(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1波長範囲の第1光を出射する複数の第1光源、前記第1波長範囲と異なる第2波長範囲の第2光を出射する複数の第2光源、および前記複数の第1光源及び前記複数の第2光源の出射光が入射する光学部材を含み、一方向に沿って配列された前記複数の第2光源間の平均ピッチは、前記一方向に沿って配列された前記複数の第1光源間の平均ピッチより大きく、前記光学部材に対する前記第1光の反射率より前記第2光の反射率がさらに大きな光源アセンブリと、
前記光源アセンブリから光の供給を受けるタッチスクリーンパネルと、
を含み、
前記第1光源および前記第2光源は、実質的に同一平面上に配置され、
前記光学部材は、前記第1光源および前記第2光源上に前記第1光源及び前記第2光源から所定距離だけ離隔されて配置され、
前記第1光源と前記光学部材との隔離距離に対する前記複数の第1光源間の平均ピッチの比は1より小さく、
前記第2光源と前記光学部材との隔離距離に対する前記複数の第2光源間の平均ピッチの比は1より大きいことを特徴とするタッチスクリーン装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の利点、特徴、およびそれらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現されるものであり、本実施形態は、単に本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。
【0015】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に図示するように一つの素子または構成要素と異なる素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に図示されている方向に加え、使用時または動作時に素子の互いに異なる方向を含む用語として理解しなければならない。明細書全体にかけて同一参照符号は同一構成要素を指称する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による光源アセンブリの概略図である。
【0017】
図1を参照すると、光源アセンブリ10は、複数の第1光源71、複数の第2光源72および光学部材60を含む。
【0018】
複数の第1光源71は、第1波長範囲にある第1光を放出する。複数の第2光源72は、第1波長範囲と異なる第2波長範囲にある第2光を放出する。
【0019】
ここで、特定波長範囲の光を放出するという意味は、光スペクトル上のピークを示す波長の光を主に出射するという意味として解釈してもよい。すなわち、可視光の波長範囲の光を出射することが、少量の紫外線または赤外線など可視光波長範囲を外れる光の出射が全くないことを意味するものではないことを理解しなければならない。
【0020】
いくつかの実施形態において、第2波長範囲は第1波長範囲より大きくてもよい。例えば、第1波長範囲は可視光の波長範囲またはその内にあり、第2波長範囲は赤外線の波長範囲またはその内にあってもよい。
【0021】
複数の第1光源71は第1波長範囲の第1光を出射するが、これはすべての第1光源71が同一の波長範囲の光を出射するという限定的な意味として解釈してはならない。例えば、第1波長範囲が400〜700nmと仮定するとき、すべての第1光源71が400〜700nmの波長範囲の光を出射してもよいが、一部の第1光源71は400〜600nmの波長範囲の光を出射し、他の一部の第1光源71は500〜700nmの波長範囲の光を出射してもよい。また、すべての第1光源71の波長範囲が400〜700nmを全部カバーする必要はなく、一部の第1光源71は400〜450nm、他の一部の第1光源71は520〜570nm、また他の一部の第1光源71は650〜700nmの波長範囲を有する場合のように、出射波長範囲で定義された400〜700nmのうち特定波長帯(すなわち、450〜520nm、570〜650nm)が出射されない場合でも、第1光源71の出射波長が400〜700nmの範囲内であれば第1光源71の第1波長範囲は400〜700nmにあると解釈してもよい。複数の第2光源72についても、複数の第1光源と同様の解釈を適用することができる。
