【実施例】
【0013】
図1は、複数のチップが円弧状に配置されたコンクリートコアカッター(以下、単にコアカッターという)2を備えた穿孔装置1の概略構成を示しており、穿孔装置1は、後述するように、各部が分解されてマンホール10内に搬入されて組み立てられる。
【0014】
マンホール10は、
図7に示すように、円筒状のコンクリート製の躯体10cとこれに一体となったコンクリート製の円錐部10bからなり、円錐部10bの上部は円形の開口部となってマンホール10の入り口10a(径W)を形成している。マンホール10の下方部には、コンクリート管、プラスチック管、陶管等からなる下水道管11が接続している。
【0015】
尚、マンホール10の底部には、下水がスムーズに流下するためのインバートが設置されているが、本実施例では、インバートは図示が省略されている。インバートが設けられている場合には、マンホール壁を切削できるように、インバートの一部を取り除き、切削作業を行うようにする。
【0016】
穿孔装置1は、コアカッター2、コアカッター2を円筒軸(コア軸)を中心に回転させる駆動手段としてのモーター3、コアカッター2、モーター3などを支持する支持装置4によって構成されており、コアカッター2、モーター3、支持装置4に分解することができる。
【0017】
支持装置4は、
図1、
図7に示すように、下枠4a、下枠4aに固定される4本の支柱4b、支柱4bの上部に固定される上枠4c、中枠4d、コアカッター2とモーター3を支持する支持ブロック4e、支持ブロック4eを前後に移動可能に支持する支持ビーム4f、支持ビーム4fを支持する中枠4dの上下方向の位置を調節する調節部4gなどからなる支持枠組みとして構成される。支持装置4の各構成部材4a〜4gは、それぞれマンホール10の入り口10aからマンホール10内に搬入できる程度に分解可能になっている。
【0018】
穿孔装置1は、各構成部材4a〜4gをマンホール10の入り口10aからマンホール10内に搬入し、以下のようにしてマンホール内で組み立てられる。
【0019】
下枠4aをマンホール10の底部上に設置し、コアカッター2とモーター3を支持ブロック4eで支持し、支持ブロック4eを支持ビーム4fで支持する。続いて、下枠4aに4本の支柱4bを固定し、その上に上枠4cを固定する。中枠4dを調節部4gを介して上枠4cに取り付け、支持ビーム4fを上枠4cに取り付ける。
【0020】
下枠4a、支柱4b、上枠4c、中枠4dは、支持ビーム4fがマンホール10の円中心を通り下水道管11の延びる方向に向くようにマンホール10内で組み立てられ固定される。また、コアカッター2はその回転軸が支持ビーム4fの方向と一致して取り付けられる。従って、コアカッター2の回転軸を下水道管11の管軸線Lと左右方向に一致させることができる。また、調節部4gにより支持ビーム4fの上下方向の位置を調節することにより、コアカッター2の回転軸を下水道管11の管軸線Lと上下方向に一致させることができる。従って、コアカッター2とモーター3は、コアカッター2の回転軸が下水道管の管軸線Lと一致するように、支持装置4により支持される。また、コアカッター2とモーター3の前後方向の位置は、コアカッター2とモーター3を支持する支持ブロック4eを支持ビーム4fに沿って前後に移動させることにより調整することができる。
【0021】
コアカッター2は、後述するように、モーター3により駆動されて回転され、またコアカッター2には、不図示の手段により、下水道管の延びる方向(管長方向)に圧力がかかっており、後述するコアカッターのチップはマンホール壁面に圧接し、コアカッター2の回転に従ってマンホール壁を切削し、それを穿孔できるように構成される。
【0022】
なお、支持装置4は、マンホール内に搬入できて、モーター3とコアカッター2を、コアカッター2の回転軸と下水道管の管軸線と一致させるように、また下水道管の管軸線に沿って前後方向に移動できるように、支持できる支持装置であれば、上述した構成に限定されるものではない。
【0023】
ここで、コアカッター2についてより詳細に説明する。なお、以下の説明で、径方向とは、コアカッター2を、下水道管の外周縁のマンホール壁を穿孔できる位置に設置したとき、下水道管の断面が示す円の径方向を、また軸方向とは下水道管が延びる方向、つまり円筒軸方向をいう。
【0024】
図2、
図3には、コアカッター2の構成が示されている。コアカッター2は金属製で、第1カッター部21と、第2カッター部22と、第1と第2カッター部21、22を径方向に対向させて支持する第1と第2カッター部と一体の平坦な板状支持部23とから構成されている。
