(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
巻回された金属蒸着フィルムの各端面部に金属溶射による電極部が設けられたコンデンサ素子を1個備えてなる素体、または、該コンデンサ素子が複数個結線されてなる素体が、外部と接続可能な外部端子が上面に設けられた金属ケース内に、少なくとも1つ収納されてなる乾式コンデンサであって、
上記コンデンサ素子を外装する樹脂パイプと、該樹脂パイプの端部開口に被せられる蓋とが設けられているとともに、
上記素体は、
電気的に端に位置する各電極部において、該電極部と電気的に接続され、素体外に引き出されている電線を備え、
上記電気的に端に位置する各電極部が、絶縁性樹脂でそれぞれ覆われているとともに、上記素体外に引き出されている電線によって、電気的な接続が行われており、
上記素体外に引き出されている電線のうち、素体自体の製造工程によって成形された絶縁性樹脂で覆われかつ素体の一端部の電極部から引き出されている電線である高圧リード線および放電抵抗線は、該絶縁性樹脂内で電極部との接続点から引き回されて、該絶縁性樹脂外に引き出されているとともに、
上記蓋には、上記高圧リード線および放電抵抗線を引き出すための引出穴が中心部から外れかつ上記接続点の同芯上に対応する位置にそれぞれ設けられており、
上記蓋は、上記高圧リード線および放電抵抗線を上記蓋における、上記接続点の同芯上に対応する位置の引出穴からそれぞれ引き出した後、該電極部に垂直な方向から見て回転角度θ(30°<θ≦90°)だけ回転されて固定されていることを特徴とする乾式コンデンサ。
巻回された金属蒸着フィルムの各端面部に金属溶射による電極部が設けられたコンデンサ素子を1個備えてなる素体、または、該コンデンサ素子が複数個結線されてなる素体が、外部と接続可能な外部端子が上面に設けられた金属ケース内に、少なくとも1つ収納されてなる乾式コンデンサであって、
上記コンデンサ素子を外装する樹脂パイプと、該樹脂パイプの端部開口に被せられる蓋とが設けられているとともに、
上記素体は、
電気的に端に位置する各電極部において、該電極部と電気的に接続され、素体外に引き出されている電線を備え、
上記電気的に端に位置する各電極部が、絶縁性の第1樹脂でそれぞれ覆われているとともに、上記素体外に引き出されている電線によって、電気的な接続が行われており、
上記素体外に引き出されている電線のうち、素体自体の製造工程によって成形された第1樹脂で覆われかつ素体の一端部の電極部から引き出されている電線である高圧リード線および放電抵抗線は、該第1樹脂内で電極部との接続点から引き回されて、該第1樹脂外に引き出され、
上記素体外に引き出されている電線のうち、絶縁性の第2樹脂で覆われた結線部で結線されている電線は、上記素体の電極部を覆う第1樹脂内に一方の端が位置し、上記結線部を覆う第2樹脂内に他方の端が位置する絶縁体で被覆されているとともに、
上記蓋には、上記高圧リード線および放電抵抗線を引き出すための引出穴が中心部から外れかつ上記接続点の同芯上に対応する位置にそれぞれ設けられており、
上記蓋は、上記高圧リード線および放電抵抗線を上記蓋における、上記接続点の同芯上に対応する位置の引出穴からそれぞれ引き出した後、該電極部に垂直な方向から見て回転角度θ(30°<θ≦90°)だけ回転されて固定されていることを特徴とする乾式コンデンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の乾式コンデンサは、絶縁性の低下につながる不具合が部分的に発生するため、対地絶縁特性が安定していないという問題点を有している。
【0009】
従来の乾式コンデンサにおいて、素体(集合体)からは、高圧リード線や、低圧リード線、中性点リード線、放電抵抗線などが引き出されている。これらリード線は、金属ケース内の素体(集合体)外において、カシメ端子などを使用して、ブッシングリード線や、別の素体(集合体)のリード線、放電抵抗などに電気的に接続される。
【0010】
これらリード線のうち、中性点リード線や低圧リード線など素体(集合体)下部から引き出されているリード線は、金属ケース底部のモールド処置により絶縁性樹脂で覆われている(例えば、特許文献2参照)。それゆえ、Imp.特性などの対地絶縁特性は優れており、特に問題ではない。
【0011】
しかし、高圧リード線や放電抵抗線などの素体(集合体)上部から引き出されているリード線は、限られた容積の中で配線距離が決められ配置される。このため、素体(集合体)下部から引き出されているリード線のように金属ケース内でモールド処置を行うことが困難であり、素体自体の製造工程によってモールド成形された絶縁性樹脂で覆われていても十分とは言えない。さらに、特にゴム状の柔らかい樹脂でモールド成形を行ったり、リード線が真っ直ぐ立ち上がるように樹脂を被覆すると、モールド成形後の後工程で、リード線と樹脂とが剥離を起こす場合がある。
【0012】
