(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記羽根車および前記ゴミかごは、共通の鉛直軸上に直列的に配置され、かつ前記鉛直軸まわりに回転自在に支持されており、前記第一磁石と前記第二磁石とは前記羽根車の径方向において互いに対向している
請求項1または2に記載のゴミ脱水システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴミかごを回転させる給水と、シンクから排出される排水との接触を規制できることが望まれている。例えば、給水と排水との接触を未然に規制することができれば、給水系統に対する排水の混入を抑制するバキュームブレーカー等の機構を省略することができる。
【0005】
本発明の目的は、ゴミかごを回転させる給水と、排水との接触を規制できるゴミ脱水システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゴミ脱水システムは、シンクの底部に対してシンク開口部が形成されている排水容器と、かご開口部と脱水孔とを有し、前記排水容器に着脱可能に収納されるゴミかごと、
前記ゴミかごの底部に配置された軸受部材と、前記軸受部材の下面の中央部に形成された凹形状の軸受部と、前記軸受部材の下面に前記ゴミかごと同軸上に接続され、前記ゴミかごと一体回転する
円筒形状の第一磁石と、前記第一磁石
の外周面と径方向に対向して配置され、かつ羽根車と接続されて前記羽根車と一体回転する第二磁石と、前記第二磁石および前記羽根車を前記第一磁石に対して隔離し、かつ前記羽根車側に水路を形成する隔離部材と、前記水路に水を供給する給水路と、
前記隔離部材によって下部が支持されて鉛直方向に延在し、かつ前記第一磁石の軸部の貫通孔および前記軸受部に挿入され、前記ゴミかごを回転自在に支持する軸部材と、を備え、前記羽根車および前記第二磁石は、前記水路内の水流によって回転し、前記ゴミかごは、前記第一磁石と前記第二磁石との間に作用する磁力によって前記羽根車の回転と連動して回転することを特徴とする。
【0007】
上記ゴミ脱水システムにおいて、更に、前記シンクに吐水する水栓を備え、前記給水路は、前記水路を介して前記水栓に水を供給することが好ましい。
【0008】
上記ゴミ脱水システムにおいて、前記羽根車および前記ゴミかごは、共通の鉛直軸上に直列的に配置され、かつ前記鉛直軸まわりに回転自在に支持されており、前記第一磁石と前記第二磁石とは前記羽根車の径方向において互いに対向していることが好ましい。
【0009】
上記ゴミ脱水システムにおいて、更に、前記排水容器によって支持されて前記ゴミかごを支持し、前記ゴミかごの径方向の移動を規制する支持部材を備えることが好ましい。
【0010】
上記ゴミ脱水システムにおいて、前記支持部材は、軸受あるいはブッシュを介して前記ゴミかごを径方向外側から支持することが好ましい。
【0011】
上記ゴミ脱水システムにおいて、前記支持部材は、前記シンクの底部よりも鉛直方向上側に突出する把手部を有することが好ましい。
【0012】
上記ゴミ脱水システムにおいて、更に、前記シンク開口部に係合する蓋を備え、前記蓋は、前記シンクの水を前記ゴミかご内に導く状態と、前記シンクの水を前記ゴミかご内を介さずに前記排水容器に導く状態とに切り替え可能であることが好ましい。
【0013】
上記ゴミ脱水システムにおいて、前記蓋は、前記シンク開口部に係合する蓋本体と、前記蓋本体に形成され、前記シンクと前記ゴミかご内とを連通する第一開口部と、前記蓋本体に形成され、前記シンクと前記排水容器における前記ゴミかごの外部とを連通する第二開口部と、前記第一開口部に係合して前記第一開口部を閉塞する内蓋と、を有し、前記シンクの水を前記ゴミかご内に導く状態とは、前記第一開口部が開放された状態であり、前記シンクの水を前記ゴミかご内を介さずに前記排水容器に導く状態とは、前記内蓋によって前記第一開口部が閉塞されている状態であることが好ましい。
【0014】
上記ゴミ脱水システムにおいて、前記排水容器は、互いに異なる鉛直方向の位置で前記支持部材を支持する複数の支持部を有し、前記支持部が前記支持部材を支持する鉛直方向の位置に応じて、前記シンクの水を前記ゴミかご内に導く状態と、前記シンクの水を前記ゴミかご内を介さずに前記排水容器に導く状態とが切り替わることが好ましい。
【0015】
上記ゴミ脱水システムにおいて、更に、前記シンク開口部を閉塞可能であり、かつ前記シンク開口部を閉塞した状態で前記シンクと前記ゴミかご内とを連通する開口部を有する蓋を備え、前記蓋は、前記支持部材によって支持され、前記支持部が前記支持部材を支持する鉛直方向の位置に応じて前記排水容器に対して鉛直方向に相対移動することで前記シンク開口部を閉塞あるいは開放し、前記シンクの水を前記ゴミかご内に導く状態とは、前記蓋が前記シンク開口部を閉塞した状態であり、前記シンクの水を前記ゴミかご内を介さずに前記排水容器に導く状態とは、前記蓋が前記シンク開口部を開放して、前記シンクの水が前記ゴミかごと前記排水容器との隙間に流入する状態であることが好ましい。
【0016】
上記ゴミ脱水システムにおいて、前記支持部材と前記ゴミかごとは、前記ゴミかごの軸方向に相対移動可能であり、前記支持部材は、前記支持部が前記支持部材を支持する鉛直方向の位置に応じて前記ゴミかごに対して前記軸方向に相対移動し、前記ゴミかごと係合して前記ゴミかごの回転を規制する状態と前記ゴミかごと係合しない状態とに切り替わることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るゴミ脱水システムは、
