特許第5719042号(P5719042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー・ハウシス・リミテッドの特許一覧

特許5719042モールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼル
<>
  • 特許5719042-モールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼル 図000008
  • 特許5719042-モールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼル 図000009
  • 特許5719042-モールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼル 図000010
  • 特許5719042-モールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼル 図000011
  • 特許5719042-モールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼル 図000012
  • 特許5719042-モールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼル 図000013
  • 特許5719042-モールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼル 図000014
  • 特許5719042-モールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼル 図000015
  • 特許5719042-モールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼル 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5719042
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】モールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼル
(51)【国際特許分類】
   B29C 39/02 20060101AFI20150423BHJP
   B29C 39/26 20060101ALI20150423BHJP
   B29C 39/22 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   B29C39/02
   B29C39/26
   B29C39/22
【請求項の数】40
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-558800(P2013-558800)
(86)(22)【出願日】2012年6月8日
(65)【公表番号】特表2014-512986(P2014-512986A)
(43)【公表日】2014年5月29日
(86)【国際出願番号】KR2012004520
(87)【国際公開番号】WO2012173356
(87)【国際公開日】20121220
【審査請求日】2013年9月17日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0056663
(32)【優先日】2011年6月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509286787
【氏名又は名称】エルジー・ハウシス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LG HAUSYS,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン インソック
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェウン
【審査官】 田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−125119(JP,A)
【文献】 特開平4−325211(JP,A)
【文献】 特開2010−52147(JP,A)
【文献】 特開2004−24928(JP,A)
【文献】 特開2001−62857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 39/02
B29C 39/22
B29C 39/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルの枠を取り囲んで支持するベゼルの製造方法において、
(a)成形面に前記ベゼルの表面形状を付与するための3次元パターンが形成された下部モールドを用意する段階;
(b)前記下部モールドの成形面の前記3次元パターンが形成された領域を囲むように2つのガスケットを締結する段階;
(c)前記下部モールドのガスケット上に、原料注入部を備える上部モールドを締結する段階;
(d)前記上部モールドの原料注入部を通して前記2つのガスケットに囲まれた領域に前記ベゼルの高分子原料を注入する段階;及び
(e)前記高分子原料を硬化させながら、前記下部モールドの成形面に形成された3次元パターンを転写する段階;を含むことを特徴とするディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項2】
