(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モールディングプレートと前記半導体チップとの間の前記モールディング物質の第1圧力は、前記半導体チップと前記配線基板との間の前記モールディング物質の第2圧力とバランスを維持することを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の半導体パッケージの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は信頼性が向上する半導体パッケージの製造装置及び半導体パッケージの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態による半導体パッケージの製造装置は、モールディング空間を定義し、前記モールディング空間に半導体チップが実装された配線基板を収容する金型及び前記モールディング空間の体積を調整するように前記モールディング空間内で移動可能であるモールディングプレートを含む。
【0006】
本発明の一実施形態によると、前記モールディング空間の体積を減少させる方向に前記モールディングプレートに弾発力を提供する弾性部材をさらに含む。
【0007】
本発明の他の実施形態によると、前記モールディングプレートに結合され、前記モールディング空間内で前記モールディングプレートの位置を変化させる移動ユニットをさらに含む。
【0008】
本発明の実施形態による前記金型は、第1及び第2金型を含み、前記モールディング空間は前記第1及び第2金型の間に定義され、前記モールディングプレートは前記モールディング空間で前記第1金型の方に移動したり、前記第1金型から遠くなるように移動したりする。
【0009】
本発明の実施形態によると、前記第1金型の上面には前記半導体チップが実装された前記配線基板が置かれ、前記第1金型の上面は前記モールディングプレートと平行である。
【0010】
本発明の実施形態による前記半導体チップは、前記配線基板に実装されたフリップチップを含み、前記配線基板は、前記配線基板が前記半導体チップと前記第1金型との間に位置し、前記半導体チップが前記配線基板と前記モールディングプレートとの間に位置するように、前記第1金型上に置かれる。
【0011】
本発明の一実施形態によると、前記第2金型は前記モールディング空間の側壁を定義し、前記モールディング空間の前記側壁に隣接する前記モールディングプレートの縁と、前記モールディング空間の前記側壁はセラミックスコーティングされる。
【0012】
本発明の他の実施形態によると、前記第2金型の側壁は前記モールディング空間の側壁を定義し、前記モールディングプレートの一面は前記第1金型と向い合う前記モールディング空間の一面を定義し、前記第2金型の側壁と前記モールディングプレートの一面に形成されるシーリングフィルムをさらに含む。
【0013】
本発明の一実施形態によると、前記モールディング空間に流入されるモールディング物質を加圧する加圧部材をさらに含むと共に、前記モールディングプレートは前記加圧部材の圧力により前記第1金型の方に移動したり、前記第1金型から遠くなるように移動したりする。
【0014】
本発明の他の実施形態によると、前記モールディング空間にモールディング物質を供給する加圧部材をさらに含むと共に、前記モールディングプレートは前記加圧部材によって供給される前記モールディング物質の量により前記第1金型の方に移動したり、前記第1金型から遠くなるように移動したりする。
【0015】
本発明の実施形態によると、前記モールディングプレートに結合され、前記モールディング空間内で前記モールディングプレートの位置を変化させる移動ユニットをさらに含み、前記移動ユニットは、前記モールディングプレートと平行をなし、前記モールディングプレートとの間に前記第2金型が位置するように前記モールディング空間の外側に配置される支持板、前記第2金型を貫通し、前記支持板と前記モールディングプレートに結合される複数の移動ロッド、前記支持板と前記第2金型との間に配置される弾性部材及び前記支持板を前記第2金型に向けて移動させる駆動部材を含む。
【0016】
本発明の実施形態による半導体パッケージの製造方法は、モールディングプレートと、半導体チップが実装された配線基板を金型のモールディング空間に配置すること及び前記配線基板が配置される前記モールディング空間にモールディング物質を供給することを含むと共に、前記モールディングプレートは前記モールディング空間の体積を調整するように前記モールディング空間内で前記配線基板に対して相対移動する。
【0017】
