特許第5718887号(P5718887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5718887-コンバーチブル車両用折り畳み式幌 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718887
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】コンバーチブル車両用折り畳み式幌
(51)【国際特許分類】
   B60J 7/12 20060101AFI20150423BHJP
【FI】
   B60J7/12 E
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-272211(P2012-272211)
(22)【出願日】2012年12月13日
(65)【公開番号】特開2013-129418(P2013-129418A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2012年12月13日
(31)【優先権主張番号】10 2011 056 730.5
(32)【優先日】2011年12月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】ライナー アルムブルスター
(72)【発明者】
【氏名】ディルク クレーガー
【審査官】 岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6666494(US,B2)
【文献】 米国特許第6343829(US,B2)
【文献】 独国特許発明第102007044943(DE,B3)
【文献】 特開2007−261407(JP,A)
【文献】 特表2008−537518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバーチブル車両用の折り畳み式幌(1)であって、前部第1ルーフフレーム部分(3)と、前記第1ルーフフレーム部分(3)の後ろに配置された第2ルーフフレーム部分(5)と、少なくとも2つのルーフフレーム連結具(6、7)を含む、前記2つのルーフフレーム部分(3、5)の間の接続用ジョイント機構(4)と、2つの主連結具(24)を有し、前記第2ルーフフレーム部分(5)を前記コンバーチブル車両の車体に取り付けるための主ジョイント機構(23)と、前記主ジョイント機構(23)と前記接続用ジョイント機構(4)との間のカップリング連結機構(22)であって、前記主ジョイント機構(23)に関節式に連結され前記第2ルーフフレーム部分(5)と平行であるカップリング連結具(18)と、カップリング要素(21)と、駆動連結具(17)とを有するカップリング連結機構(22)とを含む横方向折り畳み式幌連結機構(2)を有するコンバーチブル車両用の折り畳み式幌(1)において、前記2つのルーフフレーム連結具(6、7)が直接前記2つのルーフフレーム部分(3、5)に関節式に連結されること、前記ルーフフレーム連結具の1つ(6)が延長部分(14)を有し、前記延長部分(14)が前記ルーフフレーム連結具(6)に対して角度を有し、前記第2ルーフフレーム部分(5)に配置された連結点(12)を越えて延伸すること、および、前記駆動連結具(17)が前記延長部分(14)および前記カップリング連結具(18)に関節式に連結されることを特徴とするコンバーチブル車両用の折り畳み式幌(1)。
【請求項2】
前記ルーフフレーム連結具の1つ(6)が、前記接続用ジョイント機構(4)の前部連結具を形成し、前記ルーフフレーム連結具の他方(7)が後部連結具を形成すること、および、前記延長部分(14)が前記前部連結具に形成されることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式幌。
【請求項3】
前記カップリング連結機構(22)の前記カップリング要素(21)が、前記第2ルーフフレーム部分(5)および前記カップリング連結具(18)に関節式に連結されたガイド連結具として設計されることを特徴とする請求項に記載の折り畳み式幌。
【請求項4】
前記ガイド連結具と、前記後部連結具とが、共通の連結点(13)で前記第2ルーフフレーム部分(5)に関節式に連結されることを特徴とする請求項3に記載の折り畳み式幌。
