特許第5718861号(P5718861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718861
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】杭式桟橋の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E01D 21/00 20060101AFI20150423BHJP
   E01D 15/24 20060101ALI20150423BHJP
   E02D 27/52 20060101ALI20150423BHJP
   E02D 27/12 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   E01D21/00 B
   E01D15/24
   E02D27/52 A
   E02D27/12 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-142124(P2012-142124)
(22)【出願日】2012年6月25日
(65)【公開番号】特開2014-5652(P2014-5652A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2014年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】399042122
【氏名又は名称】日本ジュウキケンセツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103654
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100165755
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 典彦
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 恭司
(72)【発明者】
【氏名】松本 琢己
(72)【発明者】
【氏名】檜尾 洋希
【審査官】 ▲高▼橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−045838(JP,A)
【文献】 特開2005−060986(JP,A)
【文献】 特開2000−257006(JP,A)
【文献】 特開平07−216844(JP,A)
【文献】 特開平10−046523(JP,A)
【文献】 特開2012−162862(JP,A)
【文献】 特開2006−104709(JP,A)
【文献】 特開2012−112191(JP,A)
【文献】 特開2012−207516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00 − 24/00
E02B 17/00 − 17/08
E02D 27/32 − 27/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
桟橋設置位置の幅方向に複数の杭を対とし、桟橋延長方向に順次杭打ちし、該杭打ちした杭の上端部に桟橋の上部構造を施工する方法において、杭を地盤に杭打ちした基礎杭と基礎杭の上方に配置される支柱とで構成し、杭打ちした対をなす幅方向の複数の基礎杭の上部が挿入される複数の基礎杭固定用管と、該複数の基礎杭固定用管を一定間隔に保持する幅方向梁を一体的に形成した基礎梁を配置し、該基礎梁を基礎杭の規定の高さに固定するとともに、基礎梁の基礎杭固定用管から突出する基礎杭の突出部分を切除し、基礎杭の上端部と基礎杭固定用管を固定し、基礎梁の基礎杭固定用管の上端部に支柱の下端を固定し、該支柱の上端部に桟橋の上部構造を施工することを特徴とする杭式桟橋の施工方法。
【請求項2】
基礎梁は、基礎杭固定用管と幅方向梁を別体に形成し、基礎杭固定用管に接続部を形成しておき、基礎杭固定用管と幅方向梁を接続することによって一体化することを特徴とする請求項1記載の杭式桟橋の施工方法。
【請求項3】
幅方向に対をなす複数の支柱には、支柱どうしの水平つなぎ部材や斜材などの補強部材及び上部構造の一部である上端の受桁を取り付けた状態で、基礎梁の基礎杭固定用管の上端部に下端を固定することを特徴とする請求項1又は2記載の杭式桟橋の施工方法。
【請求項4】