本発明の実施形態によると、前記金型は前記配線基板面に対して垂直方向に結合及び/又は分離される第1及び第2金型を含み、前記モールディング空間は前記第1及び第2金型との間に定義され、前記モールディング物質は、前記配線基板と前記モールディングプレートとの間に供給される。
【0018】
本発明の実施形態によると、前記半導体チップは前記配線基板と電気的に接続される接続端子等を含み、前記モールディング物質を供給することは、前記半導体チップと前記配線基板との間に前記モールディング物質を供給するように前記モールディングプレートを前記配線基板に向けて移動させること及び前記モールディング空間に前記モールディング物質を追加供給するように前記モールディングプレートを前記配線基板から遠くなるように移動させることを含む。
【0019】
本発明の一実施形態によると、前記モールディングプレートを前記配線基板に向けて移動させることは、前記モールディングプレートが前記半導体チップと接触するように前記モールディングプレートを移動させることを含む。
【0020】
本発明の他の実施形態によると、前記モールディングプレートを前記配線基板に向けて移動させることは、前記半導体チップと前記配線基板との間に前記モールディング物質を供給する際、前記モールディングプレートが前記半導体チップと接触されないように前記モールディングプレートを前記配線基板に向けて移動させることを含む。
【0021】
本発明の他の実施形態によると、前記モールディングプレートと前記半導体チップとの間の前記モールディング物質の第1圧力は、前記半導体チップと前記配線基板との間の前記モールディング物質の第2圧力と同じである。
【0022】
本発明の実施形態によると、前記半導体チップは前記配線基板に実装されたフリップチップを含み、前記半導体チップと前記配線基板との間の前記モールディング物質は前記半導体チップと前記モールディングプレートとの間の前記モールディング物質と同じである。
【0023】
本発明の他の実施形態によると、前記モールディング物質を供給することは、前記半導体チップ上に前記モールディング物質を供給するように前記モールディングプレートを前記配線基板から遠くなるように移動させること及び前記半導体チップ上の前記モールディング物質の厚さを減少させるように前記モールディングプレートを前記配線基板に向けて移動させることを含む。
【0024】
本発明のまた他の実施形態によると、前記半導体チップは複数の積層された半導体チップを含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施形態によると、半導体パッケージの製造装置は、金型内部のモールディング空間で移動可能できるモールディングプレートを有する。モールディングプレートを利用してモールディング物質が供給される空間を可変させてモールディング物質の遊動バランス(flow balance)を維持することによって、半導体パッケージのクラック等を誘発するボイド(void)を減らす。これによって、半導体パッケージの信頼性が向上される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明が属する技術分野から通常の知識を有する者が本発明の技術思想を容易に理解できるように、添付される図面を参考にして実施形態を説明する。しかし、本発明は説明される実施形態には限定されず、他の形態に具体化することができる。ここに紹介される実施形態は開示された内容が完全になるように、そして、当業者に本発明の技術思想が十分に伝えられるように提供されるものである。
【0028】
本発明の実施形態において、第1、第2等の用語が各々の構成要素を区別するために記載されるが、各々の構成要素はこの用語等によって限定されてはならない。かかる用語等は、所定の構成要素を異なる構成要素と区別するために使用されるだけである。
【0029】
図面の各々の構成要素は明確性のために誇張して表現される。明細書において、同じ符号は同じ構成要素を示す。
【0030】
一方、説明の便宜のために本発明の技術思想が適用可能ないくつかの実施形態を例示して説明する。しかし、この分野から通常の知識を有する者なら、上述した説明及び実施形態等に基ついて、本発明の技術構成を多様に変形できるだろう。
【0031】
図1は本発明の実施形態による半導体パッケージの製造装置のブロック図である。
図1を参考にすると、半導体パッケージの製造装置1はローディング部10、搬入部20、モールディング部40、搬出部50及びアンローディング部70を含む。
【0032】
