(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるダイボンダ10を上から見た概念図である。ダイボンダ10は大別してウエハ供給部1と、ワーク供給・搬送部2と、ダイボンディング部3とを有する。
ワーク供給・搬送部2はスタックローダ13と、フレームフィーダ14と、ローダ15とを有する。スタックローダ13は、ダイを接着するワーク(リードフレーム)をフレームフィーダ14に供給する。フレームフィーダ14は、ワークをフレームフィーダ14上の2箇所の処理位置を介してアンローダ18に搬送する。アンローダ18は、搬送されたワークを保管する。
ダイボンディング部3は、プリフォーム部16とボンディングヘッド部17とを有する。プリフォーム部16は、フレームフィーダ14により搬送されてきたワークにダイ接着剤を塗布する。ボンディングヘッド部17は、ピックアップ装置12からダイをピックアップして上昇し、ダイを水平移動してフレームフィーダ14上のボンディングポイントまで移動させる。そして、ボンディングヘッド部17はボンディングポイントでダイを下降させ、ダイ接着剤が塗布されたワーク上にダイをボンディングする。
【0021】
ウエハ供給部1は、ウエハカセットリフタ11とピックアップ装置12とを有する。ウエハカセットリフタ11は、ウエハリングが充填されたウエハカセット(図示せず)を有し,順次ウエハリングをピックアップ装置12に供給する。ピックアップ装置12は、所望するダイをウエハリングからピックアップできるように、ウエハリングを移動する。
【0022】
次に、
図2および
図3を用いてピックアップ装置12の構成を説明する。
図2は、ピックアップ装置12の外観斜視図を示す図である。
図3は、ピックアップ装置12の主要部を示す概略断面図である。
図2、
図3に示すように、ピックアップ装置12はウエハリング7を保持するエキスパンドリング6と、ウエハリング7に保持され複数のダイ(チップ)4が接着されたダイシングテープ8を水平に位置決めする支持リング9と、支持リング9の内側に配置されダイ4を上方に突き上げるための突き上げユニット30とを有する。突き上げユニット30は、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動するようになっており、水平方向にはピックアップ装置12が移動するようになっている。
【0023】
ピックアップ装置12は、ダイ4の突き上げ時に、ウエハリング7を保持しているエキスパンドリング6を下降させる。その結果、ウエハリング7に保持されているダイシングテープ8が引き伸ばされダイ4の間隔が広がり、突き上げユニット30によりダイ下方よりダイ4を突き上げ、ダイ4のピックアップ性を向上させている。なお、ダイの薄型化に伴い接着剤は液状からフィルム状となり、ウエハとダイシングテープ8との間にダイアタッチフィルム5と呼ばれるフィルム状の接着材料を貼り付けている。ダイアタッチフィルム5を有するウエハでは、ダイシングはウエハとダイアタッチフィルム5に対して行なわれる。従って、剥離工程では、ウエハとダイアタッチフィルム5をダイシングテープ8から剥離する。
<実施例1>
図4は、本発明の一実施形態であるダイボンダの要部を示す概略側面図である。
本図で示すダイボンダは、ダイ4のピックアップ部を中心に示している。機能としては、ダイシングテープ43を突き上げ駒44により突上げ、次に、突き上げ針にて再度突上げる。コレット42が上方に突き出たダイ4をピックアップし、ピックアップされたダイ4は、収納容器(図示せず)に一時保管される。保管されたダイ4を取り出して、
図1で示すボンディング部3に移送して、ダイ4をフレーム(基板)上にボンディングする。
【0024】
図4は、静電気測定センサ45がコレット42に取り付けられている例を図示している。なお、本実施例1では、コレットは袖なしコレットの場合を説明する。袖つきコレットを適用する場合は、実施例2で述べることにする。
【0025】
静電気測定センサ45は、コレット42に取り付けられ、ボンディングヘッド先端41に固定された支持部47を介して設けられた信号線49の一端に接続されている。静電気測定センサ45には、バネ46が取り付けられている。バネ46を用いる理由は、静電気測定センサ45が、ダイ(電子部品)4に接触した時に、バネ46により静電気測定センサ45を低荷重で押圧し、測定の際にダイ4との接触面における接触不安定性に起因するチャタリングなどを防止するためである。なお、本実施例では、バネ46を用いた場合を示すが、静電気測定センサ45に低荷重を加える機能を有する押圧付与部材なら、他のものでも良い。
【0026】
