(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718665
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】バルブを作動させるための電気機械デバイスを備えたセルフシールバルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 15/18 20060101AFI20150423BHJP
【FI】
F16K15/18 D
【請求項の数】25
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-27349(P2011-27349)
(22)【出願日】2011年2月10日
(62)【分割の表示】特願2004-501830(P2004-501830)の分割
【原出願日】2003年5月5日
(65)【公開番号】特開2011-127766(P2011-127766A)
(43)【公開日】2011年6月30日
【審査請求日】2011年3月14日
【審判番号】不服2013-17902(P2013-17902/J1)
【審判請求日】2013年9月17日
(31)【優先権主張番号】60/377,798
(32)【優先日】2002年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504393998
【氏名又は名称】チャフィー,ロバート,ビー.
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】チャフィー,ロバート,ビー.
【合議体】
【審判長】
田村 嘉章
【審判官】
藤井 昇
【審判官】
矢島 伸一
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第01/87121(WO,A2)
【文献】
特表2001−523322(JP,A)
【文献】
実開平5−63354(JP,U)
【文献】
特開平3−267013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K15/00-15/20
A47C27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体制御装置であって:
複数のセルフシールバルブ;
それぞれの複数のセルフシールバルブに共通のハウジング;
複数のセルフシールバルブのうちの第1のセルフシールバルブであって、提供される流体が通ずる開口を画定し、かつバルブシートを画定する壁面を有する本体部と、柔軟なダイヤフラムアセンブリであって、柔軟なダイアフラムを前記開口およびバルブシートに隣接して位置決めし、当該柔軟なダイアフラムアセンブリの第1の側に提供される流体の付勢下において、前記柔軟なダイアフラムの少なくとも一部が少なくとも部分的に前記バルブシートから離れるように構成され、また、当該柔軟なダイアフラムアセンブリの第2の側における流体の付勢下において、柔軟なダイアフラムアセンブリを閉じて、前記柔軟なダイアフラムのバルブシートに対するセルフシールを維持するように構成される、前記柔軟なダイヤフラムアセンブリとを含む、前記第1のセルフシールバルブ;
複数のセルフシールバルブのうちの第2のセルフシールバルブであって、提供される流体が通ずる開口を画定し、かつバルブシートを画定する壁面を有する本体部と、柔軟なダイヤフラムアセンブリであって、柔軟なダイアフラムを前記開口およびバルブシートに隣接して位置決めし、当該柔軟なダイアフラムアセンブリの第1の側に提供される流体の付勢下において、前記柔軟なダイアフラムの少なくとも一部が少なくとも部分的に前記バルブシートから離れるように構成され、また、当該柔軟なダイアフラムアセンブリの第2の側における流体の付勢下において、柔軟なダイアフラムアセンブリを閉じて、前記柔軟なダイアフラムのバルブシートに対するセルフシールを維持するように構成される、前記柔軟なダイヤフラムアセンブリとを含む、前記第2のセルフシールバルブ;および
作動アームを含む電気機械デバイスであって、前記作動アームは、セルフシールバルブを開くために、前記第1のまたは第2のセルフシールバルブに含まれる柔軟なダイアフラムアセンブリの、少なくとも一部がバルブシートから少なくとも部分的に強制的に離れるように、当該作動アームが前記柔軟なダイアフラムアセンブリに作用する第1の位置を有し、かつ、作動アームが前記柔軟なダイアフラムアセンブリに作用しない第2の位置を有する、前記電気機械デバイスを含み、
単一の流体移動デバイスが、流体を前記共通のハウジング内の気密で単一の共通内側空間に提供し、前記ハウジング内の前記単一の共通内側空間は、前記複数のセルフシールバルブのそれぞれに含まれるそれぞれの前記柔軟なダイアフラムアセンブリの、共通の前記第1の側であるように構成されている、
前記流体制御装置。
【請求項2】
柔軟なダイアフラムアセンブリの第1の側に作用するように、電気機械デバイスが、柔軟なダイアフラムアセンブリの第1の側近傍に位置決めされる、請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項3】
柔軟なダイアフラムアセンブリの一部が、バルブハウジングの壁面の一部に、ヒンジ取り付けアセンブリでヒンジ取り付けされる、請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項4】
作動アームが、ヒンジ取り付けアセンブリと反対側の柔軟なダイアフラムアセンブリの一部において、柔軟なダイアフラムアセンブリに接触する、請求項3に記載の流体制御装置。
【請求項5】
電気機械デバイスが、作動アームが第2の位置にあるときに柔軟なダイアフラムから物理的に離れているように構成される、請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項6】
電気機械デバイスがモータを含む、請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項7】