【請求項5】
前記延長部分(14)が前記ルーフフレーム連結具(6)に対して略直角に延在することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の折り畳み式幌。
【請求項6】
前記主ジョイント機構(23)が、自動ロック式の折り畳み式幌駆動機構によって駆動されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の折り畳み式幌。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部によるコンバーチブル車両(幌型自動車)用折り畳み式幌(folding top、折り畳み式屋根)から出発する。
【背景技術】
【0002】
上記の折り畳み式幌は下記特許文献1から知られている。それは以下のように構成された横方向折り畳み式幌連結機構を有する。すなわち、前部第1ルーフフレーム部分、および、第1ルーフフレーム部分の後ろに配置された第2ルーフフレーム部分が、少なくとも2つのルーフフレーム連結具を有する接続用ジョイント機構を介して互いに接続される。第2ルーフフレーム部分は、2つの主連結具を備えた主ジョイント機構を介してコンバーチブル車両の車体に関節式に連結され、折り畳み式幌のベアリングがこのために提供される。カップリング連結機構が、主ジョイント機構と接続用ジョイント機構との間に配置され、このカップリング連結機構は、第2ルーフフレーム部分と本質的に平行に配置されて主ジョイント機構に関節式に連結されるカップリング連結具を有する。カップリング連結機構は、偏心器として設計されカップリング連結具および接続用ジョイント機構の後部ルーフフレーム連結具に接続された後部カップリング要素も有する。カップリング連結機構は、カップリング連結具に接続された前部駆動連結具をさらに有する。知られている折り畳み式幌の折り畳み式幌連結機構は、比較的複雑な構成のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許第10 2007 044 943 B3号明細書
【特許文献2】独国特許第102 05 935 B4号明細書
【特許文献3】独国特許第10 2005 058 921 A1号明細書
【特許文献4】独国特許第10 2009 035 190 A1号明細書
【特許文献5】国際公開 WO 2003/086 800 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って本発明の目的は、折り畳み式幌連結機構が先行技術よりも簡単な構成のものである、導入部で記載されたタイプの折り畳み式幌を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は請求項1に記載の特徴を有する折り畳み式幌によって達成される。本発明の発展形態が、従属項の主題を形成する。
【0006】
本発明による折り畳み式幌は、比較的少数の連結具(リンク)で作動する。従って組み立てがより簡単である。ゆえに製造コストも削減される。さらに本発明による折り畳み式幌連結機構は、後部ルーフフレーム部分に対する前部ルーフフレーム部分の所望の移動シーケンスを確立することを容易に可能とし、これは接続用ジョイント機構の連結具の長さおよびカップリング連結機構の長さを適合させることによって簡単になされる。本発明による折り畳み式幌連結機構は、角度の付いた延長部分を有するルーフフレーム連結具を有し、折り畳み式幌の格納位置における低い収納高さを得ることも可能である。さらに、力伝達比を、延長部分の長さに沿って有利に確立することができる。特に、折り畳み式幌の駆動を最適化することも従って可能である。
【0007】
本発明の有利な発展形態によれば、ルーフフレーム連結具の一方が、接続用ジョイント機構の前部連結具を形成し、他方のルーフフレーム連結具が後部連結具を形成することが提供され、その際、本発明による延長部分が前部ルーフフレーム連結具に形成されることが特に提供される。
【0008】
さらに、発展形態は、一端で第2ルーフフレーム部分に、他端でカップリング連結具に関節式に連結されたガイド連結具として設計される、カップリング連結機構のカップリング要素を提供する。ガイド連結具は、カップリング連結具の移動を簡単に案内する。
【0009】
