(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ペンシル形状を有し、前記ペンシル形状の一端近傍に設けられ耳軟骨に接触させるための軟骨伝導部と、前記ペンシル形状の他端近傍に設けられた送話部と、携帯電話との近距離無線通信部とを有するとともに携帯電話に着脱可能で携帯電話に装着されたとき前記軟骨伝導部が携帯電話の角部に位置するよう構成され、前記携帯電話から分離されたときはペンシル型送受話ユニットとして機能するとともに携帯電話に装着されたときは前記角部を耳軟骨に接触させることにより携帯電話の送受話部として機能することを特徴とする携帯電話のための送受話ユニット。
前記軟骨伝導部は、前記ペンシル形状の長軸周りのいずれの面または先端を耳に当てても、軟骨伝導により音を聞くことができるよう配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の送受話ユニット。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例1を示す斜視図である。
図1において、携帯電話1は、表示部5等を有する上部7と、テンキーなどの操作部9および操作者の口から発音される音声をひろうマイク等の送話部23を有する下部11からなり、上部7がヒンジ部3によって下部11の上に折り畳み可能に構成される。上部7には、操作者の耳に音声を伝えるイヤホン等の受話部13が設けられ、下部11の送話部23とともに電話機能を構成している。また、上部7には、携帯電話1をテレビ電話として利用する場合において表示部5を見ている操作者の顔を写すことができるとともに、自分撮りの際にも利用される内側カメラ17が配置されている。さらに、上部7には、携帯電話1が通話のために耳に当接していることを検知するための近接センサを構成する一対の赤外光発光部19、20および耳からの赤外反射光を受光する共通の赤外光近接センサ21が設けられている。なお、
図1では図示しないが、上部7の背面には背面カメラが設けられており、携帯電話1の背面側にあって表示部5でモニタされる被写体を撮影することができる。
【0019】
上部7にはさらに、内側(耳に当たる側)の上部角において、耳珠の接触するための圧電バイモルフ素子等からなる右耳用振動部24および左耳用振動部26が設けられている。これらの右耳用振動部24および左耳用振動部26は、携帯電話外壁から突出してデザインを害さないよう構成されるが、携帯電話外壁の角に設けられることにより、効果的に耳珠に接触する。これによって、受話部13からの音声による受話と併せて、耳珠の軟骨からの骨伝導にて受話が可能となる。なお、上記特許文献2に開示されているように、耳珠は、耳乳様突起、外耳口後部軟骨面、耳珠およびもみ上げ部等の耳軟骨構成の中で最も大きな聴感が得られるとともに押し付け圧力を増大させたときの低音部の上昇が他の位置よりも大きくなることが知られている。この知見については特許文献2に詳述されているのでこれを参照することができる。
【0020】
携帯電話1は、これを右耳に当てたとき
図1において時計方向に若干回転し、
図1において右下がりの状態となる。そしてこのような携帯電話耳側上端の傾斜下側角に右耳用振動部24を設けることにより、振動部を携帯電話外壁から突出させることなく右耳用振動部24を自然に右耳の耳珠に接触させることができる。この状態は、通常の通話状態に近い姿勢であり、通話者本人にとっても傍目にも違和感がない。なお、受話部13は右耳用振動部24近傍にあるので、耳珠軟骨経由の音声情報と外耳道経由の音声情報がともに耳に伝わることになる。このとき、異なった発音対と経路により同じ音声情報が伝えられることになるので、お互いが打ち消しあうことがないよう、両者間の位相調整が行われる。
【0021】
一方、携帯電話1を左耳に当てたときは、携帯電話1が
図1において反時計方向に若干回転し、
図1において左下がりの状態となる。そして、右耳の場合と同様にして、携帯電話耳側上端の傾斜下側角に左耳用振動部26が設けられている状態となり、左耳用振動部26を自然に左耳の耳珠に接触させることができる。この状態が、通常の通話状態に近い姿勢であること、および受話部13が左耳用振動部26近傍にあって耳珠軟骨経由の音声情報と外耳道経由の音声情報がともに耳に伝わるので、両者間の位相調整が行われることは、右耳の場合と同様である。
【0022】
なお、上記近接センサにおける一対の赤外光発光部19、20は時分割で交互に発光しているので、共通の赤外光近接センサ21はいずれの発光部からの赤外光による反射光を受光しているのか識別可能であり、これによって右耳用振動部24および左耳用振動部26のいずれが耳珠に当たっているのか判断可能である。これによって、携帯電話がいずれの耳で使用されているかが判別でき、耳珠が当接している方の振動部を振動させて他方をオフとすることが可能である。しかしながら、携帯電話1の耳への当て方や耳の形の個人差にはバラツキがあるので、実施例1では、さらに後述のように加速度センサを内蔵し、この加速度センサによって検知される重力加速度によって、携帯電話1がどちらに傾いているのかを検知して、傾斜下側角にある方の振動部を振動させて他方をオフとするよう構成している。以上の右耳使用および左耳使用については、各仕様状態に即した図示により再度説明する。
【0023】
上部7にはさらに、環境騒音を拾うよう外側(耳に当たらない背面側)に配置され、かつ右耳用振動部24と左耳用振動部26の振動の伝導防止手段が施された環境騒音マイク38が設けられる。この環境騒音マイク38はさらに操作者の口から発音される音声を拾う。環境騒音マイク38が拾った環境騒音および操作者自身の声は位相反転された上で右耳用振動部24および左耳用振動部26にミキシングされ、受話部13経由の音声情報に含まれる環境騒音および操作者自身の声をキャンセルして通話相手の音声情報を聞き取りやすくする。この機能の詳細は後述する。
【0024】
図2は、右耳用振動部24と左耳用振動部26の機能を示す携帯電話1の側面図であり、
図2(A)は、右手に携帯電話1を持って右耳28を当てている状態を示す。一方、
図2(B)は、左手に携帯電話1を持って左耳30に当てている状態を示す。なお、
図2(A)は、顔の右側面から見た図であり、
図2(B)は、顔の左側面から見た図なので、携帯電話1はそれぞれ背面側(
図1の裏側)が見えている。なお、携帯電話1と右耳28および左耳30との関係を図示するため、携帯電話1は一点鎖線にて示している。
【0025】
図2(A)に示すように、携帯電話1は、これを右耳に当てたとき
図2において反時計方向(
図1と裏表の関係)に若干傾き、
図2において左下がりの状態となる。そして耳用振動部24はこのような携帯電話耳側上端の傾斜下側角に設けられているので、これを自然に右耳の耳珠32に接触させることができる。すでに述べたように、この状態は、通常の通話状態に近い姿勢であり、通話者本人にとっても傍目にも違和感がない。一方、
図2(B)に示すように、携帯電話1は、これを左耳に当てたとき
図2において時計方向(
図1と裏表の関係)に若干傾き、
図2において右下がりの状態となる。そして耳用振動部26はこのような携帯電話耳側上端の傾斜下側角に設けられているので、これを自然に左耳の耳珠34に接触させることができる。この状態においても、右耳の場合と同様、通常の通話状態に近い姿勢であり、通話者本人にとっても傍目にも違和感がない。
【0026】
図3は、実施例1のブロック図であり、同一部分には
図1と同一番号を付し、必要のない限り、説明は省略する。携帯電話1は、記憶部37に記憶されるプログラムに従って動作する制御部39によって制御される。記憶部37はまた、制御部39の制御に必要なデータを一時記憶するとともに、種々の測定データや画像も記憶することができる。表示部5の表示は制御部39の制御に基づき表示ドライバ41の保持する表示データに基づいて行われる。表示部5は表示バックライト43を有しており、周囲の明るさに基づいて制御39がその明るさを調節する。
【0027】
受話部13および送話部23を含む電話機能部45は、制御部39の制御下にある電話通信部47により、無線電話回線に接続可能である。スピーカ51は、制御部39の制御により着信音や種々の案内を行うとともにテレビ電話時の相手の声を出力する。このスピーカ51の音声出力は、右耳用軟骨伝送振動部24および左耳用軟骨伝送振動部26から出力されることはない。テレビ電話の際は、軟骨伝導振動部が耳に当てられる可能性がないからである。また、画像処理部53は、制御部39に制御されてテレビ電話用内側カメラ17および背面主カメラ55によって撮像される画像を処理し、これらの処理結果の画像を記憶部37に入力する。
【0028】
上記のように、近接センサにおける一対の赤外光発光部19、20は制御部39の制御に基づき時分割で交互に発光している。従って、共通の赤外光近接センサ21によって制御部39に入力される赤外反射光は、いずれの発光部からの赤外光による反射光識別可能である。制御部39は赤外光発光部19、20の両者から反射光が検知されるときは、これらを相互比較し、右耳用振動部24および左耳用振動部26のいずれが耳珠に当たっているのか判断する。さらに加速度センサ49は、検知される重力加速度の向きを検知する。この検知信号に基づき、制御部39は、携帯電話1が
図2(A)および
図2(B)のいずれの状態で傾いているのか判断し、
図2で説明したように傾斜下側角にある方の振動部を振動させて他方をオフとする。
【0029】
携帯電話1はさらに、制御部39からの音声情報に位相調整を行い、右耳用振動部24および左耳用振動部26に伝達するための位相調整ミキサー部36を有する。より詳細に説明すると、この位相調整部36は、受話部13から発生して外耳道から鼓膜経由で伝わる音声情報と右耳用振動部24または左耳用振動部26から発生して耳珠軟骨経由で伝わる同じ音声情報がお互い打ち消しあうことがないよう、制御部39から受話部13に伝達される音声情報を基準にして、制御部39からの音声情報に位相調整を行い、右耳用振動部24および左耳用振動部26に伝達する。なお、この位相調整は、受話部13と右耳用振動部24および左耳用振動部26との間の相対調整なので、制御部39から右耳用振動部24および左耳用振動部26に伝達される音声情報を基準にして、制御部39から受話部13に伝達される音声情報の位相を調整するよう構成してもよい。この場合、スピーカ51への音声情報も受話部13への音声情報と同位相で調整する。
【0030】
なお、位相調整ミキサー部36は上記のような受話部13からの音声情報と右耳用振動部24または左耳用振動部26からの同じ音声情報がお互い打ち消しあうことがないようにする第1の機能を有する他、環境騒音マイク38との協働による第2の機能を有する。この第2の機能では、環境騒音マイク38が拾う環境騒音および操作者自身の声が位相調整ミキサー部36によって位相反転された上で右耳用振動部24または左耳用振動部26の音声情報にミキシングされ、これによって、受話部13経由の音声情報に含まれる環境騒音および操作者自身の声をキャンセルして通話相手の音声情報を聞き取りやすくする。なお、このとき、受話部13からの音声情報と右耳用振動部24または左耳用振動部26からの音声情報の伝達ルートの違いにかかわらず環境騒音および操作者自身の声が効果的に打ち消されるよう、第1の機能に基づく位相調整も加味してミキシングが行われる。
【0031】
図4は、
図2の実施例1における制御部39の動作のフローチャートである。なお、
図4のフローは主に右耳用振動部24および左耳用振動部26の機能を説明するため、関連する機能を中心に動作を抽出して図示しており、一般的な携帯電話の機能等、
図4のフローに表記していない制御部39の動作も存在する。
図4のフローは、携帯電話1の操作部9による主電源のオンでスタートし、ステップS2で初期立上および各部機能チェックを行うとともに表示部5における画面表示を開始する。次いでステップS4では、右耳用振動部24および左耳用振動部26の機能をオフにしてステップS6に移行する。ステップS6では、メール操作やインターネット操作、その他諸設定並びにダウンロード済のゲームなど電波を使わない操作(以下、「非通話操作」と総称する)の有無をチェックする。そしてこれらの操作があればステップS8に進んで非通話処理を実行し、ステップS10に至る。なお、非通話操作では、携帯電話1の上部7における受話部13や右耳用振動部24および左耳用振動部26の機能を耳に当てて行う機能を想定していない。一方、ステップS6で非通話操作が検知されないときは直接ステップS10に移行する。
【0032】
ステップS10では、携帯電波による通話が着信中であるか否かのチェックを行う。そして通話着信中でなければステップS12に進み、携帯電話1からの通話発呼に対する相手からの応答が合ったか否かチェックする。そして応答が検知されるとステップS14に進む。一方、ステップS10で携帯電波による通話が着信中であることが検知されたときはステップS16に移行し、携帯電話が開かれているかどうか、つまり上部7が下部11に重なって折り畳まれている状態から
図1のように開かれた状態になっているかをチェックする。そして携帯電話が開かれていることが検知できなければステップS10に戻り、以下、ステップS10とステップS16を繰り返して携帯電話が開かれるのを待つ。なおこの繰り返しで携帯電話が開かれないまま通話の着信が終了すればフローはステップS10からステップS12に移行する。一方、ステップS16で携帯電話が開かれていることが検知されるとステップS14に進む。ステップS14では、送話部23および受話部13をオンしてステップS18に移行する。ステップS18では通話がテレビ電話か否かをチェックし、テレビ電話でなければステップS20に移行してこの時点で通話が断たれているか否か確認して通話断でなければステップS22に移行する。
【0033】
ステップS22では、赤外光近接センサ21が耳の当接を検知しているか否かチェックし、当接の検知があればステップS24に進む。一方、ステップS22で、赤外光近接センサ21が耳の当接を検知しないときはステップS14に戻り、以下、ステップS14およびステップS18から22を繰り返してステップS22における近接センサの検知を待つ。ステップS24では、加速度センサ49の検知信号に基づき、
図2(A)に示すような右耳通話状態の傾斜が生じているかどうかチェックする。そして該当すればステップS26に進み、右耳用軟骨伝導振動部24をオンしてステップS28に移行する。一方、ステップS24で、右耳通話状態の傾斜が生じていることが検知できないときは、加速度センサ49の検知信号が
図2(B)に示すような左耳通話状態傾斜を検出していることを意味するからステップS30に進み、左耳用軟骨伝導振動部26をオンしてステップS28に移行する。
【0034】
なお上記
図4のフローの説明では、赤外光近接センサ21が検出する赤外反射光が赤外光発光部19によるものか20によるものかを問わずステップS24に進み、ステップS24では加速度センサ49の信号により右耳通話状態傾斜であるか否かの検知を行うよう説明した。しかしながら、赤外光近接センサ21によっても右耳通話状態傾斜であるか否かの検知が可能なので、ステップS24において加速度センサ49の信号に代え、赤外光発光部19の発光タイミングにおける赤外光近接センサ21の出力が赤外光発光部20の発光タイミングにおけるものより大きければ右耳通話状態傾斜と判断するよう構成してもよい。また、ステップS24において、加速度センサの信号と赤外光発光部19、20の発光タイミングにおける赤外光近接センサ21の出力比較結果とを総合して右耳通話状態傾斜であるか否かの判断をするよう構成してもよい。
