(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような液晶表示装置において、共通電極とそれぞれの画素電極との間の電圧は例えば60Hz(1秒に60周期)で変化する。一周期内では、第1ゲート線から最後のゲート線まで順次に薄膜トランジスタをオンさせるパルス(Vonパルス)が印加される。特定のゲート線にVonパルスが印加される時には他のゲート線にはオフ電圧Voffが印加される。共通電極電圧Vcomを約5Vとすると、電圧Vonは通常約20Vであり、電圧Voffは通常約−7V程度である。特定のゲート線にVonが印加されると、その行の薄膜トランジスタが導通し、データ線に印加された画像信号電圧が画素電極に印加される。しかし、その行の薄膜トランジスタがオフされた状態(Voff印加)で前段ゲート線にVon電位が印加されて前段ゲート線の電位Vgが−7Vから20Vに変動上昇すると、下記の数式によって計算される値の分だけ画素電極の電位Vpも上昇するようになる。
【0007】
(数1)
ΔVp=[Cst/(Cst+Clc+Cgd+その他の寄生容量)]×ΔVg(=27V)
このようになると、共通電極電圧Vcomと画素電極電圧Vpとの電圧差に対する関数であるClc及びその他の寄生容量が共に変化する。以後、前段ゲート線がVonからVoffに移行すると画素電極電圧Vpは回復するが、前記Clc及び寄生容量の電圧依存性のため正確に元の値に回復しない。しかし、第1行以外の全ての画素電極が全て同一な態様に変動するので同一の階調における明るさは同一になる。しかし、第1行の画素は前段ゲート線がないので他の行の画素とは異なる態様に電圧が変動するようになり、これは同一の階調における明るさのばらつきを引き起こす。一般に、第1行の明るさが他の行に比べて明るくなると目障りになる。
【0008】
このような問題点を解決するために、従来では第1画素行の維持容量用ゲート線G
0を追加してG
2に連結したり、Gmに連結する方法を使用する。しかし、前者の場合にはG
2駆動IC(integrated circuit)は一つのゲート線駆動容量で二つのゲート線を駆動することとなって駆動電流が不足するようになり、これによってノーマリホワイトモードでは第2行が他の行に比べて非常に明るくなる。このような現象は、液晶表示装置の画面が大きくなり高精細化することによって各ゲート線にかかる電気的負荷が大きくなることに伴いさらに激しくなる。後者の場合には、G
0とGmを連結するためにPCB(printed circuit board)などを経由する複雑な配線を形成しなければならない不便があることはもちろん、第1行と最終行の画素の明るさが他の部分と異なるようになる。
【0009】
一方、前記薄膜トランジスタ基板は、通常、カラーフィルター基板よりその大きさが大きい。従って、薄膜トランジスタ基板とカラーフィルター基板とを結合する時、対応するブラックマトリックス部分がない薄膜トランジスタ基板の周辺部は外部に露出して光の漏れが発生する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明が達成しようとする技術的課題は液晶表示装置の画質を向上させることである。
【0011】
本発明が達成しようとする他の技術的課題は短絡が発生せず光の漏れ現象を効率的に防止する液晶表示装置を提供することである。
【0012】
本発明は、
第1絶縁基板と、
前記第1基板の上に形成されている第1信号線と、
前記第1信号線の端に連結されており、外部の駆動回路と連結される第1パッドと、
前記第1信号線と絶縁され、かつ交差して画素領域を形成する第2信号線と、
前記第2信号線の端に連結されており、前記外部の駆動回路と連結される第2パッドと、
前記画素領域の集合である表示領域の外側に位置し、前記第1信号線及び前記第1パッドと絶縁されている第1光遮断パターンと、
前記表示領域の外側に位置し、前記第2信号線及び前記第2パッドと絶縁されている第2光遮断パターンと、
前記第1基板と対向する第2絶縁基板と、
前記第1基板と第2基板とを接着し、かつ前記表示領域を囲む封印材と、
を含み、
前記第1
光遮断パターンは、前記封印材と前記第1パッドとの間に位置し、前記封印材と重ならないように配置されており、電気的にフローティングされており、
前記第2光遮断パターンは
、前記封印材と前記第2パッドとの間に位置し、前記封印材と重ならないように配置されて
おり、電気的にフローティングされており、
前記第1光遮断パターンと前記封印材との距離は、前記第1パッドと前記封印材との距離より短く、
