(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
弁体と感熱分解部との間に設置されており、弁体と梁状部に係止する感熱分解部のレバーとを相互に逆方向に付勢して、弁体が放水口を止水する押圧荷重を発生する荷重発生部材を備える
請求項1〜請求項11何れか1項記載のスプリンクラーヘッド。
荷重発生部材として、弁体を放水口に押圧するコンプレッションスクリューと、コンプレッションスクリューと螺合可能な牝ネジを有し、該牝ネジに対するコンプレッションスクリューの螺合によって感熱分解部を弁体の放水口に対する押圧方向と逆方向に付勢して、感熱分解部のレバーを梁状部に押圧状態で係止させるサドルと、を備える
請求項12記載のスプリンクラーヘッド。
天井の開口に設置したスプリンクラーヘッドが外部に露出しないよう目隠しするカバープレートと、カバープレートを保持するとともにサポートカップを保持する筒状のリテーナーとを備える
請求項1〜請求項16の何れか1項記載のスプリンクラーヘッド。
天井の開口に設置したスプリンクラーヘッドの外周面と該開口の縁との間を目隠しするシーリングプレートと、シーリングプレートを保持するとともにサポートカップを保持する筒状のリテーナーとを備える
請求項1〜請求項16の何れか1項記載のスプリンクラーヘッド。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のようなスプリンクラーヘッド50については配管接続部51やフレーム52が鍛造部品であり重量が嵩むことから軽量化が要請されている。即ち天井裏等に敷設される消火設備配管には通常多数のスプリンクラーヘッド50が設置されている。そのため個々のスプリンクラーヘッド50が重いと消火設備配管全体としての重量も嵩むことになり、その重みを支持するために多くの支持金具を使用しなければならず、全体的な設備コストが高くなる問題がある。また、これまで消火設備配管としては主に金属管が使用されてきたが、近年では金属管に替わって安価で軽量でありヘッダー工法(この工法の一例として特開平10−52512号公報参照)により施工性が良好な樹脂管も使用されるようになってきている。このため長期間に亘って樹脂管に作用する重量負荷をできるだけ軽減するには、樹脂管に接続する個々のスプリンクラーヘッド50をより軽量化することが望ましい。
【0007】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。その目的はスプリンクラーヘッドの軽量化にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく本発明は以下のスプリンクラーヘッドを提供する。
【0009】
本発明は、一端側が消火設備配管と連通し、他端側に放水口を有する配管接続部と、 一端側が前記放水口と連通し、他端側に開口端を有する筒状のフレーム部と、前記放水口を閉止する弁体の押圧力を保持するとともに該押圧力の反力が作用するレバーを有する感熱分解部とを備えるスプリンクラーヘッドについて、前記フレーム部が、配管接続部の外方に突出する外周面を有しており、該外周面における対向位置に、前記レバーが係止する梁状部と、該外周面を配管接続部側から梁状部まで欠如する開口部とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明のフレーム部には、配管接続部の外方に突出する外周面を有しており、該外周面における対向位置に、前記レバーが係止する梁状部と、該外周面を配管接続部側から梁状部まで欠如する開口部とを有する。このため本発明ではフレーム部を大幅に軽量化することができる。したがって消火設備配管に作用する荷重を軽減することができ、また運搬時、消火設備配管への取付作業時の重量負荷による負担も軽減できる。
また梁状部が対向位置にあるため、感熱分解部のレバーの押圧荷重を各梁状部に偏りなく作用させることができ、各梁状部のたわみによるバネ力を均等に発揮させることができる。このため感熱分解部を長年に亘って継続的に安定して保持することができる。また、各梁状部のたわみによる均等なバネ力は、感熱分解部の分解作動時に、その構成部品をフレーム部の軸方向ではね飛ばすことができロッジメント防止に機能させることができる。なお、以上のような対向位置に形成される梁状部と開口部は1組だけでなく2組以上形成してもよい。
【0011】
前記本発明は、フレーム部の開口端が感熱分解部を挿入可能なものとして構成できる。
これによれば、フレーム部の開口端から感熱分解部を挿入できるので、感熱分解部を容易にフレーム部の内部に組み込むことができる。
この場合、感熱分解部がユニット部品でなるものである場合には、ユニット部品としての感熱分解部をフレーム部の開口端から容易に挿入することができるので、組立作業を簡略化することができる。
【0012】
前記本発明は、開口部を梁状部の外周面よりもフレーム部の中心軸側の内方位置に設けることができる。
