(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5719124
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】ホスト装置及びスレーブ装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20150423BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
H04L12/28 203
G06F13/00 357A
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-127219(P2010-127219)
(22)【出願日】2010年6月2日
(65)【公開番号】特開2011-41253(P2011-41253A)
(43)【公開日】2011年2月24日
【審査請求日】2013年5月9日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0076287
(32)【優先日】2009年8月18日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】崔 明 洵
(72)【発明者】
【氏名】田 丞 訓
(72)【発明者】
【氏名】玄 倫 式
(72)【発明者】
【氏名】趙 相 旭
【審査官】
大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2007/099939(WO,A1)
【文献】
神田充、寺島芳樹、安次富大介,ネット家電の標準化技術の現状と展望,東芝レビュー,日本,東芝,2007年 1月 1日,第62巻 第1号,第42頁〜第45頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト装置において、
IPアドレスを有する一つ以上の外部ネットワーク装置と通信するためのネットワーク網に接続されたネットワーク通信部と、
少なくとも一つのスレーブ装置とローカル方式で接続されたローカル通信部と、
前記少なくとも一つのスレーブ装置が前記ホスト装置に接続されると、前記ホスト装置の接続可能なポートとIPアドレスとを用いて前記少なくとも一つのスレーブ装置にIPアドレスを割り当て、前記少なくとも一つのスレーブ装置を前記一つ以上の外部ネットワーク装置と接続された前記ネットワーク網内の仮想ネットワーク装置に仮想化する仮想化部と、
前記少なくとも一つのスレーブ装置の前記IPアドレスを保存する保存部と、及び
前記仮想ネットワーク装置に仮想化された少なくとも一つのスレーブ装置を制御する制御部と、
を含み、
前記ローカル方式は、前記少なくとも一つのスレーブ装置が前記ホスト装置に物理的に接続されるものであって、IPアドレスに応じて動作するものではない方式であり、
前記仮想化部は、前記少なくとも一つのスレーブ装置を仮想化したり、前記少なくとも一つのスレーブ装置に前記IPアドレスを割り当て、
前記仮想化部は、以前に割り当てたものと同じIPアドレスを用いたり、前記少なくとも一つのスレーブ装置が前記ホスト装置に接続される度に異なるIPアドレスを用いて、選択的に前記IPアドレスを割り当て、
前記仮想化部は、前記少なくとも一つのスレーブ装置の通信規格を確認する判断部を含むことを特徴とするホスト装置。
【請求項2】
前記仮想化部は、
前記確認されたスレーブ装置の通信規格に応じて、前記制御部のメッセージ及び前記少なくとも一つのスレーブ装置のメッセージを各々前記少なくとも一つのスレーブ装置の通信規格のメッセージ及び外部ネットワーク装置の通信規格のメッセージに変換するメッセージ変換部と、及び
前記メッセージ変換部で変換されたメッセージを前記メッセージの宛先に転送するメッセージ伝達部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のホスト装置。
【請求項3】
前記メッセージ変換部は、
