引っ張られる。更に、この各分岐ワイヤーのインナーワイヤー332(
図13を参照)が引っ張られるが、これをノック部53の動きに変換するのがキャスター取付金具55に装着されたスライダー状のカム機構を有したスライダーカム56である。
このスライダーカム56は、主に、
図23(
図18,24)に示すように、全体形状は扁平で下面が傾斜するカム面561が設けられ、スライダーカム56が移動する方向の一端には分岐ワイヤー33の末端部331を接続し、キャスター取付金具55の前板551(
図21参照)に取付固定部334を装着し、操作ワイヤー31及び分岐ワイヤー33(33a,33b,33c,33d:
図11・14を参照)に引っ張られることにより、全体として水平移動するようにしている。
図18、
図20、
図23乃至
図25に示すように、中心部にはスライダーカム56の水平上面563に平行して案内長孔564が設けられ、この案内長孔564にはキャスター取付金具55の両側板552に固定された案内軸565が嵌合している。
【0038】
係止部562とは反対側の係止部566には縮む方向のコイルバネ567の一端が係止され、コイルバネ567の他端はキャスター取付金具55の背板553の係止部568に係止され、このコイルバネ567は操作ワイヤー31及び分岐ワイヤー33が弛緩された状態では、スライダーカム56を
図18の位置に戻すようにしている。また、
図19、
図21に示すように、案内軸565の軸線はノック部材531の上部先端部532の軸線と交わるようにしている。
なお、
図21において、キャスター取付金具55(全4個)の両側板552には枠体取付部555が設けられ、キャスター付き枠体132,133の両端部に、ボルト孔556にボルト(図示せず)等を挿入して固着する。
したがって、スライダーカム56のカム面561にノック部材531の上部先端部532が接触するようになっているが、分岐ワイヤー33が引っ張られているロック解除状態では、
図20、
図23に示すように、カム面561は左側から右側にかけて移動するようになっているので、最も下の位置である最下点5611にあり、ノック部材531を下方に押し下げた状態になる。
【0039】
逆に、
図18(
図19,
図24)に示すように、操作ワイヤー31及び分岐ワイヤー33が弛緩された状態では、コイルバネ567により、スライダーカム56は、
図18、
図19のように左側に移動し、カム面は最も高い位置である最上点5612にあり、歯部542の押圧バネ543の作用により、ノック部材531の上部先端部532も上昇し、歯部542も上昇して、双輪キャスター4の内歯車45に嵌合し、双輪キャスター4をロック状態にする。
この扁平のスライダーカム56は、カム面561の最下点5611から最上点5612がノック部材531の上部先端部532を移動するように作動するが、スライダーカム56の分岐ワイヤー33の末端部331の移動距離Z(
図18参照)は、カム面561の最下点5611から最上点5612の距離Y(
図23参照)とほぼ同じとなる。
したがって、カム面561の傾斜角度により、最下点5611から最上点5612の距離が変えられるので、キャスター取付金具55の高さを低くしたままで、分岐ワイヤー33の移動距離(ストローク)に合わせることができる。
【0040】
(キャスターのロック及びロック解除の作動)
本実施例のベッドサイドテーブルを固定する末端操作装置は、以上のような構成であるので、大凡、次のように作動する。
ベッドサイドテーブル1の脚部13に設けたキャスター4のロック解除するハンドル21は、
図1に示すように、通常の設置状態では、キャスター4がロックされ、キャスター操作部であるハンドル21はハンドル先端カバー26(
図1を参照)に収納されているが、ベッドサイドテーブル1を移動する際には、
図7,8,9に示すように、解除維持のためのロック部材221がハンドル21のロック部材係止孔2195に嵌合する位置までハンドル21を上方に持ち上げ、この時の解除維持のためのロック部材221の移動によって、ロック解除表示ボタンである解除ボタン23を突出させ、キャスター4のロックを解除する。
