【実施例】
【0159】
本発明は、限定されないが、本発明の式(I)で表される化合物の調製を描写する以下の実施例により、更に例示される。
【0160】
参考A
tert−ブチル(3S)−1−(シクロプロピアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イルカルバメートの合成
【化15】
【0161】
工程1
N−メチルモルホリン(34.9g、0.35mol)を、Boc−Nva−OH(25g、0.115mol)、N,O−ジメチルヒドロキシアミンヒドロクロライド(12.34g、0.127mol)、1(3ジメチルアミノプロピル)−3エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC)(33.07g、0.173mol)、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(22.9g、0.35mol)のジクロロエタン中混合物(300mL)にゆっくりと添加し、30分間攪拌した。この反応物を室温で2時間放置し、そして2000mLの酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム、水、ブライン(brine)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。減圧下で溶媒を除去して、無色の油として、(S)−tert−ブチル1−メトキシ(メチル)アミノ)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメートを得た。
【0162】
工程2
−78℃のアルゴン大気下で、(S)−tert−ブチル1−メトキシ(メチル)アミノ)−1−オキソペンタン−2−イルカルバメートの無水テトラヒドロフラン溶液(100mL)に、水素化リチウムアルミニウム(テトラヒドフラン中に1M、27.7mL)を、ゆっくりと添加した。2時間後、この反応混合物を1NのHClを添加して滴定し、そして室温まで温めた。この反応混合物を酢酸エチル(600mL)で希釈し、1NのHCl、H
2O、それからブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。減圧下で溶媒を除去し、油として、(S)−tert−ブチル1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(4.8g)を得た。
【0163】
工程3
0℃で、酢酸(2.28g、38mmol)を、シクロプロピルイソニトリル(1.91g、28.5)、(S)−tert−ブチル1−オキソペンタン−2−イルカルバメート(3.8g、19mmol)の塩化メチレン溶液(100mL)に添加した。全て添加した後、この反応混合物を25℃まで温め、そして6時間攪拌した。この反応混合物を、酢酸エチル(200ml)で希釈し、そして炭酸水素ナトリウムの飽和溶液及びブライン(30ml)で洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。この溶媒を減圧下で除去して、白色の固体としてtert−ブチル(3S)−1(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イルカルバメート(4.8g)を得た。
【0164】
工程4
室温で、水酸化ナトリウム水溶液(1N、22mL)を、tert−ブチル(3S)−1(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イルカルバメート(4.8g、14.6mmol)のメタノール溶液(50ml)に添加した。2時間後、減圧下でメタノールを除去し、そして該濃縮物を、酢酸エチル(300mL)で抽出した。酢酸エチルの相をブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。減圧下での溶媒の除去の後、該残余物(residue)を、100mlの酢酸エチル及びヘキサン(v/v=3/1)から結晶化して、白色の固体としてtert−ブチル(3S)−1−(シクロプロピアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イルカルバメート(3.5g)を得た。
【0165】
参考B
tert−ブチル(2S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−オキソブタン−2−イルカルバメートの合成
【化16】
【0166】
工程1
Boc−L−シクロブチルアラニン(10.33g、30mmol)、N,O−ジメチルヒドロキシアミンヒドロクロライド(3.22g、33mmol)、1(3ジメチルアミノプロピル)−3エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC)(8.63g、45mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(5.52g、36mmol)のジクロロメタン中混合物(200ml)に、N−メチルモルホリン(9.11g、90mmol)を、攪拌しながら30分以上かけてゆっくりと添加した。2時間後、該反応混合物を酢酸エチル(1000ml)で希釈し、炭酸水素ナトリウム、水、そしてブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。減圧下で溶媒を除去して、無色の油として、(S)−tert−ブチル3−シクロブチル−1−(メトキシ(メチル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメート(7.1g)を得た。
【0167】
工程2
(S)−tert−ブチル3−シクロブチル−1−(メトキシ(メチル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イルカルバメート(4.3g、15mmol)の無水テトラヒドロフラン溶液(100ml)に、アルゴン大気中、−78℃で、リチウムアルミニウム水素化物(テトラヒドロフラン中に1M、15ml、15mmol)をゆっくりと添加した。2時間後、この反応混合物を1MのHCL(15ml)でゆっくり添加することにより滴定し、そして添加し終えてから、この反応混合物を室温まで温めた。この反応混合物を酢酸エチル(500ml)で希釈し、1NのHCl、水、そしてブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。減圧下で溶媒を除去して、油として、(S)−tert−ブチル1−シクロブチル−3−オキソプロパン−2−イルカルバメート(2.95g)を得た。
【0168】
シクロプロピルイソニトリル(1.21g、18mmol)、(S)−tert−ブチル1−シクロブチル−3−オキソプロパン−2−イルカルバメート(2.95g、13mmol)の塩化メチレン溶液(20ml)に、0℃で酢酸(1.56g、25mmol)を添加した。添加の後、該反応混合物を25℃まで温め、そして更に4時間攪拌した。該反応混合物を200mlの酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液及びブリンで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を減圧下で除去し、該粗生成物を、50mlの酢酸エチル及びヘキサン(v/v=1/1)から結晶化し、白色の固体として、(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−シクロブチル−1−(シクロプロピルアミノ)−1−オキソブタン−2−イルアセテート(3.8g)を得た。
【0169】
工程4
(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−シクロブチル−1−(シクロプロピルアミノ)−1−オキソブタン−2−イルアセテート(3.8g、10.7mmol)のメタノール溶液(50ml)に、水酸化ナトリウム水溶液(1N、15ml)を、室温で添加した。その2時間後、減圧下でエタノールを除去し、該濃縮物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルをブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。減圧下で溶媒を除去し、そして残余物を、100mlの酢酸エチル及びヘキサン(v/v=3/1)から結晶化し、白色の固体として、tert−ブチル(2S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−オキソブタン−2−イルカルバメート(2.9g)を得た。
【0170】
実施例1
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル]−N−((S)−1−シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(7−メトキシ2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミドの合成
【化17】
【0171】
工程1
0℃の市販のN−tert−Boc−cis−4S−ヒドロキシ−L−プロリンメチルエステル(370mg、1.51mmol)及び7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−オール(PCT出願公開WO 2000059929号)(400mg、1.66mmol)の無水テトラヒドロフラン溶液(15ml)に、トリフェニルホスフィン(594mg、2.27mmol)を添加して、その後N
2大気下で、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD) (0.36mL、1.81mmol)をゆっくりと添加する。該反応混合物を室温まで加熱し、そして18時間攪拌した。この粗反応混合物をフラッシュクロマトグラフィーにより濃縮及び精製し、69%の収量で、(2S,4R)−1−tert−ブチル−2−メチル−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートを得た。
【0172】
工程2
(2S,4R)−1−tert−ブチル−2−メチル−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(200mg、0.43mmol)のジクロロメタン溶液(1ml)に、4.0MのHClのジオキサン溶液(3.0ml)を添加した。1時間後、該反応混合物を濃縮及び乾燥し、白色の固体として、(2S,4R)−メチル−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−ジカルボキシレートヒドロクロライドを得た。
【0173】
(2S,4R)−メチル−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−ジカルボキシレートヒドロクロライド(67mg、0.165mmol)のジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(1:1)溶液(2.0mL)に、Boc−L−tert−Leu−OH(38.1mg、0.165mmol)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(69mg、0.182mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.5mmol)を添加し、そして該混合物を室温で攪拌した。16時間後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1NのHCl、飽和炭酸水素ナトリウム、及びブラインで洗浄した。一まとめにした酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下の蒸発により乾燥させ、定量的収率(quantitative yield)で、(2S,4R)−メチル−1−((S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−ジカルボキシレートを得た。
【0174】
粗(2S,4R)−メチル−1−((S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−ジカルボキシレートのジクロロメタン溶液(1ml)に、4.0MのHClのジオキサン溶液(3.0ml)を添加した。1時間後、該反応混合物を濃縮及び乾燥させ、白色の固体として、(S)−1−((2S,4R)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル)−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イルカルバミン酸ヒドロクロライドを得た。これは、更なる精製をせずに、次の工程に使用された。
【0175】
工程5