また、上述した結線板を用いる乾式コンデンサでは、各コンデンサ素子を結線した結線板と、ブッシングに電気的に接続されて設けられた接続板とが、素体(集合体)の上方で電気的に接続されるが、接続板と結線板との金属が露出している。それゆえ、素体−金属製容器間の絶縁には良いが、結線部−金属製容器間の絶縁は十分ではない。
【0013】
よって、作製したこれら乾式コンデンサに対し、JIS規格試験であるImp.破壊電圧試験を行うと、リード線接続部や素子配置のための配線結線部で、破壊や部分放電の発生などが起こり、対地絶縁特性が非常に劣化する。このようなことから、対地絶縁特性が安定していないという問題が生じている。
【0014】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、対地絶縁特性を改善することができる乾式コンデンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の乾式コンデンサは、上記課題を解決するために、巻回された金属蒸着フィルムの各端面部に金属溶射による電極部が設けられたコンデンサ素子を1個備えてなる素体、または、該コンデンサ素子が複数個結線されてなる素体が、外部と接続可能な外部端子が上面に設けられた金属ケース内に、少なくとも1つ収納されてなる乾式コンデンサであって、上記素体は、電気的に端に位置する各電極部において、該電極部と電気的に接続され、素体外に引き出されている電線を備え、上記電気的に端に位置する各電極部が、絶縁性樹脂でそれぞれ覆われているとともに、上記素体外に引き出されている電線によって、電気的な接続が行われており、上記素体外に引き出されている電線のうち、素体自体の製造工程によって成形された絶縁性樹脂で覆われている電極部から引き出されている電線は、該絶縁性樹脂内で電極部との接続点から引き回されて、該絶縁性樹脂外に引き出されていることを特徴としている。
【0016】
従来の乾式コンデンサでは、素体自体の製造工程によって成形された絶縁性樹脂で覆われている電極部から引き出されている電線は、素体の配置の関係上、限られた容積の中で配線距離が決められ配置されている。また、この電線は、電極部との接続点から直上に引き出されていることがあるため、絶縁性樹脂が電線から剥離することがあり、対地絶縁特性が安定していなかった。
【0017】
これに対し、上記の構成によれば、素体自体の製造工程によって成形された絶縁性樹脂で覆われている電極部から引き出されている電線は、絶縁性樹脂内で電極部との接続点から引き回されて、絶縁性樹脂外に引き出されていることから、例えば、素体外に位置する部分を動かしても、電線は剥離し難くなっている。
【0018】
また、上記の構成によれば、上記電線の長さ(配線距離)を、従来の構成と比較して、引き出し方向の寸法を増加させることなく、長くすることが可能となる。
【0019】
よって、乾式コンデンサでは、素体の絶縁性が安定されているとともに高められているので、対地絶縁特性を改善することが可能となる。
【0020】
なお、上記効果を高めるために、本発明の乾式コンデンサは、上記素体自体の製造工程によって成形された絶縁性樹脂で覆われている電極部から引き出されている電線は、該電極部に垂直な方向から見て、該絶縁性樹脂内で電極部との接続点から角度θ(30°<θ≦90°)で引き回されていることが望ましい。
【0021】
本発明の乾式コンデンサは、巻回された金属蒸着フィルムの各端面部に金属溶射による電極部が設けられたコンデンサ素子を1個備えてなる素体、または、該コンデンサ素子が複数個結線されてなる素体が、外部と接続可能な外部端子が上面に設けられた金属ケース内に、少なくとも1つ収納されてなる乾式コンデンサであって、上記素体は、電気的に端に位置する各電極部において、該電極部と電気的に接続され、素体外に引き出されている電線を備え、上記電気的に端に位置する各電極部が、絶縁性の第1樹脂でそれぞれ覆われているとともに、上記素体外に引き出されている電線によって、電気的な接続が行われており、上記素体外に引き出されている電線のうち、絶縁性の第2樹脂で覆われた結線部で結線されている電線は、上記素体の電極部を覆う第1樹脂内に一方の端が位置し、上記結線部を覆う第2樹脂内に他方の端が位置する絶縁体で被覆されていることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、結線部で結線されている電線は、金属ケース内において、絶縁体、第1樹脂、および第2樹脂によって全てが覆われている。よって、乾式コンデンサでは、結線部で結線されている電線の絶縁性が高められているので、対地絶縁特性を改善することが可能となる。
【0023】
また、本発明の乾式コンデンサは、上記絶縁体は、パイプ状の樹脂フィルムが積層されてなるものであることが好ましい。これにより、絶縁体がフィルム積層品であることから、破れ防止効果がさらに強化され、素線の露出を防止することが可能となる。
【0024】