基礎梁は、複数の基礎杭固定用管を備えた幅方向梁に対して基礎杭固定用管に桟橋延長方向に伸びる延長方向梁を備えたものとし、桟橋完成部分の基礎梁に対して新たな基礎梁の延長方向梁の基端部を接続して新たな基礎梁を張り出し、該張り出した基礎梁の先方に位置する基礎杭固定用管を通過させて基礎杭を杭打ちし、基礎杭の杭打ち後に基礎杭と基礎梁の基礎杭固定用管を固定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の杭式桟橋の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、杭式桟橋の施工方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
桟橋には、桟橋延長方向に順次杭打ちし、杭打ちした杭の上端に桟橋の上部構造を施工することが行なわれている。杭打ちする杭は、桟橋の延長方向の一箇所について幅方向に複数を対として配置し、杭と杭の間に水平つなぎ材や斜材によって補強して橋脚としての強度を備えることができるようにしている。特許文献1や特許文献2に開示されるように、主として山岳地などにおいて杭打ちの作業を容易に行なうため、既に完成している桟橋部分の先方に主桁を張り出し、この主桁に設けたガイドとなる管を通過させて杭打ちをする方法が開発されている。
【0003】
特許文献1や特許文献2に記載された発明は、地盤に杭打ちされた杭の上端に桟橋の上部構造を形成する。ところが、杭打ちする杭は、地盤や地形によって必ずしも当初予定された正確な寸法が杭打ちされるものではないため、杭打ちした後に杭の上端を切り揃え桟橋の上部構造を施工することになる。
そのため、杭の上端が切り揃えられた後に、杭と杭の間に水平つなぎ材や斜材などの補強部材の施工を行なっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−96582号公報
【特許文献2】特開平10−46523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の杭式桟橋では、杭の上端が切り揃えられた後に、杭と杭の間に水平つなぎ材や斜材などの補強部材を施工しているため、杭打ちされた後の杭に対して補強部材の取り付け作業を行なう必要があった。そのため、作業条件が悪い危険な場所で、補強部材取り付け構造のために、溶接などの作業を必要とし、非常に手数を要するとともに作業能率が悪い欠点があった。また、補強部材取り付け状態を完全な状態に施工することが困難でもあった。
上記、従来技術の欠点に鑑み本発明は、能率的に施工することができるとともに、高品位の補強部材の取り付け状況を実現することができる、杭式桟橋の施工方法を工夫したものである。すなわち、工期を大幅に短縮することができる杭式桟橋の施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、桟橋設置位置の幅方向に複数の杭を対とし、桟橋延長方向に順次杭打ちし、杭打ちした杭の上端部に桟橋の上部構造を施工する施工方法に関する。
前記目的を達成する請求項1記載の発明は、橋脚となる杭を地盤に杭打ちした基礎杭1と基礎杭1の上方に配置される支柱3とで構成する。杭打ちした対をなす幅方向の複数の基礎杭1、1の上部が挿入される複数の基礎杭固定用管4、4と、該複数の基礎杭固定用管4、4を一定間隔に保持する幅方向梁2aを一体的に形成した基礎梁2を配置し、該基礎梁2を基礎杭1の規定の高さに固定する。基礎梁2の基礎杭固定用管4、4から突出する基礎杭1の突出部分を切除し、基礎杭1の上端部と基礎杭固定用管4、4を固定し、基礎梁2の基礎杭固定用管4の上端部に支柱3の下端を固定する。この後、支柱3、3の上端部に桟橋の上部構造5を施工する。
【0007】
請求項2記載の発明は、基礎梁2を、基礎杭固定用管4、4と幅方向梁を別体に形成し、基礎杭固定用管4に幅方向梁2aの接続部を形成しておき、基礎杭固定用管4と幅方向梁2aを接続することによって一体化することである。
【0008】
請求項3記載の発明は、一つの基礎梁2に設けた複数の基礎杭固定用管4、4に固定する対をなす複数の支柱3、3に、支柱どうしの水平つなぎ部材6や斜材7などの補強部材及び上部構造の一部である上端の受桁5aを取り付けた状態で、基礎梁2の基礎杭固定用管4、4の上端部に支柱3、3の下端を固定することである。
【0009】