(S)−1−((2S,4R)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)−2−(メトキシカルボニル)ピロリジン−1−イル)−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イルカルバミン酸ヒドロクロライド(0.165mmol)のジクロロメタン溶液(3.0ml)に、トリエチルアミン(0.06ml、0.413mmol)及びtert−ブチルイソシアネート(0.02ml、0.165mmol)を添加し、該反応混合物を、室温で攪拌した。16時間後、該反応混合物をジクロロメタンで希釈し、1NのHCl、飽和炭酸水素ナトリウム、及びブラインで洗浄した。そして、形成されたジクロロメタンの相を蒸発により乾燥させ、(2S,4R)−メチル−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキシレートを得た。
【0176】
工程6
(2S,4R)−メチル−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキシレートを、メタノール(6.0ml)、テトラヒドロフラン(3.0ml)、及び1Nの水酸化ナトリウム(6ml)で処理した。室温で1時間置いた後、該反応混合物を濃縮し、1NのHClで酸性化し、そして酢酸エチルで抽出した。一まとめにした酢酸エチルの相をブリンで洗浄し、そして脱水した(MgSO
4)。該酢酸エチルの相を濾過し、蒸発により乾燥させ、(2S,4R)−メチル−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸を得た。
【0177】
工程7
tert−ブチル−(3S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソ−3−イルカルバメート(48mg、0.165mmol)をジクロロメタン(3.0ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3ml)を添加した。室温で1時間攪拌した後、該反応混合物を蒸発により乾燥し、白色の固体として、(3S)−3−アミノ−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシヘキサンアミドトリフルオロ酢酸塩を得た。(2S,4R)−メチル−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸のジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(1:1、6.0ml)を、前記(3S)−3−アミノ−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシヘキサンアミドトリフルオロ酢酸塩に添加して、それからO(7アザベンゾトリアゾール 1 イル)1,1,3,3テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(75mg、0.198mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.7mmol)を添加した。室温で24時間置いた後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして1NのHCl、炭酸水素ナトリウム、及びブラインで洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥した。そして、該粗生成物を無水ジクロロメタン(10.0ml)に溶解して、そしてデスマーチンペルヨージナン(Dess−Martin periodinane)(112mg、0.264mmol)を添加した。室温で2時間攪拌した後、該反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム中の0.26Mチオ硫酸ナトリウムで滴定し、そして酢酸エチルで抽出した。そして一まとめにした酢酸エチルの相を飽和炭酸水素ナトリウム及びブラインで洗浄した。調製HPLCにより精製し、HPLCによる純度が99%を超える、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S−1−シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミドを得た。
【0178】
1Η NMR:(DMSOd
6)δ8.76−8.70(m,2Η);8.22(d,J=6.8Hz,1H);8.11(d,J=9.6Hz,1H);7.87(d,J=1.2Hz,1H);7.45(s,1H);7.27(d,J=2.4Hz,1H);7.00−6.97(dd,J=2.8及び9.6Hz,1H);6.64−6.62(m,1H);5.92(brs,1H);5.49(brs,1H);5.00−4.96(m,1H);4.55−4.49(m,2H);4.18(d,J=5.6Hz,1H);3.90(s,3H);3.91−3.82(m,1H);3.54(brs,1H);2.75−2.72(m,1H);2.54−2.51(m,1H);2.17−2.14(m,1H);1.69−1.66(m,1H);1.40−1.34(m,3H);1.13(m,9H);0.93(m,9H);0.90−0.82(m,3H);0.65−0.53(m,4H)。MS(M
++1)733。
【0179】
実施例2
(2S,4R)−1−((S)−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル))−N−((S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)−キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミドの合成
【化18】
【0180】
tert−ブチル−(2S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−オキソブタン−2−イルカルバメート(51mg、0.165mmol)を、ジクロロメタン(3.0ml)に添加し、そしてトリフルオロ酢酸(3.0ml)を添加した。室温で1時間攪拌した後、該反応混合物を蒸発により乾燥し、白色の固体として(3S)−3−アミノ−4−シクロブチル−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−ブタンアミド−トリフルオロ酢酸塩を得た。(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル))−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸のジクロロメタン/N,N−ジメチるるホルムアミド(1:1、6.0ml)溶液を、前記(3S)−3−アミノ−4−シクロブチル−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−ブタンアミド−トリフルオロ酢酸塩に添加し、そして0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(75mg、0.198mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.7mmol)を添加した。室温で24時間置いた後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして1NのHCl、飽和炭酸水素ナトリウム、及びブラインで洗浄した。酢酸エチルの相を脱水(硫酸マグネシウム)し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させた。そして該粗生成物を無水ジクロロメタン(10.0ml)に溶解し、そして1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン−(デスマーチンペルヨージナン(Dess−Martin periodinane)試薬、112mg、0.264mmol)を加えた。室温で2時間攪拌した後、該反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム中の0.26Mのチオ硫酸ナトリウムで滴定し、そして酢酸エチルで抽出した。一まとめにした酢酸エチルの相を飽和炭酸水素ナトリウム及びブラインで洗浄した。調製HPLCにより精製して、HPLCの純度が99%を超える、(2S,4R)−1−((S)−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル))−N−((S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)−キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミドを得た。
【0181】
1H NMR: (DMSO−d
6)δ8.76−8.69(m,2H);8.19(d,J=8.0Hz,1H);8.10(d,J=8.0Hz,1H);7.87−7.86(m,1H);7.45(s,1H);7.27(d,J=2.8Hz,1H);7.00−6.97(dd,J=2.8及び9.6Hz,1H);6.64−6.62(m,1H);5.93(brs,1H);5.48(brs,1H);5.00−4.96(m,1H);4.53−4.49(m,2H);4.18(d,J=9.2Hz,1H);3.90(s,3H);3.91−3.82(m,1H);3.42(brs,2H);2.75−2.72(m,1H);2.54−2.51(m,1H);2.17−2.14(m,1H);1.96−1.89(m,2H);1.78−1.50(m,6H);1.13(m,9H);0.94(m,9H);0.65−0.53(m,4H)。MS(M
++l)759。
【0182】
実施例3
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル))−4−−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−N−((S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ−3,4−時オキソブタン−2−イル))ピロリジン−2−カルボキサミドの合成
【化19】
市販のt−Boc−(2S,4R)−ヒドロキシプロリン(1mmol)のジメチルスルホキシド溶液に、カリウムtert−ブトキシドを、23℃で、少しずつ15分かけて添加した。該混合物を23℃で30分攪拌し、そして0℃まで冷却し、その後、2,5−ジクロロピリジン(1.1mmol)を、少しずつ10分かけて添加した。該反応混合物を、23℃で16時間攪拌した。得られた懸濁物を5%クエン酸水溶液に加え、そして酢酸エチルで抽出した。一まとめにした酢酸エチルの相をブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。有機部分を濾過し、そして減圧下で濃縮して、白色の固体を得た。該固形物を4.0MのHClのジオキサン溶液(10mL)中に溶解した。1時間後、該反応混合物を減圧下で濃縮及び乾燥し、塩酸塩として、(2S,4R)−メチル−4−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキシレートを得た。
【0183】
工程1
(2S,4R)−メチル−4−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキシレートヒドロクロライド(242mg、0.829mmol)のジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(10ml、1:1)溶液に、Boc−L−tert−Leu−OH(192mg、0.829mmol)、O(7アザベンゾトリアゾール 1 イル)1,1,3,3テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオリホスフェート(HATU)(347mg、0.912mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.37mL、2.07mmol)を添加し、該反応混合物を室温で攪拌した。16時間後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム及びブラインで洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させ、定量的収率の(2S,4R)−メチル−1−((S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキシレートを得た。
【0184】
(2S,4R)−メチル−1−((S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキシレートを、メタノール(5.0ml)、テトラヒドロフラン(3.0ml)及び1Nの水酸化ナトリウム(5.0ml)で処理した。室温で2時間置いた後、該反応混合物を濃縮し、1NのHClで酸性化し、そして酢酸エチルで抽出した。一まとめにした酢酸エチルの相をブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。該酢酸エチルの相を濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させ、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸を得た。
【0185】
工程3
