(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記飲み物作りトレイは、前記筺体にスライド可能に収容され、前記飲み物作りトレイが前記入れ物を挿入できるように前記筺体から引き延ばされた第1の位置と、前記飲み物作りトレイが前記筺体内に位置する第2の位置との間で可動である;
請求項1の飲み物装置。
前記少なくとも1つの飲料含有物の前記粒子を前記入れ物内で前記第1のサイズから第2のサイズに変換する機構であって、前記第2のサイズは前記第1のサイズより小さい、機構をさらに備える;
請求項1のコーヒー装置。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明による挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの分解図である。
【
図2】
図2は、
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの斜視上面図である。
【
図3】
図3は、
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの斜視底面図である。
【
図4】
図4は、
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの上面図である。
【
図5】
図5は、
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの底面図である。
【
図6】
図6は、
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの側面図である。
【
図7】
図7は、
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの、
図6のA−A線に沿った側断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の別の実施の形態による挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの分解図である。
【
図9】
図9は、本発明によるコーヒー装置の斜視右側面図である。
【
図18】
図18は、
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップを充填するところを示す
図9のコーヒー装置の斜視図である。
【
図19】
図19は、充填板にある
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップを示す
図9のコーヒー装置の斜視図である。
【
図23】
図23は、一杯のコーヒーを入れた後の
図9のコーヒー装置の斜視図である。
【
図24】
図24は、コーヒーを入れた後の使用済の予めパックしたフィルターカップを取り除くところを示す
図9のコーヒー装置の斜視図である。
【
図25A】
図25Aは、コーヒーを入れている間の水分が流れるところを示す
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの概念図である。
【
図25B】
図25Bは、本発明による
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップに加熱水を分配するシャワーヘッドの底面図である。
【
図28】
図28は、第2の状態で示された
図9のコーヒー装置の第1の側断面図である。
【
図29】
図29は、第2の状態で示された
図9のコーヒー装置の第2の側断面図である。
【
図30】
図30は、
図9のコーヒー装置の豆挽き用モータと豆挽き用組立刃の詳細概念図である。
【
図34】
図34は、
図9のコーヒー装置の豆挽き用モータとフィルターカップ持ち上げ機構の拡大詳細図である。
【
図38】
図38は、本発明による
図9のコーヒー装置と共に用いられる豆挽き用組立刃の斜視図である。
【
図44】
図44は、第1位置に示される組立刃と
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの概念図である。
【
図45】
図45は、第2位置に示される組立刃と
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの概念図である。
【
図46】
図46は、第3位置に示される組立刃と
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの概念図である。
【
図47】
図47は、第4位置に示される組立刃と
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップの概念図である。
【
図50】
図50は、
図1のコーヒー装置のコーヒー豆を挽いた後の拡大概念図である。
【
図51】
図51は、本発明によるコーヒー豆を挽く
図1のコーヒー装置の豆挽き刃の拡大概念図である。
【
図52】
図52は、本発明の別の実施の形態による
図9のコーヒー装置と用いられる代替の豆挽き用組立刃の斜視正面図である。
【
図58】
図58は、液体容器から
図1の予めパックしたフィルターカップを通る水分の流れを示す、
図9のコーヒー装置の概念断面図である。
【
図59】
図59は、クリーニング状態を示す、
図9のコーヒー装置の概念断面図である。
【
図60】
図60は、本発明によるコーヒー装置の水容器の斜視図である。
【
図62】
図62は、
図1の挽かれていないコーヒー豆を予めパックしたフィルターカップを収容するトレイの斜視図である。
【
図64】
図64は、
図62のトレイの底面図であり、本発明による装置のトレイ部品の図である。
【
図65】
図65は、本発明によるスライド式ドリップトレイを有するコーヒー装置の斜視図である。
【
図66】
図66は、伸ばされた位置のスライド式ドリップトレイを示す
図65のコーヒー装置の断面図である。
【
図67】
図67は、引っ込めた位置のスライド式ドリップトレイを示す
図65のコーヒー装置の断面図である。
【
図68】
図67は、本発明の別の実施の形態によるコーヒー装置の概念図である。
【
図69】
図69は、第1位置にある豆挽き用モータを示す、本発明の別の実施の形態によるコーヒー装置の概念図である。
【
図70】
図70は、第2位置にある豆挽き用モータを示す、
図69のコーヒー装置の概念図である。
【
図71】
図71は、本発明の別の実施の形態による、二重供給コーヒー装置の概念図である。
【
図73】
図73は、第1の運転状態位置にある、本発明の別の実施の形態による飲み物装置の概念図である。
【
図75】
図75は、本発明の別の実施の形態による温度コントロールシステムを有する飲み物装置の概念図である。
【
図82】
図82は、飲み物作りの後の、パージ工程を示す、
図75の飲み物装置の概念図である。
