(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した静電塗装装置では、作業者は、スプレーガンのトリガを引くことで、カスケードから高電圧を発生させると共に塗料粒子を霧化して噴射する。そして、作業者は、そのスプレーガンを被塗装物に向けることで当該被塗装物に対して静電塗装を行う。
ところで、被塗装物をむらなく塗装するには、帯電させた塗料粒子、つまり、帯電塗料粒子をスプレーガンから噴射させた状態、つまり、作業者がトリガを引いた状態で、そのスプレーガンを、被塗装物から外れた一方の位置から被塗装物に近づけて、適正距離を保ちつつ被塗装物に噴射しながらほぼ一定速度で移動させる。そして、そのスプレーガンを、被塗装物の他方側の離れた位置まで移動させることを順次まんべんなく行うようにしている。
【0005】
しかし、スプレーガンが被塗装物から離れてしまうと、噴霧された帯電塗料粒子の付着先である被塗装物が遠くなり、従って、浮遊した帯電塗料粒子が僅かに作業者やスプレーガン自体に戻って付着することがある。このように付着した塗料が蓄積されると、作業者やスプレーガンから当該塗料が液垂れし、被塗装物に塊状となって付着するおそれがあった。
【0006】
ここで、その対策として、作業者がスプレーガンのトリガを、被塗装物の一方側の間際まで近づいた位置で引き操作し、そして、その引き操作を、被塗装物の他方側から離れる間際で解除することが考えられている。しかし、少しでもトリガの引き操作、つまり、吹き始めのタイミングが遅かったり、あるいは、トリガの解除操作、つまり、吹き終わりのタイミングが早かったりすると、塗装むらが発生しやすく、塗装がきれいにできない。また、作業者にそのような熟練度を要するトリガ操作を強いるのは、作業効率の低下を招く。従って、作業効率および塗装むら防止を考慮すると、上記のような操作形態、つまり、被塗装物から余裕をもって離れた一方部位からスプレーガンのトリガを引き、その状態でスプレーガンを被塗装物に対向させながらほぼ一定速度で通過させ、スプレーガンが被塗装物から余裕をもって離れた他方部位まで至ったところでトリガを離すといった操作形態を変更することは困難である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、作業効率を低下させることなく且つむらなく塗装することができ、さらに、作業者やスプレーガンに対する塗料粒子の付着を防止することができる静電塗装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、次の点に着目してなされた技術が考えられている。すなわち、上述したように、静電塗装装置においては、高電圧に帯電した塗料粒子は、スプレーガンが被塗装物から遠ざかると、作業者やスプレーガン自身への付着現象がみられる。しかし、スプレーガンが被塗装物から遠ざかったときに直流高電圧発生部からの電圧の出力を停止すれば、作業者やスプレーガンへの塗料粒子の付着を少なくできることが判った。この場合、塗料粒子の噴霧は停止しないで済むから、噴霧開始時における塗装むらもないことが判っている。ここで、直流高電圧発生部は、被塗装物に対するスプレーガンの離間距離が大きくなると、直流高電圧発生部自体を流れる電流が減少することが判っている。そのため、この現象を利用して、スプレーガンと被塗装物との離間距離を検出することが可能である。
【0009】
上述のことを考慮し、本発明者は、次に示す技術を考えている。すなわち、参考図である
図6に特性線Aで示すように、直流高電圧発生部の出力電圧を静電塗装に適した通常の高電圧とした状態では、当該直流高電圧発生部に流れる電流、すなわち、出力電流が第1の基準値K1以下となったことをもって、スプレーガンが被塗装物から所定距離以上、例えば300mm以上離れたことを検出する。そして、直流高電圧発生部の出力電圧を、特性線Bで示すように低電圧とする。そして、スプレーガンが被塗装物に再接近することを検出するために、第2の基準値K2と特性線Bで示す検出電流とを比較する。そして、この検出電流が第2の基準値K2以上となることでスプレーガンが被塗装物に再接近したことを検知して、直流高電圧発生部の出力電圧を高電圧に戻す。
【0010】
ところが、このような制御内容では、
図6から分かるように、直流高電圧発生部の出力電圧が低電圧である場合には、この直流高電圧発生部に流れる電流そのものが小さく、そして電流自体の変化率も小さい。このため、第2の基準値K2をどのような値に設定するか決め難い。
【0011】
この点も考慮した発明として、本発明者は、塗料を微粒子化してノズルから噴霧するスプレーガンと、このスプレーガン内に設けられ直流の高電圧を発生する直流
高電圧発生部とを備え、前記スプレーガンにより噴霧される塗料粒子を、前記直流高電圧発生部により負または正の高電圧に帯電させ、被塗装物に対して吸着させて静電塗装を行う静電塗装装置において、前記直流高電圧発生部に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記スプレーガンと前記被塗装物との間の離間距離が所定距離以上離れたことを前記高電圧下で判定するための基準値を有し、前記直流