ゴミかごの底部に配置された軸受部材と、軸受部材の下面の中央部に形成された凹形状の軸受部と、軸受部材の下面にゴミかごと同軸上に接続され、ゴミかごと一体回転する
円筒形状の第一磁石と、第一磁石
の外周面と径方向に対向して配置され、かつ羽根車と接続されて羽根車と一体回転する第二磁石と、第二磁石および羽根車を第一磁石に対して隔離し、かつ羽根車側に水路を形成する隔離部材と、水路に水を供給する給水路と、
隔離部材によって下部が支持されて鉛直方向に延在し、かつ第一磁石の軸部の貫通孔および軸受部に挿入され、ゴミかごを回転自在に支持する軸部材と、を備える。羽根車および第二磁石は、水路内の水流によって回転し、ゴミかごは、第一磁石と第二磁石との間に作用する磁力によって羽根車の回転と連動して回転する。よって、本発明に係るゴミ脱水システムによれば、ゴミかごを回転させる給水と、排水との接触を規制できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施形態に係るゴミ脱水システムにつき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0020】
[第1実施形態]
図1から
図4を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、ゴミ脱水システムに関する。
図1は、実施形態に係るゴミ脱水システム1−1を備えるキッチンシステムの概略構成を示す図、
図2は、第1実施形態に係るゴミ脱水システム1−1を示す斜視図、
図3は、第1実施形態に係るゴミ脱水システム1−1の要部断面図、
図4は、第1実施形態に係る磁石の配置の一例を示す断面図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係るゴミ脱水システム1−1は、キッチンシステム100に設けられるものである。キッチンシステム100は、本体101、シンク102、給水管103、配管104、排水管105、キッチン水栓106、排水容器2、ゴミかご3および底部容器4を備える。
図3に示すように、本実施形態のゴミ脱水システム1−1は、排水容器2、ゴミかご3、かご開口部32、脱水孔34、第一磁石35、第二磁石36、隔離部材5を備える。ゴミ脱水システム1−1は、更に、
図1に示す配管104を備える。
【0022】
配管104は、給水管103から底部容器4内を経由してキッチン水栓106に上水を供給するものである。配管104は、給水管103と底部容器4とを接続する第一配管104aと、底部容器4とキッチン水栓106とを接続する第二配管104bとを有する。キッチン水栓106は、ユーザーの操作によって、シンク102に吐水する開状態と、吐水を行わない閉状態とに切り替えられる水栓である。
【0023】
排水容器2は、有底円筒形状であり、シンク102の底部102aよりも鉛直方向の下側に形成されている。本明細書では、特に記載しない場合、「上下方向」とは鉛直方向における上下方向を示すものとする。排水容器2は、例えば、中心軸線が鉛直方向に延在するように配置される。排水容器2には、シンク102側にシンク開口部22が形成されている。シンク開口部22は、シンク102の底部102aに対して形成されており、鉛直方向上側に向けて開口する開口部である。シンク開口部22は、シンク102の底部102aと同一平面で開口するように形成されている。シンク102内の排水はシンク開口部22を介して排水容器2に流入する。
【0024】
排水容器2には、排水管105が接続されている。排水容器2内の排水は、排水管105を介して排出される。
図2に示すように、排水容器2は、排水管接続部27を備える。排水管接続部27は、排水容器2の下部に形成されており、排水容器2の内部と外部とを連通している。排水管105は、排水管接続部27に接続される。
【0025】
図2に示すように、排水容器2は、下部フランジ部24および上部フランジ部25を有する。上部フランジ部25は、排水容器2におけるシンク開口部側の端部に形成されている。上部フランジ部25は、シンク102の底部102aと連続した面を形成する。下部フランジ部24は、上部フランジ部25よりも底部側に形成されている。下部フランジ部24は、排水容器2の内壁面に形成されている。下部フランジ部24は、底部側よりもシンク開口部側が径方向の外側に張り出すように屈曲した段差部である。言い換えると、下部フランジ部24は、シンク開口部側を向く円環形状の面である。
【0026】
排水容器2の底部には、隔離部材5を介して底部容器4が接続されている。
図3に示すように、排水容器2の底部21の中心部には、開口部が形成されており、隔離部材5は、この開口部を閉塞している。底部容器4は、有底円筒形状であり、シンク開口部側に向けて開口している。底部容器4は、隔離部材5の底部側に接続されており、隔壁部材5によって排水容器2の内部空間、すなわち排水領域28と隔離されている。排水領域28は、排水容器2内におけるシンク開口部22と排水管接続部27とを接続する空間部である。ゴミかご3は、排水領域28に着脱可能に収納される。具体的には、ゴミかご3の外径は、シンク開口部22の内径よりも小径である。これにより、ユーザーは、排水容器2のシンク開口部22を介してゴミかご3を排水容器2に挿入可能であると共に、排水容器2内に収納されたゴミかご3を取り出すことができる。
