特許第5719060号(P5719060)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エレクトロニクス インコーポレイティドの特許一覧

特許5719060中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局
<>
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000014
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000015
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000016
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000017
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000018
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000019
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000020
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000021
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000022
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000023
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000024
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000025
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000026
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000027
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000028
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000029
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000030
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000031
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000032
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000033
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000034
  • 特許5719060-中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局 図000035
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5719060
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法及び該方法を用いる中継局
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/26 20090101AFI20150423BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20150423BHJP
   H04J 99/00 20090101ALI20150423BHJP
   H04J 11/00 20060101ALI20150423BHJP
   H04B 7/04 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   H04W16/26
   H04W72/04 136
   H04J15/00
   H04J11/00 Z
   H04B7/04
【請求項の数】12
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2014-104311(P2014-104311)
(22)【出願日】2014年5月20日
(62)【分割の表示】特願2012-536656(P2012-536656)の分割
【原出願日】2010年10月22日
(65)【公開番号】特開2014-207678(P2014-207678A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2014年5月20日
(31)【優先権主張番号】61/254,744
(32)【優先日】2009年10月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/256,272
(32)【優先日】2009年10月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/307,409
(32)【優先日】2010年2月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/322,816
(32)【優先日】2010年4月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/322,908
(32)【優先日】2010年4月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/325,353
(32)【優先日】2010年4月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/334,582
(32)【優先日】2010年5月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/357,513
(32)【優先日】2010年6月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10-2010-0076740
(32)【優先日】2010年8月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ソ ハン ビュル
(72)【発明者】
【氏名】リ デ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョン フン
(72)【発明者】
【氏名】キム ハク ソン
(72)【発明者】
【氏名】キム キ ジュン
【審査官】 桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−521109(JP,A)
【文献】 ZTE,Considerations on Demodulation Reference Signal in Backhaul Downlink,TSG-RAN WG1 #58 R1-093204,3GPP,2009年 8月19日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_58/Docs/R1-093204.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/26
H04B 7/04
H04J 11/00
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継局(RN)のバックホールダウンリンク信号復号する方法であって
基地局(BS)から最大送信ランクを指示する上位階層信号を受信する段階と、
前記BSから中継局制御チャネルを介して制御情報を受信する段階と、
記制御情報を復調する段階と、を有し、
前記制御情報は、前記BSの前記中継局制御チャネルの送信に使われる制御領域において、端末特定参照信号リソース要素(URS RE)と重複しないリソース要素にマップされ、前記URS REは、前記最大送信ランクに従って端末特定参照信号(URS)用に予約されたリソース要素であり、
前記制御情報は、前記BSが一つの固定されたアンテナポートn(nは自然数)で送信した端末特定参照信号に基づいて復調される、方法。
【請求項2】
データチャネルを介して前記BSから送信されたデータを受信する段階を更に有し、
前記データの送信に用いられた階層の数は、2以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データは、前記BSがアンテナポートn,...,(n+k−1)(kは前記データの送信に用いられた階層の前記数)で送信された端末特定参照信号に基づいて復調される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御チャネル及び前記データチャネルは同一のサブフレーム内の別の時間に受信される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
記制御領域はサブフレームの1番目のスロットに位置し、該サブフレームは2個のスロットを含み、前記2個のスロットはそれぞれ、複数のリソース要素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記上位階層信号は、無線リソース制御(RRC)メッセージである請求項1に記載の方法。
【請求項7】
中継局(RN)であって、
無線信号を送受信する無線周波(RF)部と、
前記RF部と結合するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、基地局(BS)から最大送信ランクを指示する上位階層信号を受信し、
前記BSから中継局制御チャネルを介して制御情報を受信し、
記制御情報を復調するように構成され、
前記制御情報は、前記BSの前記中継局制御チャネルの送信に使われる制御領域において、端末特定参照信号リソース要素(URS RE)と重複しないリソース要素にマップされ、前記URS REは前記最大送信ランクに従って端末特定参照信号(URS)用に予約されたリソース要素であり、
前記制御情報は、前記BSが一つの固定されたアンテナポートn(nは自然数)で送信した端末特定参照信号に基づいて復調される、中継局。
【請求項8】
データチャネルを介して前記BSから送信されたデータを受信することを更に有し、
前記データの送信に用いられた階層の数は、2以上である、請求項7に記載の中継局。
【請求項9】
前記データは、前記BSがアンテナポートn,...,(n+k−1)(kは前記データの送信に用いられた階層の前記数)で送信された端末特定参照信号に基づいて復調される、請求項8に記載の中継局。
【請求項10】
前記制御チャネル及び前記データチャネルは同一のサブフレーム内の別の時間に受信される、請求項8に記載の中継局。
【請求項11】
記制御領域はサブフレームの1番目のスロットに位置し、該サブフレームは2個のスロットを含み、前記2個のスロットはそれぞれ、複数のリソース要素を含む、請求項に記載の中継局。
【請求項12】
前記上位階層信号は、無線リソース制御(RRC)メッセージである請求項に記載の中継局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関し、より詳しくは、中継局を含む無線通信システムにおいて、中継局が基地局から受信したバックホールダウンリンク信号を復号する方法及びこのような方法を用いる中継局に関する。
【背景技術】
【0002】
国際電気通信連合無線通信セクタ(ITU−R)では、第3世代以後の次世代移動通信システムである高度国際移動体通信(IMT−Advanced)の標準化作業が進行している。IMT−Advancedは、停止及び低速移動状態で1Gbps、高速移動状態で100Mbpsのデータ送信速度でのインターネットプロトコル(IP)ベースのマルチメディアサービスサポートを目標とする。
【0003】
第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)は、IMT−Advancedの要求事項を満たすシステム標準として直交周波数分割多元接続(OFDMA)/単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)送信方式ベースである長期進化システム(LTE)を改善した高度LTE(LTE−Advanced,LTE−A)を準備している。LTE−Aは、IMT−Advancedのための有力な候補のうち一つである。LTE−Aの主要技術に中継局(relay station)技術が含まれる。