ディスプレイパネルの枠を取り囲んで支持するベゼルの製造方法において、
(a)成形面に前記ベゼルの表面形状を付与するための3次元パターンが形成された下部モールドを用意する段階;
(b)前記下部モールドの成形面の前記3次元パターンが形成された領域を囲むように2つのガスケットを締結する段階;
(c)前記2つのガスケットに囲まれた領域にベゼルの高分子原料を注入する段階;
(d)前記(c)段階よりも後に、前記下部モールドのガスケット上に上部モールドを締結する段階;及び
(e)前記高分子原料を硬化させながら、前記下部モールドの成形面に形成された3次元パターンを転写する段階;を含むことを特徴とするディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項3】
(f)熱処理を通して、前記(e)段階で反応されなかった高分子原料をさらに熱硬化させる段階;をさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項4】
(g)硬化された高分子原料からなる前記ベゼルで少なくとも3次元パターンが転写された部分を含む表面にガラス膜をコーティングする段階;をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項5】
前記ガラス膜はポリシラザンを含むことを特徴とする、請求項4に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項6】
前記ポリシラザンは、繰り返し単位として下記の化学式(1)の単位を有することを特徴とする、請求項5に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【化1】
(前記式において、R、R及びRは、水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素原子数1〜8のアルキル基である。)
【請求項7】
前記ポリシラザンはペルヒドロポリシラザンであることを特徴とする、請求項5に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項8】
前記ポリシラザンは、触媒量のシリカ転化促進触媒を含有し、
前記シリカ転化促進触媒はアミン系触媒であることを特徴とする、請求項5に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項9】
前記下部モールドの成形面の3次元パターンは、NC(Numerical control)加工、化学的エッチング及びスタンピングのうち一つ以上の方法で形成されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項10】
前記高分子原料は、熱によって硬化される樹脂組成物であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項11】
前記樹脂組成物は、300〜500cPsの粘度を有することを特徴とする、請求項10に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項12】
前記高分子原料は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂及び不飽和ポリエステル系樹脂のうち一つ以上を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項13】
前記高分子原料には、パール、顔料及びチップのうち一つ以上がさらに含まれることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項14】
前記下部モールドは、前記成形面に離型処理剤がコーティングされていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項15】
前記下部モールドは、メタル、テフロン、ゴムのうち1種以上の材質からなることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項16】
前記下部モールドは、外部面に、ガラス又はメタルハニカム板材で形成されたフレーム部が付着されていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項17】
前記上部モールドは、ガラス又は金属材質で形成されたことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項18】
前記上部モールドは、平らな成形面を備えることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項19】
前記上部モールドは、前記下部モールドの成形面に形成された3次元パターンとは反対のパターンが形成された成形面を備えることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項20】
ディスプレイパネルの枠を取り囲んで支持するベゼルの製造方法において、
(a)成形面に前記ベゼルの表面形状を付与するための3次元パターンが形成されたモールドを用意する段階;
(b)前記モールドの成形面の前記3次元パターンが形成された領域を囲むように2つのガスケットを締結する段階;
(c)前記2つのガスケットに囲まれた領域にベゼルの高分子原料を注入する段階;及び
(d)前記高分子原料を硬化させながら、前記モールドの成形面に形成された3次元パターンを転写する段階;を含み、