ここで、静電気測定センサ45には、市販の接触型表面電位計を用いている。例えば、Trek社製の接触型表面電位計を用いることができる。本電位計は、10
13Ω以上、10
-13F以下の高い入力インピーダンスを備え、測定範囲は0〜±2000Vで、被測定体に接触して、微小な領域の帯電電位を測定できる特徴を備えている。
【0027】
なお、本実施例では、コレット42は、ゴムを材料とし、突き上げ駒は、樹脂を材料とし、ダイは主にシリコンなどの半導体材料である。コレット、突き上げ駒、ダイはこれに特に拘るものではなく、例えば、ダイは静電破壊の影響を受ける電子部品なら、他のものに適用できることは言うまでもない。
【0028】
一方、信号線49の他端は、帯電量リアルタイム表示装置40に接続されている。帯電量リアルタイム表示装置40は、さらに制御処理部に信号線を介して接続される。静電気測定センサ45で測定された静電気量は、信号線49を介して帯電量リアルタイム表示装置40に伝達される。帯電量リアルタイム表示装置40は、伝達された静電気量を目視できるように表示する機能を有するとともに、その静電気量を制御処理部へ伝送する。本図では、静電気の帯電量を矢印の針で示している。この場合は、帯電量がない場合は、上方を向いている。帯電量が増加するに連れて、右回りに矢印の針が回転していくものとする。
【0029】
制御処理部では、伝送された静電気量が規格値内にあるか否かの判定を行う。その判定の結果に基づいて、イオナイザーの照射を開始するか否かを決定する。静電気量の規格値は、事前に制御処理部内のメモリ部に保存されている。
【0030】
本実施例では、イオナイザーを用いる場合を示すが、他の方法を用いることもできる。例えば、ダイ4のピックアップ作業を停止し、ダイ4とコレット42との接触による放電を事前に阻止することもできる。
【0031】
図5は、
図4で示すダイボンダを用いて、ダイとダイシングテープとの剥離を行うピックアップ工程における静電気量測定の概要を示すフロー図である。
図5のa)からd)までに順に剥離工程を示し、各工程で測定された静電気量を帯電量リアルタイム表示装置40に示し、工程ごとの変化の様子を示している。なお、本図は、突き上げ駒44が既にダイシングテープ43を突き上げ開始し、突き上げ針はまだ突き上げを開始していない状態から図示しているものとする。
【0032】
先ず、
図5a)では、静電気測定センサ45がダイ4に接する前の状態を示している。この状態においては、ダイ4の測定はまだ実施されないので、帯電量リアルタイム表示装置40の矢印の針は、上方、即ちゼロを示している。
【0033】
次に、
図5b)では、静電気測定センサ45がダイ4に接した状態を示している。この状態では、帯電量リアルタイム表示装置40は、矢印の針は、右周りに多少回転していることが分かる。この時点では、帯電量は、規格値内にあることを示している。
【0034】
次に、
図5c)では、突き上げ駒の内部から突き上げ針51が上昇し、ダイシングテープを突上げて、ダイとダイシングテープとの剥離が開始されている。帯電量リアルタイム表示装置40は、矢印の針は、右周りにさらに大きく回転していることが分かる。この時点では、帯電量は、まだ規格値内にあることを示している。
【0035】
最後に、
図5d)においては、コレット42によりダイ4は、真空装置(図示せず)による真空吸引により吸着され、ボンディングヘッド部41は、上昇を開始している。この際に、ダイ4とダイシングテープ43との剥離は完全に行われ、剥離の際に発生する静電気量は通常、最大に達すると考えられる。この時、帯電量リアルタイム表示装置40において、矢印の針は、右周りに大きく回転し、下方まで来ていることが分かる。本図では規格値を図示していないが、例えば、
図5c)で示す帯電量リアルタイム表示装置40の矢印の針の位置を越える位置を規格値とすると、
図5d)においては、規格値を十分超えていることが見て取れる。
【0036】
ここで、制御処理部は、帯電量リアルタイム表示装置40で表示された静電気量が規格内にあるか否かの判定作業を
図5c)の段階から開始し、
図5d)の段階まで継続する。
また、静電気測定センサ45による静電気量の測定は、ダイ4に静電気測定センサ45が接触している間、連続してリアルタイムに測定が行われている。
【0037】
なお、本図では、図示の都合上、制御処理部は図示していないが、
図4と同様な制御処理部が備えられているものとする。
【0038】
図5のc)、d)において、帯電量が規格を超えていると制御処理部で判定した場合は、イオナイザー48に指令を発して、イオンの照射を開始する。このイオン照射条件、即ち、イオンの照射量は、予めメモリに保存されている帯電量と照射量との相関表に基づいて決定される。