高電圧発生部の電圧出力モードを、前記高電圧を連続して出力する連続出力モードと、前記高電圧を所定時間幅で所定時間ごとに出力することと前記高電圧の出力を停止することとを交互に行う間欠出力モードとに切り替え可能であって、前記直流高電圧発生部が前記連続出力モード状態であるときに前記電流検出手段による検出電流が前記基準値未満となったときに前記間欠出力モードに切り替え、当該間欠出力モード状態であるときに前記検出電流が前記基準値以上となったときに前記連続出力モードに切り替える出力モード変更手段と、を備えた静電塗装装置を考案している。
【0012】
この構成の静電塗装装置においては、直流高電圧発生部が連続出力モード状態であるときに電流検出手段による検出電流が基準値未満となったときに、直流
高電圧発生部の電圧出力モードが間欠出力モードに切り替えられる。つまり、被塗装物に対するスプレーガンの離間距離が大きくなったことを、検出電流が基準値未満となったことをもって検出し、これに基づいて、直流高電圧発生部の電圧出力モードを間欠出力モードに切り替えるのである。
【0013】
この場合、高電圧の出力が停止されている時間帯では塗料粒子が帯電していないことから、作業者やスプレーガンへ塗料粒子が戻って付着してしまうことは起きない。そして、高電圧が出力されている時間帯では、塗料粒子が帯電している。しかし、その高電圧が出力される時間を短くしておくことで、塗料粒子が作業者やスプレーガンへ戻って付着してしまうことを極力防止できる。
【0014】
そして、短い時間ではあるが高電圧を出力することで、この高電圧下で当該直流高電圧発生部に流れる電流を検出できるから、大きい検出電流を取得できる。そのため、スプレーガンの被塗装物への再接近を判断するための基準値としても、高電圧の連続出力モードの場合と同じ基準値を用いることができる。従って、基準値の設定が容易であり、しかも、スプレーガンと被塗装物との間の距離の検出精度も安定する。
【0015】
さらに、自動的に直流高電圧発生部の出力モードの切り替えを行なうので、スプレーガンと被塗装物との距離が離れたタイミングで、作業者が電圧を切り替えるための操作を逐一行う必要がなく、作業効率の低下を回避することができる。
【0016】
ところが、このような構成の静電塗装装置において、高電圧を発生するための電力をエアモータによって供給する構成とした場合には、間欠出力モードのうち高電圧の出力が停止されている時間帯、つまり、電圧が全く出力されていない時間帯においては、電圧を発生させるための負荷、つまり、電圧の源となる電力を発生するエアモータの負荷が軽くなることから、当該エアモータが余計に回転してしまう。従って、電圧の出力が不要であるにも関わらず、エアモータが高回転となり寿命が短くなるという課題を有する。
【0017】
そこで、請求項1の発明は、塗料を微粒子化してノズルから噴霧するスプレーガンと、このスプレーガン内に設けられ直流の高電圧を発生する直流
高電圧発生部と、この直流
高電圧発生部に供給する電力を発生するエアモータとを備え、前記スプレーガンにより噴霧される塗料を、前記直流高電圧発生部によって負または正の高電圧に帯電させ、被塗装物に対して吸着させて静電塗装を行う静電塗装装置であって、前記直流高電圧発生部に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記スプレーガンと前記被塗装物との間の離間距離が所定距離以上離れたことを前記高電圧下で判定するための基準値を有し、前記直流
高電圧発生部の電圧出力モードを、前記高電圧を連続して出力する連続出力モードと、前記高電圧と当該高電圧よりも低い低電圧とを交互に出力する間欠出力モードとに切り替え可能であって、前記直流高電圧発生部が前記連続出力モード状態であるときに前記電流検出手段による検出電流が前記基準値未満となったときに前記間欠出力モードに切り替え、当該間欠出力モード状態であるときに前記検出電流が前記基準値以上となったときに前記連続出力モードに切り替える出力モード変更手段と、を備えたところに特徴を有する。
【0018】
この静電塗装装置によれば、高電圧を発生するための電力をエアモータによって供給する構成の静電塗装装置において、間欠出力モードでは、高電圧が出力されている時間帯と高電圧の出力が停止されている時間帯とが交互に繰り返されるのではなく、高電圧が出力されている時間帯と当該高電圧よりも低い低電圧が出力される時間帯とが交互に繰り返される。
【0019】
すなわち、間欠出力モードのうち高電圧が出力されない時間帯では、電圧が全く出力されないようになるのではなく、ある程度の低電圧が出力されるようになるので、電圧の源となる電力を発生するエアモータの負荷が適度に維持されるようになり、従って、エアモータが電力を無駄に発生してしまうことを回避することができる。これにより、作業効率を低下させることなく且つむらなく塗装することができ、さらに、作業者やスプレーガンに対する塗料粒子の付着を防止することができ、しかも、エアモータの寿命が長い静電塗装装置を実現することができる。