【0027】
図3に示すように、排水領域28の下部には、軸部材23が配置されている。軸部材23は、円柱形状であり、鉛直方向に延在している。軸部材23の下部は、隔離部材5によって支持されている。
【0028】
ゴミかご3は、有底円筒形状である。ゴミかご3は、かご開口部32、軸受部材33および脱水孔34を有する。かご開口部32は、ゴミかご3における底部側と反対側、すなわちシンク開口部側に形成されている。かご開口部32は、排水領域28に収納された状態でシンク開口部側に向けて開口する。軸受部材33は、ゴミかご3の底部31に配置されている。軸受部材33は、ゴミかご3の底部31に対して鉛直方向下側に向けて突出している。軸受部材33の下面には、軸部材23に対応する軸受部33aが形成されている。軸受部33aは、軸受部材33の下面の中央部に形成された凹部である。ゴミかご3は、軸受部33aにおいて軸部材23によって支持されて鉛直軸まわりに自在に回転することができる。
【0029】
軸受部材33には、第一磁石35が接続されている。第一磁石35は、円筒形状をなしており、軸受部材33の下面に接続されている。ゴミかご3と第一磁石35とは、軸受部材33を介して連結されており、ゴミかご3、軸受部材33および第一磁石35は一体回転する。第一磁石35は、ゴミかご3の回転軸まわりに配置されている。より具体的には、第一磁石35は、ゴミかご3の回転軸である中心軸線と同軸上に配置されている。軸部材23は、第一磁石35の軸部に形成された貫通孔に対して鉛直方向下側から挿入され、次いで軸受部33aに挿入されている。隔離部材5における径方向の中心部には、底部側に向けて突出する突出部5aが形成されている。突出部5aは、有底円筒形状であり、第一磁石35はこの突出部5aに収納されている。
【0030】
脱水孔34は、ゴミかご3内の水を排水容器2の排水領域28に排出するものである。脱水孔34は、ゴミかご3に複数形成されている。脱水孔34は、ゴミかご3の底部31や側壁部に配置されており、内壁面から外壁面まで貫通して形成されている。なお、脱水孔34の形状や配置、ゴミかご3が有する脱水孔34の数は、適宜定めることができる。
【0031】
底部容器4内には、水路41が形成されている。水路41は、隔離部材5によって排水容器2の排水領域28と仕切られており、排水領域28から隔離されている。言い換えると、排水領域28と水路41とは隔離部材5によって縁切りされている。
図2に示すように、底部容器4は、入口側接続部42および出口側接続部43を有する。入口側接続部42および出口側接続部43は、それぞれ底部容器4内の水路41と底部容器4の外部とを連通している。入口側接続部42には、第一配管104aが接続され、出口側接続部43には第二配管104bが接続される。水路41には、第一配管104aから入口側接続部42を介して上水が流入する。また、水路41の水は、出口側接続部43を介して第二配管104bに流出する。つまり、第一配管104aは、水路41に水を供給する給水路であり、第二配管104bは、キッチン水栓106に水を供給する給水路である。
【0032】
入口側接続部42は、出口側接続部43よりもシンク開口部側、すなわち鉛直方向上側に配置されている。つまり、水路41は、上部から水が流入し、下部から水が流出する。入口側接続部42は、水路41に周方向の水流を発生させることができるように形成されている。具体的には、入口側接続部42は、底部容器4の接線方向に延在している。出口側接続部43は、水路41の水を水流に沿って第二配管104bに導く方向に延在している。これにより、出口側接続部43は、水路41の水流の勢いを低下させずに第二配管104bに水を流出させることができる。
【0033】
図3に示すように、水路41には、羽根車6が配置されている。羽根車6は、軸部6a、筒状部6bおよび羽根6cを有する。軸部6aは、円柱形状であり、底部容器4の軸受部44によって支持されている。軸受部44は、底部容器4の底面に形成された凹部である。軸部6aは、その下端側が軸受部44に挿入されて軸受部44によって鉛直軸まわりに回転自在に支持されている。また、軸受部44の内径は、軸部6aの外径と対応しており、軸部6aが軸受部44の中心軸線に対して傾斜することが抑制される。
【0034】
なお、軸部6aと軸部材23とは鉛直方向の同一の軸線上に直列の位置関係で配置されている。つまり、羽根車6およびゴミかご3は、共通の鉛直軸上に直列的に配置され、かつ当該鉛直軸まわりに回転自在に支持されている。
【0035】
筒状部6bは、軸部6aの上部に配置されている。筒状部6bは、軸部6aと一体回転するように軸部6aと連結されている。筒状部6bは、底部側からシンク開口部側へ向かうに従い径が拡大するテーパ形状である。筒状部6bは、シンク開口部側が開口しており、隔離部材5の突出部5aの先端は筒状部6bに挿入されている。
【0036】
第二磁石36は、筒状部6bのシンク開口部側に接続されており、羽根車6と一体回転する。第二磁石36は、筒状部6bおよび軸部6aと一体回転する。第二磁石36は、円筒形状であり、隔離部材5の突出部5aを挟んで第一磁石35と互いに対向している。より具体的には、第二磁石36の内周面と、第一磁石35の外周面とは、突出部5aの側壁部を挟んで羽根車6の径方向において互いに対向している。このように、隔離部材5は、第二磁石36および羽根車6を第一磁石35に対して隔離し、かつ第二磁石36および羽根車6側に水路41を形成している。
