【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的は、請求項1の特徴による装置によって達成される。装置のさらに有利な実施形態は、従属請求項において特定される。請求項において個々に特定される特徴は、特定された本発明のさらなる構造異型については、任意の所望の技術的に都合のよい方法で互いに組み合わされてよく、記述からの説明的な事実によって補充されてよい。
【0012】
本発明による装置は、少なくとも2つの少なくとも部分的に反対の位置にある開口の間に、そして第1の長手方向に関して延びる少なくとも1つの少なくとも部分的に透過性の壁を有する、粒子を捕獲するための中空体である。さらに、中空体は、第1の断面積を定義する主要な断面形状を有する。さらに、開口のうちの少なくとも1つは、第2の断面積を定義する。第2の断面積は、第1の断面積よりも大きいことが、ここで定義される。
【0013】
前記タイプの中空体は、例えば、スクリーン、ファブリック、不織布のフィルタ等でよい。これは、特に、排気ラインと排ガスの再循環ラインとの間に配置されてよい。ここで、少なくとも部分的に透過性の壁は、排ガスの再循環ラインへのアクセスを例えばカバーしてよい。排ガスの主な流れは、それから、一方の開口から他方の開口へ第1の長手方向に沿って中空体を通過してよい。その一方で、排ガスの部分的な流れは、中空体の透過性の壁を通って、ここから排ガスの再循環ラインへと流れる。
【0014】
中空体は、「主要な」断面形状を有する。これは、中空体がこの「主要な」断面形状を、第1の長手方向の方向に全長の少なくとも50%を越えて、特に第1の長手方向の方向に全長の少なくとも80%を越えて有していることを表現することを意味する。前記「主要な」断面形状は、したがって、中空体の2つの端部領域の間に好ましくは配置され、そして中空体の体裁に重要な影響を及ぼす。「主要な」断面形状として、以下の形状、特に、円、多角形、マルチ歯、楕円が考慮される。
【0015】
換言すれば、壁は、中空体の周面を構成して、および/または、主要な断面形状または第1の断面積と第2の断面積とを区切る。たとえ壁が複数の層(それは、互いに同心的でありおよび/または互いに対して圧迫している、および/または互いに接続している)から造られてもよいことが適しているとしても、単一の壁(単一の材料(合成の)からできている)は基本的に好ましい。ここに参照される断面積は、第1の長手方向の最も近くに配置される壁または層によって定義される。
【0016】
2つの開口は、第1の断面積よりも大きい第2の断面積を有することが好ましい。2つの開口は、等しいサイズおよび/または同一の形状(例えば円)の第2の断面積を有することが特に好ましい。主要な断面形状の第1の断面積から開口の第2の断面積(断面形状)への移行は、断面の拡幅として造られることが好ましい。そこにおいて、断面積は、開口への遷移領域において連続的に拡がる。
【0017】
少なくとも1つの開口の近くの端部領域における中空体の拡幅は、中空体を(管状の)排気ラインに接続するための特に簡単なプロセスを可能にする。これは、溶接によって接続するのに特に適している。このようにして、排気ラインのカラー、フランジ部、打痕(indentation)その他を省くことがまず可能である。そしてそれは、溶接によるこの種の排ガス浄化装置の接続にとってこれまで必要とされた。このように形成される中空体は、排気ラインの(滑らかな)部分に嵌入されて結合されることができる。主要な断面形状は、同時に、溶接点位置から遠くにあり、接続プロセス中に損傷を受けない。両側に開口が形成されている中空体の結果、排気ライン内において正確な位置合わせを実現することがさらに可能である。
【0018】
中空体のさらに有利な実施形態は、少なくとも部分的に透過性の壁が、高さを有して、長手方向に少なくとも部分的に沿って延びる隆起部および窪み部を有することにあってよい。ここで、「高さ」は、例えば隆起部と隣接する窪み部との高さの違いを表す。隆起部および窪み部は、特に主要な断面形状の領域において(のみ)設けられる。隆起部および窪み部は、概して周辺方向における一種のコルゲーション(波形)を生み出す。前記コルゲーションは、歯のある形でも、互いに隣接する半円の形でも、階段の形でも、および/または正弦波の形でもよい。
【0019】
ガス透過性の壁は、排ガス流に含まれる粒子がスクリーンのメッシュのサイズよりも大きいことの結果として粒子が保持されるスクリーンとして、特に作用する。壁を通る再循環排気にとって流動抵抗があまり大きくならないために、そして同時に、排ガスから保持された粒子によって壁が動作中にブロックされないために、壁の比較的大きい表面はここに設けられる。隆起部および窪み部によって、壁の表面は、それぞれの要求にしたがって拡張されることができる。
