(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のプラズマディスプレイ用感圧接着剤組成物は、プラズマディスプレイの光学フィルターに用いられる感圧接着剤組成物であって、(A)分子内に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、(B)架橋剤、及び(C)該(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に対して屈折率の差が0.03以上であり平均粒径が1〜15μmである有機微粒子を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の感圧接着剤組成物に用いられる(A)成分である分子内に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、分子内に架橋性官能基を有する単量体と、所望により用いられる他の単量体との共重合体を好ましく挙げることができる。
ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル及びメタクリル酸の双方を包含するものである。
【0010】
また、分子内に架橋性官能基を有する単量体は、官能基として水酸基、カルボキシ基、アミノ基、アミド基の少なくとも1種を含むことが好ましく、具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等の(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸等が挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、所望により用いられる他の単量体としては、用いる分子内に架橋性官能基を有する単量体と共重合可能な化合物であれば特に制限はない。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸等のスチレン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体;ブタジエン、イソプレン等のジエン系単量体;ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等のビニルエーテル系単量体;1−ビニル−2−ピロリドン;等の一種又は二種以上が挙げられる。
【0011】
(A)成分として用いられる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。また、分子量としては、重量平均分子量で50万以上であるものが好ましい。この重量平均分子量が50万以上であると、被着体との密着性や接着耐久性が十分となり、浮きや剥がれ等が生じにくい。密着性及び接着耐久性等を考慮すると、この重量平均分子量は、60万〜220万のものが好ましく、特に70万〜200万のものが好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
【0012】
さらに、この分子内に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体において、分子内に架橋性官能基を有する単量体単位の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に対して、0.01〜10質量%の範囲が好ましい。この含有量が0.01質量%以上であると、後述する架橋剤との反応により、架橋が十分となり、耐久性が良好となる。一方、10質量%以下であると、架橋度が高くなりすぎることによる、被着体への貼合適性の低下がなく好ましい。耐久性と被着体への貼合適性等を考慮すると、この架橋性官能基を有する単量体単位のより好ましい含有量は0.05〜8.0質量%であり、特に0.2〜8.0質量%の範囲が好ましい。
本発明においては、この(A)成分の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
上記のエステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと分子内に架橋性官能基を有する単量体と所望により用いられる他の単量体とからなる重合性単量体を重合する方法は特に制限されず、例えば、アニオン重合法、カチオン重合法及びラジカル重合法等が挙げられる。これらのうち、簡便な操作で、収率よく目的とする(A)成分の分子内に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を得ることができることから、ラジカル重合法が好ましい。
上述の重合性単量体をラジカル重合法により重合させて、目的とする分子内に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を得る具体的な方法としては、例えば、重合性単量体及びラジカル重合開始剤を溶剤中に加え、重合用反応器中で60〜120℃、8〜24時間、撹拌することにより得られる。
【0014】