半導体チップが実装された配線基板(図示せず)はローディング部10を通じて半導体パッケージの製造装置1にローディングされる。配線基板は搬入部20に提供される整列部30に整列され、搬入部20によりモールディング部40に移送される。モールディング部40は半導体チップが実装された配線基板を成型樹脂で封止するモールディング工程を実施する。モールディング部40からモールディング工程を経た半導体パッケージは、搬出部50に備えられるゲートブレーキ部60からモールディング樹脂注入口等に残っている残りの樹脂が除去され、搬出部50によってアンローディング部70に移送される。アンローディング部70は半導体パッケージを半導体パッケージの製造装置1の外部にアンローディングする。前記整列部30は搬入部20とは別に構成され、ゲートブレーキ部60も搬出部50とは別に構成されても良い。
【0033】
図2は
図1のモールディング部40の概略斜視図である。
図2を参考にすると、モールディング部40は金型100と、溶融されたモールディング物質を加圧して金型100に供給する加圧部材200を含む。
【0034】
金型100は上下方向に整合されてモールディング空間102を形成する下部金型110と上部金型120を有する。下部金型110と上部金型120の内側にはモールディング物質の移動経路であるランナー(runner)104、そして、ランナー104とモールディング空間102の連結部分であるゲート106が形成される。
【0035】
上部金型120の中央にはポート108が形成され、ポート108にはランナー104が連結される。ポート108にはモールディング物質300が供給される。モールディング物質300はエポキシモールディングコンパウンド(Epoxy Molding Compound:EMC)を含む。モールディング物質300は固形状態であり、固形のモールディング物質300はポート108の中から高温加熱されて所定の粘度を有する溶融状態に変化される。しかし、前記モールディング物質は溶融状態にポート108に供給されても良い。
【0036】
加圧部材200はプランジャ210と、プランジャ210に加圧力を供給する圧力手段220を有する。プランジャ210は、ロッド形状からなり、一端は上部金型120のポート108に搬出入される。圧力手段200は、シリンダを含み、プランジャ210の他端に結合される。
【0037】
シリンダは油圧シリンダ又は空圧シリンダを含む。
【0038】
プランジャ210はシリンダに加えられる油圧又は空圧により上下方向に移動しながら、ポート108内の溶融状態のモールディング物質を加圧する。プランジャ210により加圧されたモールディング物質はポート108に連結されたランナー104と、ランナー104の端部に連結されたゲート106を経由してモールディング空間102に充填される。モールディング空間102内には半導体チップが実装された配線基板が収容され、半導体チップはモールディング空間102に充填されるモールディング物質により封止される。
【0039】
図3は
図2の金型100の内部構造を説明するための図面である。
【0040】
図3を参考にすると、金型100は第1金型である下部金型110と第2金型である上部金型120を含む。上部金型120は下部金型110の上部に配置され、下部金型110と上部金型120は上下方向に整合又は分離される。
【0041】
下部金型110は平板状に構成され、下部金型110の上面には半導体チップ410が実装された配線基板420が置かれる。上部金型120は下部が開放される。詳しくは、上部金型120は上板122と、上板122の縁から下に向けて延長される側板124を有する。上板122と側板124から囲まれている上部金型120の内部空間は上部金型120と下部金型110の整合によってモールディング空間102を形成する。下部金型110と接触する側板124の底面にはエアベント126が形成される。エアベント126は、モールディング空間102内のモールディング物質300の充填の際、モールディング空間102内の空気を排気する。
【0042】
下部金型110上には半導体チップ等410が実装された配線基板420が置かれる。半導体チップ等410は様々な種類の半導体メモリ素子である。半導体チップ等410は接続端子412を含む。接続端子等412は半導体チップ等410に形成されるボンディングパッド等にそれぞれ結合される。接続端子等412はフリップチップ(flip chip)に使用されるハンダバンプ(solder bump)である。
【0043】
上部金型120の内部空間、すなわち、モールディング空間102にはモールディングプレート130が配置される。モールディングプレート130は下部金型110と上部金型120の間のモールディング物質が供給される空間を定義する。モールディングプレート130はモールディング物質が供給される空間が可変されるように移動ユニット140により上下方向に移動する。
【0044】
