(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1レコード巻きテープ及び第2レコード巻きテープのうちの一方のレコード巻きテープの外側のテープ端と他方のレコード巻きテープの内側のテープ端とを、テープの表裏を一致させて接続する接続工程と、
前記接続工程後に、前記第2レコード巻きテープに接続された側とは反対側の前記第1レコード巻きテープのテープ端から、前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープのテープを供給する供給工程と、
を有するテープ供給方法であって、
前記供給工程において、前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープを回転させながら、
前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープの中空部を貫通する案内軸と、前記案内軸の周囲を囲むように配置された環状の案内環との間に形成された環状の隙間を通じて前記テープが供給されており、
前記第1レコード巻きテープの上下の面に垂直な方向に引き出された前記テープを、前記環状の隙間において検出することによって、前記テープの捻れを検出し、
前記捻れの検出結果に応じて前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープを回転させる
ことを特徴とするテープ供給方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0016】
第1レコード巻きテープ及び第2レコード巻きテープのうちの一方のレコード巻きテープの外側のテープ端と他方のレコード巻きテープの内側のテープ端とを、テープの表裏を一致させて接続する接続工程と、前記接続工程後に、前記第2レコード巻きテープに接続された側とは反対側の前記第1レコード巻きテープのテープ端から、前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープのテープを供給する供給工程と、を有するテープ供給方法が明らかとなる。
このようなテープ供給方法によれば、一度に供給できるテープ長を長くしつつ、レコード巻きテープからテープを直接的に供給できる。
【0017】
前記接続工程において、前記第1レコード巻きテープの外側の前記テープ端と前記第2レコード巻きテープの内側の前記テープ端とを接続し、前記供給工程において、前記第1レコード巻きテープの内側の前記テープ端から、前記第1レコード巻きテープの前記テープを供給することが望ましい。これにより、テープを供給するときにテープが絡まりにくい。
【0018】
前記接続工程において、下側の載置台に載置された前記第2レコード巻きテープの内側から引き出されたテープ端を、上側の載置台の開口部に通し、前記開口部に通した前記第2レコード巻きテープの前記テープ端を前記第1レコード巻きテープの下面から外側に出した状態で、前記第2レコード巻きテープの前記テープを挟んで前記上側の載置台に前記第1レコード巻きテープを載置し、前記第1レコード巻きテープの外側の前記テープ端と、前記第1レコード巻きテープの下面から外側に出ている前記第2レコード巻きテープの内側の前記テープ端とを接続することが望ましい。これにより、テープ端同士の接続作業が容易になる。
【0019】
前記供給工程において、前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープを回転させながら、前記テープを供給することが望ましい。これにより、テープの捻れを抑制できる。
【0020】
前記供給工程において、前記第1レコード巻きテープの上下の面に垂直な方向に引き出された前記テープの捻れを検出し、前記捻れの検出結果に応じて前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープを回転させることが望ましい。これにより、より適切にテープの捻れを抑制できる。
【0021】
前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープの中空部を貫通する案内軸と、前記案内軸の周囲を囲むように配置された環状の案内環との間に形成された環状の隙間を通じて前記テープが供給されており、前記環状の隙間における前記テープを検出することによって、前記テープの捻れを検出することが望ましい。これにより、テープの捻れを検出できる。
【0022】
前記第1レコード巻きテープ又は前記第2レコード巻きテープから引き出された前記テープを一対のローラーで挟むことによって、前記テープに捻れが生じたときに前記ローラーの上流側に前記捻れを蓄積させることが望ましい。これにより、捩れたテープが供給されることを抑制できる。
【0023】
前記供給工程において、前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープを回転させつつ、前記第1レコード巻きテープの外側から前記第1レコード巻きテープの上下の面に平行な方向に前記テープを引き出し、前記第1レコード巻きテープが無くなった後、前記第1レコード巻きテープのあった位置まで前記第2レコード巻きテープを移動し、前記第2レコード巻きテープを回転させつつ、前記第2レコード巻きテープの外側から前記テープを引き出すことが望ましい。これにより、テープの供給元の位置を一定にできる。
【0024】
第1レコード巻きテープ及び第2レコード巻きテープを載置する載置台と、テープを送り出す送出機構とを備えたテープ供給装置であって、前記載置台に載置された前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープのうちの一方のレコード巻きテープの外側のテープ端と他方のレコード巻きテープの内側のテープ端とが、テープの表裏を一致させて接続されており、前記送出機構は、前記第2レコード巻きテープに接続された側とは反対側の前記第1レコード巻きテープのテープ端から、前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープのテープを供給することを特徴とするテープ供給装置が明らかとなる。