従来技術のフレーム52にあるスリット状の開口52Bを形成するには、フレーム52の内周面及び外周面を切削加工する工程だけでなく、大型のマシニングセンタによる複雑な切削加工を伴う専用工程が必要である。しかしながらそのような専用工程に依存しなくても開口52Bを形成することができれば、部品単体としてもスプリンクラーヘッド50全体としても製造コストを低減できる。
そこで本発明では開口部を梁状部の外周面よりもフレーム部の中心軸側の内方位置に設ける。こうすることで、梁状部の内周面の切削加工と同時に開口部を形成することが可能となり、開口部を形成するための専用工程に依存しなくても、開口部を形成し梁状部を設ける製造コストを低減することができる。
【0013】
前記本発明は、配管接続部とフレーム部が一体構造の鍛造加工体とすることができる。
これによれば、配管接続部とフレーム部が別部品である場合と比較して部品点数を削減することができ、コストダウンを図ることが可能である。
【0014】
前記本発明は、感熱分解部が複数の部品を組み合わせたユニット部品とすることができる。
本発明によれば感熱分解部の構成部品をフレーム部に一つ一つ組み込んでいく必要がないため、組立工程を簡略化することができ生産コストを低減できる。またユニット部品であるため組立時の取扱性も良い。
【0015】
前記本発明は、梁状部の内周面に感熱分解部のレバーと係止するレバー係止部を設けることができる。
これによれば、感熱分解部をフレーム部の内部に組み込むことができる。感熱分解部をレバー係止部に対して係止させるには、例えば2枚の薄板を低融点合金で接合したリンクと該リンクが係合する一対のレバーとを備える感熱分解部を用いる場合、レバーの一端をレバー係止部に係止させながら他端をリンクに係合させて組み込むことができる。また前述したユニット部品としての感熱分解部の場合、レバーをフレーム部の内周面のレバー係止部に対して係止させるだけでよく、容易に組み込むことが可能である。
【0016】
前記本発明は、フレーム部の内周面にフレーム部の内部に感熱分解部のレバーを挿通させるレバー挿通溝を設けることができる。
これによれば、感熱分解部をフレーム部に挿入する際にレバー係止部が邪魔にならず作業性良く容易に挿入することができる。
そして感熱分解部は、レバーをレバー挿通溝に挿通させることでフレーム部の内部に差し込まれ、フレーム部の軸回りに回転させることでレバーがレバー係止部に対して係止するものとして構成できる。これによれば、感熱分解部を回転させればレバーがレバー係止部に係止するので容易に組立作業を行うことができる。
以上のようなレバー挿通溝は例えばレバー係止部から略20〜90°回転した位置に形成することができる。
【0017】
前記本発明は、フレーム部の開口端の外側にデフレクターを備えることができる。
これによれば、スプリンクラーヘッドの仕様・用途に応じた形状のデフレクターをフレーム外部に設置することができるようになり、配管接続部、フレーム部、感熱分解部を共通化した多種類のスプリンクラーヘッドを展開することができる。
【0018】
前記本発明は、フレーム部の外周面にデフレクターを保持するデフレクター係止部を設けることができる。
これによれば、スプリンクラーヘッドの仕様・用途に応じた形状のデフレクターをフレーム外部に設置することができるようになり、配管接続部、フレーム部、感熱分解部を共通化した多種類のスプリンクラーヘッドを展開することができる。
【0019】
前記本発明は、一端側にデフレクターが取付けられ、他端側がフレーム部に設けたデフレクター係止部と係止するガイドピンを備えることができる。
これによれば、ガイドピンを使った簡易な構造でデフレクターを確実に作動させることができる。
【0020】
前記本発明は、デフレクター係止部をフレーム部の外周面におけるレバー挿通溝の外方位置に設けることができる。
これによれば、感熱分解部のレバーの位置とデフレクター係止部とが離間するため、感熱分解部の分解作動時のロッジメントを有効に防止できる。即ち外周面にデフレクター係止部を設けたフレーム部の内周面にはレバー挿通溝があることから、感熱分解部のレバーを係止することができない。したがってレバーはデフレクター係止部から離れた位置にあるレバー係止部に対して係止する。これによって本発明では、スプリンクラーヘッドの作動時に感熱分解部が分解作動してレバーが飛散・落下する際にレバーがガイドピンと衝突することを防止することができ、分解作動時のロッジメントを防止することができる。
【0021】
前記本発明は、デフレクター係止部をレバー係止部よりもフレーム部の開口端側に設けることができる。
これによれば、例えばデフレクター係止部を放水口の放水方向へ延出し、その先端にデフレクターを備えるフレームヨーク型スプリンクラーヘッドとして構成することができる。なおこの場合には、デフレクター係止部(アーム)をフレーム部の一部として構成することができ、またデフレクター係止部(アーム)をフレーム部とは別部材として構成することもできる。