モールディングプレート130の側面と、上部金型120の側板124の内側面にはセラミックス材質のコーティング膜131、125がそれぞれ形成される。コーティング膜131、125はモールディングプレート130と側板124との間をシーリング(sealing)して、モールディング物質がモールディングプレート130と側板124との間に流出されることを防止する。また、モールディングプレート130と側板124との間をシーリングするために、
図4に図示されているように、シーリング用フィルム128が使用されても良い。シーリング用フィルム128はモールディングプレート130の底面と上部金型120の側板124の内側面上に形成される。
【0045】
モールディングプレート130を移動させる移動ユニット140は移動ロッド141、支持板142、そして、駆動部材143を含む。移動ロッド141は複数個からなる。移動ロッド等141は上部金型120の上板122を垂直貫通するように設置される。移動ロッド等141の下端はモールディングプレート130の上面に結合され、移動ロッド等141の上端は支持板142に結合される。支持板142は上部金型120の上部に水平に配置される。駆動部材143はシリンダからなり、支持板142の上部に設置される。シリンダはロッド143−1が垂直に配置され、ロッド143−1の末端が支持板142から離隔するように配置される。
【0046】
支持板142と上部金型120との間には弾性部材144が介される。弾性部材144は支持板144を上方に付勢する。
【0047】
弾性部材144はコイルスプリングを含み、コイルスプリングは移動ロッド等141を囲むように挟まれる。
【0048】
初期状態で、駆動部材143のロッド143−1は上方に後退されて支持板142から離隔されるので、支持板142と移動ロッド等141は弾性部材144により上昇し、結果的に移動ロッド等141が結合されたモールディングプレート130が上昇する。この状態で、駆動部材143のロッド143−1が前進して支持板142を下方に押し付けると、弾性部材144は圧縮され、移動ロッド等141とモールディングプレート130は下降する。なお、駆動部材143のロッド143−1が後退すると、モールディングプレート130は弾性部材144の復元力によって初期位置に復帰する。そして、モールディングプレート130の高さは駆動部材143のロッド143−1の突出長さの調節により可変可能できる。
【0049】
前記のような方法で、移動ユニット140はモールディングプレート130を上下移動させることができ、モールディングプレート130の上下移動によりモールディング空間102に充填されるモールディング物質の圧力を制御できる。すなわち、半導体チップ等410の上部面上を流れるモールディング物質の圧力と半導体チップ等410の下部面下(配線基板420と半導体チップ等410との間)を流れるモールディング物質の圧力を制御できる。モールディングプレート130が下降すると、モールディングプレート130と半導体チップ等410との間の間隔が狭くなり、半導体チップ等410の上部面上を流れるモールディング物質の圧力が増加する。モールディングプレート130が上昇すると、モールディングプレート130と半導体チップ等410との間の間隔が広くなって、半導体チップ等410の上部面上を流れるモールディング物質の圧力が減少する。
【0050】
一方、モールディングプレート130の高さはプランジャ210の圧力によって可変できる。すなわち、プランジャ210の圧力が上昇すると、感知部150がプランジャ210の圧力上昇を検出する。検出された信号は制御部160に伝送される。制御部160は検出信号に対応する制御信号を発生させて、モールディングプレート130が上昇されるように駆動部材143の動作を制御する。一方、プランジャ210の圧力が低くなると、感知部150がプランジャ210の圧力低下を検出する。検出された信号は制御部160に伝送される。制御部160は検出信号に対応する制御信号を発生させて、モールディングプレート130が下降するように駆動部材143の動作を制御する。
【0051】
なお、モールディングプレート130の高さはプランジャ210により供給されるモールディング物質の量により可変する。モールディング物質の供給量はプランジャ210の移動距離によって測定される。プランジャ210によるモールディング物質の供給量が増加すると(プランジャの前進移動距離が大きい)、感知部150がプランジャ210の前進移動距離を検出する。検出された信号は制御部160に伝送される。制御部160は検出信号に対応する制御信号を発生させて、モールディングプレート130が上昇されるように駆動部材143の動作を制御する。プランジャ210によるモールディング物質の供給量が減少すると(プランジャの前進移動距離が小さい)、感知部150がプランジャ210の前進移動距離を検出する。検出された信号は制御部160に伝送される。制御部160は検出信号に対応する制御信号を発生させて、モールディングプレート130が下降するように駆動部材143の動作を制御する。