このようなテープ供給装置によれば、一度に供給できるテープ長を長くしつつ、レコード巻きテープからテープを直接的に供給できる。
【0025】
前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープの中空部を貫通する案内軸と、前記案内軸の周囲を囲むように配置された案内環と、前記案内軸と前記案内環との間に形成された環状の隙間における前記テープを検出するセンサーと、前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープを回転させる回転機構とを備え、前記第1レコード巻きテープの上下の面に垂直な方向に前記テープを引き出しつつ、前記センサーの検出結果に応じて前記回転機構を駆動して、前記テープの捻れを解消する方向に前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープを回転させることが望ましい。これにより、より適切にテープの捻れを抑制できる。
【0026】
前記第1レコード巻きテープ又は前記第2レコード巻きテープから引き出された前記テープを挟む一対のローラーを備え、前記ローラーを回転させて前記テープを供給することが望ましい。これにより、捩れたテープが供給されることを抑制できる。
【0027】
前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープを回転させる回転機構と、前記第2レコード巻きテープの位置を移動させる移動機構とを備え、前記回転機構によって前記第1レコード巻きテープ及び前記第2レコード巻きテープを回転させつつ、前記第1レコード巻きテープの外側から前記第1レコード巻きテープの上下の面に平行な方向に前記テープを引き出し、前記第1レコード巻きテープが無くなった後、前記移動機構によって前記第1レコード巻きテープのあった位置まで前記第2レコード巻きテープを移動し、前記回転機構によって前記第2レコード巻きテープを回転させつつ、前記第2レコード巻きテープの外側から前記テープを引き出すことが望ましい。これにより、テープの供給元の位置を一定にできる。
【0028】
===(参考説明)レコード巻きテープ===
図1Aは、レコード巻きテープ10の説明図である。
レコード巻きテープ10は、テープ11の側辺(テープ11の幅方向の端)が揃った状態で重ねて巻き回されたテープである。レコード巻きテープ10は、テープ幅と同程度の幅の芯材にテープ11をレコード巻きすることによって製造される場合や、幅広の芯材に幅広の原反を巻き付けたものを所定幅にスリット(裁断)して製造される場合などがある。テープ11は、例えば紙、不織布、樹脂フィルムなどの材質から構成されているが、テープ11の材質はこれらに限られるものではない。
【0029】
ここでは、芯材の無いレコード巻きテープ10(コアレスタイプのレコード巻きテープ)が用いられる。芯材は、レコード巻きテープ10の製造時から無くても良いし、使用時にレコード巻きテープ10から外されても良い。
【0030】
以下の説明では、
図1Aに示すように、上下方向を定義する。すなわち、レコード巻きテープ10の軸に平行な方向を「上下方向」とし、テープ11の側辺から構成される2つの面のうち、載置面となる側を「下」とし、逆側を「上」とする。また、レコード巻きテープ10の軸から見て遠い側を「外側」と呼び、逆側を「内側」と呼ぶことがある。また、テープ11の外側の面を「表(おもて)」又は「表(おもて)面」、テープ11の内側の面を「裏」又は「裏面」と呼ぶことがある。図中では、テープ11の裏面に網掛けが施されている。
【0031】
図1B及び
図1Cは、1個のレコード巻きテープ10からテープ11を引き出す様子の説明図である。
図1Bは、レコード巻きテープ10の内側からテープ端12(テープ11の端部)を上に引き出す様子を示している。
図1Cは、レコード巻きテープ10の外側からテープ端12を上に引き出す様子を示している。
【0032】
図1B及び
図1Cに示すように、レコード巻きテープ10を動かさずにテープ11を引き出すことが可能である。但し、レコード巻きテープ10を固定したままテープ11を上(レコード巻きテープ10の上下の面に垂直な方向)に引き出すと、
図1B及び
図1Cに示すように、テープ11が螺旋状になり、テープ11に捻れが生じることになる。
【0033】
図1Bの引き出し方の場合、レコード巻きテープ10の最も内側のテープ11(引き出されるテープ11)が内側へ向かう力を受けるため、引き出されるテープ11とそのテープ11のすぐ外側のテープ11とが離間しやすい。これに対し、
図1Cの引き出し方の場合、レコード巻きテープ10の最も外側のテープ11(引き出されるテープ11)が内側へ向かう力を受けるため、そのテープ11だけでなく、その内側のテープ11も巻き込んで、数周分のテープ11が一緒に引き上げられてしまうことがある。このため、
図1Bの引き出し方は、
図1Cの引き出し方と比べて、テープ11が絡まりにくいという利点がある。
【0034】
レコード巻きテープ10は、トラバース巻きされたテープと比べて一般的に1個当たりのテープ長が短い。このため、
図1B及び
図1Cのように1個のレコード巻きテープ10からテープ11を引き出しただけでは、1度に供給できるテープ長さは短い。そこで、次に説明するように、レコード巻きテープ10のテープ端12同士を予め接続することによって、一度に供給できるテープ長を長くする。
【0035】
===(1)第1実施形態===
<(1)概要>