【0035】
ステップS28では通話状態が断たれか否かをチェックし、通話が断たれていなければステップS24に戻って、以下ステップS28で通話断が検知されるまでステップS24からステップS30を繰り返す。これによって通話中の右耳通話状態と左耳通話状態の間の携帯電話の持ち替えに対応する。一方、ステップS28で通話断が検知されるとステップS32に移行し、オン状態にある右耳用軟骨伝導振動部24または左耳用軟骨伝導振動部26および受話部13ならびに送話部23をオフしてステップS34に移行する。一方、ステップS12で通話発呼応答が検知されないときは直ちにステップS34に移行する。また、ステップS18でテレビ電話であることが検知されたときはステップS36のテレビ電話処理に移行する。テレビ電話処理では、テレビ電話用内側カメラ17による自分の顔の撮像、スピーカ51による相手の声の出力、送話部23の感度切換、表示部5における相手の顔の表示などが行われる。そして、このようなテレビ電話処理が終了すると、ステップS38に進んでスピーカ51および受話部13ならびに送話部23をオフしてステップS34に移行する。また、ステップS20において通話断が検知されたときもステップS38に移行するがこのときは元々スピーカ51がオンされていないので受話部13と送話部23をオフしてステップS34に移行する。
【0036】
ステップS34では、主電源のオフ操作の有無がチェックされ、オフ操作があればフローを終了する。一方、ステップS34で主電源オフ操作が検知されないとき、フローはステップS6に戻り、以下ステップS6からステップS38を繰り返す。以上のように、右耳用軟骨伝導振動部24または左耳用軟骨伝導振動部26は、携帯電話1が開かれていないとき、携帯電話1が通話状態にないとき、通話状態であってもテレビ電話通話であるとき、および通常通話状態であっても携帯電話1が耳に当てられていないときにおいてオンになることはない。但し、右耳用軟骨伝導振動部24または左耳用軟骨伝導振動部26が一度オン状態となったときは、右耳用軟骨伝導振動部24または左耳用軟骨伝導振動部26とのオンオフ切り換えを除き、通話断が検知されない限り、これがオフとなることはない。
【実施例2】
【0037】
図5は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例2を示す斜視図である。実施例2においてもその構造に共通点が多いので、対応する部分には実施例1と同一の番号を付し、説明を省略する。実施例2の携帯電話101は、上部と下部に分離された折り畳み方ではなく、可動部のない一体型のものである。従って、この場合における「上部」とは分離された上部を意味するものではなく、一体構造の上方の部分を意味するものとする。
【0038】
また、実施例1では、携帯電話1が折りたたまれたとき、右耳用軟骨伝導振動部24および左耳用軟骨伝導振動部26は上部7と下部11の間に挟まれたて収納された形となるのに対し、実施例2では右耳用軟骨伝導振動部24および左耳用軟骨伝導振動部26が常に携帯電話101の外壁に露出している形となる。実施例2においても、
図3の内部構造および
図4のフローチャートが基本的に流用可能である。但し、上記の構造の違いに関連し、
図4のフローチャートのステップS16が省略され、ステップS10で通話着信中であることが確認されたときは直接ステップS14に移行する。
【実施例3】
【0039】
図6は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例3を示す斜視図である。実施例3においてもその構造に共通点が多いので、対応する部分には実施例1と同一の番号を付し、説明を省略する。実施例3の携帯電話201は、上部107が下部に111に対してスライド可能な構造のものである。実施例3の構造では、上部107を下部111に重ねた状態では、上下関係はなくなるが、実施例3における「上部」とは携帯電話201を伸ばした際に上に来る部分を意味するものとする。
【0040】
実施例3では、
図6のように上部107を伸ばして操作部9を露出させた状態でフル機能が使用可能であるとともに、上部107を下部111に重ねて操作部9が隠れる状態とした場合でも着信応答や通話などの基本機能が使用可能である。実施例3でも、
図6のように携帯電話201を伸ばした状態および上部107を下部111に重ねた状態のいずれにおいても、右耳用軟骨伝導振動部24および左耳用軟骨伝導振動部26が常に携帯電話201の外壁に露出している形となる。実施例3においても、
図3の内部構造および
図4のフローチャートが基本的に流用可能である。但し、上記のように実施例3は、上部107を下部111に重ねた状態でも通話可能であるので、実施例2と同様にして、
図4のフローチャートのステップS16が省略され、ステップS10で通話着信中であることが確認されたときは直接ステップS14に移行する。
【0041】
上記本発明の種々の特徴の実施は上記の実施例に限られるものではなく、他の実施形態においても実施可能である。例えば、上記実施例では、持ち替えや使用者が変わることによる右耳使用時および左耳使用時の両者に対応するため、右耳用軟骨伝導振動部24および左耳用軟骨伝導振動部26を設けているが、軟骨伝導の際には右耳のみまたは左耳のみの使用を前提とする場合は軟骨伝導振動部を一つにしてもよい。
【0042】
また、右耳用軟骨伝導振動部24および左耳用軟骨伝導振動部26は本来右耳および左耳の耳珠にそれぞれと当接することを前提に設けられているが、特許文献2に開示されているように、耳乳様突起や外耳口後部軟骨面など耳珠以外の耳軟骨構成においても軟骨伝導は可能なので、右耳用軟骨伝導振動部24および左耳用軟骨伝導振動部26の両者を例えば右耳使用時において右耳軟骨の適当箇所を同時に押し付けて使用してもよい。この意味で、2つの軟骨伝導振動部24および26は必ずしも右耳用および左耳用に限るものではない。この場合は、実施例のように2つの軟骨伝導振動部24および26のいずれか一方のみをオンするのに代えて、両者を同時にオンする。
【0043】
さらに、上記実施例では、受話部13および右耳用軟骨伝導振動部24または左耳用軟骨伝導振動部26を同時にオンするようにしているが、右耳用軟骨伝導振動部24または左耳用軟骨伝導振動部26をオンするときは受話部13をオフするよう構成してもよい。この場合、音声情報の位相調整は不要となる。
【実施例4】
【0044】
図7は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例4を示す斜視図である。実施例4においてもその構造に共通点が多いので、対応する部分には実施例1と同一の番号を付し、説明を省略する。実施例4の携帯電話301は、実施例2と同様にして上部と下部に分離された折り畳み方ではなく、可動部のない一体型のものである。また、GUI(グラフィカル・ユーサ・インタフェース)機能を備えた大画面205を有するいわゆるスマートフォンとして構成されている。実施例4においても、「上部」とは分離された上部を意味するものではなく、一体構造の上方の部分を意味するものとする。なお、実施例4においては、テンキーなどの操作部209は大画面205上に表示され、大画面205に対する指のタッチやスライドに応じてGUI操作される。
【0045】
実施例4における軟骨伝導振動機能は、圧電バイモルフ素子等からなる軟骨伝導振動源225と振動伝導体227を有する軟骨伝導振動ユニットが担う。軟骨伝導振動源225は、振動伝導体227の下部に接触して配置され、振動伝導体227にその振動を伝える。軟骨伝導振動源225は、実施例1から3と同様にして携帯電話外壁(
図7では正面)から突出してデザインを害さないよう構成されるが、軟骨伝導振動源225の振動が振動伝導体227により側方に伝達され、その両端224および226を振動させる。振動伝導体227の両端224および226は耳珠と接触する携帯電話301の上部7の内側角に位置するので、実施例1から3と同様にして携帯電話外壁から突出することなく効果的に耳珠に接触する。このように、振動伝導体227の右端部224および左端部226はそれぞれ、実施例1でいう右耳用振動部24および左耳用振動部26を構成する。
なお、振動伝導体227はその右端224および左端226だけで振動するのではなく全体で振動しているので、実施例4では、携帯電話301の内側上端辺のどこを耳軟骨に接触させても音声情報を伝達することができる。このような軟骨伝導振動ユニットの構成は、振動伝導体227によって軟骨伝導振動源225の振動を所望の位置に導けるとともに、軟骨伝導振動源225そのものを携帯電話301の外壁に配置する必要がないので、レイアウトの自由度が高まり、スペースに余裕のない携帯電話に軟骨伝導振動ユニットを実装するのに有用である。
【0046】
実施例4は、さらに2つの機能が追加されている。ただ、これらの機能は実施例4に特有のものではなく、実施例1から3にも適用可能である。追加機能の一つは、軟骨伝送振動部の誤動作を防止するためのものである。実施例1から4のいずれにおいても、赤外光発光部19および20と赤外光近接センサ21により携帯電話が耳に当てられたことを検知しているが、例えば実施例1において携帯電話の内側を下にして机等においた場合近接センサの検知があるので、携帯電話が耳に当てられたものと誤認し、
図4のフローのS22からステップS24に進むおそれがある。そしてステップS24で検知される右耳通話状態傾斜にも該当しないので、フローがステップS30に進み左耳用軟骨伝導振動部が誤ってオンになる可能性がある。軟骨伝導振動部の振動エネルギーは比較的大きいので、このような誤動作があると、机との間で振動騒音を生じる可能性がある。実施例4ではこれを防止するため、加速度センサ49により水平静止状態を検知し、該当すれば、軟骨伝導振動源225の振動を禁止するよう構成している。この点の詳細については後述する。
【0047】
次に、実施例4における二つ目の追加機能について説明する。本発明の各実施例は、右耳用振動部24または左耳用振動部26(実施例4では、振動伝導体227の右端部224または左端部226)を右耳または左耳の耳珠に接触させることにより音声情報を伝えるが、接触圧を高めて耳珠で耳穴を塞ぐことによって耳栓骨導効果を生じ、さらに大きな音で音声情報を伝えることができる。さらに耳珠で耳穴を塞ぐことにより環境騒音を遮断されるので、このような状態での使用は、不要な環境騒音を減じて必要な音声情報を増加させる一挙両得の受話状況を実現し、例えば駅騒音下での通話等に好適である。耳栓骨導効果が生じているときは、声帯からの骨導による自分の声も大きくなるとともに左右の聴感覚バランスが崩れる違和感を生じる。実施例4では、このような耳栓骨導効果発生中の自分の声の違和感を緩和するため、送話部23から拾った自分の声の情報の位相を反転させて振動伝導体228に伝え、自分の声をキャンセルするよう構成している。この点の詳細についても後述する。
【0048】
図8は、実施例4のブロック図であり、同一部分には
図7と同一番号を付す。また、実施例1から3と共通する部分が多いので対応する部分にはこれらの各部と同一の番号を付す。そして、これら同一または共通部分については、特に必要のない限り、説明を省略する。実施例4では、電話機能部45を若干詳細に図示しているが、構成は実施例1から3と共通である。具体的に述べると、
図8の受話処理部212とイヤホン213が
図3の受話部13に相当し、
図8の送話処理部222とマイク223が
図3の送話部23に相当する。一方、
図7の軟骨伝導振動源225と振動伝導体227は、
図8で軟骨伝導振動ユニット228としてまとめて図示している。送話処理部222は、マイク223から拾った操作者の音声の一部をサイドトーンとして受話処理部212に伝達し、受話処理部212は電話通信部47からの通話相手の声に操作者自身のサイドトーンを重畳してイヤホン213に出力することによって、携帯電話301を耳に当てている状態の自分の声の骨導と気導のバランスを自然な状態に近くする。
【0049】
送話処理部222は、さらにマイク223から拾った操作者の音声の一部を音質調整部238に出力する。音質調整部238は、軟骨伝導振動ユニット228から出力して蝸牛に伝えるべき自分の声の音質を耳栓骨導効果発生時に声帯から体内伝導で蝸牛に伝わる操作者自身の声に近似した音質に調整し、両者のキャンセルを効果的にする。そして、位相反転部240はこのようにして音質調整された自分の声を位相反転して位相調整ミキサー部236に出力する。位相調整ミキサー部236は、押圧センサ242の検知する押圧が所定で携帯電話301により耳穴が耳珠で塞がれている状態に該当するときは、制御部239からの指示により位相反転部240からの出力をミキシングして軟骨伝導振動ユニット228を駆動する。これによって、耳栓骨導効果発生中の過度の自分の声がキャンセルされ、違和感の緩和が図られる。このとき、サイドトーン相当分の自分の声はキャンセルせずに残すようキャンセルの程度が調節される。一方、押圧センサの検出する押圧が低い場合は、耳穴が耳珠で塞がれておらず耳栓骨導効果が生じていない状態に該当するので、位相調整ミキサー部は制御部239の指示に基づき、位相反転部240からの自声位相反転出力のミキシングを行わない。なお、
図8において、音質調整部238と位相反転部240の位置は逆転して構成してもよい。さらに、音質調整部238および位相反転部240は、位相調整ミキサー部236内の機能として一体化してもよい。
【0050】
図9は、実施例4において右の耳珠に携帯電話301が当てられている状態を示す要部概念ブロック図であり、耳栓骨導効果発生中の自分の声のキャンセルについて説明するものである。また、
図9は、押圧センサ242の具体的実施例につ
いても図示しており、軟骨伝導振動部225が圧電バイモルフ素子であることを前提に構成されている。なお、同一部分については
図7および
図8と同一番号を付し、特に必要のない限り、説明を省略する。
【0051】
図9(A)は、耳珠32が耳穴232を塞がない程度に携帯電話301が耳珠32に当てられている状態を示す。この状態では、受話処理部212からの通話相手の音声情報に基づき位相調整ミキサー部236が軟骨伝導振動部225を駆動している。押圧センサ242は、位相調整ミキサー部236と軟骨伝導振動部225を結ぶ信号線に現れる信号をモニタしており、振動伝導体227への押圧に応じて加えられる軟骨伝導振動部(圧電バイモルフ素子)225への歪に基づく信号変化を検知するよう構成される。このように、耳珠32に接触することにより音声情報を伝える軟骨伝導振動部225を圧電バイモルフ素子で構成すると、その圧電バイモルフ素子自体を耳珠32への押圧センサとしても兼用することができる。押圧センサ242は、さらに、位相調整ミキサー部236と受話処理部212を結ぶ信号線に現れる信号をモニタしている。ここに現れる信号は、耳珠32への押圧の影響を受けないので、押圧判定のための参照信号として利用することができる。