電気機械デバイスがソレノイドを含む、請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項8】
柔軟なダイアフラムアセンブリの第1の側に流体を提供するように位置決めされた流体移動デバイスをさらに含む、請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項9】
複数のセルフシールバルブに含まれるそれぞれのセルフシールバルブの、柔軟なダイアフラムアセンブリの第1の側に流体を提供するように位置決めされた流体移動デバイスを含むように構成されている、請求項8に記載の流体制御装置。
【請求項10】
第1のセルフシールバルブと第2のセルフシールバルブのうちのひとつを流体移動デバイス側からの流体圧から遮断するように密封する手段を含む、請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項11】
流体不浸透性の袋が流体制御装置に連結されている、請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項12】
流体制御装置を用いて膨張可能なデバイス内の流体の量を調節する方法であって:
流体制御装置は、複数のセルフシールバルブと、それぞれの複数のセルフシールバルブに共通のハウジングと、電気機械デバイスとを含み、それぞれのセルフシールバルブはひとつの柔軟なダイアフラムアセンブリを含んでおり、該方法は、
複数のセルフシールバルブのうちの第1のセルフシールバルブを、開口およびセルフシールバルブを通じて流体を膨張可能なデバイスに提供するために、流体移動デバイスから提供される十分な流体圧で付勢開放すること;
複数のセルフシールバルブのうちの第2のセルフシールバルブを、開口およびセルフシールバルブを通じて流体を膨張可能なデバイスに提供するために、流体移動デバイスから提供される十分な流体圧で付勢開放すること;
流体移動デバイスからの流体がない状態において、膨張可能なデバイス内の流体からの十分な圧で、セルフシールバルブを閉じた位置に付勢すること;および
膨張可能なデバイス内の流体の量を調節するために、電気機械デバイスで第1および第2のセルフシールバルブのうちのひとつを少なくとも部分的に開いた位置に付勢すること
を含み、
流体移動デバイスは、前記複数のセルフシールバルブの、それぞれのバルブにおける柔軟なダイアフラムアセンブリの流体移動デバイス側である、前記共通のハウジング内の、複数のセルフシールバルブに共通の、気密で単一の共通内側空間に、流体を提供するように構成されている、
前記方法。
【請求項13】
セルフシールバルブのうちのひとつを少なくとも部分的に開いた位置に付勢することが、電気機械デバイスにより駆動される作動アームがセルフシールバルブの柔軟なダイアフラムアセンブリと接触することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
セルフシールバルブのうちのひとつを少なくとも部分的に開いた位置に付勢することが、電気機械デバイスにより駆動される作動アームが、柔軟なダイアフラムアセンブリがヒンジ周りに回転して開いた状態を保持するために柔軟なダイアフラムアセンブリの一部と接触することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
セルフシールバルブのうちのひとつを電気機械デバイスで少なくとも部分的に開いた位置に付勢することが、電気機械デバイスの作動アームでセルフシールバルブの柔軟なダイアフラムと接触することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
セルフシールバルブのうちのひとつを電気機械デバイスで少なくとも部分的に開いた位置に付勢することが、ソレノイドによってセルフシールバルブを付勢することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
セルフシールバルブのうちのひとつを電気機械デバイスで少なくとも部分的に開いた位置に付勢することが、モータによってセルフシールバルブを付勢することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
セルフシールバルブのうちのひとつを電気機械デバイスで少なくとも部分的に開いた位置に付勢することが、流体が少なくとも部分的にセルフシールバルブを介して膨張可能なデバイスから流出することを可能にすることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
流体を膨張可能なデバイスに提供するために、第1のセルフシールバルブを開いた位置に付勢することが、電気機械デバイスでセルフシールバルブを付勢開放しないことを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
流体を膨張可能なデバイスに提供するために、電気機械デバイスでセルフシールバルブを付勢開放することを含む、第1のセルフシールバルブを付勢開放することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
流体を膨張可能なデバイスに提供するために、第1のセルフシールバルブを付勢開放することが、セルフシールバルブを覆うカバーを付勢開放することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
流体を膨張可能なデバイスに提供するために、第1のセルフシールバルブを付勢開放することが、流体移動デバイスによって流体を提供することによって付勢することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
セルフシールバルブのうちのひとつを少なくとも部分的に開いた位置に付勢することが、セルフシールバルブを覆うカバーを付勢開放することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項24】
