【文献】
IEEE Std 802.15.4,2006年 9月 8日,pages 85-86,91-92,149-153
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スケジューラは、所与の時間に使用中である前記少なくとも1つのトランシーバの数を決定するようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載のコーディネータノード。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1Aは、1つまたは複数の開示されている実施形態を実施することができる通信システム100の例示的な図である。通信システム100は、音声、データ、ビデオ、メッセージ発信、および同報通信等々の内容を複数のワイヤレスユーザに提供する多重アクセスシステムであってもよい。通信システム100は、ワイヤレス帯域幅を始めとするシステム資源の共有を介して、複数のワイヤレスユーザによるこのような内容に対するアクセスを可能にすることができる。例えば通信システム100は、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、周波数分割多重アクセス(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、および単一搬送波FDMA(SC−FDMA)等々の1つまたは複数のチャネルアクセス方式を使用することができる。
【0008】
図1Aに示されているように、通信システム100は、ワイヤレス送信/受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク106、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110および他のネットワーク112を含むことができるが、開示されている実施形態には、任意の数のWTRU、基地局、ネットワークおよび/またはネットワーク要素が企図されていることは理解されよう。WTRU102a、102b、102c、102dの各々は、ワイヤレス環境で動作および/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスであってもよい。一例として、WTRU102a、102b、102c、102dは、ワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成することができ、また、ユーザ機器(UE)、移動局、固定または移動加入者ユニット、ページャ、セルラ電話、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワイヤレスセンサ、および消費者電子工学等々を含むことができる。
【0009】
また、通信システム100は、基地局114aおよび基地局114bを含むことも可能である。基地局114a、114bの各々は、コアネットワーク106、インターネット110および/またはネットワーク112などの1つまたは複数の通信ネットワークへのアクセスを容易にするために、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つとワイヤレスでインタフェースするように構成された任意のタイプのデバイスであってもよい。一例として、基地局114a、114bは、ベーストランシーバ局(BTS)、Node−B、eNode B、Home Node B、Home eNode B、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、およびワイヤレスルータ等々であってもよい。基地局114a、114bは、それぞれ単一の要素として示されているが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含むことができることは理解されよう。
【0010】
基地局114aは、RAN104の一部であってもよく、このRAN104も同じく、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノード等々の他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)を含むことができる。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)と呼ぶことができる特定の地理上の領域内でワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成することができる。このセルは、セルセクタにさらに分割することができる。例えば基地局114aと
アソシエーションしているセルは、3つのセクタに分割することができる。したがって一実施形態では、基地局114aは、3つのトランシーバ、つまりセルのセクタ毎に1つのトランシーバを含むことができる。他の実施形態では、基地局114aは複数入力複数出力(MIMO)技術を使用することができ、したがってセルのセクタ毎に複数のトランシーバを利用することができる。
【0011】
基地局114a、114bは、任意の適切なワイヤレス通信リンク(例えば無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外(IR)光、紫外(UV)光、可視光等々)であってもよいエアインタフェース116を介してWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数と通信することができる。エアインタフェース116は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立することができる。
【0012】
より詳細には、上で言及したように、通信システム100は多重アクセスシステムであってもよく、また、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、およびSC−FDMA等々の1つまたは複数のチャネルアクセススキームを使用することができる。例えばRAN104内の基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))を使用してエアインタフェース116を確立することができるUniversal Mobile Telecommunications System(UMTS)Terrestrial Radio Access(UTRA)などの無線技術を実施することができる。WCDMA(登録商標)は、HSPA(High−Speed Packet Access)および/またはHSPA+(Evolved HSPA)などの通信プロトコルを含むことができる。HSPAは、HSDPA(High−Speed Downlink Packet Access)および/またはHSUPA(High−Speed Uplink Packet Access)を含むことができる。
【0013】
他の実施形態では、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、LTE(Long Term Evolution)および/またはLTE−A(LTE−Advanced)を使用してエアインタフェース116を確立することができるE−UTRA(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access)などの無線技術を実施することができる。
【0014】
他の実施形態では、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.16(つまりWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV−DO、Interim Standard2000(IS−2000)、Interim Standard95(IS−95)、Interim Standard856(IS−856)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、およびGERAN(GSM EDGE)等々の無線技術を実施することができる。
【0015】
図1Aの基地局114bは、例えばワイヤレスルータ、Home Node B、Home eNode Bまたはアクセスポイントであってもよく、また、仕事場、家庭、車両、およびキャンパス等々の局所領域におけるワイヤレス接続性を容易にするための任意の適切なRATを利用することができる。一実施形態では、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立するためにIEEE802.11などの無線技術を実施することができる。他の実施形態では、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立するためにIEEE802.15などの無線技術を実施することができる。さらに他の実施形態では、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、ピコセルまたはフェムトセルを確立するためにセルラベースRAT(例えばWCDMA(登録商標)、CDMA2000、GSM(登録商標)、LTE、およびLTE−A等々)を利用することができる。
図1Aに示されているように、基地局114bは、インターネット110への直接接続を有することができる。したがって基地局114bは、場合によってはコアネットワーク106を介してインターネット110にアクセスする必要はない。
【0016】
RAN104は、音声、データ、アプリケーションおよび/またはボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスをWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数に提供するように構成された任意のタイプのネットワークであってもよいコアネットワーク106と通信することができる。例えばコアネットワーク106は、呼出し制御、ビリングサービス、移動位置ベースサービス、前払い呼出し、インターネット接続性、ビデオ分配等々をもたらすことができ、かつ/またはユーザ認証などの高水準安全保護機能を実施することができる。
図1Aには示されていないが、RAN104および/またはコアネットワーク106は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを使用している他のRANと直接または間接的に通信することができることは理解されよう。例えばコアネットワーク106は、E−UTRA無線技術を利用することができるRAN104に接続されているだけでなく、GSM(登録商標)無線技術を使用している他のRAN(図示せず)と通信することも可能である。