【0022】
図2〜
図4は、本発明の多様な実施形態による複数の第1光源および複数の第2光源の形状および配置を示す平面図である。
【0023】
図2および
図3に示すように、複数の第1光源71および複数の第2光源72は、各々点光源であってもよい。適用可能な点光源の例としてはLED光源がある。いくつかの実施形態において、第1光源は可視光波長範囲の第1光を出射する可視光LED光源であり、第2光源は赤外線波長範囲の第2光を出射する赤外線LED光源であってもよい。
【0024】
図2は、点光源である第1光源71および第2光源72が2次元的に配置された例である。2次元的に配置された点光源(71,72)は、これに制限されるものではないが、直下型の光源アセンブリに適用され得る。
【0025】
図2において、第1光源および第2光源は、第1方向(X)および第1方向(X)に垂直な第2方向(Y)に沿って分散配列される。第1方向(X)への複数の第1光源71の平均ピッチp11は、第1方向(X)への複数の第2光源72の平均ピッチp21より小さい。ここで、平均ピッチとは、例えば、第1方向(X)に沿って一つの第1光源71と隣接する他の第1光源71との間の中心距離の平均を意味する。複数の第1光源71および複数の第2光源72が第1方向(X)に沿って各々実質的に同一の領域内で等しく分散配置されていると仮定するとき、第1方向(X)への第2光源72の平均ピッチp21が第1光源71の平均ピッチp11より大きいということは、第1方向(X)に沿って第1光源71の数が第2光源72の数より多く配置されていることを意味する。
【0026】
同様に、第2方向(Y)への複数の第1光源71の平均ピッチp12は、第2方向(Y)への複数の第2光源72の平均ピッチp22より小さい。
【0027】
例えば、第1方向(X)または第2方向(Y)への第1光源71の平均ピッチ(p11,p12)は、第2光源72の平均ピッチ(p21,p22)の1.2倍〜3倍であってもよい。しかし、これに制限されるものではなく、平均ピッチの比が数値範囲と異なってもよく、第1方向(X)および第2方向(Y)のうちのいずれか一つの方向への第2光源72の平均ピッチ(p21,p22)が、第1光源71の平均ピッチ(p11,p12)より小さいかまたは同じであってもよい。
【0028】
例示的な実施形態である
図2では、第1光源71が碁盤状に配列され、第1方向(X)への平均ピッチp11および第2方向(Y)への平均ピッチp12が実質的に同一な場合を示す。一方、第2光源72の場合は、行ごとに交錯した配列、言い換えれば、特定行の次行の第2光源72が特定行の第2光源72の間に配置された配列を有し、第1方向(X)への平均ピッチp21が第2方向(Y)への平均ピッチp22より小さい。
【0029】
図2の光源(71,72)が40インチの液晶表示装置に適用される場合、第1光源71の第1方向(X)への平均ピッチp11は約27.25mmであり、第2方向(Y)への平均ピッチp12は約27.15mmであってもよい。また、第2光源72の第1方向(X)への平均ピッチは約40.88mmであり、第2方向(Y)への平均ピッチp22は約54.2mmであってもよい。このような具体的な配列パターンおよびピッチなどは、必要に応じて多様に変形することができる。
【0030】
図3は、点光源である第1光源71および第2光源72が線状に配置された例である。
図3は
図2の第1方向または第2方向のうちいずれか一つの方向に配列された場合である。したがって、複数の第1光源71の平均ピッチp1は、複数の第2光源72の平均ピッチp2より小さいことがわかる。
図3のように線形配置された点光源(71,72)は、エッジ型の光源アセンブリに適用されてもよい。
【0031】
図4は、第1光源71aおよび第2光源72aが線光源である場合を例示する。複数の第1光源71aおよび第2光源72aの平均ピッチ(p1a、p2a)は、
図2の特定方向に対する光源の平均ピッチと類似する。すなわち、複数の第1光源71aの平均ピッチp1aは、複数の第2光源72aの平均ピッチp2aより小さい。
【0032】