【0052】
上記のように、
図9(A)では耳珠32が耳穴232を塞がない状態にあり、押圧センサ力242の判定する押圧が小さいので、この判定に基づき、制御部239は位相反転部240からの位相反転自声を軟骨伝導振動部225にミキシングしないよう位相調整ミキサー部236に指示する。一方、
図9(B)は、矢印302の方向に携帯電話301が耳珠32をより強く押し、耳珠32が耳穴232を塞いでいる状態を示す。そして、この状態では、耳栓骨導効果が発生している。押圧センサ力242は、所定以上の押圧の増加検出に基づいて耳穴が塞がれたものと判定し、この判定に基づいて制御部239は位相反転部240からの位相反転自声を軟骨伝導振動部225にミキシングするよう位相調整ミキサー部236に指示する。以上のようにして、耳栓骨導効果発生中の自声の違和感が緩和される。逆に、押圧センサ242によって、
図9(B)の状態から所定以上の押圧の減少が検出されると、図(A)ののように耳穴が塞がれない状態になったものと判定され、位相反転自声のミキシングが停止される。なお、押圧センサ242は、押圧の絶対量および押圧の変化方向に基づいて、
図9(A)と
図9(B)の間の状態遷移を判定する。なお、両者の声がない無音状態においては、押圧センサ242は耳には聞こえない押圧モニタ信号を直接骨伝導振動部225に直接印加することで、押圧を検知する。
【0053】
図10は、
図8の実施例4における制御部239の動作のフローチャートである。なお、
図10のフローは
図4における実施例1のフローと共通するところが多いので、対応部分には同一のステップ番号を付し、必要のない限り説明を省略する。
図10も、主に軟骨伝導振動ユニットの機能を説明するため、関連する機能を中心に動作を抽出して図示している。従って、
図4の場合と同様、一般的な携帯電話の機能等、
図10のフローに表記していない制御部239の動作も存在する。
図10において
図4と異なる部分は太字で示しているので、以下これらの部分を中心に説明する。
【0054】
ステップS42は、
図4のステップS6およびステップS8をまとめたもので、ステップS42の非通話処理の中に、非通話操作なしで次のステップに直行する場合も含めて図示しているが、その内容は
図4のステップS6およびステップS8と同じである。また、ステップS44は、
図4のステップS10およびステップS12をまとめたもので、相手側からの着信であるか自分からの発信であるかを問わず両者間の通話状態の有無をチェックするステップとして図示しているが、その内容は、
図4のステップS6およびステップS8と同じである。なお、実施例4では携帯電話301を開閉する構成はないので、
図4のステップS16に相当するステップは含まない。
【0055】
ステップS46は、実施例4における一つ目の追加機能に関するもので、携帯電話301が所定時間(例えば、0.5秒)手持ち状態から離れて水平状態で静止しているかどうかをチェックする。そして、ステップS22により近接センサの検知があったときに、ステップS46でこのような水平静止状態でないことが確認された場合に初めてステップS48に移行し、軟骨伝導振動源225をオンする。一方、ステップS46で水平静止状態が検知されたときはステップS50に進み、軟骨伝導振動源225をオフしてステップS14に戻る。なお、ステップS50は後述するフローの繰り返しにおいて、軟骨伝導振動源がオンの状態でステップS46に至り、水平静止状態が検知されたときに対応するもので、軟骨伝導振動源がオフの状態でステップS50に至ったときはなにもせずにステップS14に戻る。
【0056】
ステップS52は、実施例4における二つ目の追加機能に関するもので、携帯電話301を耳珠32に強く押し当てて耳穴232を塞ぐことによる耳栓骨導効果が生じているかどうかをチェックするものである。具体的には
図9に示したように押圧センサ242による所定以上の押圧変化の有無およびその方向によりこれをチェックする。そして耳栓骨導効果が生じる状態であることが検知されたときはステップS54に進み、自分の声の位相反転信号を軟骨伝導振動源225に付加してステップS58に移行する。一方、ステップS52で耳栓骨導効果が生じない状態であることが検知されたときはステップS56に移行し、自分の声の位相反転信号の軟骨伝導振動源225への付加をなくしてステップS58に移行する。ステップS58では通話状態が断たれか否かをチェックし、通話が断たれていなければステップS22に戻って、以下ステップS58で通話断が検知されるまでステップS22およびステップS46からステップS58を繰り返す。これによって通話中の耳栓骨導効果の発生および消滅に対応する。
【0057】
以上に説明した各実施例の種々の特徴は個々の実施例に限られるものではなく、適宜他の実施例の特徴と入れ換えたり組合せたりすることができる。例えば、
図10における実施例4のフローチャートでは、
図4の実施例1のフローチャートにおける右耳用軟骨伝導振動部と左耳用軟骨伝導振動部との切り換えの構成がないが、実施例10の軟骨伝導振動ユニット228の構成として実施例1のような右耳用軟骨伝導振動部24と左耳用軟骨伝導振動部を採用し、ステップS22およびステップS46からステップS58のループの繰り返しの中で、耳栓骨導効果の発生および消滅への対応に加え、
図4のステップS24からステップS26に準じた機能による右耳通話状態と左耳通話状態の間の携帯電話の持ち替えへの対応も併せて行うよう構成してもよい。また、
図10の実施例4における水平静止状態のチェックと軟骨伝導振動ユニットのオフ機能を、実施例1から実施例3に追加することも可能である。さらに、実施例1から3において、実施例4のような軟骨伝導振動ユニッを採用することも可能である。
【実施例5】
【0058】
図11は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例5を示す斜視図である。実施例5は
図7の実施例4を基本にしており、その構造の大半は共通なので、対応する部分には同一の番号を付し、説明を省略する。また、説明を省略する部分は図示の煩雑さを避けるため番号自体の付与も省略しているが、図面上共通する部分の機能および名称は
図7と共通である。なお、詳細構成については、
図8および
図9における実施例4のブロック図を基本的に援用する。実施例5が実施例4と異なる第1点目は、携帯電話401において、いわゆるタッチパネル機能(テンキーなどの操作部209が表示されている大画面205に指で触れ、そのタッチ位置検知やスライド検知でGUI操作する機能)をオフにする設定が可能になっているとともに、このタッチパネル機能がオフ設定されているときのみ有効となるプッシュプッシュボタン461を備えている点である。タッチパネル機能のオフ設定は、タッチパネル自体の操作により行うことできるとともに、タッチパネル機能のオンへの復帰設定は、プッシュプッシュボタン461を所定時間以上長押しすることで可能である。また、プッシュプッシュボタン461は、これが有効になっているとき、1回目の押下で通話を開始するとともに、通話中において2回目の押下を行うことで通話を切断する機能を有する。なお、上記プッシュプッシュボタン461の1回目の押下は、特定の相手への発呼の際、または着信への応答の際に行われ、いずれの場合も、これによって通話が開始される。
【0059】
実施例5が実施例4と異なる第2点目は、実施例5が、携帯電話401と、これを収納するためのソフトカバー463との組合せにより機能するよう構成されていることである。なお、
図11では、構成説明の都合上、ソフトカバー463が透明であるかのような図示をしているが、実際にはソフトカバー463は不透明であり、
図11のように携帯電話401をソフトカバー463に収納した状態で携帯電話401が外から見えることはない。
【0060】
上記プッシュプッシュボタン461の機能は、携帯電話401がソフトカバー463に収納されている状態において、ソフトカバー463の上からプッシュプッシュボタンを押下することでも可能である。さらに、ソフトカバー463は、携帯電話401の軟骨伝導振動源225と振動伝導体227を有する軟骨伝導振動ユニットと連動し、携帯電話401がソフトカバー463に収納されている状態において通話が可能なよう構成される。以下、これについて説明する。
【0061】
ソフトカバー463は、耳軟骨と音響インピーダンスが近似する弾性材料(シリコーン系ゴム、シリコーン系ゴムとブタジエン系ゴムとの混合物、天然ゴム、またはこれらに空気泡を密封した構造、または、透明梱包シート材などにみられるような一層の空気泡群を合成樹脂の薄膜で分離密封した構造など)によって作られており、携帯電話401が収容されたときに軟骨伝導振動源225からの振動を伝える振動伝導体227がその内側に接触する。そして、携帯電話401を収納したままでソフトカバー463の外側を耳に当てることにより、ソフトカバー463の介在で振動伝導体227の振動が広い接触面積で耳軟骨に伝達される。さらに、振動伝導体227の振動によって共振するソフトカバー463の外面からの音が外耳道から鼓膜に伝わる。これによって、軟骨伝導振動源225からの音源情報を大きな音として聞くことができる。また、耳に当てられているソフトカバー463が外耳道を塞ぐ形となるので環境騒音を遮断することもできる。さらに、ソフトカバー463を耳に押し当てる力を増すと外耳道がほぼ完全に塞がれる結果となり、耳栓骨導効果によって軟骨伝導振動源225からの音源情報をさらに大きな音として聞くことができる。なお、ソフトカバー463を介した検知となるが、実施例4と同様にして、軟骨伝導振動源225による押圧力検知に基づき、耳栓骨導効果が生じている状態では、マイクからの自声信号への位相反転信号付加が行われる。
【0062】
携帯電話401がソフトカバー463に収容されたままの通話状態では、ソフトカバー463に伝えられた振動伝導体227の振動が送話部23にも伝わり、ハウリングを起こす可能性がある。その対策として振動伝導体227と送話部23の間の音響伝導を遮断するため、ソフトカバー463にはソフトカバー本体とは音響インピーダンスが異なる絶縁リング部465が両者間に設けられている。この絶縁リング部465は、ソフトカバー本体の材料と異なる材料を一体成型するかまたは接合して形成することができる。また、絶縁リング部465は、同じ材料で成型されたソフトカバーの外側または内側に音響インピーダンスの異なる層を接合して形成してもよい。さらに、絶縁リング部465は、振動伝導体227と送話部23の間に複数介在させて絶縁効果を高めてもよい。
【0063】
また、ソフトカバー463は、携帯電話401を収納したままの状態での通話を可能とするため、マイク23の近傍が音声の気導を妨げないマイクカバー部467として構成される。このようなマイクカバー部467は、例えばイヤホンカバーなどのようなスポンジ状構造をとる。
【0064】
図12は、
図11の実施例5における制御部239(
図8流用)の動作のフローチャートである。なお、
図12のフローにおいて、
図10のフローと共通する部分には同一のステップ番号を付し、説明を省略する。
図12も、主に軟骨伝導振動ユニットの機能を説明するため、関連する機能を中心に動作を抽出して図示している。従って、
図10等と同様にして、実施例5でも、一般的な携帯電話の機能等、
図12のフローに表記していない制御部239の動作も存在する。
【0065】
図12のフローでは、ステップS62に至るとタッチパネルが上記で説明した操作によりオフ設定となっているか否かチェックし、オフ設定でなければステップS64に移行し、プッシュプッシュボタン461の機能を無効にしてステップS66に移行し、ステップS34に至る。ステップS66で通常処理として示している部分は、
図10のステップS14、ステップS18からステップS22、ステップS32、ステップS36、ステップS38およびステップS42からステップS58(つまり、ステップSS4とステップS34の間の部分)を一括してまとめたものである。換言すればステップS62からステップS64に移行する場合、
図12のフローは
図10と同様の機能を実行する。
【0066】
一方、ステップS62でタッチパネルオフ設定が行われていることが検知されると、フローはステップS68に移行し、プッシュプッシュボタン461の機能を有効にしてステップS70に進む。ステップS70では、タッチパネルの機能を無効にしてステップS72でプッシュプッシュボタン461の1回目の押下の有無を検知する。ここで押下の検知がない場合は直接ステップS34に移行する。一方、ステップS72でプッシュプッシュボタン461の1回目の押下が検知されると、ステップS74に進み、携帯電話401がソフトカバー463に収納されているか否か検知する。この検知は、例えば近接センサを構成する赤外光発光部19、20および赤外光近接センサ21の機能により可能である。
【0067】
ステップS74でソフトカバー463への収納が検知されると、フローはステップS76に進み、送話部23をオンするとともに受話部13をオフする。さらにステップS78で軟骨伝導振動源225をオンしてステップS80に進み、携帯電話401を通話状態とする。また既に通話状態であればこれを継続する。一方、ステップS74でソフトカバー463への収納が検知されない場合はステップS82に移行して送話部23および受話部13をともにオンし、さらにステップS84で軟骨伝導振動源225をオフしてステップS80に進む。ステップS80に後続するステップS86では、耳栓骨導効果処理を行ってステップS88に移行する。ステップS86における耳栓骨導効果処理は、
図10のステップS52からステップS56をまとめて図示したものである。
【0068】
ステップS88では、プッシュプッシュボタン461の2回目の押下の有無を検知する。そして検知がなければフローはステップS74に戻り、以下プッシュプッシュボタン461の2回目の押下が検知されない限りステップS74からステップS88を繰り返す。そして通話中におけるこの繰り返しの中で携帯電話401がソフトカバー463に収納されているかどうかが常にチェックされるので、使用者は、例えば環境騒音が大きく受話部13では音が聞き取りにくいときは通話途中で携帯電話401がソフトカバー463に収納することにより、環境騒音を遮断したり、耳栓骨導効果によりさらに音を聞き取りやすくしたりする等の対応をとることができる。
【0069】
一方、ステップS88でプッシュプッシュボタン461の2回目の押下が検知されるとフローはステップS90に移行し、通話を切断するとともにステップS92で全ての送受話機能をオフし、ステップS34に至る。ステップS34では主電源がオフかどうかチェックしているので、主電源オフ検出がなければフローはステップS62に戻り、以下ステップS62からステップS92およびステップS34を繰り返す。そしてこの繰り返しの中で、既に説明したタッチパネルの操作によるタッチパネルオフ設定またはプッシュプッシュボタン461の長押しによるオフ設定の解除への対応がステップS64により行われるので適宜通常処理との切り替えを行うことができる。
【実施例6】
【0070】
図13は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例6を示す斜視図である。
図13(A)は