図2Aは、第1実施形態のテープ端12の接続方法の説明図である。ここでは、レコード巻きテープ10の載置台20(後述)については考慮しないことにする。以下の説明では、上側のレコード巻きテープ10に関する符号には添字「A」を付し、下側のものには添字「B」を付けることがある。
【0036】
2個のレコード巻きテープ10が上下に配置されている。上側のレコード巻きテープ10Aでは、外側のテープ端12Aが引き出されている。下側のレコード巻きテープ10Bでは、内側のテープ端12Bが引き出されている。そして、引き出されたテープ11はいずれも捻られることなく、テープ11の表裏を一致させてテープ端12同士が接続される。つまり、上側のレコード巻きテープ10Aのテープ端12Aの上縁と、下側のレコード巻きテープ10Bのテープ端12Bの上縁とを合わせるとともに、上側のレコード巻きテープ10Aのテープ端12Aの下縁と、下側のレコード巻きテープ10Bのテープ端12Bの下縁とを合わせて、互いのテープ端12が接続される。
【0037】
なお、テープ端12の接続には、例えば熱融着、圧着、接着、超音波接合、縫合などの接続方法が用いられる。採用される接続方法は、テープ11の材質や製造物(後述する光ケーブル等)の目的等に応じて異なる。また、ここではテープ端12同士が直接接続されているが、短い中継テープ等の中継物を介して間接的にテープ端12同士が接続されても良い。
【0038】
図2Bは、
図2Aのように接続した2個のレコード巻きテープ10のテープ供給方法の説明図である。
2個のレコード巻きテープ10を接続した後、上側のレコード巻きテープ10Aの内側のテープ端12A(下側のレコード巻きテープ10Bに接続された側とは反対側のテープ端12A)を上に引き出すことによって、上側のレコード巻きテープ10Aの内側からテープ11Aが供給される。そして、上側のレコード巻きテープ10Aが無くなると、下側のレコード巻きテープ10Bの内側のテープ端12B(上側のレコード巻きテープ10Aに接続されたテープ端12B)が上に引き出され、下側のレコード巻きテープ10Bの内側からテープ11Bが供給される。
【0039】
このように、予め2個のレコード巻きテープ10のテープ端12同士を接続することによって、上側のレコード巻きテープ10Aが尽きた後も連続して下側のレコード巻きテープ10Bからテープ11Bを供給することが可能になる。これにより、一度に供給できるテープ長を長くしつつ、レコード巻きテープ10からテープ11を直接的に供給できる。
【0040】
また、レコード巻きテープ10の内側からテープが供給されるため、引き出されるテープ11とそのテープ11のすぐ外側のテープ11とが離間しやすいので、テープ11を供給するときにテープ11が絡まりにくい。
【0041】
<(1)テープ端の接続方法>
図3A〜
図3Cは、第1実施形態のテープ端12の接続手順の説明図である。
【0042】
まず、作業者は、
図3Aに示すように、下側の載置台20Bにレコード巻きテープ10Bを載置する。そして、作業者は、
図3Aに示すように、このレコード巻きテープ10Bの内側からテープ端12Bを引き出し、このテープ端12Bを上側の載置台20Aの開口部21に通す。このとき、作業者は、開口部21を通したテープ11Bの面が載置台20Aの表面と平行になるように、テープ11Bを配置することが望ましい。これにより、このテープ11Bを挟むように別のレコード巻きテープ10Aを載置する作業(次の作業:
図3B参照)が容易になる。
【0043】
次に、作業者は、
図3Bに示すように、上側の載置台20Aに別のレコード巻きテープ10Aを載置する。このとき、作業者は、
図3Bに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aの下面から下側のレコード巻きテープ10Bのテープ端12Bを外側に出した状態で、下側のレコード巻きテープ10Bのテープ11Bを挟んで上側の載置台20Aにレコード巻きテープ10Aを載置する。
【0044】
次に、作業者は、
図3Cに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aの外側のテープ端12Aと、レコード巻きテープ10Aの下面から外側に出ているテープ端12B(下側のレコード巻きテープ10Bの内側のテープ端12B)とをテープ11の表裏を一致させて接続する。これにより、テープ端12の接続作業が完了する。
【0045】
なお、ここでは2個のレコード巻きテープ10の接続について説明したが、上下に3個以上のレコード巻きテープ10を配置し、上下に隣接するレコード巻きテープ10を上記と同様に接続しても良い。この場合、作業者は、下側の載置台20に載置されるレコード巻きテープ10から順にテープ端12の接続作業を行うことになる。
【0046】
図4A〜
図4Cは、第1実施形態の別の接続手順の説明図である。
まず、作業者は、
図4A及び
図4Bに示すように、上側の載置台20Aにレコード巻きテープ10Aを載置する。このとき、作業者は、
図4Aに示すように、このレコード巻きテープ10Aの外側のテープ端12Aを引き出し、このテープ端12Aを上側の載置台20Aの開口部21に通しながら、
図4Bに示すように、外側から引き出されたテープ11Aを下面で挟むようにレコード巻きテープ10Aを上側の載置台20Aに載置する。
【0047】
次に、作業者は、
図4Cに示すように、下側の載置台20Bに別のレコード巻きテープ10Bを載置する。そして、作業者は、
図4Cに示すように、このレコード巻きテープ10Bの内側からテープ端12Bを引き出し、上側のレコード巻きテープ10Aの外側のテープ端12Aと下側のレコード巻きテープ10Bの内側のテープ端12Bとをテープ11の表裏を一致させて接続する。
【0048】
ところで、
図4A及び