【
図83】
図83は、本発明による挽かれていないコーヒー豆気密フィルターカップの分解図である。
【
図84】
図84は、
図83の挽かれていないコーヒー豆気密フィルターカップの斜視上面図である。
【
図85】
図85は、
図83の挽かれていないコーヒー豆気密フィルターカップの斜視底面図である。
【
図87】
図87は、
図83の挽かれていないコーヒー豆気密フィルターカップの側面立面図である。
【
図92】
図92は、本発明による再利用可能な挽かれていないコーヒー豆フィルターカップの分解図である。
【
図93】
図93は、どのように挽かれていないコーヒー豆が入れられるのかを示す、
図92の再利用可能な挽かれていないコーヒー豆フィルターカップの斜視図である。
【
図94】
図94は、どのようにカバーカップに置かれるのかを示す、
図92の再利用可能な挽かれていないコーヒー豆フィルターカップの斜視図である。
【
図95】
図95は、使用準備ができた状態を示す、
図92の再利用可能な挽かれていないコーヒー豆フィルターカップの斜視図である。
【
図96】
図96は、どのように豆挽き刃を挿入するのかを示す、
図92の再利用可能な挽かれていないコーヒー豆フィルターカップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜7を参照すると、本装置による装置で用いられるフィルターカップ10は、カップ12、紙/繊維フィルター14、プラスチックスクリーン16およびホイルカバー18を含む。フィルター14は、飲み物を作っている間に挽いたコーヒーおよび/または他の堆積物がカップ12から出てしまうことを防止し、しかし、液体を通過させる。カバー18はアルミニウムや他の既知の材質から形成され、カップ10の上部周縁に熱シールされ、または着脱可能に取り付けられるのが、好ましい。複数の挽かれていないコーヒー豆20はホイルカバー16とプラスチックスクリーン16の間の空間に入れられる。
図1は、フィルターカップ10に収納されたコーヒー豆を図示するが、紅茶等の他の食料や物質も、本発明の広い観点から外れることなしに、ここで説明するのと同様のやり方で、使用することができる。
【0013】
図1に更に示すように、カップ12は、その上面に開口22と、周囲側壁24と床面26を有する。
図2〜7にもっともよく示されるように、床面26は、流体の流れを、1つまたは複数の孔32を有する円形のくぼみまたは凹所30に向ける複数の溝または流れのルート28を有する。重要なことは、ここで説明するように、凹所30は、凹所30に入れたコーヒーを集め、孔32を通ってカップ32から出るようにカップ10の一番低い位置にあることである。
図7は、組み立てられた状態の、コーヒー豆20を含むカップ10を図示する。図示するように、紙フィルター14がカップ12の床面26上に配置される。プラスチックスクリーン16は紙フィルター14の上部に配置され、紙フィルター14が豆挽き刃および/または挽いたコーヒーによって摩耗することを防ぐ。紙フィルター14とスクリーン16は共に、円形で、カップの周囲側壁24によりその底部できっちりと収容される大きさとされる。
図7で最もよく示されるように、スクリーン16は弾力的で曲げ変形に抵抗でき、スクリーン16がその上にコーヒー豆20が置かれるカップ12中の平面を提供する。重要なことは、ここで詳細に説明するように、スクリーン16が、コーヒー豆20がカップ12の床面26(豆挽き刃の届く範囲外)に落ちることを防ぎ、豆挽き刃による最適な豆挽きを容易にするということである。上述のように、ホイルカバー18は、カップ12内にフィルター14、スクリーン16およびコーヒー豆20をシールする。
【0014】
カップ10は、さらに新鮮味や保護のために、別にシールされたパッケージや包みに保管され運ばれてもよく、床面26の孔32は、例えば、接着性のラベル(不図示)で覆われてもよい。好ましい実施の形態では、フィルターカップ10は、あらかじめパックされた1回使用する使い捨てコンポーネントである。よって、ホイルカバー18で気密にシールされ、新鮮味と香りを維持し、コーヒー豆20が湿気を含んだり汚れたりすることを防ぐ。上記で説明したように、フィルターカップ10は、ホイルカバー18と接着性ラベルでシールされ、接着性ラベル付きであるいは接着性ラベル無しで覆い内にパックされてもよい。別の実施の形態では、フィルターカップ10は、代わりに、使用の度に再充填される再使用可能なカップでもよい。実施の形態では、カップの床面26は、孔32無しで形成されてもよい。本実施の形態では、カップの床面26はコーヒー装置に挿入すると針で穴開けされ、入れたコーヒーの流れの出口を提供するようにしてもよい。
【0015】
ここで
図8を参照して、フィルターカップ50の代替の構成を示す。図に示されるように、カップ50は、カップ10と形状と構成は基本的に類似しているが、紙/繊維フィルター14と保護用プラスチックスクリーン16に代えて金属メッシュフィルター52を用いる。この実施の形態では、金属メッシュフィルター52は、挽いたコーヒーがカップ10から出ないように十分に細かく、ある程度の耐摩耗性を提供する。フィルター52は金属メッシュで形成されるものとして開示されているが、豆挽き刃および/または挽いたコーヒーからの摩耗に実質的に抵抗する他の材質を、本発明の広い観点から外れることなく用いてもよい。
【0016】
図9〜24を参照して、本発明の実施の形態による装置100を示す。装置100は、コーヒーや他の飲み物を作るために、上記に開示した、フィルターカップ10と組み合わせて使用されることが意図されたものである。図示のように、装置100は、概して長方形の形状をしており、ベース102と、細長い隙間付きのまたは格子付きの上面108を有するドリップトレイ106をスライド可能に収容するドリップトレイ筺体104を備える。ドリップトレイ106の上面108は、コーヒーマグカップ109のような入れ物をその上に置き、作られて装置109から出てくる入れたてのコーヒーを受けるように構成される。容易に理解されるように、簡単に洗浄するために、細長い隙間付きの上面108はカップ109からこぼれた液体や操作中にカップ109から外れた液体が上面108を通過し、ドリップトレイ106に集められる。
【0017】
筺体110は、ベース102に支持され上部に位置し、使用中にフィルターカップ10を固定し位置決めするフィルターカップ筺体/トレイ112をスライドして収容する。以下に説明するように、ハンドル114が操作用に筺体110に枢動可能に取り付けられる。
図9および10にさらに示すように、水容器116が、筺体110に取り付けられ、支持され、あるいは、その一部を形成する。実施の形態では、水容器116は、筺体110に取外し可能または恒久的に取り付けられる。以下に説明するように、筺体110はまた、装置の運転機能をコントロールするコントロールパネル118を含む。