ベッドサイドテーブル1のキャスター4を元のロック状態にするには、ロック解除表示ボタンである解除ボタン23を下側に押して解除維持するロック部材221を後退させ、ハンドル21がキャスター4内のロック機構によるワイヤーの引張力、或いは、協働する引張りバネ2161によって降下するので、この状態で操作部カバー24を手前に前進させて元の
図1に示す状態にする。この双輪キャスターのロック/解除状態の作動について、更に詳しく説明する。
【0041】
[双輪キャスターのロック状態]
双輪キャスター4のロック状態は
図18(
図24)に示したような状態である。
ベッドサイドテーブル1をベッドの近傍に配置した通常の状態で、ハンドル21と解除ボタン23とが共に下方の収納位置に納められ、ベッドサイドテーブル1のテーブル部11上の操作し易い位置にあり、分岐ワイヤー33は結果的にキャスター内の押圧バネ543によって歯部542をキャスターの内歯車45に嵌合させるとともに、押圧バネ543にノック部材531も上方にあり、分岐ワイヤー33も弛緩状態にある。この場合の状態は長時間に亘るが、ハンドル21がワイヤー31を常に引っ張る状態に維持する必要がないので、各ワイヤーは緊張状態にはなく(弛緩状態)、経年でワイヤーが伸びるようなことがなく、装置の保守も容易になる。
[双輪キャスターのロック解除状態]
双輪キャスターのロック解除状態は
図20(
図25)に示したような状態である。
この場合には、ベッドサイドテーブルを移動する状態で、ハンドル先端カバー26に先端が収納されているハンドル21を挙げて、解除ボタン23を突出させ、操作ワイヤー31を引っ張り(
図9,10で左方向)緊張状態にし、分岐ワイヤー33によってノック部材531を下方に押し下げ、結果的にキャスター内の押圧バネ543に抗し、歯部542をキャスターの内歯車45から開放する。したがって、ハンドル21が挙がっている状態では、双輪キャスターのロック解除状態にあり、ベッドサイドテーブルは移動可能となる。
【0042】
(大径双輪キャスター(4c,4d)の車輪ロック機構及び旋回ロック機構)
先ず、上記の車輪ロック機構5の収納枠体135に配置する大径双輪キャスター(4c,4d)の車輪ロック機構について、
図24乃至
図28に沿って更に詳しく説明する。
この大径双輪キャスター(4c,4d)の車輪ロック機構は、旋回ロック及びロック解除と車輪径の大きさ以外は、前述の小径双輪キャスター(4a,4b)の車輪ロック機構と大きさが多少大きいだけで、構成・作用・機能は同じなので説明は省略する。 ところで、特に、本件の大径の双輪キャスターの方が走行安定性や操作性が優れており、エレベータでの出し入れにおいては、従来よりの小径キャスターでは出入り口の溝に嵌って走行に支障を来すことがあるが、本件のような双輪キャスターではそのような障害は生じることがなくスムーズな走行が可能である。また、枠体が大きいことから、旋回ロック機構等を組み込める利点がある。なお、大径双輪キャスター(4c,4d)の符号と小径双輪キャスター(4a,4b)の符号は同じにしてある。
図24は、通常の状態、すなわち、キャスターロック状態の図で、ノック部材531が分岐ワイヤー33の弛緩、コイルバネ567によりスライダーカム56が図の左側に移動し、ノック部53が上方に上がった状態の図、
図24(a)は車輪ロック機構5の横断面図で、
図24(b)は
図24(a)の側断面図である。
また、
図25は、車輪ロック機構の歯部542を内歯車45から離反させると同時に、旋回ロック機構の旋回阻止歯部546の二股歯5461を固定歯車518(
図27・28参照)から直角方向に離反させた双輪キャスター4のロック解除状態の図で、スライダーカム56が分岐ワイヤー33により引っ張られ、コイルバネ567の引張力に抗してスライダーカム56が図の右側に移動し、ノック部53が下方に降下した状態の図で、キャスター内部の押圧バネ543に抗して、歯部542が下がった状態の図、即ち、双輪キャスター4のロック解除状態の図である。
なお、大径双輪キャスターの平面図は省略しているが、小径双輪キャスターの
図19、
図21と同じで、構成も説明も同じである。
【0043】
小径双輪キャスター(4a,4b)の車輪ロック機構との最も異なる構成は、
図24に示すように、双輪キャスター4の旋回ロック機構を付加している点であり、その機構はキャスター付き枠体(取付枠体)132側のキャスター取付金具55に固定される旋回支持部52の下端に、