前記第2光遮断パターンと前記封印材との距離は、前記第2パッドと前記封印材との距離より短い、液晶表示装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、
第1絶縁基板と、
第1基板の上に形成されており、ゲート線、前記ゲート線に連結されているゲート電極、及び前記ゲート線に連結されて外部から走査信号を伝達するゲートパッドを含むゲート配線と、
前記ゲート配線と分離されている第1光遮断パターンと、
前記ゲート配線及び前記第1光遮断パターンを覆っているゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の上に形成されている半導体層と、
前記半導体層及び前記ゲート絶縁膜の上に形成されており、前記ゲート線と交差して画素領域を定義するデータ線、前記データ線に連結されているソース電極、前記ゲート電極を中心にして前記ソース電極と対向するドレーン電極及び前記データ線に連結されて外部から画像信号を伝達するデータパッドを含むデータ配線と、
前記データ配線と分離されている第2光遮断パターンと、
前記データ配線及び前記第2光遮断パターンを覆い、前記ゲートパッド、前記データパッド及び前記ドレーン電極をそれぞれ露出させる第1乃至第3接触孔を前記ゲート絶縁膜と共に有する保護膜と、
前記ドレーン電極と連結されている画素電極と、
前記第1基板と対向する第2絶縁基板と、
前記第2基板の上に形成されており前記画素領域に対応する位置に配置されているカラーフィルターと、
前記第2基板の上に形成されており前記カラーフィルターを囲んでいるブラックマトリックスと、
前記カラーフィルター及び前記ブラックマトリックスを覆っている共通電極と、
前記第1基板と前記第2基板とを接着する封印材と、
を備え、
前記第1光遮断パターンは、前記封印材と前記ゲートパッドとの間に位置し、前記封印材と重ならないように配置されており、電気的にフローティングされており、
前記第2光遮断パターンは、前記封印材と前記データパッドとの間に位置し、前記封印材と重ならないように配置されており、電気的にフローティングされており、
前記第1光遮断パターンと前記封印材との距離は、前記第1パッドと前記封印材との距離より短く、
前記第2光遮断パターンと前記封印材との距離は、前記第2パッドと前記封印材との距離より短い、液晶表示装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、
第1絶縁基板の上に
ゲート線及びゲートパッドを含むゲート配線
並びに前記ゲート配線と分離されている第1光遮断パターンを形成する段階と、
前記ゲート配線及び前記第1光遮断パターンを覆うゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜の上に半導体層を形成する段階と、
前記半導体層の上に抵抗性接触層を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜の上部に、前記ゲート配線と交差して画素領域をな
し、かつデータ線及びデータパッドを含むデータ配線
並びに前記データ配線と分離されている第2光遮断パターンを形成する段階と、
前記データ配線及び前記第2光遮断パターンを覆う保護膜を形成する段階と、
前記保護膜の上に画素電極を形成する段階と、
前記第1基板と対向する第2絶縁基板を前記表示領域を囲む封印材で接着する段階と、
を含み、
前記第1光遮断パターンは、前記封印材と前記ゲートパッドとの間に位置し、前記封印材と重ならないように配置されており、電気的にフローティングされており、
前記第2光遮断パターンは、前記封印材と前記データパッドとの間に位置し、前記封印材と重ならないように配置されており、電気的にフローティングされており、
前記第1光遮断パターンと前記封印材との距離は、前記第1パッドと前記封印材との距離より短く、
前記第2光遮断パターンと前記封印材との距離は、前記第2パッドと前記封印材との距離より短い、液晶表示装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
このような構造で、第2基板のブラックマトリックスで覆われない部分に第1及び第2光遮断パターンを形成して光の漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態例による液晶表示装置の平面図である。
【
図2】
図1のII−II’線に沿って切断して示した断面図である。
【