請求項4記載の発明は、基礎梁2を複数の基礎杭固定用管4、4を備えた幅方向梁2aに対して基礎杭固定用管4、4に桟橋延長方向に伸びる延長方向梁2bを備えたものとし、桟橋完成部分の基礎梁2に対して新たな基礎梁2の延長方向梁2bの基端部を接続して新たな基礎梁2を張り出す。この張り出した基礎梁2の先方部分に位置する基礎杭固定用管4、4を通過させて基礎杭1を杭打ちし、基礎杭1の杭打ち後に基礎杭1と基礎梁2の基礎杭固定用管4、4を固定することである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の杭式桟橋の施工方法によれば、橋脚となる杭を地盤に杭打ちする基礎杭1と基礎杭の上方に配置する支柱3とで構成する。そのため、基礎杭1は、地盤の最も好ましい深さまで杭打ちして強度的に優れた施工をすることができるとともに、基礎杭1に固定した基礎梁2の基礎杭固定用管4に、所定寸法(一定寸法)の支柱3を固定する。そのため、支柱に対して予め補強部材の取り付け構造などの加工を施しておくことができ、現場施工に際しては、溶接などの取り付け構造の加工を行なう必要がなく、組立加工のみを行い能率的な施工、すなわち工期を短縮することができる。また、補強部材の取り付け構造は工場において正確な加工を行うため、高品位で強靭な桟橋を施工することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、基礎梁2を複数の部品で構成するため、取り扱いや輸送に便利である。そして、桟橋幅の異なる桟橋の施工に対して幅方向梁2aの寸法を変更することによって、基礎杭固定用管4を汎用することができる効果がある。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、補強部材の組立作業を地上作業で行い、高所作業を軽減するため、安全でより能率的な杭式桟橋の施工を行なうことができる効果がある。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、正確な位置に杭打ち作業を行うことができるとともに、基礎梁2に幅方向梁2aに加え延長方向梁2bを備えたことによって基礎梁そのものの強度を向上させることができる効果がある。また、桟橋完成部分の支柱と、未完成部分の基礎梁2の延長方向梁2bの間に、補強材を配置することによって、より強固な橋脚を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明に係る杭式桟橋の施工方法を工程順に示す概略正面図、
図2図2は、基礎梁と、基礎杭及び支柱の固定部分を示す分解状態の斜視図、
図3図3は、施工の一例を示す側面図、
図4図4は、基礎杭を固定した基礎梁の、基礎杭固定用管部分の縦断面図、
図5図5は、支柱と、支柱に装着する補強部材を分離させた状態を示す斜視図、
図6図6は、支柱に補強部材を装着した状態の斜視図、
図7図7は、幅方向梁と延長方向梁を備えた基礎梁の実施形態を示す斜視図、
図8図8は、桟橋完成部分と幅方向梁と延長方向梁を備えた基礎梁を示す斜視図、
図9図9は、幅方向梁と延長方向梁を備えた基礎梁を桟橋完成部分に接続した状態を示す斜視図、
図10図10は、図9に示す状態の基礎梁の基礎杭固定用管を通過させて、基礎杭を杭打ちした状態の斜視図、
図11図11は、図10の基礎杭の突出部分を切除した状態の斜視図、
図12図12は、図11の基礎梁の基礎杭固定用管に、二本の支柱に補強部材を取り付けた状態の支柱を固定する状態の斜視図、
図13図13は、図12によって固定した支柱に、桟橋の上部構造を施工した状態の斜視図、
図14図14は、図2に示す基礎梁を基礎杭固定用管と幅方向梁を分割形成した実施形態を示す斜視図、
図15図15は、図7に示す基礎梁の幅方向梁を分割形成した実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る杭式桟橋の施工方法の実施形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1ないし図3に示す実施形態は、桟橋の幅方向に延びる基礎梁2の両端に、基礎杭固定用管4、4を固定した基本的な基礎梁を使用した施工状態を示すものである。
【0016】
図1(a)に示すように、桟橋を施工するべき位置に、基礎杭1を杭打ちする。杭打ちの方法は、例えば測定した正確な位置に削孔し、基礎杭1を挿入して建込みを完了する。勿論、ハンマーで杭打ちすることもできる。
基礎杭1は、例えば強靭な地盤8のように、設計上必要な深さに達するまで打ち込むが、その深さは現場の状況によって左右の基礎杭において必ずしも一致しない。したがって、左右の基礎杭はいずれも具体的に寸法に拘束されることなく、最適の深さまで打ち込む。
【0017】
左右の基礎杭1、1を杭打ちした後、図1(a)に示すように基礎杭1の上方から、基礎杭固定用管4、4を通過させて基礎梁2を基礎杭の所定位置まで挿入して固定し、図1(b)に点線で示す、基礎杭固定用管4、4から突出する基礎杭の突出部分を切除し、突出部分を切除した基礎杭1の上端部と基礎杭固定用管4、4をしっかりと固定する。基礎杭1の上端部と基礎杭固定用管4、4をしっかりと固定するには、基礎杭固定用管4、4下端を型枠など(図示していない)で閉塞した状態で、基礎杭1の外周面と基礎杭固定用管4の内周面の空間及び基礎杭1の上端部にモルタルやコンクリート9を充填(図4)することによって強固に一体化することができる。