【0004】
中継局は、基地局と端末との間で信号を中継する装置であり、無線通信システムのセルサービス範囲(cell coverage)を拡張させ、伝送速度(throughput)を向上させるために使われる。
【0005】
このような中継局が基地局からバックホールダウンリンク信号を受信する場合、上記バックホールダウンリンク信号の復調にどのような参照信号を用いるかが問題になる。例えば、中継局が基地局から送信される制御チャネルの制御情報を復調するためには、制御情報が割り当てられる無線リソース領域にどのような参照信号がマップされているかを知っていなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、中継局が基地局から受信するバックホールダウンリンク信号を復号する方法及びこのような方法を用いる中継局を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面による中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法は、中継局が基地局から上位階層信号を介してバックホールダウンリンクに対する送信ランク値を受信する段階と、上記基地局から制御領域を介して制御情報を受信する段階と、上記制御情報を復号する段階と、を含み、上記バックホールダウンリンクに対する送信ランク値は、上記中継局が上記制御情報を復号するために仮定する送信ランク値であり、上記制御情報は、上記バックホールダウンリンクに対する送信ランク値を仮定して上記制御領域にマップされた専用参照信号(dedicated reference signal,DRS)リソース要素と重ならないリソース要素にマップされることを特徴とする。
【0008】
上記バックホールダウンリンクに対する送信ランク値は、上記基地局と接続された少なくとも一つの中継局の間で送信することができる最大のランク値と同じである。
【0009】
上記バックホールダウンリンクに対する送信ランク値は、上記基地局と上記中継局との間で送信できる最大のランク値と同じである。
【0010】
上記中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法は、上記基地局からデータ領域を介してデータを受信する段階と、上記データを復号する段階と、を更に含み、上記データの復号に使われる専用参照信号は、上記制御情報により指示される。
【0011】
上記制御情報は、上記データ領域に対するランク値を含む。
【0012】
上記上位階層信号は、無線リソース制御(RRC)メッセージである。
【0013】
上記制御領域は、時間領域において複数の直交周波数分割多重化(OFDM)シンボルを含み、周波数領域において複数の副搬送波を含むサブフレームによって、上記基地局がマクロ端末に制御チャネルを送信するOFDMシンボル及び上記中継局の送受信切替に必要な保護区間の後に位置した少なくとも一つのOFDMシンボルを含む。
【0014】
上記中継局のバックホールダウンリンク信号復号方法は、上記基地局からデータ領域を介して制御情報を受信する段階と、上記データ領域を介して受信した制御情報を復号する段階と、を更に含み、上記データ領域を介して受信した制御情報は、予め決まった送信ランク値及び上記予め決まった送信ランク値による専用参照信号オーバヘッドを仮定して復号する。
【0015】
本発明の他の側面による中継局は、無線信号を送受信するRF部と、上記RF部に接続されるプロセッサと、を含み、上記プロセッサは、基地局から上位階層信号を介してバックホールダウンリンクに対する送信ランク値を受信し、上記基地局から制御領域を介して制御情報を受信し、上記制御情報を復号し、上記バックホールダウンリンクに対する送信ランク値は、上記中継局が上記制御情報を復号するために仮定する送信ランク値であり、上記制御情報は、上記バックホールダウンリンクに対する送信ランク値を仮定して上記制御領域にマップされた専用参照信号リソース要素と重ならないリソース要素にマップされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
中継局は、上位階層信号を介して基地局から受信する制御情報を復号する時の参照信号のオーバヘッドを決定するために使用する送信ランク及び参照信号を知ることができるため、制御チャネルを正確に復調することができる。また、基地局から受信する制御チャネルとデータチャネルの送信ランクとが異なる場合にも制御チャネルを正確に復調することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】中継局を含む無線通信システムを示す図である。
図2】中継局を含む無線通信システムに存在するリンクを示す図である。
図3】3GPP LTEの無線フレーム構造を示す図である。
図4】一つのダウンリンクスロットに対するリソースグリッドを示す例示図である。
図5】ダウンリンクサブフレームの構造を示す図である。
図6】アップリンクサブフレームの構造を示す図である。
図7】MIMOシステムを示す図である。
図8】複数アンテナシステムにおけるチャネルを示す図である。
図9】正規CPにおいて4個のアンテナポートをサポートすることができるRS構造の例を示す図である。
図10】拡張CPにおいて4個のアンテナポートをサポートすることができるRS構造の例を示す図である。
図11】基地局と中継局との間のバックホールダウンリンクに使うことができるサブフレーム構造の一例を示す図である。
図12】R−PDCCH及びR−PDSCH双方にDM−RSを使用する場合の、基地局と中継局との間の信号通知過程を示す図である。
図13】DM−RSインデクスが連続するDM−RS集合をR−PDSCH送信に用いる場合の、R−PDCCHのDM−RSインデクスとR−PDSCHのDM−RSインデクスとの関係を示す図である。
図14】正規CPにおいてバックホールダウンリンクサブフレーム内に割り当てられることができる参照信号リソース要素の例を示す図である。
図15】前述したバックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定する方法を適用する場合の、基地局と中継局との間の信号通知過程の例を示す図である。
図16】前述した中継局特定にバックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定する方法を適用する場合の、基地局と中継局との間の信号通知過程の例を示す図である。
図17】バックホールダウンリンクサブフレームのR−PDCCH領域において、中継局が仮定するDM−RSリソース要素の例を示す図である。
図18】バックホールダウンリンクサブフレームのDM−RSリソース要素の例を示す図である。
図19】本発明の一実施例による送信器構造の一例を示す図である。
図20】基地局がR−PDCCH領域及びR−PDSCH領域にランクによってDM−RSリソース要素をマップする例を示す図である。
図21】周波数領域において一つのリソースブロック内に複数のR−PDCCHが多重化される場合の、複数のR−PDCCHを互いに異なる空間レイヤを介して送信する例を示す図である。
図22】基地局及び中継局を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の技術は、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(OFDMA)、単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA)などのような多様な無線通信システムに用いることができる。CDMAは、汎用地上無線接続(UTRA)又はCDMA2000のような無線技術によって具現することができる。TDMAは、世界移動体通信システム(GSM(登録商標))/汎用パケット無線サービス(GPRS)/GSM(登録商標)進化用強化データ速度(EDGE)のような無線技術で具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16e(WiMAX)、IEEE802.20、進化UTRA(E−UTRA)などのような無線技術で具現することができる。UTRAは、汎用移動体通信システム(UMTS)の一部である。3GPP LTEは、E−UTRAを使用する進化UMTS(E−UMTS)の一部であり、ダウンリンクにおいてOFDMAを採用し、アップリンクにおいてSC−FDMAを採用する。LTE−Advanced(LTE−A)は3GPP LTEの進化形である。以下、説明を明確にするために、3GPP LTE/LET−Aを例示して説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
【0019】
図1は、中継局を含む無線通信システムを示す。
【0020】
図1を参照すると、中継局を含む無線通信システム10は、少なくとも一つの基地局(eNodeB,eNB)11を含む。各基地局11は、一般的にセルと呼ばれる特定の地理的領域15に対して通信サービスを提供する。また、セルは複数の領域に分けられ、各々の領域はセクタと呼ばれる。一つの基地局には、一つ以上のセルが存在することができる。基地局11は、一般的に端末13と通信する固定局(fixed station)を意味し、BS(Base Station)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(Access Point)、AN(Access Network)等、他の用語で呼ばれることもある。基地局11は、中継局12と端末14との間の接続性(connectivity)、管理、制御、及びリソース割当のような機能を遂行することができる。
【0021】
中継局(Relay Node,RN)12は、基地局11と端末14との間で信号を中継する機器を意味し、RS(Relay Station)、リピータ、中継器など、他の用語で呼ばれることもある。中継局で使用する中継方式には、増幅及び転送(AF,amplify and forward)及び復号及び転送(DF,decode and forward)等、いずれの方式を使用することもでき、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
【0022】
端末(User Equipment,UE)13、14は固定されていてもよいし、移動性を有してもよく、移動機(MS,Mobile Station)、利用者端末(UT,User Terminal)、加入者局(SS,Subscriber Station)、無線機器、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム、携帯機器(Handheld Device)、接続端末(AT,Access Terminal)、等、他の用語で呼ばれることもある。以下、マクロ端末(macro UE,Ma−UE)13は、基地局11と直接通信する端末を意味し、中継局端末(RN−UE)14は、中継局と通信する端末を意味する。基地局11のセル内にあるマクロ端末13は、ダイバシチ効果による送信速度の向上のために中継局12を経て基地局11と通信することができる。
【0023】
図2は、中継局を含む無線通信システムに存在するリンクを示す。
【0024】
基地局と端末との間に中継局が位置する場合、基地局及び端末だけが存在する無線通信システムでのリンクと差が発生することがある。基地局と端末との間では、ダウンリンクは、基地局から端末への通信リンクを意味し、アップリンクは、端末から基地局への通信リンクを意味する。時分割2重通信(TDD)を使用する場合、互いに異なるサブフレームによってダウンリンク送信、アップリンク送信が実行される。周波数分割2重通信(FDD)を使用する場合、互いに異なる周波数帯域でダウンリンク送信、アップリンク送信が実行される。TDDではダウンリンク送信とアップリンク送信とが互いに異なる時間で実行され、同じ周波数帯域を使用することができる。反面、FDDではダウンリンク送信とアップリンク送信とを同じ時間で実行することができるが、互いに異なる周波数帯域を使用する。
【0025】
基地局と端末との間に中継局が含まれる場合、前述したアップリンク、ダウンリンクにバックホールリンク及びアクセスリンクを追加してもよい。バックホールリンクは、基地局と中継局との間の通信リンクを意味し、基地局が中継局に信号を送信するバックホールダウンリンク、中継局が基地局に信号を送信するバックホールアップリンクを含む。アクセスリンクは、中継局と中継局に接続された端末(以下、このような端末を中継局端末という)との間の通信リンクを意味し、中継局が中継局端末に信号を送信するアクセスダウンリンク、中継局端末が中継局に信号を送信するアクセスアップリンクを含む。
【0026】
図3は、3GPP LTEの無線フレーム構造を示す。
【0027】
