(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718641
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】データエンティティのバージョン管理のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06F 12/00 20060101AFI20150423BHJP
G06F 17/30 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
G06F12/00 517
G06F12/00 510B
G06F17/30 240B
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-525275(P2010-525275)
(86)(22)【出願日】2008年5月13日
(65)【公表番号】特表2010-541037(P2010-541037A)
(43)【公表日】2010年12月24日
(86)【国際出願番号】EP2008055854
(87)【国際公開番号】WO2009040145
(87)【国際公開日】20090402
【審査請求日】2011年5月12日
【審判番号】不服2013-25731(P2013-25731/J1)
【審判請求日】2013年12月27日
(31)【優先権主張番号】11/904,062
(32)【優先日】2007年9月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503243058
【氏名又は名称】アマデウス エス.エイ.エス
(74)【代理人】
【識別番号】100102185
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 繁範
(74)【代理人】
【識別番号】100129399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺田 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】ゴール レミィ
(72)【発明者】
【氏名】ルシカ ブリジット
(72)【発明者】
【氏名】チャボット アレクサンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ユアール レイナック
(72)【発明者】
【氏名】ダニエロ ルディ
【合議体】
【審判長】
小曳 満昭
【審判官】
白石 圭吾
【審判官】
山田 正文
(56)【参考文献】
【文献】
工藤 司 Tsukasa Kudou,訂正情報を持つ履歴データベースの提案,情報処理学会研究報告 Vol.2004 No.116,日本,社団法人情報処理学会 Information Processing Society of Japan,2004年11月17日,第2004巻,第116号,P.17−24
【文献】
林、鈴木、北川,時制オブジェクト管理システムにおける履歴管理機構の設計と実装,第50回(平成7年前期)全国大会講演論文集(4) ソフトウェア,1995年,P.4−153〜154
【文献】
北川ほか,履歴データ型を用いた版管理データモデルの提案,情報処理学会論文誌 第34巻 第5号,日本,社団法人情報処理学会 Information Processing Society of Japan,1993年 5月,第34巻,第5号,P.1031−1044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の時間において生成されたデータエンティティのパラメータの値をコンピュータが決定する方法であって、前記データエンティティは少なくとも1つのパラメータを含み、第1の特定の時間に前記データエンティティのバージョンはデータエンティティの有効なバージョンであり、第2の特定の時間に前記データエンティティのバージョンはデータエンティティの過去のバージョンであり、
前記方法は、
前記コンピュータにより、前記データエンティティの第1のバージョンを生成するステップと、
前記データエンティティの第1のバージョンが、前記データエンティティの有効なバージョンであるように、前記コンピュータにより、前記データエンティティの第1のバージョンを記憶領域に記憶するステップと、
前記コンピュータにより、前記データエンティティの少なくとも1つの前記パラメータを更新することによって前記データエンティティの第2のバージョンを生成するステップと、
前記コンピュータにより、前記データエンティティの第2のバージョンを記憶領域に記憶するステップであって、前記データエンティティの第2のバージョンが記憶される時点で、前記データエンティティの第2のバージョンが前記データエンティティの有効なバージョンであり、且つ前記データエンティティの第1のバージョンが前記データエンティティの過去のバージョンであり、前記データエンティティの有効なバージョンは、前記データエンティティのそれぞれのバージョンが前記データエンティティの有効なバージョンであったときの関連時間が関連付けられている、前記データエンティティの全ての過去のバージョンの順序付きリストを含むように記憶するステップと、