第1のまたは第2のセルフシールバルブのうちのひとつを、流体移動デバイスにより供給される流体圧から密封し、密封されたバルブが密封手段の外側である流体移動デバイス側の流体から遮断されることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項25】
アームが流体移動デバイスからの流体から第1のセルフシールバルブを密封する第1の位置と、アームが流体移動デバイスからの流体から第2のセルフシールバルブを密封する第2の位置との間でアームを回動させることをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械デバイスを含むバルブに関し、特に、バルブを付勢開放するために電気機械デバイスと共に用いられて、膨張可能なデバイスにおける流体の量を調節するセルフシールバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
膨張可能なデバイスは、浮力またはクッション性の支持が必要な場合、スペースが限られている場合、携帯性が望まれる場合などの多種の状況において使用されている。例えば、膨張可能なマットレス、クッションおよび他の体の支持は、キャンプ、病院のベッド、および臨時および毎日の家庭におけるベッドなどの用途のために使用されている。このような膨張可能なデバイスは、人体などの不均整の対象物に対して均一に支持を与えるために、支持の膨張の度合いが調節可能であるという追加の利点を有している。膨張可能なデバイスの他の例として、その使用が支持、健康、快適さおよび安全性の利益を与え得る、ボート、筏および他の水上で使用されるデバイスが含まれる。
【0003】
膨張可能なデバイスは、典型的に、そのデバイスの膨張および収縮用のバルブを含む。膨張可能なデバイスと共に使用されるバルブは、米国特許第6,237,621号に記載されているようなセルフシールバルブを含んでもよく、これは、本明細書において参照として全体に組み込まれる。また、膨張可能なデバイスは、膨張および/または収縮の際にデバイスを補助するために、手動または電動ポンプなどの機構を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一態様は、セルフシールバルブ、柔軟なダイアフラムアセンブリおよび電気機械デバイスを含む、バルブおよび電気機械デバイスのアセンブリを含む。このセルフシールバルブは、提供される流体が通ずる開口を画定し、かつバルブシートを画定する壁面を有するハウジングを含む。柔軟なダイアフラムアセンブリは、柔軟なダイアフラムを開口およびバルブシートに隣接して位置決めし、柔軟なダイアフラムアセンブリの第1の側に提供される流体の付勢下において、柔軟なダイアフラムの少なくとも一部が少なくとも部分的にバルブシートから離れるように構成され、また、柔軟なダイアフラムアセンブリの第2の側における流体の付勢下において、バルブシートに対するセルフシールを閉じて、それを維持するように構成される。電気機械デバイスは、セルフシールバルブを開くために、柔軟なダイアフラムアセンブリの少なくとも一部がバルブシートから少なくとも部分的に強制的に離れるように、作動アームが柔軟なダイアフラムアセンブリに作用する第1の位置を有し、かつ、作動アームが柔軟なダイアフラムアセンブリに作用しない第2の位置を有する、作動アームを含む。
【0005】
この配置によれば、小さく、低消費電力で、低デューティサイクルの電気機械デバイスが利用可能である。さらに、例えばソレノイドまたはモータを含む、複数の電気機械デバイスが、少なくとも1つのセルフシールバルブと組み合わされて利用可能である。さらにまた、このバルブおよび電気機械デバイスは、膨張可能なデバイスの実質的な膨張または収縮と共に、膨張可能なデバイスの快適な制御のために膨張/収縮の微調節を行うなど、複数の調節機能を提供するために利用可能である。
【0006】
本発明の別の態様は、セルフシールバルブおよび電気機械アセンブリを含む、膨張可能なデバイス内の流体の量を調節する方法を含む。この方法は、開口およびセルフシールバルブを通じて流体をこの膨張可能なデバイスに提供するために、流体移動デバイスから提供される十分な流体圧でセルフシールを付勢開放することを含む。またこの方法は、膨張可能なデバイス内の流体から、また、流体が存在しない場合には流体移動デバイスからの十分な圧で、セルフシールバルブを閉じた位置に付勢することを含む。この方法は、膨張可能なデバイス内の流体の量を調節するために、電気機械デバイスでセルフシールバルブを少なくとも部分的に開いた位置に付勢することをさらに含む。
添付の図面は、基準を導くことを意図するものではない。これらの図面において、それぞれ異なる図面に示される同一またはほぼ同一の構成要素は、同種の符号で表される。明瞭化の目的のために、全ての構成要素が全ての図面において符号を付されるわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
詳細な説明
本発明は、図面を用いて以下に記載または説明される構成要素の詳細な構造および配置に限定されない。本発明は、他の態様も可能であり、多種の方法で実行され得る。また、本明細書で使用される語法および用語は、説明の目的で使用されるものであり、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではない。“含む”、“有する”、“含有する”、“伴う”およびこれらの変種は、その後に列挙されるアイテムおよび追加のアイテムの等価物を包含することを意味するために使用される。
【0008】
本明細書において、“膨張可能”は、いずれかの流体、例えばガス、空気、液体などによって膨張され得ると理解される。本明細書において、“膨張可能なデバイス”は、膨張され、シールされ得る少なくとも1つの流体不浸透性の袋を含み、また、多数の形状、サイズ、構造および物質を含んでもよい。
