(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外気が導入されるケーシング内に、予熱制御弁にて流量調節される予熱流体により外気を予熱する予熱器と、冷却制御弁にて流量調節される冷却流体により外気を冷却する冷却器と、加熱制御弁にて流量調節される加熱流体により外気を加熱する加熱器と、加湿制御弁にて流量調節される蒸気により外気を加湿する加湿器と、前記ケーシング内に導入された外気を給気として吹き出す送風機とを配設した外気調和機の制御方法において、
予め、前記予熱器の最大能力である最大予熱量を冬季外気最低温度設定値から外気予熱温度設定値までの予熱量として求め、前記冷却器の最大能力である最大冷却量を夏季外気最大エンタルピ設定値から冷却器出口空気エンタルピ設定最小値までの冷却量として求め、前記加熱器の最大能力である最大加熱量を外気予熱温度設定値から給気吹出温度設定最大値までの加熱量として求め、前記加湿器の最大能力である最大加湿量を冬季外気最低絶対湿度設定値から給気吹出状態設定点絶対湿度設定最大値までの加湿量として求めておき、
外気温度と外気露点温度を測定した測定値から演算して外気状態をT−X空気線図上の状態点として算出し、
前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値より高く前記冷却器による冷却除湿と前記加熱器による加熱とが必要となる領域Aと、前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値以下で且つ前記外気温度が外気予熱温度設定値以下で前記予熱器による予熱と前記加熱器による加熱と前記加湿器による加湿とが必要となる領域Bと、前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値以下で且つ前記外気温度が外気予熱温度設定値より高く且つ給気吹出状態設定点の乾球温度設定値以下で前記加熱器による加熱と前記加湿器による加湿とが必要となる領域Cと、前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値以下で且つ前記外気温度が給気吹出状態設定点の乾球温度設定値より高く前記冷却器による冷却と前記加湿器による加湿とが必要となる領域DとのうちいずれのT−X空気線図上の領域に外気の状態点が存在しているかを判定し、
前記領域Aに外気の状態点が存在している場合、給気吹出状態設定点の露点温度設定値上の冷却器出口空気エンタルピと外気の状態点における外気エンタルピとの差分に比例する前記冷却器による必要冷却量を算出して該必要冷却量と前記最大冷却量との比で表される冷却制御弁開度指令を前記冷却制御弁へ出力し、冷却器出口温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記加熱器による必要加熱量を算出して該必要加熱量と前記最大加熱量との比で表される加熱制御弁開度指令を前記加熱制御弁へ出力するようにし、
前記領域Bに外気の状態点が存在している場合、外気温度と外気予熱温度設定値との差分に比例する前記予熱器による必要予熱量を算出して該必要予熱量と前記最大予熱量との比で表される予熱制御弁開度指令を前記予熱制御弁へ出力し、外気予熱温度設定値と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記加熱器による必要加熱量を算出して該必要加熱量と前記最大加熱量との比で表される加熱制御弁開度指令を前記加熱制御弁へ出力し、外気絶対湿度と給気吹出状態設定点絶対湿度との差分に比例する前記加湿器による必要加湿量を算出して該必要加湿量と前記最大加湿量との比で表される加湿制御弁開度指令を前記加湿制御弁へ出力するようにし、
前記領域Cに外気の状態点が存在している場合、外気温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記加熱器による必要加熱量を算出して該必要加熱量と前記最大加熱量との比で表される加熱制御弁開度指令を前記加熱制御弁へ出力し、外気絶対湿度と給気吹出状態設定点絶対湿度との差分に比例する前記加湿器による必要加湿量を算出して該必要加湿量と前記最大加湿量との比で表される加湿制御弁開度指令を前記加湿制御弁へ出力するようにし、
前記領域Dに外気の状態点が存在している場合、外気温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記冷却器による必要冷却量を算出して該必要冷却量と前記最大冷却量との比で表される冷却制御弁開度指令を前記冷却制御弁へ出力し、外気絶対湿度と給気吹出状態設定点絶対湿度との差分に比例する前記加湿器による必要加湿量を算出して該必要加湿量と前記最大加湿量との比で表される加湿制御弁開度指令を前記加湿制御弁へ出力するようにしたことを特徴とする外気調和機の制御方法。
外気が導入されるケーシング内に、冷却制御弁にて流量調節される冷却流体により外気を冷却する冷却器と、加熱制御弁にて流量調節される加熱流体により外気を加熱する加熱器と、加湿制御弁にて流量調節される蒸気により外気を加湿する加湿器と、前記ケーシング内に導入された外気を給気として吹き出す送風機とを配設した外気調和機の制御方法において、
予め、前記冷却器の最大能力である最大冷却量を夏季外気最大エンタルピ設定値から冷却器出口空気エンタルピ設定最小値までの冷却量として求め、前記加熱器の最大能力である最大加熱量を冬季外気最低温度設定値から給気吹出温度設定最大値までの加熱量として求め、前記加湿器の最大能力である最大加湿量を冬季外気最低絶対湿度設定値から給気吹出状態設定点絶対湿度設定最大値までの加湿量として求めておき、