上述のラジカル重合開始剤としては、特に制限されず、例えば、過酸化水素、イソブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;過酸化水素−アスコルビン酸、過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸塩−亜硫酸水素ナトリウム等のレドックス開始剤等が挙げられる。上述のラジカル重合開始剤の内、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が好ましい。
ラジカル重合開始剤の添加量は、用いる重合性単量体100質量部に対して、通常0.05〜1質量部、好ましくは、0.1〜0.8質量部である。
【0015】
重合性単量体を重合する際に用いる溶剤としては、重合反応を阻害しないものであれば特に制限されない。例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類:ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;N,N'−ジメチルホルムアミド、N,N'−ジメチルアセタミド、ヘキサメチルリン酸ホスホロアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ε−カプロラクタム等のラクタム類;γ−ラクトン、δ−ラクトン等のラクトン類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;及びこれらの2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。これらの中でも、エステル類、ケトン類、芳香族炭化水素類、又はこれらの2種以上からなる混合溶媒の使用が好ましい。
重合性単量体を重合する際は、重合性単量体の濃度が、重合性単量体と溶剤の合計量に対して1〜60質量%の範囲であることが好ましい。
【0016】
本発明の感圧接着剤組成物においては、(A)成分である分子内に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に加えて、所望により、粘着性付与剤を配合しても良い。粘着性付与剤については特に制限はなく、従来粘着剤における粘着性付与剤として慣用されているものの中から、適宜選択して用いることができる。この粘着性付与剤としては、ロジン系樹脂(生ロジン、水添ロジン、ロジンエステル系)、キシレン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、エチレン/酢酸ビニル樹脂、さらにはスチレン−ブタジエンブロックポリマー、スチレン−イソプレンブロックポリマー、エチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー、塩化ビニル/酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ゴム等のエラストマー等が挙げられる。
【0017】
上述の粘着性付与剤の市販品の具体例としては、パインクリスタルKE−359[荒川化学工業社製]、スーパーエステルA−75[荒川化学工業社製]、スーパーエステルA−100[荒川化学工業社製]、スーパーエステルA−125[荒川化学工業社製]等のロジンエステル、ペンセルD125[荒川化学工業社製]、ペンセルD160[荒川化学工業社製]、リカタックPCJ[理化ファインテック社製]等の重合ロジンエステル、ニカノールHP−100[三菱ガス化学社製]、ニカノールHP−150[三菱ガス化学社製]、ニカノールH−80等のキシレン樹脂、YSポリスターT−115[ヤスハラケミカル社製]、マイテックG125[ヤスハラケミカル社製]等のテルペン−フェノール樹脂、FTR−6120[三井化学社製]、FTR−6100[三井化学社製]等の石油樹脂等がある。
これらの粘着性付与剤は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中でロジンエステル系が、粘着性付与効果等の面から好適である。
本発明の感圧接着剤組成物に所望により添加される粘着性付与剤の含有量に制限はなく、所望の粘着力を得るために適宜含有量を調整すればよい。粘着性付与剤の含有率は、(A)成分の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体及び粘着性付与剤の合計量に対して、0〜80質量%が好ましく、0〜40質量%が更に好ましい。
【0018】
次に、本発明の感圧接着剤組成物に含まれる(B)成分である架橋剤について説明する。(B)成分の架橋剤は、例えばポリイソシアナート化合物、金属キレート化合物、ポリエポキシ化合物、アジリジン系化合物等のポリイミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、金属アルコキシド、金属塩等が挙げられるが、ポリイソシアナート化合物及び/又は金属キレート化合物であることが好ましい。
【0019】