要求された時間における前記データエンティティの前記パラメータの値を決定するために、前記コンピュータにより、前記リストに含まれる前記データエンティティの過去のバージョンの前記関連時間を検索することにより前記要求された時間において有効であった前記データエンティティのバージョンを決定するステップと、
決定した前記データエンティティのバージョンに、前記コンピュータにより、アクセスするステップと、
アクセスした前記データエンティティに基づいて前記コンピュータにより、前記パラメータの値を決定するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記コンピュータにより、それぞれのバージョンが同じ共通キーを含むように、前記データエンティティのそれぞれのバージョンを生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンピュータにより、前記共通キーを検索することによって、同じ前記共通キーを含む前記データエンティティのバージョンを検索するステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンピュータにより、前記データエンティティの最新バージョンが前記有効なバージョンであるように、前記データエンティティの更なるバージョンを生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記データエンティティのそれぞれのバージョンのタイムスタンプは、それぞれのバージョンが作成されたときの日付と時間を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コンピュータにより、前記タイムスタンプを用いて、前記関連時間における前記有効なバージョンを決定するステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コンピュータにより、前記タイムスタンプをGMTなどの時間基準に基づいて形成するステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記データエンティティは、製品またはサービスに関連するデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記パラメータは、価格、税金、目的地、場所、特価提供、または製品若しくはサービスに関するその他のデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
特定の時間において生成されたデータエンティティのパラメータの値を決定するシステムであって、前記データエンティティは少なくとも1つのパラメータを含み、第1の特定の時間に前記データエンティティのバージョンはデータエンティティの有効なバージョンであり、第2の特定の時間に前記データエンティティのバージョンはデータエンティティの過去のバージョンであり、
前記システムは、
少なくとも1つのパラメータを含む前記データエンティティのバージョンをそれらが作成されたときに記憶するデータベースと、
前記データエンティティの第1の有効なバージョンを記憶するキャッシュであって、前記データエンティティの少なくとも1つのパラメータを更新することによって前記データエンティティの新しいバージョンが生成されたとき、新しい有効なバージョンは、前記キャッシュに記憶された前記第1の有効なバージョンと置き換わり、前記第1の有効なバージョンは、前記キャッシュに記憶された過去のバージョンになるキャッシュと、
コンピュータと、を備え、
前記コンピュータは、
前記データエンティティの第1のバージョンを生成する手段と、
前記データエンティティの第1のバージョンが、前記データエンティティの有効なバージョンであるように、前記データエンティティの前記第1のバージョンを前記キャッシュに記憶する手段と、
前記データエンティティの少なくとも1つの前記パラメータを更新することによって前記データエンティティの第2のバージョンを生成する手段と、
前記データエンティティの第2のバージョンを前記キャッシュに記憶する手段であって、前記データエンティティの第2のバージョンが記憶される時点で、前記データエンティティの第2のバージョンが前記データエンティティの有効なバージョンであり、且つ前記データエンティティの第1のバージョンが前記データエンティティの過去のバージョンであり、前記データエンティティの有効なバージョンは、前記データエンティティのそれぞれのバージョンが前記データエンティティの有効なバージョンであったときの関連時間が関連付けられている、前記データエンティティの全ての過去のバージョンの順序付きリストを含むように記憶する手段と、
要求された時間における前記データエンティティの前記パラメータの値を決定するために、前記リストに含まれる前記データエンティティの過去のバージョンの前記関連時間を検索することにより前記要求された時間において有効であった前記データエンティティのバージョンを決定する手段と、
決定した前記データエンティティのバージョンに、アクセスする手段と、