【0020】
すでに述べられたように、排ガスは、第1の長手方向に沿って一方の開口から他方の開口まで中空体を通って一般に流れる。ここに記載された中空体の好ましい実施形態において、隆起部および窪み部は長手方向の方向に延びるので、排ガス流もまた隆起部および窪み部に沿って流れ、そしてその際、フラッシュ特に窪み部内に蓄積した粒子は、有効な方法で窪み部から出る。特に、中空体の両方の開口が第1の断面積に関して拡がる第2の断面積を有する場合、中空体の窪み部の内側に蓄積した粒子にとって、有効な方法で中空体から吹き出されることが可能である。このようにして、前記窪み部の領域における粒子の(永久的な)蓄積を防止することは可能でさえあってよい。なぜなら、中空体は、流れの陰に位置するいかなるゾーンも有しないからである。このようにして、非常に小さい粒子を含んでいる排ガスだけが排ガスの再循環システム内に入ることは達成される。そして、より大きな粒子は、変換されるかまたは下流の排気システムの対応する浄化エレメント内に格納される。
【0021】
中空体の主要な断面形状は、幅に関して第2の断面積まで拡がり、その幅は、高さの少なくとも30%および多くても300%に達することは、さらに有利である。ここで、「高さ」は、隣接する隆起部と窪み部との間の距離に再び関連する。比率が30%より低く選択される場合、隆起部および窪み部は、それから、あまりに小さくてよく(スクリーンの表面積または吹き出し効果は減少する)、および/または、主要な断面形状から排気ラインの外径までの距離は、あまりに短くてよい(接続プロセスをより困難にする)。一方で、比率が上回る場合、中空体の製造はより困難になる。そして同様に、中空体の(自立する)安定性は、それから、あまりに大きな範囲まで損なわれ得る。
【0022】
少なくとも1つの開口の領域において滑らかな壁が形成されている中空体の実施形態は、好ましい。このようにして、特に2つの(実質的に)滑らかな(環状の)端部領域は、第2の断面積を有する開口周辺で形成される。さらに、隆起部および窪み部は、第1の主要な断面形状の領域において少なくとも1つの(第1の物理的な)高さを有することができる。そしてその高さは、第2の断面積への遷移領域において、第2の断面積で開口に隆起部および窪み部が最後に実質的に存在しなくなるまで減少する。「隆起部および窪み部が実質的に存在しない」という表現は、圧縮された非常に平坦な隆起部および窪み部がもちろんあってもよいことを意味する。しかし、これらは、主要な断面形状の領域において隆起部および窪み部に関していかなる有意な高さも有しない。
【0023】
中空体が、第1の断面積の領域において第1の周長を有し、少なくとも1つの開口の領域において第2の周長を有することは、さらに好ましい。そこにおいて、第1の周長は、第2の周長から多くても35%相違する。
【0024】
ここで考慮される断面積は、第1の長手方向に対して垂直に配置され、中空体の壁によって定義される。周長は、断面積の周辺または断面積の領域の壁に対応する。
【0025】
前記周長は、中空体の異なる断面積においてあまり大きな範囲に相違してはならない。なぜなら、中空体全体は、単一の(スクリーンのような)壁から好ましくはできていて、通常は1つの円筒状のブランクから造られなければならないからである。前記ブランクが過剰に変形する場合、壁のスクリーンのサイズは、容認しがたい範囲まで変えられる。そしてその結果、不均一なメッシュのサイズが壁において形成され得る。そしてそれは、極端に大きい粒子が壁を通過可能な結果となり得る。中空体の全長に沿った周長の最大差は、これを確実にするための適切なパラメータである。
【0026】
中空体は、第1の長手方向に沿って延びる第1の長さを有し、主要な断面形状は、第1の長手方向に沿って延びる第2の長さを有し、第2の長さは、第1の長さの少なくとも50%および多くても90%に達する場合、本発明による中空体は、さらに有利である。
【0027】
主要な断面形状の長さは、中空体の最小限の長さを越えて延びなければならない。そうすると、部分的に透過性の壁の適切に大きな面積は、排ガスからの粒子の分離に利用できる。
【0028】
第2の断面積が第1の直径を有し、そして第1の断面積が外径を有する場合、本発明による中空体は、さらに有利である。そしてさらに、外径は、第1の直径の少なくとも30%および多くても90%に達する。
【0029】