外気温度と外気露点温度を測定した測定値から演算して外気状態をT−X空気線図上の状態点として算出し、
前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値より高く前記冷却器による冷却除湿と前記加熱器による加熱とが必要となる領域Aと、前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値以下で且つ前記外気温度が給気吹出状態設定点の乾球温度設定値以下で前記加熱器による加熱と前記加湿器による加湿とが必要となる領域C´と、前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値以下で且つ前記外気温度が給気吹出状態設定点の乾球温度設定値より高く前記冷却器による冷却と前記加湿器による加湿とが必要となる領域DとのうちいずれのT−X空気線図上の領域に外気の状態点が存在しているかを判定し、
前記領域Aに外気の状態点が存在している場合、給気吹出状態設定点の露点温度設定値上の冷却器出口空気エンタルピと外気の状態点における外気エンタルピとの差分に比例する前記冷却器による必要冷却量を算出して該必要冷却量と前記最大冷却量との比で表される冷却制御弁開度指令を前記冷却制御弁へ出力し、冷却器出口温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記加熱器による必要加熱量を算出して該必要加熱量と前記最大加熱量との比で表される加熱制御弁開度指令を前記加熱制御弁へ出力するようにし、
前記領域C´に外気の状態点が存在している場合、外気温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記加熱器による必要加熱量を算出して該必要加熱量と前記最大加熱量との比で表される加熱制御弁開度指令を前記加熱制御弁へ出力し、外気絶対湿度と給気吹出状態設定点絶対湿度との差分に比例する前記加湿器による必要加湿量を算出して該必要加湿量と前記最大加湿量との比で表される加湿制御弁開度指令を前記加湿制御弁へ出力するようにし、
前記領域Dに外気の状態点が存在している場合、外気温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記冷却器による必要冷却量を算出して該必要冷却量と前記最大冷却量との比で表される冷却制御弁開度指令を前記冷却制御弁へ出力し、外気絶対湿度と給気吹出状態設定点絶対湿度との差分に比例する前記加湿器による必要加湿量を算出して該必要加湿量と前記最大加湿量との比で表される加湿制御弁開度指令を前記加湿制御弁へ出力するようにしたことを特徴とする外気調和機の制御方法。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体集積回路、液晶パネル、プラズマパネル、マイクロマシン、或いは医薬品や化粧品の製造工場におけるクリーンルームは、内部の温度と湿度を高精度に制御することが要求される。これらのクリーンルームでは、あまりに乾いた室内空気の場合、在室する製品表面等に静電気が帯電して製品の電気回路の破壊が生じたり、粉塵爆発が生じたり、逆に、あまりに湿った室内空気にした場合、製品表面に空気中の水分が空気中の塵埃等と共に凝縮水として結露し、製品を汚してしまったりする。よって、相対湿度を40〜70[%]間のある状態に精密に保つことがしばしば要求される。室内の発熱負荷が大きい場合、通年で冷房勝手で運転される場合があり、更に、人体からの呼気や汗由来の潜熱の室内発生量が全体の換気量から無視できる場合には、外気を、保持しなければならない室内条件の露点温度に精密に制御し、且つ室内の設定温度より乾球温度を少し下げて供給することもしばしばある。
【0003】
このため、従来においては、
図18に示される如く、外気が導入されるケーシング1内に、予熱制御弁2にて流量調節される温水又は蒸気等の予熱流体により外気を予熱する予熱器3と、冷却制御弁4にて流量調節される冷水等の冷却流体により外気を冷却する冷却器5と、加熱制御弁6にて流量調節される温水又は蒸気等の加熱流体により外気を加熱する加熱器7と、加湿制御弁8にて流量調節される蒸気により外気を加湿する加湿器9と、前記ケーシング1内に導入された外気を給気として吹き出す送風機10とを配設した外気調和機が用いられている。
【0004】
尚、前記予熱器3、冷却器5、加熱器7としては、鋼管コイル列又は銅管コイル列に直交してアルミフィンが圧着されたクロスフィン型コイルが一般に採用されており、又、前記加湿器9としては、ボイラ(図示せず)からの蒸気をスプレーノズルから噴出する形式のものが加湿制御性能の良さから一般に採用されている。
【0005】
前記外気調和機は、前記予熱器3の出口側の処理空気温度(乾球温度)を測定する予熱温度計11と、該予熱温度計11で測定された予熱器3の出口側の空気温度が設定値となるよう測定値と設定値との偏差に基づいて演算し前記予熱制御弁2へ予熱制御弁開度指令2aを出力する予熱温度調節器12と、前記送風機10から吹き出される給気の温度(乾球温度)を測定する給気温度計13と、該給気温度計13で測定された給気の温度が設定値となるよう測定値と設定値との偏差に基づいて演算し制御弁開度指令14を出力する給気温度調節器15と、該給気温度調節器15から出力される制御弁開度指令14を冷却制御弁開度指令4aに変換する冷却制御弁用変換器16と、前記給気温度調節器15から出力される制御弁開度指令14を加熱制御弁開度指令6aに変換する加熱制御弁用変換器17と、前記送風機10から吹き出される給気の露点温度を測定する給気露点計18と、該給気露点計18で測定された給気の露点温度が設定値となるよう測定値と設定値との偏差に基づいて演算し制御弁開度指令19を出力する給気露点温度調節器20と、該給気露点温度調節器20から出力される制御弁開度指令19を冷却制御弁開度指令4a´に変換する冷却制御弁用変換器21と、前記給気露点温度調節器20から出力される制御弁開度指令19を加湿制御弁開度指令8aに変換する加湿制御弁用変換器22と、前記冷却制御弁用変換器16,21で変換された冷却制御弁開度指令4a,4a´のいずれか一方を(一般に制御動作の大きい方を)選択して前記冷却制御弁4へ出力する選択器23とを備えている。