前述したように、本発明の実施形態では、複数の第1光源の平均ピッチが複数の第2光源の平均ピッチより小さい場合を含む。光源のピッチは、光源の間隔に比例し、それによって輝部および暗部の発生程度を決定する。光源が配置された領域は輝部と視認され、光源が配置されない領域は相対的に暗部と視認されるため、光源のピッチが大きいほど輝部および暗部の区別がさらに明確になる。したがって、第1光源に比べ、第2光源が相対的に極端な輝部および暗部の区別が生じることが分かる。暗部が低い輝度を有し、その範囲が広く、輝部と明確に区分されるほど光の均一化には不利である。均一な面光源を得るために拡散板や拡散シートなどの拡散部材を使用することができるが、さらに多く拡散しなければならないため、拡散部材の費用が上昇するだけでなく、輝度の側面からある程度の損失がある。
【0033】
一方、輝部および暗部の区別を最小化するために光源の平均ピッチを小さくする方案を考慮することができるが、光源のピッチが小さいほど光源の個数が増えるので、費用が増加するだけでなく、消費電力の増加が伴う。したがって、光源の平均ピッチを無計画で減らしてはならず、費用や消費電力などを考慮して適切に設計する必要がある。
【0034】
再び、
図1を参照すると、複数の第1光源71および第2光源72から出射された光の移動経路上に光学部材60が配置される。光学部材60は、入射した第1光および第2光を少なくとも部分的に透過させ、少なくとも部分的に反射する。すなわち、光学部材60に入射した光のうち、一部は光学部材60を透過するが、一部は反射する。光学部材60から反射された光は光源(71,72)側に戻ってくる。ここに反射器が設置されていれば、反射光は再び反射されて光学部材60側に再入射される。同一な動作が継続して繰り返される。
【0035】
光源(71,72)から出射され、光学部材60に直接入射して透過する光は、光源(71,72)から直接出射された光であるため、光学部材60の外側からみるときには光源(71,72)近くで発生した光と認識される。しかし、光源(71,72)から出射された後、最小2回の反射を経て再入射して透過した光の場合、一般的には光学部材60の外側から見るときに該当光源(71,72)から離れたところで発生した光と認識される。したがって、光学部材60による反射が多いほど光源(71,72)と離隔されたところで発生した光と視認される可能性が高い。これによって光源(71,72)が存在する領域の輝度は相対的に減少し、光源(71,72)から離れて光源(71,72)が存在しない領域の輝度は相対的に上昇するため、輝部と暗部との間の輝度の差異が減少し得る。これは光均一化に有利であることを意味する。
【0036】
前述したように、複数の第2光源72は少なくとも一方向に対して複数の第1光源71より平均ピッチが大きく、それ自体で輝部および暗部の区分がさらに明確であるため、光学部材60による反射が多いことが好ましい。このような観点から、光学部材60は、それに対する第1光源71から出射された第1光の反射率より第2光源72から出射された第2光の反射率がさらに大きいように設計する。第1光及び第2光は、波長範囲が異なるため、波長に応じて互いに異なる反射率を実現する構造を採用すれば、前記のような機能の実現が可能である。前記構造に関する具体的な例を
図5に示す。
【0037】
図5は、本発明の一実施形態による光学部材の断面図である。
図5を参照すると、光学部材60は第1屈折層62および第2屈折層64を含む。第1屈折層62は第1屈折率を有する。第2屈折層64は第1屈折率より大きな第2屈折率を有する。
【0038】
第1屈折層62と第2屈折層64とは互いに交互に積層されている。屈折層の積層数の制限はなく、多様に変形することが可能である。ただし、後述する反射効率を極大化するための観点から、光源(71,72)から最初に光が入射される層は相対的に高い屈折率を有する第2屈折層64であることが好ましい。すなわち、光源(71,72)側から見ると、第2屈折層64から始め、第1屈折層62と第2屈折層64とが順次に交互に積層される構造を有してもよい。いくつかの実施形態において、第1屈折層62及び第2屈折層64の数は実質的に同一であってもよい。
図5は、2個の第1屈折層62および2個の第2屈折層64が交互に積層された場合を例示する。