前記モールドのガスケット上に上部モールドを締結する段階を含まないことを特徴とするディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項21】
(e)硬化された高分子原料からなる前記ベゼルで少なくとも3次元パターンが転写された部分を含む表面にガラス膜をコーティングする段階;をさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項22】
前記ガラス膜はポリシラザンを含むことを特徴とする、請求項21に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項23】
前記ポリシラザンは、繰り返し単位として下記の化学式(1)の単位を有することを特徴とする、請求項22に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【化1】
(前記式において、R、R及びRは、水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素原子数1〜8のアルキル基である。)
【請求項24】
前記ポリシラザンはペルヒドロポリシラザンであることを特徴とする、請求項22に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項25】
前記ポリシラザンは、触媒量のシリカ転化促進触媒を含有し、
前記シリカ転化促進触媒はアミン系触媒であることを特徴とする、請求項22に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項26】
前記モールドの成形面の3次元パターンは、NC加工、化学的エッチング及びスタンピングのうち一つ以上の方法で形成されることを特徴とする、請求項20〜25のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項27】
前記高分子原料は、熱、光又は電子ビームによって硬化される樹脂組成物であることを特徴とする、請求項20〜26のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項28】
前記樹脂組成物は、300〜500cPsの粘度を有することを特徴とする、請求項27に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項29】
前記高分子原料には、パール、顔料及びチップのうち一つ以上がさらに含まれることを特徴とする、請求項20〜28のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項30】
前記モールドは、前記成形面に離型処理剤がコーティングされていることを特徴とする、請求項20〜29のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項31】
前記モールドは、メタル、テフロン及びゴムのうち1種以上の材質からなることを特徴とする、請求項20〜30のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項32】
前記モールドは、外部面に、ガラス又はメタルハニカム板材で形成されたフレーム部が付着されていることを特徴とする、請求項20〜31のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項33】
前記ガスケットは、その厚さに応じて成形物の厚さを決定する、請求項1〜32のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項34】
ディスプレイパネルの枠を取り囲んで支持するベゼルの製造方法において、
(a)成形面に前記ベゼルの表面形状を付与するための3次元パターンが形成された下部モールドを用意する段階;
(b)前記下部モールドの成形面のガスケットを締結する段階;
(c)前記下部モールドの成形面上に前記ベゼルの高分子原料を注入する段階;及び
(d)前記高分子原料を硬化させながら、前記下部モールドの成形面に形成された3次元パターンを転写する段階;を含み、
前記ガスケットは、その厚さに応じて成形物の厚さを決定することを特徴とするディスプレイパネル用ベゼルの製造方法。
【請求項35】
ディスプレイパネルの枠を取り囲んで支持するベゼルにおいて、
請求項1〜34のいずれか1項に記載のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法により製造され、
少なくとも一つの表面に3次元パターンが形成された樹脂組成物の硬化物からなる基材;及び
前記基材の少なくとも一つの表面にコーティングされたガラス膜層;を含むディスプレイパネル用ベゼル。
【請求項36】
前記硬化物は、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂及び不飽和ポリエステル系樹脂のうち一つ以上を含むことを特徴とする、請求項35に記載のディスプレイパネル用ベゼル。
【請求項37】
前記ガラス膜層は、ポリシラザンを含むことを特徴とする、請求項35に記載のディスプレイパネル用ベゼル。
【請求項38】
前記ポリシラザンは、繰り返し単位として下記の化学式(1)の単位を有することを特徴とする、請求項37に記載のディスプレイパネル用ベゼル。
【化1】
(前記式において、R、R及びRは、水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素原子数1〜8のアルキル基である。)
【請求項39】