【0037】
図4には、第一磁石35および第二磁石36における中心軸線(鉛直軸)と直交する断面が示されている。第一磁石35および第二磁石36は、それぞれ周方向にS極とN極が交互に配置されている。本実施形態では、第一磁石35および第二磁石36は、それぞれ4つのS極および4つのN極を有しており、各S極と各N極とが均等にかつ交互に配置されている。従って、第一磁石35および第二磁石36には、
図4に示す状態、すなわち一方のS極と他方のN極とが径方向において互いに対向する状態を維持するように磁力による回転方向の力が作用する。本実施形態では、第一磁石35と第二磁石36とが径方向において対向して配置されている。これにより、軸方向のサイズが大きくなることが抑制されている。
【0038】
図3に戻り、羽根6cは、筒状部6bの外周面に複数配置されている。羽根6cは、例えば、筒状部6bと一体成形されており、筒状部6bと一体回転する。羽根6cは、筒状部6bの周方向に所定の間隔で連続的に配置されている。羽根6cは、筒状部6bに対して径方向外側に突出している。キッチン水栓106が開かれると、第一排水管104a、水路41および第二水路104bを介してキッチン水栓106に上水が供給される。このときに、第一配管104aから水路41に流入する水によって水路41内に周方向の水流が発生し、この水流が羽根6cに対して周方向の力を作用させる。水流から受ける力によって、羽根6c、軸部6a、筒状部6bおよび第二磁石36は一体回転する。また、第二磁石36と第一磁石35との間に作用する磁力は、第一磁石35を回転駆動する力として作用し、第一磁石35およびゴミかご3を回転させる。つまり、ゴミかご3は、第一磁石35と第二磁石36との間に作用する磁力によって第二磁石36の回転と連動して回転する。
【0039】
従って、本実施形態のゴミ脱水システム1−1は、キッチン水栓106の吐水と連動してゴミかご3を回転させることができる。ゴミかご3が回転すると、ゴミかご3内のゴミに対して遠心力が作用する。ゴミは、遠心力によってゴミかご3の内壁面に押しつけられ、ゴミの水分が複数の脱水孔34を介して排水容器2に排出されてゴミが脱水される。よって、本実施形態のゴミ脱水システム1−1は、キッチン水栓106が吐水する際にゴミかご3を回転させ、シンク102からゴミかご3に流入したゴミを脱水することができる。
【0040】
本実施形態のゴミ脱水システム1−1では、水路41が排水領域28と縁切りされており、ゴミかご3を回転させる給水と、シンク102から排出される排水との接触が規制されている。従って、排水と上水とをクロスコネクションさせることなく上水の水流を動力としてゴミかご3のごみの水切りを行うことができる。上水の水路41と排水領域28とが空間的に隔離されているため、上水への排水の混入を抑制するためのバキュームブレーカー等を省略することができる。よって、キッチンシステム100のコスト低減や意匠性の向上を図ることができる。
【0041】
また、本実施形態のゴミ脱水システム1−1によれば、ユーザーが特別な操作をすることなくキッチン水栓106の吐水時にゴミかご3内のゴミを自動的に脱水することができるため、利便性が向上する。また、キッチン水栓106が開かれて吐水がなされる度にゴミかご3が回転し、遠心力によってゴミかご3内のゴミが内壁面(側壁側)に押しつけられる。よって、ゴミかご3の底部31にゴミが堆積することが抑制され、底部31に形成された脱水孔34を介した排水がスムーズに行われる。
【0042】
また、本実施形態のゴミ脱水システム1−1は、キッチン水栓106の吐水量に応じた回転速度でゴミかご3を回転させることができる。吐水量に応じて水路41を流れる水の流量が増減することで、ゴミかご3の回転速度が増減する。よって、キッチン水栓106の吐水量が多く、ゴミかご3に流入する水の流量が多い場合にはゴミかご3の回転速度が大きくなり、効率的にゴミかご3内のゴミを脱水することができる。
【0043】
なお、本実施形態では、水路41に水を供給する配管104が、キッチン水栓106に水を供給するものであったが、これに限定されるものではない。また、ゴミかご3の形態は、本実施形態で示したものに限定されるものではなく、かご開口部および脱水孔を有する様々な形態のゴミかご3を適用可能である。
【0044】
また、本実施形態では、第一磁石35と第二磁石36とが羽根車6の径方向において互いに対向していたが、磁石35,36が対向する方向はこれに限定されるものではない。例えば、第一磁石35と第二磁石36とが羽根車6の軸方向において互いに対向していてもよい。
【0045】
[第2実施形態]
図5および
図6を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図5は、第2実施形態に係るゴミ脱水システム1−2を示す斜視図、
図6は、第2実施形態に係るゴミ脱水システム1−2の要部断面図である。本実施形態のゴミ脱水システム1−2において、上記第1実施形態のゴミ脱水システム1−1と異なる点は、ゴミかご3の位置合せをする支持部材7を備える点である。支持部材7は、羽根車6の中心軸線に対するゴミかご3の径方向のブレを低減し、水切り効率を向上させることができる。
【0046】
図5および