図10に最もよく示されるように、ベース102は、装置100の洗浄作業(以下に説明する)や使用後の廃棄されるフィルターカップ10からの水を受ける、廃棄タンク120をスライド可能に収容する窪みをその側面に含む。代替の実施の形態では、トレイ112は筺体110に枢動可能に収容され、筺体/トレイ112が筺体内に収容される第1位置と、トレイ112が筺体からユーザー側に枢動して離れフィルターカップ10を置き易くする第2位置との間で可動としてもよい。実施の形態では、トレイ112は洗浄用に筺体110から取り外し可能である。
【0018】
ここで、装置100の運転を、
図17−24を特に参照して説明する。先ず、水容器116を水で満たす。次にユーザーは、コントロールパネル118から所望のコーヒー設定を選定する。設定には、コーヒーの濃さや給仕するサイズ、タイマーの設定、自動飲み物作り、等の選定可能なオプションを含んでもよい。次に、
図17に示すように、ハンドル114を矢印A方向に上方に動かして、トレイ112を筺体110内に置かれ維持された位置から解除する。トレイ112は、スプリング154の力により装置100から矢印B方向に
図18に示される位置にスライドする。この位置で、トレイ112は、フィルターカップ10がトレイ112の受け入れブラケット124に置かれる準備ができる。
【0019】
カップ10がトレイ112に挿入された後、トレイ112は、
図19に示すように、装置100内に矢印C方向に押し戻される準備ができる。具体的に、トレイ112は、
図20に示されるように、ロックされた位置で筺体110に収容されるように装置100内に手動で押し戻される。次にハンドル114を矢印D方向に下げて、自動的に豆挽きおよび飲み物作りの工程を開始する。
【0020】
図21を参照して、上記の通りに、豆挽き工程は、ハンドル114が下げられた後に、自動的に始まる。その工程において、フィルターカップ10中のコーヒー豆20は、カップ10内に入れられた豆挽き刃126により挽かれ、豆20は挽いたコーヒー128に変化させられる。豆挽きが完了した後、後述の水出口からカップ10へ加熱水が供給される。
図22の矢印130で示されるように、コーヒーはトレイ112の底部からトレイ112の下方に配置されるコーヒーマグカップ109内に放出され、トレイ112の底部はそのような放出を可能にする開口を有する。
【0021】
飲み物作り工程が完了した後、ハンドル114は
図23に示す位置から
図24に示す位置に、矢印E方向に上げられる。再度、ハンドル114の上方位置への動きがトレイ112を解放し、装置100の筺体110からスライドして取出し、ユーザーが使用済みフィルターカップ10をトレイ112から手で取り除くことができるようにする。カップ10は、その後廃棄タンク120に廃棄してもよい。コーヒーで満たされたマグカップ109は、この工程の前あるいは後に、ドリップトレイ106から取り外される。
【0022】
一実施の形態では、
図24に示すように、トレイ112が外側の位置にある間に、刃の洗浄作業が自動的に始まる。刃の洗浄作業では、水出口132から水が放出される。カップ10が取り外されているので、刃は空間により囲まれ、よって、流れる水が刃をきれいに洗う。一実施の形態では、刃は水を用いている間に回転し、洗浄を容易にする。トレイ112は外側の位置にあるので、コーヒーを入れている状態のときのように、水はカップ10の底部やトレイ112の外側に流れ出ることはない。代わりに、
図59に示すように、水はトレイ112の後端134に落ちて収集パン136へ行くので、迂回させられる。トレイ112の収集パン136から流れ出た水は廃棄チューブ138を経由し、廃棄タンク120に落ちる。
【0023】
代替の実施の形態では、水などの洗浄用液体を含むカップを利用して、刃166を周期的にまたは使用した後毎に洗浄してもよい。この実施の形態では、洗浄カップが容器124に挿入され、装置100はハンドル114を下方に引くことにより起動される。装置100は、その後通常の飲み物作りサイクルを作動する。あるいは、コントロールパネル118のボタンが押されることで洗浄サイクルを作動してもよい。洗浄サイクルは、例えば水温、作動時間、刃の回転速度などで、具体的に構成され、刃の洗浄と消毒を最適化する。別の実施の形態では、洗浄カップは洗浄液または洗浄剤のスラリを含んでもよい。洗浄剤は液体であっても乾燥したものであってもよく、粒状、粉状等の形であってもよい。
【0024】
さらに別の実施の形態では、洗浄作業は、フィルターカップ10を実際に挿入せずに、飲み物作りサイクルを作動することを含んでもよい。この実施の形態では、ハンドル114を下方に動かし、加熱水が制止または回転している刃166を通過し刃を洗浄するように、洗浄サイクルを開始する。あるいは、コントロールパネル118のボタンが押されることで洗浄サイクルを開始してもよい。
【0025】
図62および63は、トレイ112と収集パン136を図示する。
図64は、トレイ112の底面図を示すとともに、トレイ112の底部の開口140を通して見た、入れたコーヒーが流出するカップ10の開口32を示す。
【0026】
図25Aは、以下に説明する手順で挽かれていないコーヒー豆20から挽かれた、挽かれたコーヒー128がどのように加熱水で抽出されてコーヒーを製造するかを概念的に図示する。挽かれたコーヒー128はカップ10内に置かれ、矢印142で示すように、加熱水が上方から水出口132を通って導入される。加熱水は、カップ10中の挽かれたコーヒー128を通って流れ、矢印144で示すように、カップ10の底部の孔32から流出する。
【0027】
図26および27は、装置100の特定の内部構成を図示する。図示されるように、水容器116は水で満たされる。トレイ112は、
図18および19に示すように、カップ10をトレイ112の受け入れブラケット124に置けるように、引き抜かれる。トレイ112はその後、
図20に示す位置へ、装置内に押し戻される。ハンドル114は、
図21および22に示すように、その後下方に動かされる。ハンドル114のこのような動きは、以下に説明するように、カップ10内のコーヒー豆20を挽くためにカップ10を上方に上げさせる。装置100は、ヒーター146とポンプ148を含み、容器116からの水を加熱し、その水を供給流路経由で送り、
図25Aを用いて説明したように飲み物作り作業を実施する。
図26〜29に示すように、豆挽き用モータ150が装置100の筺体110に配置され、以下に説明する方法にてコーヒー豆20を挽く。温水用チューブ152は加熱水をヒーター146からトレイ112の上方に配置された水出口132に運ぶ。
【0028】
図27および29で最もよく示されるように、持ち上げ機構156はハンドル114により起動され、カップ10を下方位置と上方位置との間で動かす。持ち上げ機構156は、リンクアーム158、トレイ112の受け入れブラケット124に動作可能に取り付けられたピン160と付随するスロット162、および、スロット162が位置するプレート164を含む。作業において、下方向にハンドル114を動かすことにより、ピン160がスロット162の進路に従い、カップ10と受け入れブラケット124を豆挽き刃へと上方に持ち上げる。ガイドポスト161が受け入れブラケットの孔163に入れられ、適切な方向付けとカップ10が豆挽き刃と整列することを確実にする。カップ10を下げることは逆の手順に従う。