【0052】
モールディング物質はモールディング空間102に追加供給されたり、モールディング空間102に供給されたモールディング物質の一部が回収されたりする。すなわち、モールディング空間102にモールディング物質を供給した後、モールディングプレート130を上昇させてモールディング空間102に追加してモールディング物質を供給しても良い。または、モールディング空間102にモールディング物質を供給した後、モールディングプレート130を下降させてモールディング空間102に供給されたモールディング物質の一部を回収しても良い。
【0053】
図5A乃至5Cは本発明の一実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための図面である。
【0054】
図5Aを参考にすると、接続端子412を含む半導体チップ等410が実装された配線基板420が備えられる。半導体チップ等410は様々な形態の半導体メモリ素子である。半導体チップ等410はボンディングパッド等(bonding pad)を含み、接続端子412はボンディングパッド等に接触される。接続端子412は半導体チップ等410と配線基板420を電気的に接続する。半導体チップ等410はフリップチップ(flip chip)の形態で配線基板420に実装される。
【0055】
半導体チップ等410が実装された配線基板420が下部金型110及び上部金型120の間に配置される。モールディングプレート130を下降させて半導体チップ等410と配線基板420との間にモールディング物質を供給する。モールディングプレート130は半導体チップ等410から所定距離離隔するように下降する。モールディングプレート130が下降しない場合、半導体チップ等410と配線基板420との間には接続端子412が配置されるので、ボイド(void)が発生する虞がある。ボイドが発生すると、ボイドは熱による応力を発生させて半導体パッケージにクラック(crack)を誘発し信頼性を低下させる。
【0056】
すなわち、モールディングプレート130を下降させないと、半導体チップ等410とモールディングプレート130との間の第1流体圧力と、半導体チップ等410と配線基板420との間の第2流体圧力がバランスを崩してしまう。この場合、第1流体圧力が第2流体圧力より小さいので、モールディング物質は半導体チップ等410とモールディングプレート130との間の空間に流れ込んで、半導体チップ等410と配線基板420との間にモールディング物質の充填不良が発生する恐れがある。ここで、流体圧力はモールディング物質の流れと直角をなす面に作用する圧力を意味する。
【0057】
本発明の一実施形態によると、モールディングプレート130が下降して、モールディングプレート130と半導体チップ等410との間の第1流体圧力と、半導体チップ等410と配線基板420との間の第2流体圧力がバランスを取るようにする。したがって、半導体チップ等410と配線基板420との間に配置された接続端子等412の間に形成された空間にモールディング物質が容易に充填される。
【0058】
一方、
図5Bを参考にすると、半導体チップ等410と配線基板420との間にモールディング物質を供給することは、モールディングプレート130を半導体チップ等410に接触させた状態で行なう。すなわち、モールディングプレート130を下降させて、半導体チップ等410と接触させる。この場合、モールディング物質は半導体チップ等410と配線基板420との間に流れ込み、接続端子等412の間に形成された空間に充填される。したがって、接続端子等412の間にボイドが形成されるのを抑制することができる。
【0059】
図5Cを参考にすると、モールディングプレート130を上昇させてモールディング物質を追加供給する。モールディングプレート130は半導体チップ等410上に形成されるモールディング膜の厚さを考慮して位置を設定する。モールディングプレート130はプランジャ210の圧力によってその高さが変化する。すなわち、プランジャ210の圧力を検出してモールディングプレート130の高さを制御できる。または、モールディングプレート130はプランジャ210が供給するモールディング物質の量によりその高さが変化する。モールディング物質の供給が完了されると、モールディング物質を硬化させた後、半導体チップ等410を切断して半導体をパッケージングする。
【0060】
