【実施例】
【0020】
本発明の商品情報表示用取付け資材およびその使用方法を
図1および
図2にもとづき説明する。ただし、
図8〜
図10と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
【0021】
図1は、商品情報表示用取付け資材としての、商品Mの販促用首掛けシール20を説明するものであって、
図1(1)は、販促用首掛けシール20の平面図、
図1(2)は、表示用自由揺動領域24および連続支持領域27全体を資材本体21から引き起こした状態の斜視図である。
【0022】
販促用首掛けシール20は、商品Mの商品情報を表示する平面状の資材本体21を有する。
資材本体21の材料としては、任意の剛性および印刷適性ないし印字適性を有する一般的な紙材はもちろん、合成紙や合成樹脂、さらにはフィルム系基材を採用可能であって、その裏面21B側に糊面を形成する必要はない。
【0023】
資材本体21は、円形状の開口部用切り目22を形成して、たとえば円形状の取付け用開口部23を開口形成可能とし、この取付け用開口部23の内方部に円形状の表示用自由揺動領域24を画成する。
開口部用切り目22は、その始端22Aから終端22Bまでの間に一連に(ないしは一筆書き式に)これを形成しているもので、表示用自由揺動領域24の形状としては、円形はもちろん、楕円形、四角形、三角形、星形その他の変形状など任意の形状を採用することができる。
【0024】
資材本体21の表面21Aには任意の商品情報を表示可能である。表示用自由揺動領域24は、表面21Aにも裏面21Bにも商品情報を表示可能としている。
上記取付け用開口部23を、
図2および
図3に示すように商品Mの取付け部(首部M2)に掛けることにより、販促用首掛けシール20を商品Mに取付けることができるようにしている。
【0025】
資材本体21は、商品Mの形状や大きさに応じて任意の数の折曲げ線(たとえば図示の例では、第1の折曲げ線29および第2の折曲げ線30)の部分でこれを折り曲げ可能とすることにより、商品Mへの取付け安定性および視認性を確保しているとともに、上述のように必要な商品情報を表示可能である。
【0026】
資材本体21には、互いの間に所定の間隔をあけた互いに平行な左右一対の直線状の連続支持領域用切り目25を形成して細幅状の連続開口部26を開口形成可能とし、連続開口部26の内方部に細幅状の連続支持領域27を画成する。
連続支持領域用切り目25は、開口部用切り目22の始端22Aおよび終端22Bにおいて開口部用切り目22と連続しているとともに、開口部用切り目22に連続して延びて連続開口部26を開口形成可能である。
【0027】
一対の連続支持領域用切り目25それぞれには、連続支持領域27と資材本体21とをつなぐ連結点35が設けてある。連結点35の長さは0.5〜5mm程度であり、望ましくは1〜3mmである。連結点35は連続支持領域用切り目25それぞれに一箇所ずつ設けても、複数箇所設けても良いが、
図1および
図2では連続支持領域用切り目25と第2の折曲げ線30の交点の、接続部28寄りの位置に一箇所ずつ設けた例を示した。
【0028】
連続支持領域用切り目25の第1の終端25Aと第2の終端25Bとの間は、切り目がない接続部28になっている。
接続部28は、連続支持領域27さらには表示用自由揺動領域24を資材本体21に一体的に支持可能であり、資材本体21の剛性により連続支持領域27を介して表示用自由揺動領域24を揺動可能に支持することになる。
【0029】
次に、販促用首掛けシール20を商品Mの首部M2に取付けて使用する方法について
図2および
図3を用いて説明する。
図2は、販促用首掛けシール20を商品Mの取付け部(首部M2)に取付けた第1の表示状態を示す斜視図である。この表示状態にするためには、先ず、資材本体21を第1の折曲げ線29と第2の折曲げ線30とで裏面21B側を谷にして折り曲げる。続いて、表示用自由揺動領域24および連続支持領域27を第2の折り曲げ線30まで、即ち、連結点35の手前までを資材本体21の面から引き起こす。すると、取付け用開口部23と連続開口部26が現れる。現れた取付け用開口部23に首部M2を通して販促用首掛けシール20を掛けると、表示用自由揺動領域24が連続支持領域27に支えられ、商品Mから立ち上がり、表示用自由揺動領域24の表面21A側に記録された情報が商品Mから突き出て見え、第1の表示状態になる。