図26乃至
図28に示されるような固定歯車518を固着した点であり、また、この固定歯車518に対向して、旋回するキャスター4のロック機構枠体51側の車輪歯噛合ロック部54に旋回阻止部546の二股歯5461を設けた点である。
図28に示すように、車輪歯噛合ロック部54の基部541における下部水平部5411の形状は、小径双輪キャスター(4a,4b)の場合とは若干異なり、下部水平部5411を短くし、その先端に旋回阻止歯部546の水平基部5462を溶接して、旋回阻止歯部546の水平基部5462の上面で、対向するノック部材531の下部先端部533を受けるように構成されている。
旋回阻止歯部546は、
図26に示すように、水平基部5462の溶接側の端部が直角に立ち上がる二股歯5461が設けられている。この歯部5181は二股の歯で固定歯車518の歯部5181の歯間に嵌合するように設けられている。
固定歯車518は、
図27に示すように、本実施例では8本の歯部5181が放射状に設けられ、中心孔5182は旋回支持部52の軸を回動しないようにロック状の孔としている。
【0044】
[旋回ロック状態]
先ず、旋回ロック状態を
図24、
図28に沿って説明する。
図10(
図1,2,3,6)での末端操作部2のハンドル21を下げた状態では、すなわち通常の状態では、インナーワイヤー312が弛緩すると、インナーワイヤー332も弛緩し、更に、ノック部材531はコイルバネ567によりスライダーカム56が図での左側に移動し、ノック部53が上方に上がった状態で、ノック部材531も上昇し、それに伴い車輪歯噛合ロック部54が上昇し、基部541上の旋回阻止部546の二股歯5461も上昇し、この二股歯5461が、枠体132側の旋回支持部52の下端に固定された固定歯車518のいずれかの歯部5181に嵌合して、車輪歯噛合ロック部54及びロック機構枠体51の旋回を阻止する。この場合に車輪歯噛合ロック部54は常に第1の押圧バネ543によって押し上げるように作用しているが、旋回阻止歯部546の二股歯5461の嵌合をより確実にするために、第2の押圧バネ547を水平基部5462の底部に設けて、車輪歯噛合ロック部54を常に押し上げている。
こうして、ベッドサイドテーブル1がベッドD上に配置させた通常の状態では、双輪キャスター4c,4dは、双輪キャスターの車輪ロック機構と旋回ロック機構とが働き、前述した双輪キャスター4a,4bの車輪ロック機構5が働くことと相俟って、強固にベッドサイドテーブル1を動かないように床に固定する。
【0045】
[旋回ロック解除状態]
次に、旋回ロック解除状態を
図25、
図28に沿って説明する。
図9での末端操作部2のハンドル21を上げてベッドサイドテーブル1を移動する際には、ハンドル21でインナーワイヤー312を引っ張り、スライダーカム56に接続するインナーワイヤー332も引っ張られると、ノック部材531はコイルバネ567に抗してスライダーカム56が図で右側に移動し、ノック部材531も下降し、それに伴い車輪歯噛合ロック部54が下降し、基部541上の旋回阻止部546の二股歯5461も下降し、この二股歯5461が、枠体132側の旋回支持部52の下端に固定された固定歯車518が歯部5181から離反して、車輪歯噛合ロック部54の旋回ロック機構のロックが解除され、双輪キャスター4c,4dは取り付け枠体132(
図1,2,3参照)に対して自由に旋回できるようになる。
こうして、ベッドサイドテーブル1がベッドD上を移動する状態では、双輪キャスター4c,4dは、双輪キャスターの車輪ロック機構はロック解除状態となり、旋回ロック機構もロック解除状態として働き、前述した双輪キャスター4a,4bの車輪ロック機構5で車輪がロック解除されることと相俟って、ベッドサイドテーブル1の移動が可能となる。
【0046】
本実施例は以上の説明したような構成であるので、一回の操作でベッドサイドテーブル1の全てのキャスター4をロック状態及び解除状態にでき、従来のように各キャスター毎にロックをする必要がなく、特に、忙しい看護師や使用者の労力を軽減すことができ、テーブル部11上にキャスター操作部2を設けたので、ベッド使用者の患者等がベッドにいても手の届く範囲に配置でき、患者や看護師が簡単に操作出来る。さらに、キャスター操作部2がテーブル部11にあるので双輪キャスター4のロック状態及び解除状態を一目で確認できる。