図5で高い屈折率を有する第2屈折層64が第1屈折層62より相対的に光源に近く配置されたことを確認することができる。
【0039】
第1屈折層62は例えば、PMMA(polymethylmethacrylate)、MS(metha styrene)、PS(poly styrene)のうちいずれか一つの物質で形成されてもよい。第2屈折層64は、PEN(polyethylene naphtalate)、CO−PEN(copolymer−polyethylene naphtalate)、COP(cyclic olefin polymer)、PET(polyethylene terephtalate)、PC(polycarbonates)のうちいずれか一つの物質で形成されてもよい。
【0040】
第1屈折層62および第2屈折層64の屈折率は選択される物質によって決定されるが、加工方式によっても変わることもある。すなわち、屈折層の形成後、伸長、押出などの加工を行うことにより屈折率が変わる。屈折率が変化する程度は選択される物質によって異なる。例えば、PEN、PET、CO−PEN、COP、PCのような物質は伸長前の固有複屈折が正の性質を有する物質であって、特定方向の伸長により伸長方向への屈折率が大きくなるが、PS、PMMAなどの物質は伸長前の固有複屈折が負の性質を有するため、特定方向の伸長加工を経ると伸長方向への屈折率が小さくなる。
図6を参照してさらに詳細に説明する。
【0041】
図6は、材料の伸長比による屈折率の変化を示すグラフである。
図6において、(1)はPENをTD(transverse direction)方向に伸長したときの伸長比による屈折率の変化を示す。(2)はPSの一種であるsPS(Syndiotatic PolyStyrene)をTD方向に伸長したときの伸長比による屈折率の変化を示す。また、(3)はsPSをMD(mechanical direction)方向に伸長したときの伸長比による屈折率の変化を示し、(4)はPENをMD方向に伸長したときの伸長比による屈折率の変化を示す。ここで、MD方向とは、伸長機械でフィルムが移送される移送方向であり、TDはMDに対して垂直な方向を意味する。
【0042】
図6を参照すると、PENはTD方向に伸長したとき、屈折率が急激に上昇する特性がある反面、sPSはTD方向に伸長したとき、屈折率がむしろ減少する特性があることが分かる。TDに垂直なMD方向への伸長比に対してPENは屈折率が多少減少するが、sPSは屈折率がむしろ小幅に上昇する。
【0043】
したがって、第1屈折率および第2屈折率を決定するためにはこのような物質別、伸長方向別、伸長率別の特性などを考慮することが好ましい。
【0044】
再び
図5を参照すると、光学部材60はベース部材61をさらに含んでもよい。ベース部材61は第3屈折率を有してもよい。ここで、第3屈折率は第1屈折率より大きく、第2屈折率より小さくてもよい。
【0045】
ベース部材61は、例えばPET、PCなどの物質で構成されてもよい。いくつかの実施形態において、ベース部材61は、拡散シート用ベース、拡散板用ベースや導光板用ベースであってもよい。この場合、光学部材は、拡散シート、拡散板または導光板と一体化してもよいことを理解することができる。
【0046】
第1屈折層62および第2屈折層64は、ベース部材61上に積層される。ベース部材61上に第1屈折層62および第2屈折層64を積層することは、第1屈折層62および第2屈折層64の交互積層体を別途に製造した後、接着剤層63などを利用してベース部材61上に接着する方式で行われてもよい。他の例として、ベース部材61と第1屈折層62および第2屈折層64の共押出によって前記積層が行われてもよい。
図5の実施形態において、ベース部材61は、光源(71,72)から最遠方に配置される。
【0047】
交互に配置された第1屈折層62および第2屈折層64の屈折率の差異は、各屈折層(62,64)の厚さと共に光源(71,72)から入射した光に対する干渉程度を決定する因子となる。光に対する干渉程度に応じて反射率が変わる。
【0048】
図5のような構造を有する光学部材60において、各屈折層の屈折率と厚さとの積である光学距離(optical distance)が入射光の波長の奇数倍になる場合、光学部材に垂直入射した光に対する反射率は次のように計算することができる。