【0017】
また、コアネットワーク106は、PSTN108、インターネット110および/または他のネットワーク112にアクセスするために、WTRU102a、102b、102c、102dのためのゲートウェイとして働くことも可能である。PSTN108は、プレインオールドテレフォンサービス(POTS)をもたらす回線交換電話網を含むことができる。インターネット110は、相互接続されたコンピュータネットワークの広域システム、および送信制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)およびTCP/IPインターネットプロトコルスーツ内のインターネットプロトコル(IP)などの共通通信プロトコルを使用するデバイスを含むことができる。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有され、および/または操作される有線通信ネットワークまたはワイヤレス通信ネットワークを含むことができる。例えばネットワーク112は、RAN104と同じRATまたは異なるRATを使用することができる1つまたは複数のRANに接続された他のコアネットワークを含むことができる。
【0018】
通信システム100内のWTRU102a、102b、102c、102dのいくつかまたはすべては、多モード機能を含むことができ、つまりWTRU102a、102b、102c、102dは、異なるワイヤレスリンクを介して異なるワイヤレスネットワークと通信するための複数のトランシーバを含むことができる。例えば
図1Aに示されているWTRU102cは、セルラベース無線技術を使用することができる基地局114aと通信し、IEEE802無線技術を使用することができる基地局114bと通信するように構成することができる。
【0019】
図1Bは、WTRU102の一例のシステム図である。
図1Bに示されているように、WTRU102は、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、非取外し式メモリ106、取外し式メモリ132、電源134、広域位置決めシステム(GPS)チップセット136および他の周辺装置138を含むことができる。WTRU102は、一実施形態に矛盾することなく、上記要素の任意の副組合せを含むことができることは理解されよう。
【0020】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと
アソシエーションした1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、専用集積回路(ASIC)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)回路、任意の他のタイプの集積回路(IC)、および状態マシン等々であってもよい。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、および/またはWTRU102をワイヤレス環境で動作させることができる任意の他の機能を実施することができる。プロセッサ118は、送信/受信要素122に
アソシエーションすることができるトランシーバ120に
アソシエーションすることができる。プロセッサ118およびトランシーバ120は、
図1Bには個別の構成要素として示されているが、これらのプロセッサ118およびトランシーバ120は、電子パッケージまたはチップ内にまとめて統合することができることは理解されよう。
【0021】
送信/受信要素122は、エアインタフェース116を介して、基地局(例えば基地局114a)に信号を送信する、または基地局(例えば基地局114a)から信号を受信するように構成することができる。例えば一実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナであってもよい。他の実施形態では、送信/受信要素122は、例えばIR光信号、UV光信号または可視光信号を送信および/または受信するように構成された放出器/検出器であってもよい。さらに他の実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号および光信号の両方を送信し、受信するように構成することができる。送信/受信要素122は、任意の組合せのワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成することができることは理解されよう。
【0022】
さらに、送信/受信要素122は、
図1Bには単一要素として示されているが、WTRU102は、任意の数の送信/受信要素122を含むことができる。より詳細には、WTRU102はMIMO技術を使用することができる。したがって一実施形態では、WTRU102は、エアインタフェース116を介してワイヤレス信号を送信し、受信するための複数の送信/受信要素122(例えば複数のアンテナ)を含むことができる。
【0023】
トランシーバ120は、送信/受信要素122によって送信される信号を変調し、送信/受信要素122によって受信される信号を復調するように構成することができる。上で言及したように、WTRU102は多モード機能を有することができる。したがってトランシーバ120は複数のトランシーバを含むことができ、それによりWTRU102は、例えばUTRAおよびIEEE802.11などの複数のRATを介して通信することができる。
【0024】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば液晶ディスプレイ(LCD)表示ユニットまたは有機発光ダイオード(OLED)表示ユニット)に
アソシエーションすることができ、これらからユーザ入力データを受け取ることができる。また、プロセッサ118は、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126および/またはディスプレイ/タッチパッド128にユーザデータを出力することも可能である。さらに、プロセッサ118は、非取外し式メモリ106および/または取外し式メモリ132などの任意のタイプの適切なメモリからの情報にアクセスし、また、これらのメモリにデータを記憶することも可能である。非取外し式メモリ106は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードディスクまたは任意の他のタイプのメモリ記憶装置を含むことができる。取外し式メモリ132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、およびセキュアディジタル(SD)メモリカード等々を含むことができる。他の実施形態では、プロセッサ118は、WTRU102上には物理的に配置されていない、例えばサーバまたは家庭用コンピュータ(図示せず)上に配置されているメモリからの情報にアクセスし、また、これらのメモリにデータを記憶することができる。
【0025】
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取ることができ、また、WTRU102内の他の構成要素に電力を配電し、および/またはこれらの構成要素への電力を制御するように構成することができる。電源134は、WTRU102に電力を供給するための任意の適切なデバイスであってもよい。例えば電源134は、1つまたは複数の乾電池バッテリ(例えばニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル金属水素化物(NiMH)、リチウムイオン(Li−ion)等々)、太陽電池、および燃料電池等々を含むことができる。
【0026】
また、プロセッサ118は、WTRU102の現在位置に関する位置情報(例えば経度および緯度)をもたらすように構成することができるGPSチップセット136に
アソシエーションすることも可能である。WTRU102は、GPSチップセット136からの情報に加えて、あるいはこの情報の代わりに、基地局(例えば基地局114a、114b)からエアインタフェース116を介して位置情報を受け取り、および/または複数の近傍の基地局から受け取る信号のタイミングに基づいて、その位置を決定することも可能である。WTRU102は、一実施形態に矛盾することなく、任意の適切な位置決定方法によって位置情報を獲得することができることは理解されよう。
【0027】
プロセッサ118は、追加の特徴、機能および/または有線接続性もしくはワイヤレス接続性をもたらす1つまたは複数のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュールを含むことができる他の周辺装置138にさらに
アソシエーションすることができる。例えば周辺装置138は、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、ディジタルカメラ(写真またはビデオのための)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動デバイス、テレビジョントランシーバ、ハンドフリーヘッドセット、ブルートゥース(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、ディジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、およびインターネットブラウザ等々を含むことができる。
【0028】
図1Cは、一実施形態によるRAN104およびコアネットワーク106のシステム図である。上で言及したように、RAN104は、エアインタフェース116を介してWTRU102a、102bおよび102cと通信するためにUTRA無線技術を使用することができる。また、RAN104は、コアネットワーク106と通信することも可能である。
図1Cに示されているように、RAN104は、エアインタフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数のトランシーバを個々に含むことができるNode−B140a、140b、140cを含むことができる。Node−B140a、140b、140cは、それぞれRAN104内の特定のセル(図示せず)に