アクセスした前記データエンティティから前記パラメータの値を決定する手段と、を備える、
システム。
【請求項11】
前記コンピュータにより、前記決定したパラメータの値を用いて、当該パラメータに関連する処理を実行するステップを、更に備える請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データエンティティの管理とデータのバージョン管理のための方法及び装置に関し、特に、履歴データの決定のためのバージョン選択を可能にすることに関する。
【背景技術】
【0002】
多くのデータベースシステムにおいて、データの存続期間の間種々の時点で、データが記憶され、しばしば更新される。これは1つの与えられたデータセットに多数のバージョンが存在することになる。履歴として、新しい、または有効なバージョンは、いわゆる過去のバージョンのデータと置き換わり、いったん新しいバージョンが記憶されると、過去のバージョンの内容を復元することは常に可能ではない。このことは、例えば、旅行業界において、顧客が航空チケットを購入し、後日、航空チケットの変更を希望する状況において、特にそうである。
【0003】
航空チケットの料金は、航空チケットを入手した日と旅行日の間で変化することは良く知られている。従って、ある時点で、顧客が航空チケットの変更を希望する場合には、料金は、顧客が航空チケットを購入した日と異なる可能性がある。このように、顧客は購入価格よりも高い、または低い料金水準で払い戻しされるが、顧客が航空チケットを購入した日の料金水準で払い戻しされる保障はない。
【0004】
米国特許出願第2002/120648(AT&T)は、特定バージョンの文書にアクセスし、第1と第2のバージョンの間の差異をユーザが分かるようにする方法を開示している。アーカイブシステムは、ユーザからの更なる要求に応じるためにそのコピーを確保しておくために、文書の異なるバージョンのコピーを作成する。この方法は、ユーザに差異を示すために、2つの異なるバージョンを比較するシステムも提供する。しかしながら、ユーザがアクセス可能な唯一の利用可能なバージョンは、最新のバージョンのみであり、過去のバージョンのデータ内容をユーザに直接提示することは不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術のシステムに関連する課題の少なくともいくつかを軽減することである。
【0006】
本発明の更なる目的は、データの履歴分析と特定のパラメータの識別を可能にする、データエンティティ及びそのバージョンを管理する方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの形態によれば、特定の時間において生成されたデータエンティティのバージョンのパラメータを識別するシステムであって、そこにおいて、第1の時間にそのバージョンが有効なバージョンであり、第2の時間にそのバージョンが過去のバージョンであり、このシステムは、データエンティティの複数のバージョンをそれらが作成されたときに記憶するデータベースと、データエンティティの第1の有効なバージョンを記憶するキャッシュとを備え、そこにおいて、データエンティティの少なくとも1つのパラメータを更新することによりデータエンティティの新しいバージョンが生成されたとき、新しい有効なバージョンが、キャッシュに記憶された第1の有効なバージョンと置き換わり、第1の有効なバージョンが、キャッシュに記憶された過去のバージョンになり、更にそこにおいて、特定の時間において有効であったデータエンティティのバージョンを識別することによってパラメータを決定できるように、新しい有効なバージョンが、バージョンが有効なバージョンであったときの関連時間を付与されたデータエンティテイのそれぞれの過去のバージョンのリストを含むシステムを提供する。
【0008】
本発明の第2の形態によれば、特定の時間において生成されたデータエンティティのバージョンのパラメータを識別する方法であって、そこにおいて、第1の時間にそのバージョンが有効なバージョンであり、第2の時間にそのバージョンが過去のバージョンであり、この方法は、データエンティティの第1のバージョンを生成するステップと、このときに第1のバージョンが有効なバージョンになるように、データエンティティの第1のバージョンを記憶領域に記憶するステップと、データエンティティの第2のバージョンを生成するためにデータエンティティに関連する少なくとも1つのパラメータを更新するステップと、第2のバージョンが有効なバージョンであり、第1のバージョンが過去のバージョンになり、第2のバージョンは、そのバージョンが有効なバージョンであったときの関連時間が付与されたデータエンティティのそれぞれの過去のバージョンのリストを含むように、データエンティティの第2のバージョンを記憶領域に記憶するステップと、特定の時間において有効であったデータエンティティのバージョンを識別するステップと、その特定の時間におけるパラメータを決定するステップと、を含む方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により提供される多くの利点がある。