(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
巻取紙に印刷するための従来から知られる輪転機や近年使用し始められているデジタル印刷機においては、印刷部で印刷した一枚乃至複数枚のウェブを折装置で折り畳んで折丁の形で排紙することが行われている。この折り畳み方式には多様な種類があるが、この種の折装置の一例として、新聞用輪転機では、折ブレードを装備した折胴と、フォルディングローラーと呼ばれる折込みローラーとを組み合わせてウェブを折り畳む方式が一般的に多用されている。この折装置の概略構造について以下に説明する。
【0003】
輪転機やデジタル印刷機で印刷されたウェブは、ドラッグローラーによって折装置に導かれ、三角形状のフォーマー及びその下部に設けられた一対のフォーミングローラーによってウェブの進行方向に対して平行に二つ折り(縦折り)され、縦折りウェブとなる。この縦折りウェブは、縦折り目側(袋側)と縦折り開き端側(ペラ側)から構成され、フォーミングローラーの下部に設けられたニッピングローラーに差し込まれ、折胴及び鋸胴の間へと送り込まれる。
【0004】
鋸胴には、鋸台に支持された鋸刃が組み込まれており、折胴及び鋸胴の対向回転作動によって、折胴の外周面に設けられた鋸刃受との間で、縦折りウェブを進行方向に一定ピッチで切断する。
【0005】
折胴には、鋸刃を受ける部材として、ゴム等の弾力性のある材質で形成された一対の鋸刃受と、縦折りウェブの切断位置の進行方向直上流の位置に突き刺して縦折りウェブを移送するための針と、鋸刃で切断された縦折りウェブを折胴の定まった回転位相位置で折るための折ブレードが設けられている。
【0006】
鋸胴が縦折りウェブを切断する前に、針で切断位置の進行方向直上流の位置を突き刺し、切断された端部を進行方向の下流側とする縦折りウェブは、針で保持されたまま折胴の外周面に沿って移送され、次の鋸胴の切断作動によって、進行方向の上流側を一定の長さに切断され、切断された縦折りウェブとなる。そして、切断された縦折りウェブの略中央になる位置に、折胴の外周面から折ブレードが突出し、同時に切断された縦折りウェブの進行方向の下流側を保持していた針が折胴の外周面に没入する。この折ブレードは切断された縦折りウェブの中央相当位置を一対の折込みローラー間に差し込むように位相調整されている。
【0007】
この切断された縦折りウェブは、前述したようにその中央相当位置を一対の折込みローラーの間に差し込まれ、四つ折り状態となった折丁となり、下流側へと送り出され、ファンを介して搬送ベルト上に所定のピッチでラップした状態に整列され、機外へと排紙される。そして、折装置とは別に設けられた搬送装置によって後工程へと運ばれる。
【0008】
このような従来の折装置を用いてウェブを折り畳んで折丁にする際、中央相当位置を一対の折込みローラーの間に差し込まれ、下流側へと送り出されていく切断された縦折りウェブは、印刷速度が速くなる程、バタツキが起こりやすくなることが分かっていた。このバタツキによる波打ちなどの不安定な挙動が、一対の折込みローラー間を通過する直前の切断された縦折りウェブの上流側及び下流側の端部にメクレや折れなどを発生させ、所謂、メクレ、シワ、耳折れ(端折れ)、段折れ、ラップ曲がりなどの不具合を起こしていた。
【0009】
そのため、このような不具合を防止するために一対の折込みローラー間の下方からエアーを吹き付けたり、折込みローラー近傍にサクションガイド等を設けて切断された縦折りウェブの上流側の端部を吸引したりする対策がとられていた(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載された折装置は、上述した不具合の発生を防いでいるが、折丁の厚さが変化した場合の対応及び保守の点で、次のような問題があった。
【0012】
例えば折丁の一形態をなす新聞は、その発行対象に応じて用紙及びページ建てが異なっている。具体的には、日刊紙は約30ページから48ページ程度と枚数が嵩むが、スポット的に発行される号外の類は2ページから4ページ程度である。また、地域の生活情報誌の類は約12ページ程度である。このように、新聞の種類によって、ページ建てが異なり、折丁全体としての厚さに違いが生じる。これに加えて同じページ数であっても使用する新聞用紙の1平方メートル当たりの重量(坪量)に応じて折丁全体としての厚さが異なってくる。
【0013】
