特許第5718596号(P5718596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5718596受信回路、信号伝送回路、及び信号受信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718596
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】受信回路、信号伝送回路、及び信号受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/03 20060101AFI20150423BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20150423BHJP
   G06F 1/04 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   H04L25/03 E
   H04L25/02 303Z
   G06F1/04 Z
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-176236(P2010-176236)
(22)【出願日】2010年8月5日
(65)【公開番号】特開2012-39286(P2012-39286A)
(43)【公開日】2012年2月23日
【審査請求日】2013年8月1日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511006720
【氏名又は名称】ジーブイビービー ホールディングス エス.エイ.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】金丸 裕樹
【審査官】 白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−118148(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/013085(WO,A1)
【文献】 特開昭63−314047(JP,A)
【文献】 ON Semiconductor(Paul Shockman),AND8020/D Termination of ECL Logic Devices,AND8020/D APPLICATION NOTE,2002年 5月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/03
G06F 1/04
H04L 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック信号を受信する第1端と第1ノードとの間をAC結合し、少なくとも1つのキャパシタとトランスとを含むAC結合回路と、
LDVSレシーバの入力信号の電圧値をLDVSレシーバ規格に合わせるための、電源電圧とグランド電圧との間に配置された抵抗列を含む電圧調整回路と、
前記第1端に印加される前記クロック信号に応じて前記第1ノードに現れる第2の信号をローパスフィルタリングして第2ノードに参照用信号を生成するローパスフィルタ回路と、
非反転入力に前記第1ノードで生成された前記第2の信号が入力されると共に、反転入力に前記第2ノードで生成された前記参照用信号が入力され、前記LDVSレシーバであるコンパレータと、を含み、
前記ローパスフィルタ回路は、前記グランド電圧と前記コンパレータの前記反転入力との間に結合されたキャパシタ及びインダクタの少なくとも1つを含む、受信回路。
【請求項2】
前記抵抗列は前記LVDSレシーバの入力信号のコモンモード電圧をLVDSレシーバ規格に合わせるよう設定されている、請求項記載の受信回路。
【請求項3】
前記抵抗列は、
前記電源電圧と前記LVDSレシーバの第1の入力端との間を接続する第1の抵抗と、
前記LVDSレシーバの前記第1の入力端と第2の入力端との間を接続する第2の抵抗と、
前記第2の入力端と前記グランド電圧との間を接続する第3の抵抗と、
を含む請求項記載の受信回路。
【請求項4】
前記ローパスフィルタ回路は、前記グランド電圧と、前記第2の抵抗と前記第3の抵抗との間のノードと間に結合され、前記第3の抵抗に対して平行に結合される容量素子を含む、請求項記載の受信回路。
【請求項5】
前記ローパスフィルタ回路は抵抗素子と容量素子とを含む、請求項1記載の受信回路。
【請求項6】
単相の伝送配線と、
前記伝送配線に挿入されるダンピング抵抗と、
第1端と第2端との間をAC結合するAC結合回路であって、前記第1端が前記伝送配線の受信側に接続されている、前記AC結合回路と、