前記制御部のメッセージ及び前記少なくとも一つのスレーブ装置のメッセージを解釈して解釈結果に対応されるメッセージに変換することを特徴とする請求項2に記載のホスト装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ネットワーク網に接続された外部ネットワーク装置から前記少なくとも一つのスレーブ装置に対するメッセージが受信されると、前記受信されたメッセージが前記少なくとも一つのスレーブ装置の通信規格のメッセージに変換されて前記少なくとも一つのスレーブ装置に転送するように前記仮想化部を制御することを特徴とする請求項2に記載のホスト装置。
【請求項5】
前記メッセージ伝達部は、前記変換された少なくとも一つのスレーブ装置のメッセージを前記外部ネットワーク装置に伝達されるように前記ネットワーク通信部を制御することを特徴とする請求項4に記載のホスト装置。
【請求項6】
前記外部ネットワーク装置の通信規格はUPnP規格であることを特徴とする請求項2に記載のホスト装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つのスレーブ装置は、USB、IEEE 1394、SPI、HDMI(登録商標)方式のうち、少なくとも一つの方式で接続される装置であることを特徴とする請求項1に記載のホスト装置。
【請求項8】
ネットワーク網に接続されたホスト装置においての第1ネットワークを通じてローカル接続された少なくとも一つのスレーブ装置の制御方法において、
IPアドレスを有する一つ以上の外部ネットワーク装置と通信するための第2ネットワークに接続するステップと、
前記少なくとも一つのスレーブ装置が前記ホスト装置に接続されると、前記ホスト装置の接続可能なポートとIPアドレスとを用いて前記少なくとも一つのスレーブ装置にIPアドレスを割り当て、前記少なくとも一つのスレーブ装置を前記第2ネットワーク内の仮想ネットワーク装置に仮想化するステップと、
前記少なくとも一つのスレーブ装置の前記IPアドレスを前記ホスト装置の保存部に保存するステップと、及び
前記第2ネットワーク内の前記仮想ネットワーク装置に仮想化された少なくとも一つのスレーブ装置を制御するステップと、
を含み、
前記少なくとも一つのスレーブ装置は、前記ホスト装置に物理的に接続されるものであって、IPアドレスに応じて動作するものではなく、
前記仮想化するステップは、以前に割り当てたものと同じIPアドレスを用いたり、前記少なくとも一つのスレーブ装置が前記ホスト装置に接続される度に異なるIPアドレスを用いて、選択的に前記IPアドレスを割り当てるステップと、
前記少なくとも一つのスレーブ装置の通信規格を確認するステップと、
を更に含むことを特徴とするスレーブ装置の制御方法。
【請求項9】
前記制御するステップは、
前記確認された少なくとも一つのスレーブ装置の通信規格に応じて、前記ホスト装置のメッセージ及び前記少なくとも一つのスレーブ装置のメッセージを各々前記少なくとも一つのスレーブ装置の通信規格のメッセージ及び外部ネットワーク装置の通信規格のメッセージに変換するステップと、及び
前記変換されたメッセージを前記メッセージの宛先に転送するステップと、
を含むことを特徴とする請求項8に記載のスレーブ装置の制御方法。
【請求項10】
前記変換するステップは、
前記ホスト装置のメッセージ及び前記少なくとも一つのスレーブ装置のメッセージを解釈して解釈結果に対応されるメッセージに変換することを特徴とする請求項9に記載のスレーブ装置の制御方法。
【請求項11】
前記制御するステップは、
前記第2ネットワークに接続された外部ネットワーク装置から前記少なくとも一つのスレーブ装置に対するメッセージが受信されると、前記受信されたメッセージが前記少なくとも一つのスレーブ装置の通信規格のメッセージに変換されて前記少なくとも一つのスレーブ装置に転送することを特徴とする請求項8に記載のスレーブ装置の制御方法。
【請求項12】
前記制御するステップは、
前記変換された少なくとも一つのスレーブ装置のメッセージを前記外部ネットワーク装置に伝達することを特徴とする請求項11に記載のスレーブ装置の制御方法。
【請求項13】
前記外部ネットワーク装置の通信規格はUPnP規格であることを特徴とする請求項8に記載のスレーブ装置の制御方法。
【請求項14】