一方、折装置の稼働率を高めて生産効率を向上させることで折丁の作成コストの低減を図るために、1つの折装置によって上述した様々な厚さの折丁に対応する必要性が生じている。このような要求に応じるにあたっては一対の折込みローラー相互の間隔を調整すればよいが、例えば特許文献1に記載された折装置は、上述したように一対の折込みローラー間の下側から切断された縦折りウェブにエアーを吹き付けるエアーノズルが固定された構成となっている。そのため、折丁の厚さに応じて一対の折込みローラー相互の間隔を調整するごとにエアーの吹き付け位置も同時に正確に調整することが困難であった。
【0014】
この調整を正確に行わないと、ウェブの印刷速度が速くなる程、折装置による折り畳み作動の際に切断された縦折りウェブに不安定な挙動が発生するのを防止できなくなり、切断された縦折りウェブのバタツキが依然として生じてしまい、これによって切断された縦折りウェブが一対の折込みローラー間を通過する直前の切断された縦折りウェブの上流側及び下流側の端部にメクレや折れなどを発生させ、所謂、メクレ、シワ、耳折れ(端折れ)、段折れ、ラップ曲がりなどの不具合を起こす。
【0015】
特に、特許文献1の
図1に示す構成によると、エアーノズルが切断された縦折りウェブに接しているため、これをかなり正確に位置決めしなければ、厚さを変更した後に高速で送り出される切断された縦折りウェブにエアーノズルが強く接してしまい、折丁に傷がついたり、印刷汚れ等が生じたりしてしまう虞がある。
【0016】
更には、特許文献1の
図11においては、サクションガイドを備えてこの吸引力を介して切断された縦折りウェブの上流側をサクションガイドに吸引させ、これにより切断された縦折りウェブの上流側のバタツキを防止しようとしている。しかしながら、このような多数の小径の吸引孔を有したサクションガイド上に沿って縦折りウェブを走行させると、多量の縦折りウェブを切断することによって生じる折装置内の紙粉がサクションガイドの吸引力によって吸引孔に詰まってしまったり、サクションガイドに切断された縦折りウェブを直接接触させながら走行させるため折丁に擦り傷がついたり、印刷直後のウェブ上でインキが乾かない状態でサクションガイドに接触しながら走行することで、印刷面の印刷汚れが生じる虞がある。
【0017】
また、特許文献1の
図13には、上記サクションガイドの代わりにベルヌーイ噴流式エアボックスを利用して切断された縦折りウェブの上流側を吸引しながら走行させるガイドが開示されているが、このようなガイドであっても上記サクションガイドと同様の問題が生じる。
【0018】
以上のような好ましくない状態となったことに折装置の操作者がしばらく気付かないと、ウェブが高速で送り出されていることに起因して極めて多量の折丁の不具合品が発生してしまい、合格品としての折丁を再び多数作成しなければならず、その後の製品(折丁)の生産スケジュールに悪影響を与えてしまう。
【0019】
本発明の目的は、縦折りウェブを折胴及び鋸胴の対向回転作動によって切断して、切断された縦折りウェブを一対の折込みローラー間に差し込むことによって折丁にする際にメクレ、シワ、耳折れ(端折れ)、段折れ、ラップ曲がりなどが生じない折丁を作成することが可能な折装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述の課題を解決するために本発明の請求項1に係る折装置は、
折胴と鋸胴に切断され前記折胴に接触した状態のウェブが、前記折胴より突出した折ブレードによって一対の折込みローラー間に差し込まれて折丁になる折装置において、
前記ウェブは、フォーマー及びフォーミングローラーによって当該ウェブの進行方向に対して平行に縦折りされ、縦折りウェブとなった状態で、前記折胴の一方の端部側に前記縦折りウェブの縦折り開き端側が位置すると共に他方の端部側に前記縦折りウェブの縦折り目側が位置するように前記折胴と前記鋸胴の間に引き込まれるようになっており、
前記折装置は、エアーブロー装置を備え、
前記エアーブロー装置は、前記縦折りウェブの高速の送り動作の過程において、切断された縦折りウェブが折胴から離間する際に生じるバタツキを防止するように、前記折胴に接触した状態にある前記縦折りウェブであっ
て前記鋸胴の切断位置から前記一対の折込みローラー間に差し込まれるまでの位置にある前記縦折りウェブ
を前記折胴に押し付ける
ためのエアーを
前記折装置によって作成される折丁の厚さの違いや前記縦折りウェブ1枚当たりの坪量の違いの如何に関わらず予め固定された位置から前記折胴
の回転中心軸線方向に向かって吹き付ける
ようになっていることを特徴としている。
【0021】