LVDSレシーバの入力信号の電圧値をLVDSレシーバ規格に合わせるための、電源電圧とグランド電圧との間に配置された抵抗列を含む電圧調整回路と、
前記第1端に印加される第1の信号に応じて前記第2端に現れる第2の信号をローパスフィルタリングして第3の信号を生成するローパスフィルタ回路と、
前記第2の信号と前記第3の信号とが入力され、LVDSレシーバであるコンパレータと、を含み、
前記ローパスフィルタ回路は、グランド電圧と前記コンパレータの入力との間に結合されたキャパシタ及びインダクタの少なくとも1つを含む、信号伝送回路。
【請求項7】
前記伝送配線はクロック配線である、請求項記載の信号伝送回路。
【請求項8】
受信信号からAC成分を抽出し、
前記AC成分を所定の電位に加えて第1の電圧信号を生成し、
グランド電圧とコンパレータの入力との間に結合されたキャパシタ及びインダクタの少なくとも1つを含むローパスフィルタ回路によって前記第1の電圧信号をローパスフィルタリングして第2の電圧信号を生成し、
電源電圧とグランド電圧との間に配置された抵抗列によって、受信信号のコモンモード電圧をレシーバのレシーバ規格に合わせ、
LVDSレシーバである前記コンパレータによって、前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号とを比較する、
各段階を含む、信号受信方法。
【請求項9】
前記ローパスフィルタ回路は、1マイクロファラッドの容量素子を含む、請求項1に記載の受信回路。
【請求項10】
前記ローパスフィルタ回路は、抵抗要素と容量要素との間に位置する前記第2ノードで参照用信号を生成する、前記抵抗要素と前記容量要素とを含み、
前記参照用信号は、前記コンパレータに入力される、請求項1に記載の受信回路。
【請求項11】
前記抵抗列は、約3.3Vの電源電圧に対し、第2端において約1.2Vの電圧を生成する、請求項に記載の受信回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に受信回路、信号伝送回路、及び信号受信方法に関し、詳しくはクロック信号を受信する受信回路、クロック信号を伝送する信号伝送回路、及びクロック信号を受信する信号受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器内でクロック信号を送信側から受信側に伝送する際に、伝送路を伝搬するクロック信号により電磁波が発生する。この電磁波の強度が大きい場合には、電磁波がEMI(Electro-Magnetic Interference)ノイズとして作用する可能性がある。EMIノイズを低減するために、一般的に、クロック送信側にダンピング抵抗やEMIフィルタを挿入する配線構造が用いられる。
【0003】
図1は、単一のクロック配線にダンピング抵抗を挿入し、クロック信号を単相で伝送する構成を示す図である。図1に示す構成においては、以下の問題点が存在する。まず、配線長が長くなるほど、配線からの電磁波のエミッションが増えてしまう。また、配線長が長くなるほど配線容量が増えて、受信端でのクロック信号の振幅が小さくなる。ダンピング抵抗やEMIフィルタを大きくすることにより、配線からの電磁波のエミッションを減らし且つ信号反射の影響を減らすことができるが、受信端でのクロック信号の振幅が小さくなる。
【0004】
受信端でのクロック信号の振幅が小さくなると、受信側で必要な信号電圧のスレッショルドを満たせなくなり、クロック信号を検出できないおそれがある。また、信号の立ち上がり時間及び立ち下がり時間の増大により、受信したクロック信号のジッターが増えるおそれがある。
【0005】
図2は、ダンピング抵抗により減衰させたクロック信号を差動信号として伝送する構成を示す図である。図2の差動構成を用いることにより、図1に示す単相構成の問題点を以下のように改善することができる。第1に、クロック信号が差動信号により伝送されるため、極性が逆の信号同士が互いの電磁界を打ち消し合うことにより、電磁波のエミッションを抑えることができる。第2に、差動信号でクロック信号が伝送されるため、外来ノイズに強く、クロック信号を長距離伝送して信号振幅が減少しても、受信端で的確にクロックを検出することができる。
【0006】
図2に示す構成では、差動信号システムとして例えばLVDS(Low Voltage Differential Signaling)を用いている。LVDSは、低い消費電力で比較的高いデータレートを実現することが可能な標準化規格である。図2に示す構成では、送信端側と受信端側とにそれぞれLVDSトランスミッタ10とLVDSレシーバ11とが配置され、更に、LVDSトランスミッタ10とLVDSレシーバ11との間を差動100Ωの配線12で接続している。この構成では、送信端と受信端との両方に部品(LVDSトランスミッタ及びレシーバ)を追加するために、図1の構成と比較してかなりのコスト増となる。またLVDSトランスミッタ10とLVDSレシーバ11との間の配線12を、差動100Ωの特別な配線にする必要があるため、その配線路のレイアウトの自由度が制限されてしまう。