【0025】
第1カッター部21は、円弧状に屈曲した屈曲部21aと、屈曲部21aの先端部に、ダイヤモンドチップなどで構成され、円弧状に等間隔(等角度)で配置されたビットとしての複数のチップ21bを有する。同様に、第2カッター部22は、円弧状に屈曲した屈曲部22aと、屈曲部22aの先端部に、ダイヤモンドチップなどで構成され、円弧状に等間隔(等角度)で配置されたビットとしての複数のチップ22bを有する。屈曲部21a、22aは、各々、屈曲部21a、22aの屈曲面と直交する平坦な板状支持部23と一体的に構成されている。
【0026】
なお、第1と第2カッター部21、22の屈曲部21a、22aの板状支持部23と反対側端部は、
図2、3に示したように、等角度間隔(等角度ピッチ)で凹凸しており、その凸部先端にそれぞれ切れ刃となるチップ21b、22bが固定されている。
【0027】
第1と第2カッター部21、22のチップ21b、22bが描く円弧、従って屈曲部21a、22aの円弧は同じ曲率となっており、第1と第2カッター部21、22は、後述するように、コアカッター2を板状支持部23の中心23aを軸として回転させると、チップ21b、22bが曲率半径B/2の円を描くように、径方向に対向して板状支持部23に立設される。
【0028】
板状支持部23の径方向に直交する方向の長さ、つまりその横幅はAであり、チップ21b、22bの配列が描く円弧の両端での弦もAとなっている。
【0029】
第1と第2カッター部21、22の屈曲部21a、22aは、
図3(a)、(b)に示すように、板状支持部23から曲率半径B/2の円弧を描いて一体的に直立しており、第1と第2カッター部のそれぞれのチップ21b、22bの刃面と板状支持部23のチップ取付面と反対面間の距離(高さ)はHとなっている。
【0030】
コアカッター2は、全体としてみると、一端が円形に開放し、他端が閉じた直径B、高さH、肉厚tの中空の円筒を、円筒の中心23aからそれぞれ径方向にA/2離れた位置で該径方向と直交する方向に切断線M、Nに沿って切断して残る幅Aの部分の開放先端部にそれぞれチップ21b、22bを等角度で複数配列した形状となっている。
【0031】
コアカッター2を分解することなく、マンホール10の径Wの入り口10aから搬入できるようにするために、第1と第2カッター部21、22のチップ配列が描く円弧の弦A、つまり第1と第2カッター部21、22が対向する方向に直交する方向の板状支持部23の幅Aは、マンホールの入り口の径Wよりも小さく、また、第1と第2カッター部21、22のそれぞれのチップ21b、22bの刃面と板状支持部23のチップ取付面と反対面間の距離Hも、同様にマンホールの入り口の径Wよりも小さくなっている。
【0032】
また、コアカッター2を回転させたとき、チップ21b、22bが描く円の直径B、つまり板状支持部23の幅Aと直交する方向の長さは、穿孔されるマンホール璧の直径、つまり切削すべき下水道管11の外周縁の径に相当しており、コアカッター2が回転したときの形状は、一端が開放し他端が閉じた円筒形状となる。
【0033】
このような構成で、マンホール10の入り口10aからコアカッター2を搬入するときは、いずれか一方のカッター部を上にし他方のカッター部が下になるように、つまり、板状支持部23を垂直にして、コアカッター2が入り口10aから入りやすい向きにした状態でマンホール10へ搬入する。
【0034】
コアカッター2は、上述したように、板状支持部23の幅A、屈曲部21a、22aの高さHがマンホール10の入り口10aの径Wより小さいので、分解せずにマンホール10の入り口10aから搬入することができ、コアカッター2のマンホール10への搬入が容易になる。
【0035】
コアカッター2をマンホール10内に搬入した後、コアカッター2、モーター3を支持装置4に取り付ける。そして、コアカッター2の回転軸(板状支持部23の円中心23aを通過し板状支持部23の面に直交する軸)が下水道管の管軸線Lと一致するようにする。
【0036】
コアカッター2の各チップ21b、22bは、下水道管の外周縁のマンホール壁に相当する位置に配列される状態となっているので、コアカッター2の各チップを該マンホール壁に押し当て、各カッター部21、22を回転させると、各チップ21b、22bはマンホール壁を下水道管11の外周縁に沿って切削する。コアカッター2は下水道管11が延びる方向に付勢されているので、各チップ21b、22bはマンホール壁を貫通するまで、マンホール壁を切削することができる。
【0037】