【0018】
続いて、上記、基礎杭1の上端部と一体的に固定した基礎杭固定用管4の上面に、図1(c)に示すように、支柱3、3を立設する。支柱3、3を立設するには、図2に示すように、基礎杭固定用管4の上端にフランジ10を形成するとともに、支柱3の下端にもフランジ11を形成しておき、フランジ10に穿設したボルト孔12、12と、フランジ11に穿設したボルト孔13に、ボルト14を螺着することによって、図1(c)に点線で示す位置に、強固に固定することができる。
【0019】
基礎杭固定用管4のフランジ10に固定する支柱3は、工場において正確な一定寸法に仕上げられているとともに、水平つなぎ部材や斜材といった補強部材を取り付けるための、取り付け片15、15を予め形成しておく。したがって、支柱3を基礎梁2の基礎杭固定用管4に固定したときに、図1(c)に点線で示すように補強部材の取り付け片15が定位置に形成された状態となる。
【0020】
図1(c)に点線で示すように支柱を立設した状態で、図1(d)に示すように現場施工によって水平つなぎ部材6や斜材7をボルト止めによって固定する。さらに、支柱3、3の上端部に、受桁5aその他、桟橋の上部構造5を施工することによって、新たな支柱による桟橋の延長部分を完成させることができる。図3から理解されるように、延長方向の支柱3と3の間に、延長方向補強部材16を架設することによって、桟橋の強度を向上させることができる。
【0021】
支柱3、3を基礎梁2の基礎杭固定用管4に固定して立設するに際し、幅方向に配置する複数の支柱3、3に、水平つなぎ部材6や斜材7、あるいは桟橋の上部構造の一部である受桁5aを地組作業で完成させ、組み立てた状態の支柱を基礎杭固定用管4に固定することもできる。このように、補強部材を地組作業で完成させることによって、工期の短縮、作業の安全、完全な組立状態を実現することができる。
【0022】
図5には、前記支柱3及び支柱3に取り付ける補強部材等の分解状態の実施形態を、図6には、組立状態の実施形態を示している。
すなわち、所定寸法の支柱3の下端には、ボルト孔13、13を穿設したフランジ11が、上端には桟橋の上部構造を支受する上部フランジ17を固定している。支柱3と3が対向する内側面には、取り付け片15、15を溶接によって固定するとともに、桟橋の延長方向側面には、延長方向補強部材16を取り付けるための取り付け片18を配置している。取り付け片15、15を利用して、図6に示すように水平つなぎ部材6や斜材7、あるいは受桁5aを固定した状態で基礎梁2上に固定する。延長方向補強部材16は、支柱の立設後に、支柱の延長方向に突出させた取り付け片18を利用して取り付ける。
【0023】
図1ないし図3に示す実施形態の基礎梁2は、幅方向梁2aの両端に基礎杭固定用管4、4を配置し、桟橋完成部分の先方に杭打ちした杭に基礎梁2を固定する実施形態を示している。しかしながら、基礎梁2は、図7に示すように、幅方向梁2aに対して桟橋延長方向に伸びる延長方向梁2bを備えたものとすることもできる。延長方向梁2bは、その基端を桟橋完成部分の基礎梁に接続し、一定寸法先方に基礎杭固定用管4、4を位置させるものである。
【0024】
図7に示す基礎梁2は、幅方向梁2aの両端に基礎杭固定用管4、4を備え、桟橋の延長方向、すなわち基礎杭固定用管4、4から、幅方向梁2aと直角方向に延長方向梁2b、2b突出させ、全体として略コ字状に形成している。略コ字状を形成する基礎梁2の、対向する延長方向梁2b、2bには、たすき状に基礎梁補強部材19、19を設けている。基礎梁補強部材19、19は、延長方向梁2b、2bの内側面に設けた取り付け片20、20に固定することによって配置することができる。
【0025】
前記、延長方向梁2b、2bは、基端部を桟橋完成部分の基礎梁に連結し、杭打ちを行なう先方に基礎杭固定用管4、4を位置させるものであり、基礎杭固定用管4、4の先方には、次位の基礎梁の延長方向梁2b、2bに接続を容易に行なうために、延長方向の接続部21b、21bを突出させている。延長方向梁2b、2bの上面には、基礎梁2を張り出す際の支えとなる張り出し補強部材23を固定するための取り付け片22、22を固定してある。
【0026】
図7に示す基礎梁2を使用した、実施形態の杭式桟橋の施工方法を、図8ないし図13に基づいて説明する。図8に示すように、桟橋完成部分Aの先方に幅方向梁2aと延長方向梁2bを備えた基礎梁2を配置し、桟橋完成部分Aの基礎梁2から先方に突出する接続部21bに、新たな基礎杭2の延長方向梁2bの基端部を接続し、図9に示すように桟橋完成部分Aの先方に基礎梁2を張り出す。