図3】
図1に示された液晶表示装置の他の平面図であって、その配線構造を示している。
【
図4】
図1に示された液晶表示装置の回路図である。
【
図5】本発明の第2実施形態例によるブラックマトリックスを備えた液晶表示装置の平面図である。
【
図6】
図5のVI−VI’線に沿って切断して示した断面図である。
【
図7】
図5に示されたブラックマトリックスの平面図である。
【
図8】本発明の第3実施形態例による液晶表示装置の平面図である。
【
図9】
図8に示された液晶表示装置の回路図である。
【
図10】本発明の第4実施形態例による液晶表示装置の平面図である。
【
図11】
図10に示された液晶表示装置の他の平面図であって、その配線構造を示している。
【
図12】
図11のXII−XII’線に沿って切断して示した断面図である。
【
図13】
図11のXIII−XIII’線に沿って切断して示した断面図である。
【
図14】
図10に示された液晶表示装置を製造する工程を順序に従って示した図面である。
【
図15】
図10に示された液晶表示装置を製造する工程を順序に従って示した図面である。
【
図16】
図10に示された液晶表示装置を製造する工程を順序に従って示した図面である。
【
図17】
図10に示された液晶表示装置を製造する工程を順序に従って示した図面である。
【
図18】
図10に示された液晶表示装置を製造する工程を順序に従って示した図面である。
【
図19】
図10に示された液晶表示装置を製造する工程を順序に従って示した図面である。
【
図20】
図10に示された液晶表示装置を製造する工程を順序に従って示した図面である。
【
図21】
図10に示された液晶表示装置を製造する工程を順序に従って示した図面である。
【
図22】本発明の第5実施形態例による液晶表示装置の平面図である。
【
図23】
図18のXIX−XIX’線に沿って切断して示した断面図である。
【
図24】
図18のXX−XX’線に沿って切断して示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態例による液晶表示装置の構造について説明する。
【0018】
図1は本発明の第1実施形態例による液晶表示装置における第1画素行の画素領域の平面図であり、
図2は
図1のII−II’線に沿って切断して示した断面図である。
【0019】
本発明による液晶表示装置は、基本的に上部基板と下部基板との間に液晶物質が注入されており、多数の画素行にかけて多数の画素領域を有している構造からなる。以下の説明は第1画素行にある一つの画素領域と関連してなされる。
【0020】
下部基板10の上には横方向にゲート線22が形成されており、ゲート線22の分枝としてゲート電極26が形成されている。第1画素行の画素電極と重なって維持容量を形成するための維持容量用ゲート線G
0がゲート線22と平行に形成されている。もちろん、第1画素行のための維持容量用電極としての機能を果すのならば、第1ゲート線をこのような維持容量用ゲート線G
0であると称することもできる。ゲート配線22、26及び維持容量用ゲート線G
0の上にはゲート絶縁膜30が形成されている。ゲート電極26の上部のゲート絶縁膜30の上には半導体層40が形成されている。また、ゲート絶縁膜30の上にはデータ線62が縦方向に形成されている。データ線62には分枝の形態にソース電極65が形成されており、ゲート電極26を中心にしてソース電極65の対向側にはドレーン電極66が形成されている。ソース電極65及びドレーン電極66は半導体層40の上に位置している。一般的にソース電極65及びドレーン電極66と半導体層40との間には、接触抵抗を減少させるための抵抗性接触層55、56が形成されている。データ配線62、65、66と同一層の画素領域の中央には光遮断パターン67が形成されている。データ配線62、65、66などの上には、ドレーン電極66を露出させる接触孔81を有する保護膜70が形成されている。保護膜70の上には、接触孔81を通じてドレーン電極66と連結される画素電極80が形成されている。画素電極80は、ITO(indium tin oxide)などの透明な物質からなる。ここで、画素電極80は隣接する2つのゲート線22と2つのデータ線62とが交差してなす領域に定義される画素領域の大部分を覆っている。
【0021】