ここで、ポリイソシアナート化合物の例としては、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート等の芳香族ポリイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等の脂肪族ポリイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアナート等の脂環式ポリイソシアナート等、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体(例えば、キシリレンジイソシアナート系3官能アダクト体)等を挙げることができる。
また、金属キレート化合物としては、トリスエチルアセトアセテートアルミニウム、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、トリスアセチルアセトナトアルミニウム等の多価金属の配位化合物等が挙げられる。
【0020】
ポリエポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
ポリイミン化合物としては、N,N'−ジフェニルメタン−4,4'−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオナート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオナート、N,N'−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
【0021】
本発明においては、上記の架橋剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、架橋剤の種類にもよるが、(A)成分である分子内に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対し、通常0.01〜20質量部、好ましくは、0.1〜10質量部の範囲で選定される。
【0022】
本発明の感圧接着剤組成物に含まれる(C)成分である有機微粒子は、(A)成分の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体に対して屈折率の差が0.03以上であり、好ましくは、0.05以上であり、更に好ましくは0.07以上である。屈折率の差が0.03未満であると光拡散効果が低下し、モアレ現象を防止することが困難となる。なお、(A)成分の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と有機微粒子の屈折率の差は通常0.2以下である。更に、前記(C)成分である有機微粒子と(A)成分の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の比重の差は好ましくは0.5未満であり、更に好ましくは0.3未満であり、特に好ましくは0.2未満である。前記比重の差は0であっても構わない。前記比重の差を小さくすることにより、感圧接着剤組成物中における有機微粒子の分散状態を均一化することができ、その結果、モアレ現象の防止に優れた効果を発揮するプラズマディスプレイ用感圧接着剤組成物を得ることができる。
加えて、前記(C)成分である有機微粒子は、単分散性の微粒子であることが好ましい。単分散性の微粒子であることによって、均一に光を拡散できるからである。
また、有機微粒子の平均粒径は、1〜15μmであることが好ましく、2〜10μmであることが更に好ましく、3〜5μmであることが特に好ましい。平均粒径が1μm未満であると、有機微粒子の2次凝集が生じることがあり、15μmを超えると貼合時の密着性に悪影響を与える場合がある。
なお、平均粒径は、遠心沈降透過法で測定した値である。測定には遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所製、品名「CAPA−700」)を用い、有機微粒子1.2gとイソプロピルアルコール98.8gからなる液を十分に撹拌したものを測定用試料とした。
【0023】
(C)成分である有機微粒子の含有量は、(A)成分の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体及び所望により添加される粘着性付与剤からなる粘着性樹脂成分100質量部に対して好ましくは0.1〜3.0質量部、更に好ましくは0.1〜2.0質量部の範囲である。0.1質量部以上であれば、モアレ現象を防止する効果を奏することができ、3.0質量部以下であれば、感圧接着剤組成物の接着力を低下させないので好ましい。
【0024】
(C)成分の有機微粒子としては、例えばポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子等のポリオレフィン系樹脂粒子、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、アクリル系樹脂粒子等の高分子粒子が挙げられ、架橋された架橋高分子粒子、例えば架橋スチレン・ジビニルベンゼン共重合体粒子、架橋アクリル系樹脂粒子等であってもよい。更に、エチレン、プロピレン、スチレン、メタクリル酸メチル、ベンゾグアナミン、ホルムアルデヒド、メラミン、ブタジエン等から選ばれる2種以上が共重合されてなる共重合体からなる粒子を使用することもできる。