請求項1に係る折装置がこのような構成を有することで、従来技術のように折丁の厚さの変化に応じて一対の折込みローラー間の間隔を変更する際に、これに伴って各折込みローラーの周面と折丁との対向面との間に吹き込ませるエアーの吹き出し位置の調整を行わなくて済む。即ち、本発明のようにエアーを折胴の外周面に向かって吹き付けることで、折胴と一対の折込みローラーによって折丁とさせる前の過程にある折胴に接した切断された縦折りウェブに対して、その縦折りウェブの厚さによらず常に一定のエアーを吹き付けることになる。その結果、縦折りウェブの切断後から折丁として折られるまでに折胴に接触した切断された縦折りウェブを折胴の外周面にしっかりと押し付けることができる。これによって、折胴と一対の折込みローラーによって折丁にされる初期段階から切断された縦折りウェブのバタツキ等を防止し、メクレやシワ、耳折れ(端折れ)、段折れ、ラップ曲がり等が生じた折丁が作成されるのを回避することができる。
【0022】
また、本発明の請求項2に係る折装置は、請求項1に係る折装置において、
前記エアーが前記ウェブに当たる位置は、前記エアーが少なくとも前記ウェブの縦折り開き端側であることを特徴としている。
【0023】
請求項2に係る折装置において、エアーをこのような位置に当てることで、縦折りウェブが切断された位置から折胴の外周面に接触した状態を経て、切断された縦折りウェブが折ブレードによって一対の折込みローラー間に差し込まれていく過程において、切断された縦折りウェブの縦折り開き端側のバタツキの発生を防止できる。つまり不具合品としての折丁を構成するメクレやシワ、耳折れ(端折れ)、段折れ、ラップ曲がり等の諸原因となる縦折りウェブのバタツキの発生を初期段階で効果的に抑えることができる。これによって、エアーブロー装置の構造を簡略化しつつ、本発明の十分な作用を発揮することができるようになる。
また、本発明の請求項3に係る折装置は、請求項1に記載の折装置において、
前記エアーブロー装置は、前記エアーを吹き出すための2つのエアーノズルを備え、前記エアーノズルは、前記縦折りウェブの縦折り開き端側と縦折り目端側に向かって前記折胴の回転中心軸線方向に対してそれぞれ等角度をなして互いに離間する方向に前記エアーを斜めに吹き出すようになっていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、縦折りウェブを折胴及び鋸胴の対向回転作動によって切断して、切断された縦折りウェブを一対の折込みローラー間に差し込むことによって折丁にする際にメクレ、シワ、耳折れ(端折れ)、段折れ、ラップ曲がりなどが生じない折丁を作成することが可能な折装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための幾つかの好適な実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、最初に各実施形態の前提となる折装置の一般的な構造について説明する。
図1は、本発明及び従来技術の折装置において共通する部分の概略構造を示す斜視図である。また、
図2は、本発明及び従来技術の折胴周辺において共通する部分の概略構造を示す断面図である。
【0027】
図1及び
図2に示すように、輪転機やデジタル印刷機(両者ここでは図示せず)で印刷されたウェブWoは、ドラッグローラー40によって折装置1に導かれ、三角形状のフォーマー50及びその下部に設けられた一対のフォーミングローラー60によってウェブWoの進行方向に対して平行に二つ折り(縦折り)され、縦折りウェブW(以下、適宜単に「ウェブW」とする)となる。この縦折りウェブWは、フォーミングローラー60の下部に設けられた一対のニッピングローラー70間に差し込まれ、鋸胴10及び折胴20の間へと送り込まれる。
【0028】
鋸胴10には、鋸台11に支持された鋸刃12が組み込まれており、鋸胴10及び折胴20の対向回転作動(
図2中矢印参照)によって、折胴20の外周面に設けられた鋸刃受22との間で、縦折りウェブWを進行方向に一定ピッチで切断する。
【0029】
折胴20には、鋸刃12を受ける部材として、ゴム等の弾力性のある材質で形成された一対の鋸刃受22と、縦折りウェブWの切断位置の進行方向直上流の位置に突き刺して縦折りウェブWを移送するための針23と、鋸刃12で切断された縦折りウェブWを折胴20の定まった回転位相位置で折るための折ブレード24が設けられている。
【0030】