アソシエーションすることができる。また、RAN104はRNC142a、142bを含むことも可能である。RAN104は、一実施形態に矛盾することなく、任意の数のNode−BおよびRNCを含むことができることは理解されよう。
【0029】
図1Cに示されているように、Node−B140a、140bはRNC142aと通信することができる。さらに、Node−B140cはRNC142bと通信することができる。Node−B140a、140b、140cは、Iubインタフェースを介してそれぞれRNC142a、142bと通信することができる。RNC142a、142bは、Iurインタフェースを介して互いに通信することができる。RNC142a、142bの各々は、これらのRNCが接続される対応する個々のNode−B140a、140b、140cを制御するように構成することができる。さらに、RNC142a、142bの各々は、外部ループ電力制御、負荷制御、承認制御、パケットスケジューリング、ハンドオーバ制御、マクロダイバーシティ、安全保護機能、およびデータ暗号化等々の他の機能を実施する、またはサポートするように構成することができる。
【0030】
図1Cに示されているコアネットワーク106は、メディアゲートウェイ(MGW)144、移動交換センタ(MSC)146、サービングGPRSサポートノード(SGSN)148および/またはゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)150を含むことができる。上記要素の各々はコアネットワーク106の一部として示されているが、コアネットワークオペレータ以外の実体がこれらの要素のうちの任意の1つを所有し、かつ/または動作させることができることは理解されよう。
【0031】
RAN104内のRNC142aは、IuCSインタフェースを介してコアネットワーク106内のMSC146に接続することができる。MSC146はMGW144に接続することができる。MSC146およびMGW144は、WTRU102a、102b、102cと従来の陸線通信デバイスとの間の通信を容易にするために、WTRU102a、102b、102cにPSTN108などの回線交換網へのアクセスを提供することができる。
【0032】
また、RAN104内のRNC142aは、IuPSインタフェースを介してコアネットワーク106内のSGSN148に接続することも可能である。SGSN148はGGSN150に接続することができる。SGSN148およびGGSN150は、WTRU102a、102b、102cと、IPによってイネーブルされるデバイスとの間の通信を容易にするために、WTRU102a、102b、102cにインターネット110などのパケット交換網へのアクセスを提供することができる。
【0033】
上で言及したように、コアネットワーク106は、他のサービスプロバイダによって所有され、かつ/または操作される他の有線ネットワークまたはワイヤレスネットワークを含むことができるネットワーク112に接続することも可能である。
【0034】
図2は、複数のPANを含むネットワーク200の一例を示したものである。ネットワーク200は木構造で示されており、クラスタ木と見なすことができる。ネットワーク200は、コーディネータとして動作することができる全機能デバイス(FFD)、およびコーディネータとして作用することができない縮小機能デバイス(RFD)を含む。ネットワーク200はネットワークコーディネータ202を含む。また、ネットワーク200は、同じくPANコーディネータ204を含む。これらのPANコーディネータ204のうちのいくつかは、ネットワークコーディネータ202と直接通信している。これらのPANコーディネータ204のうちの1つは、他のPANコーディネータ204のうちの1つを介してネットワークコーディネータ202と間接的に通信することができる。また、
図2には、同じく非コーディネータFFD206およびRFD208が示されている。非コーディネータFFD206およびRFD208は、ネットワークコーディネータ202と直接通信することができる、またはPANコーディネータ204と通信することができる。クラスタリンク210は、ネットワークコーディネータ202とPANコーディネータ204の間に示されている。また、クラスタリンク210は、PANコーディネータ204間の通信リンクとしても示されている。葉リンク212は、非コーディネータFFD206とネットワークコーディネータ202の間、ならびに非コーディネータFFD206とPANコーディネータ204の間の通信リンクとして示されている。また、葉リンク212は、RFD208とネットワークコーディネータ202の間、ならびにRFD208とPANコーディネータ204の間の通信リンクとしても示されている。
【0035】
通常のPANコーディネータは、本明細書において説明されているコンバージドコーディネータを備えた構成可能なネットワークアーキテクチャを使用することによって解決することができる多くの弱点を有している。例えばセンサネットワークを介した、転送速度に敏感な多重媒体アプリケーションの場合、従来のPANコーディネータによってサポートされる最大データ転送速度が場合によっては遅すぎるため、より速いデータ転送速度が必要になることがある。転送速度に鈍感なアプリケーションの場合、稠密センサネットワーク内に極めて多数のデバイスが依然として存在している可能性があり、これらのすべてのデバイスによって生成される総通信量は、従来のPANコーディネータによって適応するには場合によっては多すぎる。さらに、従来のPANコーディネータによっては、連携および相互PAN最適化は得られない。最後に、従来のPANコーディネータは無線インタフェースを1つしか有していないため、無線インタフェースにおける単一点の故障は、ネットワーク全体の信頼性を危うくすることになる。
【0036】
上で識別した弱点の理由から、本明細書においては、従来のコーディネータが抱えている問題を解決する単一のコンバージドコーディネータを備えた構成可能なネットワークアーキテクチャについて説明する。単なる例示的目的のためにすぎないが、本開示の様々な実施形態を示すために、PANアーキテクチャについて詳細に説明する。しかしながら、本明細書において説明されている概念は、任意の有線ネットワークまたはワイヤレスネットワークに適用することができることは当業者には認識されよう。さらに、あるチャネルから他のチャネルへのデバイスの移動、または複数のPANネットワークが存在している場合、あるPANネットワークから他のPANネットワークへのデバイスの移動を許容するチャネル切換え方法について説明する。PANコーディネータまたはコンバージドコーディネータは、PANネットワーク情報を周期的に共通のコーディネータにばら撒くことができる。例えばネットワーク情報は、PAN IDとチャネル周波数の間のマッピングを含むことができる。次に、共通のコーディネータまたは他のデバイスは、そのネットワーク情報に基づいて他のデバイスのチャネル切換えを補助することができる。
【0037】
より詳細には、構成可能なアーキテクチャおよびコンバージドコーディネータは、ネットワークデバイス調整を改善する以下の特徴を有することができる。コンバージドコーディネータは、複数の無線インタフェースすなわち無線トランシーバを有することができる。コンバージドコーディネータは、これらの複数の無線インタフェースにより、同じチャネル周波数または異なるチャネル周波数で動作する1つまたは複数の並列PANを制御することができる。特定のデバイスは、1つの無線インタフェースのみを有することができ、また、任意のPANネットワークを
アソシエーションすることができる(また、任意のPANネットワークに切り換えることができる)。また、コンバージドコーディネータは、少なくとも1つの無線インタフェースが適切に動作していることを条件として、1つまたは複数の無線インタフェースの電力をオフにすることも可能である。したがってエネルギー消費を低減することができる。現在アクティブの無線インタフェースが1つしか存在していない場合、コンバージドコーディネータは、任意選択で典型的な従来のPANコーディネータとして機能することができる。コンバージドコーディネータは強化された能力を有することができ、それにより強化された知能を介して複数の並列PANを制御し、管理することができる。また、コンバージドコーディネータを使用して、1つのアプリケーションまたは複数のアプリケーションを同時にサポートすることも可能である。複数のアプリケーションの場合、コンバージドコーディネータは、これらのアプリケーションの潜在的な特徴および依存性を利用して、典型的なPANコーディネータに優る追加利点を達成することができる。
【0038】
コンバージドコーディネータおよびネットワークは、いくつかのチャネル切換えアルゴリズムを使用することができる。とりわけ能動チャネル切換え手順、受動チャネル切換え手順およびグループをベースとするチャネル切換え手順について説明する。能動チャネル切換えは、デバイス自身によってトリガされるチャネル切換えであってもよい。受動チャネル切換えは、コーディネータによって部分的に、または完全にトリガされるチャネル切換えであってもよい。グループをベースとするチャネル切換えは、コーディネータによってトリガされるチャネル切換えであってもよく、また、このチャネル切換えを使用して、1つのグループのデバイスのチャネルを同時に、またはほぼ同時に変更することができる。チャネル切換えを決定するために使用されるアルゴリズムは、異なるアプリケーションシナリオに特化することができ、また、設計目的に依存していてもよい。
【0039】
提案されている構成可能なアーキテクチャおよびコンバージドコーディネータは、任意の既存の通信規格によって動作することができる。例えばアーキテクチャおよびコンバージドコーディネータは、WPANのための任意の通信規格によって動作することができる。他の例として、IEEE802.15.4は、WPANおよびセンサネットワークのための共通の通信規格である。IEEE802.15.4は、低電力低転送速度WPANのための物理層(PHY)プロトコルおよび媒体アクセス制御(MAC)層プロトコルを与える。この例では、個々のPANネットワークは、単一のIEEE802.15.4無線インタフェースを介して、最大250Kbpsの最大データ転送速度でPAN全体を制御し、管理するための単一のPANコーディネータを有することができる。しかしながら、現在のIEEE802.15.4プロトコルの低データ転送速度は、場合によっては転送速度に敏感なアプリケーションをサポートするためのボトルネックである。
【0040】