【0029】
図30を参照すると、装置100は、豆挽き用モータ150に付属する回転出力軸168に接続され、回転出力軸168に駆動される豆挽き刃166を含む。
図28に示すようにハンドル112が下方位置に動かされると、カップ10は持ち上げられ、刃166がホイルカバー18と係合して貫通し、カップ10内に入り込み、コーヒー豆20と接触するようになる。カップ載置/上昇機構156は、ハンドル114により起動されるが、カップ10を豆挽き用の上方位置と下方位置との間で動かす。バネ154はユーザー補助バネであり、カップ10を挿入するために、ハンドル114が持ち上げられるとトレイ112を筺体110から外側に付勢する。
【0030】
図31に示すように、ハンドル114の上方位置への動きは、トレイ112を解放し、トレイ112は、トレイ112の受け入れブラケット124にカップ10を置けるように、プレート165(プレート165は、バネが働かないように固定する物として作用する)と協働してバネ154の力で外側にスライドされる。次にユーザーは、
図32に示すように、カップ10をトレイ112に置く。トレイ112は
図33で示すように、
図34に示されるトレイロック170により所定の位置でロックされるまで、閉まった位置に手で押し戻さなければならない。
【0031】
図35〜37は、本発明による貫通および豆挽き手順を図示する。
図35に示すように、フィルターカップ10は、ハンドル114が下げられると矢印F方向に刃166に向けて上方に持ち上げられる。
図36は、カップ10が完全に持ち上げられたときのカップ10の位置を図示する。その位置では、Oリングのような、シールリング172がカップ10の上部周縁に係合し、飲み物作り工程が行われるとカップ10が加圧される。
図37は、豆挽きと飲み物作りが行われ、ハンドル114が持ち上げられた後のカップ10の下方位置を図示する。重要なことは、シーリング172がカップ10の上部をシールし、カップが加圧されていることである。好適な実施の形態では、カップはコーヒーを入れる間200kPa(2バール)を超えて加圧されるが、本発明の広い観点から外れることなく他の圧力も用いられる。
【0032】
挽かれていないコーヒー豆を挽くため豆挽き刃166の種々の図が、
図38〜43に示される。図示されるように、刃166はV字型の形状を有する。重要なことは、ハンドル114の下方への動きによりカップ10が持ち上げられたときにカップ10のホイルカバー18を貫通するように、刃166は挿入切断エッジ174を有していることである。刃の上部はまた、ハンドル114の上方への動きにより、飲み物作りの後にカップ10が刃から離れて下げられるときに、ホイルカバー18を切り開く上向き引き抜き切断エッジ176を含む。「V字」の各脚にはまた、向かい合った凹部178と突起部180が形成され、以下に説明するように、コーヒー豆20を挽き易くする。刃166はまた、豆挽き用モータ150の出力軸168と接続するためのカラー182を含む。このような実施の形態では、刃166は交換および/または更に完全に洗浄するために取外し可能としてもよい。別の実施の形態では、刃166は、モータ150の出力軸168と一体で形成され、あるいは固定して取り付けられる。容易に理解されるように、刃166の細い外形は、挽いたコーヒー128が豆挽きの間にカップ10から飛び出さないようにホイルカバー18に最小幅のスロットを切る。さらに、刃166の形状と構成は、洗浄を容易にする。
【0033】
図44は、刃166に向けて持ち上げられるカップ10を図示し、
図45は、挿入切断エッジ174を用いてカップ10のホイルカバー18に孔をあける刃166を図示する。
図44および45の双方で、カップ10内のコーヒー豆はまだ挽かれていない。豆挽きの後、豆20は挽かれたコーヒー128に変化させられる。上記のように、飲み物作りが行われ、その後カップ10は
図46および47に示すように下げられ、刃166の引き抜き切断エッジ176は、必要に応じて再びホイルカバー18に孔を開け、刃166からカップ10を取り外し易くする。
【0034】
ここで
図48〜50を参照して、実際の豆挽き工程を図解する。豆挽き用モータ150が起動すると、豆挽き刃166がフィルターカップ10内のコーヒー豆20を挽くのに十分な高回転数で回転し、コーヒー豆20を、
図48に示す挽かれていない豆から
図50に示す挽いたものに変化させる。具体的に、刃166は、刃166の突起部180がコーヒー豆20を打ち/衝撃を与えて、それらを割るような方向(
図49参照)に回転する。時間を掛けて、刃そのものからと、最も重要なことに、突起部180による、多くの衝撃が徐々にコーヒー豆の大きさを小さくし、コーヒーを入れるのに十分な細かい挽いた豆とする。一実施の形態では、刃166は、コーヒーを入れている工程の間、すなわち、熱水がカップ12を通過している時間、所定の回転数で回転し続けてもよい。コーヒーを入れている間の回転数は、コーヒー豆20を挽くのに用いる回転数と同じでも、異なっていてもよい。他の実施の形態では、刃166は、コーヒーを入れている間に飲み物の含有物をかき回すのに利用されてもよく、飲み物の含有物を水に溶かし易くし、カップ10を通過させる(例えば、挽かれていないコーヒー豆の代わりにアイスティーの飲み物含有物を用いる場合)。容易に理解されるように、コーヒーを入れている間にカップ10内の飲み物含有物/コーヒー豆をかき回すことにより、よりよい味の飲み物を作ることができる。特に、コーヒーを入れている間にかき回すことは、挽いたコーヒー128と熱水との接触をよりよくし、コーヒーの品質および/または濃度を改善する。
【0035】
代替の実施の形態では、フィルターカップ10を、加熱水をカップ10に分配する前に、豆挽き刃166から後退させてもよい。容易に理解されるように、このことは、豆挽き刃166が、コーヒー豆が乾燥しているときにコーヒー豆に接触するだけ(すなわち、コーヒーを入れる前にコーヒー豆20を挽くとき)であることを確実にする。したがって、挽かれたコーヒー豆は、刃166と挽かれたコーヒー122が湿った状態で一緒に存在すると生じるであろう、刃166にくっつくことがなく、よって、刃を洗浄する必要なく、刃を実質的に挽いたコーヒーの影響を受けないように保つ。
【0036】
図52〜57は、装置100で用いられる豆挽き刃184の代替の外形を図示する。図示されるように、刃はV字型の形状を有し、カップ10のホイルカバー18を突き刺す突き刺しエッジ186を有する。また、刃184は、2つの水平方向に延在するフランジ188、190を有し、コーヒー豆を挽くのを容易にし、また、カップ10が刃184から離間して下げられるときにホイル18を再度切り開く2つの上方エッジ192、194を有する。好ましい実施の形態の刃166と同様に、刃184は、豆挽き用モータ150の出力軸168に着脱可能に取り付けられ、または、出力軸168と一体に成形され、あるいは恒久的に固定される。