【0039】
イオン照射が完了すると、帯電量リアルタイム表示装置40aに示すように、矢印の針は、ほぼ
図5b)のレベル、即ち、規格内に十分戻っていることがわかる。
なお、本図では、イオナイザーによる照射は、
図5d)の場合を代表して図示しているが、
図5c)で照射が行われる場合もある。
【0040】
図6は、静電気量の異常判定と異常時の対処を示すフローチャートである。
この判定作業は、
図5のc)、d)の段階で制御処理部にて行われる。
まず、ダイ4の表面に接触された静電気測定センサ45により、ダイ4の静電気量が測定される(ステップ60)。次に、測定された静電気量の情報は制御処理部へ伝送され、静電気量が規格内にあるか、規格を超えているかを制御処理部にて判定する(ステップ61)。
規格内にあれば、コレット42によりダイ4のピックアップを開始する(ステップ62)。
もし、規格を超えていれば、静電気量の情報を受信した制御処理部は、イオナイザー48に照射の指令を出し、イオナイザー48よりイオンの照射が行われる(ステップ63)。照射条件は、上述したように既にメモリに記憶された条件を用いる。
【0041】
静電気量が、静電気測定センサ45によりリアルタイムで測定されているので、イオンの照射により、静電気量が低下していく様子が帯電量リアルタイム表示装置40でモニタされ、同時に制御処理部にその低下した静電気量の情報がリアルタイムで伝達される。
【0042】
測定された静電気量の情報は制御処理部へ伝送され、静電気量が規格内にあるか、規格を超えているかを制御処理部にて判定する(ステップ64)。
伝達された静電気量が規格内に戻ったと判定した時点で、照射は停止される。その後、コレット42によりダイ4のピックアップを開始する(ステップ62)。規格を超えていれば、制御処理部は、イオナイザー48に照射の指令を出し、イオナイザー48よりイオンの照射が行われる(ステップ63)。
【0043】
以上、本実施例1では接触式を用いることにより、特定の範囲内に発生した静電気量を測定することを可能にした。このために、従来よりも精度の高い異常判定が可能となっている。
【0044】
また、作業中に連続してリアルタイムに測定するので、異常発生後に即座に対応ができるために、大量に不良品を作りこむ、いわゆる、ドカ不良の防止が可能となる。これにより、計画した数量の生産が可能となると同時に、不良を作りこむことが低減できるので、生産コスト面でも有利となる。
【0045】
また、本実施例で示す方法は、特定な領域を、リアルタイムに測定するので、チャージアップした静電気量を空間的にも時間的に精度良く測定できるので、イオナイザーで照射する照射条件を適格に決定できる。そのために、照射するイオン量など必要なだけ照射し、不足したり、過剰すぎて二次的な不良を発生させることも少なくできる。
<実施例2>
図7は、コレットが異なる場合のセンサの取り付け方を説明するものである。
図5では、
図7a)で示す袖なしコレットの場合を説明したが、ここでは、
図7b)で示す袖付きコレット場合について説明する。
【0046】
図7b)において、袖付きコレット71とダイ吸着体72が図示されている。袖付きコレットの断面形状は、コの字型をしていて、その内側にダイ吸着体72が収まるような構造となっている。ダイ吸着体72は、ダイ4を吸着するのに用いるもので、吸着の際に真空吸引が均一に行われるように設けるものである。ダイ吸着体72の内部には、細かな吸引孔が多数設けられている。この吸引孔を介して真空引きが行われ、ダイ4が吸着される。
【0047】
静電気測定センサ45の取り付けについて説明する。ダイ吸着体72の一部に貫通孔を設け、この孔に静電気測定センサ45とそれに低荷重を加えるバネ46を収める。静電気測定センサ45とバネ46とは、それぞれの動きが、貫通孔の側面に制約されずに、自由に動ける状態に保持されている。
【0048】
静電気測定センサ45からの信号線およびそれを支持する部材は、袖付きコレット71の一部に設けられた貫通孔を通して、外部に引き出される。なお、当該貫通孔は、真空吸引時に気密状態を保持する必要があるので、真空シーリングが施されている。
【0049】
袖付きコレット71の外部に引き出された信号線49は、支持部47を介して、帯電量リアルタイム表示装置40に接続される。
【0050】
袖付きコレットを使用する場合は、ダイ4の吸着がより安定して確実に吸着できる効果が期待できる。
<実施例3>
図8は、静電気測定センサ85を突上げ駒84に取り付けた場合の例を示す。
実施例1と異なる点を中心にして以下に、本実施例を説明する。
【0051】