上述の(C)成分の有機微粒子の内、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体粒子(架橋スチレン・ジビニルベンゼン共重合体粒子も含める)が透明性が高く、且つ良好な光拡散性が得られるので好ましい。
スチレン・ジビニルベンゼン共重合体粒子は、市販されており、例えば、綜研化学(株)製、品名「SX−350H」等が好適に用いられる。
【0025】
本発明の感圧接着剤組成物は、所望により、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
【0026】
本発明の感圧接着剤組成物は、上述の(A)成分、(B)成分、(C)成分等の配合物を混合撹拌した後、ナイフコーター、ロールナイフコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター等の公知の塗工装置により、支持体又は剥離シート上に所望の厚さに塗工することにより、シート状に成形されたプラズマディスプレイ用粘着シートを得ることができる。
上記粘着シートの厚さは、通常、10〜50μmである。10μm以上であれば、十分な接着力が得られ、50μm以下であれば、光学フィルター端部から感圧接着剤組成物がはみ出すことや滲み出すことを好適に防止することができる。
【0027】
なお、本発明のプラズマディスプレイ用粘着シートに用いられる支持体としては、特に制限はなく、例えば、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン系樹脂、ポリノルボルネン系樹脂等の各種光学部品に用いられるシート状プラスチック材料の他、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリイミド等の樹脂フィルム、上質紙、コート紙、ラミネート紙等の紙、金属箔、織布、不織布、又はこれらの積層体が用いられる。このような支持体の厚さは、通常6〜300μm、好ましくは12〜200μmである。
【0028】
また、本発明のプラズマディスプレイ用粘着シートの支持体を設けた反対側の面には、通常、感圧接着剤組成物を保護するため剥離シートが積層される。剥離シートとしては、例えば前述した支持体より選択されるシート材料にシリコーン樹脂等の剥離処理が施されたものが使用される。更に、本発明の粘着シートは、上述の支持体を用いない形であってもよい。この場合、本発明の粘着シートは、その両面が剥離シートで保護された形状で使用される。剥離シートとしては、軽剥離型剥離フィルム及び/又は重剥離型剥離フィルムが適宜、必要に応じて用いられる。
【実施例】
【0029】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、有機微粒子の屈折率、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の屈折率、感圧接着剤組成物からなる粘着シートの全光線透過率(%)及びモアレ試験は、下記の方法に従って評価した。
<有機微粒子の屈折率>
スライドガラス上に有機微粒子を載せ、屈折率標準液を有機微粒子上に滴下し、カバーガラスを被せ、試料を作製した。該試料を顕微鏡で観察し、有機微粒子の輪郭が最も見難くなった屈折率標準液の屈折率を有機微粒子の屈折率とした。
<(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の屈折率>
JIS K7142−1996に準拠して、(株)アタゴ製アッベ屈折率計(Na光源、波長589nm)により測定した。
【0030】
<プラズマディスプレイ用粘着シートの全光線透過率(%)>
JIS K7105−1981に準拠し、積分球式光線透過率測定装置(日本電色社製、品名「NDH−2000」)を用いて測定した。
<プラズマディスプレイ用粘着シートのモアレ試験>
実施例及び比較例により作成した両面を剥離フィルムで覆われたプラズマディスプレイ用粘着シートは、軽剥離型剥離フィルム(リンテック(株)製、品名「SP−PET38 1031H(AF)」)を剥がし、粘着面を銅メッシュフィルムの銅メッシュ面に貼り合せた。次に、プラズマディスプレイ用粘着シートの他方の面を被覆している重剥離型剥離シート(リンテック(株)製、品名「SP−PET38T1O3−1」)を剥がし、前述のコントラスト向上フィルムに貼り合せることによりプラズマディスプレイ用積層体を得た。
前記プラズマディスプレイ用積層体は、裁断装置(萩野精機製作所製、品名「スーパーカッター:PN1−600」)を用いて、233mm×309mmサイズに調整し、銅メッシュフィルム側を蛍光灯(の逆側)に向け、該蛍光灯から30cmの距離に配置し、目視にてモアレを確認した。
モアレの測定は5人の被験者により行い、5人全員がモアレを生じていないと判断した場合を◎、5人中4人がモアレを生じていないと判断した場合を〇、5人中1〜3人がモアレを生じていないと判断した場合を△、5人全員がモアレを生じていると判断した揚合を×とした。
【0031】
なお、実施例1〜3及び比較例1で用いた銅メッシュフィルム及びコントラスト向上フィルムは、下記の通りである。
1.銅メッシュフィルム