また、コンシールド型スプリンクラーヘッドでは、カバープレート以外の部品が天井裏に配置され、火災時にはデフレクターがスライド移動して天井下面から突出することで散水を行うが、正常な散水分布性能を得るにはデフレクターを天井下面からできるだけ突出させるのが好ましい。その突出量を増やすには、デフレクターを保持するガイドピンの長さを長くしたり、ガイドピンのストロークを長くすればよいが、製造コストが高くついてしまうという不都合がある。そこで本発明のようにデフレクター係止部をレバー係止部よりもフレーム部の開口端側に設ける構成として、デフレクター係止部をできるだけ天井面に近く位置させることで、ガイドピンやそのストロークの長尺化に依存しなくても天井面からのデフレクターの突出量を大きくできるようにしている。そして天井面からのデフレクターの突出量、即ちデフレクターの移動範囲を大きくできるので、消火設備配管の接続口と天井面との間の距離に施工上の相違があっても、デフレクターの移動範囲であればそれを吸収でき、コンシールド型スプリンクラーヘッドの施工上の取付調整範囲を拡大することができ施工が容易になる。
【0022】
前記本発明は、弁体と感熱分解部との間に設置されており、弁体と梁状部に係止する感熱分解部のレバーとを相互に逆方向に付勢して、弁体が放水口を止水する押圧荷重を発生する荷重発生部材を備えることができる。
より具体的には荷重発生部材として、弁体を放水口に押圧するコンプレッションスクリューと、コンプレッションスクリューと螺合可能な牝ネジを有し、該牝ネジに対するコンプレッションスクリューの螺合によって感熱分解部を弁体の放水口に対する押圧方向と逆方向に付勢して、感熱分解部のレバーを梁状部に押圧状態で係止させるサドルと、を備えることができる。
これによれば、コンプレッションスクリューとサドルの牝ネジとの螺合によって、弁体と感熱分解部とが離間方向に付勢されて、弁体の放水口に対する押圧力と感熱分解部のレバーによる梁状部のたわみ変形とを発生させることができる。こうした簡易な部品構成と簡単な組立作業によって、弁体の止水性と梁状部のたわみ変形とに必要な荷重を得ることができる。
【0023】
前記本発明は、感熱分解部に貫通穴が設けられており、該貫通穴に挿入した工具でサドルの牝ネジに対するコンプレッションスクリューの螺合量を調整可能となっている。
これによれば、フレーム部の内部に弁体等のすべての構成部品を入れてしまい、その後に感熱分解部の貫通穴を通じて挿入した工具によってコンプレッションスクリューの螺合量を調整することで組立作業が完了するので、組立作業を容易に行うことができる。
【0024】
前記本発明は、配管接続部とフレーム部とからなる本体に、フレーム部を収容する有底筒状のサポートカップを備えることができる。
これによれば、天井内に埋め込んで設置されるコンシールド型スプリンクラーヘッドや、常時はデフレクターが天井近傍に保持されており作動時にデフレクターが天井から突出して散水を行うフラッシュ型スプリンクラーヘッドを構成することができる。
【0025】
前記本発明は、本体とサポートカップとが多角形状の連結部により連結したものとして構成できる。
これによれば、本体とサポートカップとが供回りしないよう強固に連結することができる。
【0026】
前記本発明は、天井の開口に設置したスプリンクラーヘッドが外部に露出しないよう目隠しするカバープレートと、カバープレートを保持するとともにサポートカップを保持する筒状のリテーナーとを備えるものとして構成できる。
これによれば、スプリンクラーヘッドやスプリンクラーヘッドが貫通している天井ボードの穴を隠して目立たなくさせ、室内の美観を損ねないコンシールド型スプリンクラーヘッドとして実施することができる。
さらに前記本発明は、サポートカップの外周面に螺合溝を設けるとともにリテーナーに該螺合溝と螺合する係止部を設けるものとして構成できる。これによればサポートカップとリテーナーとを螺合により容易に接続することができる。
【0027】
前記本発明は、 天井の開口に設置したスプリンクラーヘッドの外周面と該開口の縁との間を目隠しするシーリングプレートと、シーリングプレートを保持するとともにサポートカップを保持する筒状のリテーナーとを備えるものとして構成できる。
これによれば、スプリンクラーヘッドやスプリンクラーヘッドが貫通している天井ボードの穴を隠して目立たなくさせ、室内の美観を損ねないシーリングプレート付きのフラッシュ型スプリンクラーヘッドとして実施することができる。
さらに前記本発明は、サポートカップの外周面に螺合溝を設けるとともにリテーナーに該螺合溝と螺合する係止部を設けるものとして構成できる。これによればサポートカップとリテーナーとを螺合により容易に接続することができる。
【0028】
前記本発明は、上端側にフレーム部の外周面に対する取付部を有し、下端側にデフレクターを設けた断面U字状のアームを備えるものとして構成できる。