(3S)−3−アミノ−4−シクロブチル−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシブタンアミド(214mg、0.83mmol)に、4.0MのHClのジオキサン溶液(11.0mL)を添加した。1時間後、該反応混合物を濃縮し、そして乾燥して、白色の固体として(3S)−3−アミノ−4−シクロブチル−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシ−ブタンアミドのHCl塩を得た。この塩に、ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(1:1、10.0mL)中の(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸、1(3 ジメチルアミノプロピル)−3 エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDCI)(238mg、1.24mmol)、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBT)(190mg、1.24mmol)、及びN−メチルモルホリン(0.6mL、3.32mmol)を添加した。室温で16時間置いた後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム及びブリンで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。酢酸エチルの相を濾過し、減圧下で濃縮し、そして残余物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、58%の収率で、tert−ブチル(2S)−1−((2S,4R)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−2−((2S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−オキソブタン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−イル)−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメートを得た。
【0186】
工程4
tert−ブチル(2S)−1−((2S,4R)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−2−((2S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−オキソブタン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−イル)−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメートに、ジオキサン(3.0ml)中の4.0MのHClを添加した。一時間後、該反応混合物を減圧下で濃縮し、乾燥して、白色の固体として、(2S,4R)−1−((S)−2−アミノ−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−N−((2S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−オキソブタン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミドのHCl塩を得た。
【0187】
(2S,4R)−1−((S)−2−アミノ−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−N−((2S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−オキソブタン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミドのHCl塩(45mg、0.077mmol)のジクロロメタン溶液(3.0ml)に、トリエチルアミン(0.02mL、0.154mmol)を添加した。室温で5分置いた後、tert−ブチルイソシアネート(0.01mL、0.077mmol)を添加し、そして該反応混合物を室温で攪拌した。16時間後、該反応混合物をジクロロメタンで希釈して1NのHCl、飽和炭酸水素ナトリウム、及びブラインで洗浄した。ジクロロメタンの相を減圧下で蒸発により乾燥し、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−N−((2S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−オキソブタン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミドを得た。
【0188】
工程6
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−N−((2S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−オキソブタン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミドを、無水ジクロロメタン(4.0ml)に溶解し、そしてデスマーチンペルヨージナン(44mg、0.103mmol)を添加した。室温で2時間攪拌した後、該反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム中の0.26Mのチオ硫酸ナトリウムで滴定し、そして酢酸エチルで抽出した。一まとめにした酢酸エチル相を飽和炭酸水素ナトリウム及びブラインで洗浄し、該有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、そして溶媒を減圧下で除去した。調製HPLCで残余物を精製して、HPLCによる純度が90%を超える、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−N−((S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミドを得た。
【0189】
1E NMR:(DMSO)8.91−8.73(m,1H);8.30−8.24(m,2H);7.92−7.7.80(m,1H);6.94−6.84(m,1H);5.97(brs,1H);5.50(s,1H);5.00−4.95(m,1H);4.54−4.52(m,1H);4.17−3.88(m,3H);2.75−2.72(m,1H);2.54−2.51(m,1H);2.40−2.32(m,1H);2.17−1.60(m,10H);1.13(m,9H);0.91(m,9H);0.67−0.58(m,4H)。MS(M
++l)648。
【0190】
実施例4
tert−ブチル(S)−1−((2S,4R)−2−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イルカルバモイル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−1−イル)−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメートの合成
【化20】
同様に、工程4及び5を除いた上記実施例1の手順を経て、tert−ブチル(S)−1−(2S,4R)−2−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イルカルバモイル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−1−イル)−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメートを得た。MS:734(M+l)。
【0191】
実施例5
tert−ブチル(S)−1−((2S,4R)−2−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イルカルバモイル)−4−(7−メトキシ−2−フェニルキノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−1−イル)−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメートの合成
【化21】
同様に、7−メトキシ−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−オールを7−メトキシ−2−フェニル−キノリン−4−オールで置き換えた上記実施例4の手順を経て、tert−ブチル(S)−1−(2S,4R)−2−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イルカルバモイル)−4−(7−メトキシ−2−フェニルキノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−1−イル)−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメートを得た。MS:744(M+l)。
【0192】
実施例6
tert−ブチル(S)−1−((2S,4R)−4−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−2−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イルカルバモイル)ピロリジン−1−イル)−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメートの合成
【化22】
【0193】
同様に、4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステルヒドロクロライドを、4R−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステルヒドロクロライドで置き換えた上記実施例4の手順を経て、表記化合物を得た。MS:622(M+l)。
【0194】
実施例7
tert−ブチル−1−((2S,4R)−4−(5−クロロピリジン−2−イルオキシ)−2−((S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソヘキサン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−イル)−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イルカルバメートの合成
【化23】
【0195】
同様に、4R−(7−メトキシ−2−ピラゾール−1−イル−キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2S−カルボン酸メチルエステルヒドロクロライドを、4R−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステルヒドロクロライドで置き換え、そして(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシエチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを[1S−(シクロプロピルカルバモイルヒドロキシメチル)ブチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルに代えた上記実施例4の手順を経て、表記化合物を得た。MS:648(M+1)。
【0196】
実施例8
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル]−4−(5−クロロ−ピリジン−2−イルオキシ)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル0ピロリジン−2−カルボキサミドの合成
【化24】
【0197】
同様に、(1S−シクロブチルメチル−2−シクロプロピルカルバモイル−2−ヒドロキシエチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、[1S−(シクロプロピル−カルバモイルヒドロキシメチル)ブチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換えた上記実施例3の手順を経て、表記化合物を得た。MS:621(M+1)。
【0198】
実施例9
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミドの合成
【化25】
【0199】
工程1
3−メトキシ桂皮酸(5.3g、29.7mmol)及びトリエチルアミン(8.3mL、59.4mmol)のアセトン溶液(35ml)に、クロロ蟻酸エチル(4.3mL、44.5mmol)を0℃で滴下した。0℃で1時間置いた後、アジ化ナトリウム水溶液(3.1g、47.5mmol、16mL)を滴下し、そして該反応溶液を、16時間23℃で攪拌した。該混合物に水(50ml)を添加し、そして減圧下で揮発成分を除去した。得られたスラリーをトルエン(3x25ml)で抽出し、得られた有機相を硫酸マグネシウムで脱水した。脱水した溶液を濾過し、ジフェニルメタン(25ml)及びトリブチルアミン(14.2ml、59.4mmol)の溶液に190℃で滴下した。添加するときに、トルエンは蒸発して除去される。添加を終えた後、反応温を210℃まで上げて2時間置いた。冷却後、沈殿した生成物を濾過により回収して、ヘキサンで洗浄し、そして真空下で乾燥し、6−メトキシイソキノリン−1(2H)−オン(1.7g、9.7mmol、収率33%)を得た。MS m/z 176 (M