また、本発明の乾式コンデンサは、一定間隔で貫通穴が形成されたスペーサーが、上記結線部を覆う第2樹脂内に設けられており、上記結線部で結線されている電線は、上記絶縁体で被覆されている部分を、上記スペーサーの貫通穴に通した状態で結線されていることが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、スペーサーが設けられていることによって、結線部で結線されている電線の各間に、確実に第2樹脂が充填される。よって、電線の剥離を防止することが可能となる。
【0026】
なお、本発明の乾式コンデンサは、以下の構成であってもよい。
【0027】
すなわち、本発明の乾式コンデンサは、巻回された金属蒸着フィルムの各端面部に金属溶射による電極部が設けられたコンデンサ素子を1個備えてなる素体、または、該コンデンサ素子が複数個結線されてなる素体が、外部と接続可能な外部端子が上面に設けられた金属ケース内に、少なくとも1つ収納されてなる乾式コンデンサであって、上記素体は、電気的に端に位置する各電極部において、該電極部と電気的に接続され、素体外に引き出されている電線を備え、上記電気的に端に位置する各電極部が、絶縁性の第1樹脂でそれぞれ覆われているとともに、上記素体外に引き出されている電線によって、電気的な接続が行われており、上記素体外に引き出されている電線のうち、素体自体の製造工程によって成形された第1樹脂で覆われている電極部から引き出されている電線は、該第1樹脂内で電極部との接続点から引き回されて、該第1樹脂外に引き出され、上記素体外に引き出されている電線のうち、絶縁性の第2樹脂で覆われた結線部で結線されている電線は、上記素体の電極部を覆う第1樹脂内に一方の端が位置し、上記結線部を覆う第2樹脂内に他方の端が位置する絶縁体で被覆されている構成であってもよい。
【0028】
上記乾式コンデンサでは、上記素体自体の製造工程によって成形された絶縁性樹脂で覆われている電極部から引き出されている電線は、該電極部に垂直な方向から見て、該絶縁性樹脂内で電極部との接続点から角度θ(30°<θ≦90°)で引き回されていることが好ましい。
【0029】
上記乾式コンデンサでは、上記絶縁体は、パイプ状の樹脂フィルムが積層されてなるものであることが好ましい。
【0030】
上記乾式コンデンサでは、一定間隔で貫通穴が形成されたスペーサーが、上記結線部を覆う第2樹脂内に設けられており、上記結線部で結線されている電線は、上記絶縁体で被覆されている部分を、上記スペーサーの貫通穴に通した状態で結線されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明の乾式コンデンサは、素体は、電気的に端に位置する各電極部において、該電極部と電気的に接続され、素体外に引き出されている電線を備え、上記電気的に端に位置する各電極部が、絶縁性樹脂でそれぞれ覆われているとともに、上記素体外に引き出されている電線によって、電気的な接続が行われており、上記素体外に引き出されている電線のうち、素体自体の製造工程によって成形された絶縁性樹脂で覆われている電極部から引き出されている電線は、該絶縁性樹脂内で電極部との接続点から引き回されて、該絶縁性樹脂外に引き出されている構成である。
【0032】
それゆえ、素体自体の製造工程によって成形された絶縁性樹脂で覆われている電極部から引き出されている電線は、絶縁性樹脂内で電極部との接続点から引き回されて、絶縁性樹脂外に引き出されていることから、例えば、素体外に位置する部分を動かしても、電線は剥離し難くなっている。また、上記電線の長さ(配線距離)を、従来の構成と比較して、引き出し方向の寸法を増加させることなく、長くすることが可能となる。よって、乾式コンデンサでは、素体の絶縁性が安定されているとともに高められているので、対地絶縁特性を改善することができるという効果を奏する。
【0033】
本発明の乾式コンデンサは、素体は、電気的に端に位置する各電極部において、該電極部と電気的に接続され、素体外に引き出されている電線を備え、上記電気的に端に位置する各電極部が、絶縁性の第1樹脂でそれぞれ覆われているとともに、上記素体外に引き出されている電線によって、電気的な接続が行われており、上記素体外に引き出されている電線のうち、絶縁性の第2樹脂で覆われた結線部で結線されている電線は、上記素体の電極部を覆う第1樹脂内に一方の端が位置し、上記結線部を覆う第2樹脂内に他方の端が位置する絶縁体で被覆されている構成である。
【0034】
それゆえ、結線部で結線されている電線は、金属ケース内において、絶縁体、第1樹脂、および第2樹脂によって全てが覆われている。よって、乾式コンデンサでは、結線部で結線されている電線の絶縁性が高められているので、対地絶縁特性を改善することができるという効果を奏する。
【0035】
本発明の乾式コンデンサは、素体は、電気的に端に位置する各電極部において、該電極部と電気的に接続され、素体外に引き出されている電線を備え、上記電気的に端に位置する各電極部が、絶縁性の第1樹脂でそれぞれ覆われているとともに、上記素体外に引き出されている電線によって、電気的な接続が行われており、上記素体外に引き出されている電線のうち、素体自体の製造工程によって成形された第1樹脂で覆われている電極部から引き出されている電線は、該第1樹脂内で電極部との接続点から引き回されて、該第1樹脂外に引き出され、上記素体外に引き出されている電線のうち、絶縁性の第2樹脂で覆われた結線部で結線されている電線は、上記素体の電極部を覆う第1樹脂内に一方の端が位置し、上記結線部を覆う第2樹脂内に他方の端が位置する絶縁体で被覆されている構成である。