第1の断面積の外径が中空体の第1の直径よりも小さいので、排ガス流の加速は、中空体の中で起こる。排ガス流の前記加速の結果、中空体の壁上に、そして特に壁の隆起部および/または窪み部に蓄積される粒子は、特に有効な方法において中空体から再び吹き出されることができる。同時に、第2の断面積に関する第1の断面積のサイズの縮小は、あまり大きくてはならない。なぜなら、この結果、一方の開口から他方の開口への中空体の流動抵抗は増加するからである。
【0030】
少なくとも部分的に透過性の壁がワイヤフィラメントでできたファブリックを含む中空体もまた、本発明に含まれる。
【0031】
ファブリックは、スリーヘドル綾織ファブリックまたはファイブヘドル綾織ファブリック(いわゆる「アトラスファブリック」、TELAファブリック、またはファイブヘドルアトラスパターンを有するファブリック)の方法において形成されてよい。この種のファブリックは、ほぼ90°の角度で互いに織られる縦糸フィラメントおよび横糸フィラメントを有する。ファブリックにおいて、縦糸フィラメントに沿った方向は、以下に縦糸方向と呼ばれ、そして、横糸フィラメントに沿った方向は、以下に横糸方向と呼ばれる。前記タイプのファブリックにおいて、縦糸フィラメントおよび横糸フィラメントは、横糸フィラメントがいずれの場合も、順に重ねて位置する4本の縦糸フィラメントの上を通り、その後1本の縦糸フィラメントの下を通るように編まれる。このプロフィールは、全てのファブリックに亘って横糸フィラメントごとに繰り返される。互いに隣接している2つの横糸フィラメントは、いずれの場合も異なる縦糸フィラメントの下を通る。ここで横糸フィラメントにとって、いずれの場合も1つおいて次の縦糸フィラメントの下を通り、この下で直接隣接する横糸フィラメントが通ることは好ましい。前記配置は、定期的に反復するパターンを生み出す。そしてそれは、ファブリックにおいて、横糸方向に関して斜めに、および縦糸方向に関して斜めに通る。このようにして織られるファブリックは、特に強くて、比較的滑らかな表面を有する。
【0032】
この種のファブリックによって、安定性と同時に高い通過流を達成することは可能である。ここで、異なる構造のワイヤフィラメント(縦糸および横糸フィラメントとして用いる)、特に比較的厚い縦糸フィラメント(フィラメントの直径が例えば160μm)および比較的薄い横糸フィラメント(フィラメントの直径が例えば150μm)が使用される。フィラメントの直径にとって、いずれの場合も+/−4μmの公差が好都合である。そうすると、縦糸フィラメントは、少なくとも156μmおよび多くても164μmの直径を有し、そして横糸フィラメントは、少なくとも146μmおよび多くても154μmの直径を有する。仕上げられたファブリックにおいて、比較的薄い横糸フィラメントは、比較的厚い縦糸フィラメントよりも強く曲がる。これは、設けられるメッシュの形状に影響する。
【0033】
この種のファブリックは、矩形のメッシュを有する。そしてそれは、縦糸方向におけるよりも横糸方向においてより大きなメッシュのサイズを有する。メッシュのサイズは、好ましくは縦糸方向における平均でほぼ77μmでなければならない。ここで、+/−6μmの公差は、好都合である。本発明は、したがって、少なくとも71μmおよび多くても83μmの縦糸方向のメッシュの平均サイズを含む。メッシュのサイズは、好ましくは横糸方向における平均で149μmでなければならない。ここで、+/−10μmの公差は、好都合である。本発明は、したがって、少なくとも139μmおよび多くても159μmの横糸方向のメッシュの平均サイズを含む。
【0034】
好適なメッシュのサイズおよび好適なフィラメントの直径は、縦糸方向で107メッシュ/インチまたはほぼ41メッシュ/mm[ミリメートル]のメッシュ数、横糸方向で85メッシュ/インチまたはほぼ33メッシュ/mm[ミリメートル]のメッシュ数を生み出す。
【0035】
さらに、特定のサイズを上回る粒子がファブリックを一般に通過できないことを確実にするために、縦糸方向および横糸方向の両方において最大メッシュのサイズを定めることは、好都合である。58μm[マイクロメートル]が、縦糸方向において最大の認められるメッシュのサイズにとっての公差として提案される。メッシュは、したがって、縦糸方向において最大で135μmのメッシュのサイズを有してよい。84μmが、横糸方向において最大の認められるメッシュのサイズにとっての公差として提案される。メッシュは、したがって、横糸方向において最大で233μmのメッシュのサイズを有してよい。
【0036】