【0020】
ところで、上記した連続出力モードおよび間欠出力モードは、種々の構成を採用することによって実現することができる。
例えば、請求項2の発明は、スイッチング素子でスイッチングすることによって、前記エアモータが発生した電力から交流電圧を発生して前記直流高電圧発生部に入力する交流電源装置を備え、前記出力モード変更手段は、前記連続出力モードでは、前記スイッチング素子を高電圧出力用のパルス幅によって連続してスイッチングすることにより前記直流高電圧発生部から前記高電圧を連続して出力し、前記間欠出力モードでは、前記スイッチング素子を高電圧出力用のパルス幅によってスイッチングすることと、前記スイッチング素子を低電圧出力用のパルス幅によってスイッチングすることとを交互に行うことにより、前記直流高電圧発生部から前記高電圧と前記低電圧とを交互に出力するところに特徴を有する。
【0021】
この構成は、交流電源装置が備えるスイッチング素子のスイッチング動作を制御することで、上記した連続出力モードおよび間欠出力モードを実現する構成を具体的に特定したものである。
【0022】
また、請求項3の発明は、前記エアモータに電力発生用のエアを供給するエア供給路として、メイン供給路とアイドリング供給路とを備え、前記アイドリング供給路によって前記エアモータに供給されるエア量は、前記メイン供給路によって前記エアモータに供給されるエア量よりも低く設定され、前記出力モード変更手段は、前記連続出力モードでは、前記メイン供給路によって前記エアモータにエアを連続して供給することにより前記直流高電圧発生部から前記高電圧を連続して出力し、前記間欠出力モードでは、前記メイン供給路によって前記エアモータにエアを供給することと、前記アイドリング供給路によって前記エアモータにエアを供給することとを交互に行うことにより、前記直流高電圧発生部から前記高電圧と前記低電圧とを交互に出力するところに特徴を有する。
【0023】
この構成は、エアモータに電力発生用のエアを供給するエア供給路としてメイン供給路およびアイドリング供給路を設け、これらメイン供給路およびアイドリング供給路を介したエアモータへのエアの供給を制御することで、上記した連続出力モードおよび間欠出力モードを実現する構成を具体的に特定したものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、塗料の微粒子を負または正の高電圧に帯電させて噴霧する構成の静電塗装装置に関し、特に、その高電圧を発生するための電力をエアモータによって供給する構成の静電塗装装置であっても、作業効率を低下させることなく且つむらなく塗装することができ、さらに、スプレーガンが被塗装物と離間した状態における作業者やスプレーガンに対する塗料粒子の付着を防止することができ、スプレーガンと被塗装物との距離の検出精度が低下することがなく、しかも、エアモータの寿命が長い静電塗装装置を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、
図1から
図5を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る静電塗装装置1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。静電塗装装置1は、スプレーガン2と、このスプレーガン2に内蔵されたカスケード3と、このカスケード3に接続ケーブル4を介して接続された交流電源装置5を有する制御装置6とを備えて構成されている。接続ケーブル4は、カスケード3に交流電圧Vacを供給するための電源ケーブル4a,4bと、電流検出回路14に接続された電流検出用の電流検出ケーブル4cとを備えて構成されている。カスケード3は、本発明でいう直流高電圧発生部に相当し、電流検出回路14は、本発明でいう電流検出手段に相当する。
【0027】
スプレーガン2は、例えば電気的絶縁性を有するポリアセタール樹脂やフッ素樹脂などの合成樹脂により本体が形成されている。このスプレーガン2は、一般的な静電塗装に用いられる構成を備えており、ノズル2a、および、このノズル2aの近傍に設けられた霧化エア孔およびパターン形成エア孔などを備えている。なお、霧化エア孔およびパターン形成エア孔は、何れも図示していない。
【0028】
さらに、スプレーガン2は、内部に塗料バルブ15およびエアバルブ16を備えている。これら塗料バルブ15およびエアバルブ16は、このスプレーガン2が備えたトリガ2bが引き操作されることにより開放される。なお、トリガ2bは、
図1に概略的に示している。塗料バルブ15は、塗料ポンプ17を介して塗料タンク18に接続されている。また、エアバルブ16は、コンプレッサ19に接続されている。このコンプレッサ19とエアバルブ16との間のエア配管経路には、エアフローチャートスイッチ20が介在されている。