【0009】
本発明は、バルブを付勢開放するための電気機械デバイスと共に使用され得るセルフシールバルブに関する。特に一態様において、本発明は、電気機械デバイスからの補助を受けることなく、膨張可能なデバイスを膨張させるために流体移動デバイスの圧力下で開くことができ、また、膨張可能なデバイス内の流体からの圧力下で閉じることができるセルフシールバルブに関する。この態様において、電気機械デバイスは、少なくとも部分的にこの膨張可能なデバイスを収縮させるために、バルブを付勢開放するために使用され、例えば膨張可能なデバイス内の流体の量を調節し、また、膨張可能なデバイスを実質的に収縮させる。例えば、セルフシールバルブは、膨張可能なデバイス内の流体の量を調節するために、短期間にこの電気機械によって開くことができ、また、膨張可能なデバイスを実質的に収縮させるために付勢開放され得る。
【0010】
別の態様において、本発明は、セルフシールバルブに連結される電気機械デバイスを含み、この電気機械デバイスは、バルブに接続されていないが、その代わりにセルフシールバルブを付勢開放するために、付勢されてセルフシールバルブと接触する作動アームを含む。この態様の閉じた位置、または開いた位置以外のいずれかの位置において、電気機械デバイスおよび作動アームは、セルフシールバルブのアセンブリと接触していなくてもよい。本発明の別の態様は、電気機械デバイスおよび2つのバルブアセンブリを含み、膨張可能なデバイスの各々の流体不浸透性の袋は、少なくとも2つの流体不浸透性の袋を含んでいる。この態様において、電気機械デバイスは、一度に1つのセルフシールバルブを付勢開放するため使用可能であり、それぞれのセルフシールバルブに連結された流体不浸透性の袋の中の流体の量を調節し、または流体不浸透性の袋を実質的に収縮させる。本発明のその他の態様は、以下に説明される。
【0011】
本明細書に開示されるように、本発明の多種の態様の利点のいくつかは、従来のバルブとソレノイドとの組み合わせと比較して、電気機械作動デバイスが必要とする電力を実質的に低減し、電気機械作動デバイスのための作業サイクルを実質的に減少させる。別の利点は、例えばソレノイドおよびモータを含む複数の電気機械デバイスが、少なくとも1つのセルフシールバルブと組み合わせて使用可能であることである。また別の利点は、本発明のバルブおよび電気機械デバイスは、膨張可能なデバイスの実質的な膨張または収縮と共に、膨張可能なデバイスの快適な制御のために膨張/収縮の微調節を行うなど、複数の調節機能を提供するために柔軟に使用できることである。
【0012】
対照的に、ソレノイドは、バルブと共に膨張可能なデバイスに使用されている。このような膨張可能なデバイスにおいて、バルブは典型的に、バルブを通常付勢されて閉じた位置に維持するためにバネを備えている。ソレノイドは、典型的にバルブに提供され、典型的にはバルブを開くために閉じたバルブを付勢するバネの力に打ち勝つように寸法決めされ、配置される。このようなソレノイドは、典型的にバルブのダイアフラムの中央に取り付けられる。このような配置において、閉じたバルブを付勢するバネの力は、この膨張可能なデバイスが膨張されるときにバルブを閉じた位置に維持するために、膨張可能なデバイス内の最大空気圧よりも大きくなければならない。したがって、ソレノイドは、バルブを開くために、バネによって提供される力よりも大きな力を提供するように寸法決めされ、配置されなければならない。さらに、バネは通常閉じたバルブを付勢するので、ソレノイドには通常、膨張可能なデバイスを膨張する目的およびこの膨張可能なデバイスから空気を排出する目的で、バルブを開くようにエネルギーが与えられなければならない。膨張または収縮が行われる間ずっとソレノイドにエネルギーが与えられていなければならないために、この配置は、膨張可能なデバイスを膨張または収縮するために、ソレノイドの作業サイクルが長期化するという結果をもたらす。
【0013】
さらに、ソレノイドは、バルブを閉じた位置に維持するためにバネによって提供される力に打ち勝つのに十分な力を提供するように寸法決めされなければならず、これは即ち典型的に、大きく、電力消費の高い高価なソレノイドデバイスである。それに加えて、この配置は、バルブは典型的に単一の位置に開かれ、またはソレノイドによって閉じられるので、膨張可能なデバイスに提供され得る流体の量と膨張可能なデバイスから排出される流体の量とが典型的に同じであるという脆弱さの問題を抱えている。さらに、ソレノイドは、典型的に流体経路を制限し、したがって、膨張可能なデバイスの実質的な膨張時間または縮小時間を必要とする。例えば、Select Comfortは、この典型的な配置を備えた膨張可能なマットレスにおいて、膨張するのにおおよそ約10分間の時間がかかる。したがって、この配置は、必要な時間の間に膨張可能なデバイス内の流体の量を制御可能ではないという脆弱さの問題を抱えている。特に、この配置で膨張可能なデバイスの膨張レベルを調節する時間は、典型的に長すぎる。
【0014】
本発明のバルブと電気機械デバイスとの組み合わせは、膨張可能なデバイスのスタンドアローン型のバルブに対する代替または置換として使用され得ることが認識されるであろう。例えば、本発明のバルブおよび電気機械デバイスは、参照として本明細書に組み込まれる米国特許第5,267,363号(以下“’363特許”)および米国特許第5,367,726(以下“’726特許”)に開示されている流体移動デバイスとバルブの組み合わせにおいて、膨張させるため、および膨張可能なマットレス内の流体の量を制御するため使用され得る。また、本発明のバルブと電気機械デバイスとの組み合わせが説明されており、膨張させるため、収縮させるため、および概して膨張可能なデバイス内の流体の量を制御するために使用され得るが、この組み合わせは、いずれの膨張可能なデバイスにおいても使用され得ることが認識されるべきである:例えば、膨張可能なイス、マットレス、枕などの家具、スポーツ用品;救命道具、バリア、バンパー、パッドなどの安全デバイス;サポータ、包帯、支持器などの膨張可能な医療デバイス;パッド、荷物の裏張り材などの膨張可能な手荷物デバイス;水泳補助具、浮き具、チューブ、リングなどの膨張可能なレクリエーションデバイス;ボート、筏、タイヤなどの膨張された乗り物および乗り物の構成要素;建物、ポータブルのエンクロージャ(enclosure)、プラットフォーム、移動タラップなどの膨張可能な支持構造;座席、背面支持具、ボディーピローなどの膨張可能な人体支持デバイス。