【0036】
それゆえ、乾式コンデンサでは、素体の絶縁性が安定されているとともに高められている。また、結線部で結線されている電線の絶縁性が高められている。よって、対地絶縁特性を大きく改善することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0039】
(高圧乾式コンデンサ)
図1は、本実施の形態の高圧乾式コンデンサ1の一構成例を示す断面図である。
【0040】
本実施の形態の高圧乾式コンデンサ1は、乾式の高圧進相コンデンサである。
図1に示すように、高圧乾式コンデンサ1は、素体2、金属ケース3、およびブッシング6を備えて構成されている。
【0041】
素体2は、複数のコンデンサ素子が結線されてなるものである。素体2は、6つ設けられており、2個づつ並列に結線(接続)されている。この2個並列に結線したものを1相としている。素体2は、金属ケース3内に収納されている。素体5は、金属ケース3内において、従来ある種々の方法で固定または保持されるとともに、モールド成形によって金属ケース3底部が絶縁性樹脂で充填されている(底側樹脂充填部7)。
【0042】
素体2からはいくつかのリード線が引き出されており、それらのいくつかは結線部8で結線されている。結線部8はモールド成形による絶縁性樹脂で覆われている(結線部樹脂封止部9)。なお、素体2の構成および結線部8付近の構成については詳細に後述する。
【0043】
金属ケース3は、凹状の容器4と蓋5とからなり、内部空間を密封可能なケースである。金属ケース3、すなわち容器4および蓋5は金属からなる。金属ケース3内には、絶縁性ガスが充填されており、絶縁性ガスとしては、例えば窒素ガスが好適である。
【0044】
ブッシング6は、外部と接続可能な外部端子であり、金属ケース3に設けられている。ブッシング6は、金属ケース3の上面、すなわち容器4に被せたときの蓋5の上面に、3つ配列されている。また、ブッシング6に電気的に接続されたブッシングリード線が、金属ケース3内に引き出されている。
【0045】
上記構成を有する高圧乾式コンデンサ1は、容器4内に素体2が入れられた後、素体2外に引き出されたリード線が、設計に応じて結線される。そして、絶縁性樹脂が注入され硬化することで、容器4底部に底側樹脂充填部7が形成される。次いで、窒素ガスが容器4内に充填された後、蓋5が閉められて金属ケース3は密封される。これにより、高圧乾式コンデンサ1が作製され得る。
【0046】
なお、上述した高圧乾式コンデンサ1では、6個の素体2を備え、2個並列に結線した素体2を1相として構成したが、これに限るものではない。高圧乾式コンデンサ1は3相コンデンサであるので、少なくとも3個の素体2を備えていればよく、1個の素体2を1相として構成してもよいし、直列、並列、または直並列に接続された複数個の素体2を、1相として構成してもよい。そして、高圧乾式コンデンサ1は、単相コンデンサとして構成してもよいし、これに応じてブッシング6の数は変更することができる。
【0047】
また、金属ケース3は、容器4と蓋5とからなる構成に限らず、素体2を収納して密封可能で、ブッシング6が設置可能な金属ケースであれば、その形状および構造は設計に応じて決定することができる。
【0048】
さらに、上述した高圧乾式コンデンサ1では、容器4内に素体2を入れた後に絶縁性樹脂を注入することによって、容器4底部に底側樹脂充填部7が形成されているが、下部のリード引出部を覆い、かつ最下段のコンデンサ素子の下半分を覆う程度が既に絶縁性樹脂でモールド成形された素体2が、容器4内に配置される構成としてもよい。
【0049】
なお、素体2は、
図1に示したように縦向きに配置させる構成に限らず、横向き(例えば、ブッシング6の設置面に対して平行な方向)に配置させる構成であってもよい。よって、上記のように個々の素体2(集合体)に対し、上記程度に絶縁性樹脂でモールド成形する構成は、横向きに配置させる場合に好適である。
【0050】
(素体)
次に、
図2〜
図4を参照しながら、素体2の構成について詳細に説明する。
【0051】
図2は、素体2の一構成例を示す断面図である。
図3は、コンデンサ素子11の一構成例を示す斜視図である。
図4は、素体2の作製工程の一例を示すものであり、(a)は、蓋14を被せた直後の様子を示す上面図および断面図であり、(b)は、蓋14を回転させて固定したときの様子を示す上面図および断面図である。
【0052】
図2に示すように、素体2は、直列に結線された8個のコンデンサ素子11、芯出棒12、樹脂パイプ13、および蓋14を備えて構成されている。
【0053】
ここで、説明の便宜上、以下では、素体2に配置されているコンデンサ素子11を、高電位側となるものから1〜8の番号を付けて呼ぶこととする。また、1番目のコンデンサ素子11の配置側を上側とし、8番目のコンデンサ素子11の配置側を下側とする。