例えば、本発明によれば、異なるバージョン間のリンクを容易にする複数のデータエンティティを用いた単純な仕組みにより、特定のバージョンに関する正しいパラメータを決定することが常に可能である。この種の仕組みを動作させることで、オペレータが、特定のバージョンのパラメータにアクセスできる速度が最適化され、応答時間が短いため、オペレータ自身の動作を早めることを支援する。また、本発明は、オペレータが正しい料金レベルで確実に払い戻しできるようにし、これによりオペレータが正しくない料金水準で変更を行って損害を出さないようにできる。同様に、顧客は低いレベルで払い戻しをされ、損害を出さないようにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明の1つの実施形態によるバージョン管理を示す線図である。
【
図3】本発明の1つの実施形態によるバージョン管理を示す線図である。
【
図4】本発明の1つの実施形態によるシステムの線図である。
【
図4a】本発明の1つの実施形態によるシステムの線図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態による方法ステップのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この説明において、日付という用語はカレンダー日付を示し、時間という用語は、期間、1日における時刻、または瞬間を示し、タイムスタンプという用語は、あるバージョンが生成された日付と時間を示す。
【0012】
図1は、従来技術におけるバージョンの仕組みを示す。時間t
0で、パラメータP
1を有するバージョンV
1が生成される。通常、バージョンV
1は、時間t
∞まで存続することを期待される。時間t
1で、新しいバージョンV
2が生成され、少なくともパラメータP
1がパラメータP
2に変更される。バージョンV
2は、バージョンV
1と置き換わり、通常、時間t
∞まで存続することを期待される。バージョンV
2がバージョンV
1と置き換わるので、バージョンV
1の内容は、もはや利用可能ではない。従って、顧客またはオペレータが、時間t
2においてバージョンV
1のパラメータP
1を決定することを希望する場合、これは可能ではない。
【0013】
図2を参照して、本発明の1つの実施形態によるバージョン管理の仕組みを説明する。時間t
0で、パラメータP
1を有するバージョンV
1が生成される。通常、バージョンV
1は、時間t
∞まで存続することを期待される。時間t
1で、新しいバージョンV
2が生成され、少なくともパラメータP
1がパラメータP
2に変更される。バージョンV
1は、例えば、キャッシュに記憶され、以下に詳述するように、バージョンV
2にリンクされる。バージョンV
2が有効なバージョンになり、パラメータP
2が有効なパラメータになる。時間t
2において、顧客はある時点で存在したパラメータ(P
1またはP
2)の決定を希望することができ、V
2が有効でV
1へのリンクを有するので、正しいパラメータを敏速に特定できる。この詳細を以下に詳述する。更に、バージョンを追加でき、過去の全バージョンを最新バージョンにリンクさせて、最新バージョンが有効なバージョンになる。各バージョンは、GMTまたはその他の適切な時間基準に基づくタイムスタンプを含む。リンクは、各バージョンの生成の日付及び時間を通じて、顧客またはオペレータが与えられた日付及び時間においてどのバージョンが有効であったかを決定できるように形成されてよく、このリンクは、例えば、価格、サプライヤー、本願に適したその他の適切なリンクなどの他の適切な手段を通じて設けられてよい。
【0014】
図3を参照しつつ、
図2を参照して上記で説明したバージョン管理の1つの実施形態を用いて、本発明の仕組みを明らかにする。この実施形態は、顧客が、所定の第2の場所から所定の第1の場所までの航空チケットを購入できるシステムに関するものである。例えば、パリからニース(PAR−NCE)への特定の航空会社(例えば、エールフランス(登録商標))を利用したフライトの航空チケットを購入する。
図3は、2つのバージョンV
1及びV
2に対する時間t
0から時間t
∞までの航空チケットの価格に関する時系列情報を示す。バージョンV
1は、時間t
0から時間t
1の間に存在し、時間t
1において、通常、時間t
∞まで存続する新しいバージョンV
2が生成される。バージョンV
1において、航空チケットの価格は100ユーロであり、時間t
1でV
2が生成され、航空チケットの価格は130ユーロに上昇する。他のバージョンを任意の時点で生成でき、新しいバージョンが生成されたそれぞれのとき、与えられた時間において有効なバージョンになる。全ての過去バージョンは、有効なバージョンにリンクされるが、以下に説明するように、要求されない限り、無効状態を維持する。過去のバージョンの失効時間を決定する規則があってもよいが、バージョンの数に制限はない。
【0015】
図示した例において、顧客は、時間t
bにおいて、将来(例えば、t
f)におけるパリからニースまでの航空チケットを購入する。時間t
bにて料金は、100ユーロであり、バージョンV
1に対応する。その後の時間t