図6に示すように、支持部材7は、ゴミかご3の断面形状に対応して湾曲した板状の部材である。支持部材7は、把手部7a、本体部7bおよび支持部7cを有する。本体部7bは、ゴミかご3の外壁面に沿って延在している。本体部7bは、ゴミかご3の鉛直方向の断面形状に対応して鉛直方向下側に突出する形状に湾曲しており、ゴミかご3の外壁面と互いに対向している。
【0047】
本体部7bは、排水容器2の下部フランジ部24に係止する係止部7dを有する。係止部7dは、本体部7bの両端に形成されている。係止部7dは、略U字形状に湾曲した本体部7bの両端をゴミかご3の径方向外側に向けて屈曲させたものであり、本体部7bの他の部分よりも径方向外側に突出した突出部である。支持部材7は、係止部7dが下部フランジ部24に係止することにより排水容器2によって支持される。また、係止部7dは、排水容器2と径方向において当接することで支持部材7のブレを規制する。本体部7bの両端の係止部7d,7dは、それぞれ排水容器2の内壁面における上部フランジ部25と下部フランジ部24との間の壁面26に当接している。これにより、支持部材7が排水容器2の径方向に移動することが規制される。よって、支持部材7はゴミかご3の位置決めを行うと共にゴミかご3の回転軸のブレを抑制することができる。
【0048】
支持部7cは、軸受部材33を径方向外側から支持するものである。支持部7cは、本体部7bと接続されており、本体部7bによって支持されている。支持部7cは、円筒形状であり、支持部7cの内周面がベアリング7eを介して軸受部材33を回転自在に支持している。
【0049】
ゴミかご3は、軸受部材33の外周面が支持部材7によって径方向に支持されることで、鉛直軸に対して傾斜することが抑制されている。また、支持部材7によって径方向の位置決めがなされることで、ゴミかご3の中心軸線が羽根車6の中心軸線に対して偏心することが抑制されている。つまり、支持部材7は、ゴミかご3を支持し、ゴミかご3の径方向の移動を規制している。
【0050】
よって、本実施形態のゴミ脱水システム1−2によれば、ゴミかご3が排水容器2内の適正な位置に配置され、かつゴミかご3の径方向のブレが抑制されることで水切り効率を向上させることができる。支持部材7の本体部7bは、下方に向けて湾曲しており、かつ鉛直方向上側に向かうに従い径方向外側に広がるテーパ形状である。従って、ユーザーがゴミかご3を排水容器2に挿入開始するときに、本体部7bと排水容器2の内壁面との間には十分な隙間があることで挿入が容易である。また、支持部材7が排水容器2に深く挿入されるに従い、本体部7bと排水容器2の内壁面との径方向の隙間が小さくなり、ゴミかご3が軸部材23に対して位置決めされる。つまり、本体部7bは、ゴミかご3の軸受部33を軸部材23に対して位置決めする案内部として機能する。
【0051】
また、本実施形態のゴミ脱水システム1−2は、支持部材7が把手部7aを有することで、ユーザーが容易にゴミかご3を脱着することができる。把手部7aは、上部フランジ部25よりも鉛直方向の上側に突出している。つまり、把手部7aは、シンク102の底部102aよりも鉛直方向の上側に突出している。これにより、ユーザーは、シンク102の底部102aや排水容器2、ゴミかご3に手を触れずにゴミかご3を排水容器2の排水領域28に脱着することができる。また、取り出したゴミかご3に手を触れずに内部のゴミを処理することができる。
【0052】
なお、本実施形態では、本体部7bの一方側に把手部7aが設けられたが、これに代えて、本体部7bの両側に把手部7aが設けられてもよい。また、本実施形態では、支持部7cがベアリング7eを介して軸受部材33を支持したが、これに限定されるものではない。支持部7cは、例えば、ブッシュを介して軸受部材33を支持するようにしてもよい。すなわち、支持部7cは、摩擦抵抗を低減させる摩擦低減機構を介してゴミかご3や第一磁石35を径方向において支持することが好ましい。
【0053】
本実施形態の支持部材7は、排水容器2の下部フランジ部24に係止するものであったが、これに限定されるものではない。支持部材7は、ゴミかご3の径方向のブレを抑制できるように、あるいは軸部材23に対してゴミかご3を適切に配置することができるように、排水容器2に対して設置可能なものであればよい。
【0054】
[第3実施形態]
図7から
図11を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図7は、本実施形態に係るゴミ脱水システム1−3を示す断面図、
図8は、本実施形態に係る排水容器2の蓋を示す斜視図、
図9は、中央開口部を開放した状態の蓋を示す斜視図、
図10は、中央開口部を閉塞した状態の蓋を示す断面図、
図11は、中央開口部を閉塞した状態の蓋を示す斜視図である。
【0055】
本実施形態のゴミ脱水システム1−3において、上記各実施形態のゴミ脱水システム1−1,1−2と異なる点は、シンク102の水をゴミかご3に導く状態と、シンク102の水をゴミかご3を介さずに排水容器2に導く状態とに切替え可能な蓋8を備える点である。
【0056】
本実施形態のゴミ脱水システム1−3は、上記第2実施形態のゴミ脱水システム1−2と同様に、支持部材7を備えている。蓋8は、蓋本体81および内蓋82を有する。蓋本体81は、排水容器2のシンク開口部22に係合してシンク開口部22を閉塞するものである。蓋本体81は、上部プレート83、下部プレート84、柱状部85および側壁部86を有する。上部プレート83は、蓋本体81が排水容器2に係合した状態で下部プレート84よりも鉛直方向上側、すなわちシンク開口部側に位置する。蓋本体81は、互いに対向する2枚の円環状のプレート83,84が柱状部85によって隙間をあけて接続されている。側壁部86は、円筒形状であり、上部プレート83の縁部に接続されている。側壁部86は、上部プレート83から下部プレート84に向けて延在している。