前記ポリシラザンはペルヒドロポリシラザンであることを特徴とする、請求項37に記載のディスプレイパネル用ベゼル。
【請求項40】
前記ポリシラザンは、触媒量のシリカ転化促進触媒を含有し、
前記シリカ転化促進触媒はアミン系触媒であることを特徴とする、請求項37に記載のディスプレイパネル用ベゼル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイパネルの枠に付着され、このディスプレイパネルを支持するベゼルの製造方法及びこれを通して製造されるディスプレイパネル用ベゼルに関し、より詳細には、不要な資材費用を減少させ、3次元パターンの具現が容易なモールドキャスティング方式を用いるディスプレイパネル用ベゼルの製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
「ベゼル(Bezel)」とは、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネルなどの多様なパネルを支持及び/又は収納するために使用されるフレーム、シャーシなどをいう。
【0003】
一般に、テレビ、パーソナルコンピューターのモニター、携帯電話などに画面表示器具として使用される液晶表示装置は、画面を表示するディスプレイパネルと、ディスプレイパネルを支持及び収納するベゼルとを備える。
【0004】
このような液晶ディスプレイパネル用ベゼルは、通常、アクリル系樹脂などを押出加工して中央部を除去し、プレート状に製造される。
【0005】
しかし、このような従来のディスプレイパネル用ベゼルの製造方法は、アクリルプレートの中央部を除去して平面フレームを設けるので、切断されて捨てられる量が相当あり、資材費用が上昇するという問題を有する。
【0006】
また、従来のディスプレイパネル用ベゼルは、アクリル押出を通して製造されるので、深み感を与える3次元パターンの具現が難しいという問題を有する。
【0007】
押出成形過程での3次元表面パターンの形成においては、ベゼルの強度的な問題により、相対的に薄い厚さの3次元パターンしか形成できないという問題がある。
【0008】
また、射出成形過程での3次元表面パターンは、相対的に厚い3次元パターンは形成できるが、モールドの変形が問題となったり、或いは脱型が問題となるので、大きいサイズの製品の成形が難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、不要な資材費用を減少させ、3次元表面パターンを容易に形成することができ、また、モールドの変形を防止することができ、脱型を容易に行えるディスプレイパネル用ベゼルの製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、前記方法を通して表面に3次元パターンが形成されたディスプレイパネル用ベゼルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の一つの目的を達成するための本発明の実施例に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法は、(a)成形面に前記ベゼルの表面形状を付与するための3次元パターンが形成された下部モールドを用意する段階;(b)前記下部モールドの成形面の枠にガスケットを締結する段階;(c)前記下部モールドのガスケット上に、原料注入部を備える上部モールドを締結する段階;(d)前記上部モールドの原料注入部を通して前記ベゼルの高分子原料を注入する段階;及び(e)前記高分子原料を硬化させながら、前記下部モールドの成形面に形成された3次元パターンを転写する段階;を含むことを特徴とする。
【0012】
前記の一つの目的を達成するための本発明の他の実施例に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法は、(a)成形面に前記ベゼルの表面形状を付与するための3次元パターンが形成された下部モールドを用意する段階;(b)前記下部モールドの成形面の枠にガスケットを締結する段階;(c)前記下部モールドの成形面上にベゼルの高分子原料を注入する段階;(d)前記下部モールドのガスケット上に上部モールドを締結する段階;及び(e)前記高分子原料を硬化させながら、前記下部モールドの成形面に形成された3次元パターンを転写する段階;を含むことを特徴とする。
【0013】
前記の一つの目的を達成するための本発明の更に他の実施例に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法は、(a)成形面に前記ベゼルの表面形状を付与するための3次元パターンが形成されたモールドを用意する段階;(b)前記モールドの成形面の枠にガスケットを締結する段階;(c)前記モールドの成形面上にベゼルの高分子原料を注入する段階;及び(d)前記高分子原料を硬化させながら、前記モールドの成形面に形成された3次元パターンを転写する段階;を含むことを特徴とする。
【0014】
前記の他の目的を達成するための本発明の実施例に係るディスプレイパネル用ベゼルは、少なくとも一つの表面に3次元パターンが形成された樹脂組成物の硬化物からなる基材;及び前記基材の少なくとも一つの表面にコーティングされたガラス膜層;を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法は、モールドキャスティング方式でベゼルを製作するので、既存の押出方式と異なって不要な資材費を節減できるという長所を有する。
【0016】