一般に、フリップ−チップ(flip−chip)をパッケージングする場合、フリップ−チップを印刷回路基板に実装し、ハンダバンプ等を電気的に絶縁させるアンダーフィル(under fill)工程を進行した後、フリップ−チップ及び印刷回路基板をモールディングする工程を進行する。アンダーフィル工程とモールディング工程は互いに異なる物質を用いて進行される。アンダーフィル工程はエポキシ樹脂(epoxy resin)を利用して行なう。
【0061】
一方、本発明の実施形態による半導体パッケージの製造装置を利用して一つのモールディング物質で半導体パッケージ工程を進行できる。なお、モールディングプレート130を下降させてモールディング物質を先に供給することによって、半導体チップ等410の接続端子等412の間にボイドの形成が防止される。
【0062】
図6A乃至6Bは本発明の異なる実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための図面である。
【0063】
図6Aを参考にすると、半導体チップ等410′が実装された配線基板420が備えられる。半導体チップ等410′は様々な形態の半導体メモリ素子である。半導体チップ等410′が実装された配線基板420が下部金型110及び上部金型120の間に配置される。
【0064】
モールディングプレート130を上昇させた状態でモールディング空間102にモールディング物質を供給する。半導体チップ等410′の上部面上にモールディング物質336を供給する際、モールディングプレート130を上昇させないと、モールディング物質の移動速度のバランスが崩れてボイドが生じる可能性がある。すなわち、半導体チップ等410′の間の空間を流れるモールディング物質の移動速度が半導体チップ等410′のすぐ上を流れるモールディング物質の移動速度より速い。また、配線基板420の中央部分は半導体チップ等410′が集まっているので移動速度が遅い。ボイドが発生すると、ボイドは熱による応力を発生させて半導体パッケージにクラックを誘発し信頼性を低下させる。
【0065】
したがって、モールディングプレート130を上昇させて、半導体チップ等410′とモールディングプレート130との間の離隔隙間を十分にしてモールディング物質の移動速度のバランスを取る必要がある。本発明の他の実施形態によると、半導体チップ等410′上に形成されるモールディング膜にボイドが生じることを最小化する。
【0066】
図6Bを参考にすると、モールディングプレート130を下降させてモールディング物質の一部を回収する。即ち、モールディングプレート130を下降させて半導体チップ等410′上に形成されるモールディング膜の厚さを減少させる。モールディングプレート130はプランジャ210の圧力によりその高さが変化する。すなわち、プランジャ210の圧力を検出してモールディングプレート130の高さを低くする。または、モールディングプレート130はプランジャ210が供給するモールディング物質を回収することによりその高さが低くなる。モールディング物質の供給が完了されると、モールディング物質を硬化させた後、半導体チップ等410′を切断して半導体パッケージングを終了する。
【0067】
図7A乃至7Bは本発明のまた他の実施形態による半導体パッケージの製造方法を説明するための図面である。
【0068】
図7Aを参考にすると、半導体チップ等410″が実装された配線基板420が備えられる。半導体チップ等410″は様々な形態の半導体メモリ素子である。半導体チップ等410″は複数の半導体チップを重畳して形成される。すなわち、半導体チップ等410″はマルチチップパッケージ(Multi−Chip Package)である。半導体チップ等410″は配線基板420上の接着層411″、接着層411″上の第1半導体チップ412″、第1半導体チップ412″上の絶縁膜413″、絶縁膜413″上の第2半導体チップ414″、そして、第1及び第2半導体チップ412″、414″と配線基板420を電気的に接続するワイヤ415″を含む。
【0069】
前記半導体チップ等410″が実装された配線基板420が下部金型110及び上部金型120の間に配置される。モールディングプレート130を上昇させて半導体チップ等410″にモールディング物質を供給する。半導体チップ等410″の上部面上にモールディング物質を供給する際、モールディングプレート130を上昇させないと、モールディング物質の移動速度のバランスが崩れてボイドが生じる恐れがある。すなわち、半導体チップ等410″の間の空間を流れるモールディング物質の移動速度が半導体チップ等410″のすぐ上を流れるモールディング物質の移動速度より速い。また、配線基板420の中央部分は半導体チップ等410″が集まっているので移動速度が遅くなる。モールディング物質の移動速度の偏差によりボイドが生じると、ボイドは熱による応力を発生させて半導体パッケージにクラックを誘発し信頼性を低下させる。