【0054】
コンデンサ素子11は、
図3に示すように、円筒状のハードコア巻芯21に、金属蒸着フィルム22が巻回された丸巻素子であり、その各端面部に、金属溶射による電極部23がそれぞれ形成されている。コンデンサ素子11は、例えば、直径d:60mm以下(好ましくは直径d:30〜60mm)、高さh:75mmの外形サイズを有している。
【0055】
コンデンサ素子11は、ハードコア巻芯21に芯出棒12が挿入されつつ、芯出棒12の中心軸方向に沿って配置されている。また、コンデンサ素子11は、リード線によって直列に結線されている。このように配置され結線されたコンデンサ素子11および芯出棒12は、樹脂パイプ13内に配置される。芯出棒12は、FRP(繊維強化プラスチック)等の絶縁体からなる。
【0056】
なお、リード線は、例えば半田を用いて、電極部23に電気的に接続されている。各コンデンサ素子11間には、1本のリード線がそれぞれ設けられている。また、両端のコンデンサ素子11には、素体2の外部に引き出されるリード線がそれぞれ2本づつ設けられている。
【0057】
1番目のコンデンサ素子11の上側の電極部23からは、ブッシングリード線と結線される高圧リード線15a、および、放電抵抗と電気的に接続される放電抵抗線15bが、素体2外に引き出されている。8番目のコンデンサ素子11の下側の電極部23からは、低圧リード線16aおよび中性点リード線16bが、素体2外に引き出されている。なお、以下では、1番目のコンデンサ素子11の上側の電極部23から引き出されているリード線をまとめて呼ぶときは、リード線15と呼ぶこととする。8番目のコンデンサ素子11の下側の電極部23から引き出されているリード線をまとめて呼ぶときは、リード線16と呼ぶこととする。
【0058】
樹脂パイプ13は、コンデンサ素子11を外装するためのものである。樹脂パイプ13は、絶縁性の樹脂からなり、パイプ状の形状を有している。コンデンサ素子11および芯出棒12が入れられた樹脂パイプ13内は、モールド成形によって絶縁性樹脂で充填されている(樹脂充填部19)。なお、芯出棒12は、このモールド成形時の芯出しおよび寸法出しに使用される。
【0059】
蓋14は、樹脂からなり、1番目のコンデンサ素子11が配置されている側の樹脂パイプ13の端部(開口)を蓋するためのものである。また、蓋14は、樹脂パイプ13内をモールド成形するときの型となる。蓋14には、設計に応じた複数の穴(開口部)が形成されており、少なくとも、芯出棒12を貫通させるための中央穴17、1番目のコンデンサ素子11の上側の電極部23に接続されているリード線15(高圧リード線15aおよび放電抵抗線15b)を引き出すための引出穴18(18a・18b)、並びに、樹脂パイプ13内のモールド成形用の注入口20が形成されている。注入口20は、絶縁性樹脂を注入するための開口部である。
【0060】
なお、リード線15を引き出すための引出穴18は、
図4(b)に示すように、リード線15が電極部23に接続されている接続点の直上から離れて位置している。換言すると、1番目のコンデンサ素子11の上側の電極部23に電気的に接続されているリード線15は、直上に引き出されるのではなく、樹脂充填部19内で電極部23との接続点から引き回されて、樹脂充填部19外に引き出されている。
【0061】
上記構成を有する素体2は、まず、コンデンサ素子11が、芯出棒12に配置されるとともに結線される。そして、このコンデンサ素子11および芯出棒12が、樹脂パイプ13に入れられた後、蓋14が被せられる。
【0062】
この蓋14を被せた直後の様子を
図4(a)に示す。このとき、芯出棒12およびリード線15は、蓋14に形成された中央穴17および引出穴18を通って、一旦、素体5の外部へ引き出される。またこのとき、リード線15を容易に引き出すために、リード線15が電極部23に接続されている接続点の直上に引出穴18が位置するように、蓋14は被せられる。
【0063】
次いで、蓋14は、
図4(a)に示す状態から、上面視で90°反時計周りに回転された後、固定される。この蓋14を回転させて固定したときの様子を
図4(b)に示す。このように、蓋14を、リード線15と電極部23との接続点の直上の位置から回転させた後に固定することにより、リード線15を、直上に(真っ直ぐに)引き出すのではなく、樹脂充填部19内でぐるりと引き回してから、樹脂充填部19外に引き出すことが可能となっている。
【0064】
次いで、蓋14を固定した状態で、蓋14に形成された注入口20から、樹脂パイプ13内に、蓋14までいっぱいに絶縁性樹脂が注入される(常圧注形)。そして硬化することで、樹脂パイプ13とコンデンサ素子11との間に樹脂充填部19が形成される。これにより、素体2が作製され得る。
【0065】