また、本発明に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法は、モールドの内部で原料を硬化すると同時に、モールドの成形面に形成された3次元パターンを硬化物に転写できるので、製造されるディスプレイパネル用ベゼルの表面に容易に3次元パターンを付与することができる。
【0017】
また、本発明に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法は、モールドの外部にガラスなどの材質で形成されたフレーム部を付着し、モールドの変形が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法を概略的に示したフローチャートである。
図2】本発明に適用され得る下部モールドの断面図である。
図3】本発明に適用され得る下部モールドの平面図である。
図4】本発明に適用され得る下部モールドの他の断面図である。
図5】本発明に適用され得る下部モールド及び上部モールドの例を示した図である。
図6】本発明に適用され得る下部モールド及び上部モールドの他の例を示した図である。
図7】本発明の上下部モールドに注入された樹脂組成物を示した概略図である。
図8】本発明の他の実施例に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法を概略的に示したフローチャートである。
図9】本発明の更に他の実施例に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法を概略的に示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に説明している各実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する各実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現可能である。ただし、本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであって、本発明は、請求項の範疇によって定義されるものに過ぎない。明細書全体にわたる同一の参照符号は同一の構成要素を示す。
【0020】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係るモールドキャスティングを用いたディスプレイパネル用ベゼルの製造方法及びディスプレイパネル用ベゼルについて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施例に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法を概略的に示したフローチャートである。
【0022】
図1を参照すると、図示したディスプレイパネル用ベゼルの製造方法は、下部モールド用意段階(S110)、ガスケット締結段階(S120)、上部モールド締結段階(S130)、原料注入段階(S140)、及び硬化/3次元パターン転写段階(S150)を含む。
【0023】
また、熱処理段階(S160)をさらに含むことができ、ガラス膜コーティング段階(S170)をさらに含むことができる。
【0024】
下部モールド用意段階(S110)では、成形面に前記ベゼルの表面形状を付与するための3次元パターンが形成された下部モールドを用意する。
【0025】
図2図3は、本発明に適用され得る下部モールドの例であって、図2は断面図、図3は平面図である。
【0026】
下部モールド210は、メタル、テフロン、ゴムなどの成形面215に3次元パターンを容易に形成できる材質で形成されていることが望ましい。さらに、下部モールドは、耐食性及び強度に優れたステンレススチールで形成されることがさらに望ましい。
【0027】
下部モールド210の成形面215に形成された3次元パターンは、図3に示したように、ディスプレイパネル用ベゼルの形状に応じて製作することができる。
【0028】
このとき、前記各材質は、反りに脆弱であるため、単独で用いるときにモールドの変形が発生し得る。
【0029】
このような点を防止するために、下部モールド210の外部面には、図4に示した例のように、ガラス、メタルハニカム(metal honeycomb)板材などの材質で形成されたフレーム部310が付着されていることが望ましい。これらガラスなどで形成されたフレーム部310は、反りに強いため、下部モールド210の変形を抑制することができる。
【0030】
下部モールド210の成形面215の3次元パターンは、NC(Numerical control)加工、化学的エッチング、スタンピングなどの多様な方法で形成することができる。
【0031】
このとき、下部モールド210の成形面215の3次元パターンは、ディスプレイパネル用ベゼル表面の3次元パターンの厚さを決定する。したがって、下部モールド210の成形面215に1mm以上の厚さで3次元パターンを形成する場合、ディスプレイパネル用ベゼル表面にも1mm以上の厚さで3次元パターンを形成することができる。
【0032】
一方、下部モールド210には、容易な脱型のために成形面215に離型処理剤が約2μmほどコーティングされていることが望ましい。
【0033】
次に、ガスケット締結段階(S120)では、下部モールドの成形面の枠にガスケットを締結する。
【0034】
ガスケット(図2の220)は、上部モールド及び下部モールドへの密封付与効果を有すると同時に、その厚さに応じて成形物の厚さも決定する役割をする。このようなガスケットには、シリコンゴムなどを用いることができる。
【0035】
次に、上部モールド締結段階(S130)では、下部モールドのガスケット上に、原料注入部を備える上部モールドを締結する。
