特許第5718559号(P5718559)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5718559有機化ベントナイトの製造方法及びこれにより得られる有機化ベントナイト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718559
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】有機化ベントナイトの製造方法及びこれにより得られる有機化ベントナイト
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/40 20060101AFI20150423BHJP
   A61K 8/25 20060101ALN20150423BHJP
【FI】
   C01B33/40
   !A61K8/25
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2009-214958(P2009-214958)
(22)【出願日】2009年9月16日
(65)【公開番号】特開2011-63475(P2011-63475A)
(43)【公開日】2011年3月31日
【審査請求日】2012年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104814
【氏名又は名称】クニミネ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076439
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 敏三
(74)【代理人】
【識別番号】100131288
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 尚祐
(72)【発明者】
【氏名】黒坂 恵一
(72)【発明者】
【氏名】窪田 宗弘
(72)【発明者】
【氏名】藤森 厚裕
【審査官】 佐藤 哲
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−504582(JP,A)
【文献】 特公昭33−003018(JP,B1)
【文献】 特開2004−256354(JP,A)
【文献】 特開平06−154624(JP,A)
【文献】 特開平02−293315(JP,A)
【文献】 特開平04−074708(JP,A)
【文献】 特開昭54−084882(JP,A)
【文献】 特開昭63−294936(JP,A)
【文献】 特開2004−269277(JP,A)
【文献】 特開平02−267113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/20 − 39/54
A61K 8/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第四級アンモニウム化合物を有機溶媒に溶解させた有機化合物溶液と、前記有機溶媒に対して非相溶性の媒体にベントナイトを分散させた分散体とを、前記有機化合物溶液と前記分散体の総量に対して前記有機化合物溶液の量が10〜60質量%となるように混合し、これにより、前記有機化合物溶液と前記分散体との液界面で前記第四級アンモニウム化合物と前記ベントナイトとを接触させて、前記ベントナイトを前記第四級アンモニウム化合物で修飾することを特徴とする有機化ベントナイトの製造方法。
【請求項2】
前記第四級アンモニウム化合物を溶解する有機溶媒が無極性有機溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の有機化ベントナイトの製造方法。
【請求項3】
前記ベントナイトを分散させる媒体が水であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機化ベントナイトの製造方法。
【請求項4】
前記有機化合物溶液と前記分散体とを撹拌しエマルション状態で両者を接触させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機化ベントナイトの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化ベントナイトの製造方法及びこれにより得られる有機化ベントナイトに関する。詳しくは、ベントナイトの有機化処理を液界面において進行させる高修飾率の有機化ベントナイトの製造方法及びこれにより得られる有機化ベントナイトに関する。
【背景技術】
【0002】
有機化ベントナイトとは、スメクタイトの層間に有機化剤を入れ込んだ、あるいはその表面に吸着させたものである(以下、このような処理を「表面等の修飾」又は単に「修飾」という。)。有機化ベントナイトは各種分野、例えば塗料、塗膜材、印刷インキ、化粧品、目地充填料、樹脂用フィラー、潤滑グリース等に使用されている。ベントナイトの有機化反応は、一般的には、有機化合物からなる修飾剤の水溶液と粘土の水分散液とを攪拌・混合する反応によって行われている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】日本粘土学会編「粘土ハンドブック(第2版)」p986〜990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者らの確認を通じ、上記従来の方法で得られる有機化ベントナイトの表面は不均一な修飾状態にあることが多く、有機化剤による修飾率の向上に限界があることが分かってきた。粘土結晶の表面等をさらに高修飾率で覆うことが可能な簡便かつ効率的な方法が望まれた。
【0005】