【0029】
このエアフローチャートスイッチ20は、制御装置6に設けられており、エア配管経路にエアが流れることにより動作し、エア配管経路にエアが流れていることを示すエア流通検出信号、換言すれば、トリガが操作されていることを示すトリガ操作検出信号を、後述する制御部13へ与えるようになっている。
【0030】
そして、コンプレッサ19から供給された圧縮空気は、スプレーガン2の霧化エア孔およびパターン形成エア孔から吐出される。この吐出された圧縮空気によって、塗料タンク18から供給された塗料が霧化されるとともに、その霧化された塗料粒子が塗装に適した形状、つまり、塗装パターンに形成されて噴霧される。
【0031】
カスケード3は、昇圧トランス3a、倍電圧整流回路3b、出力抵抗3cなどを備えており、交流電源装置5から供給される交流電圧Vacに比例した大きさの直流電圧Vdcを発生させる。すなわち、昇圧トランス3aに入力された交流電圧Vacは、当該昇圧トランス3aにて昇圧された後に、例えばコッククロフト−ウォルトン型の倍電圧整流回路3bによって昇圧および整流され、例えば60kV〜100kV程度の高電圧や例えば10kV程度の低電圧に変換される。この倍電圧整流回路3bは、回路内の図示しないダイオードの向きを変えることにより、出力電圧の極性を接地電位に対して正または負のいずれか、つまり、プラスまたはマイナスのいずれかに設定することができる。本実施形態の場合、倍電圧整流回路3bの出力電圧の極性は、接地電位に対して負になるように構成されており、スプレーガン2のノズル2aの近傍に設けられているピン状の電極7には、出力抵抗3cを介して負極性の直流電圧Vdcが供給される。なお、直流電圧Vdcとしては、通常の静電塗装に適した高電圧として、高電圧である直流電圧VdcH、および、当該直流電圧VdcHよりも低電圧である直流電圧VdcLが、交流電源装置5から供給される交流電圧Vacの大きさに応じて出力可能となっている。
【0032】
交流電源装置5は、発振回路8と、直流電源9と、2個のスイッチング素子10,11と、出力トランス12とを備えている。この交流電源装置5と制御部13とで、本発明でいう出力モード変更手段に相当する出力モード変更装置21が構成されている。
【0033】
この出力モード変更装置21は、交流電源装置5の駆動モードを連続駆動モードに切り替えることで交流電圧Vacとして高電圧である交流電圧VacHを連続して出力し、これにより、カスケード3から直流電圧VdcHを連続して出力する。すなわち、出力モード変更装置21は、交流電源装置5の駆動モードを連続駆動モードに切り替えることで、カスケード3の電圧出力モードを連続出力モードに切り替える。
【0034】
また、この出力モード変更装置21は、交流電源装置5の駆動モードを間欠駆動モードに切り替えることで交流電圧Vacとして高電圧である交流電圧VacHと低電圧である交流電圧VacLとを交互に出力し、これにより、カスケード3から直流電圧VdcHと直流電圧VdcLとを交互に出力する。すなわち、出力モード変更装置21は、交流電源装置5の駆動モードを間欠駆動モードに切り替えることで、カスケード3の電圧出力モードを間欠出力モードに切り替える。
【0035】
直流電源9の出力は、出力トランス12の1次側において、スイッチング素子10,11を介してグランドに接続されている。具体的には、直流電源9の出力端子は、出力トランス12とスイッチング素子10とにより接地電位に対して正側になるように接続され、且つ、出力トランス12とスイッチング素子11とにより接地電位に対して負側になるように接続されている。
【0036】
この直流電源9は、制御装置6の外部に設置されたエアモータ31が発生する電力から生成されるものである。すなわち、エアモータ31は、内部に、図示しない電力発生用のタービンを備えており、このタービンを、外部から供給されたエアによって回転させることで、この場合、3相の交流電力を発生する。そして、このエアモータ31が発生した交流電力は、整流回路32および平滑コンデンサ33を介して直流電力に変換され、直流電源9として供給される。なお、制御部13には、直流電源9として供給される電力に応じた発電制御用のパラメータが、レギュレータ34を介して入力されるようになっている。
【0037】
エアモータ31には、電力発生用のエアを供給するエア供給路として、メイン供給路41およびアイドリング供給路42が備えられている。これらメイン供給路41およびアイドリング供給路42には、エア供給路切り替え用の電磁弁43を介して、エアの供給源であるコンプレッサ19が接続されている。
【0038】
制御部13は、エア供給路の切り替えを指令する切り替え指令信号を電磁弁43に入力可能となっている。電磁弁43は、制御部13から入力される切り替え指令信号に応じて、コンプレッサ19から供給されるエアを流すエア供給路を、メイン供給路41およびアイドリング供給路42のうち何れか一方に切り替える。この場合、アイドリング供給路42によってエアモータ31に供給されるエア量は、メイン供給路41によってエアモータ31に供給されるエア量よりも低く設定されている。換言すれば、メイン供給路41によってエアモータ31に供給されるエア量は、アイドリング供給路42によってエアモータ31に供給されるエア量よりも高く設定されている。