作製された素体2は、高電位側(1番目のコンデンサ素子11の配置側)が蓋5側(ブッシング6の配置側)に位置し、低電位側(8番目のコンデンサ素子11の配置側)が容器4の底側に位置するように、金属ケース3内に配置される。その後、上述したように、素体2外に引き出されたリード線が設計に応じて結線され、容器4底部に底側樹脂充填部7が形成されて素体2が固定される。そして、窒素ガスが充填されて金属ケース3が密封されることにより、高圧乾式コンデンサ1が作製され得る。
【0066】
以上のように、高圧乾式コンデンサ1では、素体2外に引き出されているリード線15・16のうち、1番目のコンデンサ素子11の上側の電極部23に電気的に接続されているリード線15、すなわち、底側樹脂充填部7で覆われておらず、素体2自体の製造工程によって成形された樹脂充填部19で覆われている電極部23から引き出されているリード線15(素体2を絶縁性樹脂で覆う工程において、絶縁性樹脂を常圧注形する際の注入口20が位置する側のリード線15)は、樹脂充填部19内で電極部23との接続点から引き回されて、樹脂充填部19外に引き出されている構成を有している。
【0067】
従来の乾式コンデンサでは、素体自体の製造工程によって成形された絶縁性樹脂で覆われている電極部から引き出されているリード線は、素体の配置の関係上、限られた容積の中で配線距離が決められ配置されている。また、このリード線は、電極部との接続点から直上に引き出されていることがあるため、絶縁性樹脂が電線から剥離することがあり、対地絶縁特性が安定していなかった。また、品質も不安定である。
【0068】
これに対し、上記高圧乾式コンデンサ1の素体2の構成によれば、素体2自体の製造工程によって成形された樹脂充填部19で覆われている電極部23から引き出されているリード線15は、樹脂充填部19内で電極部23との接続点から引き回されて、樹脂充填部19外に引き出されていることから、例えば、素体2外に位置する部分を動かしても、リード線15は剥離し難くなっている。
【0069】
また、リード線15の長さ(配線距離)を、従来の構成と比較して、引き出し方向の寸法を増加させることなく、長くすることが可能となる。
【0070】
よって、高圧乾式コンデンサ1では、素体2の絶縁性が安定されているとともに高められているので、対地絶縁特性を改善することが可能となる。
【0071】
なお、上述した素体2では、8個のコンデンサ素子11が、1列に配置されるとともに、直列に結線されて構成されているが、これに限らず、1個のコンデンサ素子により構成されていてもよいし、複数個のコンデンサ素子が、1列または複数列に配置されるとともに、直列、並列、または直並列に結線されて構成されていてもよい。
【0072】
素体2の外部に引き出されるリード線も、上述した高圧リード線15a、放電抵抗線15b、低圧リード線16a、および中性点リード線16bに限らず、その本数は4本に限るものではない。素体2の外部に引き出されるリード線15・16の本数は、それぞれ、1本の場合もあれば3本以上の場合もあり、素体2を並列して配置する個数にも依存している。
【0073】
また、上述した素体2では、蓋14を回転させることから、リード線15を貫通させるための引出穴18は、若干隙間を持つように、リード線15の径よりも大きい径であることが好ましい。これにより、蓋14を回転させ易くするとともに、リード線15に不要な応力が掛かることを防止することが可能となる。
【0074】
さらに、樹脂パイプ13とコンデンサ素子11との間の全域にわたって、樹脂充填部19を形成する必要はなく、樹脂充填部19は、少なくとも、1番目のコンデンサ素子11の上側の電極部23と蓋14との間を充填するように、形成されていればよい。
【0075】
それゆえ、素体2の低電位側の端部は、樹脂充填部19で覆われていてもよいし、コンデンサ素子11の電極部23が露出していてもよい。これは、最終的には、金属ケース3内において、素体2の低電位側の端部は、底側樹脂充填部7で覆われるからである。
【0076】
つまりは、高圧乾式コンデンサ1では、金属ケース3内での素体2の配置の向きに応じて、樹脂充填部19の形成領域を変更することができ、底側樹脂充填部7などの金属ケース3内で成形される樹脂で覆われることなく、樹脂充填部19で覆われている電極部23から引き出されているリード線が、樹脂充填部19内で電極部23との接続点から引き回されて、樹脂充填部19外に引き出されている構成であればよい。
【0077】
ここで、上述した素体2では、蓋14を90°反時計周りに回転させたが、これに限らない。つまりは、回転方向は、時計周りおよび反時計回りの何れでもよい。また、蓋14の回転角度θは、30°よりも大きければよく、「30°<θ≦90°」がより好ましい。なお、この回転角度の値の根拠については、後述する検証試験の結果に基づいている。
【0078】
(リード線)
ところで、一般的に、リード線は、金属のより線からなる裸電線(素線)が、樹脂で被覆されて構成されている。素体2外に引き出されたリード線15・16としては、このような一般的な構成のリード線(被覆電線)を用いればよい。例えば、リード線15・16は、プラスチックやゴムの絶縁被覆電線としたものとすることができる。
【0079】