【数1】
【0049】
ここで、Rmaxは垂直入射光に対する最大反射率であり、nsはベース部材の屈折率であり、nmは空気の屈折率であり、n
Aは第1屈折層の屈折率であり、n
Bは第2屈折層の屈折率であり、N:第1屈折層と第2屈折層の反復数である。
【0050】
具体的な例を挙げて説明すると、光源から出射される光の波長(λ)が850nmであり、各屈折層の光学距離が押出時可能な厚さを考慮し、λ/4の9倍程度の厚さと設定する。また、第1屈折層は屈折率が1.52であり、sPSからなるものと仮定する。第2屈折層は屈折率が1.85であり、PENからなるものと仮定する。
【0051】
前記のような条件が満たされると、以下の等式が成立され得る。
9×850nm/4=n
A×d
A=n
B×d
B=1917nm
【0052】
前記の等式によって第1屈折層の厚さ(d
A)は1.29μm、第2屈折層の厚さ(d
B)は1.15μmと設計することができる。
【0053】
前記の結果値に基づいて反射率を決定してもよい。例えばベース部材を屈折率が1.59であるPCで形成した場合、第1屈折層および第2屈折層の反復積層数による光学部材の屈折率は、前記垂直入射した光に対する反射率に関する式を利用して計算してもよい。その結果を次の表に示す。次の表で2層構造とは、第2屈折層および第1屈折層が各々一つずつ積層された構造をいう。
【表1】
【0054】
このような方法で、特定波長の光に対する光学部材の反射率を調節することができ、これよって光均一度を改善することができる。反射率の調節だけで完全な光均一度を達成することができない場合でも、拡散板や拡散シートなどと組み合わせて光均一度を改善することができれば、反射率調節による光均一度の改善は全体均一度の観点から意味があると言える。光学部材60の特定波長の光に対する反射率、例えば
図1の実施形態の場合、第2光に対する反射率は30〜75%の範囲であってもよい。しかし、このような数値は例示的なものに過ぎず、適用される素子、反射率の調節の可能性などによって変形されてもよい。
【0055】
図7は、波長による光学部材の透過率を示すグラフである。
図7は、前記表で例示した構成成分を有する光学部材のうち10層構造に対する波長帯別光透過率を示。
図7を参照すると、第1屈折層と第2屈折層との反復積層構造を含む光学部材は赤外線領域、例えば、800〜900nm付近で透過率が30%程度まで低くなる。言い換えれば、前記光学部材は800〜900nm領域の光を約70%反射させることが分かる。
【0056】
再び、
図1を参照すると、光学部材60は、複数の第1光源71および複数の第2光源72から離隔して配置される。複数の第1光源71及び複数の第2光源72が、例えば、収納容器70内に配置される場合のように、実質的に同一な平面上に配置されていれば、光学部材60と各第1光源71および第2光源72間の離隔距離(w)は実質的に同一である。
【0057】
光学部材60と第1光源71および第2光源72との間の離隔距離(w)は、光学部材60に入射する第1光および第2光の均一度に影響を与える。例えば、光学部材60と光源(71,72)との間の離隔距離(w)が小さければ、光学部材60に光源(71,72)から直接入射する面積が減る。これは一部分に集中的な光が入射されることを意味するため、光均一度は相対的に低くなる。したがって、均一度の観点からは光源(71,72)から光学部材60の離隔距離(w)が大きいことが好ましいが、離隔され過ぎると輝度の観点からは不利なだけでなく、光源アセンブリの全体厚さを厚くなる結果をもたらす。
【0058】
前述したように、光均一度は光源の平均ピッチだけでなく、光学部材と光源との間の離隔距離にも関連する。例えば、光源の平均ピッチが大きければ、光均一度の観点から光均一度が低くなり、良くないため、光学部材と光源との間の離隔距離も大きいことが好ましい。これに対し、光源の平均ピッチが小さければ相対的に光均一度の条件が良いため、光学部材と光源との間の離隔距離が小さくても所定の光均一度を示し得る。すなわち、光学部材と光源との間の離隔距離(w)に対する光源の平均ピッチ(p)の比(p/w)が光均一度を決定する一つの因子となる。十分な均一度を具現するためにp/wは小さいことが好ましく、例えば1より小さくてもよい。