図8(a)には、コアカッター2によって切削され、貫通した部分10dが図示されている。貫通部分10dは、コアカッター2の各チップ21b、22bが回転したときの軌跡に相当している。下水道管11の外周には、まだマンホール壁10eが固着しているので、この部分をハンマーなどで打ち砕いて除去すると、
図8(b)に示したように、下水道管11の外周にリング状の穴10fが形成される。
【0038】
なお、
図8(a)、(b)において、貫通部分10d、下水道管11などは円形として描かれているが、実際にはマンホール壁面は湾曲しているので、いびつな円形となる。
【0039】
このように、マンホール10と下水道管11との接続部分に形成されたリング状の壁穴10fに耐震部材としてのゴムリングをはめ込み、該接続部分を耐震構造にする。
【0040】
図4には、断面を示すために、約半分に切断したゴムリング12が示されている。ゴムリング12は、成形した断面が横U字形状の環状部材であり、ゴムリング12の外周側内面と内周側内面には、全円周にわたって溝12a、12bが形成されている。ゴムリング12の外周側の溝12aには、
図5(b)に示した拡張バンド13が、また内周側の溝12bには、
図5(a)に示した締付けバンド14が嵌め込まれる。
【0041】
締付けバンド14は、
図5(a)に示すように、調整具14aによりバンド径を調整することができ、また拡張バンド13は、
図5(b)に示すように、複数(3つ)の部分バンド13aを調整具13bで連結したもので、調整具13bによりバンド径を調整することができる。
【0042】
好ましくは、拡張バンド13と締付けバンド14が溝12a、12b内で滑らかに摺動し均一に拡張するように、各溝12a、12bにガイドバンド(不図示)を嵌め込みシリコンオイルを塗布しておく。
【0043】
なお、締付けバンド14、拡張バンド13は、締付機能、あるいは拡張機能を有するバンドであれば、
図5(a)、(b)に図示した形状に限定されるものでなくてもよいことはもちろんである。また、締付けバンド14、拡張バンド13は、好ましくは、ステンレスで作製されるが、他の材質、例えばプラスチックなどの材質あるいはゴムなどの弾性を有する材質で作製してもよい。
【0044】
図9に示すように、マンホール10の壁穴10fの内周と下水道管11の外周に、ほぼ全体に渡ってエポキシシール材15を厚みにして1〜2mm程度塗布するようにしてもよい。
【0045】
次に、
図6に示したように、拡張バンド13と締付けバンド14が嵌め込まれたゴムリング12を、U字の開放部分がマンホール内に向くように、壁穴10fに嵌め込む。そして、拡張バンド13を拡径し、締付けバンド14を縮径して、ゴムバンド12をマンホールの壁穴10fの内周と、下水道管11の外周に押し付ける。このとき、エポキシシール材15がにじみ出てゴムリング12が確実に壁穴10fに固着されその部分がシールされる。
【0046】
続いて、モルタル16をゴムリング12の凹部12cに注入し、マンホール10とゴムリング12との表面をモルタルで仕上げる。
【0047】
このようにして、マンホール10と下水道管11との接続部分は、耐震部材(ゴムリング)により柔構造となるため、地震が発生しても、その部分にひび割れや破損が発生することが少なくなり、マンホール10と下水道管11が接続された箇所に土砂や地下水が流入するのを防ぐことができる。
【0048】
なお、上述した実施例では、第1と第2カッター部21、22のチップ21b、22bの配列は等角度ピッチでチップ数は同じであるが、角度ピッチ及び/又はチップ数を各カッター部21、22で異なるようにしてもよい。
【0049】
また、第1と第2カッター部21、22の屈曲部21a、22aは同じ大きさであるが、一方の屈曲部の円弧を大きくして、つまり一方の円弧の弦が他方より長くなるようにして異なる大きさの屈曲部となるようにしてもよい。そのとき、屈曲部の弦の長さに応じて屈曲部の先端に配置されるチップの角度ピッチ及び/又はチップ数を異なるようにすることもできる(例えば、屈曲部21a、22aの円弧の弦が小さい場合には、角度ピッチを小さくしたり、チップ数を少なくするなど)。
【0050】
また、上述した実施例では、屈曲部21a、22aの円弧の弦の長さと板状支持部23の横幅は同じAであるが、異なるようにしてもよい(例えば板状支持部23の横幅を長くする)。
【0051】
また、コアカッター2は第1と第2カッター部21、22が支持板2bから互いに平行に立設した部分的な円筒形状になっているが、各カッター部のチップと反対側部分の径を小さくすることにより円錐形状のコアカッターとすることもできる。