++H)。
【0200】
工程2
6−メトキシイソキノリン−1−(2H)−オン(900mgs、5.1mmol)のオキシ塩化リン(POCl
3、4mL)懸濁液を、110℃で3時間加熱した(加熱すると透明な溶液が得られる)。3時間後、該反応混合物を減圧下で濃縮した。残余物を氷冷水(10ml)中に注ぎ、3Nの水酸化ナトリウムでpHを10に調製し、そして、該混合物を、クロロホルム(3x25ml)で抽出した。得られたクロロホルム相をブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。そして有機相を濾過し、減圧下で濃縮し、更にフラッシュクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、白色の固体として、1−クロロ−6−メトキシイソキノリン(720mgs、3.7mmol、収率73%)を得た。
1H NMR(CD
3OD):8.23(d,1H,J=8.8Hz);8.11(d,1H,J=6.0Hz);7.69(d,1H,J=6.0Hz);7.37−7.33(m,2H);3.97(s,3H)。MSm/z194(M
++H)。
【0201】
工程3
市販のジメチルスルホキシド(20ml)中のN−t−Boc−(2S,4R)−ヒドロキシプロリン(684mg、2.96mmol)に、23℃で、カリウムtert−ブトキシド(887mg、8.88mmol)を、15分かけて少しずつ添加した。該混合物を23℃で30分攪拌し、そして0℃まで冷却した。1−クロロ−6−メトキシイソキノリン(600mg、3.11mmol)を少しずつ10分かけて添加した。該反応混合物を23℃で16時間攪拌した。得られた懸濁物を5%クエン酸水溶液(100ml)中に加え、酢酸エチル(3x50ml)で抽出した。酢酸エチルの相をブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。この有機相を濾過し、減圧下で濃縮して、白色の固体として(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(1.04g、2.68mmol、収率91%)を得た。MS m/z 389 (M
++H)。この材料は、更なる精製をせずに粗生成物のまま次の工程に使用された。
【0202】
工程4
tert−ブチル−(3S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソ−ヘキサン−3−イルカルバメート(100mg、0.35mmol)に、ジオキサン中の4.0M HCl(10ml)を添加した。1時間後、該反応混合物を濃縮及び脱水して、白色の固体として対応するHCl塩を得た。ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(8:3、11.0ml)中の上記アミンHCl塩に、(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(136mg、0.35mmol)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(160mg、0.42mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.2mL、1.05mmol)を添加した。室温で2時間反応させた後、該混合物を酢酸エチルで希釈し、1NのHCl(2x)、炭酸水素ナトリウム(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させ、(2S,4R)−tert−ブチル−2−((3S)−1−シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イルカルバモイル)−4−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。
【0203】
工程5
上記粗化合物に、ジオキサン(10ml)中の4.0M HClを添加した。1時間後、該反応混合物を濃縮及び乾燥して、対応するHCl塩を白色の固体として得た。ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(8:3、11.0ml)中の上記アミンHCl塩に、2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)−3,3−ジメチル−酪酸(81.0mg、0.35mmol)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(160mg、0.42mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.2ml、1.05mmol)を添加した。室温で16時間置いた後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして1NのHCl(2x)、炭酸水素ナトリウム(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させた。
【0204】
工程6
前記粗生産物を、無水ジクロロメタン(10.0ml)中に溶解し、そしてデスマーチンペルヨージナン(223mg、0.525mmol)を添加した。室温で2時間攪拌した後、該反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム中の0.26M チオ硫酸ナトリウムで滴定し、そして、酢酸エチルで抽出した(3x)。酢酸エチルの相を飽和炭酸水素ナトリウム(2x)及びブライン(1x)で洗浄した。調製HPLCにより精製して、HPLCによる純度が95%を超える、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミドを得た。
1H NMR:(DMSO−d
6)8.74(d,1H,J=4.8Hz);8.28(d,1H,J=7.2Hz);8.15(d,1H,J=9.2Hz);7.97(d,1H,J=6.0Hz);7.34−7.32(m,2H);7.11−7.08(m,1H);5.94(brs,1H);5.72−5.70(m,1H);5.04−5.00(m,1H);4.58(t,1H,J=8.4Hz);4.34−4.22(m,2H);3.91(s,3H);3.90−3.86(m,1H);2.79−2.74(m,1H);2.54−2.51(m,1H);2.18−2.11(m,1H);1.77−1.70(m,1H);1.48−1.38(m,3H);1.15(m,9H);0.91(m,9H);0.90−0.86(m,3H);0.69−0.56(m,4H)。MSm/z667(M
++H)、689(M
++Na)、665(M
+−H)。
【0205】
実施例10
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミドの合成
【化26】
【0206】
工程1
ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(5:1.5、6.5mL)中の(3S)−3−アミノ−N−ジシクロプロピル−2−ヒドロキシ−ブタンアミドのHCl塩(47mg、0.2mmol)に、(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(78mg、0.2mmol)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU) (91mg、0.4mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.6mmol)を添加した。室温で16時間置いた後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1NのHCl(2x)、炭酸水素ナトリウム(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させ、(2S,4R)−tert−ブチル)−2−((2S)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。
【0207】
工程2
上記粗化合物に、ジオキサン(5.0ml)中の4.0M HClを添加した。1時間後、該反応混合物を濃縮及び脱水し、白色の固体として対応するHCl塩を得た。ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(7:3、11.0ml)中の上記アミンHCl塩に、S−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル酪酸(46mg、0.2mmol)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(91mg、0.24mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.1mL、0.6mmol)を添加した。室温で3時間反応させた後、該混合物を酢酸エチルで希釈し、1NのHCl(2x)、炭酸水素ナトリウム(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させた。
【0208】
工程3
粗生成物を無水ジクロロメタン(8.0mL)に溶解し、そしてデスマーチンペルヨージナン(127mg、0.3mmol)を添加した。室温で2時間攪拌した後、該反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム中の0.26Mのチオ硫酸ナトリウムで滴定し、そして酢酸エチルで抽出した。一まとめにした酢酸エチル相を飽和炭酸水素ナトリウム(2x)及びブライン(1x)で洗浄した。調製HPLCで残余物を精製して、HPLCによる純度が90%を超える、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミドを得た。MS m/z679(M
++H)、701(M
++Na)、677(M
+−H)。
【0209】
実施例11
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(6−エトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミドの合成
【化27】
【0210】
工程1
クロロ蟻酸エチル(4.3mL、44.5mmol)を、0℃で、アセトン(35ml)中の3−エトキシ桂皮酸(5.71g、29.7mmol)及びトリエチルアミン(8.3mL、59.4mmol)に滴下した。0℃で1時間置いた後、アジ化ナトリウム水溶液(3.1g、47.5mmol、16mL)を滴下し、そして該反応溶液を、16時間23℃で攪拌した。該混合物に水(50ml)を添加し、そして減圧下で揮発成分を除去した。得られたスラリーをトルエン(3x25ml)で抽出し、得られた有機相を硫酸マグネシウムで脱水した。脱水した溶液を濾過し、ジフェニルメタン(25ml)及びトリブチルアミン(14.2ml、59.4mmol)の溶液に190℃で滴下した。添加するときに、トルエンは蒸発して除去される。添加を終えた後、反応温を210℃まで上げて2時間置いた。冷却後、沈殿した生成物を濾過により回収して、ヘキサンで洗浄し、そして真空下で乾燥し、6−エトキシ−2H−イソキノリン−1−オン(1.92g、10.2mmol、収率34%)を得た。MS m/z190(M
++H)。
【0211】
工程2
6−メトキシ−2H−イソキノリン−1−オン(896mgs、4.74mmol)のオキシ塩化リン(POCl
3、4mL)懸濁液を、110℃で3時間加熱した(加熱すると透明な溶液が得られる)。3時間後、該反応混合物を減圧下で濃縮した。残余物を氷冷水(10ml)中に注ぎ、3Nの水酸化ナトリウムでpHを10に調製し、そして、該混合物を、クロロホルム(3x25ml)で抽出した。得られたクロロホルム相をブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。そして有機相を濾過し、減圧下で濃縮して、黄褐色の固体として、1−クロロ−6−エトキシ−イソキノリン(886mg、4.18mmol、収率88%、純度90%超)を得た。MS m/z 208(M
++H)。
【0212】
工程3