【0059】
しかし、p/wが相対的に大きくても(例えばp/wが1以上であり、2.5以下である場合)、光学部材が入射光に対する反射率が高ければ、これによる均一度の改善効果が認められるため、p/w値の増加による均一度の減少分を相殺することができる。例えば、光源アセンブリの全体の厚さが固定されており、離隔距離(w)を調節することができなくても、光学部材の反射率を増やせば相対的により大きな光源の平均ピッチ(p)を有しても同等な均一度を実現することができる。光源の平均ピッチ(p)が大きいほど光学部材の反射率も大きく設計することが好ましい。
【0060】
光学部材60が第2光に対して十分な反射率を示すことができれば、相対的に第2光源72の平均ピッチ(p2)も増加することができる。第2光が、輝度よりは均一度の方がより意味がある場合であれば、平均ピッチ(p2)の増加による輝度の減少は大きな問題にならない。例えば、第2光源72が赤外線光源であり、これから出射される赤外線光が物体の感知にのみ使用されるならば、均一度が保障される以上、第2光源72の平均ピッチ(p2)を増加させ、その個数を減少させることが費用や素子安全性の観点からは好ましい。すなわち、光学部材60が第2光に対する十分な反射率を有することは、第2光の均一度の改善だけでなく、費用および素子安全性の改善とも関連し得る。
【0061】
図8および
図9は、本発明の多様な実施形態による光学部材の断面図である。
図8の光学部材601は、ベース部材61と第1屈折層62および第2屈折層64の積層体との相対的な配置が、
図5の実施形態の反対である場合の例である。すなわち、ベース部材61が光源(71,72)に最も近く位置し、その上に第2屈折層64および第1屈折層62が順次に交互に積層される。
【0062】
図9は、ベース部材61を基準にベース部材61の上面および下面に各々第1屈折層62および第2屈折層64の積層体が形成された光学部材602を例示する。
【0063】
ベース部材61および屈折層(62,64)の相対的な位置関係によって前述した反射率は微細に変化し得るが、
図8および
図9の実施形態は、光経路を基準に第1屈折層62と第2屈折層64との積層順序が同じであるため、実質的な作用効果は類似することを理解することができであろう。
【0064】
図10および
図11は、本発明のいくつかの実施形態による光学部材の断面図である。
【0065】
図10を参照すると、本実施形態による光学部材603は、ベース部材61の裏面(屈折層が積層される面の他面)に追加的な光学機能層として拡散層65をさらに含むところが
図5の実施形態と異なる。拡散層65は、内部に拡散粒子651を含むかまたは表面に拡散面652を具備してもよい。拡散層65は、ベース部材61と一体型で形成されてもよい。
図10の光学部材612は、特定波長の光を少なくとも部分的に反射すると共に拡散シートまたは拡散板の機能を行うことができる。
【0066】
図11を参照すると、本実施形態による光学部材604は、ベース部材61の裏面に追加的な光学機能層としてプリズムパターン層66をさらに含むところが
図5の実施形態と異なる。プリズムパターン層66は、ベース部材61と一体型で形成されてもよい。
図11の光学部材604は特定波長の光を少なくとも部分的に反射すると共にプリズムシートの機能を実行することができる。
【0067】
以上で説明した本発明の多様な実施形態による光源アセンブリは、均一な光を供給する照明装置として使用することができる。また、自発光することができない表示装置、例えば、液晶表示装置にバックライトユニットまたはフロントライトユニットの形態で適用することができる。さらには、本発明の実施形態による光源アセンブリは、互いに異なる波長の光源を含むため、画像実現のための可視光だけでなく、外部物体を認識するために赤外線光が要求されるタッチスクリーン装置にも適用することができる。以下では、いくつかの適用例について説明する。
【0068】
図12は、本発明の一実施形態によるタッチスクリーン装置の概略構成図である。