【0037】
本発明の処理工程で用いられる水の流路を
図58に図示する。先ず、容器116が水で満たされる。一実施の形態では、容器116は筺体110に着脱可能に入れられ、ユーザーは、水を満たすために容器116を取外し、その後筺体110に置くことができる。容易に理解されるように、このような構成では、容器そのものまで水源をもってくるより容易である。容器116は、
図60に示すように、取外し可能な蓋194を有し、水を満たし易くする。
図17〜24に最もよく示されるように、水出口196は、重力下で水が容器116から流れるようにする。水出口196には、当業者に周知のタイプのバルブ198が備えられ、バルブは開口位置から閉止位置へと、またその逆に、従来のコントローラにより電子的に起動され、コントロールされてもよい。コーヒーを入れている間、水は水出口196を通って容器116から排出され、ポンプ148に達するまで第1チューブ200内を流れる。ポンプ148は水をヒーター146を通して送り出し、水を所望の所定の温度まで加熱する。水は、ヒーター146から熱水供給チューブ152を介して水出口132まで通過する。
【0038】
一実施の形態では、飲み物作り工程の終わりに、カップ10に残る余分な液体を押し出しまたは吹き出すために蒸気が作られるように、ヒーターよりも前に水の流れを止める。容易に理解されるように、この蒸気噴射は、コーヒーの最後の数滴がカップ10に残らず、また、垂れないことを確実にする。
【0039】
図25Bに示すように、一実施の形態では、水出口132は、そこに加熱水を分配するための多数の孔210を有する環状チューブまたはリング208の形状のシャワーヘッドである。シャワーヘッド132の孔210から放出された加熱水は、コーヒーを入れるのと、洗浄操作で刃166を洗うのとの両方に用いられる。コーヒーを入れている間、水出口/シャワーヘッド132から出た加熱水は、カップ10に入り、カップ10は、工程のこの瞬間に、挽いたコーヒー128を含んでいる。水は、今は入れたコーヒーであるが、カップ10の床面26の孔32を通ってカップ10から排出される。水が孔32を通ってカップから排出されると、トレイ出口202から放出される前にトレイ112の出口水路を通って、下方に流れる。一実施の形態では、トレイは、フィルターカップ10の孔32の真下に流れ緩和部材204を含んでもよい。流れ緩和部材は、コーヒーマグカップ109への入れたコーヒーの直接的流れを妨害して、入れたコーヒーが噴出してユーザーにはねたり、汚れを形成したりしないようにする。出口202を出た後、水は、今は入れたコーヒーであるが、コーヒーマグカップ109に流れ落ちる。給仕するサイズに応じて、選択された液体の体積が、コントロール118を用いて予め選ばれ、それに応じて、ポンプ148と水出口196が、流れを止める前に選ばれた量だけを流すようにコントロールされる。
【0040】
図65〜67は、本発明の他の実施の形態によるドリップトレイ106の代替の構成を図解する。図示されるように、ドリップトレイは、
図66に示され、トレイ106が入れたコーヒーの出口202の下に位置する第1位置と、
図67に示され、トレイ106が装置100のベース102内に収容される第2位置との間で可動である。
図67に示す位置のドリップトレイ106で、背の高いカップ/マグカップ206を収容してもよい。
【0041】
図68は、本発明の一実施の形態による代替の構成を有するコーヒー装置300を図示する。図示するように、鉛直に設置されたカップ10と豆挽き刃166、カップ10の垂直上方位置にある入れたコーヒーのシャワーヘッド132とモータ150の代わりに、これらの要素が水平方向に向けられる。具体的には、図示のように、フィルターカップ10は、筺体110内に水平方向を向いて設置される。さらに、豆挽き用モータ150、シャワーヘッド132、および刃166は、水平方向位置でカップ10の横に配置される。この実施の形態では、装置300は、カップ10の底部と連通する水路302を含み、入れたコーヒーがカップを出て、水路302を通ってユーザーのカップ109に分配する出口202へ流される。
【0042】
図69と
図70は、本発明の更に別の実施の形態によるコーヒー装置400を図示する。コーヒー装置400は上記の装置100と構成は類似するが、いくつかの重要な差異がある。図示のように、動かないモータ150、刃166およびシャワーヘッド132、並びに、刃166と係合するように持ち上げられるカップ10の代わりに、本実施の形態では、入れたコーヒーのシャワーヘッド132、モータ150および刃166が、動かないカップ10に向けて、また、離れるように動くように構成される。
図69は、動かないフィルターカップ10の上方のモータ150、刃166および入れたコーヒーのシャワーヘッド132の第1位置を図示する。モータ150、刃166および入れたコーヒーのシャワーヘッド132は、
図70に示す第2位置に鉛直方向に移動可能であり、第2位置では、刃はカップ10内に位置する。モータ150、刃166およびシャワーヘッド132の鉛直方向の動きは、機械機構または電気アクチュエータを用いることにより生ずることができる。この実施の形態によるコーヒー装置400は、能動的フィルターカップ10と受動的飲み物作りアセンブリとは逆に、能動的飲み物作りアセンブリ(モータ150、豆挽き刃166およびシャワーヘッド132)と受動的フィルターカップ10を有することを特徴とする。
【0043】
好ましい実施の形態では、挽かれていないコーヒー豆からコーヒーを挽いて入れることを考えているが、本発明をこの点に限定することは意図していない。具体的には、本発明の装置と方法は、挽いていないコーヒー豆を含むカップにそもそも限定されず、本発明は、挽いたコーヒー、部分的に挽いたコーヒー、茶葉、挽いた茶、あるいは、飲料に混ぜる材料を含むカップに用いられることを考えている。さらに、本発明の実施の形態による装置は、フィルターカップに含まれる如何なる材料からも飲み物を作り/入れることができ、挽かれていないコーヒー豆からコーヒーを入れることに限定されない。
【0044】
図71および72は、本発明のさらに別の実施の形態による二重供給コーヒー装置500を図示する。二重供給コーヒー装置500は、上記のコーヒー装置100と実質的に同じであり、実質的に同じように動作する。