市販のジメチルスルホキシド(20ml)中のN−t−Boc−(2S,4R)−ヒドロキシプロリン(531mg、2.30mmol)に、23℃で、カリウムtert−ブトキシド(774mg、6.9mmol)を、15分かけて少しずつ添加した。該混合物を23℃で30分攪拌し、そして0℃まで冷却した。0℃で、1−クロロ−6−エトキシイソキノリン(500mgs、2.41mmol)を少しずつ10分かけて添加した。該反応混合物を23℃で16時間攪拌した。得られた懸濁物を水中に加え、該混合物をエーテル(2x)及び酢酸エチル(2x)で洗浄した。酢酸エチルの相をブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。水相を1NのHCl水溶液で約pH4で酸性化し、そしてジクロロメタン(3x)で抽出した。ジクロロメタンの相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。そして有機相を濾過し、減圧下で濃縮して、(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−エトキシイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(粗wt=1.18g、純度90%超)を得た。MS m/z 403(M
++H)、401 (M
+−H)、303 (M
+−Boc)。この材料は、更なる精製をせず、粗生成物のまま次の工程に使用された。
【0213】
ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(10:3、13mL)中の(3S)−3−アミノ−N,4−ジシクロプロピル−2−ヒドロキシブタンアミドのHCl塩(66mg、0.28mmol)に、(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−エトキシイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(114mg、0.28mmol)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU) (128mg、0.34mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.15mL、0.84mmol)を添加した。室温で1時間置いた後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1NのHCl(2x)、炭酸水素ナトリウム(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させ、(2S,4R)−tert−ブチル−2−((2S)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−4−(6−エトキシイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。
【0214】
工程5
上記粗化合物に、ジオキサン中の4.0M HCl(10ml)を添加した。1時間後、該反応混合物を濃縮及び脱水して、白色の固体として対応するHCl塩を得た。ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(10:3、13ml)中の上記アミンHCl塩に、2S−(3−tert−ブチル−ウレイド)3,3−ジメチル−酪酸(64mg、0.28mmol)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(128mg、0.34mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.15mL、0.84mmol)を添加した。室温で1時間反応させた後、該混合物を酢酸エチルで希釈し、1NのHCl(2x)、炭酸水素ナトリウム(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させた。
【0215】
前記粗生産物を、無水ジクロロメタン(10.0ml)中に溶解し、そしてデスマーチンペルヨージナン(154mg、0.364mmol)を添加した。室温で1時間攪拌した後、該反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム中の0.26M チオ硫酸ナトリウムで滴定し、そして、酢酸エチルで抽出した(3x)。酢酸エチルの相を飽和炭酸水素ナトリウム(2x)及びブライン(1x)で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。有機相を濾過し、減圧下で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(65%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、白色の固体として、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミド(80.7mg、0.116mmol、収率42%)を得た。
1H NMR:(DMSO)8.67(d,1H,J=5.6Hz);8.26(d,1H,J=6.8Hz);8.06(d,1H,J=8.8Hz);7.89(d,1H,J=5.6Hz);7.24−7.22(m,1H);7.01−6.98(dd,1H,J=2.4,8.8Hz);5.90−5.85(m,2H);5.65−5.62(m,1H);5.06−5.01(m,1H);4.53(t,1H,J=8.0Hz);4.26−4.23(m,1H);4.16−4.08(m,3H);3.84−3.80(m,1H);2.69−2.65(m,1H);2.11−2.04(m,1H);1.64−1.57(m,1H);1.35−1.29(m,3H);1.15(m,9H);0.91(m,9H);0.89−0.81(m,3H);0.61−0.48(m,4H);0.36−0.27(m,2H)。MS m/z 693(M
++H),715(M
++Na),691(M
+−H)。
【0216】
実施例12
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(6−エトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミドの合成
【化28】
工程1
tert−ブチル−(3S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1−オキソヘキサン−3−イルカルバメート(75mg、0.26mmol)に、ジオキサン中の4.0M HCl(6.0ml)を添加した。1時間後、該反応混合物を濃縮及び脱水して、白色の固体として(3S)−3−アミノ−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシヘキサンアミドのHCl塩を得た。ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(10:3、13.0ml)中の上記塩に、(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−エトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(106mg、0.26mmol)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(119mg、0.31mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.15mL、0.78mmol)を添加した。室温で1時間反応させた後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1NのHCl(2x)、炭酸水素ナトリウム(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させ、(2S,4R)−1−(tert−ブチル−2−((3S)−1−シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イルカルバモイル)−4−(6−エトキシイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。
【0217】
工程2
上記粗化合物に、ジオキサン(10ml)中の4.0M HClを添加した。1時間後、該反応混合物を濃縮及び乾燥して、対応するHCl塩を白色の固体として得た。ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(10:3、13ml)中の上記HCl塩に、(S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル酪酸(60mg、0.26mmol)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(128mg、0.34mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.15ml、0.84mmol)を添加した。室温で1時間置いた後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして1NのHCl(2x)、炭酸水素ナトリウム(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして蒸発により乾燥させた。
【0218】
工程3
粗生成物を無水ジクロロメタン(10.0mL)に溶解し、そしてデスマーチンペルヨージナン(143mg、0.338mmol)を添加した。室温で1時間攪拌した後、該反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム中の0.26Mのチオ硫酸ナトリウムで滴定し、そして酢酸エチルで抽出した。一まとめにした酢酸エチル相を飽和炭酸水素ナトリウム(2x)及びブライン(1x)で洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。有機相を濾過し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(65%酢酸/ヘキサン)で濃縮及び精製して、白色の固体として、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(6−エトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミド(28)(75.7mg、0.11mmol、収率43%)を得た。
1H NMR:(DMSO−d
6)8.75(d,1H,J=4.8Hz);8.28(d,1H,J=7.2Hz);8.13(d,1H,J=8.8Hz);7.96(d,1H,J=6.0Hz);7.31−7.29(m,2H);7.10−7.06(dd,1H,J=2.4,9.2Hz);5.94−5.92(m,2H);5.72−5.70(m,1H);5.04−5.00(m,1H);4.58(t,1H,J=7.6Hz);4.34−4.30(m,1H);4.23−4.17(m,3H);3.90−3.86(m,1H);2.79−2.74(m,1H);2.54−2.51(m,1H);2.18−2.11(m,1H);1.77−1.70(m,1H);1.48−1.38(m,3H);1.15(m,9H);0.91(m,9H);0.89−0.86(m,3H);0.69−0.59(m,4H)。MS m/z 681(M
++H)。703(M
++Na)。679(M
+−H)。
【0219】
実施例13
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘプタン−3−イル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミドの合成
【化29】
工程1
ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(10:3、13mL)中の(3S)−3−アミノ−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシヘプタミドのHCl塩(96mg、0.40mmol)に、(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボン酸(157mg、0.40mmol)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(200mg、0.53mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.35mL、2.0mmol)を添加した。室温で1時間置いた後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1NのHCl(2x)、炭酸水素ナトリウム(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させ、(2S,4R)−tert−ブチル−2−((3S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキヘプタン−3−イルカルバモイル)−4−(6−メトキシ−イソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。MS m/z 571(M
++H)、593(M
++Na)、569(M
+−H)、471(M
+−Boc)。
【0220】
工程2