これによれば、フレーム型スプリンクラーヘッドとして構成できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のスプリンクラーヘッドによれば、スプリンクラーヘッドを軽量化することができるため、消火設備配管に作用する重量負荷を軽減することができる。これによって、消火設備配管の軽量化に寄与することができ、配管の支持金具の使用を減少して設備コストを低減することができる。また消火設備配管として金属管に替えて使用する樹脂管の経年劣化を抑制することもできる。さらに運搬時、消火設備配管への設置作業時の重量負荷による作業負担も軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
第1実施形態(図1〜図9)
以下、本発明のスプリンクラーヘッド第1実施形態について
図1〜
図9を参照して説明する。
【0032】
第1実施形態のスプリンクラーヘッドAは、本体1、弁体3、感熱分解部4、デフレクター5、サポートカップ6、カバープレート7を備えており、コンシールド型スプリンクラーヘッドとして構成されている。
【0033】
図1から
図3に示す本体1は中空状であり、一端は充水された配管と接続可能な牡ネジが形成された配管接続部1Aとなっている。配管接続部1Aの他端側は放水口1Bとなっている。放水口1Bの端は弁体3によって閉塞されている。
【0034】
配管接続部1Aと放水口1Bの間には外周部の断面形状が多角形であるサポートカップ係止部1Cが形成されている。サポートカップ係止部1Cより放水口1B側には、サポートカップ係止部1Cの外周部より大きな外周を有する鍔部が形成されており、その鍔部の縁から放水側に向けて筒状のフレーム部2が形成されている。本体1は前述の配管接続部1Aと配管接続部1Aより大きな外周面を有するフレーム部2とで構成されている。
【0035】
フレーム部2の外周横断面形状は、円の2箇所を平行に切欠いた形状をしており、具体的には切欠かれた2箇所の直線部と各直線部の間の円弧部とが形成されている。従ってフレーム部2の外周面には断面円弧状の曲面部2Aと断面直線状の平面部2Bが形成されている。平面部2Bはフレーム部2の外周面を配管接続部1Aの側から後述する梁状部2Jまで切り欠くように形成された切欠面部として形成されており、そこに開口2Eが形成されている。フレーム部2の下部の外周断面形状は、平面部2Bが無くなり曲面部2Aと同じ半径寸法である円形となっている。即ち平面部2Bの下方にはフレーム部2の周方向に沿って架設した円弧状部分でなる梁状部2Jが形成されている。この梁状部2Jはフレーム部2の筒軸を中心とする対向位置に形成されている。
【0036】
フレーム部2の内周下部(曲面部2Aの下部と梁状部2Jの内周面)には内側に向かって拡張して形成された内方フランジ2Cが形成されている。曲面部2Aの下部に位置する内方フランジ2Cにはレバー挿通溝2D、2Dが形成されている(
図1)。
【0037】
レバー挿通溝2Dから略90°回転したフレーム部2の平面部2Bには開口2Eが形成されている。開口2Eはフレーム部2の内側を曲線部2Aの外径寸法より小さく且つ2つの平面部2B間の寸法より大きい径寸法で切削することで形成される。
【0038】
開口2Eの下方に位置する梁状部2Jの内方フランジ2Cは、後述する感熱分解部4のレバー11が係止されるレバー係止部2Fとなる。開口2Eの下方の梁状部2Jにレバー係止部2Fを設けたことで、レバー係止部2Fに放水口1B側からフレーム部2の下端側へ荷重を印加すると、梁状部2Jは印加された荷重によって弾性変形するが、開口2Eを設けない場合と比較して梁状部2Jの弾性変形による変形量を大きくすることができる。そしてこの梁状部2Jの弾性変形(たわみ)がバネ力となり、そのバネ力はスプリンクラーヘッドAが作動した際に感熱分解部4の構成部品を外へはね飛ばす作用を有しておりロッジメントの防止に機能する。
【0039】
レバー挿通溝2Dの外周側にはフレーム部2の下端より下方へ垂下して形成されたデフレクター係止部2Gが形成されている。フレーム部2と放水口1Bとの境には、弁体3が収容可能な段部2Hが形成されている。段部2Hにより弁体3が振動や衝撃等によって放水口1Bから位置ずれした際の移動を段部2H内に留めて弁体3が放水口1Bから位置ずれして放水口1B内の水が漏れることを防止している。
【0040】
弁体3は円盤形状であり、前述の段部2Hに収容される。弁体3は後述するコンプレッションスクリュー21により放水口1Bの端に押圧され放水口1Bを閉塞している。
【0041】
感熱分解部4はフレーム部2の梁状部2Jに形成された内方フランジ2C(レバー係止部2F)に係止され、火災時には火災の熱によって分解作動して弁体3を解放する。感熱分解部4は、レバー11、支持板12、バランサー13、シリンダー14、プランジャー15、低融点合金16、セットスクリュー17から構成される。