図4Bに示す載置作業時には、作業者は、レコード巻きテープ10Aを持った状態で、その持っているレコード巻きテープ10Aのテープ端12Aを開口部21に通すことや、そのテープ11Aを挟みながらレコード巻きテープ10Aを下に降ろすことを行わねばならない。レコード巻きテープ10Aが重い場合、前述の載置作業(
図3B参照)と比べると、作業者に負担がかかる。
また、
図4Cに示す接続作業では、載置台20の中央付近(開口部21の辺り)で行われることになる。このため、
図4Cに示す接続作業では、前述の接続作業(
図3C参照)と比べると、載置台20の外側にいる作業者は載置台20の中央付近まで手を伸ばして遠い場所で接続作業を行わねばならないので、作業者に負担がかかる。
このため、
図4A〜
図4Cに示す接続手順よりも、
図3A〜
図3Cに示す接続手順を採用する方が望ましい。
【0049】
<(1)テープの供給方法>
図5A〜
図5Cは、第1実施形態のテープ11の供給方法の説明図である。ここでは、2個のレコード巻きテープ10は
図3Cに示す状態であるが、
図4Cに示す状態であっても良い。
【0050】
2個のレコード巻きテープ10の接続作業後(
図3C参照)、
図5Aに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aの内側のテープ端12A(下側のレコード巻きテープ10Bに接続された側とは反対側のテープ端12A)を上に引き出すことによって、上側のレコード巻きテープ10Aの内側からテープ11Aが供給される。
【0051】
上側のレコード巻きテープ10Aは、その下面でテープ11Bを挟むように載置台20Aに載置されている(
図5A参照)。但し、上側のレコード巻きテープ10Aのテープ11Aを供給し続けると、
図5Bに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aが無くなるため、上側のレコード巻きテープ10Aの下面で挟まれていたテープ11Bも供給可能な状態になる。
【0052】
上側のレコード巻きテープ10Aが無くなると、下側のレコード巻きテープ10Bの内側のテープ端12B(上側のレコード巻きテープ10Aに接続されたテープ端12B)が上に引き出され、下側のレコード巻きテープ10Bの内側からテープ11Bが供給される。
このとき、
図5Cに示すように、下側のレコード巻きテープ10Bのテープ11Bは、上側の載置台20Aの外側を経由せずに、上側の載置台20Aの内側(開口部21)を通じて供給される。このため、この供給方法によれば、図中の点線で示すように、レコード巻きテープ10の外側に支持部材22を配置して、上側の載置台20Aを下側の載置台20Bで支持することが可能である。
【0053】
本実施形態では、2個のレコード巻きテープ10が上下に配置された状態で、テープ11が上側に引き出されている。これにより、上側のレコード巻きテープ10Aからテープ11Aを供給するときも、下側のレコード巻きテープ10Bからテープ11Bを供給するときも、上から見るとテープ11の供給元がほぼ同じ位置になる。仮に2個のレコード巻きテープ10を左右に配置した状態でテープ11を上側に引き出すと、テープ11の供給先(つまり上)から見たテープ11の供給元の位置が変化してしまうことになる。したがって、テープ11を上側に引き出す場合には、2個のレコード巻きテープ10を上下方向に並べて配置することが好ましい。
【0054】
図5A〜
図5Cに示すように、レコード巻きテープ10を固定したままテープ11を上に引き出すと、テープ11が螺旋状になり、テープ11に捻れが生じることになる。但し、捻れの無いテープ11を供給したい場合がある。このような場合には、次に説明するように、レコード巻きテープ10を回転させながらテープ11を供給すると良い。
【0055】
<(1)テープ供給装置>
図6は、テープ供給装置30の説明図である。テープ供給装置30は、送出機構32と、載置台20と、回転機構34と、捻れ検出部36と、コントローラー38とを有する。
【0056】
送出機構32は、上流側のレコード巻きテープ10からテープ11を引き出して、下流側にテープ11を送り出す機構である。送出機構32は、例えば、送出ローラー32A及び従動ローラー32Bと、送出ローラー32Aを回転させる送出モーター32Cとを有する。テープ11は、送出ローラー32Aと従動ローラー32Bとの間に挟まれており、送出ローラー32Aが回転することによって送り出される(供給される)。テープ11が送出ローラー32Aと従動ローラー32Bとの間に挟まれることによって、テープ11の捻れが送出ローラー32A及び従動ローラー32Bの上流側に蓄積され、捻れたテープ11が下流側に供給されることを抑制している(但し、捻れの数が許容捻れ回転数(後述:
図8参照)を超えてしまうと、捻れたテープ11が下流側に供給されてしまうことがある)。
【0057】
レコード巻きテープ10からテープ11を引き出す力は、送出ローラー32Aから直接的に付与されるのではなく、送出ローラー32Aよりも下流側の引張装置(不図示)から付与されている。送出ローラー32Aは、テープ11にバックテンションを付与する役割を果たしている。コントローラー38は、不図示の引張装置を駆動してテープ11の供給量や供給速度を制御しつつ、送出ローラー32Aのトルクを制御してテープ11のテンションを制御する。また、送出ローラー32Aは、テープ11の送り出しをガイドする役割を果たしている。
なお、レコード巻きテープ10からテープ11を引き出す力を、送出ローラー32Aよりも下流側の引張装置(不図示)から付与する代わりに、送出ローラー32Aの回転力から直接的に付与しても良い。この場合、コントローラー38は、送出モーター32Cを駆動して送出ローラー32Aの回転量を制御することによって、テープ11の供給量や供給速度を制御することになる。
【0058】
載置台20は、レコード巻きテープ10を載置する台である。ここでは、3つの載置台20が上下方向に並んで配置されている。載置台20の中央には開口部21(