【0015】
また、本発明のバルブと電気機械のデバイスのいずれの組み合わせも、以下に説明されるように、いずれの流体移動デバイス:本明細書に参照として組み込まれる米国特許第6,237,653に記載のもの;本明細書に参照として組み込まれる米国特許出願09/859,706に記載のもの;本明細書に参照として組み込まれる米国特許出願10/113,836に記載のもの、と共に使用可能であることが認識されるべきである。
さらに、本発明のバルブと電気機械デバイスの組み合わせは、典型的に、約0〜1ポンド/平方インチ(以下“psi”)の圧力範囲のいずれにおいても使用されることが認識されるであろう。しかしながら、本発明のバルブと電気機械デバイスの組み合わせは、また、約1psi以上の圧力であって、バルブおよび電気機械デバイスが適切に機能し、例えば電気機械デバイスによって付勢開放され得る膨張可能なデバイスのシールを提供する圧力範囲において、使用可能であることが認識されるべきであり、かかる圧力範囲も本発明の範囲に含まれる。本明細書で使用されるように、約0〜1psiの範囲は、低圧範囲であると理解され、約1〜2psiの範囲は、中圧範囲であると理解され、そして約2〜5psiの範囲は、比較的高圧範囲であると理解されることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明のバルブおよび電気機械デバイスを含む、流体移動デバイスの一態様の断面図である。
【
図2】本発明の2つのバルブおよび複数の作動デバイスを含む、流体移動デバイスの別の態様の断面図である。
【
図3A】流体移動デバイス、2つのバルブおよび作動デバイスを第1の条件で含む、本発明の別の態様の断面図である。
【
図3B】第2の条件における
図3Aの本発明の態様を説明する図である。
【
図4A】本発明のセルフシールバルブと組み合わされたアクチュエータのアセンブリの別の態様を説明する図である。
【
図4B】本発明のセルフシールバルブと組み合わされたアクチュエータのアセンブリの別の態様を説明する図である。
【
図4C】本発明のセルフシールバルブと組み合わされたアクチュエータのアセンブリの別の態様を説明する図である。
【0017】
図1を参照すると、本発明のバルブと電気機械デバイスの組み合わせの一態様の断面図が示される。特に、少なくとも部分的に流体不浸透性の袋である外壁14を有する膨張可能なデバイス12内、またはこれに連結される流体移動デバイス100が示される。特に、流体不浸透性の袋14は、膨張可能なデバイスの外部を膨張可能なデバイスの内部16から隔離している。この態様において、バルブ10は、膨張可能なデバイスの内部16に、またはそれから輸送される流体が通じ得る円形の開口26を確定する、外壁20およびバルブ壁24を含む。この円形の開口は、好ましくは直径約1インチ以上である。しかしながら、1/2〜3/4インチの範囲など、この範囲の直径を有するチューブと連結するように、開口の直径は、約1インチよりも小さいことがあり得ることが認識されるべきである。またバルブは、直径25の開口から直径30の外壁20へと増大したテーパ状の壁面を含み、テーパ状のバルブシート28を形成する。また、セルフシールバルブは、ダイアフラム40を含み、これは、一般に円形で、変形可能で、柔軟であり、この態様においては、開口26の直径の大きい領域30よりも小さく、かつ、開口26の直径の小さい領域25よりも大きい直径を有する。
【0018】
しかしながら、本発明にしたがって、ダイアフラム40は、膨張可能なデバイスの十分なシールを提供する限り、いずれの形状、物質、大きさおよび構造でも可能であると認識されるべきである。説明される態様において、バルブ10はセルフシールバルブを含み、ここでダイアフラム40は、閉じた位置において、開口26をシールするためにバルブシート28と合致する。一態様において、柔軟なダイアフラムアセンブリは、ダイアフラム支持体42によって支持されるダイアフラム40を含む。説明される態様において、ダイアフラム支持体42は、壁面24にヒンジ接続され、それによりヒンジ点接続周辺で開閉が可能になる。しかしながら、バルブ10のダイアフラム40と組み合わされたダイアフラム支持体42は、本明細書に参照として組み込まれる米国特許第6,237,621号に記載されるように、セルフシールされ得る複数の構造のいずれでも可能であることが認識されるべきである。
【0019】
言い換えると、柔軟なダイアフラムアセンブリは、流体移動デバイス110によって提供される流体の影響下においてダイアフラムが開くことができ、また、流体移動デバイスからの流体が存在しないときには膨張可能なデバイス16の適切な流体圧において閉じることができる、いずれかの形態で構成され得る。さらに、セルフシールバルブ10は、例えば、ダイアフラム支持体を持たない柔軟なダイアフラムなど、当業者に公知の多数の異なる変種を含み得ることが認識されるべきである。典型的に、ダイアフラム支持体42は、比較的堅いプラスチック材料から構成され、ダイアフラム40は、ダイアフラム40が開口26内に位置決めされ、流体移動デバイス110によって提供される流体の影響、また、電気機械デバイス50によって提供される影響により開くことができるいずれの形態でダイアフラム支持体に接続されてもよい。
【0020】
したがって、本発明の一態様によれば、バルブ10は、膨張可能なデバイス16に加圧するために流体移動デバイス110からの流体の影響下で開き、また、この流体が存在しないときには流体を膨張可能なデバイス16内に保持するために閉じる、セルフシールバルブである。この態様において、セルフシールは、ダイアフラム40をバルブシート28に対して付勢する膨張可能なデバイス12の流体圧によって達成される。
