【0015】
(ベントナイト)
本発明の製造方法に用いられるベントナイトは、シリカとアルミナとを主成分とする層状ケイ酸塩鉱物の1種であるスメクタイトを主成分とするもので、スメクタイトからなるものが好ましい。スメクタイトとしては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト、サポナイトが好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。また、精製モンモリロナイトとしては、例えば、クニピアF(商品名、クニミネ工業(株)製)として市販されている。本発明に用いられる分散体中のベントナイト含有量(濃度)は0.01〜4質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましく、0.5〜1質量%であることが特に好ましい。この分散体におけるベントナイト量を多くしすぎないことで粘性を抑え有機化剤との反応性を良くすることができる。これを少なくしすぎないことで有機化剤を溶解した有機溶媒と水等の分散媒体との液界面における反応効率を良化することができる。
(分散媒)
本発明の製造方法においてベントナイトを分散させる分散媒体には、上記有機化剤を溶解する有機溶媒に対して非相溶性の媒体が用いられる。本発明において非相溶性とは2つの液が互いに任意の量で混じり合う関係ではないことをいい、その程度は限定されないが、例えば溶解度において0.5g/100g有機溶媒量以下となる関係であることが好ましく、0.01g〜0.1/100g有機溶媒量、となる関係であることがより好ましい。上記分散媒体の具体例としては、例えば、水性媒体(水、アルコール水溶液や酸性・塩基性の水溶液)、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド等が挙げられ、中でも水が好ましい。
【実施例】
【0019】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。
【0020】
実施例1
精製モンモリロナイト(クニピアF、商品名、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(ジメチルジステアリルアンモニウム塩(DMDS)、ライオン・アクゾ(株)社製)をクロロホルムに0.1質量%分散させた無極性有機溶媒層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(DMDS−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0021】
実施例2
精製モンモリロナイト(クニピアF、商品名、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(ジメチルベンジルステアリルアンモニウム塩(DMBA)、ライオン・アクゾ(株)社製)をクロロホルムに0.1質量%分散させた無極性有機溶媒層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(DMBA−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0022】
実施例3
精製モンモリロナイト(クニピアF、商品名、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(メチルヒドロキシエチルステアリルアンモニウム塩(MHES)、ライオン・アクゾ(株)社製)をクロロホルムに0.1質量%分散させた無極性有機溶媒層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(MHES−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0023】
実施例4
精製モンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(トリメチルステアリルアンモニウム塩(TMS)、ライオン・アクゾ(株)社製)をクロロホルムに0.1質量%分散させた無極性有機溶媒層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(TMS−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0024】
比較例1
精製モンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(ジメチルジステアリルアンモニウム塩(DMDS)、ライオン・アクゾ(株)社製)を蒸留水に0.1質量%分散させた水層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(DMDS−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0025】
比較例2
精製モンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(ジメチルベンジルステアリルアンモニウム塩(DMBA)、ライオン・アクゾ(株)社製)を蒸留水に0.1質量%分散させた水層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(DMBA−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0026】
比較例3
精製モンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(メチルヒドロキシエチルステアリルアンモニウム塩(MHES)、ライオン・アクゾ(株)社製)を蒸留水に0.1質量%分散させた水層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(MHES−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0027】
比較例4
精製モンモリロナイト(クニピアF、クニミネ工業(株)社製)を0.1質量%分散させた水層100g(55℃)に対し、有機化剤(トリメチルステアリルアンモニウム塩(TMS)、ライオン・アクゾ(株)社製)を蒸留水に0.1質量%分散させた水層100g(55℃)を羽付攪拌機にて攪拌させながら滴下し、20分間反応させることで有機化ベントナイト(TMS−MMT)を作製した。得られた有機化ベントナイトはろ過し減圧下において乾燥させ、有機化ベントナイトを得た。
【0028】
<修飾率の評価>
有機化ベントナイトをトルエンに1.0×10
−3質量%分散させ、マイカ基盤上にスピンキャストさせ乾燥させた試料を原子間力顕微鏡(SII(株)社製、SPA-300)にてTapping mode AFM観察を行った。得られた画像から粘土結晶表面の有機化剤の被覆面積を解析し、以下の式1により有機化剤被覆率を算出した。
[式1]
有機化剤修飾率=有機化剤修飾面積/粘土結晶面積 ×100
【0029】
有機化剤による修飾状態の判断は、ベントナイト表面より厚みの見られる部位に関して有機化剤が修飾されているとして行うことができる。具体的に、実施例1で調製した
図1の顕微鏡写真(a)及びその下のグラフ(b)で説明すると、顕微鏡写真(a)の縦方向の中央よりやや下の部分に左右幅方向に延びる線にそって、その高さを示したのが下のグラフ(b)である。ここで顕微鏡写真(a)の白くみえるところが結晶表面で高さのある部分を示し、黒くなるほど低くなっていることを示している。下のグラフ(b)の白抜きの部分がその高さをグラフ化したものである。このグラフの0.0nmの位置がベントナイト結晶の表面を表しており、同グラフでは最大でそれよりも約5.5nm高いところが示されている。比較例1に係る
図2も同様に表示しており、ベントナイト結晶表面より最大で約3.0nm高いところが確認されている。しかし、
図2の下のグラフ中、高さのある白抜きの部分が
図1(実施例)に対して少ないことが分かる。
【0030】
具体的に修飾率の算定は以下のようにして行った。粘土結晶の高さと面積は原子間力顕微鏡内の解析ツールであるGrain Sizeにて判別した。まず、粘土結晶全体の面積を算定した後に、粘土表面の高さより高い部分を有機化処理部分とみなし、有機化処理部分の面積を算定した。これらを上記式(1)に代入することにより修飾率を求めた。
【0031】
[表1]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
試料名 有機化ベントナイト 有機化剤修飾率(%)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例1 DMDS−MMT 68.7
実施例2 DMBA−MMT 42.0
実施例3 MHES−MMT 47.0
実施例4 TMS−MMT 41.0
比較例1 DMDS−MMT 36.0
比較例2 DMBA−MMT 25.0
比較例3 MHES−MMT 12.0
比較例4 TMS−MMT 15.0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0032】
上記表1に示した結果より、本発明の製造方法(実施例)によれば従来の方法(比較例)で実現することができない、40%以上という有機化剤による高い修飾率を達成できることが分かる。