本発明の発展形態において、折り畳み式幌連結機構の特に空間節約的な構成が得られ、この構成では、ガイド連結具およびルーフフレーム連結具が共通の連結点で第2ルーフフレーム部分に関節式に連結される。
【0010】
本発明の好ましい発展形態は、ルーフフレーム連結具に対して直角に概ね延在するルーフフレーム連結具の延長部分を提供する。ここで延長部分の長さは、好ましくは、折り畳み式幌の閉鎖位置において、延長部分が第2ルーフフレーム部分を越えて突出しないような長さである。
【0011】
本発明の特に好ましい発展形態によれば、主ジョイント機構は自動ロック式の折り畳み式幌駆動機構によって駆動される。本発明による折り畳み式幌連結機構は、従って、格納位置における望ましくない移動に対して追加的に固定される必要のない折り畳み式幌の実現に寄与する。接続用ジョイント機構の連結具の、およびカップリング連結機構の伝達比が、自動ロック式駆動機構とともに、折り畳み式幌が格納位置において受動的に拘束されることを可能にする。本発明による折り畳み式幌連結機構は、ルーフフレーム部分の移動を、自動ロック式駆動機構に直接伝え、自動ロック式駆動機構は、自動ロックの結果、折り畳み式幌連結機構の移動をほぼ完全に防止する。
【0012】
本出願に開示され記載された特徴は、それらだけでも、開示され記載された他のいずれかの特徴とのいずれかの所望の組み合わせにおいて組み合わされてもよい。これは別の記載されたおよび/または開示された特徴と一緒に組み合わされた特徴にも適用される。
【0013】
本発明は例示的実施形態によっておよび図面を参照して以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】単一の図は、コンバーチブル車両(ここでは詳しく例示されない)用の折り畳み式幌1の詳細な形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
折り畳み式幌1はカバーを取り付けてもよいが、この態様はここでは示されない。折り畳み式幌のカバーは好ましくは柔軟性のあるカバーであり、従って折り畳み式幌1は、好ましい実施形態では、いわゆるソフトトップとして実現される。図は、折り畳み式カバー1がコンバーチブル車両の乗員室の上を覆う完全閉鎖位置(ここでは示されない)と、開放位置または格納位置とも呼ばれる完全格納位置との間に配置された部分開放位置、すなわち、いわゆる中間位置にある折り畳み式幌1を示す。
【0016】
図は折り畳み式幌1の、乗員室から見た折り畳み式幌連結機構2の部分の詳細な形態の斜視図を示す。連結機構は、前部または第1ルーフフレーム部分3を含む。前部または第1ルーフフレーム部分3はルーフ頂部とも呼ばれ、折り畳み式幌1の閉鎖位置において、ウィンドシールドフレームの上側カウル(図示せず)に係止した状態で当接する。第1ルーフフレーム部分3は、第1ルーフフレーム部分3の後ろに配置される第2ルーフフレーム部分5と、接続用ジョイント機構4を介して、枢動可能に接続される。従って、2つのルーフフレーム部分は互いに関連させて動かすことができる。接続用ジョイント機構4は、第1ルーフフレーム部分3に枢動可能に接続された、図で確認できるような上側端部をそれぞれ有する2つのルーフフレーム連結具6および7を有する。ルーフフレーム連結具分6、7は、ここでは、ベアリング用小穴9において前部ルーフフレーム部分3のキャリア8に接続されるが、後部ルーフフレーム連結具7のベアリング用小穴はカバー8’によって隠されて見ることができない。ルーフフレーム部分3のキャリア8はまた、表面に遮蔽ストランド10が取り付けられる。遮蔽ストランド10は、折り畳み式幌1が閉鎖位置にある時、コンバーチブル車両のサイドウィンドウ(図示せず)と遮蔽した態様で相互作用する。同じように、第2ルーフフレーム部分5に別の遮蔽ストランド11が取り付けられる。折り畳み式幌1の閉鎖位置において、2つの遮蔽ストランド10および11は前後一列に配置され、その際、遮蔽ストランド10が遮蔽ストランド11の前に配置される。
【0017】
2つのルーフフレーム連結具6および7の下側端部は、図で確認できるように、ベアリング用小穴12、13において、第2ルーフフレーム部分5に枢動可能に接続される。連結点とも呼ばれるベアリング用小穴12、13はルーフフレーム5に沿って互いに離間されていることが確認できる。同じことが、第1ルーフフレーム部分3において、連結点9とも呼ばれるベアリング用小穴9に適用される。接続用ジョイント機構4は従って4バー機構として設計され、前部ルーフフレーム部分3を後部ルーフフレーム部分5に直接接続し、その間に他の連結具は一切接続されていない。