図12を参照すると、本発明の一実施形態によるタッチスクリーン装置100は、前述した本発明の実施形態による光源アセンブリ10およびその上部に配置されたタッチスクリーンパネル30を含む。本実施形態による光源アセンブリ10は、第1光源71として可視光波長範囲の第1光を出射する可視光LED、第2光源72として赤外線波長範囲の第2光を出射する赤外線LEDが採用された場合を例示する。
【0069】
図13は、
図12に示すタッチスクリーンパネル30の例示的な断面図である。
図13を参照すると、タッチスクリーンパネル30は、第1表示板31、第2表示板36および第1表示板31と第2表示板36との間に介在した液晶層35を含む。
【0070】
第1表示板31は、第1絶縁基板311上に形成されたゲート線(図示せず)とデータ線(図示せず)とによって定義される複数の画素を含んでもよい。各画素は画素別に電気的に分離した画素電極340を含んでもよい。各画素電極340には別途のスイッチング素子(図示せず)が接続して画素電極別に互いに異なるデータ電圧が印加され得る。
【0071】
第1絶縁基板311上には受光素子320が形成される。受光素子320は各画素別に形成されてもよく、必要に応じてその数や密度を多様に調節してもよい。
【0072】
受光素子320は、特定波長の光の入力を受けて特定の信号を出力する素子であって、光電変換素子であってもよい。前記特定波長の光の例としては赤外線波長の光を挙げることができるが、これに制限されるものではない。光電変換素子としては、例えば薄膜トランジスタ、光ダイオードおよび光抵抗などである。いくつかの実施形態において、受光素子は、PNダイオード、PINダイオードなどのように半導体層を含んで形成されてもよい。受光素子320に含まれる半導体層は、a−Si、p−Siおよびc−Siなどの物質を含んでなされてもよい。具体的な物質として、例えばa−SiGe:Hである。
【0073】
各受光素子320には、信号線(図示せず)が接続されており、受光素子320で生成された信号をセンシング部(図示せず)に伝達する。センシング部は、各受光素子320から伝達された信号を感知して外部物体の位置、形状などを判別する。
【0074】
受光素子320の下部には光を遮断する遮光パターン330が配置されてもよい。遮光パターン330は、タッチスクリーンパネル30の下部から入射する光を遮断する役割を果たす。受光素子320は、タッチスクリーンパネル30の上部から入射する光だけでなく、下部から入射する光を共に認識することができる。物体を認識するために必要な光はタッチスクリーンパネル30の上部から入射する光であり、下部から入射する光はノイズとして作用する。したがって、受光素子320の下部に遮光パターン330が配置されることによって、下部から入射する光を遮断してノイズを防止する。前記観点から遮光パターン330は受光素子320を完全にオーバーラップできるサイズで形成してもよい。下部から傾斜して入射する光まで遮断するために、遮光パターン330の大きさは受光素子320より大きく設計されてもよい。遮光パターン330は、特定波長の光を遮断できる物質であれば、いかなる物質で形成してもよいが、例えば、ゲート線と同一な物質で同時に形成すると、別途のマスク工程が必要ないため工程効率を改善することができる。
【0075】
図示していないが、受光素子320の上部には光フィルタが形成されてもよい。光フィルタは、特定波長領域の光のみを選択的に透過させる役割を果たす。例えば、タッチスクリーンパネル30の上部から入射する光のうち物体に反射した赤外線光のみを入射できるように他の波長の光を遮断する光フィルタを採用すれば物体認識の信頼度を改善することができる。
【0076】
第2表示板36は、第2絶縁基板361を含む。図示していないが、第2絶縁基板361上には共通電極、カラーフィルタ、および/またはブラックマトリックスなどを具備してもよい。
【0077】
第1表示板31および第2表示板36は、各々外側に取り付けられた第1偏光板312および第2偏光板362をさらに含んでもよい。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態によるタッチスクリーン装置は、タッチスクリーンパネルの上部にタッチ基板(図示せず)をさらに含んでもよい。タッチ基板は、ガラスやプラスティック基板などで構成されてもよい。