構成可能なアーキテクチャおよびコンバージドコーディネータの一例では、構成可能なアーキテクチャおよびコンバージドコーディネータは、IEEE802.15.4規格を使用してネットワークと通信することができる。一例として、IEEE802.15.4デバイスは、デバイスを修正することなく使用することができる。しかしながら、いくつかの変更を典型的なPANコーディネータに加えることも可能であり、また、標準のPANコーディネータを本明細書において説明されているコンバージドコーディネータに置換することも可能である。したがってこれらの変更は、他のデバイスと通信するための標準IEEE802.15.4プロトコルを依然として使用することができるコンバージドコーディネータの場合にのみ適用することができる。したがってコンバージドコーディネータは、任意の標準IEEE802.15.4デバイスと通信することができ、また、その逆に任意の標準IEEE802.15.4デバイスは、コンバージドコーディネータと通信することができる。したがってコンバージドコーディネータは、IEEE802.15.4と両立すると見なすことができる。
【0041】
コンバージドコーディネータは、PAN側通信のための任意の数の無線トランシーバを有することができる。また、コンバージドコーディネータは、少なくとも1つの追加インタフェースを有することも可能である。この少なくとも1つの追加インタフェースを使用して外部ネットワークと通信することができる。一例として、少なくとも1つの追加インタフェースは、コンバージドコーディネータとインターネットの間の通信をもたらすことができる。N個の無線トランシーバを備えたコンバージドコーディネータは、iで示される無線トランシーバ毎にf
i(1≦i≦N)になるような周波数を有することができる。他の例として、IEEE802.15.4が使用される場合、チャネル周波数は、任意のサポートチャネルにマップすることができる。例えばチャネル周波数は、IEEE802.15.4で定義されている800MHz帯域、900MHz帯域または2400MHz帯域のうちの任意の帯域のサポートチャネルであってもよい。コンバージドコーディネータは、利用可能なN個の無線トランシーバの各々を使用して、単一のPAN内の最大N個のクラスタを公式化することができ、それによりN個のクラスタの各々は、同じPAN IDを有することができる。同様に、コンバージドコーディネータは、最大N個の並列PANネットワークを公式化することができ、それにより個々のPANネットワークは、異なるPAN IDを有することができる。あるいは、または追加として、コンバージドコーディネータは、上記の何らかの組合せを公式化することができ、それによりコンバージドコーディネータは、同じPAN内のクラスタを少なくとも1つの並列PANネットワークと共に公式化することができる。クラスタおよび/またはPANネットワークの各々は、コンバージドコーディネータによって制御および管理することができる。コンバージドコーディネータは、典型的なコーディネータより強力なノードであってもよい。したがってコンバージドコーディネータは、エンドデバイスおよび共通のコーディネータなどの他のノードと比較すると、電源、記憶装置および計算装置の制限をより少なくすることができる。他のデバイスおよび共通のコーディネータを依然として存在させることができ、コンバージドコーディネータと共同して使用することができる。他のデバイスおよび共通のコーディネータは、資源制約されていてもよく、また、1つの無線トランシーバのみを有することができる。
【0042】
所与の時間に、コンバージドコーディネータ内の個々の無線トランシーバは、動作モードまたはスリーピングモードのいずれのモードであってもよい。コンバージドコーディネータは、個々の無線トランシーバが動作モードであるか、またはスリーピングモードであるかどうかを決定することができる。動作モードの個々の無線トランシーバは、同じ周波数を使用することも、異なる周波数を使用することも、または同じ周波数もしくは異なる周波数の何らかの組合せを使用することも可能である。複数の無線トランシーバが同じ周波数を使用するように構成されている場合、単一入力複数出力(SIMO)をコンバージドコーディネータに使用することができる。あるいは、または追加として、コンバージドコーディネータの制御下で、複数入力単一出力(MISO)をデバイスおよび/または共通のコーディネータに使用することも可能である。SIMOおよび/またはMISOを使用することにより、信号品質を改善することができる。動作モードのM≦N個の無線トランシーバがコンバージドコーディネータに存在し、それぞれ異なる周波数を使用している場合、これは、M個のクラスタまたはM個の並列PANネットワークと呼ぶことができる。
【0043】
図3Aおよび3Bは、様々なPANおよび/またはクラスタに
アソシエーションされるデバイスを調整するコンバージドコーディネータの例を示したものである。
図3Aは、複数のクラスタを備えた単一のPANネットワークを調整するコンバージドコーディネータの一例300を示したものである。コンバージドコーディネータ302は、PAN304で示されている単一のPANと通信することができ、また、その単一のPANを調整することができる。また、図に示されているコンバージドコーディネータ302は、インターネット306と通信している。また、コンバージドコーディネータ302は、少なくとも1つの他のネットワークまたはデバイスと通信するための少なくとも1つの追加無線トランシーバすなわち追加無線インタフェース(図示せず)を有することも可能である。コンバージドコーディネータ302は、任意の数の無線トランシーバ308
1〜308
nを有することができる。PAN304は、クラスタ1 310、クラスタ2 312およびクラスタ3 314の3つのクラスタを含むことができる。また、PANは、図示されていない1つまたは複数の追加クラスタを含むことも可能である。
【0044】
コンバージドコーディネータ302は、コンバージドコーディネータ302に位置している1つまたは複数の無線トランシーバ308
1〜308
nを介してPAN304の個々のクラスタ310、312、314と通信することができる。一例として、無線トランシーバ308
1〜308
nのうちの1つを使用して個々のクラスタ310、312、314と通信することができる。他の例として、無線トランシーバ308
1〜308
nの各々は、異なる周波数で個々のクラスタ310、312、314と通信することができる。
【0045】
クラスタ1 310は、任意の数のデバイス320
1〜320
nを含むことができる。図に示されている例では、クラスタ1 310のデバイス320
1〜320
nの各々は、第1の周波数f
1に同調させることができる。また、この例では、クラスタ1 310のデバイス320
1〜320
nの各々は、1つの無線トランシーバ308
1を介してコンバージドコーディネータ302と通信することができる。クラスタ2 312は、任意の数のデバイス322
1〜322
nを含むことができる。図に示されている例では、クラスタ2 312のデバイス322
1〜322
nの各々は、第2の周波数f
2に同調させることができる。また、この例では、クラスタ2 312のデバイス322
1〜322
nの各々は、1つの無線トランシーバ308
2を介してコンバージドコーディネータ302と通信することができる。クラスタ3 314は、任意の数のデバイス324
1〜324
nを含むことができる。図に示されている例では、クラスタ3 314のデバイス324
1〜324
nの各々は、第3の周波数f
3に同調させることができる。また、この例では、クラスタ3 314のデバイス324
1〜324
nの各々は、1つの無線トランシーバ308
nを介してコンバージドコーディネータ302と通信することができる。
【0046】
図3Bは、複数のPANネットワークを調整するコンバージドコーディネータの一例350を示したものである。コンバージドコーディネータ302は、異なるPAN330、332、334と通信することができ、また、それらのPANを調整することができる。一例として、
図3Bには、PAN1 330、PAN2 332およびPAN3 334の3つのPANが示されている。また、図に示されているコンバージドコーディネータ302は、インターネット306と通信している。また、コンバージドコーディネータ302は、少なくとも1つの他のネットワークまたはデバイスと通信するための少なくとも1つの追加無線トランシーバすなわち追加無線インタフェース(図示せず)を有することも可能である。コンバージドコーディネータ302は、任意の数の無線トランシーバ308
1〜308
nを有することができる。また、個々のPAN330、332、334は、図示されていない1つまたは複数の追加クラスタを含むことも可能である。コンバージドコーディネータ302は、任意の数のPANまたはクラスタを調整することができるが、これらは例示的目的のため、図には示されていない。
【0047】
コンバージドコーディネータ302は、コンバージドコーディネータ302に位置している1つまたは複数の無線トランシーバ308
1〜308
nを介して個々のPAN330、332、334と通信することができる。一例として、無線トランシーバ308
1〜308
nのうちの1つを使用して個々のPAN330、332、334と通信することができる。他の例として、無線トランシーバ308
1〜308
nの各々は、異なる周波数で個々のPAN330、332、334と通信することができる。
【0048】
PAN1 330は、任意の数のデバイス340
1〜340
nを含むことができる。図に示されている例では、PAN1 330のデバイス340
1〜340
nの各々は、第1の周波数f
1に同調させることができる。また、この例では、PAN1 330のデバイス340
1〜340
nの各々は、1つの無線トランシーバ308
1を介してコンバージドコーディネータ302と通信することができる。PAN2 332は、任意の数のデバイス342
1〜342
nを含むことができる。図に示されている例では、PAN2 332のデバイス342
1〜342
nの各々は、第2の周波数f
2に同調させることができる。また、この例では、PAN2 332のデバイス342
1〜342
nの各々は、1つの無線トランシーバ308
2を介してコンバージドコーディネータ302と通信することができる。PAN3 334は、任意の数のデバイス344
1〜344
nを含むことができる。図に示されている例では、PAN3 334のデバイス344
1〜344
nの各々は、第3の周波数f
3に同調させることができる。また、この例では、PAN3 334のデバイス344
1〜344
nの各々は、1つの無線トランシーバ308