静電気測定センサ85は、突上げ駒84に取り付けられ、突上げ駒84に固定された支持部87を介して設けられた信号線89の一端に接続されている。静電気測定センサ85には、バネ86が取り付けられている。バネ86を用いる理由は、実施例1の場合と同様である。但し、本実施例の場合は、静電気測定センサ85は、ダイシングテープ83に接触して測定を行う。この点が、実施例1の場合はダイ(電子部品)4に接触するのと異なる。このように接触する対象が異なることにより、測定する静電気の極性は、実施例1の場合と異なる。
また、本実施例では、バネ86を用いた場合を示すが、静電気測定センサ85に低荷重を加える機能を有するものなら、他のものでも良い。
【0052】
ここで、静電気測定センサ85は、実施例1の静電気測定センサ45と同様なものを用いる。
【0053】
一方、信号線89の他端は、帯電量リアルタイム表示装置80に接続されている。帯電量リアルタイム表示装置80は、さらに制御処理部に信号線89を介して接続され、静電気測定センサ85で測定された静電気量は、信号線89を介して帯電量リアルタイム表示装置80に伝達される。帯電量リアルタイム表示装置80は、伝達された静電気量を目視できるように表示する機能を有するとともに、その静電気量を制御処理部へ伝送する。本図では、静電気の帯電量を矢印の針で示している。この場合は、帯電量がない場合は、上方を向いている。帯電量が増加するに連れて、右回りに矢印の針が回転していくものとする。
【0054】
制御処理部では、伝送された静電気量が規格値内にあるか否かの判定を行う。その判定の結果に基づいて、イオナイザーの照射を開始するか否かを決定する。静電気量の規格値は、事前に制御処理部内のメモリ部に保存されている。本実施例で測定される静電気は、実施例1の場合と極性が異なることは、上述したが、イオナイザーの照射対象であるダイ4にチャージアップしている静電気の極性は同じであるので、イオナイザーの照射条件は、実施例1と同様である。
【0055】
本実施例では、イオナイザーを用いる場合を示すが、他の方法を用いることもできる。例えば、ダイ4のピックアップ作業を停止し、ダイ4とコレット42との接触による放電を事前に阻止することもできる。
【0056】
図9は、
図8で示すダイボンダを用いて、ダイとダイシングテープとの剥離を行うピックアップ工程における静電気量測定の概要を示すフロー図である。
図9のa)からd)までに順に剥離工程を示し、各工程で測定された静電気量を帯電量リアルタイム表示装置80に示し、工程ごとの変化の様子を示している。なお、本図は、突き上げ駒84が既にダイシングテープ83を突き上げ開始し、突き上げ針はまだ突き上げを開始していない状態から図示しているものとする。
図9a)から
図9d)までの動作フロー及び帯電量リアルタイム表示装置80の表示の説明に関しては、実施例1と同様であるので、省略する。
【0057】
ここで、制御処理部は、帯電量リアルタイム表示装置80で表示された静電気量が規格内にあるか否かの判定作業を
図9c)の段階から開始し、
図9d)の段階まで継続する。
また、静電気測定センサ85による静電気量の測定は、ダイシングテープ83に静電気測定センサ85が接触している間、連続してリアルタイムに測定が行われている。
なお、本図では、図示の都合上、制御処理部は図示していないが、
図8と同様な制御処理部が備えられているものとする。
【0058】
以上、本実施例3では接触式を用いることにより、特定の範囲内に発生した静電気量を測定することを可能にした。このために、従来よりも精度の高い異常判定が可能となっている。
【0059】
また、作業中に連続してリアルタイムに測定するので、異常発生後に即座に対応ができるために、大量に不良品を作りこむ、いわゆる、ドカ不良の防止が可能となる。これにより、計画した数量の生産が可能となると同時に、不良を作りこむことが低減できるので、生産コスト面でも有利となる。
<実施例4>
図10乃至
図12は、フレーム搬送に適用した場合を示す。
図1で示すように、ピックアップ装置12でピックアップされたダイ4は、ダイボンディング部3に移送され、フレーム(基板)上にダイ4はボンディングされる。ダイボンディング完了したフレームは、ワーク供給・搬送部2に搬送される。
【0060】
本実施例は、ダイボンディング完了したフレームを、ワーク供給・搬送部2に搬送する工程に適用した例を示すものである。
【0061】
実施例1、3では、ダイ4のピックアップを行う剥離工程に、本発明を適用した場合を示したが、静電気が発生するのは、別な作業工程でも起こり得る。例えば、ダイを搭載したフレーム(基板)の搬送作業中にも静電気は発生する場合がある。
【0062】