新たな基礎梁2を張り出すに際しては、張り出すべき基礎梁を正確な位置に配置して接続部21bに接続し、斜め方向の張り出し補強材23、23を、延長方向梁2b、2bの上面に設けた取り付け片22と桟橋完成部分の支柱3に設けた延長方向の取り付け片18との間に固定し、新たな基礎梁2を正確な位置に張り出す。
【0027】
桟橋完成部分Aから先方に張り出した基礎梁2には、図10に示すように基礎杭固定用管4、4を通過させて基礎杭1、1を杭打ちする。このとき、杭打ちした基礎杭1の上部は、基礎杭固定用管4、4から上方に突出した状態であって必要な深さまで打ち込まれるものとする。図10に示す、基礎杭を杭打ちした状態で、図11に示すように基礎杭固定用管4、4からの突出部分を切除するとともに、基礎杭1の上端部外周面と基礎杭固定用管4の内周面の空間及び、基礎杭1の上端部内にコンクリートやモルタルを充填して固定する。
【0028】
図11に示すように、基礎杭1の上端部と基礎杭固定用管4が固定された基礎杭1の張り出し状態において、左右一対の支柱3、3に水平つなぎ部材6や斜材7といった補強部材及び上部構造の一部である受桁5aを下組みして一体とした支柱3(支柱ユニット)を、基礎杭固定用管4の上方に固定する。すなわち、基礎杭固定用管4の上端に形成したフランジ10と、支柱3の下端に形成したフランジ11をボルト14で固定(図2参照)する。
【0029】
図12に示す工程によって支柱(支柱ユニット)を基礎杭2上に固定した状態で、図13に点線で示す延長方向補強部材16や桟橋の上部構造5を施工することによって、図13に示すように桟橋完成部分Aの先方に新たな桟橋部分を施工することができる。支柱2(支柱ユニット)を立設した際、図13に点線で示す延長方向補強部材16を取り付けることによって、支柱3を延長方向に対して安定させることができる。
【0030】
図8ないし図13に示す実施形態の杭式桟橋の施工方法、すなわち、幅方向梁2aと延長方向梁2bを備えユニット状とした基礎梁2を使用する施工方法では、延長方向に隣接する基礎杭1と1が、基礎梁2の延長方向梁によって連結されるため、より強度的に優れた桟橋を施工することができるとともに、基礎杭1の杭打ち位置の決定が容易で、能率的に施工することができる。
【0031】
図2に示す基礎梁2や図7に示す基礎梁2は、全体を一体構造として提供することもできるが、輸送などの効率を考慮して分割状態で提供し、施工現場において地組みするのが効率的である。図14は、幅方向梁2aの両端に基礎杭固定用管4、4を形成する基礎梁を分割形成する実施形態を示すもので、一対の基礎杭固定用管4、4のそれぞれに幅方向の接続部21aを形成し、一定寸法の幅方向梁2aの両端を接続部21aに接続するものである。接続手段、接続構造は任意であるが、ボルト締めによって連結するのが好ましい。
【0032】
図15は、幅方向梁2aと延長方向梁2b、2bを備えた基礎梁を分割形成する実施形態を示すものである。図15に示す実施形態の基礎梁は、基礎杭固定用管4を一体に形成した二つの延長方向梁2bと、一定寸法の一つの幅方向梁2aで構成している。延長方向梁2bの先端部分に位置する基礎杭固定用管4には、次位の基礎梁の延長方向梁2bと接続するための、延長方向の接続部21bを突出させている。また、対向する基礎杭固定用管4、4には、幅方向梁2aを接続するための幅方向の接続部21aを突出させている。
【0033】
図14及び図15に示す実施形態の基礎梁は、いずれも幅方向梁2aを基礎杭固定用管4から突出させた接続部21に接続するものである。この実施形態の基礎梁2によれば、輸送などに際して便利な大きさに制限することができるとともに、幅の異なる桟橋の施工に際して、幅方向梁2aの寸法を変更するだけで、他の部品を共通とし生産効率を向上させることができる。
なお、延長方向梁2bは基礎杭固定用管4と一体に形成しているが、延長方向梁2bも基礎杭固定用管4に接続するものとしてもよい。しかしながら、全体の強度を勘案すると、図15に示す実施形態のように延長方向梁2bと基礎杭固定用管4は一体に形成するのが好ましい。
【符号の説明】
【0034】
1…基礎杭、 2…基礎梁、 2a…幅方向梁、 2b…延長方向梁、 3…支柱、 4…基礎杭固定用管、 5…上部構造、 5a…受桁、 6…水平つなぎ部材、 7…斜材、 8…硬い地盤、 9…コンクリート、 10、11…フランジ、 12、13…ボルト孔、 14…ボルト, 15…取り付け片、 16…延長方向補強部材、 17…上部フランジ、 18…取り付け片、 19…基礎梁補強部材、 20…取り付け片、 21a…幅方向の接続部、 21b…延長方向の接続部、 22…取り付け片、 23…張り出し補強材、 A…桟橋完成部分。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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