【0057】
下部プレート84の外径は、側壁部86の内径よりも小さく、下部プレート84の縁部と側壁部86とは径方向において離間している。下部プレート84と側壁部86との径方向の隙間88は、シンク102と排水容器2におけるゴミかご3の外部とを連通する開口部である。
【0058】
蓋本体81は、側壁部86が排水容器2のシンク開口部22に係合することで排水容器2を閉塞する。蓋本体81は、側壁部86の下端が排水容器2の下部フランジ部24に当接することで排水容器2によって支持される。また、蓋本体81は、側壁部86の下端が下部フランジ部24に当接した状態で、上部プレート83と排水容器2の上部フランジ部25とが連続した面を形成する。
【0059】
蓋本体81は、側部開口部87を有する。側部開口部87は、蓋本体81と支持部材7との干渉を抑制する切欠部である。また、側部開口部87は、蓋本体81の内部の水をゴミかご3を介さずに排水容器2に排出する排水口として機能することができる。側部開口部87は、蓋本体81の側部に形成されている。側部開口部87は、側壁部86の内壁面から外壁面まで貫通している。また、側部開口部87は、上部プレート83の縁部まで延在している。側部開口部87は、蓋本体81に対して一対形成されている。一対の側部開口部87,87は、蓋本体81の中心軸線を挟んで径方向において互いに対向する位置に配置されている。
【0060】
上部プレート83および下部プレート84には、それぞれ径方向の中央部に開口部が形成されている。上部プレート83に形成された上部開口部83aは、下部プレート84に形成された下部開口部84aよりも大径である。上部プレート83は、径方向の外側から内側へ向かうに従い底部側に向かう傾斜を有している。つまり、上部プレート83は、上部プレート83上の水が上部開口部83aに向けて流れるように傾斜している。一方、下部プレート84は、径方向の内側から外側へ向かうに従い底部側に向かう傾斜を有している。つまり、下部プレート84は、下部プレート84上の水が径方向外側に向けて流れるように傾斜している。
【0061】
内蓋82は、下部開口部84aに係合して下部開口部84aを閉塞するものである。内蓋82は、円盤形状であり、シンク開口部側に突出するつまみ82aを有している。下部開口部84aは、底部側の内径がシンク開口部側の内径よりも小さいテーパ形状である。これに対応して、内蓋82の外周面82bは、底部側の外径がシンク開口部側の外径よりも小さいテーパ形状である。従って、内蓋82は、外周面82bが下部開口部84aに係合することで下部開口部84aを閉塞することができる。内蓋82の上面は、つまみ82aから径方向外側へ向かうに従い底部側に向かう傾斜を有している。つまり、内蓋82は、内蓋82上の水が径方向外側に向けて流れるように傾斜している。
【0062】
内蓋82の外径は、上部開口部83aの内径よりも小さい。従って、ユーザーは、蓋本体81が排水容器2に係合した状態でシンク102側から下部開口部84aに内蓋82を着脱することができる。本実施形態では、下部開口部84aが、シンク102とゴミかご3内とを連通する第一開口部として、下部プレート84と側壁部86との隙間88および側部開口部87が、シンク102と排水容器2におけるゴミかご3の外部とを連通する第二開口部として機能する。
【0063】
図7および
図9に示すように、下部開口部84aから内蓋82が取り外されて下部開口部84aが開放されている場合、シンク102の水は、上部開口部83aから下部開口部84aを介してゴミかご3に流入する。つまり、下部開口部84aが開放された状態は、蓋8がシンク102の水をゴミかご3内に導く状態である。下部開口部84aは、下部プレート84の径方向中央部に形成されている。また、上部プレート83は、径方向の外側から内側へ向かうに従い底部側に向かう傾斜を有しており、シンク102の水をゴミかご3の径方向中央に導く。従って、上部プレート83の上部開口部83aから下部開口部84aを介してゴミかご3に流入する水は、ゴミかご3の底部31の径方向中央部に落下する。一方で、脱水されるごみは、遠心力によってゴミかご3の側壁面に押しつけられている。このため、ゴミかご3内で脱水されているごみに対して下部開口部84aを介して流入する水が掛かることが抑制される。つまり、本実施形態のゴミ脱水システム1−3によれば、脱水中のごみに水が掛かることを抑制しつつ、ゴミかご3に流入する水を排水容器2に排出することが可能である。
【0064】
一方、
図10および
図11に示すように、下部開口部84aに内蓋82が係合して下部開口部84aが閉塞されている場合、上部開口部83aを介して蓋本体81内に流入する水は、下部プレート84の縁部から流出する。上部開口部83aを介して下部プレート84および内蓋82の上に落下した水は、内蓋82および下部プレート84の傾斜に沿って径方向外側に流れ、下部プレート84の縁部と側壁部86との隙間88から流出する。下部プレート84の外径は、ゴミかご3のかご開口部32の外径よりも大きい。よって、下部プレート84の縁部から流出する水は、ゴミかご3の外周面と排水容器2の内周面との隙間を通って排水容器2に排出され、ゴミかご3の内部に流入することが抑制される。つまり、内蓋82によって下部開口部84aが閉塞されている状態は、蓋8がシンク102の水をゴミかご3を介さずに排水容器2に導く状態である。