図7と同様の正面斜視図であるが、後述のように実施例6は携帯電話機能を備えたデジタルカメラとして構成されているため、
図7とは90度回転させ、デジタルカメラとしての使用状態の角度で図示している。
図13(B)は、その背面斜視図(デジタルカメラとしてみた場合は正面斜視図)であり、
図13(C)は、
図13(B)におけるB−B切断面における断面図である。
【0071】
実施例6も
図7の実施例4を基本にしており、その構造の大半は共通なので、対応する部分には同一の番号を付し、説明を省略する。また、説明を省略する部分は図示の煩雑さを避けるため番号自体の付与も省略しているが、図面上共通する部分の機能および名称は
図7と共通である。なお、詳細構成については、
図8および
図9における実施例4のブロック図を基本的に援用する。実施例6が実施例4と異なる第1点目は、携帯電話501が携帯電話機能を備えたデジタルカメラとして構成されることである。すなわち、
図13(B)に示すように、背面主カメラの撮像レンズとして高い光学性能を備えたズームレンズ555を採用している点である。なお、ズームレンズ555は、使用時においては
図13(B)に一点鎖線で示す状態に突出するが、不使用時において携帯電話501の外面と同一平面をなす位置まで後退するいわゆる沈胴式のレンズ構成をとっている。また、被写体が暗いときに補助光を投射するストロボ565およびシャッタレリーズボタン567を備えている。また、携帯電話501は右手でカメラを構えるのに適したグリップ部563を有している。
【0072】
実施例6が実施例4と異なる第2点目は、このグリップ部563が、実施例5におけるソフトカバー463と同様にして、耳軟骨と音響インピーダンスが近似する材料(シリコーン系ゴム、シリコーン系ゴムとブタジエン系ゴムとの混合物、天然ゴム、またはこれらに空気泡を密封した構造)によって作られており、グリップ感を良好にするのに適した弾性を備えることである。そして、実施例4の配置とは異なり、グリップ部563の裏側に軟骨伝導振動源525が配置されている。
図13(C)の断面から明らかなように軟骨伝導振動源525はグリップ部563の裏面に接触している。
【0073】
従って、グリップ部563を耳に当てることにより、グリップ部563の介在で軟骨伝導振動源525の振動が広い接触面積で耳軟骨に伝達される。さらに、軟骨伝導振動源525の振動によって共振するグリップ部563の外面からの音が外耳道から鼓膜に伝わる。これによって、軟骨伝導振動源525からの音源情報を大きな音として聞くことができる。また、実施例5と同様にして、耳に当てられているグリップ部563が外耳道を塞ぐ形となるので環境騒音を遮断することもできる。さらに、実施例5と同様にして、グリップ部563を耳に押し当てる力を増すと外耳道がほぼ完全に塞がれる結果となり、耳栓骨導効果によって軟骨伝導振動源525からの音源情報をさらに大きな音として聞くことができる。なお、グリップ部563を介した検知となるが、実施例5と同様にして、軟骨伝導振動源525による押圧力検知に基づき、耳栓骨導効果が生じている状態では、マイクからの自声信号への位相反転信号付加が行われる。
【0074】
また、実施例4と異なり、送話部523は、
図13(B)に明らかなように、携帯電話501の正面ではなく端面に設けられている。従って、受話部13を耳に当てて通話をするときも、裏側のグリップ部563を耳に当てて通話をするときも、送話部523が共通に使用者の声を拾うことができる。なお、受話部13を有効にするか軟骨伝導振動源525を有効にするかは切換ボタン561で設定を切換えることができる。また、ズームレンズ555が
図13(B)に一点鎖線で示す状態に突出している状態ではグリップ部563を耳にあてて通話をするのに不適なので、このような状態で切換ボタンが操作され、操軟骨伝導振動源525を有効にする設定がなされたときは自動的にズームレンズ555を沈胴させ、この沈胴が完了するまで切換の実行を保留する。
【0075】
図14は、
図13の実施例6における制御部239(
図8流用)の動作のフローチャートである。なお、
図14のフローにおいて、
図10のフローと共通する部分には同一のステップ番号を付し、説明を省略する。
図14も、主に軟骨伝導振動ユニットの機能を説明するため、関連する機能を中心に動作を抽出して図示している。従って、
図10等と同様にして、実施例6でも、一般的な携帯電話の機能等、
図14のフローに表記していない制御部239の動作も存在する。
【0076】
図14のフローでは、ステップS104に至ると通話開始操作が行われたかどうかチェックする。そして操作がなければ直ちにステップS34に移行する。一方、通話開始操作が検知されるとステップS106に進み、切換ボタン561により軟骨伝導設定がなされているかどうかチェックする。そして軟骨伝導設定であればステップS108でズームレンズ555が突出しているかどうかチェックする。この結果ズームレンズ555の突出がなければステップS110に移行し、送話部523をオンするとともに受話部13をオフし、ステップS112で軟骨伝導振動源525をオンしてステップS46に移行する。
【0077】
一方、ステップS106で軟骨伝導設定が検知されないときはステップS114に移行し、送話部523および受話部13をとともにオンし、ステップS116で軟骨伝導振動源525をオフしてステップS118に移行する。さらに、ステップS106で軟骨伝導設定が検知されたときでもステップS108でズームレンズ555が突出していることが検知された場合は、ステップS110に移行し、ズームレンズ555の沈胴を指示してステップS114に移行する。なお既に沈胴が開始されている場合は、その継続を指示する。後述のように、ステップS106からステップS116は通話状態が断たれない限り繰り返される。このようにして、ステップS106での軟骨伝導設定検知に従ってステップS110で沈胴が指示され、沈胴が開始したあとは、沈胴が完了してステップS108でズームレンズ555の突出が検知されなくなるまで、ステップS110には移行せずステップS114およびステップS116の状態が維持される。
【0078】
ステップS112に後続するステップS46からステップS56は
図10と共通なので説明を省略する。ステップS54またはステップS56からステップS118に移行すると通話状態が断たれたかどうかのチェックが行われ、通話断が検知されない場合はフローがステップS106に戻り、以下、ステップS106からステップS118およびステップS46からステップS56が繰り返される。これによって、使用者は、例えば環境騒音が大きく受話部13では音が聞き取りにくいとき、通話途中で切換ボタン561を操作して軟骨伝導設定に切換えることにより、環境騒音を遮断したり、耳栓骨導効果によりさらに音を聞き取りやすくしたりする等の対応をとることができる。また、このときズームレンズ555が突出状態にあれば自動的に沈胴させられる。
【実施例7】
【0079】
図15は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例7を示す斜視図である。実施例7の携帯電話601は、実施例1と同様にして上部607がヒンジ部603によって下部611の上に折り畳み可能に構成される。
図15(A)は
図1と同様の正面斜視図であるとともに、
図15(B)は、その背面斜視図である。また、
図15(C)は、
図15(B)におけるB−B切断面における要部断面図である。実施例7の構造の大半は実施例1と共通なので、対応する部分には同一の番号を付し、説明を省略する。また、説明を省略する部分は図示の煩雑さを避けるため番号自体の付与も省略しているが図面上共通する部分の機能および名称は
図1と共通である。なお、概観は実施例1と共通であるが内部の詳細構成については、
図8および
図9における実施例4のブロック図を基本的に援用する。
【0080】
実施例7が実施例1と異なる第1点目は、
図15(B)に示すように上部607のヒンジ近傍側において広い面積の軟骨伝導出力部663が設けられている点である。この軟骨伝導出力部663は、実施例5におけるソフトカバー463や実施例6におけるグリップ部563と同様にして、耳軟骨と音響インピーダンスが近似する材料(シリコーン系ゴム、シリコーン系ゴムとブタジエン系ゴムとの混合物、天然ゴム、またはこれらに空気泡を密封した構造)によって作られており、携帯電話601外壁に異物が衝突するのを保護するのに適した弾性を備えることである。そして、実施例1の配置とは異なり、軟骨伝導出力部663の裏側に軟骨伝導振動源625が配置されている。
図15(C)の断面から明らかなように軟骨伝導振動源625は軟骨伝導出力部663の裏面に接触している。
【0081】
従って、携帯電話601を折り畳み、軟骨伝導出力部663を耳に当てることにより、軟骨伝導出力部663の介在で軟骨伝導振動源625の振動が広い接触面積で耳軟骨に伝達される。さらに、軟骨伝導振動源625の振動によって共振する軟骨伝導出力部663の外面からの音が外耳道から鼓膜に伝わる。これによって、軟骨伝導振動源625からの音源情報を大きな音として聞くことができる。また、実施例5および実施例6と同様にして、耳に当てられている軟骨伝導出力部663が外耳道を塞ぐ形となるので環境騒音を遮断することもできる。さらに、実施例5および実施例6と同様にして、軟骨伝導出力部663を耳に押し当てる力を増すと外耳道がほぼ完全に塞がれる結果となり、耳栓骨導効果によって軟骨伝導振動源625からの音源情報をさらに大きな音として聞くことができる。なお、軟骨伝導出力部663を介した検知となるが、実施例5および実施例6と同様にして、軟骨伝導振動源625による押圧力検知に基づき、耳栓骨導効果が生じている状態では、マイクからの自声信号への位相反転信号付加が行われる。
【0082】
実施例7が実施例1と異なる第2点目は、
図15(A)に示すように、送話部623が、携帯電話601の下部607の正面ではなく下部607の下端面に設けられている点である。従って、携帯電話601を開いて受話部13を耳に当てて通話をするときも、携帯電話601を閉じて軟骨伝導出力部663を耳に当てて通話をするときも、送話部623が共通に使用者の声を拾うことができる。なお、携帯電話601を軟骨伝導切換対応設定にしておいた場合、携帯電話を開いたとき受話部13が有効になるとともに携帯電話を閉じたとき軟骨伝導振動源525が有効になるよう自動的に切換わる。一方、軟骨伝導切換対応設定をしない場合は、軟骨伝導振動源525が自動的に有効になることはなく、携帯電話の開閉にかかわらず通常の送話受話が機能する。
【0083】
図15(B)の背面斜視図から明らかなように、携帯電話601の背面には、背面主カメラ51、スピーカ51および背面表示部671が設けられる。さらに、携帯電話601の背面には、軟骨伝導切換対応設定が行われていて携帯電話601が閉じられているとき有効となるプッシュプッシュボタン661が備えられている。プッシュプッシュボタン661は、実施例5と同様にして1回目の押下で通話を開始するとともに、通話中において2回目の押下を行うことで通話を切断する機能を有する。なお、上記プッシュプッシュボタン661の1回目の押下は、特定の相手への発呼の際、または着信への応答の際に行われ、いずれの場合も、これによって通話が開始される。
【0084】
図16は、
図15の実施例7における制御部239(
図8流用)の動作のフローチャートである。なお、
図16のフローにおいて、
図14のフローと共通する部分には同一のステップ番号を付し、説明を省略する。
図16も、主に軟骨伝導振動ユニットの機能を説明するため、関連する機能を中心に動作を抽出して図示している。従って、
図14等と同様にして、実施例7でも、一般的な携帯電話の機能等、
図16のフローに表記していない制御部239の動作も存在する。
【0085】
図16のフローでは、通話が開始されてステップS122に至ると軟骨伝導切換対応設定がなされているかどうかチェックする。そしてステップS122で軟骨伝導切換対応設定が確認されるとステップS124に進み、携帯電話が開かれているかどうか、つまり上部607が下部611に重なって折り畳まれている状態から
図15のように開かれた状態になっているかどうかをチェックする。そして携帯電話601が開かれておらず上部607が下部611に重なって折り畳まれている状態であることが確認されるとステップS110に移行し、送話部523をオンするとともに受話部13をオフし、ステップS112で軟骨伝導振動源525をオンしてステップS46に移行する。このようにして、携帯電話601が折り畳まれている状態で軟骨伝導出力部663による受話が可能となる。
【0086】
一方、ステップS122で軟骨伝導切換対応設定が検知されないときは電話機601が折り畳まれているか否かを問うことなくステップS114に移行し、送話部523および受話部13をとともにオンし、ステップS116で軟骨伝導振動源525をオフしてステップS118に移行する。さらに、ステップS106で軟骨伝導切換対応設定が検知されたときにおいてステップS124で携帯電話601が開かれていることが確認されたときも、ステップS114に移行する。
【0087】
図16のフローも、ステップS118において通話状態が断たれたかどうかのチェックが行われ、通話断が検知されない場合はフローがステップS122に戻り、以下、ステップS122、ステップS124、ステップS114からステップS118およびステップS46からステップS56が繰り返される。このようにして、軟骨伝導切換対応設定を予めしておいた場合、使用者は、例えば環境騒音が大きく受話部13では音が聞き取りにくいとき、通話途中で携帯電話601を折り畳み、軟骨伝導出力部663による受話に切換えることにより、環境騒音を遮断したり、耳栓骨導効果によりさらに音を聞き取りやすくしたりする等の対応をとることができる。
【0088】
以上の実施例5から6の特徴をまとめると、携帯電話は、軟骨伝導振動源と、軟骨伝導振動源の振動を耳軟骨に導く伝導体とを有し、この伝導体が弾性体として構成されるか、または、複数個所で耳軟骨に接する大きさもしくは耳軟骨に接して外耳道を塞ぐ大きさを有するか、または、少なくとも耳朶に近似する面積を有するか、または耳軟骨の音響インピーダンスに近似する音響インピーダンスを有する。そして、これらの特徴のいずれかまたはその組合せにより、軟骨伝導振動源による音情報を有効に聞くことができる。また、これらの特徴の活用は、上記の実施例に限るものではない。例えば、上記実施例に開示した材質、大きさ、面積、配置および構造の利点を活用することにより、伝導体を弾性体とせずに本発明を構成することも可能である。
【実施例8】
【0089】
図17は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例8を示す斜視図である。実施例8は、
図13の実施例6と同様、携帯電話機能を備えたデジタルカメラとして構成されており、
図13と同様にして、
図17(A)正面斜視図、
図17(B)は、背面斜視図、
図17(C)は、
図17(B)におけるB−B切断面における断面図である。実施例17は、
図13の実施例6と構造の大半は共通なので、対応する部分には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0090】
実施例8が実施例6と異なるのは、