【0021】
電気機械デバイス50は、セルフシールバルブ10を開いた位置に付勢することができるいずれのデバイスでもよいことが認識されるであろう。本発明と共に使用され得る電気機械のデバイスのいくつかの例は、ソレノイドおよび電気モータを含み、これは、セルフシールバルブの開いた位置および閉じた位置に対応するように配置され得る、少なくとも2つの位置を有するモータなどである。例えば、以下にさらに詳細に議論されるように、電気モータは、セルフシールバルブを第1の位置において付勢開放するために、また、第2の位置でセルフシールバルブ10を閉じるために使用可能である。代替的に、別の例は、付勢開放し、また、バルブ10を閉じることができるセルフシールバルブに適応し得る、少なくとも2つの位置を有する適切な構成のギヤを含む電気モータである。
【0022】
図1の態様において、電気機械デバイス50は、バルブの一部を作動させてバルブ10を開くために(図示のとおり)、電気機械デバイス50によって付勢される作動アーム52を含む。
図1に示されるように、本発明の一態様において、作動アーム52は、バルブシート28から離れるようにダイアフラム40を付勢することにより、連結されるか、直接接続されるか、または作動アームを付勢して、バルブ10を開くためにエネルギーが与えられ得るソレノイド50の移動部分の一部である。作動アーム52は、ダイアフラム40に対して、またはダイアフラム支持体42に対して、バルブ10を付勢開放するために、バルブ10のいずれの部分にも作用してよいことが認識されるだろう。また、本発明のこの態様にしたがえば、バルブ10を付勢開放するのに要する力が減少されることが認識されるであろう。ダイアフラム支持体42はフレームとのヒンジ点に取り付けられるので、作動アーム52は、ヒンジ点の反対側のダイアフラム40またはダイアフラム支持体42の部分に作用することができる。特に、作動アーム52は、バルブ10の壁面24に対するヒンジ点から離れたダイアフラム40またはダイアフラム支持体42の部分に作用する。したがって、ソレノイド50とセルフシールバルブ10の組み合わせは、ヒンジ点から離れたバルブの部分において、バルブを作動させて開く位置にするのに必要な力が、ヒンジ点におけるそれよりも小さいという利点を有する。特に、作動アームがダイアフラム40またはバルブアーム42と接触するのがヒンジ点からより遠く離れれば、電気機械デバイスでバルブ10を付勢して、開いた位置にするのに必要となる力がより小さくなる。
【0023】
本発明の一態様にしたがって、電気機械デバイス50および作動アーム52は、ダイアフラム40および支持アーム42のいずれかをバルブシート28から離れさせるためにエネルギーを与えられ、それによりセルフシールバルブ10のシールを破り、膨張可能なデバイス12内の流体の量を調節または実質的に変更する。特に、作動アーム52の斜線部53は、セルフシールバルブ10を実質的に付勢開放するために使用される第1の位置にあるバルブアームを示す。それに加えて、作動アーム52の暗い部分は、ソレノイド50および作動アーム52によって閉じられることが可能な第2の位置にあるバルブを示し、ここで、作動アームは、ダイアフラム40またはダイアフラム支持体42をもはやバルブシートから実質的に付勢されて離れていない。したがって、ソレノイド50の作動アームの第1の位置は、セルフシールバルブを実質的に開くために使用可能であり、作動アームの第2の位置は、流体移動デバイス10によって提供される流体の影響下で開き、また、膨張可能なデバイス12内の十分な圧力下で閉じるように、バルブが通常の条件で動作できるように使用可能であることが認識されるだろう。作動アームの第1の位置は、バルブを長時間実質的に開いて、膨張可能なデバイス12を実質的に収縮させるように構成され得ること、またはこれは、膨張可能なデバイス12内の流体の量を調節するために、短時間実質的に開くように構成され得ることが認識されるだろう。換言すれば、膨張可能なデバイス内の流体圧の制御を与えること、例えば膨張可能なデバイスの快適さのレベルを調節することである。
【0024】
図2を参照して、電気機械デバイスと組み合わされた本発明のセルフシールバルブの別の態様の断面図を示す。
図1および
図2におけるものと同様の参照符号は、同様の部分に対応しており、簡単のために各々の箇所の説明は繰り返されないことが認識されるであろう。
図2の態様において、本発明のセルフシールバルブと電気機械デバイスの組み合わせは、膨張し、収縮し、膨張可能なデバイス内の流体の量を調節する流体制御デバイス100の一部である。流体制御デバイス100は、それぞれ電気機械デバイス50と組み合わされたポンプ110および複数のセルフシールバルブ10を含む。
図2の態様において、セルフシールバルブと電気機械デバイスのそれぞれの組み合わせは独立して動作するが、複数のセルフシールバルブは、
図3A〜
図3Bで説明されるような1または2以上の電気機械デバイスと組み合わされて動作し得ること、また、このような組み合わせは、独立して、または従属的に動作してもよいことが認識されるだろう。
【0025】
図2に示されるように、説明目的のある条件において、下部バルブは、下部バルブに連結される流体不浸透性の袋から少なくとも部分的に空気を放出するために、作動アーム52およびソレノイド50によって実質的に開いた位置に付勢される。さらに
図2に説明されるように、別の説明目的の条件において、上部バルブ10は、ポンプ110によって提供される流体の影響下で開かれ得、一方作動アームは、バルブが通常の形態(流体移動デバイス110からの流体の影響下で開く)で動作することを可能にする位置にあり、それにより上部バルブに連結された流体不浸透性の袋を膨張させる。通常の形態(電気機械デバイスからの影響下にない)で動作する、上部バルブの説明された条件において、流体移動デバイスからの流体が存在せず、不浸透性の袋に十分な流体を伴うときに、バルブ110は閉じて、流体不浸透性の袋をセルフシールすることができることが認識されるだろう。また、セルフシールバルブ、電気機械デバイスの組み合わせのいずれかが、いずれかの形態で動作可能であること、および