鋸刃12が縦折りウェブWを切断する前に、針23で切断位置の進行方向直上流の位置を突き刺し、切断された端部を進行方向の下流側とする縦折りウェブWは、針23で保持されたまま折胴20の外周面に沿って移送され、次の鋸刃12の切断作動によって、進行方向の上流側を一定の長さに切断され、切断された縦折りウェブとなる。(以下、この一定ピッチで切断された各縦折りウェブを「切断された縦折りウェブWs」とする。)そして、切断された縦折りウェブWsの略中央になる位置に、折胴20の外周面から折ブレード24が突出し、同時に切断された縦折りウェブWsの進行方向の下流側を保持していた針23が折胴20の外周面に没入する。この折ブレード24は切断された縦折りウェブWsの中央相当位置を一対の折込みローラー30間に差し込むように位相調整されている。
【0031】
この切断された縦折りウェブWsは、前述したようにその中央相当位置を一対の折込みローラー30(31,32)の間に差し込まれ、本実施形態では四つ折り状態となった折丁Fとなり、下流側へと送り出され、ファン80を介して、図示していない搬送ベルト上に所定のピッチでラップした状態で整列され、機外へと排紙される。そして、折装置1とは別に設けられた図示しない搬送装置により、後工程へと運ばれる。
【0032】
なお、上述の構造において、切断された縦折りウェブWsの上流側後端が、後続の縦折りウェブWの下流側先端に追突されないように、一対の折込みローラー30(31,32)の外周速度は折胴20の外周速度よりも、通常10%程度速めになっている。
【0033】
続いて、第1の実施形態に係る折装置1における従来技術とは異なる構造について説明する。この第1の実施形態に係る折装置1は、従来とは全く異なる位置に配置されたエアーブロー装置100を備えている。
図3は、本発明の第1の実施形態をなす折装置とこれに備わるエアーブロー装置の側面図である。また、
図4は、
図3に示したエアーブロー装置の平面図である。なお、
図3において鋸胴と折胴の詳細構造は図示省略している。
【0034】
このエアーブロー装置100は、エアー供給部(図示せず)及びエアー圧を修正するレギュレーター150を介してエアー供給部に接続され一部に水平延在部111を有するエアーパイプ110とからなり、水平延在部111は、鋸胴10及び折胴20の対向部(両者の間隔が最も狭くなっている部分)の下方近傍に位置している。エアーパイプ110の水平延在部111は、その延在方向が長手方向全体に亘って折胴20の折胴中心軸線20c(
図3参照)と平行となるように折込みローラー31の一方の端部31a(
図4参照)から他方の端部31bに亘って延在した状態で配置されている。そして、このエアーパイプ110には、折込みローラー31の一方の端部31a側から水平延在部111の延在方向一部に亘って多数の小径のエアー噴出孔111aが設けられている。エアーパイプ110の水平延在部111は、支持ブラケット131によってペーパーガイド用ブラケット130に固定されている。
【0035】
なお、折込みローラー31,32の一方の端部31a,32aには切断された縦折りウェブWsの縦折り開き端側(ペラ側)Wsoが位置すると共に、他方の端部31b,32bには切断された縦折りウェブWsの縦折り目側(袋側)Wscが位置するようになっている。
【0036】
エアーパイプ110の水平延在部111に備わったエアー噴出孔111aの形成位置は、エアー噴出孔111aから吹き出されたエアーが折胴20に接触している切断された縦折りウェブWsの上流側後端の主にペラ側に吹き付けられる位置である。また、エアー噴出孔111aは、噴出したエアーが折胴20の外周面に向かって吹き出されるように配置されている(
図3の二点鎖線で示す矢印参照)。これによって、このエアー噴出孔111aからエアーが折胴20の外周面に向かって吹き出され、鋸胴10によって切断された縦折りウェブWsであって折胴20に接した状態にある切断された縦折りウェブWsの特にペラ側Wsoにエアーが吹き付けられるようになっている。
【0037】
その結果、鋸胴10の切断位置から一対の折込みローラー30間に差し込まれるまでの位置にある切断された縦折りウェブWsの内、袋側Wscに比べて腰が弱く不具合が発生しやすいペラ側Wsoを折胴20の外周面にしっかりと押し付けることができる。
【0038】
レギュレーター150は、エアー噴出孔111aから吹き出されるエアーの一般的な圧力調整を行うためのものであるが、本実施形態においては吹き出すエアーの量を大まかに設定するのに使用するのみで、折丁Fの厚さに応じて厳密に調整する必要は無い。
【0039】
なお、エアー噴出孔111aからは、折装置1の作動中、エアーが常時吹き出されるようになっている。
【0040】
続いて、第1の実施形態に係る折装置1の作用について説明する。この作用を説明する前に上述の解決すべき課題の欄で述べた折丁Fの様々な不具合品について具体的に説明する。