図2では、新製品を表す「NEW」という文字を目立たせた例である。
【0030】
この状態で所定の期間が過ぎた後、表示内容を第2の表示状態へ切り替える作業を行う。連結点35を破断し、表示用自由揺動領域24および連続支持領域27全体を資材本体21の面から引き起こす。この状態で取付け用開口部23に首部M2を通し、販促用首掛けシール20を掛けると、
図3に示すように、表示用自由揺動領域24が連続支持領域27により商品Mに対して離反した状態で、接続部28を支点として片持ち式に支持されて揺動可能になる。
【0031】
具体的には、表示用自由揺動領域24が商品Mから離間してお辞儀をするように位置するとともに、風などにより揺れ、販促用シール4(
図9参照)と同様の視認性および訴求効果を向上させることができる。この第2の表示状態では、表示用自由揺動領域24の裏面21Bに記録された「SALE」の文字が現れて視認性が向上し、消費者の目にとまる表示内容が切り替えられる。即ち、一枚の商品情報表示用取付け資材20でありながら複数の文字を切り替えて表示できることに加え、形状の変更もでき、高い販売促進効果を得ることが可能になる。
【0032】
さらに商品Mの形状に応じて、第1の折曲げ線29および第2の折曲げ線30の部分において資材本体21を折り曲げて、商品Mに合わせて取付け姿勢を安定化することができる。なお
図2および
図3に示した例では、資材本体21を第1の折曲げ線29と第2の折曲げ線30で裏面21Bを谷折りしてコの字形状に折り曲げたが、第1の折曲げ線29を反対向きに折り曲げて階段状にし、取付けてても良い。
【0033】
また、販促用首掛けシール20は、商品Mに粘着剤で貼り付ける構成ではないため、剥がれてしまう恐れがなく、安定して取付けておくことができる。
販促用首掛けシール20は、商品Mの首部M2以外にも任意の部分に取付け用開口部23を利用して取付けることができる。
販促用首掛けシール20の商品Mへの取付け作業は、取付け用開口部23を商品Mの首部M2に掛けるだけであり、取付け作業も取外しの作業も作業性良好である。
さらに、販促用首掛けシール20は、それ自体には開口部用切り目22および連続支持領域用切り目25を形成するだけであり、捨てる部分がないため、省資源かつ資源の無駄を回避可能である。
【0034】
本発明による商品情報表示用取付け資材には、必要な商品情報をあらかじめ印刷しておくこともできるが、必要に応じて可変情報を資材本体21や表示用自由揺動領域24に印字することもできる。
【0035】
図4に本発明の第2の実施例による販促用首掛けシール40(商品情報表示用取付け資材)の平面図を示す。販促用首掛けシール40は、既述の販促用首掛けシール20(
図1)と同様の構成を有している単葉の首掛けシール片41(資材片)を複数枚連続して長尺帯状にしたものである。これを所定ピッチの切断予定線42で切断することにより、単葉の首掛けシール片41が形成される。
【0036】
販促用首掛けシール40の裏面側には、首掛けシール片41一単位のピッチで位置検出マーク43をあらかじめ印刷してあり、販促用首掛けシール40をプリンタ(たとえば熱転写プリンタ45、
図5参照)に装填して印字する際の位置決めに用いる。位置検出マーク43の隣接位置が切断予定線42となる。連続支持領域用切り目25それぞれには、連続支持領域27と資材本体21とをつなぐ連結点35が設けてある。
【0037】
なお、開口部用切り目22の任意の部位に、所定数のもろい非連続部44を形成しておいても良い。販促用首掛けシール40の加工時や、熱転写プリンタ45内における移送時に首掛けシール片41における連続支持領域27および表示用自由揺動領域24が資材本体21の面からめくれ上がってしまうなどの支障がないようにすることができる。
首掛けシール片41の使用時に、このもろい非連続部44を破いて表示用自由揺動領域24および連続支持領域27を資材本体21から引き起こすことができる。
【0038】
図5は、熱転写プリンタ45の概略側面図であって、熱転写プリンタ45は、販促用首掛けシール40の供給部46と、位置検出部47と、印字部48と、切断部49と、を有する。
【0039】
供給部46は、ロール状に巻いた販促用首掛けシール40を支持するとともに、位置検出部47および印字部48の方向に帯状に繰り出し可能とする。
【0040】