nを介してコンバージドコーディネータ302と通信することができる。
【0049】
図4は、コンバージドコーディネータ402のアーキテクチャ400の一例を示したものである。コンバージドコーディネータ402は、任意の数のPAN側無線トランシーバ404
1〜404
nを含むことができる。また、コンバージドコーディネータ402はスケジューラ406を含むことも可能である。コンバージドコーディネータ402は、典型的なPANコーディネータとは異なり、複数のPAN側無線トランシーバ404
1〜404
nを有することができるため、スケジューラ406を使用することができる。スケジューラ406は、1つまたは複数のクラスタ/PAN408
1〜408
n毎に、PAN側無線トランシーバ404
1〜404
nの各々から情報を収集することができる。クラスタ/PAN408
1〜408
n毎に収集される情報は、例えば通信量負荷および/または関連するデバイスの数を含むことができる。スケジューラ406は、以下の機能のうちの1つまたは複数を実施することができる。スケジューラ406は、特定の周波数またはチャネルにおいてトランシーバを開くことができ、トランシーバを閉じることができ、アクティブトランシーバの周波数を変更することができ、デバイスにその周波数を変更するように、および/または他のPANまたはクラスタに切り換えるように命令することができ、デバイスデューティサイクルスケジュールを変更することができ、および/またはスリープ状態になるようにデバイスに送信する、あるいは命令することができる。また、スケジューラ406は、関連するすべてのデバイスに関連する情報を含むことができる中央レジストラ410を維持することも可能である。例えば中央レジストラ410は、PANまたはクラスタの数のカウントを維持することができる。中央レジストラ410は、PANまたはクラスタ毎に、個々のPAN/クラスタの動作周波数、個々のPAN/クラスタに割り当てられているトランシーバ、個々のPAN/クラスタの無線品質、個々のPAN/クラスタのMACプロトコル、個々のPAN/クラスタの通信量予測(通信量負荷、パケット損失比率、および/もしくは遅延等々を含むことができる)、ならびに/または個々のPAN/クラスタに関連するデバイスのうちの1つまたは複数を維持することができる。さらに、例えばデバイス毎に、残留エネルギー情報、生成される通信量情報、位置情報、デバイスにおいて実行されるサービスおよび/またはアプリケーション情報、および/またはデバイスデューティサイクル情報を維持することができる。クラスタ/PAN408
1〜408
nおよび中央レジストラ410に含まれている情報に基づいて、スケジューラ406は、開くクラスタまたはPANの数に関する決定を実施することができる。また、スケジューラ406は、クラスタまたはPANのための時限配置に関する決定を実施することも可能である。同様に、スケジューラ406は、所与の時間に使用する無線トランシーバの数を決定することも可能である。また、スケジューラ406は、個々のデバイスを含むべき、および/または個々のデバイスを接続すべきクラスタおよび/またはPANを決定することも可能である。スケジューラ406は、例えばロードバランシング、輻輳制御、信頼性、隔離および/または保護などの要因を考慮することができる。また、スケジューラ406は、外部ネットワークへのインタフェース412へのPAN通信量の経路指定、または外部ネットワークへのインタフェース412からのPAN通信量の経路指定を実施することも可能である。また、スケジューラ406は、PAN側無線トランシーバ404
1〜404
nの間でPAN通信量を経路指定することも可能である。
【0050】
図5は、コンバージドコーディネータのためのプロトコルスタック500の一例を示したものである。プロトコルスタック500は、上位層502を含むことができる。この上位層502は、典型的なプロトコルスタックの他の上位層と同じ層であってもよい。コンバージドコーディネータは、プロトコルスタック500に2つの新しい層を導入することができる。収束層504をプロトコルスタック500に追加することができる。収束層504は、アプリケーションと、コンバージドコーディネータによってサポートされる利用可能な複数のPANネットワークとの間のマッピングを実施することができる。また、コンバージドMAC506をプロトコルスタック500に追加することも可能である。コンバージドMAC506は、複数の無線トランシーバを共同して管理するために、1つの統一されたMACプロトコルを使用することができる。制御平面では、コンバージドMAC506は、最適化されたデバイス
アソシエーションおよび位置決めを実施することができる。データ平面では、コンバージドMAC506は、例えば輻輳制御およびロードバランシングなどの相互PAN最適化を実施することができる。
図4に示されている、上で説明したスケジューラ406は、収束層504およびコンバージドMAC506の両方にわたって実施することができる。コンバージドMAC506は、例えばIEEE802.15.4などの既存のWPAN規格に基づいて設計することができる。また、コンバージドMAC506は、本明細書において説明されているコンバージドコーディネータの動作に基づく新しい機能を含むことも可能である。また、コンバージドMAC506は、既存の規格の拡張であってもよく、また、例えばWPAN規格などの既存の規格に組み込むことも可能である。また、プロトコルスタック500は、既存のプロトコルスタックと同様、複数の物理層(PHY)508
1〜508
nを含むことも可能である。
【0051】
本明細書において説明されているコンバージドコーディネータによれば、デバイスを任意のクラスタおよび/または並列PANネットワークに
アソシエーションすることができる。コンバージドコーディネータによれば、複数のクラスタおよび/または複数のPANネットワークの間でデバイスを切り換えることができる、またはこれらの間でデバイスを移動させることができる。この切換えまたは移動は、ネットワーク状態、ならびに例えば輻輳制御、ロードバランシング、隔離、保護、信頼性、サービス差別および/または妨害管理などの特定の設計目標に基づくことができる。したがって個々のクラスタおよび/またはPANネットワークの特性を相俟って考慮することにより、相互クラスタ最適化または相互PAN最適化を実施することができる。デバイスの切換えまたは移動のために考慮される特性は、例えばリンク特性、ノード特性およびネットワーク特性を含むことができる。例えばデバイスおよび/またはコーディネータは、上で説明した特性、状態または設計目標のいずれかに関連する統計量を収集することができる。統計量は、例えばパケット引渡し率および/またはチャネルクリアアセスメント(CCA)故障を含むことができる。これらの統計量はコンバージドコーディネータに送ることができ、それにより輻輳問題および妨害問題を検出することができる。同様に、これらの統計量は、チャネルを切り換えるためのコンバージドコーディネータからの要求を許可するために、デバイスまたはコーディネータ(またはデバイスおよびコーディネータの任意の組合せ)が使用することも可能である。これにより、コンバージドコーディネータは、例えばより速いオーバザエアソフトウェア管理、ロードバランシング、および信頼性等々の利点を付与することができる。以下は、本明細書において説明されているコンバージドコーディネータを介した輻輳制御の例である。
【0052】
図6Aおよび6Bは、コンバージドコーディネータによって実施される輻輳制御の一例を示したものである。
図6Aは、チャネルを切り換える前のネットワークの一例600を示したものである。上で詳細に説明した
図3Bと同様、
図6Aには、インターネット606および複数のPAN630、632、634と通信しているコンバージドコーディネータ602が示されている。
【0053】
コンバージドコーディネータ602は、PAN630、632、634の各々を調整することができる。一例として、
図6Aには、PAN1 630、PAN2 632およびPAN3 634の3つのPANが示されている。また、図に示されているコンバージドコーディネータ602は、インターネット606と通信している。また、コンバージドコーディネータ602は、少なくとも1つの他のネットワークまたはデバイスと通信するための少なくとも1つの追加無線トランシーバすなわち追加無線インタフェース(図示せず)を有することも可能である。コンバージドコーディネータ602は、任意の数の無線トランシーバ608
1〜608
nを有することができる。また、個々のPAN630、632、634は、図示されていない1つまたは複数の追加クラスタを含むことも可能である。コンバージドコーディネータ602は、任意の数のPANまたはクラスタを調整することができるが、これらは例示的目的のため、図には示されていない。
【0054】
コンバージドコーディネータ602は、コンバージドコーディネータ602に位置している1つまたは複数の無線トランシーバ608
1〜608
nを介して個々のPAN630、632、634と通信することができる。一例として、無線トランシーバ608
1〜608
nのうちの1つを使用して個々のPAN630、632、634と通信することができる。他の例として、無線トランシーバ608
1〜608
nの各々は、異なる周波数で個々のPAN630、632、634と通信することができる。
【0055】
PAN1 630は、任意の数のデバイス640
1〜640
nを含むことができる。図に示されている例では、PAN1 630のデバイス640
1〜640
nの各々は、第1の周波数f
1に同調させることができる。また、この例では、PAN1 630のデバイス640
1〜640
nの各々は、1つの無線トランシーバ608
1を介してコンバージドコーディネータ602と通信することができる。PAN2 632は、任意の数のデバイス642
1〜642
nを含むことができる。図に示されている例では、PAN2 632のデバイス642
1〜642
nの各々は、第2の周波数f
2に同調させることができる。また、この例では、PAN2 632のデバイス642
1〜642
nの各々は、1つの無線トランシーバ308
2を介してコンバージドコーディネータ602と通信することができる。PAN3 634は、任意の数のデバイス644
1〜644
nを含むことができる。図に示されている例では、PAN3 644のデバイス644
1〜644
nの各々は、第3の周波数f
3に同調させることができる。また、この例では、PAN3 634のデバイス644
1〜644
nの各々は、1つの無線トランシーバ608