前記少なくとも一つのスレーブ装置は、USB、IEEE 1394、SPI、HDMI方式のうち、少なくとも一つの方式で接続される装置であることを特徴とする請求項8に記載のスレーブ装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスト装置及びスレーブ装置の制御方法に関し、更に詳しくはホスト装置にローカル方式で接続されたスレーブ装置を仮想化し、ネットワーク装置の制御方法で制御できるホスト装置及びスレーブ装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にホスト装置はシリアル、USB、イーサネット(登録商標)等の多様な接続チャネルを有しスレーブ装置と接続される装置で、ホスト装置は接続されたスレーブ装置を介して多様なアプリケーションをユーザーに提供する。
【0003】
一方、ホスト装置で提供されるアプリケーションは接続されたスレーブ装置の物理的特性及びその物理的階層上の多様なプロトコルを遵守するように実現されなければならない。
【0004】
従って、ホスト装置のアプリケージョンを開発する開発者の立場ではホスト装置での多様な物理的階層の接続のためのドライバソフトウェア及び物理的階層上に存在する多様なプロトコルを遵守してアプリケーションを開発しなければならい。
【0005】
ところが、最近のホスト装置は多様な種類のスレーブ装置と接続可であるという点から、開発者はいろんな物理的形態の入出力形態を全て考慮してアプリケーションを実現しなければならないことから困難な点があり、他種類のスレーブ装置を駆動するアプリケーション間で互換性が低下する場合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本特開2004-272632号公報
【特許文献2】韓国登録0565495号
【特許文献3】韓国登録0796865号
【特許文献4】韓国登録0811630号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ホスト装置にローカル方式で接続されたスレーブ装置を仮想化してネットワーク装置の制御方式で制御できるホスト装置及びスレーブ装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のような目的を達成するための本発明の一実施例に係るホスト装置は、ネットワーク網に接続されたネットワーク通信部、スレーブ装置とローカル方式で接続されたローカル通信部、前記スレーブ装置を前記ネットワーク網内のネットワーク装置に仮想化する仮想化部及び前記仮想化されたスレーブ装置をネットワーク装置の制御方式を適用して制御する制御部を含む。
【0009】
この場合、前記仮想化部は、前記スレーブ装置の通信規格を確認する判断部、前記確認されたスレーブ装置の通信規格に応じて、前記制御部のメッセージ及び前記スレーブ装置のメッセージを各々前記スレーブ装置の通信規格のメッセージ及びネットワーク装置の通信規格のメッセージに変換するメッセージ変換部及び前記メッセージ変換部で変換されたメッセージを前記メッセージの宛先に転送するメッセージ伝達部を含むことができる。
【0010】
この場合、前記メッセージ変換部は、前記制御部のメッセージ及び前記スレーブ装置のメッセージを解釈して解釈結果に対応されるメッセージに変換することが望ましい。
【0011】
一方、前記仮想化部は、前記スレーブ装置が前記ホスト装置に接続される場合、前記スレーブ装置に対するIPアドレスを付与するIPアドレス生成部を更に含むことができる。
【0012】
一方、前記制御部は、前記ネットワーク網に接続された外部ネットワーク装置から前記スレーブ装置に対するメッセージが受信されると、前記受信されたメッセージが前記スレーブ装置の通信規格のメッセージに変換されて前記スレーブ装置に転送するように前記仮想化部を制御することが望ましい、
この場合、前記メッセージ伝達部は、前記変換されたスレーブ装置のメッセージを前記外部ネットワーク装置に伝達されるように前記ネットワーク通信部を制御することが望ましい。
【0013】
一方、前記ネットワーク装置の通信規格はUPnP規格であることが望ましい。一方、前記スレーブ装置は、USB、IEEE 1394、SPI、HDMI方式のうち、少なくとも一つの方式で接続される装置であることが望ましい。
【0014】
一方、本実施例に係るスレーブ装置の制御方法は、前記スレーブ装置を前記ネットワーク網内のネットワーク装置に仮想化するステップ及び前記仮想化されたスレーブ装置をネットワーク装置の制御方式を適用して制御するステップを含む。
【0015】