図17(C)の断面から明らかなように軟骨伝導振動源725がグリップ部763内部に埋め込まれている点である。グリップ部763は、
図13の実施例6と同様、耳軟骨と音響インピーダンスが近似する材料(シリコーン系ゴム、シリコーン系ゴムとブタジエン系ゴムとの混合物、天然ゴム、またはこれらに空気泡を密封した構造)によって作られており、グリップ感を良好にするのに適した弾性を備える。なお、内部の詳細構成は、実施例6と同様、
図8および
図9における実施例4のブロック図を基本的に援用する。
【0091】
図17(C)におけるフレキシブル接続線769は、グリップ部763内部に埋め込まれている軟骨伝導振動源725と、
図8の位相調整ミキサー部236などの回路部分771とを接続するものである。
図17(C)断面図に示すような軟骨伝導振動源725のグリップ部763内部への埋め込み構造は、軟骨伝導振動源725およびフレキシブル接続線769をグリップ部763にインサートした一体成型によって実現可能である。また、グリップ部763をフレキシブル接続線769および軟骨伝導振動源725を境として二体に割り、グリップ部763をフレキシブル接続線769および軟骨伝導振動源725を挟んで両者を接着することによっても実現できる。
【0092】
実施例8において、グリップ部763を耳に当てることによりグリップ部763の介在で軟骨伝導振動源725の振動が広い接触面積で耳軟骨に伝達されること、軟骨伝導振動源725の振動によって共振するグリップ部763の外面からの音が外耳道から鼓膜に伝わること、耳に当てられているグリップ部763が外耳道を塞ぐ形となるので環境騒音を遮断すること、および、グリップ部763を耳に押し当てる力を増すと外耳道がほぼ完全に塞がれる結果となり耳栓骨導効果によって軟骨伝導振動源725からの音源情報をさらに大きな音として聞けることは、実施例6と同様である。また、軟骨伝導振動源525による押圧力検知に基づき、耳栓骨導効果が生じている状態では、マイクからの自声信号への位相反転信号付加が行われることも、実施例6と同様である。なお、実施例8では、軟骨伝導振動源725がグリップ部763に埋め込まれているので、押圧力増加によるグリップ部763の歪みに伴う軟骨伝導振動源725の歪みにより耳栓骨導効果が生じている状態が検知される。
【0093】
実施例8において軟骨伝導振動源725をグリップ部763のような弾性体内部に埋め込む意義は、上記のように良好な音伝導を得ることに加え、軟骨伝導振動源725への衝撃対策とすることにある。実施例8において軟骨伝導振動源725として用いられる圧電バイモルフ素子は衝撃を嫌う性質がある。ここにおいて、実施例8のように軟骨伝導振動源725を周囲から包むように構成することにより、携帯電話の剛構造にかかる衝撃に対する緩衝を図ることができ、常に落下等のリスクに晒される携帯電話への実装を容易にすることができる。そして、軟骨伝導振動源725を包む弾性体は単に緩衝材として機能するだけでなく、上記のようにより軟骨伝導振動源725の振動をより効果的に耳に伝える構成として機能する。
【実施例9】
【0094】
図18は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例9を示す斜視図である。実施例9の携帯電話801は、実施例7と同様にして上部807がヒンジ部603によって下部611の上に折り畳み可能に構成される。そして
図18において、
図15と同様にして、
図18(A)は正面斜視図、
図18(B)は背面斜視図、
図18(C)は
図18(B)におけるB−B切断面における断面図である。
図18の実施例8は、
図15の実施例7と構造の大半は共通なので、対応する部分には同一の番号を付し、説明を省略する。
【0095】
実施例9が実施例7と異なるのは、
図18(C)の断面から明らかなように軟骨伝導振動源825が軟骨伝導出力部863と内部緩衝材873に挟まれている点である。この軟骨伝導出力部863は、実施例7における軟骨伝導出力部663同様、耳軟骨と音響インピーダンスが近似する材料(シリコーン系ゴム、シリコーン系ゴムとブタジエン系ゴムとの混合物、天然ゴム、またはこれらに空気泡を密封した構造)によって作られており、携帯電話601外壁に異物が衝突するのを保護するのに適した弾性を備える。また、内部緩衝材873は、緩衝を目的とする弾性体であれば任意の材料により構成できるが、軟骨伝導出力部863と同じ材料とすることも可能である。なお、内部の詳細構成は、実施例7と同様、
図8および
図9における実施例4のブロック図を基本的に援用する。
【0096】
図18(C)の断面に示すように、軟骨伝導出力部863と内部緩衝材873の間には、軟骨伝導振動源825とフレキシブル接続線869が挟まれている。このフレキシブル接続線869は、実施例8と同様、軟骨伝導振動源825を
図8の位相調整ミキサー部236などの回路部分871に接続するものである。これら軟骨伝導振動源82
5とフレキシブル接続線869を軟骨伝導出力部863と内部緩衝材873の間に挟む構造は、軟骨伝導出力ユニット875内にまとめられており、このような軟骨伝導出力ユニット875が携帯電話801の上部807にはめ込まれている。
【0097】
実施例9においても、軟骨伝導出力部863を耳に当てることにより軟骨伝導出力部863の介在で軟骨伝導振動源825の振動が広い接触面積で耳軟骨に伝達されること、軟骨伝導振動源825の振動によって共振する軟骨伝導出力部863からの音が外耳道から鼓膜に伝わること、耳に当てられている軟骨伝導出力部863が外耳道を塞ぐ形となるので環境騒音を遮断すること、および、軟骨伝導出力部863を耳に押し当てる力を増すと外耳道がほぼ完全に塞がれる結果となり耳栓骨導効果によって軟骨伝導振動源825からの音源情報をさらに大きな音として聞けることは、実施例7と同様である。また、軟骨伝導振動源525による押圧力検知に基づき、耳栓骨導効果が生じている状態では、マイクからの自声信号への位相反転信号付加が行われることも、実施例7と同様である。なお、実施例9では、軟骨伝導振動源825がともに弾性体である軟骨伝導出力部863と内部緩衝材873の間に挟まれているので、実施例8と同様にして、押圧力増加による軟骨伝導出力部863の歪みに伴う軟骨伝導振動源825の歪みにより耳栓骨導効果が生じている状態が検知される。
【0098】
実施例9において、軟骨伝導振動源825が、ともに弾性体である軟骨伝導出力部863と内部緩衝材873の間に挟まれている構造の意義は、上記のように良好な音伝導を得ることに加え、圧電バイモルフによって構成される軟骨伝導振動源825への衝撃対策とすることにある。つまり、実施例8と同様にして、軟骨伝導振動源725を周囲から弾性体で包むように構成することにより、携帯電話の剛構造にかかる衝撃に対する緩衝を図ることができ、常に落下等のリスクに晒される携帯電話への実装を容易にすることができる。そして、軟骨伝導振動源825を挟む弾性体は単に緩衝材として機能するだけでなく、少なくとも外側の弾性体を耳軟骨と音響インピーダンスが近似する材料で成型することにより、上記のようにより軟骨伝導振動源825の振動をより効果的に耳に伝える構成として機能する。
【実施例10】
【0099】
図19は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例10を示す斜視図である。実施例10の携帯電話901は、実施例4と同様にして、可動部のない一体型のものであり、GUI機能を備えた大画面205を有するいわゆるスマートフォンとして構成されている。そしてその構造に共通点が多いので、対応する部分には実施例4と同一の番号を付し、説明を省略する。なお、実施例4と同様にして実施例10でも、「上部」とは分離された上部を意味するものではなく、一体構造の上方の部分を意味するものとする。
【0100】
実施例10が実施例4と異なるのは、圧電バイモルフ素子等からなる軟骨伝導振動源925が軟骨伝導振動源となるとともに、気導によって鼓膜に伝わる音波を発生する受話部の駆動源を兼ねている点である。具体的に述べると、実施例4と同様にして、軟骨伝導振動源925の上部に接触して携帯電話上辺に振動伝導体227が配置されている。さらに、軟骨伝導振動源925の前方には、
実施例7と同様にして耳軟骨と音響インピーダンスが近似する材料(シリコーン系ゴム、シリコーン系ゴムとブタジエン系ゴムとの混合物、天然ゴム、またはこれらに空気泡を密封した構造)によって作られた軟骨伝導出力部963が配置されている。また、後述のように軟骨伝導出力部963は気導によって鼓膜に伝わる音波を発生するための受話部を兼ねるので実施例10では、実施例4のような受話部13の別設はない。
【0101】
以上の構成により、まず、軟骨伝導振動源925の振動は振動伝導体227により側方に伝達され、その両端224および226を振動させるので、そのいずれかをこれを耳珠に接触させることによって軟骨伝導で音を聞くことができる。また、実施例4と同様、振動伝導体227はその右端224および左端226だけで振動するのではなく全体で振動している。従って、実施例10でも、携帯電話901の内側上端辺のどこを耳軟骨に接触させても音声情報を伝達することができる。そして、通常の携帯電話と同様にして軟骨伝導出力部963の一部が外耳道入口正面にくるような形で携帯電話901を耳に当てたときには、振動伝導体227が耳軟骨の広範囲に接触するとともに、軟骨伝導出力部963が耳珠等の耳軟骨に接触する。このような接触を通じ、軟骨伝導によって音を聞くことができる。さらに、実施例5から実施例9と同様にして、軟骨伝導振動源925の振動によって共振させられる軟骨伝導出力部963の外面からの音が外耳道から音波として外耳道から鼓膜に伝わる。このようにして、通常の携帯電話使用状態において、軟骨伝導出力部963は気導による受話部として機能することができる。
【0102】
軟骨伝導は、軟骨への押圧力の大小により伝導が異なり、押圧力を大きくするとより効果的な伝導状態を得ることができる。これは、受話音が聞き取りにくければ携帯電話を耳に押し当てる力を強くするという自然な行動を音量調節に利用できることを意味する。そしてこのような機能は、例えば取扱説明書によって使用者に説明しなくても、使用者が自然な行動を通じて自ずからその機能を理解することができる。実施例10において、軟骨伝導振動源925の振動を剛体である振動伝導体227と弾性体である軟骨伝導出力部963の両者が同時に耳軟骨に接触可能であるよう構成したのは、主に剛体である振動伝導体227の押圧力の調節を通じ、より効果的に音量調節を行うことを可能にするためである。
【0103】
本発明の実施は、上記の実施例に限るものではなく、上記した本発明の種々の利点は、他の実施形態においても享受できる。例えば、実施例10において軟骨伝導出力部963と軟骨伝導出力部963の組合せを気導による受話部専用として機能するよう構成する場合は、軟骨伝導出力部963の配置されている位置に、耳軟骨と音響インピーダンスが近似する材料以外のスピーカとして好適な共振体を配置することができる。この場合でも、実施例10において、圧電バイモルフ素子等からなる軟骨伝導振動源925が軟骨伝導振動源となるとともに、気導によって鼓膜に伝わる音波を発生する受話部の駆動源を兼ねるという特徴とその利点を享受できる。
【実施例11】
【0104】
図20は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例11を示す斜視図である。実施例11の携帯電話1001は、実施例4と同様にして、可動部のない一体型のものであり、GUI機能を備えた大画面205を有するいわゆるスマートフォンとして構成されている。そしてその構造に共通点が多いので、対応する部分には実施例4と同一の番号を付し、説明を省略する。なお、実施例4と同様にして実施例10でも、「上部」とは分離された上部を意味するものではなく、一体構造の上方の部分を意味するものとする。
【0105】
実施例11が実施例4と異なるのは、右耳用振動部1024および左耳用振動部1026が、携帯電話1001の正面ではなく、それぞれ側面1007、および図示の関係で番号を省略している反対側の側面、に設けられていることである。(なお、右耳用振動部1024および左耳用振動部1026の配置が
図7の実施例4に対して左右逆になっていることに注意)機能的には、実施例4と同様にして、実施例11においても右耳用振動部1024および左耳用振動部1026は、それぞれ振動伝導体1027の両端部として構成されており、振動伝導体1027の下部には圧電バイモルフ素子等からなる軟骨伝導振動源1025が接触して配置され、振動伝導体1027にその振動を伝える。これによって、軟骨伝導振動源1025の振動が振動伝導体1027により側方に伝達され、その両端1024および1026を振動させる。振動伝導体1027の両端1024および1026は、携帯電話1001の側面(例えば1007)の上端部分を耳にあてたとき耳珠と接触するよう配置されている。
【0106】
また、マイク等の送話部1023は、右耳用振動部1024および左耳用振動部1026のいずれが耳珠に当てられた状態であっても使用者によって発音される音声を拾うことができるよう、携帯電話1001の下面に設けられている。なお、実施例11の携帯電話1001は、表示部205を観察しながらのテレビ電話のためのスピーカ1013が設けられており、マイク等の送話部1023はテレビ電話の際には感度の切換えが行われ、表示部205を観察中の使用者によって発音される音声を拾うことができる。
【0107】
図21は、右耳用振動部1024と左耳用振動部1026の機能を示す携帯電話1の側面図であり、図示の方法は
図2に準じる。但し、
図20で説明したように、実施例11では右耳用振動部1024および左耳用振動部1026がそれぞれ携帯電話1001の側面に設けられている。従って、実施例11において携帯電話1001を耳に当てる際には、
図21に示すように携帯電話1001の側面が耳珠に当てられる。つまり、
図2のように携帯電話1の表示部5の面が耳珠に当てられるのではないので、表示部205が耳や頬に当たって皮脂などで汚れることがなくなる。
【0108】
具体的に述べると、
図21(A)は、右手に携帯電話1001を持って右耳28を当てている状態を示し、携帯電話1001において耳に当てられているのと反対側の側面が見えているとともに、断面が図示されている表示部205の表面は頬とほぼ直角になって顔の下後方を向いている。この結果、上記のように表示部205が耳や頬に当たって皮脂などで汚れることがなくなる。同様に、
図21(B)は、左手に携帯電話1001を持って左耳30の耳珠34に当てている状態を示し、この場合でも
図21(A)と同様にして、表示部205が頬とほぼ直角になって顔の下後方を向いており、表示部205が耳や頬に当たって皮脂などで汚れることがなくなる。
【0109】
なお、
図21のような使用状態は、例えば
図21(A)の場合、携帯電話1001を右手で持って表示部205を観察している状態からそのまま手を捻らずに帯電話1001を移動させて右耳用振動部1024を耳珠32に当てることにより実現する。従って携帯電話1001を持ち換えたり手を捻ったりすることなく、肘と手首の角度を若干変化させるという右手の自然な動きで表示部205の観察状態と右耳用振動部1024を耳珠32に当てる状態の間の遷移が可能である。なお、上記では説明の単純化のため、