【0065】
本実施形態のゴミ脱水システム1−3によれば、ユーザーは、内蓋82によって下部開口部84aを閉塞することで、シンク102の水がゴミかご3内に流入することを抑制し、ゴミかご3内のごみを効率よく水切りすることができる。例えば、シンク102内のごみがゴミかご3に流入した後で内蓋82によって下部開口部84aを閉塞すれば、キッチン水栓106から吐出する水によってシンク102を清掃することと、ごみの水切りとを同時に行うことができる。
【0066】
[第4実施形態]
図12から
図17を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施形態については、上記実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図12は、本実施形態に係る排水容器2を示す斜視図、
図13は、本実施形態に係る蓋を示す斜視図、
図14は、本実施形態に係る蓋を示す断面図、
図15は、本実施形態に係るゴミ脱水システム1−4を示す断面図、
図16は、ゴミかごの回転を規制した状態の説明図、
図17は、ゴミかご外へ水を導く状態の説明図である。
【0067】
本実施形態のゴミ脱水システム1−4において、上記各実施形態のゴミ脱水システム1−1,1−2,1−3と異なる点は、シンク102の水をゴミかご3内に導く状態と、シンク102の水をゴミかご3外に導く状態との切替えが可能であることに加えて、ゴミかご3の回転を規制する状態を実現可能な点である。
【0068】
図12に示すように、本実施形態に係る排水容器2の下部フランジ部29は、底部側支持部29a、開口部側支持部29bおよび中間支持部29cを有する。各支持部29a,29bおよび29cは、互いに異なる鉛直方向の位置で支持部材7を支持するものである。つまり、底部側支持部29a、開口部側支持部29bおよび中間支持部29cは、支持部材7を支持することで、鉛直方向における支持部材7の位置を調節する。
【0069】
各支持部29a,29b,29cのうち、底部側支持部29aは、最も底部側に位置しており、開口部側支持部29bは、最もシンク開口部側に位置している。また、中間支持部29cは、鉛直方向における底部側支持部29aと開口部側支持部29bとの中間に位置している。なお、下部フランジ部29において、底部側支持部29a、開口部側支持部29bおよび中間支持部29cは、それぞれ対となって設けられている。例えば、
図16に示すように、下部フランジ部29には、2つの底部側支持部29aが対となって設けられている。一対の底部側支持部29aは、排水容器2の中心軸線を挟んで径方向において対向する位置に配置されている。開口部側支持部29bおよび中間支持部29cについても同様である。
【0070】
図13および
図14に示す蓋9は、排水容器2のシンク開口部22に係合するものである。蓋9は、円盤形状であり、本体部91および円筒部92を有する。本体部91は、円盤形状であり、径方向の中央部には開口部91aが形成されている。本体部91の外径は、シンク開口部22の内径と略同じである。本体部91は、シンク開口部22に挿入可能であり、かつシンク開口部22に挿入されるとシンク開口部22を閉塞する。また、本体部91には、切欠部91bが形成されている。切欠部91bは、支持部材7と蓋9との干渉を抑制するためのものである。円筒部92は、円筒形状であり、本体部91における底部側の面に接続されている。本体部91がシンク開口部22を閉塞した状態において、開口部91aは、シンク102とゴミかご3内とを連通する。また、本体部91がシンク開口部22を閉塞した状態において、円筒部92の外周面と排水容器2の内壁面との間には隙間が形成される。
【0071】
図15に示すように、本実施形態のゴミ脱水システム1−4は、上記第2実施形態のゴミ脱水システム1−2と同様に、支持部材7を備えている。支持部材7は、排水容器2に挿入されるときに、底部側支持部29a、開口部側支持部29bあるいは中間支持部29cのいずれかに当接して支持される。本実施形態では、ゴミかご3と支持部材7とは、ゴミかご3の軸方向に相対移動可能である。支持部材7の支持部7cは、ゴミかご3の軸受部材33の外周面に対して軸方向に摺動可能である。蓋9は、支持部材7によって支持され、支持部材7と共に鉛直方向に移動する。すなわち、蓋9は、支持部29a,29b,29cが支持部材7を支持する鉛直方向の位置に応じて排水容器2に対して鉛直方向に相対移動し、この相対移動により、シンク開口部22を閉塞あるいは開放する。
【0072】
図15には、支持部材7の係止部7dが中間支持部29cによって支持されている状態が示されている。この状態では、蓋9の本体部91がシンク開口部22を閉塞し、かつ蓋9の上部が排水容器2の上部フランジ部25と同一面上にある。蓋9の本体部91は、上部フランジ部25と連続的な面を形成しており、シンク102の水は上部フランジ部25から本体部91上を経由して開口部91aを介してゴミかご3に流入する。つまり、支持部材7が中間支持部29cによって支持されている状態は、シンク102の水をゴミかご3内に導き、シンク102からゴミかご3への水の流入を許容する状態(以下、「第一状態」とも記載する。)である。また、この状態では、第一磁石35と第二磁石36とが互いに対向しており、かつゴミかご3の軸受部材33が軸部材23によって回転自在に支持されている。よって、キッチン水栓106が開かれて水路41に水流が発生すると、ゴミかご3が回転し、ゴミかご3内のゴミを脱水することができる。