しかし、高圧乾式コンデンサ1では、高い対地絶縁特性を満たすことが求められるので、リード線にダメージが発生することは望ましくない。
【0080】
それゆえ、素体2外に引き出されたリード線15・16は、後述する
図5に示すように、絶縁性の樹脂からなるパイプ状の絶縁パイプ34で被覆されていることが好ましい。絶縁パイプ34は、両側の開放端が封止樹脂内に位置するように設けられる。つまりは、絶縁パイプ34は、一方の開放端が、素体2の電極部23を覆う絶縁性樹脂(樹脂充填部19、底側樹脂充填部7)内に位置し、他方の開放端が、結線部8を覆う結線部樹脂封止部9内に位置するように設けられる。
【0081】
これによって、金属ケース3内(素体2外)ではリード線15・16自体は露出しないので、金属ケース3内においてリード線15・16の配線作業を行う際に、傷などを付け難くし、破れ難くすることが可能となり、配線作業を容易にすることが可能となる。また、リード線15・16の強度も増すことが可能となる。
【0082】
さらに、絶縁パイプ34は、パイプ状のプラスチックフィルム(樹脂フィルム)が積層されてなるものであることがより好ましい。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリプロピレンフィルムや、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルムなどを用いることができる。フィルム積層品であることから、破れ防止効果がさらに強化され、素線の露出を防止することが可能となる。
【0083】
また、絶縁パイプ34をフィルム積層品としておけば、後述するように絶縁パイプ34両端を樹脂で封止しても、パイプ内外が通じている。それゆえ、真空引きやガス充填を行っても、パイプ内外は同一雰囲気が維持されることになる。
【0084】
なお、絶縁パイプ34は最外層に設けられていればよく、素線と絶縁パイプ34との間は、何か介在していてもよいし、介在していなくてもよい。また、リード線15・16に絶縁パイプ34を装着する場合に限らず、金属ケース3内で配線するリード線(例えばブッシングリード線など)にも、絶縁パイプ34を装着することが好ましい。
【0085】
(結線)
次に、
図5,6を参照しながら、結線部8付近の構成について詳細に説明する。
【0086】
図5は、金属ケース3内において、素体2が結線部8で結線されている構成の一例を示す斜視図である。
図6は、結線部8付近の一構成例を示す拡大図である。
【0087】
図5に示すように、金属ケース3内において、素体2から引き出された高圧リード線15aは、結線部8aにおいてブッシングリード線52と結線されている。放電抵抗線15bは、放電抵抗51に電気的に接続されている。中性点リード線16bは、結線部8bにおいて別の素体2の中性点リード線16bと電気的に接続されている。結線部8aおよび結線部8bは、結線部樹脂封止部9aおよび結線部樹脂封止部9aによってそれぞれ覆われている。
【0088】
なお、
図1では、リード線や結線に関する絵は簡略化されており、
図5においても、一例を示しているのであって、全てのリード線や結線部を図示しているわけではない。以下では、素体2から引き出されたリード線15・16を結線するために設けられる結線部をまとめて呼ぶときは、結線部8と呼ぶこととする。
【0089】
結線部8は、金属ケース3内の上側付近に配置されている。これは、金属ケース3内に素体2を配置した後にリード線15・16を結線することから、作業し易い位置が金属ケース3内の上側付近に位置することに起因する。それゆえ、素体2の下部から引き出されているリード線16は、底側樹脂充填部7を通って、金属ケース3内の上側付近まで延設されている。
【0090】
結線部8は、結線部樹脂封止部9によって覆われている。結線部樹脂封止部9は、エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂などの絶縁性の樹脂で、結線部8をプラスチック型を用いてモールド成形することによって形成される。なお、プラスチック型はそのまま金属ケース3内に収納される。すなわち、プラスチック型は取り除かれない。
【0091】
図6に示すように、結線部8では、複数のリード線が結線される。リード線は、金属からなる素線32と、素線32を被覆する樹脂からなる被覆部33とからなり、さらに絶縁パイプ34が被覆されている。リード線の先端付近は、電気的に接続するために、被覆部33が除去されて素線32が露出している。絶縁パイプ34は、被覆部33の端まで覆う必要はない。
【0092】
絶縁パイプ34には、スペーサー31が装着されている。スペーサー31は、ストロー状の形状を有しており(すなわち、一定間隔で貫通穴が形成されており)、リード線同士を一定間隔に保つためのものである。
【0093】
結線部8で結線するリード線は、まず、スペーサー31の貫通穴に通される。そして、この状態で結線部8で結線された後、スペーサー31が絶縁パイプ34の部分に配置されて、スペーサー31も含めた結線部8周囲が樹脂でモールド成形される。