この場合、前記仮想化するステップは、前記スレーブ装置が前記ホスト装置に接続される場合、前記スレーブ装置に対するIPアドレスを付与するステップ及び前記スレーブ装置の通信規格を確認するステップを含むことができる。
【0016】
この場合、前記制御するステップは、前記確認されたスレーブ装置の通信規格に応じて、前記ホスト装置のメッセージ及び前記スレーブ装置のメッセージを各々前記スレーブ装置の通信規格のメッセージ及びネットワーク装置の通信規格のメッセージに変換するステップ及び前記変換されたメッセージを前記メッセージの宛先に転送するステップを含むことができる。
【0017】
この場合、前記変換するステップは、前記ホスト装置のメッセージ及び前記スレーブ装置のメッセージを解釈して解釈結果に対応されるメッセージに変換することが望ましい。
【0018】
一方、前記制御するステップは、前記ネットワーク網に接続された外部ネットワーク装置から前記スレーブ装置に対するメッセージが受信されると、前記受信されたメッセージが前記スレーブ装置の通信規格のメッセージに変換されて前記スレーブ装置に転送することが望ましい。
【0019】
この場合、前記制御するステップは、前記変換されたスレーブ装置のメッセージを前記外部ネットワーク装置に伝達することが望ましい。
【0020】
一方、前記ネットワーク装置の通信規格はUPnP規格であることが望ましい。一方、前記スレーブ装置は、USB、IEEE 1394、SPI、HDMI方式のうち、少なくとも一つの方式で接続される装置であることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施例に係るホスト装置の構成を示したブロック図である。
【
図2】ホスト装置の仮想化動作を説明するための図である。
【
図3】ホスト装置の仮想化動作を説明するための図である。
【
図4】ホスト装置の仮想化動作を説明するための図である。
【
図5】ホスト装置の仮想化動作を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るホスト装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下で、添付された図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施例に係るホスト装置の構成を示したブロック図である。
図1を参考すると、ホスト装置100はユーザーインターフェース部110、保存部120、ネットワーク通信部130、ローカル通信部140、仮想化部150及び制御部160を含む。ここで、ホスト装置100はユーザーにアプリケーション(サービス)を提供する装置として、PC、ノートパソコン、TV、STB(Set Top Box)等で実現することができる。
【0024】
ユーザーインターフェース部110は、ホスト装置100で支援する各種機能をユーザーが設定又は選択できる多数の機能キーを備え、ホスト装置100で提供される各種情報を表示することができる。ユーザーインターフェース部110はタッチパッド等のように入力と出力が同時に実現される装置で実現されても良いし、マウス及びモニターの結合を統合した装置で実現されても良い。これにより、ユーザーはユーザーインターフェース部110を介してホスト装置100で支援する各種サービス(アプリケーション)を提供してもらうことができる。
【0025】
保存部120はホスト装置100で支援する各種サービスに対応されるコンテンツを保存することができ、後述のスレーブ装置200のプロトコル情報及びスレーブ装置200に対して付与されたIPアドレスを保存することができる。このような保存部120はホスト装置100内の保存媒体及び外部の保存媒体、例えばUSBメモリーを含むRemovable Disk、ホスト(Host)に接続された保存媒体、ネットワークを介したウェブサーバー(Web server)等で実現されることができる。
【0026】
ネットワーク通信部130はネットワーク網に接続される。具体的に、ネットワーク通信部130はネットワーク網を介して外部ネットワーク装置300と接続され、ネットワーク装置の通信規格によって外部ネットワーク装置300とメッセージを送/受信できる。そして、ネットワーク通信部130は有線方式でネットワーク網に接続されても良いし、無線方式でネットワーク網に接続されても良い。ここで、ネットワーク装置の通信規格はUPnP規格でも良く、外部ネットワーク装置300はネットワーク網に接続された他のホスト装置で、ネットワークの通信規格によってホスト装置100とメッセージのやり取りができる。