【0070】
したがって、モールディングプレート130を上昇させて、半導体チップ等410″とモールディングプレート130との間の離隔隙間を十分にして、モールディング物質の移動速度のバランスが維持できるようにしなければならない。本発明のまた他の実施形態によると、半導体チップ等410″上にボイドが生じることを最小化する。
【0071】
図7Bを参考にすると、モールディングプレート130を下降させてモールディング物質の一部を回収する。すなわち、モールディングプレート130を下降させて半導体チップ等410″上に形成されるモールディング膜の厚さを減少させる。マルチチップパッケージの場合、複数の半導体チップが重畳されているので、全体厚さを減少させるためにモールディング膜の厚さを薄く形成することが好ましい。モールディングプレート130はプランジャ210の圧力によりその高さが変化する。すなわち、プランジャ210の圧力を検出してモールディングプレート130の高さを低くする。または、モールディングプレート130はプランジャ210が供給するモールディング物質を回収することによってその高さが低くなる。モールディング物質の供給が完了されると、モールディング物質を硬化させた後、半導体チップ等410″を切断して半導体パッケージングを終了する。
【0072】
図8は
図2の金型構造の異なる形態を説明するための図面である。
【0073】
図8を参考にすると、金型は下部金型110′と上部金型120′を含む。上部金型120′は下部金型110′の上部に配置され、下部金型110′と上部金型120′は上下方向に整合又は分離される。
【0074】
下部金型110′は平板状に構成され、下部金型110′の上面には半導体チップ430が実装された配線基板420′が置かれる。上部金型120′は下部が開放されている。詳しくは、上部金型120′は上板122′と、上板122′の縁から下に向けて延長される側板124′を有する。上板122′と側板124′から囲まれている上部金型120′の内部空間は上部金型120′と下部金型110′の整合によってモールディング空間を形成する。下部金型110′と接触する側板124′の底面にはエアベント126′が形成される。エアベント126′は、モールディング空間内のモールディング物質300′の充填の際、モールディング空間102′内の空気を排気する。
【0075】
下部金型110′上には半導体チップ等430が実装された配線基板420′が置かれる。半導体チップ等430は様々な種類の半導体メモリ素子である。半導体チップ等430は接続端子432を含む。接続端子等432は半導体チップ等430に形成されるボンディングパッド等にそれぞれ結合される。接続端子等432はフリップチップに使用されるハンダバンプである。
【0076】
上部金型120′の内部空間、即ちモールディング空間にはモールディングプレート130′が配置される。モールディングプレート130′は下部金型110′と上部金型120′との間のモールディング物質が供給される空間を定義する。モールディングプレート130′はモールディング物質が供給される空間を可変するよう上下方向に移動可能である。
【0077】
モールディングプレート130′の側面と、上部金型120′の側板124′の内側面にはセラミックス材質のコーティング膜131′、125′がそれぞれ形成される。コーティング膜131′、125′はモールディングプレート130′と側板124′との間をシーリングして、モールディング物質がモールディングプレート130′と側板124′との間に流出されることを防止する。
【0078】
移動ロッド141′は複数個が構成され、移動ロッド等141′は上部金型120′の上板122′を垂直貫通するよう設置される。移動ロッド等141′の下端はモールディングプレート130′の上面に結合され、移動ロッド等141′の上端は支持板142′に結合される。支持板142′は上部金型120′の上部に水平配置される。モールディングプレート130′と上部金型120′の上板122′との間には弾性部材144′が介される。弾性部材144′はモールディングプレート130′を下方に付勢する。弾性部材144′はコイルスプリングからなり、コイルスプリングは移動ロッド等141′を囲むように挟まれる。
【0079】
初期状態で、モールディングプレート130′は弾性部材144′によって既に設定された高さだけ下に下降されている。前記設定された高さは、モールディングプレート130′の下部空間に供給されるモールディング物質の遊動バランスを維持してボイドの生成を最小にすることができる高さに設定される。モールディング物質はプランジャ210′の加圧力によりモールディングプレート130′の下部空間に充填される。プランジャ210′の加圧力を増加させると、モールディング物質は持続的に供給され、モールディング物質の供給圧力に連動してモールディングプレート130′が上昇される。モールディングプレート130′の上昇高さはプランジャ210′の加圧力の調節により調整できる。モールディング物質を硬化させた後、半導体チップ等430を切断して半導体パッケージングを終了する。