【0006】
前記外気調和機においては、外気がケーシング1内に導入され、予熱器3、冷却器5、加熱器7、加湿器9を通過して、送風機10により給気として吹き出されるが、このとき、前記予熱温度計11によって予熱器3の出口側の空気温度が測定され、該予熱温度計11で測定された予熱器3の出口側の空気温度が設定値となるよう測定値と設定値との偏差に基づいて演算し予熱温度調節器12から前記予熱制御弁2へ予熱制御弁開度指令2aが出力され、予熱器3に供給される温水又は蒸気等の予熱流体の流量調節が行われる。
【0007】
同時に、前記送風機10から吹き出される給気の温度が給気温度計13によって測定され、該給気温度計13で測定された給気の温度が設定値となるよう測定値と設定値との偏差に基づいて演算し給気温度調節器15から制御弁開度指令14が出力され、該給気温度調節器15から出力される制御弁開度指令14が、冷却制御弁用変換器16によって冷却制御弁開度指令4aに変換されると共に、加熱制御弁用変換器17によって加熱制御弁開度指令6aに変換される。
【0008】
一方、前記送風機10から吹き出される給気の露点温度が給気露点計18によって測定され、該給気露点計18で測定された給気の露点温度が設定値となるよう測定値と設定値との偏差に基づいて演算し給気露点温度調節器20から制御弁開度指令19が出力され、該給気露点温度調節器20から出力される制御弁開度指令19が、冷却制御弁用変換器21によって冷却制御弁開度指令4a´に変換されると共に、加湿制御弁用変換器22によって加湿制御弁開度指令8aに変換され、前記冷却制御弁用変換器16,21で変換された冷却制御弁開度指令4a,4a´のいずれか一方が選択器23によって選択されて前記冷却制御弁4へ出力され、冷却器5に供給される冷水等の冷却流体の流量調節が行われる。
【0009】
又、前記加熱制御弁用変換器17によって変換された加熱制御弁開度指令6aは、加熱制御弁6へ出力され、加熱器7に供給される温水又は蒸気等の加熱流体の流量調節が行われる。
【0010】
更に又、前記加湿制御弁用変換器22によって変換された加湿制御弁開度指令8aは、加湿制御弁8へ出力され、加湿器9に供給される蒸気の流量調節が行われる。
【0011】
即ち、前記予熱器3に供給される温水又は蒸気等の予熱流体の流量調節と、前記冷却器5に供給される冷水等の冷却流体の流量調節と、前記加熱器7に供給される温水又は蒸気等の加熱流体の流量調節と、前記加湿器9に供給される蒸気の流量調節とによって、前記送風機10から吹き出される給気の温度と湿度(絶対湿度又は露点温度)が要求される状態に制御されるようになっている。要求される状態とは、外気を保持しなければならない室内条件の露点温度に精密に制御し、且つ室内の設定温度と同じか或いは乾球温度を少し下げて供給する状態である。尚、当該クリーンルームを、冬季でも水が凍る虞のある5[℃](乾球温度)を下回らない温暖な地域に建設する場合、冷却器5の凍結の心配がないので、予熱器3を削除しても良い。
【0012】
尚、前述の如き外気調和機と関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、前述の如く、予熱器3の出口側の空気温度を測定しつつ、その前段の予熱器3の予熱流体の制御を行い、そして、吹き出される給気の温度と露点温度に基づいてその前段の加湿器9、加熱器7、冷却器5各々の熱搬送流体の制御を行う、いわゆるフィードバック制御を行うのでは、制御点が多く、給気の温度と露点温度を安定させるまでに時間がかかるという欠点を有していた。
【0015】
又、前記予熱温度調節器12、給気温度調節器15、給気露点温度調節器20に予め設定するPID設定値(比例帯、積分時間、微分時間設定値)によっては、給気の温度や露点温度がそれぞれの設定値を基準としてオーバーシュートとアンダーシュートを繰り返し、周期的に波を打つように変動してしまい、温水又は蒸気、並びに冷水の消費量が増え、収束過程でのエネルギロスが増加したり、或いは、給気の温度や露点温度それぞれの設定値に対するブレが残ってしまうという問題をも有していた。
【0016】
本発明は、斯かる実情に鑑み、外気温度と外気露点温度を測定するだけで、吹き出される給気の温度と露点温度を制御して短時間で安定させることができ、該給気の温度と露点温度の周期的な変動やブレを防止して収束過程でのエネルギロスを最小限に抑制し得る外気調和機の制御方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の請求項1は、外気が導入されるケーシング内に、予熱制御弁にて流量調節される予熱流体により外気を予熱する予熱器と、冷却制御弁にて流量調節される冷却流体により外気を冷却する冷却器と、加熱制御弁にて流量調節される加熱流体により外気を加熱する加熱器と、加湿制御弁にて流量調節される蒸気により外気を加湿する加湿器と、前記ケーシング内に導入された外気を給気として吹き出す送風機とを配設した外気調和機の制御方法において、