【0042】
感熱分解部4は
図4に示すようなユニット部品として構成され、ユニット部品として保管、運搬が可能である。スプリンクラーヘッドの組立時においても
図4で示すユニット部品の状態で本体1に組み込まれる。
【0043】
レバー11は、一対で用いられており一端が内方フランジ2Cに係止され外方に屈曲した形状をしている。レバー11の上部には左右対称に設けられた突起11Aが形成され(
図5)、下部には矩形の穴11Bが穿設されている。一対のレバー11の間には支持板12とバランサー13が係止され、支持板12は突起11Aと係止し、バランサー13は下部の穴11Bに係止される。バランサー13の中心部には穴13Aが穿設されており、該穴13Aにシリンダー14が挿入される。
【0044】
シリンダー14は円筒形状をしており、内部には段が形成され、大径部14Aと小径部14Bが形成されている。大径部14Aには円環状の低融点合金16が収容されている。また大径部14A側の端には鍔部14Cが形成されており、該鍔部14Cがバランサー13の穴13Aと係合する。小径部14Bの内径は環状の低融点合金16の内径と略等しい。
【0045】
小径部14Bの先端はヒートコレクター18、19を挟んだ状態で折り曲げられ、ヒートコレクター18、19がシリンダー14に設置される。ヒートコレクター18、19は熱伝導性が良好な銅や銅合金等の金属から形成され、火災による熱を吸収してシリンダー14内の低融点合金16に伝える作用を有する。
【0046】
プランジャー15の外周部は段により大径部15Aと小径部15Bが形成されている。大径部15の外径はシリンダー14の大径部14Aの内径より僅かに小さく形成される。小径部15Bの外径はシリンダー14の小径部の内径および低融点合金16の内径より僅かに小さく形成される。
【0047】
プランジャー15は、シリンダー14の大径部14A側から挿通され、小径部15Bと、大径部15Aと小径部15Bの境の段部15Cとが低融点合金16に接触する。プランジャー15をシリンダー14に挿通した状態において、プランジャー15の外周面はシリンダー14Bおよび低融点合金16の内周面と摺動可能となっている。
【0048】
プランジャー15には貫通穴15Dが穿設されており、貫通穴15Dの中間にはセットスクリュー17の先端が接触する段部15Eが形成されている。
【0049】
セットスクリュー17は筒形をしており外部には牡ネジ17Aが螺刻されている。牡ネジ17Aを支持板12の牝ネジ12Aに螺入すると、セットスクリュー17の先端がプランジャー15の段部15Eを押圧するので低融点合金16はプランジャー15の段部15Eとシリンダー14の底部14Dにより圧縮方向の力が作用した状態にある。
【0050】
また一対のレバー11に係合した支持板12とバランサー13もレバー11との係止が強まる方向へ力が印加され、レバー11と支持板12、バランサー13の係合状態が保持される。これにより感熱分解部4がユニットとして構成される。
【0051】
感熱分解部4と弁体3の間にはサドル20が設置される。サドル20は金属の板材から形成されており、一面には一対のレバー11が係合する凹部20Aが形成されている。凹部20A、20Aの間には、牝ネジ20Bが螺刻されており、該牝ネジ20Bにはコンプレッションスクリュー21が螺入されている。このコンプレッションスクリュー21とサドル20は本発明の荷重発生部材を構成する。
【0052】
コンプレッションスクリュー21を感熱分解部4側から弁体3に向かって牝ネジ20Bに螺入すると、コンプレッションスクリュー21の先端が弁体3を押圧して、弁体3が放水口1Bの端に押圧され放水口1Bを閉塞するとともに、一対のレバー11が係止されているフレーム部2の内方フランジ2Cを下方に押圧する。これによって梁状部2Jが弾性変形し極僅かな変位が生じる。このような梁状部2Jのたわみによる変位によって、分解作動時に感熱分解部4の構成部品をフレーム部2の外にはじき飛ばすバネ力が生じる。本実施形態ではコンプレッションスクリュー21とサドル20による簡易な部品構成と簡単な組立作業によって、弁体3の止水性と梁状部2Jのたわみ変形とに必要な荷重を得ることができる。
【0053】
デフレクター5は、平板状で周囲に複数のスリット5Aが形成されている。デフレクター5にはガイドピン5Cが嵌合される穴5B、5Bが穿設されており、該穴5Bにガイドピン5Cの一端が挿通され、カシメ固定される。ガイドピン5Cは本体1のデフレクター係止部2Gに穿設された穴5Eに挿通されている。ガイドピン5Cは穴5Eに挿通された状態で摺動可能である。ガイドピン5Cの他端側には鍔部5Dが形成されており、本体1のデフレクター係止部2Gの穴5Eの端面に係止可能である。
【0054】
サポートカップ6は、本体1のフレーム部2の外側を覆う有底円筒形状の部材である。サポートカップ6の底部6Aには前述の本体1のサポートカップ係止部1Cと嵌合可能な開口6Bが形成されている。サポートカップ係止部1Cと開口6Bを嵌合させることで、サポートカップ6が本体1に対して回転することを防止できる。