【0039】
制御部13は、出力モード変更装置21が交流電源装置5の駆動モードを連続駆動モードに切り替えることでカスケード3の電圧出力モードを連続出力モードに切り替えている場合には、コンプレッサ19から供給されるエアを流すエア供給路をメイン供給路41に切り替え可能である。
【0040】
一方、制御部13は、出力モード変更装置21が交流電源装置5の駆動モードを間欠駆動モードに切り替えることでカスケード3の電圧出力モードを間欠出力モードに切り替えている場合には、コンプレッサ19から供給されるエアを流すエア供給路をアイドリング供給路42に切り替え可能である。
【0041】
また、エアモータ31には、メイン排気路41aおよびアイドリング排気路42aが備えられている。メイン排気路41aは、メイン供給路41を介してエアモータ31に供給され発電に供されたエアを排気する。一方、アイドリング排気路42aは、アイドリング供給路42を介してエアモータ31に供給され発電に供されたエアを排気する。
【0042】
スイッチング素子10,11は、例えばMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体スイッチで構成されており、通電により導通状態が制御可能である。すなわち、スイッチング素子10,11は、通電されると導通状態、つまり、オン状態になり、通電が停止されると非導通状態、つまり、オフ状態になる。スイッチング素子10,11は、発振回路8および制御部13により、そのオン状態およびオフ状態の切り替えが制御される。制御部13は、図示しないCPU、ROMおよびRAMなどを備えたマイクロコンピュータを備えて構成されており、スイッチング素子10,11の通電時間、つまり、オン時間に応じた指令信号を発振回路8に対して出力する。発振回路8は、この指令信号に基づいてパルス状の駆動信号を生成し、その駆動信号を、スイッチング素子10,11へそれぞれ出力する。
【0043】
スイッチング素子10,11は、発振回路8から出力される駆動信号に連動してその通電状態が変化し、直流電源9の出力を正側あるいは負側に切り替える。駆動信号は、スイッチング素子10,11のオン状態が互いに重なることがないタイミングで出力される。この駆動信号のパルス幅に応じて、スイッチング素子10,11は、例えば数十kHzで交互にオン状態およびオフ状態を繰り返す。これにより、出力トランス12の2次側に、直流電源9の出力電圧およびスイッチング素子10,11の駆動パルス幅に応じた交流電圧Vacが発生する。なお、本実施形態では、駆動信号のパルス幅は、高電圧出力用のパルス幅として12μsが設定され、低電圧出力用のパルス幅として1μsが設定されている。これら高電圧出力用のパルス幅および低電圧出力用のパルス幅は、適宜の値を設定することができる。
【0044】
出力トランス12の2次側に発生した交流電圧Vacは、接続ケーブル4のうち電源ケーブル4a,4bを介してカスケード3に供給される。
カスケード3は、交流電源装置5から供給された交流電圧Vacの大きさに応じて、高電圧である直流電圧VdcHあるいは当該直流電圧VdcHよりも低電圧である直流電圧VdcLを発生させる。この直流電圧Vdcは、出力抵抗を介して、電極7に供給される。なお、高電圧である直流電圧VdcHとしては、この場合、例えば60kVが設定されており、低電圧である直流電圧VdcLとしては、この場合、例えば10kVが設定されている。これら直流電圧Vdcおよび直流電圧VdcLの値は、例えばカスケード3に供給する交流電圧Vacの大きさや当該カスケード3の構成を適宜変更することで、適宜の値を設定することができる。
【0045】
交流電源装置5は、制御部13からの駆動指令信号を受けて駆動、すなわち、稼動されるものである。この交流電源装置5の駆動パターンとしては、この場合、連続駆動モードと間欠駆動モードとが設けられている。交流電源装置5の駆動パターンが連続駆動モードに切り替えられている場合には、カスケード3は、
図4に符号Mrで示すように、高電圧である直流電圧VdcHを連続出力する。すなわち、この連続駆動モードでは、カスケード3からの出力電圧として、高電圧である直流電圧VdcHが連続的に一定して出力される。このように交流電源装置5の駆動パターンが連続駆動モードに切り替えられているときには、カスケード3は、本発明でいう連続出力モードに切り替えられる。
【0046】
一方、交流電源装置5の駆動パターンが間欠駆動モードに切り替えられている場合には、カスケード3は、