下部基板10と対向する上部基板90の上には、光漏れを防止するために不透明な物質で形成されており、画素領域を分割しているブラックマトリックス91が形成されている。また、上部基板90の全面上には、ITOなどの透明な物質で形成された共通電極92が形成されており、カラーフィルター(図示しない)も形成されている。この時、ブラックマトリックス91やカラーフィルターは下部基板10に形成することもできる。
【0022】
以上で説明した画素構造は第1画素行の画素構造であって、画素電極80は第1画素行の維持容量用ゲート線G
0と重なっており、他の画素行の画素構造では画素電極80が前段のゲート線22と重なって維持容量を形成する。
【0023】
この時、第1画素行には光遮断パターン67が形成されているため他の画素行の画素より開口率が減少する。
【0024】
ここで、光遮断パターン67はデータ配線62、65、66と同一 の層に形成されているが、ゲート配線22、26と同一の層に形成されることもできる。
【0025】
図3に示されているように、下部基板10と上部基板90とが互いに重なり合う時、下部基板10は上部基板90より大きいため下部基板10の端部の一部は上部基板90で覆われずに露出している。露出した下部基板10の図中左側端部には、ゲート信号伝送フィルム28が連結されている。このゲート信号伝送フィルム28にはゲート駆動集積回路27が実装されており、このゲート駆動集積回路27は、ゲート線22と電気的に連結されてゲート駆動信号を出力する。下部基板10の上側端部には、データ信号伝送フィルム68が連結されている。データ信号伝送フィルム68にはデータ駆動集積回路67が実装され、このデータ駆動集積回路67は、データ線62と電気的に連結されてデータ駆動信号を出力する。また、データ信号伝送フィルム68には、液晶表示装置を駆動するための電気的信号を出力する印刷回路基板12が連結されている。一方、基板10の角部上部のゲート信号伝送フィルム28とデータ信号伝送フィルム68との間には共通電極92に共通電圧Vcomを伝達するための共通電圧用配線71、薄膜トランジスタをオンするためのオン電圧Vonが伝達されるゲートオン電圧用配線72、薄膜トランジスタをオフするためのオフ電圧Voffが伝達されるゲートオフ電圧用配線73などが形成されている。ここで、図面では示さなかったが、ゲート駆動集積回路が動作し得るようにキャリーインまたはゲートクロックなどの信号が伝達される配線などが追加的に形成されることができる。
【0026】
図3及び4に示されているように、第1画素行の維持容量用ゲート線G
0は、Voffが伝達されるように、連結部77を通じてゲートオフ電圧用配線73と連結されている。この時、共通電圧用配線71、ゲートオン電圧用配線72及びゲートオフ電圧用配線73などは維持容量用ゲート線G
0と共にゲート線22と同一の層及び物質で形成することが好ましい。また、連結部77はデータ線62または画素電極80と同一の層及び物質で形成され、保護膜70またはゲート絶縁膜30に接触孔を形成して連結部77を通じてゲートオフ電圧用配線73と維持容量用ゲート線G
0を連結させることができる。
【0027】
本発明による液晶表示装置ではゲート駆動集積回路に伝達される信号の配線71、72、73を下部基板10の上部に形成することによって、ゲート印刷回路基板とデータ印刷回路基板とを連結するコネクターを省略することができ、本発明の実施形態例のようにゲート印刷回路基板を省略しデータ印刷回路基板だけを用いることもできる。
【0028】
また、ゲート駆動集積回路27とデータ駆動集積回路67とを下部基板10の上部に直接実装することもできる。
【0029】
以上のように、第1画素行の開口率を他の行より低くすると共に、他のゲート電圧と同一の条件で第1画素行の維持容量用ゲート線にVoff電圧を印加し、他の画素行との明るさの差を補償することができる。さらに、第1行が周辺より多少暗くなることはあまり目障りにならないので光の明るさが完全に同一にならなくても画質は大きく改善される。
【0030】
この時、第1画素行の開口率は他の画素行の開口率を100%とする時、60%から80%程度が好適である。ただし、このような数値は液晶表示装置の画素の透過率又はClc、Cstなどの電気的数値に応じて多少変動する。
【0031】
以上のように液晶表示装置を製造すると、配線を簡単化しながら第1画素行と他の画素行との明るさの差を補償して画質を向上させることができる。
【0032】
一方、第1画素行の開口率を減少させるために、第1行のブラックマトリックス91の開口部を他の画素行のブラックマトリックスの開口部より小さく形成することができる。
【0033】
図5は本発明の第2実施形態例による液晶表示装置の第1画素行の画素領域の平面図であり、
図6は