また、ロック解除状態ではハンドル21を上方に引き上げて突出するようにしたので、通常の押圧する操作と異なり、誤って、キャスターのロック状態及び解除状態とすることがなく、かつ、従来のようにペダルを上にあげる操作や直接上に引っ張る操作が無く、無理のない操作でベッドサイドテーブル1のキャスターを固定及び解除できる。また、解除維持機構22の解除ボタン23を操作しなければならないことにより、誤って使用者である患者や付添人などが双輪キャスターのロック解除の操作を行ってしまうということもない。
【0047】
そして、使用者は安全を確認したうえで、テーブル部11上の所定位置に使用者が掴まることが容易なグリップやハンドルのような把持部16が配置されているので、食事等の際に、この把持部16を利用して使用者自ら上半身を起こしたり、立ち上がる際の助けとすることができる。また、使用者が把持部16に掴まり、テーブルが多少揺れて容器から液体が溢れてこぼれても、テーブル部11の縁部111の全周を高くしてあるので(
図5(b)のh3を参照)、テーブルから液垂れすることがない。
【0048】
また、解除ボタン23が下降して平坦な場合には双輪キャスターがロック状態にあることになり、安心して、ベッドサイドテーブル1として配置し使用することができ、双輪キャスター4が解除されている危険な状態では、解除ボタン23が突出していて、また、ハンドル21も突出した状態にあるので、ベッドサイドテーブル1から離れていても双輪キャスター4の解除状態を一目で確認でき、ベッドサイドテーブル1が移動可能な不安定な状態であることを、注意喚起することができる。このように、危険表示としてハンドルに加えて、解除ボタン23をキャスターの解除状態を表示する機能とすることで、二重の危険防止表示となる。勿論、この状態では、使用者が把持部16に掴まることは禁止される。
更に、操作部をベッドサイドテーブル1の縁部111にキャスター操作部2を設けたことで、上方位置の高さになり床面の双輪キャスター4を固定する際に看護師等が中腰になり床へ手を伸ばす必要もなく操作できる。
また、ハンドル21の先端部21aを収納するハンドル先端カバー26を設けたので、ハンドル21の先端部21aが露出することがなく、病人やベッド使用者や看護師の衣服の一部を先端部21aに引っ掛けることがなく、思わぬ事故を防止することができる。
【0049】
更に、操作伝達ワイヤー30を用いた操作伝達機構3としたので、これまでのリンク機構の組み合わせと異なり、構造も簡単で制作費も安価で、部品点数が少ないことから保守も容易になり、1本の操作ワイヤー31を4本に分岐して用いているので、極めて簡単な構成で4個のキャスターを同時に正確にロック状態及び解除状態にでき、ワイヤー分岐機構の小型で高さも薄くできるので、小さなスペースがあればよく、本実施例のように脚部13の内側や、他にもテーブル支柱部12の内部や、ベッドサイドテーブル1の中空部112に配置できる。
また、テーブル部11の下降に伴う操作ワイヤー31の弛緩を吸収するために大きなスペースを必要とするが、このための操作ワイヤー31の収納部(貯留部)をテーブルの中空部112に設けたので、全体としてコンパクトになり、デザイン的にも制約がなくスッキリとしたデザインが可能となる。
【0050】
また、テーブル支柱部にワイヤー案内部となる伸縮パイプ15を設けたので、テーブル部11の昇降に伴う操作ワイヤー31がテーブル支持部122近辺で弛緩することがなく、また、外部に露出することもないので、絡まることがなく操作がスムースであり、スッキリとしたデザインが可能となる。
更に、キャスター操作部からの1本の操作ワイヤー31を4本の分岐ワイヤー33に分岐して4個の前記車輪ロック機構5に接続し、前記1本の操作ワイヤー31のインナーワイヤーによる進退移動を、前記4本の分岐ワイヤー33のインナーワイヤーによる進退移動として伝達するようにしたので、複雑な機構を用いずに、全てのキャスターを同時にロック状態及び解除状態にできる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。