eにおいて、顧客は、旅行の時間を変更することを決定し、航空チケットの払い戻し、変更、又は譲渡を要求するために、チケットサプライヤーまたはオペレータに連絡を取る。このとき、航空チケットの料金は130ユーロであり、有効なバージョンV
2に対応する。しかしながら、これは、航空チケットを最初に購入したときの料金及び条件ではない(これらは、バージョンV
1における料金及び条件)。本発明によれば、オペレータが航空チケットのタイムスタンプを入力したとき、このシステム及び方法は、タイムスタンプによってオペレータが、有効なバージョンリストを含む、V
2に対応する記憶されたエンティティを見ることを可能にする。航空チケットを最初に購入したときのタイムスタンプをバージョンのタイムスタンプと比較することによって、このシステム及び方法は、購入時に有効であったバージョン、すなわちこの場合バージョンV
1にオペレータを向けさせる。このように、オペレータは、顧客が支払った価格を正しく決定でき、顧客から要求された払い戻しや交換を行うのにこれを用いることができる。
【0016】
本発明によるシステムが、存在した各バージョンのコピーを慎重に記憶しているのでないことに注目することは重要である。その代わりに、任意の与えられた時間における有効なバージョンは、全ての過去のバージョンへのリンクを含むので、これによりタイムスタンプ検索に基づき、関連するバージョンへの即時アクセスを可能にする。このように本発明を実施することで、オペレータは、複雑な検索動作を行うことなく、関連する情報を見つけることができ、短い応答時間で、要求されたデータにアクセスすることができる。メモリ環境内の全ての関連するバージョンを検索する場合には、応答時間が著しく増加しやすい。そのため、有効なバージョンとあらゆる過去のバージョンとの間に設けられたリンクは、本発明の1つの実施形態の利点である。
【0017】
図4を参照し、システムの詳細を説明する。データベース400は、キャッシュ402に接続されている。複数のオペレータ(404、406、及び408)は、航空チケットを更新、払い戻し、又は交換するために、キャッシュ402に接続されている。データベース400は、データベースエンティティ410を有し、これは例えば、特定の航空会社による特定のフライトのためのデータの全ての種々のバージョンに関する詳細を含む。データベースエンティティ410に記憶されたデータの種々のバージョンは、V
n、V
n−1、V
n−2などで示される。ある時点で、オペレータ(例えば、404、406、又は408)により新しい更新V
n+1が生成され、矢印1で示すように、データベースに記憶される。
【0018】
新しい更新が行われるときは何時も、更新は、問題になっているバージョンに対応すると共に有効なキャッシュデータエンティティになるキャッシュエンティティE
c/Vnに登録されなければならない。この更新を矢印2で示す。有効なキャッシュデータエンティティから過去のキャッシュデータエンティティの各々にリンクが設けられていても、過去のキャッシュデータエンティティは、無効になる。
【0019】
図4aは、キャッシュデータエンティティ450の1例の細部を示す。このキャッシュデータエンティティ450は、アクセスキー要素452、有効なバージョン及び有効なバージョンに対応するタイムスタンプに関する指示器454、過去のバージョン及び関連するタイムスタンプの分類リスト456、データの有効なバージョンの全内容458と、を含む。アクセスキー要素452は、問題となっている特定の系列の全エンティティに対し共通である。この実施形態において、問題となっている系列は、出発地及び目的地、及び航空チケットを発行する航空会社を指す。例えば、パリからニース(PAR−NCE)へのエールフランス(登録商標)のフライトは、データエンティティの特定の系列であり、各エンティティは、系列のバージョンである。指示器454は、現在の有効なバージョンに関連し、そのとき有効なバージョンが開始したタイムスタンプを示す。過去のバージョン及び関連するタイムスタンプの分類リストは、全ての過去のバージョン、及びそれらの開始時間及び終了時間を示す。開始日付及び終了日付のただ1つが、本発明のいくつかの実施形態で用いられることは、理解されるであろう。有効なデータ458は、航空チケットに関する全ての関連パラメータを含み、通常数千の異なるパラメータを含む。
【0020】
ここで
図4の説明に戻り、有効なキャッシュデータエンティティ412は、キャッシュ402の中で識別される。また、もはや有効でないキャッシュデータエンティティ(416,418、420)の複数の過去のバージョンへのリンク(矢印414で示す)が設けられている。有効なキャッシュデータエンティティ412の新しいバージョンが生成される場合、この新しいバージョンが、キャッシュに登録される。この効果は、過去の有効なエンティティをプッシュしてバージョンV
nとして、新しく登録された有効なキャッシュデータエンティティが、バージョンV
n+1になることである(
図4では、バージョンの名前はE
c/A)。矢印3は、有効なデータエンティティの過去のデータエンティティへの変換を示す。
【0021】