図71および72に示すように、二重供給コーヒー装置500は、筺体502と、ベース504と、筺体502にスライド可能に収容され、フィルターカップ10のような、少なくとも1つの飲料含有物を含有するフィルターカップをしっかりと受け入れる寸法にされたフィルターカップトレイ506とを含む。飲料含有物は、挽かれていないコーヒー豆であってもよい。豆挽き用モータ508は、前述のように、フィルターカップトレイ506の周囲で筺体502内に配置され、コーヒー豆挽き用の組立て刃510を含む。具体的に、フィルターカップトレイ506は組立て刃510に向けて動かされ、フィルターカップのカバーが組立て刃510により突き通され、組立て刃510はカップに入り込む。あるいは、豆挽き用モータ508と組立て刃510がカップに向けて動かされ、フィルターカップのカバーが組立て刃510により突き通され、組立て刃510がカップに入り込んでもよい。いずれにせよ、組立て刃510がカップ内に配置されると、豆挽き用モータ508が起動されて組立て刃510を所定の周波数で回転させ、カップ内で挽かれていないコーヒー豆を挽き、または、飲料含有物を混合する。
【0045】
図71および72にさらに示されるように、二重供給コーヒー装置500は、水容器512と、ポンプ514と、ヒーター/ボイラー516を含む。コーヒー豆がカップ内で挽かれた後、水は水容器512から水を所定の温度に加熱するヒーター516を経由して送りだされる。そして水は、ヒーター516から供給流路518を経由してフィルターカップとトレイ506の上方に配置されたシャワーヘッド520へと流れ続け、シャワーヘッド520から水はフィルターカップを通り抜けて作られたコーヒーを製造する。
【0046】
重要なことは、図示されるように、フィルターカップトレイ506はその底面に2つの出口孔、第1出口孔522と、第1出口孔522から離れた第2出口孔524とを含むことである。
図71は、単一供給モードの二重供給コーヒー装置500を図示する。図示されるように、単一のコーヒーカップ526がトレイ506の出口孔522、524の直接下でベース504に置かれる。それから、ユーザーはコントロールパネル(不図示)の単一供給ボタンを選ぶ、あるいは押す。すると、二重供給コーヒー装置500は、所定の単一供給分の体積のコーヒーを作り、2つの出口孔522、524から作られたコーヒーを注入する。
【0047】
図72は、二重供給モードの二重供給コーヒー装置500を図示する。図示されるように、2つのコーヒーカップ526がベース504上に置かれ、1つのカップ526は第1出口孔522の下に、他のカップ526は第2出口孔524の下になる。それから、ユーザーはコントロールパネルの二供給ボタンを押し、装置500は、二供給分の体積のコーヒーを作る。コーヒーは、第1出口孔522と第2出口孔524から等しく注入され、2つのコーヒーカップ526を満たす。容易に分かるように、二重供給コーヒー装置500は、2つのコーヒー用カップを同時に供給することができる。このことにより、それぞれのカップのコーヒーが実質的に同じ温度で、同時に用意できることが確実になる。2つの出口孔522、524がフィルターカップ10の孔32から実質的に同じ距離離れて位置し、2つの出口孔522、524が実質的に同じ寸法であるので、このことが可能になる。
【0048】
ここで
図73および74を参照すると、本発明のさらに別の実施の形態による飲み物装置600が示される。飲み物装置600は、筺体602と、ベース604と、筺体602にスライド可能に収容され、フィルターカップ10のような少なくとも1つの飲料含有物を包含するフィルターカップをしっかりと受け入れる寸法にされたフィルターカップトレイ606を含む。飲料含有物は、挽かれていないコーヒー豆であってもよい。豆挽き用モータ608は、前述のように、フィルターカップトレイ606の周囲で筺体602内に配置され、コーヒー豆を挽く組立て刃610を含む。具体的に、フィルターカップトレイ606は組立て刃610に向けて動かされ、フィルターカップのカバーが組立て刃610により突き通され、組立て刃610はカップに入り込む。あるいは、豆挽き用モータ608と組立て刃610がカップに向けて動かされ、フィルターカップのカバーが組立て刃610により突き通され、組立て刃610がカップに入り込んでもよい。いずれにせよ、組立て刃610がカップ内に配置されると、豆挽き用モータ608が起動されて組立て刃610を所定の周波数で回転させ、カップ内で挽かれていないコーヒー豆を挽き、または、飲料含有物を混合する。
【0049】
図73と74にさらに示されるように、飲み物装置600は、水容器612と、ポンプ614と、ヒーター/ボイラー616を含む。ヒーター616のアウトプットは、水流路切替弁618と流体連通し、水流路切替弁618は、ユーザーによるコントロールパネル(不図示)でのボタン/モードの選択に応じて、水を飲み物作り供給流路620または温水チューブ622に選択的に注水する。飲み物作り供給流路620はフィルターカップトレイ606の上方に配置されて温水をフィルターカップに分散するように構成されたたシャワーヘッド624と流体連通する。水流路切替弁618は、単一インプットと2つのアウトプットを有するバルブでもよい。
【0050】
図73は、ユーザーがコントロールパネル(不図示)の「飲み物作りモード」ボタンを押すことにより選択された、飲み物作りモードの飲み物装置600を図示する。図示されるように、フィルターカップはフィルターカップトレイ606に収容される。フィルターカップ10は、豆挽き刃610とモータ608の直接下方に、筺体内に挿入される。フィルターカップ10内で挽かれていないコーヒー豆を挽いた後、水容器612からヒーター616を経由して水が送りだされ、ヒーター616は水を所定の温度まで加熱する。その後、水はヒーター616から水流路切替弁618へと流れ続け、水流路切替弁618で飲み物作り供給流路620へと送られる。その後、温水は、シャワーヘッド624により分散され、フィルターカップ10を通ってコーヒーを作る。それから、作られたコーヒーは、フィルターカップ10の底面の孔をとおってフィルターカップ10から抜け出て、最終的にフィルターカップトレイ606の底面の飲み物作り出口626を通ってフィルターカップトレイ606から抜け出る。それから、作られたコーヒーは、装置のベース604上で、飲み物作り出口626の下方に位置するコーヒーカップ628に集められる。
【0051】
図74は、温水注入モードの飲み物装置600を図示する。操作において、ユーザーは装置600のコントロールパネルから「温水のみ」オプションを選択し、温水出口630の直接下にカップ628を置く。すると、水は水容器612からヒーター616を通って送りだされ、ヒーター616は水を所定の温度まで加熱する。すると、加熱水はヒーター616から水流路切替弁618まで流れ続け、水流路切替弁618で温水チューブ622に送られ温水出口630から直接外に出る。
【0052】
容易に理解されるように、飲み物装置600は、ユーザーが1杯のコーヒーを作ることも、温水だけを注入することもできるようにする。重要なことに、これら2つの機能は、水流路切替弁618により物理的に分離されている。この物理的な分離は、温水注入が清浄であり、コーヒーにより汚されないことを確実にする。具体的には、この構成は、「温水のみ」モードではコーヒーがユーザーのカップに注がれず、温水が潜在するコーヒーの香りやにおいで汚れないことを確実にする。