図5のVI−VI’線に沿って切断して示した断面図である。
【0034】
本発明の第2実施形態例による液晶表示装置の第1画素行の画素領域も第1実施形態例と殆ど類似している。
【0035】
ただし、
図5及び
図6に示されているように、第2実施形態例による液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板の第1画素行には光遮断パターンが別途に形成されておらず、その代わりにブラックマトリックス91が他の画素行のブラックマトリックス91より広く形成されて光が透過することができる開口面93が縮小されている。
【0036】
この時、ブラックマトリックスは第1実施形態例と同様に上部基板はもちろん下部基板にも形成されることができる。
【0037】
ここで、第1画素行のブラックマトリックス91の開口部93を縮小するためにはブラックマトリックス91の開口部93においてゲート線22の長さ方向である幅は他の画素行の開口部の幅と同一に形成され、データ線62の長さ方向である長さは他の画素行の開口部の長さより小さく形成されることが好ましい。これは、画像が表示される時、ブラックマトリックス91の幅が同一の幅で形成される場合に目障りにならずに表示されるためである。このようなブラックマトリックス91の構造を図面を参照して具体的に説明する。
【0038】
図7のように、ブラックマトリックス91に形成されている大部分の開口部94はXの幅及びYの長さを有し、Sの間隔で一定に配列されている。しかし、第1画素行のブラックマトリックス91の開口部93は他の開口部94の長さYと異なってY−aの長さを有する。この時、aは開口部94に対して開口部93が60〜80%になるように調節するとよい。
【0039】
第1画素行にあるブラックマトリックス91の開口部93の幅は一定に維持し長さのみを減少させる構造はよりよい画像を産出するようにすることができる。もちろん、第1画素行にあるブラックマトリックス91の開口部93の幅及び長さを全て減少させて開口率を減少させることも可能である。
【0040】
図8及び9は本発明の第3実施形態例による液晶表示装置を図示している。
【0041】
本実施形態例による液晶表示装置は、共通電極電圧Vcomが第1画素行にある維持容量用電極G
0に印加され、第1画素行にあるブラックマトリックス91の開口幅及び長さが全て他の画素行にあるブラックマトリックス91の開口幅及び長さより小さく設定されるという点以外は、他の構造及び要素は第2実施形態例による液晶表示装置と同一である。
【0042】
図10は本発明の第4実施形態例による液晶表示装置の平面図であって、薄膜トランジスタ基板100とカラーフィルター基板110とが封印材3によって結合されている構造を示している。前記薄膜トランジスタ基板100はカラーフィルター基板110より大きいため、部分的に外部に露出している。図面符号1はカラーフィルター基板110の端部を示す。
【0043】
多数のゲート線200が横方向にのびており、ゲート線200の端にはゲートパッド230が連結されている。縦方向には多数のデータ線610がゲート線200と絶縁されて交差し、データ線610の端にはデータパッド640が連結されている。
【0044】
ゲート線200及びデータ線610で囲まれた部分がそれぞれの画素領域Pと定義され、このような画素領域Pが集まって画面を表示する表示領域Aになり、表示領域Aは封印材3に囲まれていて封印材3より内側に位置する。
【0045】
各画素領域Pには対応する色相のカラーフィルターCFが形成されている。各画素領域Pを囲むブラックマトリックスBMが画素領域Pの間の光の漏れを防止し、ブラックマトリックスBMの端部は
図10の線2で示したように対向基板110の端部内側、封印材3の外側に位置する。
【0046】
このような構造では、パッド230、640とブラックマトリックスBMとの間の領域Bで光が漏れるので、光遮断パターン250、650を配置する。光遮断パターン250、650は、各配線200、610及びパッド230、640と重ならないように配置されるが、ブラックマトリックスBMとは重なってもよい。また、光遮断パターン250、650は、封印材3とも重ならないように配置される。
【0047】
一方、カラーフィルターCF及びブラックマトリックスBMは、通常、上板110に形成されるが、下板100に形成される場合もある。
【0048】
以下、
図11乃至
図13を参照して本発明の実施形態例による液晶表示装置用基板の構造について詳細に説明する。
【0049】
図11は