図3を参照すると、無線フレームは10個のサブフレームで構成され、一つのサブフレームは2個のスロットで構成される。一つのサブフレームの長さは1msであり、一つのスロットの長さは0.5msである。一つのサブフレームの送信にかかる時間を送信時間間隔(TTI)という。TTIはスケジュールの最小単位である。
【0028】
一つのスロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含むことができる。OFDMシンボルは、3GPP LTEがダウンリンクでOFDMAを使用するため、一つのシンボル区間を表現するためのものであり、他の名称で呼ばれることもある。例えば、アップリンク多元接続方式にSC−FDMAが使われる場合、SC−FDMAシンボルと呼ぶことができる。一つのスロットは7OFDMシンボルを含むことを例示的に記述するが、循環プレフィクス(CP,Cyclic Prefix)の長さによって一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は変わることがある。3GPP TS 36.211 V8.5.0(2008年12月)によると、正規(normal)CPにおいては、1サブフレームは7OFDMシンボルを含み、拡張(extended)CPにおいては、1サブフレームは6OFDMシンボルを含む。無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数及びサブフレームに含まれるスロットの数は多様に変更されることがある。以下、シンボルは一つのOFDMシンボル又は一つのSC−FDMAシンボルを意味する。
【0029】
図3を参照して説明した無線フレームの構造については、3GPP TS 36.211 V8.3.0(2008年5月),“Technical Specification Group Radio Access Network, Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA), Physical Channels and Modulation (Release 8)”の4.1節及び4.2節を参照されたい。
【0030】
図4は、一つのダウンリンクスロットに対するリソースグリッドを示す例示図である。
【0031】
FDD又はTDDで使われる無線フレームにおける一つのスロットは、時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(RB)を含む。リソースブロックは、リソース割当単位に一つのスロット内に複数の連続する副搬送波を含む。
【0032】
図4を参照すると、一つのダウンリンクスロットは7OFDMシンボルを含み、一つのリソースブロックは周波数領域において12副搬送波を含むことを例示的に記述するが、これに制限されるものではない。リソースブロックで副搬送波は、例えば、15KHzの間隔を有してもよい。
【0033】
リソースグリッド上の各要素をリソース要素と呼び、一つのリソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。ダウンリンクスロットに含まれるリソースブロックの数NDLは、セルで設定されるダウンリンク送信帯域幅に従属する。図4で説明したリソースグリッドはアップリンクでも適用することができる。
【0034】
図5は、ダウンリンクサブフレームの構造を示す。
【0035】
図5を参照すると、サブフレームは2個の連続するスロットを含む。サブフレーム内で1番目のスロットの前方部の3OFDMシンボルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)が割り当てられる制御領域であり、残りのOFDMシンボルは物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)が割り当てられるデータ領域である。制御領域には、PDCCH以外にも物理制御フォーマット指示子チャネル(PCFICH)、物理HARQ指示子チャネル(PHICH)などの制御チャネルを割り当てることができる。端末は、PDCCHを介して送信される制御情報を復号し、PDSCHを介して送信されるデータ情報を読み込むことができる。ここで、制御領域が3OFDMシンボルを含むことは例示に過ぎず、制御領域には2OFDMシンボル又は1OFDMシンボルを含むことができる。サブフレーム内の制御領域が含むOFDMシンボルの数は、PCFICHを介して知ることができる。PHICHは、端末が送信したアップリンクデータに対する受信成功可否を示す情報を搬送する。
【0036】
制御領域は、複数の制御チャネル要素(CCE)である論理的なCCE列で構成される。CCE列は一つのサブフレーム内で制御領域を構成する全体CCEの集合である。CCEは、複数のリソース要素グループ(REG)に対応する。例えば、CCEは9リソース要素グループに対応する。リソース要素グループは、リソース要素に制御チャネルをマップすることを定義するために使われる。例えば、一つのリソース要素グループは、4個のリソース要素で構成することができる。
【0037】
複数のPDCCHを制御領域内で送信することができる。PDCCHはスケジュール割当のような制御情報を搬送する。PDCCHは一つ又は複数の連続的なCCEの集合(aggregation)上で送信される。CCE集合を構成するCCEの数によってPDCCHのフォーマット及び可能なPDCCHのビット数が決定される。PDCCH送信のために使われるCCEの数をCCE集合レベル(aggregation level)という。また、CCE集合レベルはPDCCHを検索するためのCCE単位である。CCE集合レベルの大きさは隣接するCCEの数で定義される。例えば、CCE集合レベルは{1,2,4,8}の要素である。
【0038】
PDCCHを介して送信される制御情報をダウンリンク制御情報(以下、DCI)という。DCIは、アップリンクスケジュール情報、ダウンリンクスケジュール情報、システム情報、アップリンク電力制御命令、無線呼出しのための制御情報、ランダムアクセス応答(RACH response)を指示するための制御情報などを含む。
【0039】
DCIフォーマットでは、PUSCHスケジュールのためのフォーマット0、一つのPDSCH符号語のスケジュールのためのフォーマット1、一つのPDSCH符号語の簡単な(compact)スケジュールのためのフォーマット1A、空間多重化モードで単一符号語のランク−1送信に対する簡単なスケジュールのためのフォーマット1B、ダウンリンク共有チャネル(DL−SCH)の非常に簡単なスケジュールのためのフォーマット1C、マルチユーザ空間多重化モードにおけるPDSCHスケジュールのためのフォーマット1D、閉ループ空間多重化モードにおけるPDSCHスケジュールのためのフォーマット2、開ループ空間多重化モードにおけるPDSCHスケジュールのためのフォーマット2A、PUCCH及びPUSCHのための2ビット電力調節の送信電力制御(TPC)命令の送信のためのフォーマット3、並びにPUCCH及びPUSCHのための1ビット電力調節のTPC命令の送信のためのフォーマット3A、などがある。
【0040】
図6は、アップリンクサブフレームの構造を示す。
【0041】
図6を参照すると、アップリンクサブフレームは、周波数領域においてアップリンク制御情報を搬送するPUCCHが割り当てられる制御領域と、ユーザデータを搬送するPUSCHが割り当てられるデータ領域とに分けられる。
【0042】
一つの端末に対するPUCCHは、サブフレームにおいてリソースブロック(RB)対51、52に割り当てられ、RB対に属するRB51、52は2個のスロットの各々で互いに異なる副搬送波を占める。これをPUCCHに割り当てられるRB対がスロット境界で周波数ホップするという。
【0043】
PUCCHは、複数フォーマットをサポートすることができる。すなわち、変調方式に応じて、サブフレーム当たり互いに異なるビット数を有するアップリンク制御情報を送信することができる。例えば、2位相偏移変調(BPSK)を使用する場合(PUCCHフォーマット1a)、1ビットのアップリンク制御情報をPUCCH上で送信することができ、4位相偏移変調(QPSK)を使用する場合(PUCCHフォーマット1b)、2ビットのアップリンク制御情報をPUCCH上で送信することができる。PUCCHフォーマットは、その他にもフォーマット1、フォーマット2、フォーマット2a、フォーマット2bなどがある(これについては、3GPP TS 36.211 V8.2.0(2008年3月)“Technical Specification Group Radio Access Network, Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA), Physical Channels and Modulation (Release 8)”の5.4節を参照されたい)。
【0044】
無線通信システム、例えば、図1で説明した無線通信システムは、MIMO(Multi−Input Multi−Output)技術を使用するシステム、すなわち、MIMOシステムである。MIMO技術は、いままで一つの送信アンテナと一つの受信アンテナを使用したことから脱皮し、複数送信アンテナ及び複数受信アンテナを採用して送受信データ送信効率を向上させることができる方法である。言い換えれば、MIMO技術は無線通信システムの送信器又は受信器において複数のアンテナを使用する技術である。MIMO技術を使用することによって、無線通信システムの性能及び通信容量を改善させることができる。MIMOシステムは複数アンテナ(Multi−antenna)システムとも呼ばれる。MIMO技術は、一つの全体メッセージを受信するために単一アンテナ経路に依存せずに、複数のアンテナで受信されたデータ断片を集めて完成させる技術を応用したものである。その結果、特定範囲でデータ送信速度を向上させ、又は特定データ送信速度に対してシステム範囲を増加させることができる。
【0045】
次世代移動通信技術は、従来移動通信技術より高いデータ送信速度を必要とする。したがって、MIMO技術は次世代移動通信技術に必須な技術であるということができる。MIMO技術は、基地局だけではなく端末又は中継局に適用して、データ送信速度の限界の克服に用いてもよい。また、MIMO技術は、追加の周波数帯域を使用し、又は追加の送信電力を必要とせずに、データ送信効率を改善することができる技術的長所のため、多様な他の技術よりも注目を浴びている。
【0046】
まず、MIMOシステムの数学的モデルについて説明する。
【0047】
図7は、MIMOシステムを示す。
【0048】
図7を参照すると、送信器700はNT個の送信アンテナを有し、受信器800はNR個の受信アンテナを有する。このような場合、理論的チャネル送信容量はアンテナの個数に比例して増加する。
【0049】
チャネル送信容量の増加によって得られる送信速度は、理論的に単一アンテナを使用する場合に得られる最大送信速度(R0)と複数アンテナ使用によって発生する増加率(Ri)との積によって表すことができる。増加率(Ri)は、次の数式1のように示すことができる。
【数1】
【0050】
送信情報は送信アンテナの個数がNT個である場合、最大NT個の互いに異なる情報で構成されることができる。このような場合、送信情報は、次の数式2のように示すことができる。
【数2】
【0051】
数式2において、sは送信情報ベクトルを示し、s1,s2,...,sNTは送信情報ベクトルの各要素である情報を示す。各情報は互いに異なる送信電力によって送信することができる。各送信電力を(P1,P2,...,PNT)と表示する場合、送信電力が適用された送信情報ベクトルは、次の数式3のように示すことができる。
【0052】
【数3】
【0053】
数式3は、次の数式4のように送信電力対角行列と送信情報ベクトルとの積で表わすことができる。
【数4】
【0054】
送信電力が適用された送信情報ベクトルに加重値行列Wが乗算され、実際にNT個の送信アンテナを介して送信される送信信号(x1,x2,...,xNT)が生成される。加重値行列Wは、送信チャネル状況によって送信情報を個別アンテナに適切に分散する役割を遂行する。送信信号ベクトルをxとすると、次の数式5のように示すことができる。
【数5】
【0055】
数式5において、加重値行列の要素wij(1≦i≦NT、1≦j≦NT)は、i番目の送信アンテナ、j番目の送信情報に対する加重値を示す。加重値行列Wは、プリコーディング行列と呼ぶこともある。
【0056】
送信信号ベクトルは送信技法によって異なる送信情報を含むことができる。例えば、空間ダイバシチ、すなわち、送信ダイバシチが適用される場合、送信信号ベクトルの送信情報は全部同一である。すなわち、[s1,s2,...,sNT]は全部同じ情報、例えば[s1,s1,...,s1]である。したがって、同じ送信情報が互いに異なるチャネルを介して受信器に伝達されるため、ダイバシチ効果が発生し、送信の信頼度が増加する。