【0053】
本発明の他の実施の形態は、コーヒーメーカーのような飲み物装置用に水を加熱するシステムと温度コントロール方法に関する。
図75に示されるように、水を加熱し温度をコントロールするシステムを有する飲み物装置700は、水容器702と、ポンプ704と、ボイラー/ヒーター706を含む。上記の実施の形態と同様に、ポンプ704は、水容器702からヒーター706(ここで水は所定温度まで加熱される)を通って、供給流路710を経由してシャワーヘッド708に水を送る。シャワーヘッド708は、飲み物装置の筺体712に収容されたフィルターカップ10の上方に位置し、加熱水をカップ10に注水して、飲み物装置700のベース716上に位置するユーザーのカップ714に分配するための入れられたコーヒー(または、他の飲み物)を作る。
【0054】
そこで更に図示されるように、飲み物装置700は、水容器702をヒーター706に接続する水路に配置された水入口センサ718を含む。水入口センサ718は、飲み物装置700内の(そしてプリント基板720を有する)コントローラと電気的に接続され、ヒーター706に入る前に水の温度を測定する。水入口センサ718は、測定した温度をコントローラに伝える。飲み物装置700は、ヒーター706の下流側に位置して、ヒーター706から出る水の温度を測定する水出口センサ722をさらに含む。水出口センサ722もまた、測定した温度を伝えるためにコントローラに電気的に接続される。ヒーター706そのものもまた、ヒーター706の温度を測定するためにヒーターセンサ724を有して構成される。水出口センサ722や水入口センサ718と同様に、ヒーターセンサ724は測定した温度をコントローラに伝えるためにコントローラと電気的に接続される。図示されるように、飲み物装置700は、水容器702の出口の近傍に配置される流量計726をも含み、流量計726は水容器702から抜け出る水の流量を測定する。具体的に、実施の形態では、流量計726は液体容器702から抜け出る水の流速を測定し、この情報をコントローラに伝える。
【0055】
ここで
図76〜79を参照すると、ヒーター/ボイラー706の詳細図が示される。図示されるように、ヒーター706は、ほぼ円筒形の水チャネル730を囲む押出しアルミ殻728を含む。Bundyヒーター732のような2つのヒーターは、水チャネル730の近傍に押出しアルミ殻728内に配置される。操作において、ヒーター732は、押出しアルミ殻728を加熱し、そのため水チャネル730のアルミ壁は中を通る水を加熱する。容易に理解されるように、押出しアルミからヒーター/ボイラー706を構成することにより、非常に軽量のヒーターとする。したがって、ヒーター706は非常に早く所定の温度に加熱することが可能で、よって、場合によっては、飲み物を作る前の予熱の必要性を取り除くことができる。
【0056】
図80〜82は、飲み物作りサイクルの間に利用される水を加熱するプロセスを図解する。
図80に示されるように、水を加熱するプロセスの第一工程は、予熱である。ユーザーが飲み物装置700への主電源のスイッチを入れると、ボイラー706のヒーターも同様にスイッチが入る。ヒーターセンサ724がボイラー706の温度をモニターし、所望の温度に達したらコントローラと共に温度調節を提供する(すなわち、ヒーターを切ったり、ヒーターへの電力を減少したりする)。
図80に図示されるように、予熱の間、複数のヒーター732の1つだけが起動され、実質的な温度超過を防止しつつ所望のボイラー予熱温度を達成する。別の実施の形態では、より低い電力(例えば、電子的に低減した電力)を予熱工程で用いて、所望の予熱温度を達成する。ある実施の形態では、予熱は、通過する水の加熱におけるボイラー706の効率により、オプションの工程であってもよい。容易に理解されるように、予熱することにより、フィルターカップ10への最初の注水が所望の飲み物作り温度に達していることが確実になる。予熱することは、ボイラー706が完全に冷めてしまうように、ある時間、飲み物装置700が使われていなかったような場合に、予熱することは必要になることもある。
【0057】
ここで
図81に移ると、飲み物作り工程が図解される。図示されるように、水は液体容器702からフィルターカップ10へ送りだされる。重要なことは、ポンプ704がコントローラにより起動されると、ボイラー706の両方のヒーター732が自動的に始動して加熱することである。よって、運転中、ボイラー706の水チャネル730を通る水は、即座に加熱される。水入口センサ718、水出口センサ722は、ボイラー706に入る直前と、ボイラー706から抜け出た直後の水の温度をモニターし、分析とシステムコントロールのために測定した温度をコントローラに伝える。例えば、水出口センサ722で測定されたボイラー706を抜け出る水の温度が所望の温度より低いときには、コントローラは、水が加熱するためのより多くの時間を与え、水がボイラー706を通過すると所望の温度に達するように、ポンプ704に流量を低減させる。上記のように、流量は流量計726でモニターされる。重要なことは、コントローラとPCB720は、水の経路の種々のポイントで、水の流量と温度を連続的にモニターし、飲み物作りサイクルの全てを通じて最適な水の飲み物作り温度を維持するために、流量および/またはヒーター電力を調整する。上記の観点より、本発明のシステムは、水の流量をヒーター732により供給される電力レベルと釣り合わせ、飲み物作りサイクルの全てを通じて水を所望の温度に加熱する。
【0058】
図82は、飲み物作り後のパージング工程を図解し、経路に残留する水全てを流し出す。図示されるように、飲み物作り工程の終わり近くまたは終わりに、ヒーター732のスイッチが切られる前に、ポンプは停止する。このことにより、ボイラー内に残留する余剰水は蒸気に変換されることになる。それから蒸気734は供給流路710を通って進み、飲み物作り空間(供給流路710、シャワーヘッド708等)とフィルターカップ10内の温水を押し出す。容易に理解されるように、このことにより、カップ10内の実質的に全てのコーヒーが、実質的に滴ることなく出ることを確実にする。さらに、このことはまた、カップ10の水分がなくなり、廃棄のために取り外されたときに滴が垂れることがないことも確実にする。
【0059】
ここで