【0073】
図16には、支持部材7の係止部7dが底部側支持部29aによって支持されている状態が示されている。この状態では、蓋9の本体部91がシンク開口部22を閉塞し、かつ蓋9の上部は、排水容器2の上部フランジ部25よりも鉛直方向下側に位置している。つまり、
図15に示す第一状態よりも底部側の深い位置まで支持部材7、ゴミかご3および蓋9が排水容器2に挿入されている。
【0074】
ここで、本実施形態の支持部材7は、突起7fを有する。突起7fは、本体部7bに形成されており、より具体的には、軸受部材33と鉛直方向において対向する位置に形成されている。突起7fは、本体部7bから軸受部材33に向けて、すなわち底部側に向けて突出している。軸受部材33は、突起7fに対応する突起33bを有する。突起33bは、例えば、軸受部材33と第一磁石35とを締結するボルト等の締結部材である。支持部材7の突起7fは、突起33bと対応する半径方向の位置に配置されている。突起7fは、軸受部材33の突起33bと当接することで軸受部材33の回転を規制する。
【0075】
突起7fは、
図15に示す第一状態では突起33bと当接せず、
図16に示すように支持部材7の係止部7dが底部側支持部29aによって支持される状態では突起33bと当接してゴミかご3および第一磁石35の回転を規制する。ゴミかご3は、支持部材7が排水容器2に挿入される際に、支持部材7が底部側支持部29aに当接する前に軸部材23によって軸方向に支持される。支持部材7は、ゴミかご3が軸部材23によって支持されてから底部側支持部29aに当接するまで更に底部側まで挿入される。これにより、突起7fと突起33bとがゴミかご3の軸方向に相対移動し、回転方向において当接する状態となる。つまり、支持部材7の係止部7dが底部側支持部29aによって支持される状態は、支持部材7がゴミかご3の回転を規制する状態(以下、「第二状態」とも記載する。)である。第二状態では、上記第一状態と同様に、シンク102の水が開口部91aを介してゴミかご3内に導かれる。
【0076】
図17には、支持部材7の係止部7dが開口部側支持部29bによって支持されている状態が示されている。この状態では、蓋9の上面は、排水容器2の上部フランジ部25よりも鉛直方向上側に位置している。つまり、
図15に示す第一状態よりもシンク開口部側の浅い位置までしか支持部材7、ゴミかご3および蓋9が排水容器2に挿入されない。
【0077】
蓋9の本体部91の縁部は、上部フランジ部25に対してシンク開口部側に浮き上がった状態となる。このため、シンク102の水は、本体部91と上部フランジ部25との隙間を介して排水容器2に流入する。蓋9の円筒部92と排水容器2の内壁面との隙間は、シンク102から流入する水をゴミかご3と排水容器2の内壁面との隙間に導く流路として機能する。従って、本体部91と上部フランジ部25との隙間を介して流入する水は、円筒部92の外周面と排水容器2の内壁面との隙間を経由して、ゴミかご3と排水容器2の内壁面との隙間を流れる。また、円筒部92は、ゴミかご3のかご開口部32をガードし、本体部91と上部フランジ部25との隙間から流入する水がゴミかご3内に流入することを抑制する。つまり、支持部材7の係止部7dが開口部側支持部29bによって支持されている状態は、蓋9がシンク開口部22を開放して、シンク102の水がゴミかご3と排水容器2との隙間に流入する状態、言い換えると蓋9がシンク102の水を排水容器2内におけるゴミかご3の外部に導く状態(以下、「第三状態」とも記載する。)である。第三状態では、蓋9は、シンク102の水がゴミかご3に流入することを規制する。
【0078】
第三状態では、第一状態よりもゴミかご3がシンク開口部側に位置するものの、第一磁石35と第二磁石36とが互いに対向した状態にある。従って、第三状態においてキッチン水栓106が開かれるとゴミかご3が回転し、ゴミかご3内のゴミが脱水される。
【0079】
このように、本実施形態のゴミ脱水システム1−4では、支持部材7が支持される鉛直方向の位置に応じて、シンク102の水がゴミかご3内に導かれる状態(第一状態、第二状態)と、シンク102の水がゴミかご3内を介さずに排水容器2に導かれる状態(第三状態)とが切り替わる。
【0080】
また、支持部材7は、支持部材7が支持される鉛直方向の位置に応じてゴミかご3と選択的に係合し、ゴミかご3の回転を規制することができる。上記第二状態では、支持部材7の突起7fがゴミかご3の突起33bに当接してゴミかご3の回転を規制する。一方、上記第一状態および上記第三状態では、突起7fは突起33bに当接せず、支持部材7はゴミかご3の回転を規制することなく、前記ゴミかご3の回転を許容する。
【0081】
このように、本実施形態のゴミ脱水システム1−4によれば、ユーザーは、各支持部29a,29b,29cのいずれに支持部材7を置くかによって、シンク102の水をゴミかご3内に導くか否か、およびゴミかご3を回転させるか否かを容易に切り替えることができる。
【0082】
上記の各実施形態に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。