【0027】
ここで、メッセージはホスト装置、スレーブ装置、ネットワーク装置間の各種の制御命令及び制御命令に対応した応答信号を含み、例えば、サービス要請、状態要請、サービス要請に対応したサービスの提供信号でも良い。
【0028】
ローカル通信部140は、スレーブ装置200とローカル方式で接続される。具体的に、ローカル通信部140はローカル方式でスレーブ装置200と接続され、スレーブ装置200各々の通信規格によってスレーブ装置200とメッセージを送/受信できる。例えば、スレーブ装置がUSB装置である場合、ローカル通信部140はUSBプロトコル方式でUSB装置とメッセージを送/受信でき、スレーブ装置がIEEE 1394装置である場合、ローカル通信部140はIEEE 1394プロトコル方式でIEEE 1394装置とメッセージを送受信できる。このようなスレーブ装置200の通信規格としてはUSB方式、IEEE 1394方式、HDMI(High Definition Multimedia Interface)方式、シリアル方式、並列方式等があり得る。ここで、スレーブ装置200はホスト装置100に直接接続されユーザーにサービスを提供する装置として、USB方式、IEEE 1394方式、SPI、HDMI方式のうち、少なくとも一つの方式で接続される装置でも良い。
【0029】
仮想化部150はスレーブ装置200をネットワーク網内のネットワーク装置に仮想化する。具体的に、仮想化部150は判断部151、メッセージ変換部152、メッセージ伝達部153及びIPアドレス生成部154を含むことができる。ここで、仮想化とは、仮想のネットワーク装置を生成し、スレーブ装置200をネットワーク網に接続されたネットワーク装置のように動作させることを意味する。
【0030】
判断部151は、スレーブ装置200の通信規格を確認することができる。具体的に、判断部151はホスト装置100に接続されたスレーブ装置200の種類及び通信規格等のスレーブ装置200と通信を行うための情報を確認できる。例えば、ホスト装置100に接続されたスレーブ装置200がUSB保存媒体である場合、判断部151はPnP(Plug and Play)方式を用いて、当該スレーブ装置がUSB保存媒体であり、USBプロトコル方式で通信するという情報を確認できる。一方、判断部151は確認されたスレーブ装置200に対する情報を保存部120に保存することができる。
【0031】
メッセージ変換部152は、確認されたスレーブ装置200の通信規格に応じて、制御部160のメッセージ及びスレーブ装置200のメッセージを各々スレーブ装置200の通信規格のメッセージ及びネットワーク装置の通信規格のメッセージに変換することができる。具体的に、メッセージ変換部152はスレーブ装置200からのメッセージをネットワーク装置の通信規格のメッセージに変換し、制御部160のメッセージ又は外部ネットワーク装置300のメッセージをスレーブ装置200の通信規格のメッセージに変換することができる。
【0032】
そして、メッセージ変換部152は制御部160のメッセージ及びスレーブ装置200のメッセージを解釈し、解釈結果に対応されるメッセージに変換することができる。具体的に、メッセージ変換部152はスレーブ装置200の通信規格、ネットワーク装置の通信規格間のメッセージ変換のみならず、スレーブ装置200とホスト装置100間のメッセージを解釈し、解釈結果に対応されるメッセージに変換することもできる。そして、このようなメッセージ解釈に関したアルゴリズム又はルックアップテーブルは保存部120に保存されていて良い。従って、開発者はスレーブ装置200の直接的なメッセージの規則に縛られずに、アプリケーションを開発できるようになる。例えば、スレーブ装置200が電源オフの動作がメッセージ「1」に定義されている場合、メッセージ変換部152は制御部160の「電源オフ」のメッセージを予め保存されたアルゴリズム又はルックアップテーブルを用いて「1」と解釈し、「1」をスレーブ装置の通信規格のメッセージに変換することができる。逆に、スレーブ装置200から「1」のメッセージを伝達された場合、メッセージ変換部152は「1」の値を予め保存されたアルゴリズム又はルックアップテーブルを用いて「電源オフ」のメッセージと解釈し、「電源オフ」の値をネットワーク装置の通信規格のメッセージに変換することができる。