【0036】
このとき、上部モールドは、成形面が平面形態であるか、成形面に3次元パターンを備えることができる。
【0037】
まず、図5に示した例のように、本発明の上部モールド410の成形面は、平面形態であり得る。この場合、成形面が滑らかでなければならないので、上部モールド410の材質はガラス又は金属であることが望ましく、特にガラスであることがさらに望ましい。上部モールド410の成形面が平面形態であることから、製造されるディスプレイパネル用ベゼルは両面のうち一面が3次元パターンを有するようになる。3次元パターンを有する一面の裏面は平らであるので、後ほどの表面処理のためのコーティング、デザイン効果付与のための印刷工程などを容易に行うことができる。
【0038】
一方、図6に示した例のように、上部モールド410は、下部モールド210の成形面215に形成された3次元パターンとは反対のパターンが形成された成形面415を備えることもできる。すなわち、上部モールド410の成形面415において、下部モールド210の成形面215のうち突出部分に対応する部分は凹状になり得る。その一方、上部モールド410の成形面415において、下部モールド210の成形面215のうち凹状部分に対応する部分は突出形態になり得る。
【0039】
図6に示した例のように、互いに反対の3次元パターンを有する成形面が適用された下部モールド210と上部モールド410の構造は、ディスプレイパネル用ベゼルの硬化時における前記の注入された樹脂組成物の収縮程度を均一にすることができる。したがって、製造されるディスプレイパネル用ベゼルの3次元表面パターンの厚さ均一度を確保することができ、また、ディスプレイパネル用ベゼルの表面又は内部のボイド発生現象を減少させることができる。
【0040】
このとき、前記下部モールド及び上部モールドは3〜20mmの厚さを有することが望ましい。下部モールド及び上部モールドの厚さが3mm未満である場合は、それぞれのモールドの反り現象が発生し得る。その一方、下部モールド及び上部モールドの厚さが20mmを超える場合は、取り扱いが難しいという問題がある。
【0041】
次に、原料注入段階(S140)では、上部モールドの原料注入部を通してディスプレイパネル用ベゼルの原料を下部モールドの成形面上に注入する。原料注入部は、上部モールドを貫通するホールの形態になり、スリットの形態にもなり得る。
【0042】
原料注入は、約18〜25℃の常温で行うことができる。
【0043】
このとき、原料は、熱によって硬化される樹脂組成物になり得る。
【0044】
このとき、樹脂組成物に含まれる樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂、オレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂などを適用することができる。これら樹脂は、単独で或いは2種以上混合して用いることができる。また、樹脂組成物には、フィラーとしてアルミナトリハイドレート(ATH)などをさらに含むことができる。
【0045】
これら樹脂組成物は、製造されるディスプレイパネル用ベゼルの色相、物性などに応じて多様に選択することができる。
【0046】
例えば、透明なディスプレイパネル用ベゼルを製造する場合、原料は、メチルメタクリレート(MMA)を主成分とする樹脂組成物になり得る。白色ディスプレイパネル用ベゼルを製造する場合、原料は、メチルメタクリレート(MMA)とアルミナトリハイドレート(ATH)を主成分とする樹脂組成物になり得る。
【0047】
このとき、前記樹脂組成物としては、300〜500cPsの粘度を有するものを用いることが望ましい。前記範囲では、樹脂組成物の注入を容易に行うことができる。樹脂組成物の粘度が300cPs未満である場合は、硬化時間が長くなり、製造される高分子成形体の密度が不十分になり得る。一方、樹脂組成物の粘度が500cPsを超える場合は、樹脂組成物が容易に注入されにくいという問題がある。
【0048】
一方、前記原料には、デザイン的効果などを付与するために、パール(pearl)、顔料、チップなどをさらに含ませることができる。
【0049】
次に、硬化/3次元パターン転写段階(S150)では、熱硬化方式を用いて前記の下部モールドの成形面上に注入された原料を硬化させる。熱硬化方式は、特別に制限されるものでなく、図7に示したように、樹脂組成物Pが内部に注入された上部モールド及び下部モールドを加熱することによって、モールド内の樹脂組成物を硬化させることができる。このとき、原料の硬化物には、下部モールドの成形面に形成された3次元パターンが転写される。
【0050】
次に、熱処理段階(S160)では、熱処理を通して、前記硬化/3次元パターン転写段階で反応されなかった原料をさらに熱硬化させることができる。
【0051】
すなわち、熱処理段階(S160)では、硬化過程で反応していないモノマーなどをさらに硬化し、製造されるディスプレイパネル用ベゼルを完全に硬化させる。
【0052】
本過程は、硬化過程で未反応のモノマーなどをさらに硬化させる過程であるので、100℃以上、約100〜200℃のスチームを用いて実施することが望ましい。
【0053】
硬化/3次元パターン転写段階(S150)及び熱処理段階(S160)の所要時間は原料によって変わり得る。例えば、透明ディスプレイパネル用ベゼルの製造のためにメチルメタクリレート(MMA)を主成分とする樹脂組成物を原料として用いる場合、約3時間の硬化時間と2時間の熱処理時間を適用することができる。その一方、白色ディスプレイパネル用ベゼルの製造のためにメチルメタクリレート(MMA)とアルミナトリハイドレート(ATH)を主成分とする樹脂組成物を原料として用いる場合、約1〜2時間の硬化時間と30分〜1時間の熱処理時間を適用することができる。