【0007】
コスト及び配線レイアウトの自由度の観点からは、単相でクロック信号を伝送することが好ましい。但し、単相でクロック伝送する場合には、ダンピング抵抗によりEMIノイズを十分に低減しながらも、受信端で的確にクロック信号を検出可能な構成とする必要がある。
【0008】
単相でクロック信号を伝送し、LVDSレシーバによりクロック信号を受信する構成が幾つかの文献に開示されている(例えば非特許文献1及び2)。これらの文献に開示される構成では、抵抗列により適切な振幅に調整したクロック信号をLVDSレシーバの第1端に印加すると共に、電源電圧を抵抗列により分圧して生成した参照電圧をLVDSレシーバの第2端に印加している。またLVDSレシーバの第2端とGNDとの間にキャパシタを挿入することにより、参照電圧に対する電源ノイズの影響を除去している。この構成により、DC成分を含むクロック信号の電圧と固定の参照電圧とを比較して、クロック信号を検出している。しかし、配線路の影響等によりクロック信号に振幅の歪みやDC成分のずれが発生した場合、参照電圧と受信クロック信号電圧との関係が理想の電圧関係とは異なるものとなり、適切な信号検出ができない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Chris Sterzik, "Interfacing DifferentLogic With LVDS Receivers," TEXAS INSTRUMENT Application Report SLLA101-September2001 (USA)
【非特許文献2】"Interfacing LVDS to PECL, LVPECL, CML, RS-422 and single-endeddevices," PERICOM Application Note 47, 2002 (USA)
【発明の概要】
【0010】
本発明の一態様によれば、第1端と第2端との間をAC結合するAC結合回路と、前記第1端に印加される第1の信号に応じて前記第2端に現れる第2の信号をローパスフィルタリングして第3の信号を生成するローパスフィルタ回路と、前記第2の信号と前記第3の信号とが入力されるコンパレータとを含む受信回路が提供される。
【0011】
また、本発明の他の態様によれば、単相の伝送配線と、前記伝送配線の送信側に挿入されるダンピング抵抗と、第1端と第2端との間をAC結合するAC結合回路であって、前記第1端が前記伝送配線の受信側に接続されている、前記AC結合回路と、前記第1端に印加される第1の信号に応じて前記第2端に現れる第2の信号をローパスフィルタリングして第3の信号を生成するローパスフィルタ回路と、前記第2の信号と前記第3の信号とが入力されるコンパレータとを含む信号伝送回路が提供される。
【0012】
また、本発明の更に他の態様によれば、受信信号からAC成分を抽出し、前記AC成分を所定の電位に加えて第1の電圧信号を生成し、前記第1の電圧信号をローパスフィルタリングして第2の電圧信号を生成し、前記第1の電圧信号と前記第2の電圧信号とを比較する各段階を含む信号受信方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】単一のクロック配線にダンピング抵抗を挿入し、クロック信号を単相で伝送する構成を示す図である。
図2】ダンピング抵抗により減衰させたクロック信号を差動信号として伝送する構成を示す図である。
図3】受信回路の第1の実施例を示す図である。
図4】受信回路の第2の実施例を示す図である。
図5】受信回路の第3の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
図3は、受信回路の第1の実施例を示す図である。図3の受信回路は、コンパレータ21、容量素子22及び23、抵抗素子24乃至27、クロック受信端28、及びクロック出力端29を含む。クロック受信端28は、単相の伝送配線32の受信側に接続されている。この伝送配線32の送信端30に近い送信側には、ダンピング抵抗31が挿入されていてもよい。
【0016】