【0033】
メッセージ伝達部153はメッセージ変換部152で変換されたメッセージをメッセージの宛先に転送することができる。具体的に、メッセージ伝達部153は仮想化部150に受信されるメッセージの宛先に合うようにメッセージ変換部152で変換されたメッセージを制御部160又はスレーブ装置200に伝達することができる。例えば、制御部160からスレーブ装置200へのメッセージを仮想化部150が受信した場合、メッセージ伝達部153はメッセージ変換部152で変換されたメッセージをスレーブ装置200に伝達されるようにローカル通信部140を制御することができる。逆に、スレーブ装置200から制御部160へのメッセージを仮想化部150が受信した場合、メッセージ伝達部154はメッセージ変換部152で変換されたメッセージを制御部160に伝達することができる。
【0034】
尚、メッセージ伝達部153は外部ネットワーク装置300の要請に対応したスレーブ装置200のメッセージが仮想化部150に入力された場合、メッセージ変換部152で変換されたメッセージを外部ネットワーク装置300に伝達されるようにネットワーク通信部130を制御することができる。
【0035】
IPアドレス生成部154はスレーブ装置200がホスト装置100に接続される場合、スレーブ装置200に対するIPアドレスを付与することができる。具体的に、IPアドレス生成部154はスレーブ装置200がホスト装置100に接続される場合、ホスト装置100のIPアドレスを用いて接続されたスレーブ装置に対するIPアドレスを付与することができる。例えば、ホスト装置100のIPアドレスが「127.0.0.1」である場合、スレーブ装置に対するIPを「127.0.0.1:0002」に設定できる。この時、IPアドレス生成部154はホスト装置100の使用可能なポートを検索して接続されたスレーブ装置に対するIPアドレスを生成することができる。
【0036】
そして、IPアドレス生成部154はスレーブ装置200に付与したIPアドレスを保存部120に保存することができ、実現時にIPアドレス生成部154は繰り返し接続されるスレーブ装置200に対して固定されたIPアドレスを有するようにIPアドレスを生成することができ、スレーブ装置200が接続される度に他のIPアドレスを有するようにIPアドレスを生成するするように実現できる。このようなIPアドレス生成部154の動作はスレーブ装置200に対するユーザーの仮想化命令に対応して行われても良いし、スレーブ装置200がホスト装置100に接続されると同時に行われても良い。
【0037】
制御部160は、仮想化されたスレーブ装置200をネットワーク装置の制御方式を適用して制御することができる。具体的に、制御部160は仮想化されたスレーブ装置200に対して制御を行うためのメッセージを転送する場合、ネットワーク装置の通信規格のメッセージ形態でメッセージを生成することができる。そして、制御部160は生成されたネットワーク装置の通信規格のメッセージを仮想化部150に転送して、スレーブ装置の通信規格に合ったメッセージに変換されてスレーブ装置200に伝達されるように仮想化部150を制御することができる。そして、これに対するスレーブ装置200の応答メッセージがホスト装置100に受信された場合、制御部160は仮想化部150を制御してローカル通信部140を介して受信されたメッセージをネットワーク装置の通信規格のメッセージに変換されるように制御し、変換されたネットワーク装置の通信規格のメッセージをサービスを行うのに用いることができる。ここで、ネットワーク装置の制御方式とは、ネットワーク網に接続された装置間でのメッセージの制御方式で、つまりUPnP方式を通じたネットワーク装置間の通信方式を意味する。
【0038】
一方、ネットワーク網に接続された外部ネットワーク装置300からスレーブ装置200に対するメッセージが受信された場合、受信されたメッセージはネットワーク装置の通信規格のメッセージであるため、制御部200はこれをスレーブ装置の通信規格のメッセージに変換してスレーブ装置200に転送されるように仮想化部150を制御することができる。そして、これに対する応答がスレーブ装置200から受信された場合、これをネットワーク装置の通信規格によるメッセージに変換して、変換されたメッセージを外部ネットワーク装置300に転送されるように仮想化部150を制御することができる。