図5は、これらの不具合品を分かり易く説明した説明図である。
【0041】
図5(a)は、新聞折丁の第1の不具合状態をなす天側メクレの一例を示している。また、
図5(b)は、新聞折丁の第2の不具合状態をなす天側シワの一例を示している。また、
図5(c)は、新聞折丁の第3の不具合状態をなす天側耳折れ(端折れ)の一例を示している。また、
図5(d)は、新聞折丁の第4の不具合状態をなす天側段折れの一例を示している。また、
図5(e)は、新聞折丁の第5の不具合状態をなす終面ジワの一例を示している。また、
図5(f)は、新聞折丁の第6の不具合状態をなす地側メクレの一例を示している。また、
図5(g)は、新聞折丁の第7の不具合状態をなす地側シワの一例を示している。また、
図5(h)は、新聞折丁の第8の不具合状態をなす地側段折れの一例を示している。また、
図5(i)は、新聞折丁の第9の不具合状態をなすラップ曲がりの一例を示している。また、
図5(j)は、新聞折丁の理想の状態を示している。
【0042】
このような折丁Fの不具合の発生を防止するために、鋸胴10によって切断された縦折りウェブWsであって、折胴20の外周面に接触した切断された縦折りウェブWsが折胴20の折ブレード24によって折胴外周面から徐々に離間され一対の折込みローラー30(31,32)間に差し込まれていく過程において、切断された縦折りウェブWsの送り動作を常に一定の状態に保つことが、切断された縦折りウェブWsのバタツキを防止する観点から最も重要であることを、本出願の発明者は発見した。
【0043】
つまり、従来技術で説明したような折込みローラーの下方からエアーを吹き付けたのでは、折胴20から離間した直後に既にバタツキが生じた状態で送り出される切断された縦折りウェブWsのそのバタツキを再度収束させることが必要になるが、このような一旦発生したバタツキを再度収束させるのは実際上かなり難しいと考えられる。
【0044】
特に上述の実施形態のように折丁Fが新聞の形態をなす場合、ウェブWは、輪転機から折装置1に約10m/secの高速で送り出される。このようなウェブWの高速の送り動作の過程において、切断された縦折りウェブWsが折胴20から離間する際に僅かでもバタついたりすると、このバタツキをその直後に極めて短時間で押さえることは極めて難しくなり、上述したような折丁Fの様々な不具合品を発生させてしまう。
【0045】
一方、本実施形態では、上述したような位置にエアーブロー装置100が備わり、エアーを折胴20の外周面に向かって吹き出させているので、高速で送り出される切断された縦折りウェブWsが折胴20から僅かに離間し始める際においても、安定させた状態を維持しながら切断された縦折りウェブWsを折胴20から連続的に離間させることができ、その時点での切断された縦折りウェブWsの特にペラ側Wsoのバタツキが生じることがなくなる。即ち、上述した様々な不具合の諸原因となる切断された縦折りウェブWsのバタツキの発生を未然に防ぐことで、上述した折丁Fの様々な不具合が発生しないようになっている。
【0046】
また、折丁Fの厚さの違い(折丁Fに折られる前の縦折りウェブWの枚数に起因する折丁Fの厚さの違いや縦折りウェブWの枚数が同じであっても縦折りウェブ1枚当たりの坪量が異なることによる折丁Fの厚さの違い)に応じて一対の折込みローラーの間隔を変更する場合にも従来技術に比べて本実施形態の方が明らかに優位である。
【0047】
その理由は、従来技術に関する折装置によると、それぞれの折込みローラーの周面とこれに対向する折丁Fの左右の表面との間に形成される隙間の位置の変化に応じてこの隙間にエアーを吹き込ませるためのエアーパイプのエアー噴出孔にあたる噴射ノズルの位置も微妙に調整しなければならない。このような調整にあたって、例えばリニアガイドとボールスプラインとの組み合わせによるノズル移動機構を採用していると、これらの機械的構成部品に必ず必要とされる遊び(ガタ)の影響を受けてノズルが移動後に完全に固定されずにこの機械的ガタの影響を受けてしまう。
【0048】
このような機械的ガタに起因して、エアーパイプにエアーを供給し続けると、一部に曲がり部を有するエアーパイプ内のエアーに脈動が生じ、この機械的ガタと相伴ってエアーパイプのノズル部が振動してしまう虞もある。そのような現象が生じると、エアーパイプのエアー噴出孔にあたる噴射ノズルが振動してしまう。これに伴い、折込みローラーの下方から吹き出されるエアーの向きも微妙に変化してしまう。エアー噴出孔は折込みローラーの下方に位置し、折込みローラーの上方から折ブレードを介して差し込まれてくる切断された縦折りウェブWsまでの距離がかなりあるため、このようなエアーの噴出方向の乱れによって切断された縦折りウェブWsのバタツキをうまく抑えられなくなる虞がある。その結果、上述したような様々な不具合が生じた折丁Fが作成されてしまうことになる。