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム〔東洋紡績(株)製、品名「コスモシャインA4100」〕と、片面を黒化処理した厚み10μmの銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、品番:BW−S〕とを準備した。ポリウレタン樹脂からなる接着剤〔武田薬品工業(株)製、タケラックA310(主剤)/タケネートA10(硬化剤)/酢酸エチル=12/1/21の質量比で混合〕にて、前記銅箔の黒化処理面とは反対側の表面と前記ポリエチレンテレフタレートフィルムとを貼合し、ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤層/銅箔の構成の積層体とした。
次に、得られた積層体の銅箔側に、カゼインを主成分とするレジスト溶液を塗布し、乾燥させて感光性樹脂層とし、パターンが形成されたマスクを用いて紫外線の密着露光を行い、露光後に水で現像して、硬化処理を施してから、100℃の温度でベーキングを行い、レジストパターンを形成した。マスクのパターンとしては、ピッチが300μmであり、線幅が10μmのパターンを使用した。レジストパターンが形成された上記の積層体に、レジストパターン側より、塩化第2鉄溶液(ボーメ度:42、温度:30℃)を噴射してエッチングを行った後、水洗を行ってから、アルカリ溶液を用いてレジスト剥離を行い、剥離後に洗浄及び乾燥を行って、ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤層/銅メッシュの構成の銅メッシュ積層フィルム(電磁波遮蔽フィルム)を得た。銅メッシュの開口率は80%であり、厚さは10μmであった。
2.コントラスト向上フィルム
電離放射線硬化性成分としてのp−クミルフェノキシエチルアクリレート(新中村化学工業杜製、品名「NKエステルACMP−1E」、固形分濃度100質量%、単官能)50質量部及びエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業杜製、品名「NKエステルABE−300」、固形分濃度100質量%、二官能)50質量部と、光重合開始剤としての1−ヒドロキシ−シクロへキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184、固形分濃度100質量%)3質量部と、接着性向上剤としての2−アクリロイロキシエチルコハク酸(新中村化学工業杜製、品名「NKエステルA−SA」、固形分濃度100質量%)0.1質量部とを混合することにより電離放射線硬化性組成物を得た。
【0032】
得られた電離放射線硬化性組成物を、ポリエチレンテレフタレート製の透明な基材(東レ(株)製、品名「ルミラーT60」、厚さ:50μm、表面粗さ(Ra):0.001μm(以下「PETフィルム」という。)上に、電離放射線硬化性層(半硬化状態)の膜厚(目標膜厚)が100μmとなるようにナイフコーターを用いて塗布し、反転形状を形成されたロール金型と前記PETフィルムとの間に、塗布した前記電離放射線硬化性組成物を挟んだ状態で紫外線(フュージョンHバルブ使用、照度400mW/cm
2、光量300mJ/m
2)を照射することにより、レンズ部を形成した。
【0033】
上述の工程により形成されたレンズ部の間に、前記電離放射線硬化性組成物に光吸収粒子としてカーボンブラックを分散した材料を充填し、紫外線(フュージョンHバルブ使用、照度400mW/cm
2、光量300mJ/m
2)を照射することにより、ブラックストライプを形成することで、コントラスト向上フィルムを完成した。
ここで、本実施例におけるコントラスト向上フィルムの仕様を以下に示す。なお、開口率とは、コントラスト向上層をプラズマディスプレイ(PDP)の発光層側から観察したときに、全面積に対してブラックストライプを除いた光が透過する面積の比率を示し、台形テーパー角度とは、断面形状の台形の斜面部分がコントラスト向上層とPETフィルムとの境界面(出光面)の法線となす角度である。
【0034】
開口率:75%
レンズ部の並ぶピッチ:100μm
レンズ部の素材の屈折率:1.56
透明樹脂の屈折率:1.55
光吸収部の上底面幅:6μm
台形テーパー角度:5°
光吸収粒子の粒径:5μm
光吸収粒子の濃度:25%
【0035】
実施例1
アクリル酸ブチル77質量部、アクリル酸エチル20質量部、アクリル酸3質量部及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を、酢酸エチル200質量部中に加え、65℃で17時間撹拌することにより、屈折率1.47、比重1.20、重量平均分子量80万、及び固形分濃度29質量%のアクリル酸エステル共重合体(A1)の溶液を得た。
前記アクリル酸エステル共重合体(A1)100質量部に対し、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体からなる有機微粒子(単分散性の架橋粒子、平均粒径3.5μm、屈折率1.59、比重1.05、綜研化学(株)製、品名「SX−350H」)0.187質量部、アルミキレート系架橋剤(綜研化学(株)、品名「M−5A」)4質量部、メチルエチルケトン30質量部、及びトルエン5質量部を上記アクリル酸エステル共重合体(A1)の溶液中に、撹拌下、順次添加することによりプラズマディスプレイ用感圧接着剤組成物を得た。