図21の状態は表示部205が頬とほぼ直角になっているものとしたが、手の角度や携帯電話1001を耳に当てる姿勢は使用者が自由に選択することができるので、表示部205が頬の角度は必ずしも直角である必要はなく、適度に傾いていてよい。しかしながら、実施例11の構成によれば、右耳用振動部1024および左耳用振動部1026がそれぞれ携帯電話1001の側面に設けられているので、どのような姿勢でこれらを耳珠32または34に当てたとしても、表示部205が耳や頬に当たって皮脂などで汚れることはない。
【0110】
なお、実施例11では、表示部205が頬の方向を向いて隠れることがなくなる結果、通話先などの表示内容が前後の他人に見える可能性がある。従って実施例11ではプライバシー保護のため、右耳用振動部1024または左耳用振動部1026が耳に当てられている状態では通常表示からプライバシー保護表示(例えば無表示)への切換えが自動的に行われる。その詳細については後述する。
【実施例12】
【0111】
図22は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例12を示す斜視図である。
図22(A)は、後述する取っ手1181が突出していない状態、
図22(B)は、取っ手1181が突出している状態をそれぞれ示す。実施例12の携帯電話1101は、実施例11と同様にして、軟骨伝導用振動部1124が携帯電話1101の側面(
図22で見て左側の側面であり、図示の都合上隠れた面となるので番号を付与せず)に設けられている。なお、実施例12は、携帯電話としては、実施例11と同様の可動部のない一体型のものをベースにしており、GUI機能を備えた大画面205を有するいわゆるスマートフォンとして構成されている。そしてその構造に共通点が多いので、対応する部分には実施例11と同一の番号を付し、説明を省略する。なお、実施例11と同様にして実施例10でも、「上部」とは分離された上部を意味するものではなく、一体構造の上方の部分を意味するものとする。
【0112】
実施例12が実施例11と異なるのは、後述する取っ手1181に関する構成の他、軟骨伝導用振動部1124が携帯電話1101における
図22で見て左の片側の側面に設けられている点である。また、耳に当てられるのは、左側の側面に限られるので、マイク等の送話部1123も、
図22に示すように携帯電話1101の左側面寄りの下面に設けられている。なお、実施例12においても、表示部205を観察しながらのテレビ電話の際には、送話部1023の切換えが行われ、表示部205を観察中の使用者によって発音される音声を拾うことができる。
【0113】
実施例12では、
図22のように表示部205が見えている状態から実施例11と同様にして軟骨伝導用振動部1124を右耳の耳珠に当てることができる。一方、軟骨伝導用振動部1124を左耳の耳珠に当てるには、携帯電話1101が裏向くように持ち換えることにより軟軟骨伝導用振動部1124が左耳に対向するようにすることができる。このような使用は
図22(A)のように取っ手1181を突出させない状態でも可能である。
【0114】
次に取っ手の機能について説明する。
図21のように表示面205が頬とほぼ直角になるような角度で軟骨伝導用振動部1124を耳に当てる際の一つの自然な持ち方は、表示部205が設けられている携帯電話1101の表面および裏面を親指および他の四指で挟む形であるが、このとき表示部205に指がタッチする状態となるので、誤動作の可能性があるとともに通話中の比較的長時間かつ強い接触による指紋汚れのおそれがある。
【0115】
そこで、実施例12では、表示部205への指のタッチを防止しつつ携帯電話1101の保持を容易にするため、必要に応じ、
図22(A)の状態から
図22(B)の状態に取っ手1181を突出させ、この取っ手1181を保持に利用することができるよう構成している。これによって
図22(B)の状態では取っ手1181および携帯電話1101の本体端部を親指および他の四指で挟むことが可能となり、表示部205にタッチすることなく容易に携帯電話1101を保持することができる。また、突出量が比較的大きくなるよう構成する場合には、取っ手1181を握って携帯電話1101を保持することも可能である。なお、
図22(A)の状態の場合と同様、携帯電話1101が裏向くように保持することにより、軟骨伝導用振動部1124を左耳の耳珠に当てることも可能である。
【0116】
図22(A)から取っ手を突出させるには、突出操作ボタン1183を押すことにより、取っ手のロックが外れ、若干突出するのでこれを図引き出すことにより
図22(B)の状態とすることができる。
図22(B)の状態ではロックがかかるので、取っ手1181を持って軟骨伝導用振動部1124を耳珠に押し付ける際にも支障がない。取っ手1181を収納するには、
図22(B)の状態で突出操作ボタン1183を押せばロックが外れるので、
図22(A)の状態にとなるよう取っ手1181を押し込めばロックがかかる。
【0117】
図23は、
図22の実施例12における制御部239(
図8流用)の動作のフローチャートである。なお、
図23のフローは、
図14のフローと共通する部分が多いので該当部分には同一のステップ番号を付し、説明を省略する。
図23も、主に軟骨伝導振動ユニットの機能を説明するため、関連する機能を中心に動作を抽出して図示している。従って、
図14等と同様にして、実施例12でも、一般的な携帯電話の機能等、
図23のフローに表記していない制御部239の動作も存在する。
図23において
図14と異なる部分は太字で示しているので、以下これらの部分を中心に説明する。
【0118】
図23のフローでは、ステップS104に至ると通話開始操作が行われたかどうかチェックする。そして操作がなければ直ちにステップS34に移行する。一方、通話開始操作が検知されるとステップS132に進み、取っ手1181が突出状態にあるかどうかチェックする。そして突出状態になければステップS134に進み、軟骨伝導用振動部1124が耳軟骨に接触している状態にあるかどうかチェックする。そして接触状態が検知されるとステップS136に進む。なお、ステップS132において取っ手1181が突出状態にあることが検知されると直ちにステップS136に移行する。
【0119】
ステップS136では送話部1123をオンするとともにステップS138で軟骨伝導用振動部1124をオンする。一方、ステップS140ではスピーカ1013をオフする。次いでステップS142に進み、表示部205の表示をプライバシー保護表示とする。このプライバシー保護表示は、プライバシー情報を含まない所定の表示とするかまたは無表示状態とする。なお、この時点では表示部205自体をオフすることなく表示内容のみを変更する。このような表示制御を行った後、ステップS52に移行する。なお、ステップSステップS136からステップ142において、既に目的の状態となっている場合はこれらのステップでは結果的に何もせずステップS52に至る。
【0120】
一方、ステップS134で軟骨伝導用振動部1124が耳軟骨に接触している状態にあることが検知されないときは、ステップS144に移行し、送話部144をオンするとともに、ステップS146で軟骨伝導用振動部1124をオフする。一方、ステップS148ではスピーカ1013をオンする。次いでステップS150に進み、表示部205の表示を通常表示とする。このような表示制御を行った後、ステップS118に移行する。なお、ステップSステップS144からステップ150においても、既に目的の状態となっている場合はこれらのステップでは結果的に何もせずステップS118に至る。
【0121】
ステップS142に後続するステップS52からステップS56、ステップS118およびステップS34、ならびに150に後続するステップS118およびステップS34は、
図14と共通なので説明を省略する。なお、ステップS118に移行すると通話状態が断たれたかどうかのチェックが行われ、通話断が検知されない場合はフローがステップS132に戻り、以下、ステップS132からステップS150およびステップS52からステップS56が繰り返される。これによって、取っ手の出し入れまたは軟骨伝導用振動部1124の接触非接触により、軟骨伝導用振動部1124とスピーカ1013の切換えおよび表示の切換えが自動的に行われる。また、軟骨伝導用振動部1124がオンとなっている状態では、耳栓骨伝導効果の有無に基づく自声位相反転信号付加の有無の切換えが自動的に行われる。
【0122】
なお、上記のステップの繰り返しにおいて、表示部205の表示がステップS142において最初にプライバシー保護表示に変わってから所定時間が経過したかを判断するステップおよび所定時間経過があったときに省電力の目的で表示部205自体をオフするステップをステップS142とステップS52の間に挿入してもよい。このとき、これに対応して、ステップS148とステップS5の間に表示部205がオフになっているときこれをオンするステップを挿入する。また、
図23のフローは、ステップS132を省略することにより、
図20の実施例11にも採用することができる。
【実施例13】
【0123】
図24は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例13を示す斜視図である。
図24(A)は、後述する送受話ユニット1281が携帯電話1201と一体化している状態、
図24(B)は、送受話ユニット1281が分離されている状態をそれぞれ示す。実施例13の携帯電話1201は、
図24(A)の状態において軟骨伝導用振動部1226が携帯電話1201の側面1007に配置された状態となっている。この点では、実施例11および実施例12と同様である。なお、実施例13は、携帯電話としては、実施例11および実施例12と同様の可動部のない一体型のものをベースにしており、GUI機能を備えた大画面205を有するいわゆるスマートフォンとして構成されている。そしてその構造に共通点が多いので、対応する部分には実施例12と同一の番号を付し、説明を省略する。なお、実施例11および実施例12と同様にして実施例13でも、「上部」とは分離された上部を意味するものではなく、一体構造の上方の部分を意味するものとする。
【0124】
実施例13は、
図24(A)の状態では、軟骨伝導用振動部1226および送話部1223が
図24で見て右側に配置されていることを除き、実施例12の
図22(A)と同様の構成である。但し、
図24のように表示部205が見えている状態からは、軟骨伝導用振動部1126は左耳の耳珠に当てられる。そして、軟骨伝導用振動部1126を右耳の耳珠に当てるには、携帯電話1201が裏向くように持ち換えることにより軟軟骨伝導用振動部1126が左耳に対向するようにする。
【0125】
実施例13が、実施例12と異なるのは、軟骨伝導用振動部1226および送話部1223を含む送受話ユニット1281が
図24(B)のように携帯電話1201から分離できる点である。送受話ユニット1281の携帯電話1201からの着脱は、着脱ロックボタン1283を操作することにより可能である。送受話ユニット1281はさらに、電源部を含む軟骨伝導用振動部1226および送話部1223のための制御部1239、および送受話操作部1209を有する。送受話ユニット1281はまた。携帯電話1201と電波1285で無線通信可能なBluetooth(商標)などの近距離通信部1287を有し、送話部1223から拾った使用者の音声および軟骨伝導用振動部1226の耳への接触状態の情報を携帯電話1201に送信するとともに、携帯電話1201から受信した音声情報に基づき軟骨伝導用振動部1226を振動させる。
【0126】
上記のようにして分離した送受話ユニット1281は、ペンシル型送受話ユニットとして機能し、軟骨伝導用振動部1226を自由に持って右耳または左耳の耳珠に接触させることにより通話が可能である。また、耳珠への接触圧を高めることで耳栓骨導電効果を得ることもできる。また、分離させた状態の送受話ユニット1281は、軟骨伝導用振動部1226の長軸周りのいずれの面または先端を耳に当てても、軟骨伝導により音を聞くことができる。さらに、送受話ユニット1281は、通常は
図24(A)のようにして携帯電話1201に収納して適宜
図24(B)のように分離させる使用方法の他、
図24(B)のように分離させた状態で、例えば携帯電話1201は内ポケットやカバンに収納するとともに、送受話ユニット1281はペンシルのように胸の外ポケットに挿しておき、発呼および着信時の操作および通話は送受話ユニット1281のみで行うような使用法も可能である。なお、軟骨伝導用振動部1226は、着信のバイブレータとして機能させることもできる。
【0127】
実施例13のようなペンシル型の送受話ユニット1281は、収納部を有する専用の携帯電話1201との組合せで構成する場合に限るものではない。例えば、Bluetooth(商標)などによる近距離通信機能を有する一般の携帯電話のアクセサリとして構成することも可能である。
【実施例14】
【0128】
図25は、本発明の実施の形態に係る携帯電話の実施例14を示す斜視図である。
図25(A)は、後述する送受話ユニット1381が携帯電話1201に収納されている状態、
図25(B)は、送受話ユニット1281が引き出されている状態をそれぞれ示す。実施例14の携帯電話1301は、
図25(A)の状態において軟骨伝導用振動部1326が携帯電話1301の側面1007に配置された状態となっている。この点では、実施例11から実施例13と同様である。なお、実施例14は、携帯電話としては、実施例11から実施例13と同様の可動部のない一体型のものをベースにしており、GUI機能を備えた大画面205を有するいわゆるスマートフォンとして構成されている。そしてその構造に共通点が多いので、対応する部分には実施例13と同一の番号を付し、説明を省略する。なお、実施例11から実施例13と同様にして実施例14でも、「上部」とは分離された上部を意味するものではなく、一体構造の上方の部分を意味するものとする。
【0129】
実施例14も、
図25(A)の状態では、実施例13の
図24(A)と同様の構成である。実施例14が、実施例13と異なるのは、
図25(B)に示すように、送受話ユニット1381が無線ではなく有線で携帯電話1301と交信する点である。送受話ユニット1381の携帯電話1301からの着脱は、実施例13と同様にして着脱ロックボタン1283を操作することにより可能である。送受話ユニット1381においては、軟骨伝導用振動部1326と送話部1323の間および送話部1323と携帯電話1301の間がそれぞれケーブル1339で接続されている。なお、
図25(A)の収納状態においては、ケーブル1339の内、軟骨伝導用振動部1326と送話部1323の間の部分は側面1007の溝内に収納されるとともに、送話部1323と携帯電話1301の間の部分は送話部1323を収納する際、スプリングによって携帯電話1301内部に自動的に巻き取られる。なお、送話部1323には、発呼および着信時の操作のためのリモコン操作部が備えられている。以上のようにして、実施例14では、送話部1323から拾った使用者の音声および軟骨伝導用振動部1326の耳への接触状態の情報が有線で携帯電話1301に送信されるとともに、携帯電話1301から有線で受信した音声情報に基づき軟骨伝導用振動部1326が振動させられる。