図10の液晶表示装置のC部分を拡大して示した配置図であり、
図12及び
図13は
図11のXII−XII’線及びXIII−XIII’線に沿って切断して示した断面図であって、カラーフィルター及びブラックマトリックスが上板に形成された構造を示している。
【0050】
まず、薄膜トランジスタ基板の構造について詳細に説明する。
【0051】
絶縁基板100の上にアルミニウム(Al)またはアルミニウム合金(Al alloy)、モリブデン(Mo)またはモリブデン−タングステン合金(MoW)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)などの金属または導電体からなるゲート配線200、210、230及び第1光遮断パターン250が形成されている。ゲート配線は横方向にのびている多数のゲート線200、ゲート線200の分枝であるゲート電極210、ゲート線200の端に連結されて外部から走査信号の印加を受けてゲート線200に伝達するゲートパッド230を含む。
【0052】
ゲート配線200、210、230及び第1光遮断パターン250は、単一層で形成してもよいが、二重層以上で形成してもよい。この時、一つの層は抵抗の小さい物質で形成し、他の層は他の物質との接触特性が良い物質で形成することが好ましい。その例としてクロム及びアルミニウムの二重層やアルミニウム及びモリブデンの二重層をあげることができる。
【0053】
ゲート配線200、210、230及び第1光遮断パターン250は、窒化ケイ素などからなるゲート絶縁膜300で覆われている。
【0054】
ゲート絶縁膜300の上には非晶質ケイ素などの半導体からなる半導体層410が形成されている。燐(P)のようなn型不純物がドーピングされている半導体層410の上には、抵抗性接触層520、530がゲート電極210を中心にして両側に分離されて形成されている。抵抗性接触層520、530は、非晶質ケイ素などの半導体から形成されている。
【0055】
抵抗性接触層520、530及びゲート絶縁膜300の上には、アルミニウム、アルミニウム合金、モリブデン、モリブデン−タングステン合金、クロム、タンタルなどの金属または導電体からなるデータ配線610、620、630、640及び第2光遮断パターン650が形成されている。データ配線は縦方向にのびている多数のデータ線610、データ線610の分枝であるソース電極620、ゲート電極210を中心にしてソース電極620と対向するドレーン電極630、データ線610に連結されて外部から画像信号の印加を受けてデータ線610に伝達するデータパッド640を含む。
【0056】
第2光遮断パターン650はゲートパッド230と表示領域Aとの間、隣接するゲート線200の間に位置しており、ゲート線200及びゲートパッド230と重ならない。一方、第1光遮断パターン250はデータパッド640と表示領域Aとの間、隣接するデータ線610の間に位置しており、データ線610及びデータパッド640と重ならない。
【0057】
データ配線620、620、630、640及び第2光遮断パターン650もゲート配線200、210、230と同様に単一層または二重層以上に形成することができる。
【0058】
データ配線610、620、630、640及び第2光遮断パターン650、半導体層410、ゲート絶縁膜300の上には、窒化ケイ素などからなる保護膜700が形成されている。保護膜700は、ゲート絶縁膜300と共にゲートパッド230を露出させる接触孔730を有している。また、保護膜700は、データパッド640を露出させる接触孔740とドレーン電極630を露出させる接触孔720とを有している。
【0059】
保護膜700の上には、ITOなどの透明または不透明な導電物質からなる画素電極820及び補助ゲートパッド830、補助データパッド840が形成されている。
【0060】
画素電極820は接触孔720を通じてドレーン電極630と連結されている。補助ゲートパッド830及び補助データパッド840は、接触孔730、740を通じてゲートパッド230及びデータパッド640とそれぞれ連結されている。これらはパッド230、640と外部回路装置との接着性を補完し、パッド230、640を保護する役割を果たす。
【0061】
保護膜700及び画素電極820の上には配向膜900が形成されている。配向膜900は液晶分子の配列のためにラビング方法又は紫外線などを照射する光配向法で表面処理することができる。
【0062】
以下、上板、即ち、カラーフィルター基板について説明する。
【0063】