【0094】
これにより、等間隔で束にされたリード線の各間に、確実に樹脂を充填することが可能となる。よって、リード線の剥離を防止することが可能となる。また、上記のようにモールド成形を行うことにより、絶縁パイプ34の一方の開放端は、結線部樹脂封止部9内に位置することになる。
【0095】
以上の結線部8付近の構成によれば、結線部8で結線されているリード線15・16は、金属ケース3内(素体2外)において、絶縁パイプ34、樹脂充填部19もしくは底側樹脂充填部7、並びに結線部樹脂封止部9によって全てが覆われている。したがって、高圧乾式コンデンサ1では、結線部8で結線されているリード線15・16の絶縁性が高められているので、対地絶縁特性を改善することが可能となる。
【実施例】
【0096】
以下に、上記の高圧乾式コンデンサ1を実際に作製し、耐電圧を検証した結果を示す。
【0097】
この検証では、Imp.破壊電圧試験を行った。Imp.破壊電圧試験は、JIS C 4902「高圧及び特別高圧進相コンデンサ及び付属機器」の規定に基づく、雷インパルス耐電圧試験を指している。Imp.破壊電圧試験では、乾燥状態で、波形[(1.2〜5)×50]μsの正波インパルス電圧を、3回繰り返して線路端子一括と接地端子間に加え(ブッシング6一括を高圧,金属ケース3を接地)、高圧乾式コンデンサ1がこれに耐えられるかどうかを検証した。
【0098】
(実施例1)
高圧乾式コンデンサ1において、1番目のコンデンサ素子11の上側の電極部23に電気的に接続されているリード線15が、直上に引き出されているもの(回転無し)、電極部23に垂直な方向から見て30°回転されて引き出されているもの(30°回転)、および、同方向から見て90°回転されて引き出されているもの(90°回転)、の3つの供試品を作製して、Imp.破壊電圧試験を行い、Imp.破壊電圧を測定した。n=5、充填ガスは窒素を用いた。
【0099】
なお、コンデンサ素子11の上側の電極部23から延びる2本のリード線15の回転角度を90°よりも大きくすると、リード線15が交差するようになって互いに接近し、場合によっては接触することがある。このような状態は、高圧乾式コンデンサ1の対地絶縁特性にとって好ましくない。このため、予め、回転角度を90°よりも大きくしないこととした。
【0100】
測定結果を表1に示す。表1では、各供試品のImp.破壊電圧の平均値を、JIS定格電圧を1.00とおいたときの比率で示している。
【0101】
【表1】
【0102】
表1に示されるように、リード線15が30°回転されて引き出されているものは、回転無しのものと比べて、Imp.破壊電圧が高くなっている。また、リード線15が90°回転されて引き出されているものは、30°回転のものと比べて、さらにImp.破壊電圧が高くなっている。
【0103】
よって、リード線15を回転させて引き出すことにより、対地絶縁特性を改善することできることがわかった。
【0104】
また、回転角度が30°よりも大きければ、窒素ガスを用いた場合であっても、Imp.破壊電圧試験に耐えられる性能を有している。よって、JIS規格を十分に満たすためには、回転角度θは、30°よりも大きければよく、2本のリード線15の回転による不具合を考慮すると、「30°<θ≦90°」がより好ましいことがわかった。
【0105】
なお、リード線15が3本以上の場合は勿論、1本の場合であっても、回転による不具合は同様に発生するため、回転角度θが「30°<θ≦90°」のとき、同様の効果を得ることができる。
【0106】
(実施例2)
高圧乾式コンデンサ1において、素体2から引き出されているリード線15・16が、そのままのもの(絶縁パイプ無し)、絶縁パイプ34が被覆されているもの(絶縁パイプ使用)、絶縁パイプ34が使用されるとともにその両開放端を樹脂でモールド成形したもの(絶縁パイプ両端モールド)、の3つの供試品を作製して、Imp.破壊電圧試験を行い、Imp.破壊電圧を測定した。なお、充填ガスは窒素を用いた。
【0107】
測定結果を表2に示す。表2では、各供試品のImp.破壊電圧を、JIS定格電圧を1.00とおいたときの比率で示している。
【0108】
【表2】
【0109】
表2に示されるように、絶縁パイプ34が被覆されているものは、絶縁パイプ無しのものと比べて、Imp.破壊電圧が高くなっている。また、絶縁パイプ34が使用されるとともにその両開放端を樹脂でモールド成形したものは、絶縁パイプ使用のものと比べて、さらにImp.破壊電圧が高くなっている。
【0110】
よって、絶縁パイプ34を使用するとともに、その両開放端を樹脂封止することにより、対地絶縁特性を改善することできることがわかった。
【0111】
また、絶縁パイプ34が使用されるとともにその両開放端を樹脂でモールド成形したものは、窒素ガスを用いた場合であっても、Imp.破壊電圧試験に耐えられる性能を有している。よって、この構成がJIS規格を十分に満たすことがわかった。
【0112】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。