【0057】
又は、空間多重化が適用される場合、送信信号ベクトルの送信情報は全部異なる。すなわち、s1,s2,...,sNTは全部異なる情報である。互いに異なる送信情報が互いに異なるチャネルを介して受信器に伝達されるため、送信することができる情報量が増加するという効果がある。
【0058】
もちろん、空間ダイバシチと空間多重化を共に使用して送信情報を送信することもできる。すなわち、上記の例において、3個の送信アンテナを介して同じ情報が空間ダイバシチにより送信され、残りの送信アンテナを介して空間多重化により互いに異なる情報が送信される方式で構成することもできる。このような場合、送信情報ベクトルは、例えば、[s1,s1,s1,s2,s3,...,sNT-2]のように構成することができる。
【0059】
受信器において受信アンテナの数がNR個である場合、個別受信アンテナによって受信される信号をyn(1≦n≦NR)と表すことができる。この時、受信信号ベクトルyは、次の数式6のように示すことができる。
【数6】
【0060】
MIMOシステムにおいてチャネルモデリングが実行される場合、各チャネルは、送信アンテナのインデクス及び受信アンテナのインデクスによって、相互に区分することができる。送信アンテナのインデクスをjとし、受信アンテナのインデクスをiとすると、このような送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネルをhijで表示することができる(チャネルを表示する添字は、受信アンテナのインデクスが前方に表示され、送信アンテナのインデクスが後方に表示されることに注意する必要がある)。
【0061】
図8は、複数アンテナシステムにおけるチャネルを示す。
【0062】
図8を参照すると、NT個の送信アンテナの各々と受信アンテナiに対するチャネルがhi1,hi2,...,hiNTで表される。便宜上、このようなチャネルを行列又はベクトルで表すことができる。その場合、上記チャネルhi1,hi2,...,hiNTは、次の数式7のようにベクトル形式に示すことができる。
【数7】
【0063】
T個の送信アンテナからNR個の受信アンテナへのすべてのチャネルを行列形態に示すチャネル行列をHとすると、Hは、次の数式8のように示すことができる。
【数8】
【0064】
送信アンテナを介して送信された信号は上記数式8で示すチャネルを通過して受信アンテナで受信される。このとき、実際のチャネルでは雑音が追加される。このような雑音は数学的に加法性白色ガウス雑音(AWGN,Additive White Gaussian Noise)である。各受信アンテナに追加されるAWGNを各々n1,n2,...,nNRと表すと、便宜上、このようなAWGNを次の数式9のようなベクトルで表すことができる。
【数9】
【0065】
前述したAWGN、送信信号ベクトルx、チャネル行列などを考慮して受信アンテナで受信する受信信号ベクトルyを表すと、次の数式10の通りになる。
【数10】
【0066】
チャネル行列Hにおける行の数と列の数は、送信アンテナの個数及び受信アンテナの個数によって決定される。チャネル行列Hにおける行の個数は受信アンテナの個数と同じである。また、チャネル行列Hにおける列の個数は送信アンテナの個数と同じである。したがって、チャネル行列HはNR×NT行列と表すことができる。
【0067】
一般的に、行列のランクは、独立した行の個数と独立した列の個数とのうち小さい数により定義される。したがって、行列のランクは列の個数又は行の個数より大きいことは不可能であり、チャネル行列Hのランクは次の数式11のように決定される。
【数11】
【0068】
一般的に送信情報、例えばデータは、無線チャネルを介する送信中に、容易に歪み、変更される。したがって、このような送信情報をエラーなしに復調するためには参照信号が必要である。参照信号は、送信器と受信器とが予め知っている信号であり、送信情報と共に送信される。送信器から送信される送信情報は、送信アンテナ毎に、又はレイヤ毎に対応するチャネルを通るため、参照信号は送信アンテナ別、又はレイヤ別に割り当てることができる。送信アンテナ別、又はレイヤ別の参照信号は、時間、周波数、符号などのリソースを用いて区別することができる。参照信号は、二つの目的、すなわち、送信情報の復調及びチャネル推定のために用いることができる。
【0069】
参照信号は、参照信号を予め知っている受信器の範囲によって二つの種類に分けられる。そのうち一つは、特定の受信器(例えば、特定端末)だけ知っている参照信号であり、このような参照信号を専用参照信号と呼ぶ。専用参照信号は、このような意味で端末特定参照信号(UE−specific RS)とも呼ばれる。他の一つは、セル内のすべての受信器、例えば、すべての端末が知っている参照信号であり、このような参照信号を共用参照信号(common RS,CRS)と呼ぶ。共用参照信号は、セル特定参照信号(cell−specific RS)とも呼ばれる。
【0070】
また、参照信号は用途によって分類することもできる。例えば、データの復調のために使われる参照信号を復調参照信号(demodulation RS,DM−RS)と呼ぶ。CQI/PMI/RIなどのチャネル状態を示すフィードバック情報のために使われる参照信号をCSI−RS(channel state indicator−RS)と呼ぶ。前述した専用参照信号(DRS)は、復調参照信号(DM−RS)として使うことができる。以下、DM−RSはDRSであることを前提とする。
【0071】
図9は、正規CPにおける4個のアンテナポートをサポートすることができるRS構造の例を示す。図10は、拡張CPにおける4個のアンテナポートをサポートすることができるRS構造の例を示す。図9及び図10のRS構造は、従来3GPP LTEシステムで使われるRS構造である。
【0072】
図9及び図10において、0ないし3のうちいずれか一つの数字が表示されたリソース要素は、セル特定参照信号、すなわち、共用参照信号(CRS)が送信されるリソース要素を意味する。この時、0ないし3のうちいずれか一つの数字は、サポートするアンテナポートを意味する。すなわち、p(pは0ないし3のうちいずれか一つ)が表示されたリソース要素は、アンテナポートpに対する共用参照信号がマップされるリソース要素という意味である。このような共用参照信号は、各アンテナポートに対するチャネル測定及びデータ復調のために使われる。共用参照信号は、サブフレームの制御領域及びデータ領域の双方で送信される。
【0073】
図9及び図10において、‘D’が表示されたリソース要素は、端末特定参照信号、すなわち、専用参照信号(DRS)がマップされるリソース要素を意味する。端末特定参照信号は、PDSCHの単一アンテナポート送信に用いることができる。端末は、上位階層信号を介して端末特定参照信号が送信されるか否か、PDSCHが送信される場合に端末特定参照信号が有効か否かの指示を受ける。端末特定参照信号は、データ復調が必要な場合にだけ送信することができる。端末特定参照信号は、サブフレームのデータ領域においてだけ送信することができる。
【0074】
以下、基地局と中継局との間のバックホールダウンリンクに適用することができるサブフレーム構造を説明し、バックホールダウンリンクで使用することができる参照信号に対して説明する。
【0075】
まず、説明の便宜のために用語を定義する。以下、R−PDCCHは、基地局が中継局に制御情報を送信する物理制御チャネルであり、R−PDSCHは、基地局が中継局にデータを送信する物理データチャネルである。以下、x領域は、xが送信される無線リソース領域を意味する。例えば、R−PDCCH領域は、基地局によってR−PDCCHが送信される無線リソース領域を意味する。
【0076】
図11は、基地局と中継局との間のバックホールダウンリンクに用いることができるサブフレーム構造の一例を示す。
【0077】
図11を参照すると、基地局は、サブフレームの初期固定の個数のOFDMシンボルでマクロ端末にPDCCH(これをマクロPDCCHという)を送信する。上記初期固定個数のOFDMシンボル内で中継局は中継局端末にPDCCHを送信することができる。中継局は、中継局端末にPDCCHを送信するOFDMシンボル区間では、自己干渉によって基地局からバックホール信号を受信することができない。
【0078】
基地局は、保護区間(guard time,GT)以後に中継局にバックホール信号を送信する。保護区間は、中継局の信号送/受信切替による安定化期間であり、図11では一つのOFDMシンボルである場合を例示している。しかしながら、保護区間は、1OFDMシンボル以下の区間であってもよく、場合によって、1OFDMシンボル以上になってもよい。また、保護区間は、時間領域においてOFDMシンボル単位の区間に設定してもよく、サンプリング時間(sampling time)単位に設定してもよい。図11では保護区間がバックホール受信区間の前後に表示されているが、これは制限でない。すなわち、時間的にバックホール受信区間の後方部に位置した保護区間はサブフレームのタイミング整列関係によって設定しなくてもよい。このような場合、バックホール受信区間をサブフレームの最後のOFDMシンボルまで拡張することができる。保護区間は、基地局が中継局に信号を送信するために設定される周波数帯域に限って定義することができる。
【0079】
基地局は、中継局に割り当てるバックホールダウンリンクリソースを二つの種類に区分して割り当てることができる。
【0080】
そのうち一つは、1次バックホール領域(primary backhaul region)であり、R−PDCCH及びR−PDSCHを送信することができるリソース領域である。1次バックホール領域において、R−PDCCH及びR−PDSCHは時分割多重化(TDM)することができる。すなわち、R−PDCCH及びR−PDSCHは、時間領域において区分されて送信され、R−PDSCHは、R−PDCCH以後に位置することができる。1次バックホール領域に含まれたR−PDCCHは、R−PDCCHが送信される周波数帯域のR−PDSCHだけでなく、他の周波数帯域に位置するR−PDSCHに対するリソース割当情報を含むことができる。また、図11では1次バックホール領域においてR−PDSCHも送信される例を示したが、これは制限でない。すなわち、1次バックホール領域のすべてのOFDMシンボルにおいて、R−PDSCHが送信されずにR−PDCCHだけが送信されてもよい。
【0081】
他の一つは、2次バックホール領域(secondary backhaul region)である。2次バックホール領域ではR−PDSCHだけが送信され、前述したように1次バックホール領域に含まれたR−PDCCHによって指示される。
【0082】
1次バックホール領域及び2次バックホール領域において送信されるバックホール信号は、マクロ端末に送信されるPDSCHと周波数領域において多重化されて送信することができる。
【0083】
バックホールダウンリンクサブフレームのR−PDCCH及びR−PDSCHにどのような参照信号を使用するかが問題になる。
【0084】
本発明ではDM−RS(DRS)をR−PDCCH及びR−PDSCHの送信(基地局の立場で)/受信(中継局の立場で)の双方に使用することを提案する。このような方法は、バックホール信号が送信される領域に改善されたマルチユーザ(MU)MIMO(例えば、ゼロフォーシングMU−MIMO)を適用できる長所がある。言い換えれば、基地局によって送信される全体バックホール信号(R−PDCCH、R−PDSCHの双方を含む)にDM−RSが適用されるため、各R−PDCCH、R−PDSCHは他のバックホール信号と空間多重化することができ、マクロ端末に送信されるPDSCHとも効率的に空間多重化することができる。
【0085】
以下、R−PDCCH及びR−PDSCHの双方にDM−RSを使用する場合、基地局と中継局との間の信号通知方法及び中継局の動作方法を詳細に説明する。
【0086】
1.基地局と中継局との間の信号通知
【0087】
図12は、R−PDCCH及びR−PDSCHの双方にDM−RSを使用する場合、基地局と中継局との間の信号通知過程を示す。
【0088】
図12を参照すると、基地局は、R−PDCCHに使われるDM−RSのインデクスを上位階層信号(例えば、無線リソース制御(RRC)メッセージ)を介して知らせることができる(S100)。ここで、DM−RSのインデクスはDM−RSを識別することができる情報を意味し、例えば、各中継局に対するR−PDCCHのDM−RSが送信されるアンテナポートに関する情報、各中継局に対するR−PDCCHのDM−RSが送信されるアンテナポート0に適用されるスクランブルIDに関する情報、又は前述したR−PDCCHのDM−RSが送信されるアンテナポートとスクランブルID情報の組合せなどであってよいが、これに制限されるものではない。上記DM−RSが送信されるアンテナポートのスクランブルIDは、空間領域において他のマルチユーザMIMOリソースをスケジュールするために用いることができるDM−RSアンテナポートのスクランブルIDとは必須的に異なるべきである。