図6では不図示:
図3A、
図5B、
図5C参照)が形成されている。但し、一番下の載置台20には開口部21が無くても良い。上下に並ぶ載置台20は、各載置台20の間に設けられた支持部材22によって一体的に連結されている。
【0059】
それぞれの載置台20には、レコード巻きテープ10が載置されている。3個のレコード巻きテープ10のうちの上下に並ぶ2個のレコード巻きテープ10に注目すると、
図3A〜
図3Cと同様に、上側のレコード巻きテープ10の外側のテープ端12と下側のレコード巻きテープ10の内側のテープ端12とがテープ11の表裏を一致させて接続されている。これにより、3個分のレコード巻きテープ10のテープ11を一度に供給することが可能である。
【0060】
載置台20は、開口部21を中心にしながら上下方向を軸として回転可能に支持されている。3つの載置台20は一体的に連結されているため、3つの載置台20は一体で回転することになる。載置台20が回転すると、3個のレコード巻きテープ10も一緒に回転することになる。
【0061】
回転機構34は、載置台20を回転させる機構である。コントローラー38が回転機構34のモーターを駆動すると、上下方向を軸として載置台20が回転する。上から見たときの載置台20の回転方向がレコード巻きテープ10の巻き方向(レコード巻きテープ10の内側から外側に向かってテープ11の巻かれている方向)と逆方向になるように、回転機構34は載置台20を回転させることになる。ここでは、上から見たときのレコード巻きテープ10の巻き方向が反時計回りなので、上から見た載置台20の回転方向は時計回りになる。
【0062】
捻れ検出部36は、テープ11の捻れを検出する機能を有する。捻れ検出部36は、案内軸36A及び案内環36Bと、検出センサー36Cとを有する。
【0063】
案内軸36Aは、レコード巻きテープ10の内側から引き出されたテープ11を上側に案内する部材である。案内軸36Aは、上下方向に延びた丸棒状の部材であり、レコード巻きテープ10の中心の中空部及び載置台20の開口部21を貫通するように配置されている。このように案内軸36Aを配置するために、案内軸36Aを着脱可能に構成しておき、載置台20にレコード巻きテープ10をセットするときには案内軸36Aを外しておき、レコード巻きテープ10のセット後にレコード巻きテープ10の中心の中空部及び載置台20の開口部21を貫通するように案内軸36Aを装着すると良い。
【0064】
案内軸36Aは、載置台20の回転中心に位置している。案内軸36Aは、載置台20とともに回転しても良いし、回転しなくても良い。案内軸36Aを載置台20とともに回転させると、テープ11と案内軸36Aとの擦れを抑制できるため、摩耗粉の発生や静電気の発生を抑制できるという利点がある。
【0065】
案内軸36Aは、載置台20及び載置台20上のレコード巻きテープ10よりも上側に突出している。この上側に突出した部位において、案内軸36Aの周囲を囲むように案内環36Bが配置されている。言い換えると、案内軸36Aは、環状の案内環36Bの中空部を貫通するように配置されている。
【0066】
案内環36Bは、テープ11の移動範囲をその内側に制限する環状の部材である。案内環36Bは、案内軸36Aの周囲を囲むように配置されており、案内環36Bは、案内軸36Aとの間で環状の隙間を形成する。レコード巻きテープ10から引き出されたテープ11は、案内軸36Aと案内環36Bとの間に形成された環状の隙間を通じて、供給されることになる。案内環36Bは、回転しないように外部から固定されている。
【0067】
案内軸36Aの外周と案内環36Bの内周との間隔は、テープ11の幅よりも狭い。つまり、案内軸36Aと案内環36Bとの間の隙間の幅は、テープ11の幅よりも狭い。これにより、環状の隙間の中でテープ11が捻れることを防止している。
【0068】
検出センサー36Cは、案内軸36Aと案内環36Bとの間の隙間におけるテープ11を検出するセンサーである。検出センサー36Cは、案内環36Bの内側で案内軸36Aと対向して配置されている。ここでは、検出センサー36Cは、テープ11の有無を検出するセンサーである。検出センサー36Cは、レバーなどの接触部がテープ11と接触してテープ11の有無を検出する接触式センサーでも良いし、検出光によってテープ11の有無を検出する光学式センサーでも良い。検出センサー36Cの検出結果は、コントローラー38に出力される。
【0069】
図7は、捻れ検出部36におけるテープ11の移動の説明図である。図中には、上から見た捻れ検出部36と、捻れ検出部36の環状の隙間(案内軸36Aと案内環36Bとの間の隙間)におけるテープ11の位置とが示されている。
【0070】
レコード巻きテープ10を固定したまま内側からテープ11を上に引き出すと、捻れ検出部36の環状の隙間におけるテープ11の位置は、レコード巻きテープ10の巻き方向(ここでは反時計回り)と同じ方向に移動する。例えばレコード巻きテープ10の1周分のテープ11が引き出されると、テープ11が環状の隙間を1周し、この結果、送出機構32の上流側にテープ11の捻れが1つ形成されることになる。
【0071】
そこで、コントローラー38は、捻れ検出部36の検出結果に基づいて、載置台20を回転させて、テープ11の捻れを解消させる。このとき、まずコントローラー38は、捻れ検出部36の検出結果に基づいて、環状隙間におけるテープ11の移動方向及び移動角度(移動量)を検出する。例えば、図示するように中心軸から見て90度ごとに検出センサー36Cが配置されている場合には、コントローラー38は、テープ11を検出した検出センサー36Cと、その直前にテープ11を検出した検出センサー36Cとを特定することによって、テープ11の移動方向(時計回り又は反時計回り)と、90度分のテープ11の移動とを検出できる。次に、コントローラー38は、環状の隙間におけるテープ11の移動方向とは反対方向に、テープ11の移動角度に相当する角度だけ載置台20を回転させる。例えば、コントローラー38は、捻れ検出部36の検出結果に基づいて環状の隙間においてテープ11が反時計回りに90度移動したことを検出したときには、載置台20を時計回りに90度回転させる。これにより、送出機構32よりも上流側のテープ11の捻れが解消される。