予め、前記予熱器の最大能力である最大予熱量を冬季外気最低温度設定値から外気予熱温度設定値までの予熱量として求め、前記冷却器の最大能力である最大冷却量を夏季外気最大エンタルピ設定値から冷却器出口空気エンタルピ設定最小値までの冷却量として求め、前記加熱器の最大能力である最大加熱量を外気予熱温度設定値から給気吹出温度設定最大値までの加熱量として求め、前記加湿器の最大能力である最大加湿量を冬季外気最低絶対湿度設定値から給気吹出状態設定点絶対湿度設定最大値までの加湿量として求めておき、
外気温度と外気露点温度を測定した測定値から演算して外気状態をT−X空気線図上の状態点として算出し、
前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値より高く前記冷却器による冷却除湿と前記加熱器による加熱とが必要となる領域Aと、前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値以下で且つ前記外気温度が外気予熱温度設定値以下で前記予熱器による予熱と前記加熱器による加熱と前記加湿器による加湿とが必要となる領域Bと、前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値以下で且つ前記外気温度が外気予熱温度設定値より高く且つ給気吹出状態設定点の乾球温度設定値以下で前記加熱器による加熱と前記加湿器による加湿とが必要となる領域Cと、前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値以下で且つ前記外気温度が給気吹出状態設定点の乾球温度設定値より高く前記冷却器による冷却と前記加湿器による加湿とが必要となる領域DとのうちいずれのT−X空気線図上の領域に外気の状態点が存在しているかを判定し、
前記領域Aに外気の状態点が存在している場合、給気吹出状態設定点の露点温度設定値上の冷却器出口空気エンタルピと外気の状態点における外気エンタルピとの差分に比例する前記冷却器による必要冷却量を算出して該必要冷却量と前記最大冷却量との比で表される冷却制御弁開度指令を前記冷却制御弁へ出力し、冷却器出口温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記加熱器による必要加熱量を算出して該必要加熱量と前記最大加熱量との比で表される加熱制御弁開度指令を前記加熱制御弁へ出力するようにし、
前記領域Bに外気の状態点が存在している場合、外気温度と外気予熱温度設定値との差分に比例する前記予熱器による必要予熱量を算出して該必要予熱量と前記最大予熱量との比で表される予熱制御弁開度指令を前記予熱制御弁へ出力し、外気予熱温度設定値と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記加熱器による必要加熱量を算出して該必要加熱量と前記最大加熱量との比で表される加熱制御弁開度指令を前記加熱制御弁へ出力し、外気絶対湿度と給気吹出状態設定点絶対湿度との差分に比例する前記加湿器による必要加湿量を算出して該必要加湿量と前記最大加湿量との比で表される加湿制御弁開度指令を前記加湿制御弁へ出力するようにし、
前記領域Cに外気の状態点が存在している場合、外気温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記加熱器による必要加熱量を算出して該必要加熱量と前記最大加熱量との比で表される加熱制御弁開度指令を前記加熱制御弁へ出力し、外気絶対湿度と給気吹出状態設定点絶対湿度との差分に比例する前記加湿器による必要加湿量を算出して該必要加湿量と前記最大加湿量との比で表される加湿制御弁開度指令を前記加湿制御弁へ出力するようにし、
前記領域Dに外気の状態点が存在している場合、外気温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記冷却器による必要冷却量を算出して該必要冷却量と前記最大冷却量との比で表される冷却制御弁開度指令を前記冷却制御弁へ出力し、外気絶対湿度と給気吹出状態設定点絶対湿度との差分に比例する前記加湿器による必要加湿量を算出して該必要加湿量と前記最大加湿量との比で表される加湿制御弁開度指令を前記加湿制御弁へ出力するようにしたことを特徴とする外気調和機の制御方法にかかるものである。
【0018】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0019】
測定した外気温度と外気露点温度に基づくフィードフォワード制御となるため、従来のように、予熱器の出口側の温度を測定しつつ、吹き出される給気の温度と露点温度に基づいて、いわゆるフィードバック制御を行うのとは異なり、制御点が多くならず、給気の温度と露点温度を安定させるまでに時間がかからなくなる。
【0020】
又、測定した外気温度及び外気露点温度の測定値から演算した外気状態のT−X空気線図上の状態点と、設定した給気吹出温度設定値、給気吹出露点温度設定値及び外気予熱温度設定値との関係から区分されるT−X空気線図上の領域A,B,C,Dのうちいずれの領域に外気の状態点が存在しているかを判定し、該領域に応じて、予熱器による必要予熱量と最大予熱量との比で表される予熱制御弁開度指令、冷却器による必要冷却量と最大冷却量との比で表される冷却制御弁開度指令、加熱器による必要加熱量と最大加熱量との比で表される加熱制御弁開度指令、並びに加湿器による必要加湿量と最大加湿量との比で表される加湿制御弁開度指令のうちの必要となる開度指令を対応する制御弁へ出力するようにしているため、従来のような予熱温度調節器、給気温度調節器、給気露点温度調節器は不要となり、これらの調節器に、測定値と設定値との偏差に基づく比例帯や、急激な変動応答によるオーバーシュートやズレであるオフセットを無くす積分時間や微分時間であるPID設定値を予め設定する必要もなく、一義で決まる比信号なので、給気の温度や露点温度がそれぞれの設定値を基準としてオーバーシュートとアンダーシュートを繰り返し周期的に波を打つように変動してしまうことが避けられ、温水又は蒸気、並びに冷水の消費量が減り、収束過程でのエネルギロスが増加しなくなると共に、給気の温度や露点温度それぞれの設定値に対するブレが残ってしまう心配もなくなる。