透明な絶縁基板110の上にブラックマトリックス710が形成されており、ブラックマトリックス710の間にはカラーフィルター750が形成されている。
【0064】
ブラックマトリックス710及びカラーフィルター750の上にはITOのような透明導電物質からなる共通電極810が形成されており、共通電極810の上には配向膜910が形成されている。
【0065】
このような薄膜トランジスタ基板とカラーフィルター基板とは封印材3によって接着されており、その間の空間には液晶(LC)が注入されている。
【0066】
図10乃至
図13において、カラーフィルター基板の端部を示す線が線1であり、ブラックマトリックス710の外側の端部を示す線が線2である。封印材3は表示領域Aの外側に位置し、線2は線1と封印材3との間に位置している。
【0067】
ここで、第1光遮断パターン250及び第2光遮断パターン650はそれぞれデータ線610及びゲート線200と重ならないようにしなければならず、このために整列誤差を考慮した最小限の間隔a、eをおいている(
図11参照)。また、第1及び第2光遮断パターン250、650は、パッド640、230に付着されるTCP(tape carrier package)とも重ならないようにしなければならないので、整列誤差を考慮してパッド230、640と充分な間隔b、fをおく(
図11参照)。また、第1及び第2光遮断パターン250、650は、封印材3と重ならないように整列誤差を考慮した間隔c、gをおいており(
図11、12参照)、ブラックマトリックス710とは間隙がないことが好ましいので整列誤差を考慮した間隔d、hだけ重なる(
図11、12参照)。
【0068】
ここで、第1及び第2光遮断パターン250、650が配線610、200と重ならないようにすることは、これらが重なる場合短絡する可能性があるためである。また、封印材3と重ならないようにする理由は、重なる場合封印材3の圧搾時に加える圧力によって発生する短絡を防止するためである。ここで、光遮断パターン250、650と配線610、200との間で光の漏れが発生する可能性があるが少量であるので無視することができる。
【0069】
共通電極及び画素電極が薄膜トランジスタ基板に形成されている平面駆動(IPS;in-plane switching)方式又は薄膜トランジスタがなく縞模様電極(または信号線)が2つの基板のそれぞれに交差するように形成されているSTN(super twisted nematic)方式にも、このような光遮断パターン250、650を適用することができる。
【0070】
以下、本発明の実施形態例による薄膜トランジスタ基板の製造方法について
図14乃至
図21、前述の
図11乃至
図13に基づいて説明する。
【0071】
図14乃至
図21は
図12及び
図13に示された薄膜トランジスタ基板を製造する段階を工程順序に沿って示した断面図である。
【0072】
まず、
図14及び
図15のように、絶縁基板100の上にゲート配線用導電体層を蒸着し第1写真エッチング工程でパターニングしてゲート配線200、210、230及び第1光遮断パターン250を形成する。
【0073】
その次に、
図16及び
図17のように、ゲート絶縁膜300、半導体層410及び抵抗性接触層510を順次に蒸着し、上部の二つの層を第2写真エッチング工程でパターニングする。
【0074】
その次に、
図18及び
図19のように、データ配線用導電体層を蒸着し、第3写真エッチング工程でパターニングして、データ配線610、620、630、640及び第2光遮断パターン650を形成する。その次に、ソース電極620及びドレーン電極630の間に露出された抵抗性接触層510を除去して二つの部分520、530に分離し、半導体層410を露出させる。
【0075】
その次に、
図20及び
図21のように、保護膜700を蒸着し、第4写真エッチング工程でパターニングして、接触孔720、730、740を形成する。
【0076】
その次に、
図12及び
図13のように、導電物質を蒸着し、第5写真エッチング工程でパターニングして、画素電極820及び補助ゲートパッド830、補助データパッド840を形成する。その次に、配向膜900を形成する。配向膜900は、封印材3と重なることもあり重ならないこともあるが、重なる場合には封印材3の幅の1/5の分だけ重なるように形成する。
【0077】
このように完成した薄膜トランジスタ基板を封印材3でカラーフィルター基板と接着させ、その間の空間に液晶(LC)を注入する。
【0078】