図4に符号Mpで示すように、高電圧である直流電圧VdcHおよび低電圧である直流電圧VdcLを間欠的に交互に出力する。このとき、カスケード3は、本発明でいう間欠出力モードに切り替えられる。より詳細に説明すると、この間欠出力モードでは、カスケード3は、高電圧である直流電圧VdcHを所定時間幅bで間欠的に出力する時間帯と、直流電圧VdcHよりも低い直流電圧VdcLを所定時間幅aで間欠的に出力する時間帯とを交互に繰り返す。すなわち、この間欠出力モードでは、高電圧である直流電圧VdcHと低電圧である直流電圧VdcLとが間欠的に交互に出力される。なお、上記の所定時間幅aとしては、この場合、例えば100m秒が設定され、所定時間幅bとしては、この場合、例えば3〜5m秒が設定されている。これら所定時間幅aおよび所定時間幅bの値は、適宜の値を設定することができる。なお、
図4には、便宜上、間欠出力モードにおける所定時間幅bの所定時間幅aに対する比率をスケールアップして示している。また、
図4には、スプレーガン2のトリガ2bが引き操作されたタイミングを符号Sで示している。
【0047】
電流検出回路14は、接続ケーブル4のうち特に電流検出ケーブル4cを介してカスケード3に流れる電流、つまり、交流電源装置5からの出力電流の大きさを検出して制御部13に与える。この制御部13は、検出電流が、予め設定した過剰電流判定用の基準値(以下、過剰電流判定基準値と称する)を超えたときに、異常有りと判断し、例えば発振回路8の動作を停止させて交流電源装置5の出力を停止するなどの処理を実行する。
【0048】
さらに、この制御部13は、過剰電流判定基準値の他に、
図3に示すように基準値KCを設定している。この基準値KCは、スプレーガン2と被塗装物22との間の離間距離が所定距離以上離れたことを、カスケード3が高電圧である直流電圧VdcHを出力している条件下で判定するための電流判定用の基準値である。なお、所定距離としては、この場合、例えば300mmが設定されている。この所定距離の値は、適宜の値を設定することができる。
【0049】
さて、上記した構成の静電塗装装置1において、制御部13は、静電塗装のための制御プログラムを保有しており、この制御プログラムに従って静電塗装を実行する。次に、この制御プログラムに従う制御内容について
図2を参照して説明する。
【0050】
静電塗装装置1において、塗料ポンプ17およびコンプレッサ19をオンした上で、作業者がスプレーガン2のトリガ2bを引き操作すると、エアフローチャートスイッチ20がオンする。
【0051】
制御部13は、エアフローチャートスイッチ20がオンされたか否かを監視している(ステップS1)。そして、制御部13は、エアフローチャートスイッチ20がオンされたと判断すると(ステップS1:YES)、ステップS2に移行して、交流電源装置5に対するカスケード3の駆動モードを間欠駆動モードに設定する。これにより、カスケード3の直流電圧Vdcの初期出力モードは、間欠出力モードに設定される。
【0052】
ここで、トリガ2bの引き操作に応じて、カスケード3の初期出力モードを間欠出力モードとする理由を説明する。すなわち、作業者は、最初、つまり、静電塗装を開始した直後においては、スプレーガン2を被塗装物22から離れた部位に位置させてトリガ2bを引く。このとき、スプレーガン2からの塗料の噴霧は開始されるが、その噴霧された塗料は、未だ被塗装物22には至らない。そのため、静電塗装を開始した直後においては、カスケード3は出力停止であってもよい。しかし、スプレーガン2の被塗装物22に対する距離、つまり、スプレーガン2と被塗装物22との間の距離が所定距離になったことを検出することは必要である。そのため、静電塗装を開始した直後においてカスケード3の電圧出力モードを間欠出力モードに設定することにより、電流検出回路14から検出電流を取得するために必要な時間である所定時間幅b、この場合、3〜5m秒の時間幅で、直流電圧Vdcを所定時間幅a、この場合、100m秒の時間幅ごと出力するのである。この場合、カスケード3は、高電圧である直流電圧VdcHを3〜5m秒の時間幅で100m秒ごとに出力する程度であるから、塗料粒子が作業者やスプレーガン2に付着することを極力防止することができる。なお、上記の所定時間幅bとして設定されている3〜5m秒の時間幅は、カスケード3が直流電圧Vdcを立ち上げて出力するまでに要する十分な時間である。
【0053】
制御部13は、カスケード3の電圧出力モードを間欠出力モードに設定するすると、ステップS3に移行して、電流検出回路14からの検出電流が基準値KC以上となったか否かを判断する。すなわち、制御部13は、電流検出回路14からの検出電流が基準値KC以上となったか否かに基づいて、作業者がスプレーガン2を被塗装物22に対して所定距離である300mm以下に近づけたか否か、換言すれば、スプレーガン2と被塗装物22との離間距離が所定距離以下となったか否かを判断するのである。
【0054】
制御部13は、検出電流が基準値KC以上となったと判断すると(ステップS3:YES)、ステップS4に移行して、交流電源装置5の駆動モードを連続駆動モードに切り替えることにより、カスケード3の電圧出力モードを、高電圧である直流電圧VdcHが連続して出力される連続出力モードに設定する。
【0055】