【0072】
送出機構32の上流側のテープ11の捻れはゼロでなくても許容される。ある程度の捻れは、レコード巻きテープ10から送出ローラー32Aとの間に蓄積できるためである。送出機構32よりも上流側に蓄積できる捻れの数(許容捻れ回転数)は、レコード巻きテープ10から送出ローラー32Aまでの距離(繰り出し距離)が長いほど、多くなる。
図8は、繰り出し距離と許容捻れ回転数との関係を示すグラフである。横軸の繰り出し距離は、レコード巻きテープ10から送出ローラー32Aまでの距離である。縦軸の許容捻れ回転数は、送出ローラー32Aから上流側に捻れが送り出されずに済む回転数である。ここでは、幅20mm、厚さ0.25mmの不織布が用いられている。グラフに示す通り、許容捻れ回転数は、繰り出し距離が長くなるほど、多くなる。この傾向は、テープ11の材質や形状(幅、厚さ)が変更されても、同様である。
このように、送出機構32の上流側でのテープ11の捻れは、ある程度許容されるので、捻れ検出部36による捻れの検出に対する載置台20の回転の応答の遅れは、ある程度許容されている。この結果、送出機構32の上流側のテープ11にある程度の捻れができることがある。但し、送出機構32の送出ローラー32Aと従動ローラー32Bとの間にテープ11が挟まれているため、捻れたテープ11が送出機構32の下流側に供給されることは防止できる。
【0073】
上記の通り、コントローラー38は、いわゆるフィードバック制御によって、捻れ検出部36の検出結果に基づいて載置台20の回転量を制御している。但し、コントローラー38は、レコード巻きテープ10の1周分のテープ11を供給する際に載置台20を1回転させるように、いわゆるフィードフォワード制御によって、載置台20の回転量を制御しても良い。この場合、コントローラー38は、送出機構32からのテープ11の供給量(若しくは送出機構32のの駆動量)に応じて載置台20を回転させれば良いので、捻れ検出部36が無くても良い。なお、コントローラー38が、捻れ検出部36の検出結果に基づくフィードバック制御を行いつつ、テープ11の供給量に基づくフィードフォワード制御を行うことによって、載置台20の回転量を制御することも可能である。
【0074】
<(1)ケーブル製造方法>
図9は、テープ11を有する光ケーブル1の断面図である。
図10は、テープ供給装置30を用いた光ケーブル1の製造装置40(製造ライン)の工程図である。
【0075】
光ケーブル1は、3つの光ファイバユニット2と、押え巻きテープ11と、外被7(シース)とを有する。押え巻きテープ11は、前述のレコード巻きテープ10から供給されたテープ11である。
【0076】
光ファイバユニット2は、5枚の4心光ファイバテープ3を識別糸4で巻き付けてユニット化した部材である。識別糸4は、幅2mm×厚さ0.1mmの色付き糸である。3つの光ファイバユニット2の識別色を異ならせることによって、作業者が各光ファイバユニット2を識別できる。
図10に示すように、ボビン43からそれぞれ供給されてくる5枚の4心光ファイバテープ3にバンドル装置44が識別糸4を螺旋状に巻き付けることによって、5枚の4心光ファイバテープ3が識別糸4によって束ねられて、光ファイバユニット2が構成される。SZ分線盤42が撚り回転方向を1回転毎に反転することによって、3つの光ファイバユニット2がSZ型に撚り合わされる。撚り合わされた3つの光ファイバユニット2は、押出し装置47に供給される。
【0077】
押え巻きテープ11は、3つの光ファイバユニット2を包む部材である。光ケーブル1内において、押え巻きテープ11は、渦巻き形状になっており、幅方向の両端部が重なりを持ったオーバーラップ構造になっている。前述のテープ供給装置30から供給される押え巻きテープ11を、渦巻き管41に挿入するとともに加熱することによって渦巻き形状に癖付ける。渦巻き形状に癖付けられた押え巻きテープ11は、押出し装置47において、一旦開かれて、その内部に3つの光ファイバユニット2が配置され、渦巻き形状に戻って3つの光ファイバユニット2を収容する。
【0078】
押え巻きテープ11は、例えば加熱により形状が保持される熱可塑性テープから構成される。具体的には、押え巻きテープ11には、ポリイミドテープ、ポリエステルテープ、ポリプロピレンテープ、ポリエチレンテープ等が使用される。この他、押え巻きテープ11として不織布を利用することができる。この場合、不織布は、ポリイミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等をテープ状に形成したものが使用される。なお、不織布は、吸水パウダー等を付着・塗布させたものや、そのための表面加工を施したものであっても良い。押え巻きテープ11は、不織布にポリエステルフィルム等のフィルムを貼り合わせたものでも良い。押え巻きテープ11は、たとえ加熱されても、内側の光ファイバテープ3や外側の外被7に対しては非接着とされている。これは、光ケーブル1の端末部での口出し作業時や中間分岐作業時に、光ケーブル1から光ファイバテープ3(若しくは光ファイバ心線)を取り出し易くするためである。
【0079】
外被7は、光ファイバユニット2及び押え巻きテープ11を内部に収容するように被覆する部材である。外被7には、抗張力体5及び引き裂き紐6が設けられている。抗張力体5は、外被7の収縮に抗い、外被7の収縮により光ケーブル1に印加される歪みや曲げを抑制する部材である。一対の抗張力体5が、押え巻きテープ11を挟むように、外被7の内部に設けられている。引き裂き紐6は、光ケーブル1の分岐作業時に光ケーブル1を長手方向に引き裂く際に用いられる部材である。一対の引き裂き紐6は、一対の抗張力体5を結ぶ線に対して直交する線上に、押え巻きテープ11を挟むように、外被7の内部に設けられている。