受信回路の容量素子22は、第1端としてのクロック受信端28と、第2端としてのノードN1との間を容量結合するAC結合回路として機能する。クロック受信端28に伝送配線32からのクロック信号CLK_INが印加されると、この入力クロック信号CLK_INに応じてノードN1に検出用クロック信号が現れる。この検出用クロック信号は、クロック信号CLK_INから容量素子22によって直流成分が除去されたクロック信号に、抵抗素子列24乃至26により規定される電位を直流成分として足し合わせた信号となる。抵抗素子25及び容量素子23を含む回路部分はローパスフィルタとして機能し、ノードN1に現れる検出用クロック信号をローパスフィルタリングして、参照用信号をノードN2に生成する。この参照用信号は、理想的には検出用クロック信号の平均電圧に等しい一定電圧値であるが、実際にはこの平均電圧付近で小さい振幅を有して変動する信号となる。
【0017】
コンパレータ21は、ノードN1に現れる検出用クロック信号を非反転入力端に受け取り、ノードN2に現れる参照用信号を反転入力端に受け取る。クロック信号のデューティを50%とすると、コンパレータ21の反転入力端の電圧(参照用信号の電圧)は、クロック信号の電圧変動範囲の概ね中央値となる。コンパレータ21は、検出用クロック信号が参照用信号よりも高い電圧の場合にはHIGHレベルの信号を出力し、検出用クロック信号が参照用信号よりも低い電圧の場合にはLOWレベルの信号を出力する。コンパレータ21の出力信号は、ダンピング抵抗である抵抗素子27を介して、クロック出力端29からクロック信号出力CLK_OUTとして次段の回路に供給される。なおダンピング用の抵抗素子27は設けられていなくてもよい。
【0018】
コンパレータ21は、例えばLVDSレシーバであってもよい。この場合、電源電圧VCC及びグランド電圧GNDとの間に設けられた抵抗素子24乃至26が、LVDSレシーバ21の入力信号の電圧値をLVDSレシーバ規格に合わせるための電圧調整回路として機能してもよい。
【0019】
LVDSレシーバ規格は、ANSI(American National Standards Institute)のTIA/EIA−644に規定されている。具体的には、線路(ケーブル)の伝送インピーダンスが100Ω、レシーバ終端抵抗が100Ω、信号振幅が±400mV、コモンモード電圧が入力端で1.2V±1.0Vと定められている。電圧調整用の抵抗列として、電源電圧VCCとLVDSレシーバ21の非反転入力端との間を接続する抵抗素子24と、LVDSレシーバ21の非反転入力端と反転入力端との間を接続する抵抗素子25と、反転入力端とグランド電圧GNDとの間を接続する抵抗素子26とが設けられている。これらの抵抗素子24、25、26は、それぞれ例えば8.2kΩ、100Ω、4.7kΩであってもよい。この場合、電源電圧VCCを例えば3.3Vとすると、クロック入力の無い状態でのノードN1の電圧は3.3V×(100+4700)/(8200+100+4700)であり、約1.2Vとなる。即ち、抵抗素子24乃至26からなる抵抗列により、LVDSレシーバ21の入力信号のコモンモード電圧をLVDSレシーバ規格(1.2V±1.0V)に合わせている。ノードN1に現れる検出用クロック信号は、この電圧約1.2Vに入力クロック信号CLK_INのAC成分を足し合わせたものとなる。また容量素子22は例えば0.1μF、容量素子23は例えば1μFとしてよい。
【0020】
図3の受信回路は、AC結合回路により入力クロック信号の直流成分を除去してから、クロック信号を検出している。従って、伝送配線32上での直流成分の大小の影響を受けることなく、クロック信号検出を行うことが可能となる。また、図3の受信回路は、クロック信号の平均電圧とクロック信号との差分に基づいてクロック信号を検出する。従って、クロック受信端28でのクロック信号CLK_INの振幅が小さくても(例えば1V以下であっても)、クロック信号を的確に検出することができる。そして、クロック信号の振幅が小さくても検出可能であることから、ダンピング抵抗31を例えば50〜200Ω程度に大きくしてクロック信号の振幅を小さくすることが可能であるので、伝送配線32からのエミッションを抑制できる。更に、図2に示す配線構成のように伝送路の制約がないので、配線路のレイアウトの自由度を向上させることができる。図2に示す配線構成と比較して、受信側にLVDSレシーバを設けるだけでよく、送信側にLVDSトランスミッタを設ける必要がないのでコスト的にも有利である。また、抵抗素子及び容量素子の定数の選択により、クロック信号のデューティ比を適宜補正することが可能である。
【0021】
ここで、図2に示す信号伝送回路の部品コストと図3に示す信号伝送回路の部品コストとを以下に比較する。図2に示す信号伝送回路では、2つのLVDSデバイスが用いられている。1つのLVDSデバイスのコストは約0.5ドル(USドル)であるので、合計の部品コストは約1ドルとなる。これに対し図3に示す信号伝送回路では、1つのLVDSデバイス、2つの容量素子、及び3つの抵抗素子が用いられている。1つのLVDSデバイスのコストは約0.5ドルであり、抵抗素子及び容量素子のコストは1素子あたり約0.01ドルであるので、合計の部品コストは約0.55ドルとなる。したがって、図2に示す信号伝送回路との比較において、図3の信号伝送回路はより安価に実現することができる。なお図3に示す受信回路において抵抗素子及び容量素子の各素子はLVDSデバイスと同時に実装可能であるので、各素子の実装コストを考慮する必要はない。