【0079】
図12および
図13を参照すると、光源アセンブリ10の第1光源71からタッチスクリーンパネル30に入射した第1光は、第1偏光板312、液晶層35、カラーフィルタ、第2偏光板362などを経て所定の画像でディスプレイされる。光源アセンブリ10の第2光源72からタッチスクリーンパネル30に入射した第2光は、タッチスクリーンパネル30をそのまま透過し、タッチ基板上に外部物体がある場合、これに反射して受光素子320に入射する。受光素子320は、前述したように光電変換素子を具備しており、入射した反射光に反応して所定の信号を生成し、この信号はセンシング部に伝達され、物体の位置および形状などが判別される。
【0080】
一方、第2光が物体の位置および/または形状の認識にのみ使用される場合は、受光素子に入射する第2光の反射光はただ外部物体の有無を示すことに過ぎないため、その輝度は特定の閾値未満であるかまたはこれを超過するかの意味しかない。すなわち、受光素子320に入射する光の輝度は、デジタル信号として分析されるのみであり、アナログ信号のように微細に調節される必要はない。したがって、正確な物体を認識するためには入射する輝度のサイズよりむしろ各画素別輝度の均一度をより確実に制御する必要がある。このような観点から、前述した本発明の一実施形態による光源アセンブリ10は、第2光源72間の平均ピッチ(p2)を大きくしても第2光の均一度を増加させることができるため、たとえ第2光源72間の平均ピッチ(p2)の増加によって平均輝度が多少落ちても均一度の改善による物体認識の信頼度はむしろさらに増加することができる。
【0081】
図14は、本発明の他の実施形態によるタッチスクリーンパネル301の断面図である。本実施形態によるタッチスクリーンパネル301は、受光素子320が第2表示板36に具備されているところが
図13と異なる。受光素子320は、第2絶縁基板361上に形成される。受光素子320が第2表示板36に形成されているため、受光素子320で生成された信号をセンシング部(図示せず)に伝達する信号線も当然第2表示板36に具備される。遮光パターン330は受光素子320の下の方に配置される。本実施形態では、遮光パターン330が受光素子320と共に第2表示板36に形成された場合を示しているが、遮光パターン330は第1表示板310に形成されてもよい。
【0082】
図14のタッチスクリーンパネル301は、
図13の実施形態に比べ、受光素子310が相対的に外部物体により近く位置する。したがって、外部物体認識の正確度の観点からはより好ましいことが分かる。
【0083】
図15は、本発明のまた他の実施形態によるタッチスクリーンパネル302の断面図である。本実施形態によるタッチスクリーンパネル302は、受光素子320がタッチ基板37に具備されているところが
図13および
図14の実施形態と異なる。
【0084】
タッチ基板37は、第3絶縁基板371を含む。受光素子320は第3絶縁基板371上に形成される。受光素子320がタッチ基板37に形成されているため、受光素子320で生成された信号をセンシング部(図示せず)に伝達する信号線も当然タッチ基板37に具備される。遮光パターン330は受光素子320の下の方に配置される。本実施形態では、遮光パターン330が受光素子320と共にタッチ基板37に形成された場合を示しているが、遮光パターン330は、第2表示板36または第1表示板31に形成されてもよい。
【0085】
図15のタッチスクリーンパネル302は、
図13および
図14の実施形態に比べ、受光素子320が相対的に外部物体により近く位置する。したがって、外部物体認識の正確度の観点からはより好ましいことが分かる。
【0086】
以上添付された図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明が、その技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施され得ることを理解することができる。したがって、上記実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。