【0080】
押出し装置47には、SZ型に撚り合わされた3つの光ファイバユニット2と、渦巻き形状に癖付けられた押え巻きテープ11と、2本の抗張力体5と、2本の引き裂き紐6とが供給される。押出し装置47は、抗張力体5と引き裂き紐6をそれぞれの供給源から繰り出しながら、3つの光ファイバユニット2を収容した押え巻きテープ11を走行させつつ、押え巻きテープ11の周囲に外被7を被覆する。これにより、
図9に示す60心の光ケーブル1が製造される。製造された光ケーブル1はドラム48に巻き付けられる。
【0081】
<(1)実施例>
上記のケーブル製造方法において、テープ供給装置30に3個のレコード巻きテープ10(押え巻きテープ11)をセットし、上側のレコード巻きテープ10Aの外側のテープ端12Aと下側のレコード巻きテープ10Bの内側のテープ端12Bとをテープ11の表裏を一致させて予め接続した。1個のレコード巻きテープ10は、幅20mm×厚さ0.2mmの不織布で構成されており、テープ長は約4000mであった。これにより、1度に約12000m(=4000m×3個)の押え巻きテープ11をレコード巻きテープ10から直接的に供給できた。
【0082】
仮に捻れた押え巻きテープ11がテープ供給装置30から供給されてしまうと、押え巻きテープ11が渦巻き管41で詰まったり、光ケーブル1内で折れて配置された押え巻きテープ11が光ファイバを圧迫して伝送損失が高くなったりするおそれがある。これに対し、上記のケーブル製造方法において、捻れを解消しながら押え巻きテープ11をテープ供給装置30から供給したところ、製造ラインで押え巻きテープ11が詰まることなく、押え巻きテープ11の送り出し状態は良好であった。また、光ケーブル1内の光ファイバの伝送損失は0.197dB/km(波長1.55μm:OTDR法)であり、正常値であった。
【0083】
===(2)第2実施形態===
<(2)概要>
図11Aは、第2実施形態のテープ端12の接続方法の説明図である。ここでは、レコード巻きテープ10の載置台20については考慮しないことにする。
【0084】
2個のレコード巻きテープ10が上下に配置されている。上側のレコード巻きテープ10Aでは、内側のテープ端12Aが引き出されている。下側のレコード巻きテープ10Bでは、外側のテープ端12Bが引き出されている。そして、テープ11の表裏を一致させてテープ端12同士が接続される。
【0085】
図11Bは、
図11Aのように接続した2個のレコード巻きテープ10のテープ供給方法の説明図である。
2個のレコード巻きテープ10を接続した後、上側のレコード巻きテープ10Aの外側のテープ端12A(下側のレコード巻きテープ10Bに接続された側とは反対側のテープ端12A)を上に引き出すことによって、上側のレコード巻きテープ10Aの外側からテープ11Aが供給される。そして、上側のレコード巻きテープ10Aが無くなると、下側のレコード巻きテープ10Bの外側のテープ端12B(上側のレコード巻きテープ10Aに接続されたテープ端12B)が上に引き出され、下側のレコード巻きテープ10Bの外側からテープ11Bが供給される。
【0086】
このように、予め2個のレコード巻きテープ10のテープ端12同士を接続することによって、上側のレコード巻きテープ10Aが尽きた後も連続して下側のレコード巻きテープ10Bからテープ11Bを供給することが可能になる。
【0087】
<(2)テープ端の接続方法>
図12A〜
図12Cは、第2実施形態のテープ端12の接続手順の説明図である。
まず、作業者は、
図12Aに示すように、下側の載置台20Bにレコード巻きテープ10Bを載置する。下側の載置台20Bの中央には上側の載置台20Aを支持するための支持部材23が形成されており、この支持部材23がレコード巻きテープ10Bの中空部を貫通するように、作業者は、下側の載置台20Bにレコード巻きテープ10Bを載置する。レコード巻きテープ10Bの載置後、作業者は、下側の載置台20Bの支持軸に上側の載置台20Aを載置させて支持させる。
【0088】
次に、作業者は、
図12Bに示すように、上側の載置台20Aにレコード巻きテープ10Aを載置する。このとき、作業者は、
図12Bに示すように、レコード巻きテープ10Aの内側からテープ端12Aを下側から引き出し、引き出したテープ11Aを下面で挟むようにレコード巻きテープ10Aを上側の載置台20Aに載置する。レコード巻きテープ10Aの内側から引き出されたテープ端12Aは、
図12Bに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aの下面から外側に出た状態にする。
【0089】
次に、作業者は、
図12Cに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aの内側のテープ端12A(上側のレコード巻きテープ10Aの下面から外側に出ているテープ端12A)と、下側のレコード巻きテープ10Bの外側のテープ端12Bとをテープ11の表裏を一致させて接続する。これにより、テープ端12の接続作業が完了する。
【0090】
この接続方法では、
図12Cに示すように、2個のレコード巻きテープ10のテープ端12は、載置台20の外側から接続されることになる。
【0091】
<(2)テープの供給方法>
図13A及び
図13Bは、第2実施形態のテープ11の供給方法の説明図である。
【0092】
2個のレコード巻きテープ10の接続作業後(
図12C参照)、