【0039】
これにより、本ホスト装置100は接続されたスレーブ装置200をネットワーク装置に仮想化してネットワーク装置の制御方式に制御できるため、開発者はアプリケーションの開発段階で、一つの物理的な接続方式のみを考慮してアプリケーションを開発できるようになる。尚、ホスト装置に接続されるスレーブ装置はネットワーク装置として動作するようになるため、外部でも容易にホスト装置に接続されたスレーブ装置に対する制御を行えるようになる。
【0040】
図1の説明において、ホスト装置100に一つのスレーブ装置200が接続される形態のみに対して説明したが、複数のスレーブ装置がホスト装置100に接続されても良いし、複数のネットワーク装置がネットワーク網を介してホスト装置に接続されても良い。
【0041】
図2乃至
図5は、本発明の一実施例に係るホスト装置の仮想化動作を説明するための図である。
【0042】
図2を参考すると、
図2は仮想化動作が行われる以前にホスト装置100、スレーブ装置200及び外部ネットワーク装置300の接続関係を示した図である。具体的に、ホスト装置100はシリアル方式でクレードル230、アクセサリー装置220と接続され、USB方式で、特別な装置260、USBメモリーディスク210、USBデジタルカメラ240、USBカメラ250と接続される。そして、ホスト装置100はネットワーク網を介して電子写真立て310、プリンター320、携帯電話330と接続される。ここで、USBメモリーディスク210、アクセサリー装置220、クレードル230、USBデジタルカメラ240、USBカメラ250及び特別な装置260はスレーブ装置200の一例であり、電子写真立て310、プリンター320及び携帯電話330は外部ネットワーク装置300の一例である。
【0043】
図3を参考すると、
図3はスレーブ装置200に対する仮想化が行われた場合のホスト装置100、スレーブ装置200、外部ネットワーク装置300の接続関係を示した図である。具体的に、物理的な接続関係は
図2と同じだが、各々のスレーブ装置210〜260各々が個別なIPアドレスを有するネットワーク装置に仮想化されることが確認できる。具体的に、シリアル方式でホスト装置100と接続されたクレードル230である場合、「127.0.0.1:003」のIPアドレスを有するネットワーク装置360に仮想化され、USB方式でホスト装置100と接続されたUSBカメラ240の場合「127.0.0.1:0005」のIPアドレスを有するネットワーク装置380に仮想化されたことが確認できる。
【0044】
図2及び
図3の説明において、スレーブ装置200がシリアル方式、USB方式で接続された場合のみについて説明したが、シリアル方式、USB方式以外の他のローカル方式でホスト装置100に接続されたスレーブ装置についても仮想化が行われても良い。
【0045】
図4はスレーブ装置に対する仮想化が行われた場合のホスト装置100での制御方式を説明する図である。
【0046】
図4を参考すると、スレーブ装置220は物理的にホスト装置100とローカル方式で接続されているが、スレーブ装置220に対して仮想化が行われると、ホスト装置100は仮想化されたスレーブ装置350に対してネットワーク装置の制御方式で制御することができる。尚、スレーブ装置220がネットワーク装置に仮想化されたため、外部ネットワーク装置330でも容易に仮想化されたスレーブ装置350に対して制御を行えるようになる。
【0047】
つまり、
図5に示されたように、スレーブ装置200に対する仮想化が行われる以前にはネットワーク網に接続されたホスト装置100と外部ネットワーク装置300のみがホームネットワークの構成となるが、スレーブ装置200に対する仮想化動作が行われることで、ホスト装置100に接続されたスレーブ装置200もホームネットワーク網を構成するようになり、外部ネットワーク装置300は容易にスレーブ装置200を制御できるようになる。
【0048】
図6は、本発明の一実施例に係るホストの制御方法を説明するためのフローチャートである。