【0055】
開口6Bの周縁には外側へ向かって立設した筒状部6Cが形成されている。筒状部6Cの端面の位置はサポートカップ係止部1Cの端面より配管接続部1A側にあり、筒状部6Cの端は本体1の配管接続部1Aとサポートカップ係止部1Cとの間の括れ部1D付近に位置する。筒状部6Cの根元の数箇所に切り込みを入れた後、切り込みの上部を外周側から括れ部1D側に押圧して切り込みの上部を括れ部1D側に変形させ係合部6Dを形成することで係合部6Dと括れ部1Dが係合され、サポートカップ6を本体1に固定設置することができる。
【0056】
サポートカップ6の底面内側には前述の開口6Bと同様な開口が形成されたベースプレート6Eが設置されている。またサポートカップ6の底面6Aの周縁付近には均等間隔で複数の開口6Fが穿設されている。開口6Fはサポートカップの底面6Aから側面6Gにまで及んでいる。側面6Gの端面側には螺旋溝6Hが形成されている。
【0057】
カバープレート7は、サポートカップ6内の本体1や感熱分解部4、デフレクター5を覆い隠す薄板状の蓋7Aと、円筒形状のリテーナー7Bから構成される。カバープレート7は、本体1の配管接続部1Aを消火設備配管に接続した後にサポートカップ6に接続されることから、前述の本体1やサポートカップ6とは別部品として組立てられる。
【0058】
蓋7Aは円盤形状であり材質は熱を伝播しやすい銅や銅合金を用いる。リテーナー7Bは筒状であり下端から垂下した複数の脚の先端が折り曲げられ、蓋7Aとの接続面7Cが形成されている。接続面7Cと蓋7Aは低融点合金7Dにより接合される。低融点合金7Dは前述のシリンダー14内の低融点合金16より融点が低いものを用いる。
【0059】
リテーナー7Bの周面には前述のサポートカップ6の螺旋溝6Hと螺合可能な突起7Eが形成されている。該突起7Eはリテーナー7Bの周面に切り込みを入れ、突起7Eが斜め下方に突出するように形成されている。突起7Eはストッパーの作用を有しておりサポートカップ6の螺旋溝6Hと螺合状態の際にリテーナー7Bを下方に引き抜こうとすると突起7Eが螺旋溝6Hに引っ掛かり抜け止めとなる。
【0060】
逆にサポートカップ6にリテーナー7Bを嵌め入れる際には突起7Eは螺旋溝6H上で弾性変形して螺旋溝6H上を通過することが可能である。従って、サポートカップ6にリテーナー7Bを嵌め込む際にはリテーナー7Bをサポートカップ6に押し込むワンプッシュ操作で設置可能である。
【0061】
続いて、第1実施形態のスプリンクラーヘッドの組立手順および施工手順について説明する。
【0062】
先ず、本体1のフレーム部2の端から弁体3を段部2H内に嵌め入れる。続いてコンプレッションスクリュー21が螺合されたサドル20をフレーム部2内に入れる。
【0063】
さらにサドル20の凹部20Aの位置にレバー11が係合するように、予め組立てておいた
図4の状態の感熱分解部4をフレーム部2内に挿入する。その際、レバー11を内方フランジ2Cのレバー挿通溝2Dを通過させてフレーム部2内に挿入し、レバー11の先端が内方フランジ2Cより奥へ挿通した後に感熱分解部4を回転させて凹部20Aとレバー11を係合させる。さらに感熱分解部4を回転させ、レバー11の位置がレバー挿通溝2Dから略90°回転した位置にセットする。
【0064】
続いて感熱分解部4のセットスクリュー17の貫通穴からコンプレッションスクリュー21を回転可能なレンチやドライバー等の工具を挿通させ、コンプレッションスクリュー21を牝ネジ20Bに螺入させる。するとコンプレッションスクリュー21の先端が弁体3を押圧するとともにレバー11の先端が内方フランジ2Cを押圧して内方フランジ2Cを弾性変形させる。コンプレッションスクリュー21を所定のトルクで締め付けることにより弁体3が放出口1Bを押圧する荷重を所定範囲内にコントロールすることが可能である。このようにフレーム部2の内部に弁体3等の構成部品をすべて入れた後に、貫通穴に工具を挿入しコンプレッションスクリュー21を牝ネジ20Bに螺合させることで組立作業が完了するので、組立作業を容易に行うことができる。
【0065】
次にデフレクター5を本体1に設置する。ガイドピン5Cを本体1のデフレクター係止部2Gに穿設された穴5Eに挿通した後、ガイドピン5Cの端とデフレクター5の穴5Bをカシメ固定する。
【0066】
続いて、サポートカップ6を本体1に設置する。本体1のサポートカップ係止部1Cとサポートカップ6の筒状部6Cを嵌め合わせた状態で、筒状部6Cの根元の数箇所に切り込みを穿設する。その後切り込みの上部を筒状部6Cの外周側から括れ部1Dに向かって押圧すると、切り込みの上部が括れ部1Dの外周形状に沿って変形され係合部6Dが形成される。係合部6Dと括れ部1Dが係合されてサポートカップ6が本体1に固定完了となる。ここまででスプリンクラーヘッドの製品としての組立手順は完了する。