図10は、ダイ4が複数ボンディングされたフレーム104を吸着パッド103で真空吸着し、空中にリフティングされている状態を示す。フレームの真空吸着は、真空装置VACからの真空吸引がパイプ110を通して、吸着パッド103に伝わり、フレームを吸着することで行われる。
【0063】
静電気測定センサ105は、吸着機構108に固定された支持部107を介して設けられた信号線109の一端に接続されている。静電気測定センサ105には、バネ106が取り付けられている。バネ106を用いる理由は、実施例1の場合と同様である。
【0064】
静電気測定センサ105に用いる接触型表面電位計も実施例1で示すものと同様である。
【0065】
一方、信号線109の他端は、帯電量リアルタイム表示装置100に接続されている。帯電量リアルタイム表示装置100は、さらに制御処理部(図示せず)に信号線109を介して接続され、静電気測定センサ105で測定された静電気量は、信号線109を介して帯電量リアルタイム表示装置100に伝達される。帯電量リアルタイム表示装置100は、伝達された静電気量を目視できるように表示する機能を有するとともに、その静電気量を制御処理部へ伝送する。本図では、静電気の帯電量を矢印の針で示している。この場合は、帯電量がない場合は、上方を向いている。帯電量が増加するに連れて、右回りに矢印の針が回転していくものとする。
【0066】
制御処理部では、伝送された静電気量が規格値内にあるか否かの判定を行う。その判定の結果に基づいて、イオナイザーの照射を開始するか否かを決定する。静電気量の規格値は、事前に制御処理部内のメモリ部に保存されている。
【0067】
図10a)では、静電気測定センサ105はフレーム101に接触して測定が開始された状態を示している。帯電量リアルタイム表示装置100は、矢印の針が右斜め上を示し、静電気量が規格内にあることを示している。
【0068】
図10b)では、測定の結果、静電気量が規定内にあるので、フレームガイド104にフレーム101を降下させ、フレームガイド上に載せた場合を示している。
【0069】
一方、
図11a)では、帯電量リアルタイム表示装置100は、矢印の針が右横を示し、静電気量が規格を超えていることを示している。
図11b)では、測定の結果、静電気量が規格を超えているので、そのままフレームガイド104にフレーム101を降下させ、フレームガイド104上に載せると、図に示すように、フレーム101に蓄積された静電気が放電120を起こし、搭載されたダイ(電位部品)4が破壊される恐れがあることを示している。
【0070】
図12には、本発明を適用した例を示す。
図11に示すような静電気量が規格を超えている場合(
図12a)参照)は、フレームガイド104にフレーム101を降下させ、フレームガイド104上に載せる前に、イオナイザー111を用いて、イオンをフレーム101に照射して、静電気量を低減または、消去する(
図12b)参照)。図に示すように帯電量リアルタイム表示装置100の矢印の針は、ゼロレベルに戻っていることが分かる。
その後に、フレームガイド104にフレーム101を降下させ、フレームガイド104上に載せている(
図12c)参照)。
【0071】
本実施例では、複数のダイがボンディングに搭載されたフレームに適用した場合を示したが、本工程で静電破壊が発生すると、多数のダイが搭載されたフレーム全体が不良となる。従って、その損失はダイ単独の不良発生の場合に比べて大きなものとなる。本発明をこのような工程に適用することにより、損失低減に大いに貢献できる。
【符号の説明】
【0072】
1…ウエハ供給部、2…ワーク供給・搬送部、3…ダイボンディング部、4…ダイ(半導体チップ)、5…ダイアタッチフィルム、6…エキスパンドリング、7…ウエハリング、8…ダイシングテープ、9…支持リング、10…ダイボンダ、11…ウエハカセットリフタ、12…ピックアップ装置、13…スタックローダ、14…フレームフィーダ、15…ローダ、16…プリフォーム部、17…ボンディングヘッド部、18…アンローダ、30…突き上げユニット、40,80,100…帯電量リアルタイム表示装置、41,81…ボンディングヘッド先端、42,82…コレット、43,83…ダイシングテープ、44,84…突き上げ駒、45,85,105…静電気測定センサ、46,86,106…バネ、47,87,107…支持部、48,88,106,111…イオナイザー、49,89,109…信号線、51,91…突き上げ針、71…袖付きコレット、72…ダイ吸着体、101…フレーム(基板)、102…スプリング、103…吸着パッド、104…フレームガイド、108…吸着機構、110…真空用パイプ、120…放電。