【0049】
一方、本実施形態に係る折装置1のエアーブロー装置100は、支持ブラケット131を介してペーパーガイド用ブラケット130にしっかりと固定され、エアーブロー装置100から吹き出されるエアーは折胴20の外周面に向かって常に吹き付けられるようになっているので、折丁Fの厚さの変化に応じて各折込みローラー31,32の間隔を変えた場合であっても、上述のような不具合を生じさせることがない。
【0050】
また、従来技術の例で挙げたエアー供給装置のような移動機構によると、折丁Fの厚さが変更されるごとにエアー供給装置の位置決め調整を行わなければならない。そのため、このような調整作業に熟練していない作業者が調整作業を行うと、切断された縦折りウェブWsのバタツキの発生をうまく抑えることができず、不具合品の折丁Fを大量に発生させてしまう虞がある。また、輪転機の稼働効率を高めるために単一の輪転機で様々な厚さの折丁Fを無駄のない生産スケジュールで作成しようとする場合、エアー供給装置の位置決め調整作業を迅速に行わないと、折丁Fを予め決められた時間内で作成できなくなる。このような事態は、その後に配送すべき時間が厳密に決められている新聞などの遅配等、重大な問題を招く虞がある。
【0051】
しかしながら、本実施形態による折装置1によると、このようなエアーブロー装置の位置決め調整作業を必要としないので、上述したような問題が生じることがない。また、エアーブロー装置100のエアーパイプ110が折装置1に常時固定され、従来技術の例で挙げたような駆動機構を有さないので、定期的な点検等を必要とせず、メンテナンスフリーとなっている。
【0052】
続いて、本発明の第2の実施形態に係る折装置について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態としての折装置に備わるエアーブロー装置の側面図である。また、
図7は、
図6に示したエアーブロー装置の平面図である。なお、第1の実施形態に係る折装置と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
【0053】
第2の実施形態に係る折装置2は、第1の実施形態に係る折装置1と異なり、第1の実施形態の折装置1に備わったエアーパイプ110と同等の第1のエアーパイプ210の水平延在部211に平行して更なるエアーパイプ220の水平延在部221を備えている。第1の実施形態と同等の構成を有する第1のエアーパイプ(
図6中左側のエアーパイプ)210の水平延在部211は、第1の実施形態と同等の第1の支持ブラケット231によってペーパーガイド用ブラケット130に固定されている。また、第1のエアーパイプ210の水平延在部211には第1の実施形態と同等の位置にエアー噴出孔211aが形成されている。
【0054】
一方、第2のエアーパイプ220の水平延在部221は、第1のエアーパイプ210の水平延在部211と平行しかつこれよりも高さ方向で見て若干低くかつ折込みローラー31の近傍に延在するように配置されている。第2のエアーパイプ220の水平延在部221も折込みローラー31の両端近傍において第2の支持ブラケット232によってペーパーガイド用ブラケット130に固定されている。そして、第2のエアーパイプ220の水平延在部221には、
図7及び
図10(b)に示すように、対応する折込みローラー31の一方の端部31aから他方の端部31bに亘ってエアー噴出孔221aが所定の間隔隔てて多数形成されている。なお、水平延在部221のエアー噴出孔221aは、水平延在部211のエアー噴出孔211aと同様に、この噴出孔221aから吹き出されるエアーが折胴20の外周面に向かうように形成されている。
【0055】
このような構成によって、第1の実施形態と同等もしくはそれ以上の作用を発揮することが可能である。即ち、以上の構成に基づき、第1のエアーパイプ210の水平延在部211のエアー噴出孔211aから吹き出したエアーは、鋸胴10によって切断され折胴20の外周面に接触した状態で折胴20から折ブレード24によって一対の折込みローラー30間に差し込まれていく切断された縦折りウェブWsのペラ側Wsoに主に吹き付けられる。そして、この部分を折胴20の外周面に押し付けることで、このペラ側Wsoのバタツキの発生を防止する。また、第2のエアーパイプ220の水平延在部221のエアー噴出孔221aから吹き出したエアーは、上述した切断された縦折りウェブWsのペラ側Wsoから袋側Wscの全体に亘って吹き付けられ、切断された縦折りウェブWsの幅方向全体のバタツキの発生を防止し、折丁Fのラップ曲がり等の発生を防止する。