【0089】
端末の場合、CRSを用いてマクロPDCCH復号を実行し、その結果、マクロPDSCHの復号のために使用するDM−RSのインデクスを知ることができる。しかしながら、中継局は、基地局が送信するマクロPDCCHを復号することができない場合が発生することもある。前述したように、基地局がマクロPDCCHを送信する際に、中継局は中継局端末にPDCCHを送信することができるためである。すなわち、中継局は、中継局端末にPDCCHを送信する際に、基地局からマクロPDCCHを受信することができないため、マクロPDCCHを復号することができない。したがって、基地局は、中継局にR−PDCCHに使われるDM−RSのインデクスを上位階層信号を介して知らせなければならない。
【0090】
R−PDCCHは制限された個数のビットだけを含むが、高い信頼性を有して送信されなければならないという点を考慮し、R−PDCCHの送信ランクは特定値に制限してもよい。例えば、R−PDCCHの送信ランクは1に制限してもよい。すなわち、基地局は中継局に送信するR−PDCCHに空間多重化を使用しなくてもよい。
【0091】
又は、基地局はR−PDCCH送信時に空間多重化を使用することもできる。基地局は、中継局がブラインド復号又はR−PDCCHの送信ランクをブラインド検出しなければならない状況を発生しなくするために、R−PDCCHの送信ランク値を上位階層信号(例えば、RRCメッセージ)を介して中継局に送信することができる。R−PDCCH送信ランク値が与えられる場合、中継局は、R−PDCCH領域においてDM−RSが割り当てられるリソース要素の全体個数及び位置を認識することができる。
【0092】
図12では基地局が上位階層信号を介してR−PDCCHのためのDM−RSのインデクス又はR−PDCCHの送信ランク値を送信する例を示したが、このような信号通知オーバヘッドを減少させるために、上記DM−RSインデクス又はR−PDCCHの送信ランク値は特定値に予め固定してもよい。
【0093】
基地局は、R−PDSCHに使われるDM−RSのインデクスをR−PDCCHに含まれた制御情報を介して知らせることができる(S200)。このとき、R−PDCCHに使われるDM−RS集合とR−PDSCHに使われるDM−RS集合との間に特定の関係を設定することによって、R−PDCCHに含まれる制御情報の量を減らすことができる。
【0094】
例えば、1次バックホール領域に対してはR−PDCCHに使われたDM−RSを、R−PDSCHに同一に使用することができる。言い換えれば、1次バックホール領域に含まれたR−PDCCH、R−PDSCHに対し、R−PDCCHに使われたDM−RSはいつもR−PDSCHに使われるものであると予め定めることができる。すなわち、R−PDCCHに使われるDM−RSの集合は、R−PDSCHに使われるDM−RS集合の部分集合と表現することができる。
【0095】
このような関係設定は2次バックホール領域でも同様に適用することができる。すなわち、1次バックホール領域に含まれたR−PDCCHに使われるDM−RS集合は、2次バックホール領域に含まれたR−PDSCHに使われるDM−RS集合の部分集合である。言い換えれば、1次バックホール領域に含まれたR−PDCCHに使われたDM−RSは、いつも2次バックホール領域に含まれたR−PDSCHに使われる。
【0096】
このような方式によってR−PDSCHに使われるDM−RS集合を決定すると、R−PDSCHに使われるDM−RS集合を知らせるための制御情報信号通知オーバヘッドを減らすことができる。なぜならば、基地局及び中継局は、既にR−PDSCHに使われるDM−RSインデクスの一つ(すなわち、R−PDCCHに使われるDM−RSインデクス)を上位階層信号を介して知っているため、そのDM−RSインデクスはR−PDCCHの制御情報で省略することができるためである。
【0097】
また、DM−RSはCRS/CSI−RSに比べてビーム形成利得を提供する。例えば、R−PDSCHのためのDM−RSインデクスを指示するためにビットマップが使われる場合、上記ビットマップでR−PDCCHに使われるDM−RSインデクスを除外することができる。前述したように、中継局は既にR−PDCCHに使われるDM−RSがR−PDSCHのDM−RSとして使われることを知っているためである。
【0098】
他の例として、DM−RSインデクスの連続するDM−RS集合がR−PDSCH送信に使われる場合、R−PDCCHを介してR−PDSCHの送信ランク値だけを知らせれば十分である。すなわち、R−PDCCHに使われるDM−RSのインデクスがnの場合、R−PDSCHのために使われるDM−RSインデクスはn,n+1,...,n+k−1である。ここでkはR−PDSCHの送信ランク値を示す。
【0099】
図13は、DM−RSインデクスの連続するDM−RS集合がR−PDSCH送信に使われる場合、R−PDCCHのDM−RSインデクスとR−PDSCHのDM−RSインデクスとの関係を示す。
【0100】
上位階層信号を介してR−PDCCHに使われるDM−RSのDM−RSインデクス値nを知らせ、R−PDCCHの制御情報を介してR−PDSCHの送信ランク値kを知らせる場合、R−PDSCHのDM−RSはDM−RSインデクスn,n+1,...,n+k−1の値を有することができる。
【0101】
また、図12を参照すると、中継局はR−PDCCHを復号する(S300)。中継局は、R−PDCCHを復号してR−PDSCHに使われるDM−RSの正確な集合を知ることができる。また、基地局はR−PDSCHを送信し(S400)、中継局はR−PDSCHを受信して復号する(S500)。図12では中継局がR−PDCCHを復号した後、基地局がR−PDSCHを送信すると表現したが、これは説明の便宜のためのものに過ぎず、制限でない。すなわち、中継局は、R−PDCCH、R−PDSCHを全部受信した後、R−PDCCH、R−PDSCHの順に復号を実行し、又はR−PDCCHの復号及びR−PDSCHの受信を同時に実行することもできる。
【0102】
2.R−PDCCH及びR−PDSCHに使われるリソース要素マップ
【0103】
以下、基地局がR−PDCCHとR−PDSCHに使われるリソース要素を決定する方法について説明する。
【0104】
図14は、正規CPでバックホールダウンリンクサブフレーム内に割り当てることができる参照信号リソース要素の例を示す。
【0105】
図14を参照すると、参照信号リソース要素は、時間領域において一つのサブフレーム、周波数領域において12個の副搬送波を含む領域(これを便宜上、基本単位領域という)に特定のパターンを有して割り当てられる。例えば、CRSのための参照信号リソース要素は、各スロットで1番目、2番目、及び5番目のOFDMシンボル(スロット内のOFDMシンボルを0から順に順序付けする場合、OFDMシンボル#0、OFDMシンボル#1、OFDMシンボル#4と表現することもできる)で3個の副搬送波間隔で割り当てることができる。DM−RS(DRS)のための参照信号リソース要素(以下、DM−RSリソース要素という)は、各スロットで6番目及び7番目のOFDMシンボルに割り当てることができる。
【0106】
DM−RS(すなわち、DRS)の場合、ランク2までの送信のためには基本単位領域において12個のリソース要素が使われ、ランク3以上の送信のためには基本単位領域においてランク2までの送信のための12個のリソース要素と、追加の12個のリソース要素とが使われ、総計24個のリソース要素が使われる(もちろん、ランクによって使われるリソース要素の個数は例示に過ぎず、異なる個数のリソース要素が使われることもできる)。すなわち、DM−RSリソース要素は、R−PDSCHの送信ランクによって、その個数及びパターンが決定される。
【0107】
従来、中継局は、R−PDCCHを復号した後にR−PDSCHの送信ランクを知ることができた。すなわち、中継局は、R−PDCCHを復号する前にはR−PDSCHの送信ランクを知ることができない。しかしながら、中継局はR−PDCCHの復号にDM−RSを用い、DM−RSリソース要素はR−PDSCHの送信ランクによって変わることがあるという問題点がある。
【0108】
例えば、図14のように4個のOFDMシンボル(1番目のスロットの4番目のOFDMシンボルから7番目のOFDMシンボルまで)がR−PDCCHに使われる場合、中継局が基本単位領域内にDM−RSリソース要素が12個か24個かを知ることができず、上記4個のOFDMシンボル内に含まれたDM−RSリソース要素を知ることができない。したがって、中継局は、ブラインド復号を介してR−PDCCHを復号しなければならない。すなわち、上記4個のOFDMシンボルですべての可能なリソース要素組合せに対して復号を実行する方式にR−PDCCHを復号することである。これは中継局の受信器負担を過度に増加させる。
【0109】
このような問題を解決するために、基地局は、R−PDCCHリソース要素(すなわち、R−PDCCHの制御情報がマップされるリソース要素)をDM−RS送信に使われることができるすべてのリソース要素(これをDM−RS候補リソース要素という)と重ならないリソース要素に制限することができる。すなわち、基地局は、R−PDCCH領域においてDM−RSが割り当てることができるすべてのDM−RS候補リソース要素をパンクチャし、残りのリソース要素にR−PDCCHに送信される制御情報をマップして送信することができる。このとき、追加的にCSI−RSが割り当てることができるすべての候補位置のリソース要素も除外することができる。CSI−RSに対して基地局はシステム情報を介して知らせることができ、中継局は予めどのようなリソース要素を介してCSI−RSが送信されるかを知ることができる。中継局は、DM−RSリソース要素がDM−RS候補リソース要素、すなわち、R−PDSCHの最大送信ランク値によるパターンを有するという仮定下にR−PDCCHを復号することができる。
【0110】
基地局がR−PDCCHリソース要素をDM−RS候補リソース要素と重ならないリソース要素に制限し、中継局がR−PDCCH、R−PDSCHを復号する過程は、具体的に次の二つの方法のうちいずれか一つの方法で具現することができる。
【0111】
1.全体バックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定する方法
【0112】
例えば、基地局と中継局1、中継局2とが通信する場合を仮定する。このとき、基地局と中継局1との間のバックホールダウンリンクで最大送信ランクは2であり、基地局と中継局2との間のバックホールダウンリンクで最大送信ランクは8であると仮定する。その場合、全体バックホールダウンリンクの最大送信ランクは8となる。
【0113】
このような場合、基地局は、中継局1、中継局2の双方に対してバックホールダウンリンクの最大送信ランクである8を仮定し、R−PDCCH領域においてR−PDCCHリソース要素をマップすることができる。すなわち、中継局1、中継局2の双方が、それ自身のR−PDCCHを復号する場合、DM−RSリソース要素はランク3以上である場合に対してマップされたことを仮定し、R−PDCCH領域においてDM−RSリソース要素を除外した残りのリソース要素をR−PDCCHリソース要素と仮定する。言い換えれば、中継局1、中継局2の双方が基本単位領域において24個のリソース要素にDM−RSがマップされている場合を仮定し、R−PDCCH領域においてDM−RSリソース要素と重ならないリソース要素を用いてR−PDCCHを復号する。
【0114】
他の例として、基地局と中継局1、中継局2とが通信する場合、基地局と中継局1との間のバックホールダウンリンクで最大送信ランクは2であり、基地局と中継局2との間のバックホールダウンリンクでも最大送信ランクが2である。このような場合、全体バックホールダウンリンクの最大送信ランクは2となる。このような場合には基地局とすべての中継局との間の各バックホールダウンリンクで3以上のランク値を有する送信可能性がない。したがって、基地局は、DM−RSリソース要素が基本単位領域に12個である場合におけるR−PDCCH領域のようにR−PDCCHリソース要素をマップし、各中継局は、DM−RSリソース要素が基本単位領域に12個である場合におけるR−PDCCH領域を仮定してR−PDCCHを復号することができる。
【0115】
図15は、前述したバックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定する方法を適用する場合、基地局と中継局との間の信号通知過程を示す例である。
【0116】