【0021】
本発明の請求項2は、外気が導入されるケーシング内に、冷却制御弁にて流量調節される冷却流体により外気を冷却する冷却器と、加熱制御弁にて流量調節される加熱流体により外気を加熱する加熱器と、加湿制御弁にて流量調節される蒸気により外気を加湿する加湿器と、前記ケーシング内に導入された外気を給気として吹き出す送風機とを配設した外気調和機の制御方法において、
予め、前記冷却器の最大能力である最大冷却量を夏季外気最大エンタルピ設定値から冷却器出口空気エンタルピ設定最小値までの冷却量として求め、前記加熱器の最大能力である最大加熱量を冬季外気最低温度設定値から給気吹出温度設定最大値までの加熱量として求め、前記加湿器の最大能力である最大加湿量を冬季外気最低絶対湿度設定値から給気吹出状態設定点絶対湿度設定最大値までの加湿量として求めておき、
外気温度と外気露点温度を測定した測定値から演算して外気状態をT−X空気線図上の状態点として算出し、
前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値より高く前記冷却器による冷却除湿と前記加熱器による加熱とが必要となる領域Aと、前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値以下で且つ前記外気温度が給気吹出状態設定点の乾球温度設定値以下で前記加熱器による加熱と前記加湿器による加湿とが必要となる領域C´と、前記外気露点温度が給気吹出状態設定点の露点温度設定値以下で且つ前記外気温度が給気吹出状態設定点の乾球温度設定値より高く前記冷却器による冷却と前記加湿器による加湿とが必要となる領域DとのうちいずれのT−X空気線図上の領域に外気の状態点が存在しているかを判定し、
前記領域Aに外気の状態点が存在している場合、給気吹出状態設定点の露点温度設定値上の冷却器出口空気エンタルピと外気の状態点における外気エンタルピとの差分に比例する前記冷却器による必要冷却量を算出して該必要冷却量と前記最大冷却量との比で表される冷却制御弁開度指令を前記冷却制御弁へ出力し、冷却器出口温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記加熱器による必要加熱量を算出して該必要加熱量と前記最大加熱量との比で表される加熱制御弁開度指令を前記加熱制御弁へ出力するようにし、
前記領域C´に外気の状態点が存在している場合、外気温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記加熱器による必要加熱量を算出して該必要加熱量と前記最大加熱量との比で表される加熱制御弁開度指令を前記加熱制御弁へ出力し、外気絶対湿度と給気吹出状態設定点絶対湿度との差分に比例する前記加湿器による必要加湿量を算出して該必要加湿量と前記最大加湿量との比で表される加湿制御弁開度指令を前記加湿制御弁へ出力するようにし、
前記領域Dに外気の状態点が存在している場合、外気温度と給気吹出状態設定点の乾球温度設定値との差分に比例する前記冷却器による必要冷却量を算出して該必要冷却量と前記最大冷却量との比で表される冷却制御弁開度指令を前記冷却制御弁へ出力し、外気絶対湿度と給気吹出状態設定点絶対湿度との差分に比例する前記加湿器による必要加湿量を算出して該必要加湿量と前記最大加湿量との比で表される加湿制御弁開度指令を前記加湿制御弁へ出力するようにしたことを特徴とする外気調和機の制御方法にかかるものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明の外気調和機の制御方法によれば、外気温度と外気露点温度を測定するだけで、吹き出される給気の温度と露点温度を制御して短時間で安定させることができ、該給気の温度と露点温度の周期的な変動やブレを防止して収束過程でのエネルギロスを最小限に抑制し得るという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0025】
図1〜
図17は本発明の外気調和機の制御方法の実施例であって、図中、
図18と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は
図18に示す従来のものと同様であるが、本実施例の特徴とするところは、
図1〜
図17に示す如く、ケーシング1の入側に、該ケーシング1に導入される外気の温度(乾球温度)を測定する外気温度計24と、外気の露点温度を測定する外気露点計25とを設け、前記外気温度計24で測定された外気温度と、前記外気露点計25で測定された外気露点温度とをコントローラ26に入力し、該コントローラ26において、前記外気温度と外気露点温度とに基づき、予熱器3による必要予熱量Q
phと最大予熱量Q
phmaxとの比で表される予熱制御弁開度指令2aと、冷却器5による必要冷却量Q
cと最大冷却量Q
cmaxとの比で表される冷却制御弁開度指令4aと、加熱器7による必要加熱量Q
hと最大加熱量Q
hmaxとの比で表される加熱制御弁開度指令6aと、加湿器9による必要加湿量Q
huと最大加湿量Q
humaxとの比で表される加湿制御弁開度指令8aとを求め、フィードフォワード制御を行うようにした点にある。