【0056】
なお、作成する折丁Fの厚さに応じて第1のエアーパイプ210のみを使用してエアーを吹き出させたり、第
1及び第2のエアーパイプ210,220の双方を使用してエアーを吹き出させたりすることも可能である。
【0057】
続いて、本発明の第3の実施形態に係る折装置3について説明する。
図8は、第3の実施形態としての折装置3に備わるエアーブロー装置の側面図である。また、
図9は、
図8に示したエアーブロー装置の平面図である。以下、第1の実施形態に係る折装置1と同等の構成については、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。なお、第3の実施形態に係る折装置3は、折胴20と鋸胴10の中心軸線の高さが互いに異なっているが、これら折胴20と鋸胴10が第1及び第2の実施形態のように平行であっても本実施形態に適用可能である。
【0058】
第3の実施形態に係る折装置3のエアーブロー装置300は、第1及び第2の実施形態に係るエアーブロー装置100,200とは異なり、折込みローラー31の一方の端部31aから他方の端部31b側に向かってそれ自体小径のエアー噴出孔を有さないエアーパイプ310の水平延在部311が折胴20の折胴中心軸線20cと平行に延在している。そして、水平延在部311には、折込みローラー31の一方の端部31aから一定距離隔てた位置にペラ側エアーノズル312が突出して備わると共に、水平延在部311の先端近傍が折込みローラー31の他端31b近傍において折曲して開放され、この部分において袋側エアーノズル313を構成している。エアーパイプ310の水平延在部311は、第1及び第2の実施形態と同等に支持ブラケット331によってペーパーガイド用ブラケット130に固定されている。
【0059】
ペラ側エアーノズル312は、このノズルから吹き出したエアーが上述の第2の実施形態と同様に折胴20の外周面に向くように配置され、切断された縦折りウェブWsのペラ側Wsoを折胴20にしっかりと押し付けるようになっている。また、袋側エアーノズル313は、ペラ側エアーノズル312と同様に配置され、このエアーノズル313から吹き出したエアーが切断された縦折りウェブWsの袋側Wscを折胴20の外周面に押し付けるようになっている。
【0060】
上述した第3の実施形態に係る折装置3によっても、鋸胴10によって切断され折胴20の折ブレード24を介して一対の折込みローラー30間に差し込まれるに至るまでの過程で、切断された縦折りウェブWsのペラ側Wsoと袋側Wscにエアーを常に吹き付けることができるので、切断された縦折りウェブWsが折胴20の外周面から離れる際の挙動を安定化させることができる。これによって、ペラ側Wsoのバタツキのみならず袋側Wscの送り出しについても安定した状態を保つことができ、本発明の作用を十分に発揮することができる。
【0061】
なお、上述した実施形態に係る折装置1,2,3のエアーブロー装置100,200,300は、上記説明から明らかなように、エアー噴出孔に関する111a,211a,221aやペラ側エアーノズル312、袋側エアーノズル313に関する特別な移動機構等を有さず、折装置のペーパーガイド用ブラケット130に簡単に固定できる単純な構成を有しているので、このような装置を有さない既存の折装置にも低コストで簡単に後付けすることが可能となる。その結果、折装置の稼働スケジュールに支障をきたすことなくエアーブロー装置100,200,300を取り付けることができると共に、このエアーブロー装置100,200,300が取り付けられた折装置1,2,3によって作成される折丁の品質を格段に高めることができる。
【0062】
以上説明したように、本発明によると、折胴から一対の折込みローラー間に差し込まれるまでの位置にある切断された縦折りウェブの、少なくともペラ側(縦折りウェブの縦折り開き端側)か、もしくは幅方向全体にエアーを吹き付け、エアーの力を利用して切断された縦折りウェブのバタツキや波打ちを抑制させるようにしたエアーブロー装置を折胴下に設置している。
【0063】
さらに、折胴下
のエアーブロー装置
として、上述したよう