【0018】
図で分かるように、前部ルーフフレーム機構6は、その下側端部において、連結点12を越えて延伸する延長部分14を有する。延長部分14および、連結点12と9との間に配置されるそのルーフフレーム連結具6の部分は、それらの間で約90度の角度を形成し、その向きは延長部分14が図において後部に延伸するようなものである。折り畳み式幌の閉鎖位置において、延長部分14は概ねまっすぐに立った状態で延伸するであろう。延長部分14の長さは、この時、まっすぐに立った位置において、すなわち折り畳み式幌1の閉鎖位置において、ルーフフレームの、すなわち遮蔽ストランド11の上縁15を越えて突出しないようなものである。連結点12から離れる方向に向けられた端部において、延長部分14は別の連結点16を支持し、それによって駆動連結具17の一端に枢動可能に接続される。駆動連結具17の他端において、カップリング連結具18が別の連結点19において駆動連結具17に枢動可能に接続される。連結点19から離れた間隔のところに、カップリング連結具18は別の連結点20を有し、それを介してカップリング連結具18は、ガイド連結具として設計されたカップリング要素21に枢動可能に接続される。ガイド連結具すなわちカップリング要素21は連結点13でルーフフレーム5に同じく接続される。カップリング連結具18、カップリング要素21、および駆動連結具17は、カップリング連結機構22の構成部品である。カップリング連結機構22は、接続用ジョイント機構4を、駆動に特定的な関係において、主ジョイント機構23に接続する。主ジョイント機構23は折り畳み式幌連結機構2に属し、以下で詳細に説明される。主ジョイント機構23を介して、第2ルーフフレーム部分5は、コンバーチブル車両の車体に締結される折り畳み式幌のベアリング(ここでは図示せず)に枢動可能に接続される。主ジョイント機構23は、好ましくは4バー構成の2つの主連結具を好ましくは含み、ここでは1つの主連結具24だけが示されている。主連結具24は同様にルーフフレーム部分を形成し、そして他のルーフフレーム部分3、5のように、遮蔽ストランド25を支持する。遮蔽ストランド25は、折り畳み式幌1の閉鎖位置において、他の遮蔽ストランド10、11と一列に配置される。第2ルーフフレーム部分5は連結点26において主連結具24に枢動可能に取り付けられる。ルーフフレーム部分5はまた、同じく連結点において、主ジョイント機構23の他の主連結具(ここでは図示されない)に枢動可能に接続されるが、これは見ることができない。カップリング連結具18は後部ルーフフレーム5と平行に延在し、同じく連結点において主連結具24に枢動可能に接続されるが、これは図で見ることができない。
【0019】
折り畳み式幌駆動機構(ここでは図示せず)は、主ジョイント機構23に作用し、主ジョイント機構23を折り畳み式幌のベアリングの周囲で枢動する。カップリング連結機構22は主ジョイント機構24の枢動運動を接続用ジョイント機構4に導入し、その結果、前部ルーフフレーム部分3もそれとともに移動される。折り畳み式幌駆動機構(ここでは図示せず)は、自動ロック式駆動機構として好ましくは設計され、特に電気モータと、電気モータによって駆動される自動ロック式歯車機構とを有する。歯車機構の出力部は、主ジョイント機構に、例えば主連結具24に接続される。自動ロックは、例えば、電気モータの回転子がウォームを有し、歯車機構が入力側でウォームと噛み合う歯車を有することにおいて、好ましくは得ることができる。
【符号の説明】
【0020】
1 折り畳み式幌
2 折り畳み式幌連結機構
3 第1ルーフフレーム部分
4 接続用ジョイント機構
5 第2ルーフフレーム部分
6 ルーフフレーム連結具
7 ルーフフレーム連結具
8 キャリア
8’ カバー
9 ベアリング用小穴
10 遮蔽ストランド
11 遮蔽ストランド
12 ベアリング用小穴
13 ベアリング用小穴
14 延長部分
15 上縁
16 連結点
17 駆動連結具
18 カップリング連結具
19 連結点
20 連結点
21 後部カップリング要素
22 カップリング連結機構
23 主ジョイント機構
24 主連結具
25 遮蔽ストランド
26 連結点
図1