本発明は、ベントナイトの有機化反応を行うに際し、その粘土結晶の表面等を高い修飾率で修飾することが可能な有機化ベントナイトの製造方法及びこれにより得られる高修飾率の有機化ベントナイトの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記の課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、有機化合物による修飾反応の場を該有機化合物の溶液とベントナイトを含有した分散体との液界面とすることで高修飾率の有機化ベントナイトが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
上記の課題は以下の手段により解決された。
(1)第四級アンモニウム化合物を有機溶媒に溶解させた有機化合物溶液と、前記有機溶媒に対して非相溶性の媒体にベントナイトを分散させた分散体とを、前記有機化合物溶液と前記分散体の総量に対して前記有機化合物溶液の量が10〜60質量%となるように混合し、これにより前記有機化合物溶液と前記分散体との液界面で前記第四級アンモニウム化合物と前記ベントナイトとを接触させて、前記ベントナイトを前記第四級アンモニウム化合物で修飾することを特徴とする有機化ベントナイトの製造方法。
(2)前記第四級アンモニウム化合物を溶解する有機溶媒が無極性有機溶媒であることを特徴とする(1)に記載の有機化ベントナイトの製造方法。
(3)前記ベントナイトを分散させる媒体が水であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の有機化ベントナイトの製造方法。
(4)前記有機化合物溶液と前記分散体とを撹拌しエマルション状態で両者を接触させることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の有機化ベントナイトの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法によれば、従来の方法で実現可能な程度を超え、有機化合物による高い修飾率の有機化ベントナイトを得ることができる。また、本発明の有機化ベントナイトは従来にない高い修飾率を有し、各種工業利用が可能な有機媒体への分散性の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1で調製した有機化ベントナイトの顕微鏡観察結果を示す図であり、(a)は顕微鏡写真像、(b)は(a)の所定の箇所の高さを示すグラフである。
図2】比較例1で調製した有機化ベントナイトの顕微鏡観察結果を示す図であり、(a)は顕微鏡写真像、(b)は(a)の所定の箇所の高さを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(有機化合物)
本発明の製造方法において、ベントナイトの有機化処理に使用される有機化合物は特に限定されないが、極性を有する基をもつ有機化合物が挙げられ、さらに好ましくはカチオン性基を有する有機化合物が挙げられ、特に好ましくはアンモニウム基を有する有機化合物が挙げられる。上記有機化合物の分子量は特に限定されないが、炭素数が10〜500であることが好ましく、20〜100であることがより好ましい。なお、本発明において化合物とはその化合物自身のほか、その塩を含む意味である。
【0011】
有機化合物について具体的例を挙げれば、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、イミダゾリウム塩、及びピリジニウム塩が挙げられ、なかでも特に第四級アンモニウム塩が好ましい。また、有機化合物からなる修飾剤(以下、「有機化剤」ということがある。)の特性として側鎖に無極性基を有するもの、例えばアルキル基、ベンジル基を有するものが無極性有機溶媒への溶解性があり、さらに好ましい。
【0012】
本発明の製造方法において、有機化剤の溶媒への含有量は特に限定されないが、ベントナイトの陽イオン交換容量としていえば、0.5〜2.0倍当量が好ましく、1.0〜1.8倍当量がより好ましく、1.2〜1.5倍当量が特に好ましい。この含有量を多くしすぎないことで未反応有機化剤を多くしすぎず、有機化ベントナイトの洗浄量を抑えることができる。逆に少なすぎないことで無極性有機溶媒層と水層との界面における反応効率を良好な範囲とすることができる。
【0013】
(有機溶媒)
本発明の製造方法において有機化剤を溶解する有機溶媒としては特に限定されないが、無極性溶媒であることが好ましい。この有機溶媒は後述する水等のベントナイトを分散する分散媒と相溶しないものであり、反応の場としての両者が液界面をなすことが好ましい。そのため、特に水への溶解性のない無極性かつ常温では液状であるものであることが好ましい。
【0014】
上記有機溶媒として具体的には、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、塩化メチレン、四塩化メチレン、四塩化炭素、テトラクロロエチレンが挙げられ、クロロホルムが特に好ましい。本発明の製造方法においては、後述するベントナイト分散体との混合液の総量に対して上記有機化合物を溶解した溶液の量10〜60質量%とし、30〜50質量%とすることが好ましい。なお、上記有機化剤を溶解する有機溶媒の比重は水等の後記分散媒体の比重よりも大きくても小さくてもよい。
【0015】
(ベントナイト)
本発明の製造方法に用いられるベントナイトは、シリカとアルミナとを主成分とする層状ケイ酸塩鉱物の1種であるスメクタイトを主成分とするもので、スメクタイトからなるものが好ましい。スメクタイトとしては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト、サポナイトが好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。また、精製モンモリロナイトとしては、例えば、クニピアF(商品名、クニミネ工業(株)製)として市販されている。本発明に用いられる分散体中のベントナイト含有量(濃度)は0.01〜4質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましく、0.5〜1質量%であることが特に好ましい。この分散体におけるベントナイト量を多くしすぎないことで粘性を抑え有機化剤との反応性を良くすることができる。これを少なくしすぎないことで有機化剤を溶解した有機溶媒と水等の分散媒体との液界面における反応効率を良化することができる。