【0130】
図25(B)のように引き出された送受話ユニット1381は、軟骨伝導用振動部1326の部分が耳珠に触れるよう外耳道入口の下部軟骨に引っ掛けて使用する。そしてこの状態で送話部1323が口の近くに位置するので使用者の声を拾うことができる。また、軟骨伝導用振動部1326の部分を持って耳珠への接触圧を高めることで耳栓骨導電効果を得ることもできる。さらに、送受話ユニット1381は、通常は
図25(A)のようにして携帯電話1301に収納して適宜
図25(B)のように引き出す使用方法の他、
図25(B)のように送受話ユニット1381を引き出した状態で、例えば携帯電話1301は内ポケット等に収納するとともに、送受話ユニット1381の軟骨伝導用振動部1326を耳に引っ掛けたままとしておくような使用法も可能である。なお、軟骨伝導用振動部1326は、実施例13と同様にして、着信のバイブレータとして機能させることもできる。
【0131】
実施例14のような有線イヤホン型の送受話ユニット1381は、収納部を有する専用の携帯電話1301との組合せで構成する場合に限るものではない。例えば、外部イヤホンマイク接続端子を有する一般の携帯電話のアクセサリとして構成することも可能である。
【0132】
以上の各実施例に示した種々の特徴は、必ずしも個々の実施例に特有のものではなく、それぞれの実施例の特徴は、その利点が活用可能な限り、適宜、他の実施例の特徴と組み合わせたり、組み替えたりすることが可能である。
【0133】
また、以上の各実施例に示した種々の特徴の実施は、上記の実施例に限るものではなく、その利点を享受できる限り、他の実施例でも実施可能である。例えば、実施例11から実施リ例14における表示面に対する側面への軟骨伝導用振動部の配置は、軟骨伝導により耳珠から音声情報を伝える構成であることにより、耳珠への接触を容易にし、音情報の伝導ポイントを耳珠とすることができるため、耳で聞くという従来からの電話に近似した違和感のない傾聴姿勢を実現するものである。また、軟骨伝導による音声伝達は、気導の場合のように外耳道口の前に閉空間を形成する必要がないので側面への配置に適している。さらに、軟骨伝導により音情報を伝導させるため、振動体の振動により気導を生じる割合が少なく、幅の狭い携帯電話の側面に軟骨伝導用振動部を配置しても、外部への実質的な音漏れを伴うことなしに使用者の外耳道内に音を伝えることができる。これは、軟骨伝導においては、気導音として外耳道内に音が入るのではなく、音エネルギーが軟骨に接触することによって伝達され、その後耳の組織の振動によって外耳道の内部で音が生成されるからである。従って、実施例11から実施リ例14における軟骨伝導用振動部の採用は、音漏れによって隣にいる人に受話音が聞こえて迷惑をかけたりプライバシーが漏れたりする恐れなしに、表示面に対する側面に音情報出力部を配置する上でも効果が大きい。
【0134】
しかしながら、音声情報を聞く際の耳や頬の接触による表示面の汚れを防止することができる利点を享受するという点から見ると、表示面に対する側面への配置は、配置される音声情報出力部が軟骨伝導振動部である場合に限るものではない。例えば、音声情報出力部を気導によるイヤホンとし、これを表示面に対する側面に設けるよう構成してもよい。また、音声情報出力部を耳の前の骨(頬骨弓)または耳の後の骨(乳突部)または額にあてる骨伝導振動部とし、これを表示面に対する側面に配置するよう構成してもよい。これらの音声情報出力部の場合でも、表示面に対する側面への配置によって、音声情報を聞く際に表示面が耳や頬に接触することがなくなるのでその汚れを防止できる利点を享受可能である。そして、これらの場合においても、イヤホンや骨伝導振動部の配置が片側の側面に限る場合は、実施例12から実施例14のようにマイクについても表示面に対する側面に配置することができる。また、実施例11から実施例14と同様にして、
図21のような姿勢でイヤホンを耳に当てて通話をする際、または骨伝導振動部を耳の前後の骨に当てて通話をする際において、表示面をプライバシー保護表示とすることにより、プライバシー情報を含む表示が前後または左右の他人に見えるのを防止することができる。
【実施例15】
【0135】
図26は、本発明の実施の形態に係る実施例15のシステム構成図である。実施例15は携帯電話のための送受話ユニットとして構成されており、携帯電話1401とともに携帯電話システムをなす。実施例15は、実施例13において
図24(B)のように送受話ユニット1281が携帯電話1201から分離された状態のシステム構成と共通するシステム構成となっているので、共通する部分には共通する番号を付し、特に必要ない限り説明を省略する。なお、携帯電話1401は、実施例13の携帯電話1201と同様にして、送受話ユニットとの組合せで用いるべく特別に構成される場合に限るものではなく、例えば、Bluetooth(商標)などによる近距離通信機能を有する一般の携帯電話として構成される場合であってもよい。この場合、送受話ユニットは、実施例13と同様にして、このような一般の携帯電話1401のアクセサリとして構成されることになる。これらの2つの場合についての詳細については後述する。
【0136】
実施例15が、実施例13と異なるのは、送受話ユニットが実施例13のようなペンシル型ではなく、ヘッドセット1481として構成される点である。送受話ユニット1481が、圧電バイモルフ等を有する軟骨伝導用振動部1426および送話部1423を有すること、軟骨伝導用振動部1426および送話部1423のための電源部を含む制御部1439を有すること、および送受話操作部1409を有することについては、実施例13に準じる。さらに、送受話ユニット1481が、携帯電話1401と電波1285で無線通信可能なBluetooth(商標)などの近距離通信部1487を有し、送話部1423から拾った使用者の音声をおよび軟骨伝導用振動部1226の耳への接触状態の情報を携帯電話1201に送信するとともに、携帯電話1401から受信した音声情報に基づき軟骨伝導用振動部1426を振動させることについても、実施例13に準じる。
【0137】
次に、実施例15特有の構成について説明すると、ヘッドセット1481は、耳掛け部1489により右耳28に取り付けられる。ヘッドセット1481は、弾性体1473によって保持される可動部1491を有し、軟骨伝導用振動部1426はこの可動部1491によって保持されている。そして、ヘッドセット1481が耳掛け部1489により右耳28に取り付けられた状態において、軟骨伝導用振動部1426が耳珠32に接触するよう構成される。なお、弾性体1473は、可動部1491を耳珠32の方向に屈曲させることを可能とするとともに、軟骨伝導用振動部1426への緩衝材としても機能し、ヘッドセット1481にかかる機械的衝撃から軟骨伝導用振動部1426を保護する。
【0138】
図26の状態において通常の軟骨伝導による音情報の聴取が可能となるが、環境騒音で音情報が聞き取りにくい時は、可動部1491を外側から押すことによってこれを屈曲させ、軟骨伝導用振動部1426をより強く耳珠32に圧接することによって耳珠32が耳穴を塞ぐようにする。これによって、他の実施例でも説明した耳栓骨導効果が生じ、さらに大きな音で音声情報を伝えることができる。さらに耳珠32で耳穴を塞ぐことにより環境騒音を遮断することができる。また、可動部1491の屈曲状態の機械的検知に基づいて送話部1423から拾った自分の声の情報の位相を反転させて軟骨伝導用振動部1426に伝え、自分の声をキャンセルする。その効用等は他の実施例で説明したので詳細は割愛する。
【実施例16】
【0139】
図27は、本発明の実施の形態に係る実施例16のシステム構成図である。実施例16も、実施例15と同様にして携帯電話1401のための送受話ユニットをなすヘッドセット1581として構成されており、携帯電話1401とともに携帯電話システムをなす。実施例16は、実施例15と共通点が多いので、共通する部分には共通する番号を付し、特に必要ない限り説明を省略する。なお、携帯電話1401は、実施例15でも説明したとおり、特別に構成される場合および一般の携帯電話として構成される場合のいずれであってもよい。これら2つの場合については後述する。
【0140】
実施例16が、実施例15と異なるのは、可動部1591全体が耳軟骨と音響インピーダンスが近似する弾性材料(シリコーン系ゴム、シリコーン系ゴムとブタジエン系ゴムとの混合物、天然ゴム、またはこれらに空気泡を密封した構造)によって作られていることである。また、圧電バイモルフ等を有する軟骨伝導用振動部1526は、実施例8と同様にして可動部1591の内部に埋め込まれている。このような構成により、可動部1591は、それ自身の弾性により軟骨伝導用振動部1526を含んで耳珠32側に屈曲させられることが可能となっている。なお、簡単のため図示を省略しているが、軟骨伝導用振動部1526と制御部1439などの回路部分は、
図17(C)におけるフレキシブル接続線769と同様の接続線により接続されている。
【0141】
実施例16では、
図27の状態において可動部1591が耳珠32に接触しており、軟骨伝導用振動部1526からの音情報は可動部1591の弾性材料を介した軟骨伝導により耳珠32に伝導される。この構成による効用は、実施例5から実施例10で説明したものと同様である。さらに、環境騒音で音情報が聞き取りにくい時は、可動部1591を外側から押すことによってこれを屈曲させ、軟骨伝導用振動部1526をより強く耳珠32に圧接することによって耳珠32が耳穴を塞ぐようにする。これによって、実施例15と同様にして耳栓骨導効果が生じ、さらに大きな音で音声情報を伝えることができる。耳珠32で耳穴を塞ぐことにより環境騒音を遮断することができることも実施例15と同様である。また、可動部1591の屈曲状態の機械的検知に基づいて送話部1423から拾った自分の声の情報の位相を反転させて軟骨伝導用振動部1526に伝え、自分の声をキャンセルできることも実施例15と同様である。
【0142】
さらに、実施例16では、軟骨伝導用振動部1526が可動部1591の内部に埋め込まれているため、可動部1591を構成する弾性材料は、ヘッドセット1581にかかる機械的衝撃から軟骨伝導用振動部1426を保護するとともに可動部1691自体への機械的衝撃からも軟骨伝導用振動部1426を保護する緩衝材として機能する。
【0143】
図28は、実施例16のブロック図であり、同一部分には
図27と同一番号を付す。また、ブロック図の構成は実施例4と共通する部分が多いので対応する部分にはこれらの各部と同一の番号を付す。そして、これら同一または共通部分については、特に必要のない限り、説明を省略する。なお、実施例16において、
図28の受話処理部212とイヤホン213は、
図27の受話部13に相当し、
図28の送話処理部222とマイク223が、
図27の送話部23に相当する。実施例4と同様にして、送話処理部222は、マイク223から拾った操作者の音声の一部をサイドトーンとして受話処理部212に伝達し、受話処理部212は電話通信部47からの通話相手の声に操作者自身のサイドトーンを重畳してイヤホン213に出力することによって、携帯電話1401を耳に当てている状態の自分の声の骨導と気導のバランスを自然な状態に近くする。
【0144】
図28における実施例16のブロック図が
図8における実施例4のブロック図と異なるのは、
図8における実施例4の携帯電話301が、
図28の実施例16において携帯電話1401と送受話ユニットをなすヘッドセット1581に分けられていることである。つまり、
図28は、実施例16において、携帯電話1401がヘッドセット1581との組み合わせで用いるべく特別に構成される場合のブロック図に該当する。
【0145】
具体的に述べると、
図28においては、位相調整ミキサー部236の出力がBluetooth(商標)などによる近距離通信部1446により外部に無線送信される。近距離通信部1446は、また、外部マイクから無線で受信した音声信号を送話処理部に入力する。さらに、他の実施例では図示と説明を省略していたが、
図28では携帯電話1401全体に給電する蓄電池を有する電源部1448を図示している。
【0146】
一方、ヘッドセット1581の構成は、携帯電話1401の近距離通信部1446と電波1285で交信する近距離通信部1487を有するとともに、ヘッドセット1581全体に給電する電源部1548を有する。電源部1548は、交換可能な電池または内蔵の蓄電池により給電を行う。また、ヘッドセット1581の制御部1439は、マイク1423で拾った音声を近距離通信部1487から携帯電話1401に無線送信させるとともに、近距離通信部1487で受信した音声情報に基づき、軟骨伝導振動部1526を駆動制御する。さらに、制御部1439は、操作部1409による着信受信操作または発呼操作を近距離通信部1487から携帯電話1401に伝達する。屈曲検知部1588は、可動部1591の屈曲状態を機械的に検知し、制御部1439は、この屈曲検知情報を近距離通信部1487から携帯電話1401に伝達する。屈曲検知部1588は、例えば屈曲角度所定以上に達した時メカ的にオンとなるスイッチで構成することができる。携帯電話1401の制御部239は、近距離通信部1446で受信した屈曲検知情報に基づき位相調整ミキサー部236を制御し、マイク1423から送話処理部222に伝達された自分の声に基づく位相反転部240の信号を受話処理部212からの音声情報に付加するか否かを決定する。
【実施例17】
【0147】
図29は、
図27の実施例16において、携帯電話1401を一般の携帯電話として構成するとともに、ヘッドセット1581をそのアクセサリとして構成した場合のブロック図であり、
図28との混乱を避けるため、実施例17として説明する。
図29は、
図28と共通する構成が多いので、同一部分には
図28と同一番号を付し、特に必要のない限り、説明を省略する。
【0148】
上記のように、
図29における実施例17では、携帯電話1601は、Bluetooth(商標)などによる近距離通信機能を有する一般の携帯電話として構成されている。具体的には、近距離通信部1446は、マイク223から入力されるのと同様の外部マイクからの音声情報を送話処理部222に入力するとともに、イヤホン213に出力するのと同様の音声情報を外部に出力する。そしてこれら近距離通信部1446を通じて外部との間で入出力される音声情報と内部のマイク223およびイヤホン213との切換えは、制御部239によって行われている。以上のようにして、
図29の実施例17では、
図28の実施例16における音質調整部238、位相反転部240および位相調整ミキサー部236の機能はヘッドセット1681側に移されている
【0149】
上記に対応して、
図29の実施例17におけるヘッドセット1681では、以下の点において