nを介してコンバージドコーディネータ602と通信することができる。
【0056】
図6Aには、PAN2 632のデバイス642
1〜642
nのうちの3つが、デバイスA 650、デバイスB 652およびデバイスC 654として示されている。この例では、デバイスA 650、デバイスB 652およびデバイスC 654は使用中である可能性があり、PAN2 632の通信量負荷の増加の原因になっている可能性がある。これらの3つのすべてのデバイスはPAN2 632に
アソシエーションされているため、PAN2 632は、その大きい通信量負荷のために輻輳に遭遇する可能性がある。したがって場合によってはコンバージドコーディネータ602をデバイスA 650、デバイスB 652またはデバイスC 654のうちの1つまたは複数をPAN1 630またはPAN3 634のいずれかに切り換えることが望ましい。
【0057】
図6Bは、チャネル切換えが実施された後のネットワークの一例660を示したものである。コンバージドコーディネータ602、インターネット606および3つのPAN630、632、634は、
図6Aに関連して詳細に説明した要素と同様の要素である。
図6Bでは、デバイスA 650をPAN1 630に切り換える、またはPAN1 630へ移動させることができる。同様に、デバイスC 654をPAN3 634に切り換える、またはPAN3 634へ移動させることができる。デバイスB 652はPAN2 632内を維持することができる。したがって通信量が多いデバイスであるデバイスA 650、デバイスB 652およびデバイスC 654は、現在はそれぞれ異なるPANに存在させることができる。上で詳細に説明したように、切換えまたは移動は、コンバージドコーディネータ602によって実施することができる。コンバージドコーディネータ602は、これらのデバイスを独立して切り換える、または移動させることを決定することができる。コンバージドコーディネータ602は、この決定を本明細書において説明されている任意の状態、設計目標または戦略に基づいて実施することができる。あるいは、または追加として、任意のPANまたは任意のデバイスのコーディネータは、切換えまたは移動を要求することができる。
【0058】
また、この例で使用されているPANの各々は、単一のPAN内のクラスタであってもよいことは当業者には認識されよう。さらに、任意の数のPANおよび/またはクラスタを使用することができ、また、本明細書において使用されている特定の数は、単なる例示的目的のためにすぎないことは当業者には認識されよう。
【0059】
チャネル切換えは、能動チャネル切換えまたは受動チャネル切換えのいずれかを介して実施することができる。能動チャネル切換えは、特定のデバイスによってトリガすることができる。例えばデバイスは、その局所通信量および通過通信量を監視し、予測することができる。他の例として、局所通信量および通過通信量を含むことができる総通信量が所定の閾値を超え、また、潜在的輻輳が生じると、デバイスは他のPANまたはクラスタを探求して移動することができる。例えばデバイスは、その周波数の変更および他のPANまたはクラスタへの
アソシエーションを試行することができる。同様に、現在のチャネルが他の無線信号によって妨害されていることをデバイスが検知すると、デバイスは、そのチャネルを異なるチャネルに変更することができる。
【0060】
そのチャネルの変更を試行しているデバイスが「臨界点」である場合、そのデバイスと共にすべての子デバイスもそれらの周波数を変更することができる。あるノードを除去することによってネットワーク全体が解体されることになる場合、そのノードは、場合によってはそのネットワークの臨界点である。したがって子デバイスの周波数を変更することにより、これらのデバイスは、ネットワークセットアップに応じてPANコーディネータまたはコンバージドコーディネータとの通信を維持することができる。これは、とりわけマルチホップメッシュトポロジーに適用することができる。有効な能動チャネル切換えを可能にするために、デバイスは、利用可能なPANネットワーク(またはクラスタ)のリストおよびそれらの関連する周波数を維持することができる。
【0061】
能動チャネル切換えは、2ステップ能動チャネル切換え(TSACS)または1ステップ能動チャネル切換え(OSACS)のいずれかを介して実施することができる。
図7および8は、それぞれTSACSおよびOSACSの例を示したものである。
【0062】
図7は、2ステップ能動チャネル切換えを示す例示的なコールフロー
図700である。
図7には、コーディネータ702およびネットワークデバイス704が示されている。ネットワークデバイス704は、コーディネータ702にディスアソシエーション通知710を送ることができる。このディスアソシエーション通知710を使用して、ネットワークデバイス704が古いチャネルから新しいチャネルへの移動を望んでいることを示すことができる。ディスアソシエーション通知710は、例えばディスアソシエーション理由および/または所望のPAN IDを含むことができる。したがって所望のPAN IDは、ディスアソシエーション通知710を介してピギーバックすることができる。ネットワークデバイス704は、行先PAN識別子フィールドとして現在のPAN IDを含むことができる。コーディネータ702アドレスは、行先アドレスフィールドに含むことができる。ディスアソシエーション通知710は古いチャネルを介して送信することができ、これは、ディスアソシエーション通知710は、そのネットワークデバイス704が
アソシエーションされている現在のネットワーク(チャネルを切り換える前のネットワーク)を介して送ることができることを意味している。
【0063】
コーディネータ702は、ネットワークデバイス704に肯定応答720を送信することができる。肯定応答720は、ディスアソシエーション通知710に応答することができる。肯定応答720は、例えばディスアソシエーション理由および/または認可されたPAN IDを含むことができる。認可されたPAN IDは、ディスアソシエーション通知710の中でネットワークデバイス704によって要求された所望のPAN IDであってもよい。また、認可されたPAN IDは、コーディネータ702が割り当てる他のPAN IDであってもよい。肯定応答720は、古いチャネルを介して送信することができる。
【0064】
ネットワークデバイス704は、コーディネータ702に
アソシエーション要求730を送信することができる。
アソシエーション要求730は、肯定応答720に応答して送ることができる。
アソシエーション要求730は、新しいチャネルを使用して、新しいPANネットワークを介して送ることができる。新しいPANネットワークおよび新しいチャネルは、肯定応答720の中に示されている認可されたPAN IDに対応することができる。コーディネータ702は、ネットワークデバイス704に
アソシエーション応答740を送信することができる。
アソシエーション応答740は、
アソシエーション要求730に応答して送信することができる。
【0065】
上で説明したメッセージのメッセージ名称および順序は、単なる例示的目的のためにすぎないことは当業者には認識されよう。上で説明した信号発信の任意の組合せを、任意の順序で実施することができる。さらに、図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータであっても、またはPANコーディネータであってもよい。いくつかの例では、図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータおよびPANコーディネータの両方への信号発信、またはこれらの両方のコーディネータからの信号発信を表すことができる。したがって図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータおよび/またはPANコーディネータのいずれかまたは両方によって実施される信号発信を表すことができる。
【0066】
図8は、1ステップ能動チャネル切換え(OSACS)を示す例示的コールフロー図である。
図8には、コーディネータ802およびネットワークデバイス804が示されている。ネットワークデバイス804は、コーディネータ802に
アソシエーション要求810を送信することができる。同様に、ネットワークデバイス804は、
アソシエーション要求810の代わりにディスアソシエーション通知を送信することも可能である。
アソシエーション要求810(またはディスアソシエーション通知)は、新しいチャネルを介して送信することができる。したがってOSACSを使用することにより、ネットワークデバイス804は、ディスアソシエーション通知および
アソシエーション要求の両方の代わりに、1つのコマンドメッセージのみを送信することができる。
アソシエーション要求810(またはディスアソシエーション通知)は、古いPANに関連する情報をピギーバックすることができる。この方法によれば、コーディネータ802は、ネットワークデバイス804の出所に関する知識を得ることができる。
【0067】
コーディネータ802は、ネットワークデバイス804に
アソシエーション応答820を送信することができる。
アソシエーション応答820は、
アソシエーション要求810に応答して送信することができる。
アソシエーション応答820は、
アソシエーション要求810を送信するためにネットワークデバイス804によって使用された新しいチャネルを介して送信することができる。
アソシエーション応答820は、例えば認可されたPAN IDを含むことができる。認可されたPAN IDは、ネットワークデバイス804が
アソシエーション要求810を送信するために使用した新しいチャネルに対応するPAN IDであってもよい。また、認可されたPAN IDは、新しいチャネルが承認されないことをコーディネータ802が決定した場合、異なるPAN IDであってもよい。コーディネータ802は、ネットワークデバイス804に対して異なるチャネルを認可することができ、また、
アソシエーション応答820および認可されたPAN IDを介してそのチャネルのネットワークデバイス804に通知することができる。コーディネータ802は、ネットワークデバイス804に認可されたチャネルを介して肯定応答を送信するよう要求することができる。任意選択でネットワークデバイス804は、コーディネータ802に肯定応答830を送信することができる。肯定応答830は、
アソシエーション応答820に応答して送信することができる。肯定応答830は、