この連続出力モードによれば、電極7において塗装に十分なコロナ放電が発生し、スプレーガン2から噴霧された塗料粒子が十分に帯電される。被塗装物22は、接地、つまり、アースされて陽極となっており、従って、交流電源装置5などと同電位、つまり、アース電位になっている。静電塗装装置1は、通常は、このように、帯電した塗料粒子とアースされた被塗装物22との間に働く電気的な吸着力、つまり、静電気力によって塗料を被塗装物22に塗着させる静電塗装を実行する。
【0056】
そして、制御部13は、上記のステップS4に続くステップS5に移行すると、電流検出回路14による検出電流が基準値KC未満か否かを判断する。すなわち、制御部13は、電流検出回路14による検出電流が基準値KC未満となったか否かに基づいて、作業者がスプレーガン2を被塗装物22に対して所定距離である300mmを超えて離したか否か、換言すれば、スプレーガン2と被塗装物22との離間距離が所定距離を超えたか否かを判断するのである。
【0057】
制御部13は、検出電流が基準値KC未満であれば(ステップS5:YES)、ステップS6に移行して、交流電源装置5の駆動モードを間欠駆動モードに切り替えることにより、カスケード3の電圧出力モードを、高電圧である直流電圧VdcHと低電圧である直流電圧VdcLとが交互に出力される間欠出力モードに設定する。この場合、前述したように、カスケード3からの高電圧の出力、すなわち、直流電圧VdcHの出力は極めて短い時間幅bでの出力となるから、塗料粒子が作業者やスプレーガン2に付着することを極力防止できる。
【0058】
なお、トリガ2bの引き操作を解除すると、上述の制御動作は中止され、エアフローチャートスイッチ20が再びオンされることを待機する待機状態となる。
以上に説明したように本実施形態においては、カスケード3が連続出力モード状態であるときに電流検出回路14による検出電流が基準値KC未満となったときに、カスケード3の電圧出力モードが間欠出力モードに切り替えられる。つまり、被塗装物22に対するスプレーガン2の離間距離が遠くなったことを、検出電流が基準値KC未満となったことで検出し、この検出結果に基づいてカスケード3の電圧出力モードを間欠出力モードに切り替える。
【0059】
この場合、高電圧である直流電圧VdcHの出力が停止されている時間帯では当該直流電圧VdcHよりも低い電圧である直流電圧VdcLが出力されることから、塗料粒子の帯電が弱められる。従って、塗料粒子が作業者やスプレーガン2へ戻って付着してしまうことは起き難い。そして、高電圧である直流電圧VdcHが出力されている時間帯では、塗料粒子が十分に帯電している。しかし、その直流電圧VdcHが出力される時間を短くしているから、塗料粒子が作業者やスプレーガン2へ戻って付着してしまうことを極力防止できる。
【0060】
そして、短い時間ではあるが高電圧である直流電圧VdcHを出力することで、このように直流電圧VdcHが出力されている条件下で当該カスケード3に流れる電流を検出できるから、大きい検出電流を取得できる。そのため、スプレーガン2の被塗装物22への再接近を判断するための基準値として、高電圧である直流電圧VdcHの連続出力モードの場合と同じ基準値KCを共通に用いることができる。従って、基準値の設定が容易であり、しかも、スプレーガン2と被塗装物22との間の距離の検出精度も安定する。
【0061】
さらに、本実施形態によれば、自動的にカスケード3の出力モードの切り替えを行なうので、スプレーガン2と被塗装物22との距離が離れたタイミングで、作業者が電圧を切り替えるための操作を逐一行う必要がなく、作業効率の低下を回避することができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、静電塗装装置1は、スイッチング素子10,11を有する交流電源装置5を備えている、そして、この交流電源装置5は、エアモータ31が出力した電力、つまり、直流電源9の出力をスイッチング素子10,11によってスイッチングすることにより、交流電圧Vacを発生してカスケード3に入力する。
【0063】
そして、出力モード変更装置21は、交流電源装置5が連続駆動モードでありカスケード3が連続出力モードである場合には、スイッチング素子10,11を高電圧出力用のパルス幅によって連続してスイッチングする。これにより、交流電源装置5が発生する交流電圧Vac、つまり、カスケード3に供給される交流電圧Vacが大きくなる。そして、その大きな交流電圧Vacが連続してカスケード3に供給されることから、カスケード3は、高電圧である直流電圧VdcHを連続して出力することが可能となる。このように、交流電源装置5を連続稼動させて、交流電圧Vacを大きくして連続的に出力することで、カスケード3の電圧出力モードを連続出力モードに容易に変更できる。
【0064】