図13Aに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aの外側のテープ端12A(下側のレコード巻きテープ10Bに接続された側とは反対側のテープ端12A)を上に引き出すことによって、上側のレコード巻きテープ10Aの外側からテープ11Aが供給される。
【0093】
上側のレコード巻きテープ10Aが無くなると、
図13Bに示すように、下側のレコード巻きテープ10Bの外側のテープ端12B(上側のレコード巻きテープ10Aに接続されたテープ端12B)が上に引き出され、下側のレコード巻きテープ10Bの外側からテープ11Bが供給される。
【0094】
このとき、
図13Bに示すように、下側のレコード巻きテープ10Bのテープ11Bは、上側の載置台20Aの外縁を経由して、上側の載置台20Aよりも上側に引き出される。載置台20の外縁にテープ11が引っ掛からないようにするために、載置台20の外縁に角が無いことが望ましく、ここでは載置台20を円盤状にしている。また、前述の
図5A〜
図5Cの点線に示すようにレコード巻きテープ10の外側に支持部材22を配置すると、支持部材22にテープ11が引っ掛かるため、ここではレコード巻きテープ10の内側(中空部)に支持部材23を配置している。また、レコード巻きテープ10の中空部に支持部材23を配置させるために、
図12A及び
図12Bに示すように上下の載置台20を着脱可能にしている。
【0095】
図13A及び
図13Bに示すように、レコード巻きテープ10を固定したままテープ11を上に引き出すと、テープ11が螺旋状になり、テープ11に捻れが生じることになる。但し、前述の
図6に示すテープ供給装置30のように、載置台20を回転させながらテープ11を供給すれば、捻れの無いテープ11を供給できる。この場合、テープ供給装置30は、上から見たときの載置台20の回転方向がレコード巻きテープ10の巻き方向になるように、載置台20を回転させることになる。
【0096】
第2実施形態では、2個のレコード巻きテープ10の接続方法及び供給方法について説明した。但し、上下に3個以上のレコード巻きテープ10を配置し、上下に隣接するレコード巻きテープ10を上記と同様に接続した上で、一度に3個以上のレコード巻きテープ10を連続的に供給しても良い。
【0097】
===(3)第3実施形態===
図14A〜
図14Cは、第3実施形態のテープ11の供給方法の説明図である。なお、2個のレコード巻きテープ10は、前述の
図12A〜
図12Cと同様に載置台20に載置されており、予めテープ端12同士が接続されている。
【0098】
図14Aに示すように、上側のレコード巻きテープ10Aの外側のテープ端12A(下側のレコード巻きテープ10Bに接続された側とは反対側のテープ端12A)を横に引き出すことによって、上側のレコード巻きテープ10Aの外側からテープ11Aが供給される。
【0099】
前述の第2実施形態ではテープ11を上に引き出していたが、第3実施形態ではテープ11を横(レコード巻きテープ10の上下の面に平行な方向)に引き出す点で異なる。前述の第2実施形態では、レコード巻きテープ10を固定したままテープ11を引き出すことも可能であるが、第3実施形態では、テープ11を引き出すためにはレコード巻きテープ10(載置台20)を回転させる回転機構(不図示)が必要である。なお、レコード巻きテープ10を回転させながらテープ11を引き出すため、テープ11に捻れは生じない。
【0100】
上側のレコード巻きテープ10Aが無くなると、下側のレコード巻きテープ10Bの外側のテープ端12B(上側のレコード巻きテープ10Aに接続されたテープ端12B)が横に引き出され、下側のレコード巻きテープ10Bの外側からテープ11Bが供給される。
このとき、
図14Bに示すように載置台20を上側に移動して、移動前の上側の載置台20Aの高さまで下側の載置台20Bを移動させることが望ましい。つまり、テープ供給装置は、不図示の移動機構によって、上側のレコード巻きテープ10Aのあった位置まで下側のレコード巻きテープ10Bを移動させることが望ましい。これにより、
図14Cに示すように、テープ11の供給元の位置が一定になり、テープ11に斜めのクセが付かずに供給できる。
【0101】
第3実施形態においても、上下に3個以上のレコード巻きテープ10を配置し、上下に隣接するレコード巻きテープ10を上記と同様に接続した上で、一度に3個以上のレコード巻きテープ10を連続的に供給しても良い。
また、第3実施形態によれば、引き出されるテープ11の長さ(テープ11の供給量)に相当する分だけレコード巻きテープ10が確実に回転するため、第1実施形態及び第2実施形態と比べて、テープ11の捻れを確実に生じさせないという利点がある(これに対し、第1実施形態及び第2実施形態では、テープ11の供給量に対するレコード巻きテープ10の回転量に遅れが生じることがあり、テープ11に捻れが生じることがある)。
【0102】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
【0103】
<テープ供給装置について>
前述のテープ供給装置は、光ケーブル1の製造に用いられる押え巻きテープ11を供給していた。但し、テープ供給装置は、他の用途に用いられても良い。例えば、テープ供給装置は、包装体の製造に用いられる包装用テープを供給しても良いし、チップ部品の製造に用いられるテープ状のチップ型電子部品収納台紙を供給しても良い。
【0104】
<載置台について>
前述の載置台は、それぞれのレコード巻きテープ10に対して1個ずつ設けられていた。但し、1個の載置台に2以上のレコード巻きテープ10を載置しても良い。この場合、例えば
図2Aの上側のレコード巻きテープ10Aを下側のレコード巻きテープ10Bの上面に載置することによって、レコード巻きテープ10を積み重ねると良い。このようにレコード巻きテープ10を直接積み重ねても、
図2Bに示す場合と同様に、連続的にテープを供給することが可能である。