図2に説明されるバルブの条件が説明目的のみであることが認識されるだろう。この構成によれば、流体制御デバイス100が膨張させるため、収縮させるため、または上部のセルフシールバルブおよび下部のセルフシールバルブにそれぞれ連結される2つの流体不浸透性の袋の中の流体の量を調節するために使用される。したがって、
図2に説明される本発明の態様は、例えば、異なる2人のユーザ用に別々の快適ゾーンを備えた2様の膨張可能なマットレスであって、それぞれのゾーンが別々の袋を有するものなど、少なくとも2つの袋を備えた膨張可能なデバイスにとって有用である。
【0026】
また、
図2の態様は、第3の電気機械デバイス60を含んでもよく、これは、上部バルブに連結される流体不浸透性の袋または下部バルブに連結される流体不浸透性の袋に空気を提供するか、またはこれらから排出するために、制御アーム105を2つの位置のうち1つに付勢する。特に、第3の電気機械デバイス60は、セルフシールバルブを流体移動デバイスから密封するために、回動アーム105を付勢し、それにより、流体は、一度に1つの流体不浸透性の袋のみに提供されるか、またはそれから排出される。例えば、上部の流体不浸透性の袋は、流体移動デバイス110からの流体で満たされ、ここで、流体移動デバイス110によって提供される流体の圧力下でセルフシールバルブが開く。この条件において、回動アーム105は、電気機械デバイスの影響下で、下部セルフシールバルブを流体移動デバイスから密封する位置に回動され、それにより流体が下部セルフシールバルブに連結された流体不浸透性の袋から提供されるのを防ぐ。またこの配置によれば、回動アームは、上部セルフシールバルブを流体移動デバイスから密封する第2の位置に回動されることができ、それにより流体が上部セルフシールバルブに連結された流体不浸透性の袋から提供されるのを防ぐことが認識されるだろう。回動アームの第2の位置において、流体は下部セルフシールバルブに連結される流体不浸透性の袋から排出され得、またはこれに提供され得る。言い換えると、
図2の流体制御デバイス100の一態様において、一度に2つの流体不浸透性の袋のうち1つのみが膨張され、または収縮され得る。したがって、
図2の配置によれば、第2の袋が収縮されるのと同時に、もう一方の流体不浸透性の袋が膨張され得ないことが認識されるだろう。
【0027】
図3Aおよび
図3Bを参照して、少なくとも2つの動作条件を有する本発明の別の態様の断面図が示される。特に、本発明の電気機械デバイスは、上記のとおりソレノイドを含み得るが、これはまた、作動アーム64を付勢するために使用可能なモータ62を含んでもよい。
図3Aおよび
図3Bにおける参照符号であって、
図1および
図2におけるものと同様のものは、同様の部分を表し、簡単のために各部分の説明は必ずしも繰り返されないことが認識されるだろう。
図3Aおよび
図3Bの態様において、モータおよび作動アームは、各々がそれぞれのセルフシールバルブ10で動作するために使用可能な少なくとも2つの位置を有する。特に
図3Aに説明されるように、下部セルフシールバルブに連結される膨張可能な袋から空気を少なくとも部分的に排出するために、第1の位置において、モータは作動アーム64を付勢して、下部セルフシールバルブの柔軟なダイアフラムをバルブシート28から実質的に離し、それにより流体経路を実質的に開く。加えて、下部セルフシールバルブに連結される流体不浸透性の袋内の十分な流体でセルフシールし、また、流体移動デバイス110によって提供される流体の十分な圧力下で開くように、モータは、作動アームを第2の位置に移動させ、そして通常のセルフシール状態において下部バルブが動作可能になる。一態様においては、モータ62の第2の位置で、作動アームは、上部バルブを実質的に開く位置(柔軟なダイアフラムは少なくとも部分的にバルブシート28から離される)に付勢するように構成されて、上部セルフシールバルブに連結される膨張可能な袋から空気を少なくとも部分的に排出する。代替的に、本発明の別の態様において、モータおよび作動アームの第2の位置は、
図3Bに示されるように、セルフシールバルブのいずれも作動アームによって付勢開放されない位置であってもよい。またこの態様において、モータは、上部セルフシールバルブに連結される流体不浸透性の袋から空気を少なくとも部分的に排出するために、モータが上部セルフシールバルブを実質的に開く位置に作動アームを付勢することができる第3の位置を含んでもよい。
【0028】
また一態様において、モータは、セルフシールバルブを流体移動デバイスから密封するために、回動アーム105を回動するのに使用可能であり、それにより流体は、一度に1つの流体不浸透性の袋にのみ提供され得る。例えば、
図3Aに示されるように、上部の流体不浸透性の袋は、流体移動デバイス110からの流体で満たされ、ここで、セルフシールバルブは、流体移動デバイス110によって提供される流体圧の下で開く。この位置において、回動アーム105は、モータからの影響下で下部セルフシールバルブを流体移動デバイスから密封する位置に回動され、それにより下部セルフシールバルブに連結される流体不浸透性の袋に流体が提供されるのを防ぐ。
またこの構成によれば、回動アームは、上部セルフシールバルブを流体移動デバイスから密封する第2の位置に回動され得、それにより流体が上部セルフシールバルブに連結される流体不浸透性の袋に提供されるのを防ぐことが分かる。回動アームのこの第2の位置において、流体は、下部セルフシールバルブに連結される流体不浸透性の袋から排出され得、またはこれに提供され得る。
【0029】