図28における実施例16と構成が異なっている。位相調整ミキサー部1636には、ヘッドセット1681の制御部1639の制御により近距離通信部1487で受信した受話音声情報が入力されるが、さらに位相反転部1640からの音声情報も入力可能なように構成される。そして位相調整ミキサー部1636は、必要に応じ、位相反転部1640からの音声情報を受信した受話音声情報にミキシングして軟骨伝導振動部1626を駆動する。より詳細に説明すると、マイク1423から拾った操作者の音声の一部が音質調整部1638に入力され、軟骨伝導振動ユニット1628から蝸牛に伝えるべき自分の声の音質を耳栓骨導効果発生時に声帯から体内伝導で蝸牛に伝わる操作者自身の声に近似した音質に調整し、両者のキャンセルを効果的にする。そして、位相反転部1640はこのようにして音質調整された自分の声を位相反転し、必要に応じ、位相調整ミキサー部1636に出力する。
【0150】
具体的なミキシング制御について説明すると、位相調整ミキサー部1636は、屈曲検知部1588の検知する可動部1591の屈曲角度が所定以上に達し、これによって押される耳珠で耳穴が塞がれる状態に該当するときは、制御部1639からの指示によって位相反転部1640からの出力をミキシングして軟骨伝導振動ユニット228を駆動する。これによって、耳栓骨導効果発生中の過度の自分の声がキャンセルされ、違和感の緩和が図られる。このとき、サイドトーン相当分の自分の声はキャンセルせずに残すようキャンセルの程度が調節される。一方、屈曲検知部が所定以上の屈曲を検知しないときは、耳穴が耳珠で塞がれておらず耳栓骨導効果が生じていない状態に該当するので、位相調整ミキサー部は制御部1639の指示に基づき、位相反転部1640からの自声位相反転出力のミキシングを行わない。なお、実施例4と同様にして、
図29の実施例17においても、音質調整部1638と位相反転部1640の位置は逆転して構成してもよい。さらに、音質調整部1638および位相反転部1640は、位相調整ミキサー部1636内の機能として一体化してもよい。なお、制御部1639が操作部1409による着信受信操作または発呼操作を近距離通信部1487から携帯電話1401に伝達するてんは、実施例16と同様である。
【0151】
図28および
図29のブロック図は、
図27のシステム図の構成だけでなく、
図26の実施例15のシステム図にも適用可能である。また、屈曲検知部1588を
図8におけるような押圧センサ242に読み替えれば、
図24の実施例13または
図25の実施例14にも適用可能である。但し、実施例13に読み替える場合、
図24(A)のように送受話ユニット1281が携帯電話1201に合体させられた場合において両者を直接接続する接点部を携帯電話1201および送受話ユニット1281に設ける。
図24(A)の状態においては、近距離通信部による携帯電話1201と送受話ユニット1281との間の無線通信交信は、このような接点部を介した通信に自動的に切換わる。また、実施例14に読み替える場合、近距離通信部に代えて両者を有線で接続するコネクタ競接点を携帯電話1301および送受話ユニット1381に設ける。
【0152】
図30は、
図29の実施例17におけるヘッドセット1681の制御部1639の動作のフローチャートである。
図30のフローは、操作部1409による主電源のオンでスタートし、ステップS162で初期立上および各部機能チェックを行う。次いでステップS164では、携帯電話1601との間の近距離通信接続を指示してステップS166に移行する。なお、ステップS164の指示に基づいて近距離通信が確立されると、以後主電源がオフされない限り、ヘッドセット1681は携帯電話1601と常時接続状態となる。ステップS166では、携帯電話1601との間の近距離通信が確立したかどうかチェックし、確立が確認されるとステップS168に移行する。
【0153】
ステップS168では、携帯電話1601からの着信信号が近距離通信を通じて伝達されたか否かのチェックを行う。そして着信があればステップS170に進み、軟骨伝導振動部1626が着信振動するよう駆動する。この着信振動は可聴域の周波数としてもよいが、耳珠32でバイブレーションを感じることができる振幅の大きい低周波域の振動としてもよい。次いでステップS172では、電話を掛けてきた側の発呼中止操作などによって着信信号が停止したかどうかチェックし、停止がなければステップS174に進んで操作部1409による受信操作があったかどうかチェックする。そして受信操作があればステップS174に移行する。一方、ステップS174で受信操作がなければフローはステップS170に戻り、以下、軟骨伝導振動部1626の着信振動が停止するか受信操作が行われるかしない限り、ステップS170からステップS174のループが繰り返される。
【0154】
一方、ステップS168で着信信号が検知されない場合はステップS178に移行し、操作部1409によって登録済みの通話先へのワンタッチでの発呼操作が行われたかどうかチェックする。そして発呼操作が検知されるとステップS180に進み、発呼操作が携帯電話1601に伝達されて発呼が行われ、これに対する相手からの応答により電話接続が成立した旨の信号が携帯電話1601から伝達されたか否かチェックする。そしてステップS180で電話接続の成立が確認されるとステップS176に移行する。
【0155】
ステップS176では、軟骨伝導振動部1626を音声情報の受話のためにオンするとともに、ステップS182でマイク1423を送話のためにオンしてステップS184に移行する。ステップS184では、可動部1591の所定角度以上の屈曲が検知されたかどうかチェックする。そして、屈曲が検知されたときはステップS186に進み、自分の声の位相反転信号を軟骨伝導振動部1626に付加してステップS188に移行する。一方、ステップS184で所定角度以上の屈曲が検知されないときはステップS190に移行し、自分の声の位相反転信号の軟骨伝導振動部1626への付加をなくしてステップS188に移行する。ステップS188では通話状態が断たれ他旨の信号を携帯電話1601から受信したか否かをチェックし、通話が断たれていなければステップS176に戻って、以下ステップS188で通話断が検知されるまでステップS176からステップS188を繰り返す。これによって通話中の可動部1591の屈曲に基づく耳栓骨導効果の発生および消滅に対応する。
【0156】
一方、ステップS188で通話断の信号が携帯電話1601から受信されたことが検知されたときはステップS192に進み、軟骨伝導振動部1626による受話をオフするとともにマイク1423による送話をオフしてステップS194に移行する。ステップS194では、無通話状態が所定時間以上続いているかどうかチェックし、該当すればステップS196に移行する。ステップS196では、近距離通信部1487の待ち受け状態の維持に必要な最低レベルまでクロック周波数を落とすなどの省電力待機状態への移行を行うとともに携帯電話1487からの着信信号受信または操作部1409の発呼操作に応答して近距離通信部1487を通常通信状態に復帰させるための割り込みを可能にする処理を行う。そしてこのような処理の後ステップS198に移行する。一方、ステップS194で所定時間以上の無通話状態が検知されないときは直接ステップS198に移行する。なお、ステップS166で近距離通信の確立が確認できないとき、またはステップS178で発呼操作を検知しないとき、またはステップS180で電話接続の成立が確認できないときは、いずれも直接ステップS198に移行する。
【0157】
ステップS198では、操作部1409により主電源がオフされたかどうかをチェックし、主電源オフが検知された場合はフローを終了する。一方、主電源オフが検知されない場合、フローはステップS166に戻り、以下主電源のオフがない限り、ステップS166からステップS198を繰り返して、ヘッドセット1681の種々の状態変化に対応する。
【0158】
なお、
図30のフローは、
図27のシステム図の構成だけでなく、
図26の実施例15のシステム図にも適用可能である。また、ステップS184の「屈曲検知」を
図10のステップS52におけるような「耳栓骨導効果」発生状態の有無検知に読み替えれば、
図24の実施例13または
図25の実施例14にも適用可能である。
【実施例18】
【0159】
図31は、
図30の実施例17において屈曲検知をメカ的なスイッチにより行っていたものに代え、これをソフト的に行うよう構成したヘッドセットの制御部のフローチャートであり、
図30との混乱を避けるため、実施例18として説明する。また、
図31においては、
図30と共通するステップについては同一のステップ番号を付し、特に必要のない限り、説明を省略する。そして
図31において異なる部分を太枠および太字で示し、これらの部分を中心に説明する。具体的に述べると、実施例18では、軟骨伝導振動部1626が圧電バイモルフ素子であることを前提とし、
図9における実施例4に準じて位相調整ミキサー部1636と軟骨伝導振動部1626を結ぶ信号線に現れる信号をモニタし、可動部1591の屈曲または屈曲からの復帰の瞬間の操作衝撃に基づく歪によって軟骨伝導振動部(圧電バイモルフ素子)1526に現れる信号変化を検知するよう構成される。そしてこの信号変化をソフト的に処理することにより屈曲状態を検知するようにしている。
【0160】
以上の前提に基づき、
図31において
図30と異なるところを説明すると、まずステップS200は、
図30のステップS170からステップS174、ステップS178およびステップS180をまとめて図示したものであり、内容的には同じものである。そして着信に対する受信操作または発呼に対する相手の応答に基づいて電話接続が成立するとステップS176に移行するとともに、電話接続がなければステップS198に移行する。
【0161】
ステップS202からステップS210が屈曲検知に関するステップであり、ステップS182からステップS202に至ると、まず軟骨伝送振動部1626の入力端子(位相調整ミキサー部1636と軟骨伝導振動部1626を結ぶ信号線)に現れる信号をサンプリングする。そしてステップS204では、同じタイミングで制御部1639から位相調整ミキサー部1636に向かう軟骨伝導部駆動出力を同じタイミングでサンプリングする。次いでステップS206では、これらのサンプリング値の差を演算し、ステップS208で演算された差が所定以上かどうか検知する。この機能は、
図9における王圧センサ242の機能に対応するが、
図9の押圧センサでは押圧状態が継続して検知されるのに対し、
図27のシステムでは屈曲または屈曲からの復帰の瞬間の操作衝撃により屈曲状態の変化を捉える。
【0162】
ステップS208で両サンプリング値に所定以上の差が発生していることが検知されるとステップS210に移行する。ステップS208の段階では、両サンプリング値に所定以上の差が屈曲によって生じたか屈曲からの復帰によって生じたかはわからない。しかしステップS210では、差の発生履歴に基づいて、軟骨伝送振動部1626がステップS176でオンされてから後、差の発生が奇数回目であったかどうかチェックする。そして奇数回目であればステップS186に移行するとともに、偶数回目であればステップS190に移行する。可動部1691の屈曲または屈曲からの復帰は必ず交互に起こるので上記のようにして操作衝撃があるたびに自声位相反転信号を付加するか否かを切換える。なお、万一誤動作により差のカウントが逆転したときは操作部1409により差の発生履歴をリセットすることができる。
【0163】
ステップS212は、
図30のステップS194およびステップS196をまとめて図示したものであり、内容的には同じものである。以上のようにして、実施例18では、実施例4などと同様にして、軟骨伝導振動部1626自体のセンサ機能を利用して可動部1591の屈曲検知を行うことにより、耳栓骨導効果の発生状態を判断している。なお、
図31のフローは、
図27のシステム図の構成だけでなく、
図26の実施例15のシステム図にも適用可能である。また、実施例5から10のように軟骨伝送振動部が弾性体で保持されている場合において、耳栓骨導効果の発生状態において軟骨伝送振動部の歪が継続しない場合にも
図31の耳栓骨導効果発生検知方式を採用することができる。
【実施例19】
【0164】
図32は、本発明の実施の形態に係る実施例19のシステム構成図である。実施例19も携帯電話のための送受話ユニットとして構成されており、携帯電話1401とともに携帯電話システムをなす。実施例19では、
図32に示すように送受話ユニットが眼鏡1781として構成されている。実施例19は、実施例19は、実施例15と共通するシステム構成となっているので、共通する部分には共通する番号を付し、特に説明を行わない場合その構成は実施例15と共通であるものとする。なお、実施例19においても、携帯電話1401は、送受話ユニットをなす眼鏡1781との組合せで用いるべく特別に構成される場合、および近距離通信機能を有する一般の携帯電話として構成される場合のいずれであってもよい。後者の場合、眼鏡1781は、実施例15と同様にして、携帯電話1401のアクセサリとして構成されることになる。
【0165】
実施例19では、
図32に示すように可動部1791が眼鏡1781のツルの部分に回転可能に取り付けられており、図示の状態において、軟骨伝導用振動部1726が右耳28の耳珠32に接触している。可動部1791は、これを使用しない場合、一点鎖線1792に示すように眼鏡1781のツルに沿う位置に回転退避させることができる。この退避状態においても、軟骨伝導用振動部1726は低周波で振動させることが可能であり、これによって眼鏡1781のツルの振動を顔で感じることで着信を知ることができる。また、眼鏡のツルの前方部分には、送話部1723が配置されている。また、眼鏡のツルの部分には電源部を含む制御部1739が配置され、軟骨伝導用振動部1726および送話部1723の制御を行っている。さらに眼鏡のツルの部分には、携帯電話1401と電波1285で無線通信可能なBluetooth(商標)などの近距離通信部1787が配置され、送話部1723から拾った使用者の音声を携帯電話1401に送信するとともに、携帯電話1401から受信した音声情報に基づき軟骨伝導用振動部1726を振動させることを可能にしている。なお、眼鏡1781のツルの後方端部には送受話操作部1709が設けられている。この位置は、眼鏡1781のツルが耳の後の骨(乳突部)に当たる部分なのでこれに裏打ち状態で支えられることになり、眼鏡を変形させることなくツルの表側から押圧などの送受話操作を容易に行うことができる。なお、上記の各要素の配置は上記に限るものではなく、例えば全ての要素またはその一部を適宜可動部1726にまとめて配置してもよい。
【0166】
可動部1791は、その途中において弾性体1773が介在しており、環境騒音で音情報が聞き取りにくい時において、可動部1791を外側から押してこれを屈曲させ、軟骨伝導用振動部1726をより強く耳珠32に圧接することによって耳珠32が耳穴を塞ぐようにするのを容易にしている。これによって、他の実施例でも説明した耳栓骨導効果が生じ、さらに大きな音で音声情報を伝えることができる。また、可動部1791の屈曲状態の機械的検知に基づいて送話部1723から拾った自分の声の情報の位相を反転させて軟骨伝導用振動部1726に伝え、自分の声をキャンセルする。これらは実施例15と共通である。
【0167】
なお、
図28および
図29のブロック図は「ヘッドセット」を「眼鏡」と読み替えることにより実施例19に適用可能である。また、
図30および
図31のフローチャートも実施例19に適用可能である。