【0026】
尚、前記コントローラ26には、予熱器3の最大能力を示す最大予熱量Q
phmaxと、冷却器5の最大能力を示す最大冷却量Q
cmaxと、加熱器7の最大能力を示す最大加熱量Q
hmaxと、加湿器9の最大能力を示す最大加湿量Q
humaxとを算出する最大制御量算出器27を接続し、該最大制御量算出器27で算出される最大予熱量Q
phmaxと最大冷却量Q
cmaxと最大加熱量Q
hmaxと最大加湿量Q
humaxとをコントローラ26へ入力するようにしてある。これは、対象となるクリーンルーム等の設置地域や、室内空気設定条件、及びハードとしての外気調和機が決まった時点で、一度算出すれば固定値として扱えるものであり、その都度、演算する必要がないからである。
【0027】
本実施例の場合、先ず、
T
fmax:給気吹出温度設定最大値(乾球温度)
DP
fmax:給気吹出露点温度設定最大値
DP
fmin:給気吹出露点温度設定最小値
T
phd:外気予熱温度設定値(乾球温度)
φ
cd:冷却器出口相対湿度設定値
H
gmax:夏季外気最大エンタルピ設定値
T
gmin:冬季外気最低温度設定値(乾球温度)
X
gmin:冬季外気最低絶対湿度設定値
とし、これらの値を、
図2に示す如く、前記最大制御量算出器27(
図1参照)における入力処理部に入力し、予め、後述する冬季外気最低温度設定値T
gminから外気予熱温度設定値T
phdまでの予熱量である前記最大予熱量Q
phmaxと、後述する夏季外気最大エンタルピ設定値H
gmaxから冷却器出口空気エンタルピ設定最小値H
cdminまでの冷却量である前記最大冷却量Q
cmaxと、後述する外気予熱温度設定値T
phdから給気吹出温度設定最大値T
fmaxまでの加熱量である前記最大加熱量Q
hmaxと、後述する冬季外気最低絶対湿度設定値X
gminから給気吹出状態設定点絶対湿度設定最大値X
fmaxまでの加湿量である前記最大加湿量Q
humaxとを求めておき、該最大制御量算出器27における出力処理部から前記コントローラ26へ出力する。尚、前記最大予熱量Q
phmaxと、前記最大冷却量Q
cmaxと、前記最大加熱量Q
hmaxと、前記最大加湿量Q
humaxとが装置容量として既に分かっている場合は、前記最大制御量算出器27を用いず、直接、コントローラ26へ入力しても良い。
【0028】
続いて、
T
g:外気温度(測定値)
DP
g:外気露点温度(測定値)
T
f:給気吹出状態設定点の乾球温度設定値(給気吹出温度設定値とも表す)
DP
f:給気吹出状態設定点の露点温度設定値(給気吹出露点温度設定値とも表す)
とし、これらの値と、前記最大制御量算出器27の出力処理部から出力される値(最大予熱量Q
phmax、最大冷却量Q
cmax、最大加熱量Q
hmax、最大加湿量Q
humax、及び最大制御量算出器27への入力値そのままの二つの設定値であって、そのうちの一つは、予熱器3の出口空気温度設定値である外気予熱温度設定値T
phdであり、もう一つは、冷却器5の有限なコイル列数やフィンピッチの粗さから生じるコイルに全く触れないで冷却器5を素通りする空気があるために、理論値である飽和空気線まで到達できない、いわゆるバイパスファクターで表現される冷却器5の性能を相対湿度で示す冷却器出口相対湿度設定値φ
cdである)とを、
図3に示す如く、前記コントローラ26(
図1参照)における入力処理部に入力し、前記外気露点温度DP
g並びに外気温度T
gに基づき、領域Aと、領域Bと、領域Cと、領域Dのうちいずれの領域に外気が存在しているかを判定する。尚、これまで述べてきた最大予熱量Q
phmaxと外気予熱温度設定値T
phdは、ハードとして予熱器3が必要ない外気調和機の場合には当然なくなり、その場合の最大加熱量Q
hmaxは、外気温度T
gから給気吹出温度設定最大値T
fmaxまでの加熱量となる。
【0029】
ここで、前記給気吹出状態設定点の乾球温度設定値T
fと給気吹出状態設定点の露点温度設定値DP
fは、
図11に示すT−X空気線図(湿り空気線図)において、通常、加湿器9が狭い空間で速い気流中に蒸気を吹く構成により実用上、相対湿度80[%]程度までしか加湿が載らないという、加湿器9の性能等から規定される上限値である給気吹出相対湿度設定最大値φ
fmaxを結んだ線と、室内精密湿度制御のための外気露点制御に関係し且つ室内で設定可能な最低相対湿度にも関係する給気吹出状態設定点絶対湿度設定最小値X
fminを表す線と、室内精密湿度制御のための外気露点制御に関係し且つ室内で設定可能な最高相対湿度にも関係する給気吹出状態設定点絶対湿度設定最大値X
fmaxを表す線と、室内設定温度及び室内還気との混合性から規定される給気吹出温度設定最大値T
fmaxを表す線とで囲まれる範囲(
図11では斜線を付してある)内に設定される点であって、この点が給気吹出状態設定点Fとなる。尚、
図11中、T
fminは給気吹出温度設定最小値、DP
fminは給気吹出露点温度設定最小値、DP
fmaxは給気吹出露点温度設定最大値を示し、それぞれ給気吹出相対湿度設定最大値φ
fmaxを結んだ線と他の線との交点で表現されている。又、外気露点制御に関係し且つ室内で設定可能な最低相対湿度にも関係する給気吹出状態設定点絶対湿度設定最小値X
fminを表す線と、外気露点制御に関係し且つ室内で設定可能な最高相対湿度にも関係する給気吹出状態設定点絶対湿度設定最大値X
fmaxを表す線は、その建設したクリーンルームで取り得る室内設定値から導かれても良く、又、ユニット化した外気調和機ハードで取り得る値でも良いが、給気吹出状態設定点絶対湿度設定最小値X
fminを表す線については、最終的に冷却器5の性能によって決まってしまう。