前記タイプのファブリックの特性は、例えば、顕微鏡によって点検されてよい。縦糸方向または横糸方向における単位長さ当たりのフィラメントの本数は、単位長さ当たりのフィラメントを計数することによって決定されてよい。メッシュの平均サイズは、それから、フィラメントワイヤの直径をピッチ(ファブリックにおける2本のフィラメント間の間隔)から減算することによって決定されてよい。
【0037】
最大の認められるメッシュのサイズは、フィルタの透過性を少なくとも部分的に特定する。これは、ボール通過試験によって決定されてよい。ファブリック(不織布)におけるメッシュの最も大きな開口は、ボール通過と呼ばれる。正確に丸いボールは、ファブリックをまだ通過することができ、そして、比較的大きいものは保持される。矩形のメッシュの場合、2つのメッシュのサイズ(縦糸方向のメッシュのサイズ)でより小さいものがボール通過を実質的に決定することは、定義から明らかになる。ここで提唱されるファブリックでの試験において認められるボールの直径は、140μmと180μmとの間に、好ましくは150μmと170μmとの間に、そして特に155μmと160μmとの間になければならない。認められるボール通過は、したがって、縦糸方向において上記の指定されたメッシュのサイズよりも大きい。ファブリックの編まれた構造およびメッシュのサイズに関するフィラメントワイヤの直径のせいで、定義済みのメッシュのサイズにとって、定義済みのメッシュの幅よりもわずかに大きい通過開口が、ファブリックの平面(縦糸方向および横糸方向によって跨がる不織の平面に関して特に直交しない)に関して斜めに起こるので、これは問題である。
【0038】
ファブリックの厚みは、0.4mmと0.5mmとの間になければならず、好ましくはほぼ0.44mmでなければならない。ファブリックは、少なくとも4000l/m
2sと多くても8000l/m
2sと間の、好ましくは少なくとも5000l/m
2sと多くても7000l/m
2sとの間の、そして特に少なくとも5500l/m
2sと多くても6000l/m
2sとの間の空気透過性を有しなければならない。そのとき、ファブリックを横断して作用する差圧は、2mbarである。
【0039】
さらなる処理のために、ファブリックは、油膜、補助剤および他の不純物を含んではならない。
【0040】
使用するファブリックの形態において、ワイヤフィラメントは互いに焼結されることが好ましく、すなわち特に互いに溶接されない。
【0041】
ファブリックがスクリーンの方法で中空体の壁として用いられる場合、それは以下のパラメータのうちの1つによって少なくとも特徴づけられてよい。
−内燃機関の排気量1.0リットル当たり少なくとも50cm
2のスクリーン面積。
−焼結接続によって異なる方向をともなう不織接続される、異なる厚みの2種類(のみ)の異なるメタリックワイヤフィラメントを有する構造。
−少なくとも0.05mmの、特に0.1mmまたは0.25mmの(より小さい直径の粒子は、一般にスクリーンを通って流れる)スクリーンの分離効率。
−0.3mmと1mmとの間の、特に0.4mmと0.5mmとの間の壁厚。
−ドイツの「Stahlschlussel」による材料番号1.4841を有する壁(ワイヤ、ワイヤフィラメント、その他)の材料。
【0042】
スクリーンの(および/または上記のファブリックの)のメッシュのサイズは、0.3mm以下の、特に0.2mm以下の、そしてとりわけ好ましくは0.15mm以下の範囲にあることが好ましい。ここで、メッシュの幅は、好ましくは同様に少なくとも0.05mm(ミリメートル)でなければならない。
【0043】
少なくとも部分的に透過性の壁が、触媒的に活性なコーティングを少なくとも部分的に備えている場合は、中空体もまた有利である。壁上のこの種のコーティングによって、壁上の蓄積している粒子の変換はもたらされ得る。
【0044】
第2の長手方向および第3の断面積を有する排気ラインを有する排ガス処理装置もまた提案される。そこにおいて、本発明による少なくとも1つの中空体(それの第2の断面積は第3の断面積に(実質的に)対応する)は、排気ライン内に配置される。そしてさらに、中空体の壁は、排ガスの再循環ラインへの入口を排気ラインから切り離す。
【0045】
本発明は、内燃機関および排ガス処理装置を有して、排ガス処理装置は、排気ラインおよび、排ガス処理装置からの排ガスを内燃機関へ戻し送るための排ガスの再循環ラインを有する、自動車において実施されることが特に好ましい。そこにおいて、排ガスの再循環ラインは、本発明による中空体によって排気ラインから切り離される。
【0046】
本発明による中空体のために特定される実施形態および利点は、本発明による排ガス処理装置に、および本発明による自動車に類似して適用可能であり、そして移転可能である。