上記粗化合物に、ジオキサン(10ml)中の4.0M HClを添加した。室温で1時間置いた後、該反応混合物を濃縮及び乾燥して、対応するHCl塩を白色の固体として得た。ジクロロメタン/N,N−ジメチルホルムアミド(10:3、13ml)中の上記塩に、(S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチル酪酸(93mg、0.40mmol)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(200mg、0.53mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.35ml、2.0mmol)を添加した。室温で1時間置いた後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして1NのHCl(2x)、炭酸水素ナトリウム(1x)、及びブライン(1x)で洗浄した。酢酸エチルの相を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で蒸発により乾燥させた。MS m/z 683(M
++H)、705(M
++Na)、681(M
+−H)。
【0221】
粗生成物を無水ジクロロメタン(10.0mL)に溶解し、そしてデスマーチンペルヨージナン(223mg、0.53mmol)を添加した。室温で2時間攪拌した後、該反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム中の0.26Mのチオ硫酸ナトリウムで滴定し、そして酢酸エチル(3x)で抽出した。一まとめにした酢酸エチル相を飽和炭酸水素ナトリウム(2x)及びブライン(1x)で洗浄し、そして硫酸マグネシウムで脱水した。有機相を濾過し、減圧下で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(45%酢酸/ヘキサン)で精製して、白色の固体として、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘプタン−3−イル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミド(30)(83.5mg、0.12mmol、収率31%)を得た。
1H NMR:(DMSO)8.74(d,1H,J=4.8Hz);8.27(d,1H,J=7.2Hz);8.15(d,1H,J=9.2Hz);7.97(d,1H,J=6.0Hz);7.33−7.31(m,2H);7.10−7.08(dd,1H,J=2,8.8Hz);5.96(s,1H);5.94(d,1H,J=9.6Hz);5.71−5.69(m,1H);5.02−4.98(m,1H);4.60(t,1H,J=8.4Hz);4.34−4.22(m,1H);4.23(d,1H,J=9.2Hz);3.91(s,3H);3.90−3.87(m,1H);2.78−2.73(m,1H);2.54−2.51(m,1H);2.17−2.11(m,1H);1.77−1.72(m,1H);1.43−1.33(m,5H);1.20(m,9H);0.95(m,9H);0.88−0.85(m,5H);0.69−0.58(m,4H).MS m/z 681(M
++H)、703(M
++Na)、680(M
+−H)。
【0222】
実施例14
【化30】
工程1
3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリン
テトラヒドロフラン(17ml)中の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(1.0g;7.0mmol)にn−BuLi(ヘキサン中1.6M;7.0mmol)を−15℃で滴下して反応させることにより、リチウムテトラメチルピペリジンを調製した。−15℃で15分置いたあと、N−(4−メトキシ−2−メチルベンジリデン)−シクロへキサミド(660mg;2.86mmol)のテトラヒドロフラン(3ml)溶液を滴下して、紫色の溶液を得た。該反応混合物を0℃で20分間保温し、そしてN−メチル−N−メトキシシクロプロパンカルボキサミド(630mg:4.4mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を、0℃で一まとめに添加した。該反応混合物を室温で30分維持し、そして飽和塩化アンモニウム水溶液を添加した。該溶液をジエチルエーテルで抽出し、そして有機相をブラインで洗浄し、減圧下で乾燥及び濃縮した。
【0223】
前記の残余物を濃縮アンモニア(15ml)に溶解し、酢酸(1ml)で処理し、そして加熱により還流させた。該混合物を水で希釈し、得られた溶液をジエチルエーテルで抽出した。該エーテル抽出物を水及びブリンで洗浄し、そして減圧下で乾燥及び濃縮した。クロマトグラフィー(SiO
2;4:1ヘキサン/酢酸エチル)により、160mg(28%)の3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリンを得た。1.5gのイミンを使用するプロセスでは、400mg(30%)の3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリンを得た。
【0224】
工程2
1−クロロ−3−シクロプロピル−6−メトキシ−イソキノリン
3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリンをジクロロメタンに溶解して、0℃まで冷却した。この溶液を、m−クロロ過安息香酸(mCPBA;412mg;2.4mmol)のジクロロメタン(8ml)溶液で処理し、更にこの混合物を室温で2時間攪拌した。該反応混合物をジメチルスルフィド(100μL)で滴定し、更に15分間攪拌した。該混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(20ml)で処理し、そして相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出し、一まとめにした有機相を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下で濃縮し、そしてクロマトグラフィー(SiO
2;メチレンクロライド中メタノール10%)にかけ、405mg(94%)の3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリンのN−オキシドを得た。
【0225】
前記N−オキシドをジクロロメタン(5ml)中に溶解し、1mlのオキシ塩化リンを添加した。該混合物を還流しながら2時間加熱し、冷却して、氷上に注いだ。該混合物を水酸化アンモニウムで処理してpHを8に整え、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、減圧下で脱水及び濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(SiO
2;ヘキサン/酢酸エチル、4:1)で精製して、310mg(全量66%)の1−クロロ−3−シクロプロピル−6−メトキシ−イソキノリンを得た。
【0226】
工程3
(2S,4R)−tert−ブチル4−(3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−2−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート
N−BOC−4−ヒドロキシ−L−プロリン(192mg;830μmol)を室温でジメチルスルホキシド(5ml)中に溶解し、そしてカリウムt−ブトキシド(270mg;2.4mmol)を添加した。得られた溶液を室温で1.5時間攪拌し、そして1−クロロ−3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリン(4;192mg;820μmol)を添加した。得られた溶液を一昼夜攪拌し、15mlのクエン酸5%水溶液で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、減圧下で乾燥及び濃縮し、375mgのN−BOC−4−ヒドロキシ−L−プロリンの粗アリールエーテルを得た。
【0227】
上記粗アリールエーテルをN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解し、そして(O−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(O(7アザベンゾトリアゾール 1 イル)1,1,3,3テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU);380mg;830μmol)を添加し、続いて3(S)−アミノ−2−(RS)−ヒドロキシへキサノン酸−N−シクロプロピルカルボキシアミドヒドロクロライド(190mg;830μmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(800μl)を加えた。得られた混合物を一昼夜攪拌し、そして水で希釈した。得られた沈殿を濾過し、水で洗浄し、そして乾燥させ、460mg(93%)の(2S,4R)−tert−ブチル4−(3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−2−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレートを得た。
【0228】
工程4
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキシアミド
【0229】
工程3の化合物を1,4−ジオキサン(2ml)中の4N HCl中に溶解して、室温で1時間攪拌した。該反応混合物を減圧下で濃縮し、残余物をN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中に溶解した。該溶液を、(S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタン酸(100mg;440μmol)、O(7アザベンゾトリアゾール 1 イル)1,1,3,3テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(200mg;520μmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(800ml)で処理した。該反応混合物を水で希釈し、得られた沈殿を濾過し、水で洗浄し、そして乾燥させて、250mg(80%)の対応する2−ヒドロキシカルボキサミドを得た。該固体をジクロロメタン(20ml)中に溶解し、そして1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン(220mg;660μmol)で処理した。該反応混合物を室温で2時間攪拌した。該溶液をジエチルエーテル(40ml)で希釈し、続いて飽和したチオ硫酸ナトリウム水溶液(10ml)及び10mlの炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を添加した。該二相混合物を10分間攪拌し、そして相を分離させた。有機相をブラインで洗浄し、減圧下で乾燥及び濃縮した。残余物をクロマトグラフィー(SiO
2;ヘキサン/酢酸エチル、1:1)で精製し、そして単離された材料をアセトニトリル及び0.01%HCl水溶液から凍結乾燥して、150mg(46%)の(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(3−シクロプロピル−6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキシアミドを得た。Mass Spec (M+Na)705。
【0230】
実施例15
【化31】
工程1
4−アセチル−6−メトキシイソクロマン−1,3−ジオン
文献の手順(Ind. J. Chem. Sec. B, 1986, 25B, 640−643)に従い、2−カルボキシメチル−4−メトキシ安息香酸(1.0g;4.8mmol)を、ピリジン(1.4ml)及び無水酢酸(8.6ml;9.3g;91mmol)の混合物中に溶解し、3時間攪拌した。この過程で固体が形成された。該懸濁物をジエチルエーテルで希釈し、濾過し、該濾過ケーキをジエチルエーテルで洗浄した。905mgの収量(81%)で、4−アセチル−6−メトキシイソクロマン−1,3−ジオンを得た。
【0231】
工程2
6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1(2H)−オン
工程1の環状無水物(405mg;1.73mmol)を水酸化アンモニウム水溶液中に溶解し、還流で1.5時間加熱した。該混合物を室温まで冷まし、固体を濾過し、更に一昼夜乾燥させて、270mg(74%)の6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1(2H)−オンを得た。
【0232】
工程3
1−クロロ−6−メトキシ−3−メチルイソキノリン
工程2のイソキノリンをオキシ塩化リン(2.5ml)中に溶解し、還流で1時間過熱した。過剰のオキシ塩化リンを減圧下で除去し、そして残余物をクロロホルムに溶解した。得られた溶液を、1N水酸化ナトリウム、水及びブラインで洗浄した。減圧下で溶媒を蒸発させて、粗1−クロロ−6−メトキシ−3−メチルイソキノリンを得た。これを、次の工程で直接使用した。
【0233】
工程4
(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸
N−BOC−4−ヒドロキシ−L−プロリン(A;281mg;1.21mmol)を、室温でジメチルスルホキシド(3ml)に溶解し、カリウムt−ブトキシド(270mg;2.4mmol)を添加した。得られた溶液を室温で2時間攪拌し、そして0℃で冷却した。該冷却された溶液に1−クロロ−6−メトキシ−3−メチルイソキノリンのジメチルスルホキシド溶液(3ml)を滴下し、続いてt−BuOKを滴下し、該混合物を室温まで温めた。該溶液を16時間攪拌した。該反応混合物を、5%クエン酸水溶液でpH4まで酸性化した。該溶液を酢酸エチルで抽出し、有機相を水で洗浄し、続いてブラインで洗浄した。有機相を減圧下で濃縮して、(2S,4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸を得た。
【0234】
工程5
(2S,4R)−tert−ブチル2−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イルカルバモイル)−4−(6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレート
上記反応スキーム14の工程3で記載したように、工程4で生産した化合物(196mg;487μmol)を、3−(S)−アミノ−2−(RS)−ヒドロキシヘキサン酸−N−シクロプロピルカルボキサミドヒドロクロライドと反応させることにより、(2S,4R)−tert−ブチル2−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イルカルバモイル)−4−(6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレートに変換させて、(2S,4R)−tert−ブチル2−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イルカルバモイル)−4−(6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレート(210mg;収率77%)を得た。これを、更に精製せずに、次の工程に使用した。
【0235】
工程6
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド
上記のように、工程5において生産した化合物(210mg;368μmol)を、対応するHCl塩に変換した。上記と同じ条件を用いて、(S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタン酸及びO(7アザベンゾトリアゾール 1 イル)1,1,3,3テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)と反応させることにより、該HCl塩をトリペプチドに変換した。そして、上記のように、生産した化合物を、ジクロロメタン中のデスマーチンペルヨージナン試薬を用いて、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミドに転換した。クロマトグラフィー(SiO
2;ヘキサン中45%酢酸エチル)により粗生成物を精製して、85mgの(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド(34%)を得た。Mass Spec (M+)680。
【0236】
実施例16
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド(62)の合成
【化32】
【0237】
工程1
ジクロロメタン(2ml)中で、ジオキサン中の4.0M HClと反応させることにより、(2S,4R)−1−tert−ブチル2−メチル4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(8)(1mmol、反応スキーム8及びWO 2006/043145に記載されるようにして調製される)を、(57)に転換した。1時間後、該反応混合物を蒸発により乾燥させて、(2S,4R)−メチル−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキシレートヒドロクロライド(57)を得た。
【0238】
工程2
0.165mmolの(2S,4R)−メチル−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキシレートヒドロクロライド(57)を、ジクロロメタン/ジメチルホルムアミド(2.0ml、1:1)中に溶解し、Boc−L−tert−Leu−OH(0.165mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(O(7アザベンゾトリアゾール 1 イル)1,1,3,3テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU))(0.182mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.5mmol)を添加し、そして該混合物を室温で16時間攪拌することにより、(57)を(58)に転換した。該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム、及びブラインで洗浄し、酢酸エチル相を分離し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、蒸発により乾燥させて、(2S,4R)−メチル1−((S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキシレート(58)を単離した。
【0239】
工程3
まず工程2で調製した粗生成物を、ジクロロメタン(2ml)中でジオキサン(3.0ml)中の4.0M HClで処理してt−Boc基を除去し、続いて減圧下で溶媒を蒸発させて、得られた粗生成物を、ジクロロメタン(3.0ml)中で、トリエチルアミン(0.413mmol)及びtert−ブチルイソシアネート(0.165mmol)と室温で16時間反応させることにより、(2S,4R)−メチル1−((S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキシレート(58)を(59)に転換した。水性/有機性ワークアップ(ジクロロメタンで希釈し、1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム、及びブラインで洗浄した)し、そして減圧下で蒸発により乾燥させて、(2S,4R)−メチル1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキシレート(59)を単離した。
【0240】
メタノール(6.0ml)、テトラヒドロフラン(3.0ml)、及び1N水酸化ナトリウムで、(2S,4R)−メチル1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキシレート(59)を、1時間室温で処理することにより、(60)に転換した。水性/有機性ワークアップ(前記反応混合物を濃縮し、1N塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、そして減圧下で蒸発により乾燥させた)することにより、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(60)を単離した。
【0241】
工程5
ジクロロメタン及びN,N−ジメチルホルムアミド中の0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(1.2mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(4mmol)の存在下で、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(60)(1mmol)を、(3S)−3−アミノ−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシへキサミド(1mmol、参考Aの如く調製した)とカップリングさせて、水性/有機性抽出ワークアップ(extractive work up)を経て、粗固形物として、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((3S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド(61)を得た。
【0242】
工程6
無水ジクロロメタン中のデスマーチンペルヨージナン(1.2mmol)で(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((3S)−1−(シクロプロピルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−オキソヘキサン−3−イル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド(61)を酸化させて、水性/有機性ワークアップ及び粗生成物のシリカゲルクロマトグラフィー精製を経て、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド(62)を得た。
【0243】
実施例17
同様に、実施例16の手順を経て、出発化合物とした(2S,4R)−tert−ブチル2−メチル4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(39)(反応スキーム9及びWO 2006/043145の記載に従い調製される)を(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド(63)に変換した。
【化33】
【0244】
実施例18
同様に、実施例16の手順を経て、出発化合物とした(2S,4R)−1−tert−ブチル2−メチル4−(2−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(45)(反応スキーム10及びWO 2006/043145の記載に従い調製される)を(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(2−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド(64)に変換した。
【化34】
【0245】
実施例19
同様に、実施例16の手順を経て、出発化合物とした(2S,4R)−1−tert−ブチル2−メチル4−(5−(ピリジン−2−イル)チエノ[3,2−b]ピリジン−7−イルオキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(33)(反応スキーム7及びWO 2006/043145の記載に従い調製される)を、工程5の(3S)−3−アミノ−4−シクロブチル−N−シクロプロピル−2−ヒドロキシブタンアミド(参考Bに従い調製される)を用いて、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(5−(ピリジン−2−イル)チエノ[3,2−b]ピリジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド(65)に変換した。
【化35】
【0246】
生物学的実施例
生物学的実施例1
カテプシンBの阻害を判定するのに使用される生化学アッセイプロトコール
式(I)で表される試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、アッセイ緩衝液で希釈した。8点の用量応答曲線を作製して、カテプシンB酵素活性の阻害のIC
50を評価した(IC
50は、最大酵素活性の50%を阻害する濃度と定義される)。本アッセイプロトコールは、Barrett, 1980に基づく。ヒト肝臓カテプシンBをアッセイ緩衝液(50mM酢酸ナトリウム、pH5.5、1mMジチオスレイトール(DTT)、2mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)中でインキュベートし、これにペプチド基質(Boc−Leu−Arg−Arg−AMC)と、更にDMSOストックから希釈した前記化合物又はDMSOビヒクルのみのいずれかを加えた。本アッセイにおいて、最終DMSO濃度は1%であった。前記試験化合物を、25℃、15分間、予め前記酵素とインキュベーションした。基質の添加により反応を開始させ、これを25℃で30分間続けた。メチルクーマリルアミド(AMC)の基質の蛍光分光的定量により、基質の開裂をモニタリングした。
【0247】
参照
Barrett AJ (1980). Fluorimetric assays for Cathepsin B and Cathepsin H with methylcoumarylamide substrates. Biochem J. 187:909−912.
【0248】
Canbay A et al. (2003). Cathepsin B inactivation attenuates hepatic injury and fibrosis during cholestasis. J. Clin. Invest. 112: 152−159.