次に、前記プラズマディスプレイ用感圧接着剤組成物を重剥離型剥離フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック(株)製、品名「SP−PET38T103−1」)の剥離処理面側にナイフ塗工機にて塗布した。その後、90℃で1分間乾燥処理することにより前記ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚さ25μmのプラズマディスプレイ用粘着シートを得た。さらに、当該粘着シートのむき出しの粘着面には、ポリエチレンテレフタレートの軽剥離型剥離フィルム(リンテック(株)製、品名「SP−PET38 1031H(AF)」)を被せた。
有機微粒子の屈折率、得られたアクリル酸エステル共重合体の屈折率、並びに得られたプラズマディスプレイ用粘着シートの全光線透過率(%)及びモアレ試験は、上記の方法に従って評価した。結果を第1表に示す。
【0036】
実施例2
アクリル酸ブチル68.5質量部、アクリル酸メチル30質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1質量部、アクリルアミド0.5質量部、及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を、酢酸エチル200質量部中に加え、65℃で17時間撹拌することにより、屈折率1.48、比重1.22、重量平均分子量80万、及び固形分濃度29質量%のアクリル酸エステル共重合体(A2)の溶液を得た。
前記アクリル酸エステル共重合体(A2)100質量部に対し、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体からなる有機微粒子(単分散性の架橋粒子、平均粒径3.5μm、屈折率1.59、比重1.05、綜研化学(株)製、品名「SX−350H」)0.269質量部、キシリレンジイソシアナート系3官能アダクト体(綜研化学(株)製、品名「TD−75」)0.45質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、品名「KBM403」)0.06質量部、メチルエチルケトン30質量部及びトルエン5質量部を上記アクリル酸エステル共重合体(A2)の溶液中に、撹拌下、順次添加することによりプラズマディスプレイ用感圧接着剤組成物を得た。
次に、前記プラズマディスプレイ用感圧接着剤組成物を重剥離型剥離フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック(株)製、品名「SP−PET38TlO3−1」)の剥離処理面側にナイフ塗工機にて塗布した。その後、90℃で1分間乾燥処理することにより前記ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚さ25μmのプラズマディスプレイ用粘着シートを得た。更に、当該粘着シートのむき出しの粘着面には、ポリエチレンテレフタレートの軽剥離型剥離フィルム(リンテック(株)製、品名「SP−PET38 1031H(AF)」)を被せた。
有機微粒子の屈折率、得られたアクリル酸エステル共重合体の屈折率、並びに得られたプラズマディスプレイ用粘着シートの全光線透過率(%)及びモアレ試験は、上記の方法に従って評価した。結果を第1表に示す。
【0037】
実施例3
実施例2で得たアクリル酸エステル共重合体(A2)の溶液を用いて、前記有機微粒子(綜研化学(株)製、品名「SX−350H」)添加量を0.269質量部から0.029質量部に変えた以外は実施例2と同様にして、プラズマディスプレイ用感圧接着剤組成物、及びプラズマディスプレイ用粘着シートを得た。
得られた粘着シートの全光線透過率(%)及びモアレ試験は、上記の方法に従って評価した。結果を第1表に示す。
【0038】
比較例1
実施例1で得たアクリル酸エステル共重合体(A1)の溶液を用いて、前記有機微粒子(綜研化学(株)製、品名「SX−350H」)を添加しない以外は実施例1と同様にして、プラズマディスプレイ用感圧接着剤組成物、及びプラズマディスプレイ用粘着シートを得た。
得られた粘着シートの全光線透過率(%)及びモアレ試験は、上記の方法に従って評価した。結果を第1表に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表1に示すように、実施例1及び2の粘着シートでは、全光線透過率が夫々98.5%、97.6%であり、モアレ現象が全く認められなかった。これにより、防眩フィルム等を配置しなくても、モアレ現象を防止し得るプラズマディスプレイ用光学フィルターが得られることとなり、光学フィルターの厚さを薄くし、且つ光学フィルターの生産性を向上しコストを低減することが可能になった。
また、実施例3においても、モアレ現象がさほど認められない状態であった。
これに対し、比較例1においては、全光線透過率が99.8%であったが、モアレ現象が発生した。即ち、実施例1及び2では、光学フィルターとして問題のないレベルに全光線透過率の低下を抑えつつ、モアレ現象を完全に解消できた。