【0030】
前記最大冷却量Q
cmaxは、
図12に示す如く、夏季外気状態設定点Sにおける夏季外気最大エンタルピ設定値をH
gmaxとした場合、
[数1]
Q
cmax=C1×風量×(H
gmax−H
cdmin)
但し、C1:定数
H
cdmin:冷却器出口空気エンタルピ設定最小値
と表され、冷却器出口空気エンタルピ設定最小値H
cdminは、
[数2]
H
cdmin=1.006・T
cdmin+(1.085・T
cdmin+2501)・X
cdmin
但し、T
cdmin:冷却器出口温度設定最小値(乾球温度)
X
cdmin:冷却器出口絶対湿度設定最小値
と表され、冷却器出口絶対湿度設定最小値X
cdminは、
[数3]
X
cdmin=X
fmin=F
1(DP
fmin)
但し、X
fmin:給気吹出状態設定点絶対湿度設定最小値
F
1:関数
と表され、給気吹出状態設定点絶対湿度設定最小値X
fminと給気吹出露点温度設定最小値DP
fminは一対一の関係があり、下記の[表1]の値より内挿(補間)で求まるが、前記冷却器出口温度設定最小値T
cdminが未知となるので、これを求める。前記冷却器5がクロスフィン型コイルの場合、該コイル列数によりバイパスファクターが決まり、これによって冷却器5を通過する外気の相対湿度は、95〜100[%]の間で一定となる。この相対湿度を冷却器出口相対湿度設定値φ
cdとすると、この相対湿度の範囲では、冷却器出口相対湿度設定値φ
cdは冷却器出口飽和度ψ
cdと略等しいので、
図12に示す如く、
φ
cd≒ψ
cd
となる。又、飽和度の定義は、絶対湿度をXとし、同じ温度における飽和空気の絶対湿度をXSとした場合、
ψ=X/XS×100
であるから、XSが求まれば、該飽和空気絶対湿度に対応する露点温度が冷却器出口温度設定最小値T
cdminとなる。つまり、冷却器出口温度設定最小値T
cdminと同じ温度における飽和空気の絶対湿度をXS
cdminとすると、
[数4]
XS
cdmin=X
cdmin/ψ
cd×100
≒X
cdmin/φ
cd×100(=X
fmin/ψ
cd×100)
となり、
[数5]
T
cdmin=DP
cdmin´
=G
1(XS
cdmin)
但し、G
1:関数
となる。絶対湿度と露点温度は前述した通り一対一の関係があり、下記の[表1]の値より内挿(補間)で求まるため、[数3]、[数5]を[数2]に代入すれば、冷却器出口空気エンタルピ設定最小値H
cdminが求まり、該冷却器出口空気エンタルピ設定最小値H
cdminと夏季外気最大エンタルピ設定値H
gmaxを[数1]に代入すれば、最大冷却量Q
cmaxを求めることができる。
【表1】
【0031】
前記最大加熱量Q
hmaxは、
図11に示す如く、
[数6]
Q
hmax=C2×風量×(T
fmax−T
phd)
但し、C2:定数
T
fmax:給気吹出温度設定最大値(=T
hdmax:加熱器出口温度設定最大値(乾球温度))
T
phd:外気予熱温度設定値
と表され、求めることができる。尚、外気調和機に予熱器3を備えない場合の最大加熱量Q
hmaxは、
[数6a]
Q
hmax=C2×風量×(T
fmax−T
gmin)
但し、C2:定数
T
fmax:給気吹出温度設定最大値(=T
hdmax:加熱器出口温度設定最大値(乾球温度))
T
gmin:冬季外気最低温度設定値
と表される。
【0032】
前記最大予熱量Q
phmaxは、
図11に示す如く、冬季外気状態設定点Wにおける冬季外気最低温度設定値をT
gminとした場合、
[数7]
Q
phmax=C2×風量×(T
phd−T
gmin)
と表され、求めることができる。尚、外気調和機に予熱器3を備えない場合、この式は適用しない。
【0033】
前記最大加湿量Q
humaxは、
図11に示す如く、冬季外気状態設定点Wにおける冬季外気最低絶対湿度設定値をX
gminとした場合、
[数8]
Q
humax=C3×風量×(X
fmax−X
gmin)
但し、C3:定数
X
fmax:給気吹出状態設定点絶対湿度設定最大値(=X
kdmax:加湿器出口絶対湿度設定最大値)
と表され、求めることができる。
【0034】
前記領域Aと、領域Bと、領域Cと、領域Dは、
図13に示す湿り空気線図において、相対湿度φと飽和度ψとが共に100[%]となる飽和空気線と、給気吹出温度設定値T
fを示す線と、給気吹出露点温度設定値DP
fを示す線と、外気予熱温度設定値T
phdを示す線とによって区分され、前記給気吹出温度設定値T
fを示す線と給気吹出露点温度設定値DP
fを示す線との交点が給気吹出状態設定点Fとなり、前記領域Aは、前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
fより高い領域で、前記冷却器5による冷却除湿と前記加熱器7による加熱とが必要となり、前記領域Bは、前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
f以下で且つ前記外気温度T
gが外気予熱温度設定値T
phd以下となる領域で、前記予熱器3による予熱と前記加熱器7による加熱と前記加湿器9による加湿とが必要となり、前記領域Cは、前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
f以下で且つ前記外気温度T
gが外気予熱温度設定値T
phdより高く且つ給気吹出温度設定値T
f以下となる領域で、前記加熱器7による加熱と前記加湿器9による加湿とが必要となり、前記領域Dは、前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