例えば、オペレータ404は、以前に予約した旅行計画を変更している顧客のために、パリからニースへのエールフランスによって発行された航空チケットの更新を希望することができる。これを行うためには、オペレータ404は、問題となっている航空チケットに関する関連キャッシュデータエンティティを検索しなければならない。有効なキャッシュデータエンティティは、パリからニース及びエールフランスが特定されたとき何時でも、オペレータが向けられているアクセスキー要素452(
図4a参照)により発見される。更に、オペレータは、最初の航空チケットを購入したときのタイムスタンプの詳細を入力する。入力されたタイムスタンプによって、有効なキャッシュデータエンティティが、航空チケットのタイムスタンプに対応するタイムスタンプを目指して検索される。航空チケットのタイムスタンプに対応する特定バージョンのタイムスタンプ範囲を識別すると、有効なキャッシュデータエンティティが、航空チケットを購入したときに有効であったバージョンを示す。この時点で、2つの事柄の1つが発生し得る。航空チケットのタイムスタンプが、有効なキャッシュデータエンティティに対応する場合、オペレータは、すぐに有効なデータ458(
図4a参照)にアクセスする。航空チケットのタイムスタンプが、過去のバージョンに対応する場合、このバージョンは、リスト456から識別される。そして、データエンティティは、リンク414の1つによって、オペレータにそのバージョンを指示する。他のオペレータ406または408により、他の出発地及び目的地及び他の航空会社に関しても、同様の処理を行うことができる。キャッシュは、バージョンなどの変更により連続的に変化し且つ更新される動的な要素である。それぞれのエンティティは、オペレータのアクセスを容易にできる同じ一般的フォーマットを有する自己完結式の論理エンティティである。
【0022】
本発明は、特定の航空会社の航空チケットに限定されるものでなく、販売用の任意の要素であって、将来のある段階で顧客がその要素の交換、払い戻し、又は更新を希望することができ、且つその要素のパラメータが、時間とともに変化してもよい要素に用いることができる。本発明は、データエンティティにおける展開、及び変更を追跡し続けることによって、データエンティテイのそれぞれのバージョンのトレーサビリティを提供する。データエンティティは、文書、または航空チケットまたはその他の適切な文書に関する情報の別の形態であってよい。パラメータは、例えば、価格、税金、特価提供、または販売用の要素に関する、時間とともに変化してもよい他のデータを含む、多くの変形が可能である。本明細書全体を通して説明した実施形態は、概して2つのバージョン(有効なバージョン、及び過去のバージョン)に関する。しかしながら、任意の数のバージョンを有することが可能であり、上述の通り、それぞれの新しい有効なバージョンは、全ての過去のバージョンのリストを含む。
【0023】
次に、
図5を参照して、本発明の1つの実施形態の実施において実行される方法のステップを説明する。ステップ500において、データの第1のバージョンV
1が、1つ以上が変化してもよい複数のパラメータとともに、生成される。有効なエンティティV
1は、キャッシュに記憶される。ステップ502において、顧客は、データのバージョンV
1のパラメータに対応する航空チケットを購入する。ステップ504において、データの1つ以上のパラメータが変更され、バージョンV
2が生成される。ステップ506において、キャッシュが更新され、エンティティV
2を記憶する。エンティティV
2は、その後ステップ508において、過去のエンティティV
1とリンクされ、且つエンティティV
2は、有効なエンティティになる。ステップ510において、オペレータは、ステップ502において顧客が購入した航空チケットに関するデータを要求する。ステップ512において、オペレータは、発行した航空チケットのタイムスタンプを決定し、その後ステップ514において、キャッシュに問い合わせ、関連するアクセスキー要素452を有する航空チケットのタイムスタンプと一致するデータの関連するバージョンを決定する。オペレータは、次に、ステップ516において、航空チケットのタイムスタンプに基づいてデータの正しいバージョンを指示される。これによって、オペレータが、交換、払い戻し、またはその他の動作のために、航空チケットを購入したときのパラメータを決定することができる。処理は、ステップ520で終了する。
【0024】
処理は、動作が要求されたとき、ステップの適切な時点において再開できる。更なる新しいバージョンは、ステップ504において生成されてよい。その場合、ステップ506及び508も実行される。或いは、バージョンを変更しないが、オペレータは、別の顧客からの航空チケットに関するデータの決定を希望することもある。この場合、ステップ510,512,514、516及び518が実行される。明らかに、この状況において、複数の顧客が、1つ、または別のバージョンの航空チケットを購入したステップ502が複数回実行されていてもよい。
【0025】
全体プロセスの異なる要素に関して、組み合わせ、又は単独の方法ステップの種々の組み合わせが実行可能である。この種々の組み合わせは、上記に限定されず、いかなる他の組み合わせを含んでもよい。
【0026】
本発明は、本発明の意図した範囲及び考え方の中で、種々に変更可能である。