図6を参考すると、まずスレーブ装置をネットワーク網内のネットワーク装置に仮想化することができる。具体的に、スレーブ装置がホスト装置に接続される場合、スレーブ装置に対するIPアドレスを付与し(S610)、ホスト装置に接続されたスレーブ装置の通信規格を確認することができる(S620)。より具体的に、スレーブ装置がホスト装置に接続された場合、ホスト装置のIPアドレスを用いて接続されたスレーブ装置に対するIPアドレスを付与することができる。この時、ホスト装置の使用可能なポートを検索して接続されたスレーブ装置に対するIPアドレスを生成することもできる。そして、接続されたスレーブ装置の種類及び通信規格等をPnP方式を用いて確認できる。この時、スレーブ装置に付与されたIPアドレス、スレーブ装置の種類及び通信規格等は保存されることもできるし、以後の動作にこれを用いることもできる。一方、実現時にIPアドレスを付与する動作と、接続されたスレーブ装置の通信規格を確認する動作は逆の手順になるように実現することもできる。
【0049】
そして、仮想化されたスレーブ装置をネットワーク装置の制御方式を適用して制御することができる。具体的に、確認されたスレーブ装置の通信規格に応じて、ホスト装置のメッセージ及びスレーブ装置のメッセージを各々スレーブ装置の通信規格のメッセージ及びネットワーク装置の通信規格のメッセージに変換することができる(S630)。そして、変換されたメッセージをメッセージの宛先に転送することができる(S640)。例えば、ホスト装置が仮想化されたスレーブ装置に対して制御命令であるメッセージをネットワーク装置の通信規格のメッセージの転送する場合、ネットワーク装置の通信規格のメッセージをスレーブ装置の通信規格によるメッセージに変換して、変換されたメッセージをスレーブ装置に転送することができる。そして、これに対するスレーブ装置の応答を受信した場合、スレーブ装置でのメッセージはスレーブ装置の通信規格によるメッセージであるため、これをネットワーク装置の通信規格によるメッセージに変換して、変換されたメッセージを用いることができる。
【0050】
そして、ネットワーク網に接続された外部ネットワーク装置からスレーブ装置に対するメッセージが受信される場合、受信されたメッセージはネットワーク装置の通信規格のメッセージであるため、これをスレーブ装置の通信規格のメッセージに変換してスレーブ装置に転送することができる。そして、スレーブ装置に対する応答メッセージが転送された場合、この応答メッセージをネットワーク装置の通信規格によるメッセージに変換して、変換されたメッセージを外部ネットワーク装置に伝達することができる。実現時にネットワーク装置の通信規格はUPnP規格であって良い。
【0051】
一方、変換する動作時、ホスト装置のメッセージ及びスレーブ装置のメッセージを解釈して解釈結果に対応されるメッセージに変換することもできる。これについては、メッセージ変換部152と関連して前述したため、具体的な説明は省略する。
【0052】
従って、開発者はアプリケーションの開発段階で、一つの物理的な接続方式のみを考慮してアプリケーションを開発できるようになり、ホスト装置に接続されるスレーブ装置はネットワーク装置として動作するようになるため、外部でも容易にホスト装置に接続されたスレーブ装置に対する制御を行えるようになる。
【0053】
従って、本スレーブ装置の制御方法は、ホスト装置に接続されるスレーブ装置をネットワーク装置に仮想化して制御するため、外部でも容易にホスト装置に接続されたスレーブ装置に対する制御を行うことができ、開発者はアプリケーションの開発段階で、一つの物理的な接続方式のみで考慮してアプリケーションを開発できるようになる。
図6と同様のスレーブ装置の制御方法は、
図1の構成を有するホスト装置上で実行されても良いし、その他の異なる構成を有する画像読取装置上でも実行されても良い。
【0054】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0055】
100 ホスト装置
110 ユーザーインターフェース部
120 保存部
130 ネットワーク通信部
140 ローカル通信部
150 仮想化部
151 判断部
152 メッセージ変換部
153 メッセージ伝達部
154 IPアドレス生成部
160 制御部
200、350 スレーブ装置
210 USBメモリーディスク
230 クレードル
240 USBデジタルカメラ
250 USBカメラ
300 外部ネットワーク装置
310 電子写真立て
320 プリンター