(分散媒)
本発明の製造方法においてベントナイトを分散させる分散媒体には、上記有機化剤を溶解する有機溶媒に対して非相溶性の媒体が用いられる。本発明において非相溶性とは2つの液が互いに任意の量で混じり合う関係ではないことをいい、その程度は限定されないが、例えば溶解度において0.5g/100g有機溶媒量以下となる関係であることが好ましく、0.01g〜0.1/100g有機溶媒量、となる関係であることがより好ましい。上記分散媒体の具体例としては、例えば、水性媒体(水、アルコール水溶液や酸性・塩基性の水溶液)、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド等が挙げられ、中でも水が好ましい。
【0016】
(有化合物溶液と分散体との接触)
上記のようにして調製した有機化剤を有機溶媒に溶解した有機媒体と、ベントナイトを分散媒体に分散させた分散体との接触反応の条件は特に限定されないが、例えば、両液を一つの曹内に容れ、撹拌することにより効率的に反応を進行させることが挙げられる。このように撹拌することで前記両液の媒体は非相溶性であるためエマルション状態となり、その接触界面で有機化剤のベントナイト表面への吸着を進行させることができる。このとき接触反応時のエマルション状態は撹拌時にその状態であればよく、静置した後に相分離し2層に分かれるものであってもよい。
上記2液の接触反応時の温度は特に限定されないが、例えば室温(約28℃)で進行させることができ、特別な加熱ないし冷却装置を要さず好ましい。また、撹拌条件も特に限定されず、例えばこの種の撹拌に用いられる通常の撹拌機を考慮したとき、回転速度100〜1000rpmで撹拌することが実際的である。
【0017】
本発明の製造方法においては、上記のとおり有機化合物溶液とベントナイト分散体とが相溶せず2層に分離する条件で、好ましくは撹拌を行い、両者の接触反応を行う。これにより、例えば有機化剤の水溶液とベントナイトの水分散体とを混合して両者が相溶した状態で反応を行うのでは実現することが不可能なほど、修飾率が高く、つまり結晶表面を有機化剤が効率よく覆いその被覆率が極めて高いものを得ることができる。従来の方法のように水系の反応液中で有機化剤とベントナイトとを接触させたのではその有機化剤による修飾反応の進行とともに疎水化された有機化ベントナイト粒子が凝集するため、未反応部分が凝集塊に取り込まれ反応率が低下する。これに対し、本発明の製造方法によればそのような凝集の形成が抑制されるため、有機化剤による修飾率が向上する。また、2液の層界面でベントナイトと有機化剤とが接触するため、分子レベルでみたとき有機化剤が整列したような状態で隙間無く吸着し、修飾率を高めることに寄与し、界面における反応により、粘土結晶の片面に多く有機化が進行していると考えられる。なお、本発明において上記有機化剤の修飾により得られるものは、ベントナイト結晶の表面に有機化剤が吸着したものはもとより、その層間に有機化剤がインターカレーションしたものがあってもよく、また、2液の層界面で有機化剤がベントナイトを修飾したもののほか、分散体に有機化剤が移行してそこで修飾したものがあってもよい。
【0018】
一般的に、有機化剤によるベントナイトの修飾は、そのままでは有機溶媒に分散しないベントナイトを有機溶媒に分散可能とする目的で行われる。有機化ベントナイトの分散において重要な要素として、有機化ベントナイトが一次粒子まで分散されていることが好ましい。また、耐水性付与の利用目的においても、同様に有機化剤の修飾率が、高いことがベントナイト結晶の疎水性に関わる重要な要素であり好ましい。有機化剤による修飾率が高ければ高いほど、有機溶媒への均一分散性及びベントナイト結晶の疎水性が通常高く、本発明の製造方法により得られる高修飾率の有機化ベントナイトは主に、ナノコンポジット用フィラー、耐水性材料の皮膜、油性塗料、化粧品、グリースに好適に利用することができる。かかる観点から、本発明の有機化ベントナイトは従来の方法で得ることが実際不可能であったほど高い40%以上の修飾率を有する点で有用であり、この修飾率はさらに50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。上記修飾率に上限は特にないが90%以下であることが実際的である。
【実施例】
【0019】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。
【0020】
実施例1
精製モンモリロナイト(クニピアF、商品名、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(ジメチルジステアリルアンモニウム塩(DMDS)、ライオン・アクゾ(株)社製)をクロロホルムに0.1質量%分散させた無極性有機溶媒層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(DMDS−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0021】
実施例2
精製モンモリロナイト(クニピアF、商品名、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(ジメチルベンジルステアリルアンモニウム塩(DMBA)、ライオン・アクゾ(株)社製)をクロロホルムに0.1質量%分散させた無極性有機溶媒層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(DMBA−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0022】
実施例3