【0022】
図4は、受信回路の第2の実施例を示す図である。図4において図3と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は適宜省略する。図4に示す受信回路では、図3に示す受信回路から抵抗素子24及び26が取り除かれている。コンパレータ21が理想的なコンパレータに近く、広い範囲の入力電圧に対して適切な比較動作を実行可能であれば、電源電圧VCC及びグランド電圧GNDを基準とした電圧調整回路として機能する抵抗素子24及び26を設ける必要はない。またコンパレータ21がLVDSレシーバである場合であっても、LVDSレシーバの自己バイアスで動作できる条件が満たされていれば、電圧調整回路として機能する抵抗素子24及び26を設ける必要はない。なお抵抗素子24及び26の両方を取り除くのではなく、電源電圧VCC側の抵抗素子24又はグランド電圧GND側の抵抗素子26の何れか一方を取り除く構成としてもよい。
【0023】
クロック受信端28に伝送配線32からのクロック信号CLK_INが印加されると、この入力クロック信号CLK_INに応じてノードN1には検出用クロック信号が現れる。この検出用クロック信号は、クロック信号CLK_INから直流成分を除去したクロック信号となる。抵抗素子25及び容量素子23を含む回路部分はローパスフィルタとして機能し、ノードN1に現れる検出用クロック信号をローパスフィルタリングして、参照用信号をノードN2に生成する。コンパレータ21は、ノードN1に現れる検出用クロック信号とノードN2に現れる参照用信号とを比較し、その比較結果に応じて出力信号を生成する。
【0024】
なお、図4の信号伝送回路においては、図3に示すダンピング抵抗31も取り除かれている。クロック信号の電圧レベルや信号品質によっては、発生し得るEMIノイズがそれ程大きくなく、ダンピング抵抗が不要な場合もある。図4の信号伝送回路は、そのような場合を想定した構成となっている。
【0025】
図5は、受信回路の第3の実施例を示す図である。図5において図4と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は適宜省略する。図3及び図4に示す受信回路では、容量素子22が、クロック受信端28とノードN1との間を容量結合するAC結合回路として機能する。それに対して図5に示す受信回路においては、トランス40がクロック受信端28とノードN1との間を誘導結合するAC結合回路として機能する。
【0026】
クロック受信端28に伝送配線32からのクロック信号CLK_INが印加されると、入力クロック信号CLK_INに応じた検出用クロック信号が、トランス40を介してノードN1に現れる。この検出用クロック信号は、クロック信号CLK_INから直流成分を除去したクロック信号となる。このノードN1に現れる検出用クロック信号をローパスフィルタリングして、参照用信号をノードN2に生成する。コンパレータ21は、検出用クロック信号と参照用信号とを比較し、その比較結果に応じて出力信号を生成する。
【0027】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
【0028】
例えば、前述の実施例においてローパスフィルタが抵抗素子及び容量素子を含む例について説明したが、この例に限定されるものではない。ローパスフィルタとしては、例えば抵抗素子及びインダクタ素子を含むものであってよく、また抵抗素子、容量素子、及びインダクタ素子を含むものであってよい。またAC結合として、容量結合の例と誘導結合の例とを示したが、例えば容量結合と誘導結合とを両方含むようなAC結合回路であってもよい。また本願の受信回路及び信号伝送回路が適用されるクロック信号としては、必ずしも固定のデューティ比や周波数の信号に限られることはない。EMIノイズを低減するために、クロックの周波数を周期的に変動させることにより周波数スペクトラムを拡散してピーク値を低下させる場合があるが、そのように周波数が変動するクロック信号に対して、本願開示の受信回路及び信号伝送回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0029】
21 コンパレータ
22、23 容量素子
24、25、26、27 抵抗素子
28 クロック受信端
29 クロック出力端
30 クロック送信端
31 ダンピング抵抗
32 伝送配線
図1
図2
図3
図4
図5