【0067】
カバープレート7は、上記の製品を配管に接続して天井ボードWCを施工した後(
図7の状態)にサポートカップ6に接続される。カバープレート7の設置は、カバープレート7の突起7Eをサポートカップ6の螺旋溝6Hに螺合させて接続する。
【0068】
このとき消火設備配管の接続口と天井面との間の距離は、設計上や施工上、消火設備配管の接続口ごとに異なることがある。このような場合にはサポートカップ6に対するリテーナー7Bの差し込み長さを調整することで、個々の接続口と天井面との間の距離に対応して設置することが可能である。
【0069】
例えば
図1ではサポートカップ6に対してリテーナー7Bが最も深く差し込まれているが、
図1よりも配管の接続口と天井面との間が離れている場合にはリテーナー7Bの差し込み長さを浅くすればよい。
【0070】
そしてこの場合に、本実施形態ではデフレクター係止部2Gを天井面にできるだけ近いフレーム部2の開口端側に設けられており、デフレクター5の移動範囲が大きい。このためリテーナー7Bの差し込み長さが浅く、デフレクター5が
図1よりも下方位置でカバープレート7の裏面に載置させた状態になったとしても問題なく施工することができる。即ちコンシールド型スプリンクラーヘッドAの施工上の取付調整代を大きく取ることができ施工が容易になる。
【0071】
以上によって
図1に示すスプリンクラーヘッドの組立が完了する。
【0072】
次に第1実施形態のスプリンクラーヘッドAの作用・効果について説明する。
【0073】
フレーム部2には、配管接続部1Aの外方に突出する外周面が形成されており、該外周面における対向位置に、感熱分解部4のレバー11が係止する梁状部2J(内方フランジ2C)と、該外周面を配管接続部1Aの側から梁状部2Jまで欠如する開口2Eとを有するため、フレーム部2を大幅に軽量化することができる。したがって、消火設備配管に作用する荷重を軽減することができ、また運搬時、消火設備配管への取付作業時の重量負荷による負担も軽減できる。
【0074】
フレーム部2には相互に対向位置に梁状部2Jが形成されているため、感熱分解部4のレバー11の押圧荷重を双方の梁状部2Jに均等に掛けることができ、各梁状部2Jのたわみによるバネ力を均等に発揮させることができる。このため感熱分解部4を長年に亘って継続的に安定して保持することができる。また、各梁状部2Jのたわみによる均等なバネ力は、感熱分解部4の分解作動時に、その構成部品をフレーム部の軸方向ではね飛ばすことができロッジメント防止に機能させることができる。
【0075】
フレーム部2には感熱分解部4を挿入可能な開口端が形成されている。したがってフレーム部2の開口端から感熱分解部4を挿入できるので、感熱分解部4を容易に組み込むことができる。また、本実施形態の感熱分解部4はユニット部品であるため、フレーム部2の内部に組み込みながら感熱分解部4を組み立てる必要がなく、組立作業を簡略化することができる。
【0076】
フレーム部2の開口2Eは梁状部2Jの外周面よりもフレーム部2の中心軸側の内方位置に設けられている。こうすることで、梁状部2Jの内周面の切削加工と同時に開口2Eを形成することが可能となる。したがって開口2Eを形成するための専用工程に依存しなくても、開口2Eを形成して梁状部2Jを設ける製造コストを低減することができる。
【0077】
本実施形態では配管接続部1Aとフレーム部2が一体構造の鍛造加工体であるため、それらが別部品である場合と比較して部品点数を削減することができ、コストダウンを図ることが可能である。
【0078】
フレーム部2の内方フランジ2Cには感熱分解部4のレバー11を挿通させるレバー挿通溝2Dが形成されているので、感熱分解部4をフレーム部2に挿入する際に内方フランジ2Cが邪魔にならず作業性良く容易に挿入することができる。
そして感熱分解部4は、レバー11をレバー挿通溝2Dに挿通させた後にフレーム部2の軸回りに回転させることでレバー11が内方フランジ2Cに対して係止する。このため組立作業を容易に行うことができる。
【0079】
本実施形態ではフレーム部2の開口端の外側にデフレクター5を備えている。このためデフレクター5はスプリンクラーヘッドの仕様・用途に応じて様々な形状のものを取り付けることで容易に別個の製品を構成することが可能である。つまり、デフレクター5を設置する前の段階の構成品は様々な製品に共通して使用することができ、所望のスプリンクラーヘッドの仕様・用途に応じたデフレクター5を設置することで簡易に仕様の異なる製品をつくることができる。
【0080】