精製モンモリロナイト(クニピアF、商品名、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(メチルヒドロキシエチルステアリルアンモニウム塩(MHES)、ライオン・アクゾ(株)社製)をクロロホルムに0.1質量%分散させた無極性有機溶媒層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(MHES−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0023】
実施例4
精製モンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(トリメチルステアリルアンモニウム塩(TMS)、ライオン・アクゾ(株)社製)をクロロホルムに0.1質量%分散させた無極性有機溶媒層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(TMS−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0024】
比較例1
精製モンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(ジメチルジステアリルアンモニウム塩(DMDS)、ライオン・アクゾ(株)社製)を蒸留水に0.1質量%分散させた水層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(DMDS−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0025】
比較例2
精製モンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(ジメチルベンジルステアリルアンモニウム塩(DMBA)、ライオン・アクゾ(株)社製)を蒸留水に0.1質量%分散させた水層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(DMBA−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0026】
比較例3
精製モンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(メチルヒドロキシエチルステアリルアンモニウム塩(MHES)、ライオン・アクゾ(株)社製)を蒸留水に0.1質量%分散させた水層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(MHES−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0027】
比較例4
精製モンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(トリメチルステアリルアンモニウム塩(TMS)、ライオン・アクゾ(株)社製)を蒸留水に0.1質量%分散させた水層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(TMS−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0028】
<修飾率の評価>
有機化ベントナイトをトルエンに1.0×10−3質量%分散させ、マイカ基盤上にスピンキャストさせ乾燥させた試料を原子間力顕微鏡(SII(株)社製、SPA-300)にてTapping mode AFM観察を行った。得られた画像から粘土結晶表面の有機化剤の被覆面積を解析し、以下の式1により有機化剤被覆率を算出した。
[式1]
有機化剤修飾率=有機化剤修飾面積/粘土結晶面積 ×100
【0029】
有機化剤による修飾状態の判断は、ベントナイト表面より厚みの見られる部位に関して有機化剤が修飾されているとして行うことができる。具体的に、実施例1で調製した図1の顕微鏡写真(a)及びその下のグラフ(b)で説明すると、顕微鏡写真(a)の縦方向の中央よりやや下の部分に左右幅方向に延びる線にそって、その高さを示したのが下のグラフ(b)である。ここで顕微鏡写真(a)の白くみえるところが結晶表面で高さのある部分を示し、黒くなるほど低くなっていることを示している。下のグラフ(b)の白抜きの部分がその高さをグラフ化したものである。このグラフの0.0nmの位置がベントナイト結晶の表面を表しており、同グラフでは最大でそれよりも約5.5nm高いところが示されている。比較例1に係る図2も同様に表示しており、ベントナイト結晶表面より最大で約3.0nm高いところが確認されている。しかし、図2の下のグラフ中、高さのある白抜きの部分が図1(実施例)に対して少ないことが分かる。
【0030】
具体的に修飾率の算定は以下のようにして行った。粘土結晶の高さと面積は原子間力顕微鏡内の解析ツールであるGrain Sizeにて判別した。まず、粘土結晶全体の面積を算定した後に、粘土表面の高さより高い部分を有機化処理部分とみなし、有機化処理部分の面積を算定した。これらを上記式(1)に代入することにより修飾率を求めた。
【0031】
[表1]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試料名 有機化ベントナイト 有機化剤修飾率(%)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例1 DMDS−MMT 68.7
実施例2 DMBA−MMT 42.0
実施例3 MHES−MMT 47.0
実施例4 TMS−MMT 41.0
比較例1 DMDS−MMT 36.0
比較例2 DMBA−MMT 25.0
比較例3 MHES−MMT 12.0
比較例4 TMS−MMT 15.0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0032】
上記表1に示した結果より、本発明の製造方法(実施例)によれば従来の方法(比較例)で実現することができない、40%以上という有機化剤による高い修飾率を達成できることが分かる。
図1
図2