上記態様のいずれにおいても、少なくとも1つの流体不浸透性の袋を膨張および収縮させ、ならびに少なくとも1つの流体不浸透性内の流体の量を調節する方法が本発明によって提供される。特に一態様において、セルフシールバルブは、膨張可能なデバイスを膨張させるために、流体移動デバイスによって提供される流体の影響下で付勢開放され得る。膨張可能なデバイス内の十分な流体圧の下で、セルフシールバルブは、膨張可能なデバイス内の流体圧によって閉じた位置に付勢される。電気機械デバイスは、膨張可能なデバイス内の流体の量を調節するため、または膨張可能なデバイス内の流体の量を実質的に減らすために使用される。さらに、少なくとも2つの袋を含む膨張可能なデバイスの態様においては、上記作用は、第2の電気機械デバイスおよびセルフシールを介して流体を第2の流体不浸透性の袋に提供することによって補助され得、また、第2の電気機械デバイスおよびセルフシールバルブは、膨張可能なデバイス内の流体の量の調節、または第2の流体不浸透性の袋の中の流体の量の実質的な変更のいずれかのために使用可能である。
【0030】
図4A〜
図4Cは、本発明のセルフシールバルブと組み合わされた電気機械デバイスのアセンブリの別の態様を示している。この態様は、以下に記載のものなどのセルフシールバルブアセンブリ80を含む。セルフシールバルブアセンブリは、柔軟なダイアフラム40およびダイアフラム支持体42を含み、これは、流体不浸透性の袋14の内部16に供給され、またはそれから排出される流体が通ずる開口内にダイアフラムを位置決めする。また、セルフシールバルブアセンブリは、ダイアフラム支持体42から突出するアーム82を含み、これは、作動アーム84の部分86と相互作用するように構成される。またこのアセンブリは、作動アーム84の部分86と相互作用する表面83を有するカバー81を含む。作動アーム84および部分86は、カバー81を上方に付勢してカバーを開くように構成され、また、
図4Bに説明されるように、収縮レバー88が、例えばユーザの指90で押し下げられる場合、突出アーム82を付勢してダイアフラム支持体42およびダイアフラム40をバルブシート28から少なくとも部分的に押しやるように構成される。またこのアセンブリは、膨張レバー92を含み、これもまた、ユーザの指90で押し下げられることができ、
図4Cに説明されるように、カバーを開くために、作動アームをカバー81の表面83に強制的に接触させる。また同じく
図4Cに説明されるように膨張レバーは、押し下げられるときに、流体移動デバイスにエネルギーを与えて流体を流体移動デバイスからセルフシールバルブ80に供給するために、電源スイッチ94に接触し、付勢するように構成される。
【0031】
図4A〜
図4Cの説明的な態様において、作動アームはバネアセンブリ96を含み、これは、作動アーム84を、カバー81およびセルフシールバルブ80から解放された休止位置に維持する。収縮レバー88を押し下げることによって、作動アームは、
図4Bに説明されるように、強制的にカバー81の表面83および突出アーム82に接触させられ、膨張可能なデバイスを収縮させる目的で、カバーを付勢開放し、セルフシールバルブ80を付勢開放する。膨張レバー92を押し下げることによって、作動アーム84は強制的にカバー81の表面83に接触させられてカバーを付勢開放し、
図4Cに説明されるように膨張可能なデバイスを膨張させる。
図4Cに示されるように、膨張レバーは、流体を膨張可能なデバイスに提供するために流体移動デバイスを作動させ、かつ、膨張可能なデバイスに流体を提供する目的でカバーを付勢開放する。
【0032】
この態様において、セルフシールバルブは、膨張レバーを押し下げてカバーが付勢開放されるとき、セルフシールバルブの作動アーム84からの付勢開放が存在しないときに、流体移動デバイスからの十分な流体圧下で開くように構成される。また、流体移動デバイスからのかかる流体圧が存在しない場合、および流体不浸透性の袋内の十分な流体圧で作動デバイスからの閉じた位置への付勢力が存在しない場合には、このセルフシールバルブは閉じるように構成される。さらにセルフシールバルブは、作動アームで膨張レバーを押し下げることによってカバーおよびセルフシールバルブが付勢開放されるときに膨張デバイス内の流体の量を調節するために、このセルフシールバルブを介して膨張可能なデバイスから流体が逃げられるように少なくとも部分的に開くように構成される。
【0033】
図4A〜
図4Cは、単一のセルフシールバルブを含む作動デバイスおよびバルブアセンブリの態様を説明するが、このようなセルフシールバルブは、例えば共通のハウジング98内の列に沿って複数提供されてもよく、膨張可能なデバイスの複数の流体不浸透性の袋を膨張、収縮する目的で各セルフシールバルブアセンブリをそれぞれ付勢開放し、閉じることができるようにするために、これらは全て流体移動デバイスに連結され、全てに各々収縮レバー88、膨張レバー92および作動アーム84を含むバネアセンブリ96が提供されてもよいことが認識されるべきである。換言すると、
図4A〜
図4Cのアセンブリは、複数の流体不浸透性の袋を含む膨張可能なデバイス内の流体レベルを満たし、これを抜き、および制御するために使用され得、ここで、各々は、各流体不浸透性の袋内の流体圧を独立して制御することができるように、それぞれ
図4A〜
図4Cに説明されるアセンブリを有し、単一の流体移動デバイスを使用しなければならないという追加の利点を備えている。流体移動デバイスは、セルフシールバルブおよび電気機械アセンブリから離れて配置されてもよいことが認識されるであろう。
【0034】
上記説明されたいずれの態様も、流体移動デバイスは、例えばセルフシールバルブから離れて提供され得ることが認識されるだろうし、流体移動デバイスおよびいずれかの電気機械デバイスに付勢を加えるためおよび付勢を解くための制御手段は、流体移動デバイスおよび電気機械デバイスから離れて配置され得ることが認識されるだろう。さらに、例えばセルフシールバルブが膨張時に流体移動デバイスによって認識できるほどには開かない場合などに、膨張可能なデバイスの膨張を補助する目的で、請求の範囲に記載されるいずれかの構成のセルフシールバルブを開くために電気機械デバイスが使用され得るような態様または適用があることが認識されるだろう。