基地局は、RRCメッセージのような上位階層信号を介して全体バックホールダウンリンク最大送信ランク値を送信する(S101)。全体バックホールダウンリンク最大送信ランク値は、バックホールダウンリンクで送信することができる最大の独立的なストリームの個数と同じである。図示されていないが、基地局は、上位階層信号を介してR−PDCCHのためのDM−RSのインデクスも共に送信することができる。全体バックホールダウンリンク最大送信ランク値は、中継局が基地局から受信する制御情報、すなわち、R−PDCCHを介して受信する制御情報を復号するときのDM−RSのオーバヘッドを決定するために使用する送信ランク値であり、基地局及び中継局が仮定する値である。
【0117】
基地局は、全体バックホールダウンリンク最大送信ランク値を仮定したDM−RSがマップされたR−PDCCHを中継局に送信する(S201)。中継局は、バックホールダウンリンクで全体バックホールダウンリンク最大送信ランク値を有する時のDM−RSマップを仮定してR−PDCCH制御情報を復号する(S301)。基地局は、R−PDSCHを中継局に送信する(S401)。中継局は、R−PDSCHを復号する(S501)。前述のように、R−PDSCHは実際送信ランク値によってマップされたDM−RSを用いて復号される。
【0118】
図15ではR−PDSCH領域において中継局に対するデータチャネル、すなわち、R−PDSCHが送信される例を示したが、場合によって、R−PDSCH領域において制御チャネルが送信されることもできる。このような場合、便宜上、R−PDCCH領域において送信される中継局に対する制御チャネルを第1のR−PDCCHといい、R−PDSCH領域において送信される中継局に対する制御チャネルを第2のR−PDCCHという。第1のR−PDCCHと第2のR−PDCCHとは同じ中継局に対する制御情報を含むこともでき、互いに異なる中継局に対する制御情報を含むこともできる。このとき、第2のR−PDCCHの実際送信ランク及びそれによるDM−RSのオーバヘッド(基本単位領域におけるDM−RSの個数又はパターン)は事前に定義された値(例えば、送信ランク1及びそれによるDM−RSのオーバヘッド)と仮定することができる。
【0119】
2.中継局特定にバックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定する方法
【0120】
基地局は、上位階層信号を介して各中継局に知らせた各中継局の個別的なバックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定してR−PDCCHリソース要素をマップすることができる。
【0121】
例えば、基地局と中継局1との間のバックホールダウンリンクで最大送信ランクが2であり、基地局と中継局2との間のバックホールダウンリンクで最大送信ランクは8であると仮定する。
【0122】
このような場合、基地局は中継局1に対しては最大送信ランクが2という仮定下にR−PDCCH領域においてDM−RSリソース要素をマップし、DM−RSリソース要素と重ならないリソース要素にR−PDCCH制御情報をマップすることができる。その場合、中継局1は、基本単位領域において12個のリソース要素にDM−RSがマップされている場合を仮定し、R−PDCCH領域においてDM−RSリソース要素と重ならないリソース要素を用いてR−PDCCHを復号する。
【0123】
基地局は、中継局2に対しては最大送信ランクが8という仮定下にR−PDCCH領域にDM−RSリソース要素をマップし、DM−RSリソース要素と重ならないリソース要素にR−PDCCH制御情報をマップすることができる。その場合、中継局2は、基本単位領域において24個のリソース要素にDM−RSがマップされている場合を仮定し、R−PDCCH領域においてDM−RSリソース要素と重ならないリソース要素を用いてR−PDCCHを復号する。
【0124】
図16は、前述した中継局特定にバックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定する方法を適用する場合、基地局と中継局との間の信号通知過程を示す例である。
【0125】
基地局は、RRCメッセージのような上位階層信号を介して中継局特定のバックホールダウンリンク最大送信ランク値を送信する(S102)。中継局特定のバックホールダウンリンク最大送信ランク値は、各々の中継局が基地局から受信する制御情報、すなわち、R−PDCCHを介して受信する制御情報を復号する時のDM−RSのオーバヘッドを決定するために使用する送信ランク値であり、基地局及び中継局が仮定する値である。中継局特定のバックホールダウンリンク最大送信ランク値は、各中継局別に変えることができる。図示されていないが、基地局は、上位階層信号を介してR−PDCCHのためのDM−RSのインデクスも共に送信することができる。
【0126】
基地局は、中継局特定のバックホールダウンリンク最大送信ランク値を仮定したDM−RSがマップされたR−PDCCHを中継局に送信する(S202)。中継局は、バックホールダウンリンクで中継局特定のバックホールダウンリンク最大送信ランク値を有するときのDM−RSマップを仮定してR−PDCCH制御情報を復号する(S302)。基地局は、R−PDSCHを中継局に送信する(S402)。中継局は、R−PDSCHを復号する(S502)。場合によって、R−PDSCH領域では上記‘1.バックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定する方法’で説明したように第2のR−PDCCHを送信することができ、この場合、第2のR−PDCCHの実際送信ランク及びそれによるDM−RSオーバヘッドは、事前に定義された値(例えば、送信ランク1及びこれによるDM−RSオーバヘッド)と仮定することができる。
【0127】
前述した‘1.バックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定する方法’及び‘2.中継局個別的にバックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定する方法’の二つの方法のうちいずれか一つによって中継局がR−PDCCHの復号に成功した場合、中継局は、R−PDSCHの送信ランクを知ることができる。したがって、基地局は、R−PDSCH領域に対しては各中継局に対する実際の送信ランクによってDM−RSリソース要素をマップすることができる。すなわち、基地局は、R−PDSCH領域に対してはR−PDCCH領域のようにバックホールダウンリンクの最大送信ランクや各中継局個別のバックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定してDM−RS及びR−PDSCHデータをマップするものではなく、実際送信ランクによってDM−RS及びR−PDSCHデータをマップする。したがって、R−PDSCH領域におけるR−PDSCHリソース要素(R−PDSCHでデータがマップされるリソース要素)は、DM−RS候補リソース要素のうち実際にDM−RS送信に使われないリソース要素を含むことができる。中継局は、R−PDCCHを復号してR−PDSCHを実際送信ランクによって正確に復号することができる。
【0128】
以下の説明で、中継局がR−PDCCH領域に対してバックホールリンクの最大送信ランクを仮定するという表現は、前述した1.バックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定する方法、及び2.中継局個別的にバックホールダウンリンクの最大送信ランクを仮定する方法を包括する。
【0129】
図17は、バックホールダウンリンクサブフレームのR−PDCCH領域において中継局が仮定するDM−RSリソース要素の例を示す。
【0130】
図17を参照すると、中継局は、R−PDSCHがバックホールダウンリンクの最大送信ランク値に送信される場合に配置されるDM−RSリソース要素を仮定してR−PDCCH復号を実行する。すなわち、R−PDCCH領域内のDM−RSリソース要素は、R−PDSCH送信がランク3以上である場合に配置されるDM−RSリソース要素を仮定する。
【0131】
中継局は、R−PDCCHを復号すると、実際R−PDSCH送信のランク値を知ることができる。したがって、中継局は、R−PDSCH領域をR−PDSCH送信のランク値によるDM−RSリソース要素を考慮して復号するとよい。図17は、R−PDSCH送信がランク1又はランク2送信のうちいずれか一つである場合を例示する。
【0132】
図18は、バックホールダウンリンクサブフレームのDM−RSリソース要素の例を示す。
【0133】
図18のように、基地局は、実際R−PDSCHの送信ランク値に関係なく最大送信ランク値に対するDM−RSを仮定し、DM−RSが割り当てられないリソース要素にR−PDCCH、R−PDSCHを割り当てることができる。中継局は、R−PDSCHの最大送信ランク値に対するDM−RSを仮定し、DM−RSを割り当てることができるリソース要素と重ならないリソース要素に対してR−PDCCH、R−PDSCH復号を実行することができる。すなわち、基地局は、バックホールダウンリンクサブフレームの各スロットでDM−RSの構造を同一に維持することができる。これは複雑度増加を防止し、具現の便宜性を高める方法である。
【0134】
3.R−PDCCHとR−PDSCHに適用されるプリコーディング行列/ベクトル
【0135】
図19は、本発明の一実施例による送信器構造の一例を示す。
【0136】
図19を参照すると、送信器は、MIMOプロセッサ171、参照信号生成器173、プリコーダ172を含む。送信器は基地局の一部分である。
【0137】
MIMOプロセッサ171は、中継局に送信する制御情報及びデータを生成する。MIMOプロセッサ171は、上記制御情報及びデータを情報ストリーム(IS)にR個(IS#1乃至IS#R)生成する。ここで、Rは空間レイヤの個数を示す。
【0138】
プリコーダ172は、MIMOプロセッサ171から空間ストリーム(SS)の入力を受けてプリコーディング行列/ベクトルを適用し、送信アンテナ個数NTのような送信ストリーム(transmit stream,TS)を生成する(TS#1乃至TS#NT)。
【0139】
参照信号生成器173は、参照信号シーケンスを生成してプリコーダ172の入力又は出力に提供する。前述したDM−RSとして使われるDRSは、プリコーダ172の入力に提供され、プリコーダ172によってプリコーディングされた後、送信ストリームに含まれて出力される。すなわち、DRSはプリコーディングされた参照信号となる。CRSはプリコーダ173の出力に加えられて送信ストリームに含まれる。
【0140】
DRSがR−PDCCH、R−PDSCHのために使われる場合、プリコーディングされた参照信号をサポートするために上記2個のチャネル(R−PDCCH、R−PDSCH)に対するプリコーディング行列が必要である。このような場合、基地局は、R−PDCCHのためのプリコーディング行列/ベクトルをR−PDSCHのために使われるプリコーディング行列/ベクトルの部分集合(subset)に設定することができる。
【0141】
例えば、R−PDSCHに使われるプリコーディング行列Wは、次の数式12のように示すことができる。
【0142】
【数12】
【0143】
ここで、wiはプリコーディング行列Wのi番目の列ベクトルを示す(i=0,...,R−1)。R−PDSCHのランクが3の場合、上記プリコーディング行列Wは(w0,w1,w2)で表すことができる。この時、R−PDCCHのランクが1の場合、R−PDCCHのためのプリコーディングベクトルは、R−PDSCHのランク3プリコーディング行列でいずれか一つの列ベクトルとして選択することができる。すなわち、上記w0,w1,w2のうちいずれか一つを選択することができる。
【0144】
R−PDCCHの送信ランクがXで与えられる場合、多様な方法によってプリコーディングベクトルを選択することができる。例えば、R−PDSCHに適用されるプリコーディング行列で1番目のX個の列ベクトルを選択してもよいし、最後のX個の列ベクトルを選択してもよい。又は、明示的な信号通知を介してプリコーディング行列で任意のX個の列ベクトルを選択してもよい。
【0145】
前述した方法は、R−PDCCHに使われるプリコーディングベクトル/行列がR−PDSCHに使われるプリコーディング行列/ベクトルの部分集合であることを意味する。また、DRS(すなわち、DM−RS)送信アンテナポート(又はレイヤ)がR−PDCCHとR−PDSCHの双方に使われるという意味である。すなわち、R−PDCCH及びR−PDSCHは、時間/周波数領域においてリソース要素が排他的に多重化されるが(互いに異なるリソース要素に割り当てられるという意味である)、空間的に排他的なものではない。
【0146】