液晶を注入した後には、液晶表示装置を駆動するための駆動半導体素子を実装する。先ず、液晶表示装置の薄膜トランジスタ基板には、補助パッド830、840を覆う異方性導電膜(ACF;anisotropic conducting film)(図示しない)を形成し、駆動半導体素子が実装されているTCPを整列した後に熱圧搾する。これによって、薄膜トランジスタ基板の補助パッド830、840とTCP電極とが異方性導電膜内の導電球によって互いに導通するようになる。この時、前述のように光遮断パターン250、650がパッド230、640と充分な間隔b、fをおいて分離されているので、熱圧搾時にも導電球による光遮断パターン250、650と補助パッド830、840の短絡が発生しない。
【0079】
このように本実施形態例では薄膜トランジスタ基板を5度の写真エッチング工程で製造するが、4度の写真エッチング工程で製造することもできる。
【0080】
図22乃至
図24は本発明の第5実施形態例による液晶表示装置を示している。本実施形態例による液晶表示装置の構造及び要素は第4実施形態例による液晶表示装置の構造及び要素と類似している。但し、データ配線610、620、630、640及び第2光遮断パターン650の下部に抵抗性接触層520、530、550及び半導体層410、450が位置している。抵抗性接触層520、530、550の形態は、データ配線610、620、630、640及び第2光遮断パターン650の形態と同一である。半導体層410、450の形態は、薄膜トランジスタのチャンネル部、即ち、ソース電極620とドレーン電極630との間部分以外はデータ配線610、620、630、640及び第2光遮断パターン650の形態と同一である。
【0081】
以下、4度の写真エッチング工程を利用した薄膜トランジスタ基板の製造方法について簡略に説明する。
【0082】
まず、絶縁基板100の上にゲート配線用導電体層を蒸着し、第1写真エッチングを実施して、ゲート配線200、210、230及び第1光遮断パターン250を形成する。その次に、ゲート配線200、210、230及び第1光遮断パターン250を覆うゲート絶縁膜300を蒸着し、半導体層、抵抗性接触層及びデータ配線用導電体層を順次に蒸着する。その後、第2写真エッチングで前記3つの層をパターニングし、データ配線610、620、630、640、第2光遮断パターン650及びその下部層を形成する。これについて詳しく説明すると、先ず、導電体層上に感光膜を塗布し、位置に応じて光の透過率が異なるマスクを使用して感光膜パターン(図示しない)を形成する。感光膜パターンのうちのソース電極620とドレーン電極630との間に位置した感光膜パターンは、データ配線610、620、630、640及び第2光遮断パターン650が形成される部分に位置した感光膜パターンより厚さが薄く、その他の部分の感光膜は厚さがなかったり他の部分より薄い。その次に、その他の部分の露出されている導電体層を除去してその下部の抵抗性接触層を露出させる。この時、その他の部分に薄い感光膜が残っている場合には、導電体層を除去する前に感光膜を先ず除去する。その次に、その他の部分の露出された抵抗性接触層及びその下部の半導体層を、ソース電極620とドレーン電極630との間の感光膜パターンと共にエッチングする。これによって、ソース及びドレーン電極が形成される導電体層、分離されない抵抗性接触層520、530、550、及びその下部の半導体層410、450が形成される。この時、その他の部分の抵抗性接触層及び半導体層が完全に除去されてその下部のゲート絶縁膜が露出されることができるが、半導体層が多少残っていることもある。その次に、ソース及びドレーン電極620、630の間の導電体層とその下部の抵抗性接触層をエッチングして分離し、半導体層410を露出させる。その他の部分に半導体層が残っている場合には除去する。これによって、データ配線610、620、630、640及び第2光遮断パターン650を完成した後、その上に残っている感光膜を除去する。その次に、保護膜700を蒸着した後、第3写真エッチングを実施して接触孔720、730、740を形成する。その次に、ITOのような透明な導電物質を蒸着した後、第4写真エッチングを実施して画素電極820及び補助ゲートパッド830、補助データパッド840を形成する。その次に、配向膜900を形成する。
【0083】
以上のように、本発明では光遮断パターンを形成することによって光の漏れを防止することができ、光遮断パターンを配線、パッド、封印材と一定の間隔をおいて形成することによって光遮断パターンと配線の短絡を防止することができる。