アソシエーション応答820および認可されたPAN IDの中に示されている認可されたチャネルを介して送信することができる。
【0068】
上で説明したメッセージのメッセージ名称および順序は、単なる例示的目的のためにすぎないことは当業者には認識されよう。上で説明した信号発信の任意の組合せを、任意の順序で実施することができる。さらに、図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータであっても、またはPANコーディネータであってもよい。いくつかの例では、図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータおよびPANコーディネータの両方への信号発信、またはこれらの両方のコーディネータからの信号発信を表すことができる。したがって図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータおよび/またはPANコーディネータのいずれかまたは両方によって実施される信号発信を表すことができる。
【0069】
また、チャネル切換えは、受動チャネル切換えを介して実施することも可能である。受動チャネル切換えを使用することにより、PANコーディネータまたはコンバージドコーディネータは、チャネル切換えをトリガすることができる。コーディネータは、ネットワーク全体ならびに特定のPANを監視することができる。例えばPAN内に輻輳が生じる、または輻輳が生じることが予測されると、コーディネータは、輻輳したPANからディスアソシエーションし、他のPANと再
アソシエーションするよう、輻輳したPAN内の1つまたは複数のデバイスに命令することができる。
【0070】
図9は、明示肯定応答コマンドを使用した受動チャネル切換えを示す例示的コールフロー
図900である。
図9には、コーディネータ902およびネットワークデバイス904が含まれている。コーディネータ902は、ネットワークデバイス904を他のPANおよび/またはチャネルに切り換えるべきか、あるいは他のPANおよび/またはチャネルへ移動させるべきかを決定することができる。コーディネータ902は、ネットワークデバイス904にディスアソシエーション通知910を送信することができる。ディスアソシエーション通知910は、例えばディスアソシエーション理由および/または新しいPAN IDを含むことができる。ディスアソシエーション通知910は、古いチャネルを介して送信することができる。新しいPAN IDは、コーディネータ902がネットワークデバイス904を切り換える、または移動させることを希望しているPANの識別であってもよい。
【0071】
ネットワークデバイス904は、コーディネータ902に肯定応答920を送信することができる。肯定応答920は、ディスアソシエーション通知910に応答して送信することができる。肯定応答920は、古いチャネルを介して送信することができる。また、ネットワークデバイス904は、コーディネータ902に
アソシエーション要求930を送信することも可能である。
アソシエーション要求930は、新しいチャネルを介して送信することができる。新しいチャネルは、ディスアソシエーション通知910および新しいPAN IDに対応するチャネルであってもよい。コーディネータ902は、ネットワークデバイス904に
アソシエーション応答940を送信することができる。
アソシエーション応答940は、肯定応答920および/または
アソシエーション要求930に応答して送信することができる。
アソシエーション応答940は、新しいチャネルを介して送信することができる。
【0072】
上で説明したメッセージのメッセージ名称および順序は、単なる例示的目的のためにすぎないことは当業者には認識されよう。上で説明した信号発信の任意の組合せを、任意の順序で実施することができる。さらに、図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータであっても、またはPANコーディネータであってもよい。いくつかの例では、図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータおよびPANコーディネータの両方への信号発信、またはこれらの両方のコーディネータからの信号発信を表すことができる。したがって図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータおよび/またはPANコーディネータのいずれかまたは両方によって実施される信号発信を表すことができる。
【0073】
図10は、明示肯定応答コマンドを使用しない受動チャネル切換えを示す例示的コールフロー
図1000である。
図10には、コーディネータ1002およびネットワークデバイス1004が含まれている。コーディネータ1002は、ネットワークデバイス1004を他のPANおよび/またはチャネルに切り換えるべきか、あるいは他のPANおよび/またはチャネルへ移動させるべきかを決定することができる。コーディネータ1002は、ネットワークデバイス1004にディスアソシエーション通知1010を送信することができる。ディスアソシエーション通知1010は、例えばディスアソシエーション理由および/または新しいPAN IDを含むことができる。ディスアソシエーション通知1010は、古いチャネルを介して送信することができる。新しいPAN IDは、コーディネータ1002がネットワークデバイス1004を切り換える、または移動させることを希望しているPANの識別であってもよい。
【0074】
ネットワークデバイス1004は、コーディネータ1002に
アソシエーション要求1030を送信することができる。
アソシエーション要求1030は、ディスアソシエーション通知1010に応答して送信することができる。肯定応答は、
アソシエーション要求1030に組み込むことができる。したがって
アソシエーション要求1030は、ディスアソシエーション通知1010に対する
アソシエーション要求および肯定応答の両方として使用することができ、場合によっては個別の肯定応答メッセージをネットワークデバイス1004からコーディネータ1002へ送信する必要はない。
アソシエーション要求1030は、新しいチャネルを介して送信することができる。新しいチャネルは、ディスアソシエーション通知1010および新しいPAN IDに対応するチャネルであってもよい。コーディネータ1002は、ネットワークデバイス1004に
アソシエーション応答1040を送信することができる。
アソシエーション応答1040は、
アソシエーション要求1030に応答して送信することができる。
アソシエーション応答1040は、新しいチャネルを介して送信することができる。
【0075】
上で説明したメッセージのメッセージ名称および順序は、単なる例示的目的のためにすぎないことは当業者には認識されよう。上で説明した信号発信の任意の組合せを、任意の順序で実施することができる。さらに、図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータであっても、またはPANコーディネータであってもよい。いくつかの例では、図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータおよびPANコーディネータの両方への信号発信、またはこれらの両方のコーディネータからの信号発信を表すことができる。したがって図に示されているコーディネータは、コンバージドコーディネータおよび/またはPANコーディネータのいずれかまたは両方によって実施される信号発信を表すことができる。
【0076】
また、グループをベースとするチャネル切換えを使用して複数のデバイスを他のPANに切り換えることも可能である。任意のデバイスまたはコーディネータは、デバイスおよびすべての子デバイスを他のPANに切り換えるためのPANコーディネータまたはコンバージドコーディネータからの要求を許可することができる。コーディネータは、そのクラスタ内のデバイスに代わって要求することができる。これは、個別のデバイスに基づいて実施されるチャネル切換えと比較すると、チャネル切換えを迅速にすることができる。これは、場合によっては、例えば妨害が特定のグループのデバイスに局所化される場合に有利である。デバイスによる、個々のチャネルではなく、グループとしてのチャネル切換えを許容することにより、切換えの間、親/子関係の維持を許容することができる。切換えの間、親/子関係の維持を許容することにより、切換え後にネットワークを「元に戻す」、または「形成する」ために要する時間を短くすることができる。
【0077】
図11は、グループをベースとするチャネル切換えを示す例示的コールフロー
図1100である。
図11には、コーディネータA1102、親コーディネータ1104およびデバイスのグループ1106が示されている。例えばコーディネータA1102は、ネットワーク内のルータであっても、または他のノードに対する親として作用する何らかのノードであってもよい。また、例えば親コーディネータ1104は、ゲートウェイであっても、または典型的なPANコーディネータであってもよい。親コーディネータ1104は、コーディネータA1102に対する親ノードであってもよい。
【0078】
コーディネータA1102は、親コーディネータ1104に
アソシエーション要求1110を送信することができる。
アソシエーション要求1110は、親コーディネータ1104に対して、グループ切換えを実施しなければならないことを示すことができる。例えば
アソシエーション要求1110はディスアソシエーション理由を含むことができ、また、ディスアソシエーション理由は、グループ切換えを実施すべきであることを示す指示を含むことができる。また、
アソシエーション要求1110は、コーディネータA1102が使用を要求している新しいチャネルまたはPANに基づく新しいPAN IDを含むことも可能である。コーディネータA1102は、コーディネータA1102の制御下にあるデバイスのクラスタであってもよいデバイス1106のグループに代わって
アソシエーション要求1110を実施することができる。
アソシエーション要求1110は、古いチャネルを介して送信することができる。
【0079】
親コーディネータ1104は、コーディネータA1102に肯定応答1120を送信することができる。肯定応答1120は、
アソシエーション要求1110に応答して送信することができる。肯定応答1120は、古いチャネルを介して送信することができる。
【0080】