【0054】
その後、製造されたディスプレイパネル用ベゼルから下部モールド及び上部モールドを脱型する。
【0055】
次に、ガラス膜コーティング(S170)段階では、硬化された高分子原料からなる前記ベゼルで少なくとも3次元パターンが転写された部分を含む表面にガラス膜をコーティングする。
【0056】
前記ガラス膜は、ディスプレイパネル用ベゼルの表面を保護し、外観を維持するための機能を行う。
【0057】
前記ガラス膜は、ガラス塗料液を使用して形成することができ、無機物コーティング溶液又はポリシラザンを含むコーティング溶液を使用して形成することができる。
【0058】
本発明に係るベゼルの製造方法において、前記ガラス膜は、ポリシラザンを含むコーティング溶液で形成されることが望ましい。
【0059】
前記ポリシラザンは、分子内にSi―N(ケイ素―窒素)結合が繰り返された重合体であって、シリカへの転化が容易であればその種類に特別な限定はない。一般に、Si―N(ケイ素―窒素)結合においてSi原子に二つの水素原子が結合されており、シリカへの転化が容易である。
【0060】
このようなポリシラザンの分子構造としては、直鎖状、分岐された直鎖状、分岐状、環状、架橋構造を有するもの、又は分子内にこれら複数の構造を同時に有するものがある。
【0061】
本発明においては、これらを単独で又は混合して使用することができる。これらポリシラザンの代表例としては、下記の化学式(1)で表示されるシラザン単位を繰り返し単位とする重合体などがある。ここで、重合体はオリゴマーも含む。
【0062】
【化1】
【0063】
前記式において、R、R及びRは、水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素原子数1〜8のアルキル基である。
【0064】
シリカへの転化容易性の点から、R、Rが全て水素原子である単位を含有することが望ましく、分子中のR、Rが全て水素原子であり、特に、R、R及びRが全て水素原子であることがより望ましい。
【0065】
一方、R、R及びRが全て水素原子であるポリシラザンは、下記の化学式(2)で表示される繰り返し単位を有し、ペルヒドロポリシラザンと称される。
【0066】
【化2】
【0067】
ペルヒドロポリシラザンは、下記の化学式(3)で表示される化学構造部分を有する。
【0068】
【化3】
【0069】
前記ペルヒドロポリシラザンは、ケイ素原子に結合された水素原子の一部が水酸基に置換されたものであってもよい。
【0070】
前記ペルヒドロポリシラザンは、ジヒドロゲンジクロロシランと有機塩基(例えば、ピリジン又はピコリン)を反応させて付加物を作り、この付加物とアンモニアを反応させることによって容易に合成することができる。
【0071】
このようなポリシラザン、特に、ペルヒドロポリシラザンの数平均分子量は通常100〜50,000であり、加熱時の非揮発性と溶剤への溶解性の点で200〜2,500であることがより望ましい。
【0072】
本発明に係るベゼルのガラス膜に含まれるポリシラザン、特にペルヒドロポリシラザンは、少量のシリカ転化促進触媒を含有していてもよい。
【0073】
前記シリカ転化促進触媒として、有機アミン化合物、有機酸、無機酸、カルボン酸金属塩、有機金属錯塩を挙げることができる。
【0074】
前記シリカ転化促進触媒として、特に有機アミン化合物が望ましく、具体例としては、1―メチルピペラジン、1―メチルピペリジン、4,4'―トリメチレンジピペリジン、4,4'―トリメチレンビス(1―メチルピペリジン)、ジアザビシクロ―[2,2,2] オクタン、シス―2,6―ジメチルピペラジン、4―(4―メチルペリジン)ピリジン、ピリジン、ジピリジン、α―ピコリン、β―ピコリン、γ―ピコリン、ピペリジン、ルチジン、ピリミジン、ピリダジン、4,4'―トリメチレンジピリジン、2―(メチルアミノ)ピリジン、ピラジン、キノリン、キノキサリン、トリアジン、ピロール、3―ピロリン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、1―メチルピロリジンなどの窒素含有環状有機アミン;メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ジヘプチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、トリオクチルアミン、フェニルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミンなどの脂肪族又は芳香族アミン類;DBU(1,8―ジアザビシクロ[5,4,0]7―ウンデセン)、DBN(1,5―ジアザビシクロ[4,3,0]5―ノネン)、1,5,9―トリアザシクロドデカン、1,4,7―トリアザシクロノナンを挙げることができる。
【0075】
前記シリカ転化促進触媒の含有量は、ポリシラザン、特にペルヒドロポリシラザンの全体重量のうち0.1〜10重量%であることが望ましい。
【0076】
本発明に係るベゼルの表面を、ポリシラザンを含む溶液でコーティングすることによって、前記基板の表面に高密度被膜を形成することができ、また、本発明に係るベゼルは、耐食性、耐磨耗性、防汚性、洗浄容易性、水への湿潤性、密封効果、耐薬品性、耐酸化性、物理的障壁効果、耐熱性、耐火性、低収縮率、平滑効果、耐久性効果、帯電防止性及びスクラッチ防止性などに優れるという効果を有する。
【0077】