本実施形態では、デフレクター係止部2Gをフレーム部2の外周面におけるレバー挿通溝2Dの外方位置に設けている。こうすることで感熱分解部4のレバー11の位置とデフレクター係止部2Gとが離間するため、感熱分解部4の分解作動時のロッジメントを有効に防止できる。即ち外周面にデフレクター係止部2Gを設けたフレーム部2の内周面にはレバー挿通溝2Dが位置する。このため感熱分解部4のレバー11はデフレクター係止部2Gの内周面側位置で係止することができない。したがってレバー11はデフレクター係止部2Gから離れた位置にある内方フランジ2Cに対して係止せざるを得ない。これによってスプリンクラーヘッドAの作動時に感熱分解部4が分解作動してレバー11が飛散・落下する際にレバー11がガイドピン5Cと衝突することを防止することができ、分解作動時のロッジメントを防止することができる。
【0081】
第2実施形態(図10)
次に本発明の第2実施形態について
図10を参照して説明する。
【0082】
図10に示す第2実施形態のスプリンクラーヘッドBはフラッシュ型のスプリンクラーヘッドである。第2実施形態において第1実施形態と構成が同様な箇所については同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0083】
第2実施形態と第1実施形態との差異点について説明する。第2実施形態は、第1実施形態のカバープレート7をシーリングプレート30に置き換えたものである。シーリングプレート30はカバープレート7と同様にサポートカップ6の螺旋溝6Hと接続可能なリテーナー7Bを有する。リテーナー7Bの下端は鍔状に拡張されておりプレート31が形成されている。プレート31は天井ボードWCの穴を覆い隠す作用を有する。
【0084】
図10において天井ボードWCの下側(室内側)からは、デフレクター5が露出した状態となっている。デフレクター5およびプレート31は天井ボードWCの色に合わせて塗装等の表面処理を施してもよい。デフレクター5は天井ボードWCより突出させないで設置するために、ガイドピン5Cとデフレクター係止部2Fの穴5Eを低融点合金32により接合している。低融点合金32は感熱分解部4に用いられている低融点合金16よりも融点が低いものを用いる。
【0085】
第2実施形態のスプリンクラーヘッドBによれば、第1実施形態のスプリンクラーヘッドAと同様の作用・効果を奏することができる。また、常時においてデフレクター5を天井ボードWCから突出させずに設置したことで室内の美観を損なわずにスプリンクラーヘッドを設置可能である。
【0086】
第3実施形態(図11)
続いて本発明の第3実施形態について
図11を参照して説明する。
【0087】
図11に示す第3実施形態のスプリンクラーヘッドCはフレームヨーク型のスプリンクラーヘッドである。第3実施形態において第1実施形態と構成が同様な箇所については同符号を付して詳細な説明は省略する。
【0088】
第3実施形態と第1実施形態との差異点について説明する。第3実施形態では、フレーム部2にデフレクター係止部としてのアーム35、35が接続されている。アーム35、35の端は放水口1Bの延長上で連結されており連結部には放水口1B側に突出したボス部36が形成されている。ボス部36の反対側には板状のデフレクター37が固定設置されている。尚、図示していないがアーム35、35はフレーム部2にネジ止め、溶接、ろう付け等の方法で設置する。
【0089】
第3実施形態によれば、感熱分解部4を本体1に組み込んだ後にフレーム部2にアーム35を設置して、該アーム35の先端にはデフレクター37を設置することが可能であり、所望の仕様や用途に応じた形状のデフレクター37を設置することで多種類の製品をつくることが可能となる。またアーム35は放水口1Bから放出される水流をデフレクター37にて支持可能な強度を有していれば、アーム35をピンや薄板にて構成することが可能である。アーム35をピンや薄板で構成することでアーム35が放水口1Bから放出された水流の妨げにならないように構成可能である。
【0090】
各実施形態の変形例(図12)
第1実施形態〜第3実施形態の感熱分解部4については、これに替えて2枚の薄板を低融点合金で接合したリンクと該リンクが係合される一対のレバーによって構成される感熱分解部を用いることが可能である(特開2008−154697号公報参照)。そのような感熱分解部36を使った第1実施形態の変形例を
図12に示す。この感熱分解部36はレバー37の一端を内方フランジ2C(レバー係止部2F)に係止させながら他端をリンク38に係合させてフレーム部2のレバー係止部2Fへ組み込むことが可能である。
【0091】
第1実施形態では、サドル20の牝ネジ20Bにコンプレッションスクリュー21を螺合させてからフレーム部2の内部に組み込む例を示したが、サドル20にコンプレッションスクリュー21を予め螺合させずに、フレーム部2の内部に所定の構成部品を入れてから感熱分解部4のセットスクリュー17の貫通穴を通じてコンプレッションスクリュー21を挿入しサドル20の牝ネジ20Bに螺合させる構成としてもよい。
【0092】
第3実施形態のアーム35はフレーム部2と別部品としたものを例示したが、フレーム部2の一部にアーム部35を一体形成したものを用いることもできる。