コーディネータA1102は、デバイスのグループ1106に新しいディスアソシエーション通知1130を送信することができる。この新しいディスアソシエーション通知1130を使用して、デバイスのグループ1106が他のチャネルに移動すべきであることをデバイスのグループ1106に知らせることができる。新しいディスアソシエーション通知1130は、ディスアソシエーション理由および/または新しいPAN IDを含むことができる。新しいディスアソシエーション通知1130は、古いチャネルを介して送信することができる。デバイスのグループ1106がコーディネータA1102のすべての子デバイスであり、また、コーディネータA1102がデバイスのグループ1106の各々を切り換えることを希望している場合、コーディネータA1102は、新しいディスアソシエーション通知1130のための行先アドレスとして同報通信アドレスを設定することができる。したがってデバイスのグループ1106の各々は、同報通信を介して新しいディスアソシエーション通知1130を受け取ることができ、また、グループ切換えをトリガすることができる。コーディネータA1102が、デバイスのグループ1106のサブセットの切換え、または子デバイスのサブセットの切換えを希望している場合、新しいディスアソシエーション通知1130は、切り換えるべき特定のデバイスのアドレスをピギーバックすることができる。例えばコーディネータA1102は、デバイスのグループ1106の短アドレスのリストを使用して、またはブルームフィルタ技法を使用して、コマンドフレーム長を短くすることができる。
【0081】
デバイスのグループ1106の切り換えるべき個々のデバイスは、コーディネータA1102に肯定応答1140を送信することができる。肯定応答1140は、新しいチャネルを介して送信することができる。この新しいチャネルは、新しいPAN IDおよび/または新しいディスアソシエーション通知1130の中に示されていたチャネルであってもよい。肯定応答1140は、衝突を潜在的に回避するためのキャリア検知多重アクセス(CSMA)を使用して送信することができる。肯定応答1140の送信は任意選択であってもよい。
【0082】
上で説明したメッセージのメッセージ名称および順序は、単なる例示的目的のためにすぎないことは当業者には認識されよう。上で説明した信号発信の任意の組合せを、任意の順序で実施することができる。
【0083】
上で説明したいずれのチャネル切換え手法においても、デバイスは、他のデバイスと通信する能力を失っているため、他のチャネルまたは他のPANへの切換えを希望することができる。例えば通信は、妨害、および移動性等々によって失うことがある。通信の損失が生じると、デバイスは、予め構成済みの代替PAN IDおよびチャネルを利用することができる。また、コーディネータは、コーディネータがどの親ノードとも通信することができない場合、同じ技法を使用することも可能である。この例では、コーディネータは、子ノードとの通信を維持することができるが、親ノードとの通信を失うことになる。代替PANを使用することにより、コーディネータまたはデバイスは、自身および潜在的にその子を代替PANへ移動させることができ、それにより他のコーディネータまたはノードとの通信を回復することができる。
【0084】
コンバージドコーディネータを使用することにより、個別のPANコーディネータを備えた従来のPANネットワークと比較すると、いくつかの利点を得ることができる。例えばコンバージドコーディネータを使用することにより、オーバザエアソフトウェア管理をより速くすることができる。コンバージドコーディネータは、複数の無線トランシーバを有することができ、それらの各々をダウンリンクソフトウェア分散およびアップグレードのために同時に動作させることができる。例えば個々のトランシーバは、エンドデバイスのサブセットのために動作することができ、したがってオーバザエアソフトウェア管理をより速くすることができる。さらに、コンバージドコーディネータを使用することにより、ネットワーク内の輻輳を制御することができる。典型的なPAN内に輻輳が生じた場合の通常の解決法は、原始通信量レートまたは欠落パケットを押さえることである。これは、典型的にはシステムの処理能力が低下し、エネルギーが無駄に消費される原因になる。しかしながら、コンバージドコーディネータと
アソシエーションした構成可能なアーキテクチャは、より良好な方法で輻輳を処理することができる。例えば上で詳細に説明したように、原始通信量レートを小さくし、またはすべてのパケットを欠落させることなく、通信量を輻輳したPANまたはクラスタから負荷が少ないPANまたはクラスタへ向けることができる。
【0085】
さらに、コンバージドコーディネータを使用することにより、ロードバランシングを補助することができる。複数のクラスタおよび/または並列PANを利用することができる場合、コンバージドコーディネータは、総通信量をそれらの間で均等に分割することができる。これは、クラスタまたはPAN内における輻輳の有無に無関係に実施することができる。ロードバランシングに際しては、電池の残りの電力容量を考慮することができ、したがって個々のクラスタまたはPANは、同様の通信量負荷を有することができ、また、個々のネットワーク内における消費エネルギー、パケット衝突および待ち時間の点で、より良好な性能を有することができる。また、コンバージドコーディネータは、より良好なサービス品質(QoS)を可能にすることができる。様々なデバイスおよびアプリケーションをPAN環境に共存させることができる。例えば報告などのいくつかのアプリケーションには短い待ち時間が必要であり、一方、他のアプリケーションは、短い待ち時間に対する要求事項が少ない。一例としてIEEE802.15.4を使用することにより、保証時間スロット(GTS)にわたるコンテンションフリー期間(CFP)を可能にすることができる。このシナリオでは、コンバージドコーディネータは、クラスタまたはPAN全体にわたって遅延感応デバイスを展開させることができる。例えば個々のクラスタまたはPANは、特定の数の遅延感応デバイスを受け取ることができ、したがって個々のデバイスは、独自のGTSを有することができる。CFPが不能にされ、また、遅延感応デバイスからの通信量負荷が軽減されると、コンバージドコーディネータは、特定のクラスタまたはPAN内の遅延感応デバイスを編成することができ、また、他のクラスタまたはPAN内の遅延寛容デバイスを編成することができる。この方法によれば、差別されたQoSを異なるデバイスに提供することができる。
【0086】
他の例として、コンバージドコーディネータは、信頼性を改善することができる。1つのチャネルが利用不可能になると、コンバージドコーディネータは、PANデバイスを速やかに他のチャネルに切り換えることができる。例えば1つのチャネルに未知の外部デバイスをはめ込むことができる。さらに、複数のチャネルにわたってデバイスを展開させることにより、他のチャネル内のデバイスは、1つのチャネルが重大な妨害に遭遇しても影響されない状態を維持することができる。さらに、コンバージドコーディネータは、エネルギー効率を改善することも可能である。通信量が少ない場合、コンバージドコーディネータは、限られた数のトランシーバを開くことができる。同様に、コンバージドコーディネータは、エネルギー消費を少なくするために限られた数のPANをセットアップすることができる。一例では、コンバージドコーディネータは、1つのトランシーバが一次トランシーバとして作用し、もう1つのトランシーバがバックアップトランシーバとして作用する2つのトランシーバをセットアップすることができる。総通信量が増加すると、コンバージドコーディネータは、必要に応じて追加トランシーバを開くことができる。コンバージドコーディネータは、次に、複数のクラスタまたはPANを構成することができる。したがって個々のネットワーク内における衝突の数を少なくすることができ、また、エネルギー効率を改善することができる。
他の例として、コンバージドコーディネータを使用することによって信号品質を改善することも可能である。コンバージドコーディネータは、同じ周波数を使用するために複数の無線トランシーバを割り当てることができ、また、無線環境が理想的ではない場合、複数入力複数出力(MIMO)を利用して信号品質を改善することができる。例えばコンバージドコーディネータは、デバイスから受け取った信号品質を、SIMOを利用して、デバイス側に一切のオーバヘッドを導入することなく改善するために、複数の無線受信機を同じ周波数において構成することができる。また、コンバージドコーディネータを使用することにより、隔離および保護を改善することも可能である。いくつかのデバイスは、場合によっては悪意のあるデバイスであり、異常な通信量を生成する可能性がある。しかしながら、コンバージドコーディネータは、正常なデバイスを悪意のあるデバイスからディスアソシエーションされた1つのクラスタまたはPAN内に置くことができる。
【0087】
上で示した例で説明されているコーディネータ、コンバージドコーディネータ、デバイスおよびネットワークデバイスの各々は、WTRUまたは任意の他の有線デバイスまたはワイヤレスデバイスであってもよい。上で示した例に使用されている説明および名称は、単なる例示的目的のためにすぎず、コーディネータおよびデバイスのタイプまたは機能を制限することは意図されていない。
【0088】
以上、特徴および要素について、特定の組合せで説明したが、個々の特徴または要素は、単独で使用することも、または他の特徴および要素との任意の組合せで使用することも可能であることは当業者には理解されよう。さらに、本明細書において説明されている方法は、コンピュータまたはプロセッサが実行するためのコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェアまたはファームウェアの中で実施することができる。コンピュータ可読媒体の例には、電子信号(有線接続またはワイヤレス接続を介して送信される)およびコンピュータ可読記憶媒体がある。コンピュータ可読記憶媒体の例には、それらに限定されないが、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体記憶装置、内部ハードディスクおよび取外し式ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、およびCD−ROMディスクおよびディジタル汎用ディスク(DVD)などの光媒体がある。ソフトウェアと
アソシエーションしたプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末装置、基地局、RNCまたは任意のホストコンピュータに使用するための無線周波数トランシーバを実施することができる。