前記ガラス膜をコーティングする方法には特別な制限がなく、一般的なコーティング方法を全て使用することができる。望ましくは、前記ガラス膜コーティングの方法として、スプレーコーティング、ディップコーティング、スピンコーティングなどの方法を主に使用することができる。
【0078】
図8は、本発明の他の実施例に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法を概略的に示したフローチャートである。
【0079】
図8を参照すると、図示したディスプレイパネル用ベゼルの製造方法は、下部モールド用意段階(S510)、ガスケット締結段階(S520)、原料注入段階(S530)、上部モールド締結段階(S540)、及び硬化/3次元パターン転写段階(S550)を含む。
【0080】
また、熱処理段階(S560)をさらに含むことができ、また、ガラス膜コーティング段階(S570)をさらに含むことができる。
【0081】
下部モールド用意段階(S510)では、成形面にベゼルの表面形状を付与するための3次元パターンが形成された下部モールドを用意する。ガスケット締結段階(S520)では、下部モールドの成形面の枠にガスケットを締結する。
【0082】
次に、原料注入段階(S530)では、下部モールドの成形面上にディスプレイパネル用ベゼルの原料を注入する。上部モールド締結段階(S540)では、下部モールドのガスケット上に上部モールドを締結する。
【0083】
次に、硬化/3次元パターン転写段階(S550)では、注入された原料を熱硬化させながら、下部モールドの成形面に形成された3次元パターンを転写する。熱処理段階(S560)では、熱処理を通して、硬化過程で反応されなかったモノマーなどをさらに熱硬化させる。
【0084】
そして、ガラス膜コーティング(S570)段階では、硬化された高分子原料からなる前記ベゼルで少なくとも3次元パターンが転写された部分を含む表面にガラス膜をコーティングする。
【0085】
図8に示した例のように、まず、下部モールドの成形面上に原料注入を行った後、上部モールドを締結することができる。この場合、上部モールドには別途の原料注入部を形成しなくてもよい。
【0086】
異物流入防止及び原料注入量制御の側面では、図1に示した例のように、上部モールドと下部モールドを締結した後で原料を注入することがさらに望ましい。その一方、原料注入便宜性の側面では、図8に示した例のように、下部モールドの成形面上に原料を注入した後で上部モールドを締結することがさらに望ましい。
【0087】
図1及び図8に示した例では、熱硬化を通してディスプレイパネル用ベゼルを製造する過程を説明した。
【0088】
しかし、本発明に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法は、図1及び図8に示した例のみに限定されるものではなく、ディスプレイパネル用ベゼルの製造のために多様な方式の硬化を適用することができる。
【0089】
図9は、本発明の更に他の実施例に係るディスプレイパネル用ベゼルの製造方法を概略的に示したフローチャートである。
【0090】
図9を参照すると、図示したディスプレイパネル用ベゼルの製造方法は、モールド用意段階(S610)、ガスケット締結段階(S620)、原料注入段階(S630)及び硬化/3次元パターン転写段階(S640)を含む。
【0091】
また、ガラス膜コーティング段階(S650)をさらに含むことができる。
【0092】
モールド用意段階(S610)では、成形面にベゼルの表面形状を付与するための3次元パターンが形成されたモールドを用意する。
【0093】
次に、ガスケット締結段階(S620)では、モールドの成形面の枠にガスケットを締結する。
【0094】
次に、原料注入段階(S630)では、モールドの成形面上にディスプレイパネル用ベゼルの原料を注入する。このとき、原料は、熱、光又は電子ビームによって硬化される樹脂組成物になり得る。
【0095】
次に、硬化/3次元パターン転写段階(S640)では、注入された原料を硬化させながら、硬化物にモールドの成形面に形成された3次元パターンを転写する。
【0096】
このとき、硬化には、原料によって多様な方式を適用することができる。
【0097】
例えば、熱によって硬化される樹脂組成物を原料として用いる場合、硬化には熱硬化方式を適用することができる。その一方、紫外線によって硬化される樹脂組成物を原料として用いる場合、硬化には紫外線硬化方式を適用することができる。
【0098】
また、ガラス膜コーティング(S650)段階では、硬化された高分子原料からなる前記ベゼルで少なくとも3次元パターンが転写された部分を含む表面にガラス膜をコーティングする。
【0099】
本発明に係る方法で製造されるディスプレイパネル用ベゼルによると、不要な資材費用を減少させることができ、前記ベゼルの表面に3次元パターンを容易に形成することができる。
【0100】
すなわち、このとき、前記ディスプレイパネル用ベゼルは、少なくとも一つの表面に3次元パターンが形成された樹脂組成物の硬化物からなる基材と、前記基材の少なくとも一つの表面にコーティングされたガラス膜層とを含む。
【0101】
前記ベゼルは、使用される原料によって透明色又は白色に形成することができる。
【0102】
特に、表面に形成される3次元パターンは1mm以上の厚さで形成することができる。すなわち、上述したように、モールドの材質としてパターン形成が容易な金属などを用い、モールドの成形面にNC加工などを適用することによって、モールドに1mm以上の厚さを有する3次元パターンを形成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9