【0080】
図10は本発明の実施形態等による半導体記憶素子を含む電子システムのブロック図である。
【0081】
図10を参考にすると、本発明の実施形態による電子システム500はコントローラ510、入出力装置520、記憶装置530、インターフェース540及びバス550を含む。コントローラ510、入出力装置520、記憶装置530及び/又はインターフェース540はバス550を通じて互いに接続される。バス550はデータ等が伝送される通路である。
【0082】
コントローラ510はマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ及びこれらと類似の機能を担う論理素子等の中で少なくとも一つを含む。入出力装置520はキーパッド(keypad)、キーボード及びディスプレー装置等を含む。記憶装置530はデータ及び/又は命令語等を貯蔵する。記憶装置530は上述した実施形態等に開示された半導体パッケージの製造装置を利用して製造される半導体メモリ素子又は、半導体パッケージの製造方法により形成される半導体メモリ素子を含む。インターフェース540は通信ネットワークにデータを伝送したり通信ネットワークからデータを受信したりする機能を担う。インターフェース540は有線又は無線に構成される。例えば、インターフェース540はアンテナ又は有無線トランシーバ等を含む。図示されていないが、電子システム500はコントローラ510の動作を向上させるための動作メモリとして、高速のDRAM及び/又はSRAM等をさらに含む。
【0083】
電子システム500は個人携帯用情報端末機(PDA、personal digitalassistant)、ポータブルコンピュータ(portable computer)、ウェブタブレット(web tablet)、無線電話、モバイルフォーン(mobile phone)、デジタルミュージックプレーヤ(digital music player)、メモリカード(memory card)又は情報を無線環境で送信及び/又は受信できる全ての電子製品に適用可能である。
【0084】
図11は本発明の実施形態による半導体記憶素子を含むメモリカードを示すブロック図である。
【0085】
図11を参考にすると、本発明の一実施形態によるメモリカード600は記憶装置610を含む。記憶装置610は上述した実施形態等に開示された半導体パッケージの製造装置を利用して形成された半導体メモリ素子又は半導体パッケージの製造方法により形成された半導体メモリ素子を含む。メモリカード600はホスト(Host)と記憶装置610との間のデータやりとりを制御するメモリコントローラ620を含む。
【0086】
メモリコントローラ620はメモリカードの動作を制御するプロセッシングユニット622を含む。なお、メモリコントローラ620はプロセッシングユニット622の動作メモリに使用されるSRAM621を含む。また、メモリコントローラ620はホストインターフェース623、メモリインターフェース625をさらに含む。ホストインターフェース623はメモリカード600とホストの間のデータ交換プロトコルを具備する。メモリインターフェース625はメモリコントローラ620と記憶装置610を接続させる。メモリコントローラ620はエラー訂正ブロック624をさらに含む。エラー訂正ブロック624は記憶装置610から読み出されたデータのエラーを検出及び訂正する。図示されていないが、メモリカード600はホストとのインターフェースのためのコードデータを貯蔵するROM装置をさらに含む。メモリカード600は携帯用データ貯蔵カードに使用される。前記メモリカード600はコンピュータシステムのハードディスクの代わりに固体ディスク(SSD、Solid State Disk)から構成しても良い。
【0087】
以上説明された本発明の技術思想は、本発明が属する技術分野から通常の知識を有する者なら本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変形実施可能であるのは勿論である。したがって、本発明から説明された実施形態等は本発明の技術思想及び範囲を限定するものではない。本発明の範囲は請求範囲によって解釈されるべきである。また、本発明の技術思想と均等範囲内にある全ての技術は本発明の請求範囲に含まれるものと解釈されるべきである。