【0249】
Guicciardi ME et al. (2001). Cathepsin B Knockout mice are resistant to tumor necrosis factor−alpha−mediated hepatocyte apoptosis and liver injury. Amer J Pathology 159:2045−2054.
【0250】
Baskin−Bey ES et al. (2005). Cathepsin B inaactivation attenuates hepatocyte apoptosis and liver damage in steatotic livers after cold ischemia−warm reperfusion injury. Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 288:G396−G402.
【0251】
結果
【化36】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミド;
【0252】
カテプシンB IC
50:27nM:
【0253】
【化37】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:56nM:
【0254】
【化38】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(6−エトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:49nM:
【0255】
【化39】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(6−エトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:45nM:
【0256】
【化40】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(6−メトキシイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:28nM:
【0257】
【化41】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:<500nM:
【0258】
【化42】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(6−メトキシ−3−メチルイソキノリン−1−イルオキシ)−ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:32nM:
【0259】
【化43】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:<500nM:
【0260】
【化44】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:33nM:
【0261】
【化45】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(5−(ピリジン−2−イル)チエノ[3,2−b]ピリジン−7−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:86nM:
【0262】
【化46】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(2−(ピリジン−2−イル)チエノ[2,3−d]ピリジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:45nM:
【0263】
【化47】
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(2−(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:72nM:
【0264】
【化48】
(2S,4R)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−1−((S)−2−(3−シクロプロピルメチル)ウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50:83nM:
【0265】
【化49】
(2S,4R)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−1−((S)−3,3−ジメチル−2−(3−ネオペンチルウレイド)ブタノイル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド;
カテプシンB IC
50: 61 nM:
【0266】
生物学的実施例2
ヒト細胞中のカテプシンBの阻害を判定するのに使用される生物学的アッセイプロトコール
試験化合物がヒト細胞中で強力なカテプシンB阻害剤として機能することを実証し、そして細胞中のカテプシンB活性を50%阻害するのに必要な濃度(細胞IC
50)を決定した。細胞内カテプシンBの活性は、全細胞酵素占有(enzyme occupancy)アッセイにおいて、活性依存的放射性プローブを使用することにより測定した。この方法は、細胞内環境中のカテプシンBに対する化合物の特異的作用を判定するのに使用された。使用されるプローブは、カテプシンBを含むカテプシンと強力に又は不可逆的に結合するジアゾメチルケトンペプチドであった。この細胞浸透性プローブは活性カテプシンBと結合し、そしてこの結合を定量することにより、細胞内のカテプシンB活性のレベルを決定した。阻害剤と結合した細胞内のカテプシンB酵素は活性を有さず、そのため活性依存性プローブが結合し得ない。
【0267】
本方法を使用して、細胞における、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(7−メトキシ2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミドのIC
50は19nMと決定され、そして(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(7−メトキシ2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミドのIC
50は24nMと決定された。アッセイデータを、下記の図に示す。データから、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド及び(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)−キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミドが、細胞内環境中で強力なカテプシンB阻害剤であることが示される。また、本データは、インビボでカテプシンBを阻害する治療効果を奏するのに必要な濃度を予測することも可能とする。
【0268】
アッセイ手法
使用される手法は、公知の手法の改変に基づく(Falgueyret J− P, et al. 2004. Anal. Biochem. 335:218−227)。ヒト臍帯血管内皮細胞(HUVEC)を、標準的な増殖条件下で24ウェルプレート内で増殖させた。実験当日に、血清を添加せず2% Nutridoma−HUを添加した、無血清培地のHUVEC増殖培地で、細胞を2回洗浄した。細胞を適切に希釈した化合物で処理し、4時間置いた。1つのウェルは、薬剤不添加対照として、無処理のままにされた。この薬物処理を、無血清培地中で行った。
【0269】
試験化合物による4時間のインキュベーションの後、活性依存性プローブを添加した。使用したプローブは、
125IとコンジュゲートしたZ−Tyr−Ala−ジアゾメチルケトンで、2000Ci/mmolの特異的活性を有し、
125I−DMKと称される。
125I−DMKは、ウェルあたり4μlの量が各試料ウェルに添加された。細胞を組織培養インキュベーターに戻し、更に1時間置いた。細胞をPBSで洗浄し、氷冷リシス緩衝液(RIPA等)で可溶化した。ライセートをチューブに移し、等量の1X SDS−PAGEゲル還元試料ローディング緩衝液を添加した。
【0270】
プローブに標識したタンパク質を解析するために、試料を5分間ボイルし、そしてSDS−PAGEにより解析した。
14C−メチル化タンパク質分子量マーカーを加えて、分子量を可視化した。ゲルを洗浄し、そしてデステイン(50mlメタノール、50ml酢酸、400ml水)中で、40分間、ローテーティングシェーカー上で静かに固定し、Whatman紙の上に置き、そして真空ゲルドライヤー上で、70
0Fで2時間乾燥させた。乾燥させたゲルを−80℃でフィルムにあて、オートラジオグラフィーにより処理した。オートラジオグラフ上のバンド強度を判定した。オートラジオグラフを、Microtek ScanMakeri900スキャナーを使用して走査し、BioRadイメージングプログラムのQuantityOne又はImageJ等のプログラムを利用して、バンドを定量した。化合物の強度は、阻害剤不添加の対照に対する%として計算され、そしてIC
50値は、用量応答曲線から、GraphPad Prism等の適切なプログラムを使用して推定された。
【0271】
図1は、細胞活性依存性プローブアッセイにおける、(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロブチル−4−(シクロプロピルアミノ)−3,4−ジオキソブタン−2−イル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド(化合物1)、及び(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)−キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミド(化合物2)の性能を示す。
【0272】
生物学的実施例3
肝線維症の阻害を判定するのに使用される生化学アッセイプロトコール
方法
28日間(0〜28日)、5日おきに四塩化炭素を腹腔内投与して、マウスに肝線維症を誘導した。11日目に、血漿アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)のレベルを代表のマウスにおいて測定して、肝臓へのダメージを確認した。
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1− (シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミドを、12日目から開始して、毎日、約4週間、治療的に投与した。33日目に、末梢血漿AST及びALT、肝臓ヒドロキシプロリン、PK/PD、並びに組織構造を評価した。
【0273】
結果
(2S,4R)−1−((S)−2−(3−tert−ブチルウレイド)−3,3−ジメチルブタノイル)−N−((S)−1−(シクロプロピルアミノ)−1,2−ジオキソヘキサン−3−イル)−4−(7−メトキシ−2−(1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−カルボキサミドは、血漿AST及びALT(
図2A及び2B)、並びにヒドロキシプロリン(
図3)を、評価されたいずれの用量においても(250mg/kg及び50mg/kg)低下させた。
【0274】
医薬組成物の例
式(I)で表される化合物を含む代表的な医薬製剤を、以下に示す。
経口製剤
式(I)で表される化合物 10−100mg
クエン酸モノハイドレート 105mg
水酸化ナトリウム 18mg
調味水 適量、100mL以下
静脈内製剤
式(I)で表される化合物 0.1−10mg
デキストロースモノハイドレート 適量、等張にする
クエン酸モノハイドレート 1.05mg
水酸化ナトリウム 0.18mg
注射用水 適量、1.0mL以下
錠剤製剤
式(I)で表される化合物 1%
微結晶セルロース 73%
ステアリン酸 25%
コロイドシリカ 1%
【0275】
以上の発明は、発明の明確化及び理解のために、解説及び例証により、幾分詳細に記載された。当業者にとって、添付した特許請求の範囲の範囲内で、本発明の変更及び改変がなされ得ることは、明白である。故に、上記の記載は、発明の解説を意図するものであり、限定を意図するものではないことを理解されたい。よって、本発明の範囲は、上記記載を参照して決定されるべきではなく、添付した特許請求の範囲に従い、そして特許請求の範囲が享有する全ての範囲の相当物に沿って決定されるべきである。