位置検出部47は、上記位置検出マーク43を光学的に検出して印字部48に対する販促用首掛けシール40の相対的位置を検出可能とする。
【0041】
印字部48は、サーマルヘッド50と、プラテンローラ51と、熱転写インクリボン52の供給軸53および巻取り軸54と、を有する。
サーマルヘッド50およびプラテンローラ51の間に販促用首掛けシール40および熱転写インクリボン52を挟持してプラテンローラ51の回転駆動により移送し、サーマルヘッド50により販促用首掛けシール40に任意の商品情報を印字する。もちろん、販促用首掛けシール40を表裏逆に移送するなどして、表示用自由揺動領域24の裏面側にも任意の商品情報を表示可能である。
【0042】
切断部49は、帯状の販促用首掛けシール40の切断予定線42部分で切断し、単葉の首掛けシール片41を作成する。
【0043】
こうした構成の販促用首掛けシール40および熱転写プリンタ45によれば、商品Mの特性ないし販売状況など必要に応じて販促用首掛けシール40(首掛けシール片41)に商品情報(任意の可変情報)を印字することができる。連結点35までを引き起こし、
図2と同じように表示用自由揺動領域24を上方に突き出した形状で商品Mに取り付ける。所定の期間が経過した後、連結点35を切り離し、
図3と同じように表示内容と形状を切り替えれば良い。熱転写プリンタで45で情報を追記してあるため、さらなる販売促進効果を期待することができる。
【0044】
図6は、本発明の第3の実施例による販促用首掛けシール60の平面図である。販促用首掛けシール60は、販促用首掛けシール40(
図4)と同様に、単葉の首掛けシール片41(資材片)に相当する首掛けシール片61(資材片)を複数枚連続してこれを帯状に形成している。ただし首掛けシール片61は、それぞれの連続支持領域27および表示用自由揺動領域24が帯状の販促用首掛けシール60の移送方向に沿って位置しているように(とくに連続支持領域27の基部にあたる接続部28が下流側に位置しているように)、互いに連続しているもので、その他の構成は販促用首掛けシール40における首掛けシール41と同様である。連続支持領域27両側の連続支持領域用切り目25には、連続支持領域27と資材本体21とをつなぐ連結点35が設けてある。
【0045】
こうした構成の販促用首掛けシール60についても、販促用首掛けシール40と同様に、熱転写プリンタ45などに装填して必要な可変情報を印字可能である。印字を終えて切断予定線42部分で切断し、単葉の首掛けシール片41とした後は、表示用自由揺動領域24から連結点35までを引き起こし、
図2と同じように表示用自由揺動領域24を上方に突き出した形状で商品Mに取り付ける。所定の期間が経過した後、連結点35を切り離し、
図3と同じように表示内容と形状を切り替えれば良い。
【0046】
図7に第4の実施例を示す。これは、
図1、
図2および
図3を用いて説明した第1の実施例の販促用首掛けシールに連結点36を加えたものである。連結点36は、取付け用開口部23と連続支持領域用切り目25との接続箇所に位置している。
【0047】
この第4の実施例では、最初に表示用自由揺動領域24だけを連結点36位置を支点として引き起こし、
図7に示すように商品Mに取り付ける。この状態では表示用自由揺動領域24だけが立ち上がった状態になり、資材本体の表面21A側に印刷された新製品を表す「NEW」と言う文字が見えるようになる。日数が経過してこの状態が見慣れてしまった頃、連結点36を切り離して表示用自由揺動領域24および連続支持領域27を連結点35の手前までを引き起こす。すると、
図2に示した、表示用自由揺動領域24が連続支持領域27に支えられ、商品Mから立ち上がった第1の表示状態になる。表示用自由揺動領域24の文字は「NEW」のままであるが、その文字は商品Mから突き出て見えるため、
図7に示した取付けとは見え方が異なり、消費者に新鮮な印象を与える。
【0048】
再度、期間が経過した後は、表示内容を第2の表示状態へ切り替える作業を行う。今度は連結点35を破断し、表示用自由揺動領域24および連続支持領域27全体を資材本体21の面から引き起こし、
図3に示した第2の表示状態にすれば良い。このように第4の実施例では、一枚の商品情報表示用取付け資材20でありながら文字を二種類表示できることに加え、形状も二回切り替えて合計三通りの形状で使用可能であり、高い販売促進効果を得ることができる。