一方、出力モード変更装置21は、交流電源装置5が間欠駆動モードでありカスケード3が間欠出力モードである場合には、スイッチング素子10,11を高電圧出力用のパルス幅によってスイッチングすることと、スイッチング素子10,11を低電圧出力用のパルス幅によってスイッチングすることとを交互に行う。これにより、スイッチング素子10,11が高電圧出力用のパルス幅によってスイッチングされているときには交流電源装置5が発生する交流電圧Vac、つまり、カスケード3に供給される交流電圧Vacが大きくなる。一方、スイッチング素子10,11が低電圧出力用のパルス幅によってスイッチングされているときには交流電源装置5が発生する交流電圧Vac、つまり、カスケード3に供給される交流電圧Vacが小さくなる。そして、その大きな交流電圧Vacと小さな交流電圧Vacとが交互にカスケード3に供給されることから、カスケード3は、高電圧である直流電圧VdcHと低電圧である直流電圧VdcLとを交互に出力することが可能となる。このように、交流電源装置5を断続稼動させて、交流電圧Vacの大きさを変化させながら断続的に出力することで、カスケード3の電圧出力モードを間欠出力モードに容易に変更できる。
【0065】
このように本実施形態によれば、作業効率を低下させることなく且つむらなく塗装することができ、さらに、スプレーガン2が被塗装物22と離間した状態における作業者やスプレーガン2に対する塗料粒子の付着を防止することができ、しかも、スプレーガン2と被塗装物22との距離の検出精度が低下することがない。さらに、本実施形態によれば、間欠出力モードのうち高電圧である直流電圧VdcHが出力されない時間帯では、電圧が全く出力されないようになるのではなく、ある程度の低電圧である直流電圧VdcLが出力されるようになるので、電圧の源となる電力を発生するエアモータ31の負荷が適度に維持されるようになり、従って、エアモータ31が余計に回転してしまうことを回避することができる。これにより、エアモータの寿命が長い静電塗装装置1を実現することができる。
【0066】
なお、
図5に示すように、制御部13は、エアフローチャートスイッチ20がオンされると(ステップT1:YES)、カスケード3の初期の出力モードを、間欠出力モードではなく連続出力モードに設定する構成としてもよい(ステップT2)。この構成によれば、塗装の初期の段階で、帯電の立ち上がりを試すことができる。また、その後の処理であるステップT3〜T6においては、上述のステップS3〜S6の処理と同様の効果を得ることができる。
【0067】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、連続出力モードおよび間欠出力モードを実現するための構成および方法が、上述の実施形態と異なる。
すなわち、出力モード変更装置21は、カスケード3が連続出力モードである場合には、メイン供給路41によってエアモータ31にエアを連続して供給する。これにより、エアモータ31が発生する交流電力が大きくなり、これに伴って、交流電源装置5がカスケード3に供給する交流電圧Vacも大きくなる。そして、その大きな交流電圧Vacが連続してカスケード3に供給されることから、カスケード3は、高電圧である直流電圧VdcHを連続して出力することが可能となる。
【0068】
また、出力モード変更装置21は、カスケード3が間欠出力モードである場合には、メイン供給路41によってエアモータ31にエアを供給することと、アイドリング供給路42によってエアモータ31にエアを供給することとを交互に行う。これにより、メイン供給路41によってエアモータ31にエアが供給されているときには、そのエア供給量が多いことから、エアモータ31が発生する交流電力が大きくなり、これに伴って、カスケード3に供給される交流電圧Vacも大きくなる。一方、アイドリング供給路42によってエアモータ31にエアが供給されているときには、そのエア供給量が少ないことから、エアモータ31が発生する交流電力が小さくなり、これに伴って、カスケード3に供給される交流電圧Vacも小さくなる。そして、その大きな交流電圧Vacと小さな交流電圧Vacとが交互にカスケード3に供給されることから、カスケード3は、高電圧である直流電圧VdcHと低電圧である直流電圧VdcLとを交互に出力することが可能となる。
【0069】
(その他の実施形態)
本発明は、上述した各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能であり、例えば、以下のように変形または拡張することができる。
塗料粒子は正に帯電させてもよい。この場合、被塗装物22は陰極とする。
交流電源装置5、さらには制御装置6は、スプレーガン2の外部に設けるのではなく、スプレーガン2の内部に設けるようにしてもよい。
【0070】
出力モード変更装置21は、カスケード3が高電圧を連続出力モードで出力している状態で検出電流が基準値KC以下となったときにカスケード3の電圧出力モードを高電圧と低電圧とを交互に出力する間欠出力モードに変更し、カスケード3が間欠出力モード状態で検出電流が基準値KCを超えたときにカスケード3の電圧出力モードを連続出力モードに変更するように構成してもよい。