一方、DM−RSリソース要素がサブフレームのスロットを境界に両スロットに同一に配置され、R−PDCCHがマップされるR−PDCCHリソース要素は、復号遅延を防止するために1番目のスロットにだけ存在するという点を考慮して他の方法を使用することもできる。すなわち、1番目のスロットのDM−RSリソース要素はR−PDCCHの復調のために使用し、2番目のスロットのDM−RSリソース要素はR−PDSCHの復調のために使用する。その場合、DM−RSにはチャネルタイプ、すなわち、R−PDCCHかR−PDSCHかによって互いに異なるプリコーディング行列を適用することができる。このような方法をサポートするために、基地局はR−PDCCHに使われるDM−RSのインデクスを、上位階層信号を介して半静的(semi−statically)に信号通知し、R−PDSCHに使われるDM−RSのインデクスは該当するR−PDCCHによって信号通知することができる。R−PDCCH及びR−PDSCHの復調時に互いに異なるスロットのDM−RSリソース要素を使用すると、同じDM−RSインデクスを有してR−PDCCHとR−PDSCHを復調しても、2個のDM−RS使用に重複する部分がない。したがって、R−PDSCHのランクに関係なくR−PDCCHを復調するためのDM−RSリソース要素を知ることができる。中継局はR−PDCCHリソース要素とDM−RSリソース要素とを区分するためにブラインド復号を実行する必要がない。
【0147】
又は、R−PDCCHは、R−PDSCHによって使われない一つの専用DM−RS送信アンテナポートを使用して送信することができる(R−PDCCHに送信ダイバシチが適用される場合、R−PDCCHを2個のDM−RS送信アンテナポートを使用して送信することができる)。このような方法では、R−PDCCH及びR−PDSCHが排他的に空間多重化される。このとき、R−PDCCHは、循環遅延ダイバシチ(CDD)又は送信ダイバシチ技法、例えば、空間時間ブロック符号化(STBC)、空間周波数ブロック符号化(SFBC)、又はSTBCとSFBCとの組合せを使用して送信されることができる。
【0148】
又は、基地局は、R−PDCCHが送信されるサブフレームによってCRSを送信し、中継局は、CRSを用いてR−PDCCHを復調し、DM−RSを用いてR−PDSCHを復調するようにすることができる。一般的に、CRSはシステム帯域全体にわたって送信され、サブフレーム全体にわたって送信される一方、LTE−Aサブフレーム(例えば、MBSFNサブフレーム又は偽MBSFNサブフレーム)では基地局が初期固定の個数のOFDMシンボルでだけCRSを送信する。ここで、MBSFNサブフレーム又は偽MBSFNサブフレームは、MBMSのためのMBSFNサブフレームと同じ構造を有するが、MBMSのための用途として使われるサブフレームではない。すなわち、MBSFNサブフレーム又は偽MBSFNサブフレームは、基地局が中継局にバックホール信号を送信するためのサブフレームであり、サブフレームの初期固定の個数のOFDMシンボルでマクロ端末に信号受信及び測定が不必要なサブフレームという情報を与え、以後のOFDMシンボルによって中継局にバックホール信号を送信するサブフレームである。このようなLTE−Aサブフレームで中継局は、CRSがR−PDCCHの送信されるリソースブロック(もちろん、このようなリソースブロックにR−PDSCHも含むことができる)にだけ位置すると仮定し、R−PDCCHを復調することができる。基地局が中継局にLTE−Aサブフレームを知らせると、前述した方法によってシステム全体帯域にわたって送信されるCRSを用いてR−PDCCHを復調することができる。基地局によってR−PDCCHは、SFBCのような送信ダイバシチ技法を用いて送信され、中継局は、R−PDCCHが送信されるリソースブロックにおいてCRSだけ存在すると仮定して復調することができる。また、R−PDSCHはDM−RSを用いて復調することができる。バックホール送信に使われるリソースがマクロ端末に対する送信に使われるリソースと空間多重化される場合(すなわち、端末と中継局との間にマルチユーザMIMOが使われる場合)、空間多重化された端末は、そのサブフレームにマルチユーザMIMO送信のためにCRSがあるという伝達を受けなければならない。
【0149】
基地局は、CRSが送信されるアンテナポートと同じアンテナポートを介してR−PDCCHを送信することができる。反面、R−PDSCHは、DM−RSが送信されるアンテナポートと同じアンテナポートを介して送信することができる。このような方法によると、基地局がR−PDCCHを送信する時、CRSを使用して送信ダイバシチや空間多重化技法により送信することができるようにする。同時に、R−PDSCHは、R−PDCCHとは違ってプリコーディング又はサブ帯域プリコーディングをすることができる。
【0150】
場合によって、R−PDCCH領域においてDM−RSが送信されることができるすべてのリソース要素をパンクチャすることが難しい。参照信号オーバヘッドが過度に増加するためである。このような場合、R−PDCCHが送信されるOFDMシンボル区間では特定レイヤに対するDM−RS参照信号だけマップすることができる。ここで、特定レイヤは、R−PDCCHが送信されることができる特定ランクまでのレイヤである。
【0151】
図20は、基地局がR−PDCCH領域とR−PDSCH領域にランクによってDM−RSリソース要素をマップする例を示す。
【0152】
例えば、R−PDSCHの送信ランクが3以上であり、R−PDCCHの送信ランクは2に制限する場合、R−PDCCHが送信されるOFDMシンボル区間ではレイヤ1及び2のためのDM−RS(DRS)リソース要素だけマップされる。反面、R−PDSCH領域には、レイヤ1及び2のためのDM−RSリソース要素及びレイヤ3以上のためのDM−RSリソース要素がマップされる。すなわち、送信ランク2までのDM−RSはR−PDCCH領域及びR−PDSCH領域において全部使われ、ランク3以上のDM−RSはR−PDSCH領域においてだけ使われる。CSI−RSのためのリソース要素は、CSI−RSにより使われるリソース要素に専用されるべきシンボルがないため、DM−RSが配置されるシンボルと同じシンボルに位置することができる。これは拡張CPのために有用である。
【0153】
基地局は、DM−RSのマップされることができるリソース要素にR−PDCCHがマップされることを防止するために、R−PDCCHをDM−RSが含まれない‘N’個のOFDMシンボル区間にマップすることができる。このような方法は、R−PDCCHの検出及び復号を速くし、R−PDSCHの検出及び復号も速くすることができる。ここで、Nは上位階層信号によって設定することができる。又は、予め固定された特定の値であってもよい。
【0154】
R−PDCCHがマップされるOFDMシンボル区間内でCSI−RSをマップする場合、CSI−RSがマップされか否かによってR−PDCCHのマップを変えることができる。したがって、CSI−RSがマップされるOFDMシンボルにもR−PDCCHをマップしなくてもよい。又は、CSI−RSがマップされるリソース要素を除いた他のリソース要素にR−PDCCHをマップすることができる。2番目の方法は、追加的な受信器検出及び復号複雑度なしに可能である。なぜならば、中継局は、R−PDCCH領域内にCSI−RSがあるか否かをシステム情報を介して知ることができるためである。
【0155】
基地局は、中継局にバックホールリンクに割り当てられるバックホールサブフレームのタイプに対する情報を送信し、中継局は、バックホールサブフレームのタイプによってR−PDCCHがマップされるリソース要素を区分して復調することができる。
【0156】
中継局がR−PDCCHやR−PDSCHを受信するバックホールサブフレームを、基地局がMBSFNサブフレーム又は偽MBSFNサブフレーム(以下、MBSFNサブフレームという)に設定する場合、基地局は、上記バックホールサブフレームの1番目及び2番目のOFDMシンボルを除いたOFDMシンボルではCRS送信をしない。これは基地局がバックホールサブフレームをMBSFNサブフレームに設定するか否かによってR−PDCCHリソース要素マップを変えることができるということを意味する。バックホールサブフレームにCRSリソース要素がどのようなOFDMシンボル区間に挿入されるかが変わるためである。
【0157】
もし、特定バックホールサブフレームがMBSFNサブフレームであることを基地局が中継局に信号通知し、したがって、中継局がCRSの有無を予め知ることができる場合、基地局はR−PDCCHをCRSリソース要素でないリソース要素にマップして送信することができる。具体的に、基地局は、CRSが存在するサブフレームではR−PDCCHをCRSリソース要素にマップしない。反面、CRSが存在しないサブフレームでは(例えば、MBSFNサブフレーム)R−PDCCHを、CRSを配置することができるリソース要素にもマップすることが可能である。
【0158】
中継局にバックホールサブフレームのタイプに関する情報が与えられない場合、基地局は、実際にCRSが送信されるか否かに関係なしにR−PDCCHをCRSが割り当てられることができるリソース要素を除いたリソース要素にマップする。すなわち、特定バックホールサブフレームがMBSFNサブフレームか否かを中継局が予め知ることができない場合、R−PDCCHは、CRSが割り当てられることができるリソース要素でないリソース要素にマップされて送信される。
【0159】
図21は、周波数領域において一つのリソースブロック内に複数のR−PDCCHが多重化される場合、複数のR−PDCCHを互いに異なる空間レイヤを介して送信する例を示す。
【0160】
R−PDSCH及びR−PDCCHを、周波数領域において分離されて多重化することができる。例えば、周波数領域において一つのリソースブロック(12副搬送波)内にR−PDCCHのリソース要素及びR−PDSCHのリソース要素が多重化されずに互いに異なるリソースブロックに含まれる場合である。このとき、周波数領域において一つのリソースブロックに基地局が中継局にR−PDCCHを信頼性のあるように送信するのに必要なリソース要素より多くのリソース要素を含むことができる。このような場合、互いに異なる中継局に送信される複数のR−PDCCHが周波数領域において同じリソースブロック内に多重化することができる。基地局が前述した複数のR−PDCCH送信時にプリコーディングされたDM−RSを用いる場合、離隔された中継局に対して良い信号対干渉及びノイズ比(SINR)を提供するプリコーディングベクトルを探すことは難しい。
【0161】
このような理由で、基地局は複数の中継局間に直交する空間レイヤ送信を実行することができる。例えば、周波数領域において一つのリソースブロックに2個のR−PDCCH(R−PDCCH FOR RN#1、R−PDCCH FOR RN#2)が多重化される場合、各R−PDCCHは互いに異なるスロットにおいて送信することができる。
【0162】
これと同時に、各R−PDCCHは互いに異なるDM−RSアンテナポートによって送信することができる。これは、互いに異なるR−PDCCHは一つのリソースブロック内で互いに異なる時間/周波数上のリソース要素にマップされることと実質的に同じ意味である。各R−PDCCHに互いに異なるプリコーディングを適用するために、基地局は各R−PDCCHを互いに異なるDM−RSアンテナポートを介して送信する。この場合、各々の互いに異なる中継局に送信されるR−PDCCHは、互いに異なる空間レイヤによって送信され、各R−PDCCHのためのDM−RSは、同じ時間/周波数領域のリソース要素によって送信され、直交符号によって符号領域において多重化される。このような方法によると、各R−PDCCHリソース要素の個数が一つのリソースブロック内に複数のR−PDCCHが含まれるか否かによって変更されることを防止することができる。
【0163】
R−PDCCH及びR−PDSCHが物理リソースブロック(PRB)対内で送信される場合、R−PDCCHの送信レイヤの数とR−PDSCHの送信レイヤの数とは互いに異なる(図13参照)。このような場合、基地局は、R−PDCCHが送信されるリソース要素グループのうち一部にはR−PDSCH送信レイヤのプリコーディングベクトルの線形結合からなるプリコーディングベクトルによってプリコーディングして送信し、他のリソース要素グループにはR−PDSCH送信レイヤのプリコーディングベクトルの他の線形結合からなるプリコーディングベクトルによってプリコーディングして送信することができる。
【0164】
例えば、R−PDCCHは一つの送信レイヤを有し、R−PDSCHはK個の送信レイヤを有する場合を仮定する。この時、R−PDSCHのkレイヤ(kは0,1,...,K−1のうちいずれか一つ)はDM−RSアンテナポートn0,n1,...,nk-1にマップされる。このとき、プリコーディングベクトルvm=[vm,0m,1…vm,P-1](ここで、Pは送信アンテナポートの個数を示す)は、R−PDSCHの送信レイヤm及びDM−RSアンテナポートnmに共通的に適用されると仮定する。
【0165】