にペラ側(縦折りウェブの縦折り開き端側)のみのエアー吹き付け乃至幅方向全体へのエアー吹き付けや、ペラ側(縦折りウェブの縦折り開き端側)及び袋側(縦折りウェブの縦折り目側)に個別のエアーブローを設ける方法や、幅方向全体をエアー吹き付け可能なエアーブローのエアーパイプを1本乃至2本設けるなど、各折装置の型に適したバージョンを設け、適宜、最適なものを配置し、エアー圧はレギュレーターにて、適宜の圧で使用する。
【0064】
これによって、上述したように従来技術によって生じる虞のあった折丁の不具合の発生を確実に防止できる。即ち、従来技術では一対の折込みローラー間の隙間調整や、折込みローラー上のペーパーガイドなどで切断された縦折りウェブのバタツキに対応していたが、各々の部品同士の空間及び隙間があり、該空間での切断された縦折りウェブの動きを規制することが困難であり、折丁の不具合の解消には至らなかったが、本発明によるとこれらの問題をすべて解決することができる。
【0065】
なお、上述の第1の実施形態に係るエアー噴出孔111aは、一本のエアーパイプ110に対して折込みローラー31の一方の端部31a(折胴20及び一対の折込みローラー30間に差し込まれていく切断された縦折りウェブWsのペラ側Wso)から折込みローラー31の長手方向の他方の端部31bに向かって中央部付近まで等間隔で形成されているが、この代わりに
図10の(b)に示すように、ペラ側Wso端部から袋側Wsc端部まで全体的に形成されていても良い。この場合、
図10(b)では、エアー噴出孔221aがペーパーガイドをよけるため、不連続に形成された形態をとっているが、これらの噴出孔を完全に連続した一定の間隔で形成しても良い。
【0066】
また、第2の実施形態では、第1のエアーパイプ210のエアー噴出孔211a(
図7左側の水平延在部211のエアー噴出孔211a)が
図10(a)に示す形態をなし、第2のエアーパイプ220のエアー噴出孔221a(
図7右側の水平延在部221のエアー噴出孔221a)が
図10(b)に示す形態をなしているが、少なくとも切断された縦折りウェブWsのペラ側Wsoにエアーが吹き付けられるようになっていれば良く、必ずしもこの組み合わせに限定される必要はない。即ち、例えば2本のエアーパイプのそれぞれに
図10(a)に示すエアーパイプを用いても良く、または2本のエアーパイプのそれぞれに
図10(b)に示すエアーパイプを用いても良く、もしくは
図7に示すエアーパイプの配列を左右逆にしても良い。
【0067】
また、上述の第1及び第2の実施形態においては、鋸胴10と折胴20が平行タイプをなしていたが、これに限らず第3の実施形態のように鋸胴10と折胴20の中心軸線の高さが互いに異なっていても構わない。
【0068】
また、上述の第1及び第2の実施形態に係るエアーパイプ110,210,220のエアー噴出孔111a,211a,221aの数、直径及び形成位置は、本発明の作用を発揮し得る範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。同様に、第3の実施形態に係るエアーパイプ310のペラ側及び袋側エアーノズル312,313の直径及び形成位置についても本発明の作用を発揮し得る範囲内において適宜寸法や形状を変更可能である。
【0069】
また、第3の実施形態においてエアーノズル312,313がそれぞれ折胴20の回転中心軸線に対して垂直方向に吹き出す代わりに、縦折ウェブWsのペラ側Wsoと袋側Wscの各端部側に向かって折銅20の回転中心軸線に対してそれぞれ等角度をなして互いに離間する方向に、斜めに吹き出しても良い。
【0070】
また、上述の各実施形態においては、折装置の上流側にウェブ印刷用の輪転機を備えた状態を前提として説明したが、本発明に係る折装置は、この輪転機の代わりにデジタル印刷機を備えた場合であっても適用可能であることは言うまでもない。
【0071】
また、上述の実施形態では、ウェブ(折丁)に新聞紙を用いた例を説明したが、本発明の作用を発揮できれば他の印刷物等についても本発明を適用可能であることは言うまでもない。
【課題】ウェブを鋸胴によって切断して折胴と折込みローラーによって折丁にする際にメクレ、シワ、耳折れ(端折れ)、段折れ、ラップ曲がりなどが生じない折丁を作成することが可能な折装置を提供する。
【解決手段】鋸胴10と折胴20によって切断された縦折りウェブWsが折胴20に接触した状態で折ブレードによって一対の折込みローラー30間に差し込まれて折丁になる折装置1において、折胴20に接した状態にある切断された縦折りウェブWsであって鋸胴10の切断位置から一対の折込みローラー30間に差し込まれるまでの位置にある切断された縦折りウェブWsを折胴20に押し付けるエアーを折胴20に向かって聞く吹き付けるエアーブロー装置100を備えている。