図83〜88を参照すると、本発明による装置と一緒に用いる代替のフィルターカップ800は、カップ本体802と、フィルター804と、保護スクリーン806と、カバー808を含む。フィルター804は、好ましくは、紙フィルターまたは既知のコーヒーメーカーで用いられている他の材料から形成されたフィルターであり、カップ本体802の底に隣接して配置される。フィルター804は、コーヒーの出し殻および/または他の堆積物が飲み物を作っている間にカップ800から抜け出るのを防止するが、液体は通過できるようにする。保護スクリーン806は、好ましくはプラスチックまたは他の摩耗に強い材料で形成され、カップ800内のフィルター804の上に配置される。重要なことは、保護スクリーン806が、豆挽き刃および/またはコーヒーの出し殻により生ずる摩耗から紙フィルター804を保護するということである。図示されるように、紙フィルター804と保護スクリーン806は共に円形で、カップの底でカップの周壁にきっちりと受け入れられる大きさである。
【0060】
カバー808はホイルであるのが好ましく、ホイルはアルミニウムまたはこの分野で既知の他の素材から形成され、また、カバー808は、カップ10の上部の縁に、好ましくはヒートシールされ、あるいは取り外し可能に固着される。複数の挽かれていないコーヒー豆810は、カバー808と保護スクリーン806の間の空間に入れられる。
図83は、フィルターカップ800に収容されたコーヒー豆を示すが、お茶などの他のタイプの食品や材料を、本発明の広い観点から外れることなく、ここで記載するのと類似の方法で用いてもよい。特に、カップ800は、コーヒー豆810用の完全気密な入れ物を提供するように、完全にシールされる。容易に理解されるように、このことにより使用前にコーヒー豆810は新鮮さを維持できる。
【0061】
気密のフィルターカップ800と一緒に使用するコーヒー装置850が、
図89に示される。コーヒー装置850は、上記のコーヒー装置100と実質的に類似しており、また実質的に同じ様に動作する。図示されるように、コーヒー装置850は、筺体852と、ベース854と、筺体内にスライド可能に収容され、フィルターカップ800をきっちりと受け入れる大きさとされたフィルターカップトレイ856とを含む。豆挽き用モータ858はフィルターカップトレイ856の周囲の筺体852内に位置し、上記に説明する方法でコーヒー豆を挽く組立て刃860を含む。具体的には、フィルターカップトレイ856は組立て刃860に向かって動かされ、フィルターカップのカバー808は組立て刃860により突き通され、組立て刃860はカップ800内に入り込む。あるいは、豆挽き用モータ858と組立て刃860がカップ800に向かって動かされ、カバー808は組立て刃860により突き通され、組立て刃860はカップ800内に入り込んでもよい。いずれにせよ、組立て刃860がカップ800内に位置すると、豆挽き用モータ858が起動され、組立て刃860を所定の周波数で回転させ、それによりカップ800内で挽かれていないコーヒー豆810を挽き、あるいは、飲料含有物を混合する。
【0062】
図に更に示されるように、コーヒー装置850は、水容器862と、ポンプ864と、ヒーター/ボイラー866を含む。コーヒー豆810がカップ800内で挽かれた後、水が、水容器862から、水を所定の温度に加熱するヒーター866を通過して、送られる。水は、ヒーター866から供給路868を通って、フィルターカップ800とトレイ856の上方に位置し、水がフィルターカップ800を通り抜けて作られたコーヒーを製造するシャワーヘッド870に送られ続ける。
【0063】
重要なことは、
図90および91で良く示されるように、フィルターカップトレイ858は底面から上方に延在する中空針872を有することである。この針(チューブ)は、気密のフィルターカップ800がフィルターカップトレイ856内に挿入されたときにフィルターカップ800の底に孔を開け、作った後のコーヒーの出口として役立つ。操作において、ユーザーは自分の好みのコーヒー豆を含むフィルターカップ800を選定し、中空針がフィルターカップ800の底面を突き通すように、フィルターカップ800をフィルターカップトレイ850の窪みに押し込む。すると、フィルターカップトレイ850はコーヒー装置筺体852に挿入され、上記のように、飲み物作り工程を続ける。
【0064】
ここで
図92〜96を参照すると、上記のコーヒーおよび飲み物装置と一緒に使用される再使用可能なフィルターカップ900が図示される。再使用可能なフィルターカップ900は、カップ本体902と、フィルター904と、保護スクリーン906と、カバー908を含む。フィルター904は、好ましくは、耐久性があり、繰り返しの使用が可能である材料で作られた繰り返し使用できるフィルターである。上記のフィルターカップと同様に、フィルター904は、飲み物を作っている間にコーヒーの出し殻および/または他の堆積物がカップ900から抜け出るのを防止しつつ、液体は通過できるようにする。保護スクリーン906は、好ましくは、プラスチックまたは他の摩耗に強い素材で形成され、カップ900内でフィルター904の上に位置する。重要なことに、スクリーン806は、豆挽き刃および/またはコーヒーの出し殻により生ずる摩耗から紙フィルター904を保護する。保護スクリーン906は、取り外し可能としてもよい。
【0065】
カバー908は、カップ本体902上にきっちりときつく受け入れられるような大きさとされ、好ましくは、ゴムや他の耐久性があり、変形可能で展性のある素材で形成されるのが好ましい。カバー908は取外し可能で、ユーザーがコーヒー豆910でカップ900を満たすことが可能である。重要なことは、カバー908は、中央の孔914から延在する複数のスリット912を含むことである。スリット912は、豆挽き刃がカバー908を壊すことなくカバー908を通って入り込むことを可能にし、カバーを含んで入れ物を再利用できるようにする。さらに、このカバーの構成は、豆を挽いている間、コーヒーの出し殻をカップ900内に保つのを助ける。さらに、そのようなカップの構成は、カップ900の清掃を容易にもする。カップ900の底面は、本質的にフィルターカップ100の底面と同じであり、複数の孔を含む。
【0066】
図93〜96は、再使用可能なフィルターカップ900の使用を図示する。図示されるように、カバー908が取り除かれると、選定されたコーヒー豆910がカップ900内に入れられる。
図94および95に示すように、カバー908は、カップ本体902に置かれ、コーヒー豆910をそこに含む。その後、カップ900は、前述のような方法でコーヒー装置100のような装置に入れられ、飲み物作り工程が始められる。
図96に示されるように、その後、豆挽き刃916は、スリット912を通って入れられ、豆挽き刃の軸はカバー908の孔914に受け入れられる。
【0067】
本発明が、その詳細な実施の形態に関して示され、説明されたが、当業者は、種々の変更がなされ、本発明の範囲を逸脱することなく均等物が要素にとって代わることを理解するであろう。さらに、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、改変が本発明の教示に特定の状況や材料を合せるためになされるかもしれない。したがって、本発明は上記の詳細な説明に開示した特定の実施の形態には限定されず、本発明がここで開示した範囲内に含まれる全ての実施の形態を含むことを意図する。