その場合、R−PDCCH送信に使われるリソース要素をG個のリソース要素グループ(R−PDCCHリソース要素グループ)にグループ化することができる。このようなリソース要素グループ化は、好ましくは、時間/周波数領域において隣接したリソース要素が同じグループ内に含まれないようにグループ化される(グループ化設定は予め決められているか、又は中継局へ信号通知することができる)。リソース要素グループg(gは1ないしGのうちいずれか一つの自然数)は、自身の組合せ加重値ag=[ag,0g,1…ag,k-1]を有し、このような組合せ加重値は予め決められているか、又は中継局へ信号通知することができる。
【0166】
基地局は、R−PDCCHを送信するとき、リソース要素グループgのリソース要素にマップされる信号をプリコーディングベクトルag,0*v0+ag,1*v1+…+ag,k-1*vk-1によってプリコーディングする。すなわち、R−PDSCHのプリコーディングベクトルにリソース要素グループgの組合せ加重値を適用した線形結合ベクトルによってプリコーディングする。言い換えれば、R−PDCCHリソース要素集合は、R−PDSCHプリコーディングベクトルに自身の組合せ加重値を適用した線形結合ベクトルによって各々プリコーディングされる。このような方法を用いると、基地局がR−PDCCHを送信するとき、より多くの空間ダイバシチ利得を得ることができる。
【0167】
前述した例において、中継局はR−PDCCHを次の過程を経て復調することができる。
【0168】
1.各R−PDSCH送信レイヤの実効チャネル(プリコーディングベクトルが乗算されたチャネル)を推定する。
【0169】
2.各R−PDCCHリソース要素グループの組合せ加重値を適用して各R−PDCCHリソース要素グループの実効チャネルを探す。
【0170】
3.該当R−PDCCHリソース要素グループの実効チャネルからR−PDCCHリソース要素を復調する。
【0171】
すべてのR−PDCCHリソース要素のための組合せ加重値は、例えば、[1 0…0]である。これはR−PDSCH送信レイヤ0のプリコーディングベクトル(R−PDSCH送信レイヤ0のDM−RSアンテナポート)がR−PDCCHのために使われるということを意味する。
【0172】
他の例として、g=kであり、a0=[1 0…0],a1=[0 1 0…0],...,ag=[0…0 1]である。このような場合、R−PDSCH送信レイヤgのプリコーディングベクトル(また、DM−RSアンテナポート)がR−PDCCHリソース要素グループgのために使われ、これは各R−PDSCH送信レイヤのプリコーディングベクトル及びDM−RSアンテナポートがR−PDCCHに適用されるということを意味する。又は、gが予め決められているか、又は中継局へ信号通知される特定値である場合、a0=[1 0…0],a1=[0 1 0…0],...,ag=[0…0 1]を使用することができる。
【0173】
なお、他の例として、各リソース要素グループ(R−PDCCHリソース要素グループ)の組合せ加重値として、特定共通ベクトルの循環シフト(circular shift)を使用することである。例えば、離散フーリエ変換(DFT)シーケンスag=[exp(0*j2πg/k)exp(1*j2π*g/k)…exp((k−1)*j2πg/k)]をリソース要素グループの組合せ加重値として使用することができる。R−PDSCH送信レイヤの個数が2であり、R−PDCCHリソース要素グループの個数が2の場合、a0=[1 1]、a1=[1 −1]を使用することができる。これは(v0+v1)がリソース要素グループ0に適用され、(v0−v1)がリソース要素グループ1に適用されるということを意味する。又は、DFTシーケンスag=[exp(0*j2πg/L)exp(1*j2π*g/L)…exp((L−1)*j2πg/L)]をリソース要素グループの組合せ加重値として使用することができる。ここで、Lは予め決められた値又は中継局へ信号通知される値である。
【0174】
前述した方法、すなわち、R−PDCCH DM−RSシーケンスとして一つ以上のR−PDSCH DM−RSシーケンスの組合せを使用する方法は、複数のR−PDCCH(又は複数のR−PDCCHの一部)を一つのPRB対で送信する場合にも適用することができる。
【0175】
例えば、一つのPRB対で互いに異なるL個のR−PDCCHが送信されると仮定する(ここでLは予め決まった値又は中継局に信号通知される値である)。また、k個のDM−RSアンテナポートが上記L個のR−PDCCHのために使われると仮定する(ここでkは予め決められた値又は中継局へ信号通知される値である)。その場合、互いに異なるR−PDCCHから送信される信号は互いに異なるリソース要素にマップされる。すなわち、直交する時間/周波数リソースにマップされる。また、R−PDCCH送信に使われるリソース要素は前述した方法と同様にグループ化される。リソース要素グループgは組合せ加重値agを有し、リソース要素グループgで送信されるR−PDCCH信号は、プリコーディングベクトルag,0*v0+ag,1*v1+…+ag,k-1*vk-1によってプリコーディングすることができる。
【0176】
例えば、L=2、k=2、a0=[1 1]、a1=[1 −1]と仮定する。また、PRB対のリソース要素のうち偶数番目のリソース要素(例えば、リソース要素0,2,4…)はリソース要素グループ0に含まれ、奇数番目のリソース要素(リソース要素1,3,5,…)はリソース要素グループ1に含まれると仮定する。その場合、2個のR−PDCCHは、次のように送信することができる。
【0177】
1.リソース要素0はR−PDCCH0に使われ、プリコーディングベクトル(v0+v1)を使うことができる。2.リソース要素1はR−PDCCH0に使われ、プリコーディングベクトル(v0−v1)を使うことができる。3.リソース要素2はR−PDCCH1に使われ、プリコーディングベクトル(v0+v1)を使うことができる。4.リソース要素3はR−PDCCH1に使われ、プリコーディングベクトル(v0−v1)を使うことができる。前述した1ないし4のリソース要素割当が、PRB対のすべてのリソース要素に対して繰り返される。
【0178】
バックホールリソースにおいて効率的なマルチユーザMIMOをサポートするために、R−PDCCHがDM−RSを用いて復調される場合、基地局は、各中継局に対するR−PDCCHのDM−RSのアンテナポートを指示することができる。又は、基地局は、各中継局に送信されるR−PDCCHのDM−RSアンテナポート0のスクランブルIDを指示することができる。又は、基地局は、各中継局に送信されるR−PDCCHのDM−RSアンテナポートとスクランブルIDとの組合せを指示することができる。DM−RSアンテナポートのスクランブルIDは、空間領域において他のマルチユーザMIMOリソースをスケジュールするために使われるDM−RSアンテナポートとは異なるDM−RSアンテナポートに対するものである。前述したDM−RSインデクスは、上記DM−RSアンテナポート、スクランブルID、又は、これらの組合せによって与えることができる。
【0179】
基地局の中継局に対するR−PDCCH送信は、予め設定されないDM−RSアンテナポートを使用して実行することもできる。これは中継局が潜在的なR−PDCCHリソースで予め知ることができないDM−RSアンテナポート(及び/又はスクランブルID)を用いてR−PDCCHをブラインド検出するという意味である。このような方法によると、基地局は中継局にR−PDCCH及びR−PDSCHのDM−RSアンテナポート(及び/又はスクランブルID)情報を予め送信せずに、中継局リソースに対してマルチユーザMIMO送信を動的に実行することができる。
【0180】
中継局がR−PDCCHをブラインド検出する場合、R−PDCCH送信のために使われるDM−RSアンテナポートを制限することが有用である。例えば、R−PDCCHの復調のために、DM−RSアンテナポート0、DM−RSアンテナポート1だけを使用するように制限することができる。このような例によると、2個のアンテナポートが同じリソース要素を共有し、符号軸に区分されるようにして(CDM)参照信号オーバヘッドを最小化することができる。
【0181】
又は、R−PDCCH復調のために、DM−RSアンテナポート0、2だけを使用するように制限することもできる。このような方法によると、マルチユーザMIMOで各中継局に対するR−PDSCHの送信ランクを2まで拡張しやすいという長所がある。中継局は、自身のR−PDCCHをDM−RSアンテナポート0を用いて復調すると同時に、送信ランク2に受信したR−PDSCHをDM−RSアンテナポート0、2を用いて復調することができる。自身のR−PDCCHをDM−RSアンテナポート2を介して復調する中継局は、送信ランク2であるR−PDSCHを受信してDM−RSアンテナポート2、3を用いて復調することができる。このような動作のために、中継局は、R−PDCCH信号が最大DM−RSオーバヘッド(例えば、24個のリソース要素がリソースブロック内にマップされていると仮定)を有してマップされたことを仮定して復調を実行する。しかしながら、全体送信ランクが2に等しいか、又は小さい場合、実際のDM−RSオーバヘッドは低い(リソースブロック内に12個のリソース要素にマップされる場合)。結果的に、R−PDCCHが送信される1番目のスロットでは、R−PDSCHが送信される2番目のスロットより高いDM−RSオーバヘッドを有することができる。
【0182】
図22は、基地局及び中継局を示すブロック図である。
【0183】
基地局100は、プロセッサ110、メモリ120、及び無線周波(RF)部130を含む。プロセッサ110は、提案された機能、過程及び/又は方法を具現する。すなわち、プロセッサ110は、中継局に上位階層信号を介してR−PDCCHの復調に使われる専用参照信号に対する情報を送信し、R−PDCCHによってR−PDSCHに対する専用参照信号に対する情報を送信する。プロセッサ110は、上位階層信号を介してバックホールダウンリンクの最大送信ランク値又は中継局特定のバックホールダウンリンクの最大送信ランク値を送信し、このようなランク値を仮定したR−PDCCHを中継局に送信する。メモリ120は、プロセッサ110と接続され、プロセッサ110を駆動するための多様な情報を記憶する。RF部130は、プロセッサ110と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。
【0184】
中継局200は、プロセッサ210、メモリ220、及びRF部230を含む。プロセッサ210は、基地局からRRCメッセージのような上位階層信号を介してバックホールダウンリンクの最大送信ランク値又は中継局特定のバックホールダウンリンクの最大送信ランク値を受信し、基地局から制御領域を介して制御情報を受信し、制御情報を復号する。制御情報を復号する過程でプロセッサ210は、バックホールダウンリンクの最大送信ランク値又は中継局特定のバックホールダウンリンクの最大送信ランク値を仮定してR−PDCCHを復号する。R−PDCCHを復号した後、復号された制御情報を用いてR−PDSCHを復号することができる。無線インターフェースプロトコルの階層は、プロセッサ210によって具現することができる。メモリ220は、プロセッサ210と接続され、プロセッサ210を駆動するための多様な情報を記憶する。RF部230は、プロセッサ210と接続され、無線信号を送信及び/又は受信する。
【0185】
プロセッサ110、210は、特定用途集積回路(ASIC)、他のチップセット、論理回路、データ処理装置及び/又はベース帯域信号及び無線信号を相互変換する変換器を含むことができる。メモリ120、220は、ROM(read−only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、記憶媒体及び/又は他の記憶装置を含むことができる。RF部130、230は、無線信号を送信及び/又は受信する一つ以上のアンテナを含むことができる。実施例がソフトウェアで具現されるとき、前述した技法は前述した機能を遂行するモジュール(過程、機能など)によって具現することができる。モジュールは、メモリ120、220に記憶され、プロセッサ110、210によって実行することができる。メモリ120、220は、プロセッサ110、210内部又は外部にあり、よく知られた多様な手段でプロセッサ110、210と接続することができる。
【0186】
以上、本発明に対して実施例を参照して説明したが、該当技術分野の通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想及び領域から外れない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させて実施可能であることを理解することができるであろう。したがって、本発明は、前述した実施例に限定されず、特許請求の範囲内のすべての実施例を含むものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22