f以下で且つ前記外気温度T
gが給気吹出温度設定値T
fより高い領域で、前記冷却器5による冷却と前記加湿器9による加湿とが必要となる。ここで、外気調和機に予熱器3を備えない場合は、前記領域Bは存在せず、前記領域Cの代わりに、
図13において前記領域Bと前記領域Cとを合わせた領域が領域C´(図示せず)となる。該領域C´は、前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
f以下で且つ前記外気温度T
gが給気吹出温度設定値T
f以下となる領域で、前記加熱器7による加熱と前記加湿器9による加湿とが必要となる。
【0035】
次に、前記領域Aに外気が存在している場合について説明する。前述した通り、領域Aは、前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
fより高い領域で、前記冷却器5による冷却除湿と前記加熱器7による加熱とが必要となる。尚、この場合、前記予熱器3による予熱と加湿器9による加湿は必要ない。
【0036】
図4及び
図14に示す如く、外気絶対湿度X
gを、
[数9]
X
g=F
1(DP
g)
より算出し、外気エンタルピH
gを、
[数10]
H
g=1.006・T
g+(1.085・T
g+2501)・X
g
より算出する。前記冷却器5による必要冷却量Q
cは、
[数11]
Q
c=C1×風量×(H
g−H
cd)
と表され、この式に[数10]の外気エンタルピH
gと冷却器出口空気エンタルピH
cdを代入すれば、必要冷却量Q
cの算出が可能となる。因みに、冷却器出口空気エンタルピH
cdは、
[数12]
H
cd=1.006・T
cd+(1.085・T
cd+2501)・X
cd
但し、T
cd:冷却器出口温度(乾球温度)
X
cd:冷却器出口絶対湿度
と表され、冷却器出口絶対湿度X
cdは、
[数13]
X
cd=X
f=F
1(DP
f)
但し、X
f:給気吹出状態設定点絶対湿度
F
1:関数
と表され、給気吹出状態設定点絶対湿度X
fと給気吹出露点温度設定値DP
fは一対一の関係があり、前記[表1]の値より内挿(補間)で求まるが、前記冷却器出口温度T
cdが未知となるので、これを求める。前記冷却器5がクロスフィン型コイルの場合、該コイル列数によりバイパスファクターが決まり、これによって冷却器5を通過する外気の相対湿度は、95〜100[%]の間で一定となる。この相対湿度を冷却器出口相対湿度設定値φ
cdとすると、この相対湿度の範囲では、冷却器出口相対湿度設定値φ
cdは冷却器出口飽和度ψ
cdと略等しいので、
図14に示す如く、
φ
cd≒ψ
cd
となる。又、飽和度の定義は、絶対湿度をXとし、同じ温度における飽和空気の絶対湿度をXSとした場合、
ψ=X/XS×100
であるから、XSが求まれば、該飽和空気絶対湿度に対応する露点温度が冷却器出口温度T
cdとなる。つまり、冷却器出口温度T
cdと同じ温度における飽和空気の絶対湿度をXS
cdとすると、
[数14]
XS
cd=X
cd/ψ
cd×100
≒X
cd/φ
cd×100(=X
f/ψ
cd×100)
となり、
[数15]
T
cd=DP
cd´
=G
1(XS
cd)
但し、G
1:関数
となる。絶対湿度と露点温度は前述した通り一対一の関係があり、前記[表1]の値より内挿(補間)で求まるため、[数13]、[数15]を[数12]に代入すれば、冷却器出口空気エンタルピH
cdが求めることができる。ここで、冷却制御弁4の開度は、最大冷却時を全開とし、リニア特性のバルブを使用することで、前記必要冷却量Q
cと前記最大冷却量Q
cmaxとの比、即ち、
[数16]
Q
c/Q
cmax×100[%]
として算出できるため、これを
図8に示す如く前記コントローラ26の出力処理部から冷却制御弁開度指令4aとして前記冷却制御弁4(
図1参照)へ出力すれば良い。
【0037】
同時に、前記加熱器7による必要加熱量Q
hは、
[数17]
Q
h=C2×風量×(T
hd−T
cd)
=C2×風量×(T
f−T
cd)
と表され、この式に給気吹出温度設定値T
fと[数15]の冷却器出口温度T
cdを代入すれば、必要加熱量Q
hの算出が可能となる。ここで、加熱制御弁6の開度は、最大加熱時を全開とし、リニア特性のバルブを使用することで、前記必要加熱量Q
hと前記最大加熱量Q
hmaxとの比、即ち、
[数18]
Q
h/Q
hmax×100[%]
として算出できるため、これを
図8に示す如く前記コントローラ26の出力処理部から加熱制御弁開度指令6aとして前記加熱制御弁6(
図1参照)へ出力すれば良い。
【0038】
又、前記領域Bに外気が存在している場合について説明する。前述した通り、領域Bは、前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
f以下で且つ前記外気温度T
gが外気予熱温度設定値T
phd以下となる領域で、前記予熱器3による予熱と前記加熱器7による加熱と前記加湿器9による加湿とが必要となる。尚、この場合、前記冷却器5による冷却は必要ない。
【0039】
図5及び
図15に示す如く、前記予熱器3による必要予熱量Q
phは、
[数19]
Q
ph=C2×風量×(T
phd−T
g)
と表され、この式に外気予熱温度設定値T
phdと測定される外気温度T
gを代入すれば、必要予熱量Q
phの算出が可能となる。ここで、予熱制御弁2の開度は、最大予熱時を全開とし、リニア特性のバルブを使用することで、前記必要予熱量Q
phと前記最大予熱量Q
phmaxとの比、即ち、
[数20]
Q
ph/Q
phmax×100[%]
として算出できるため、これを
図8に示す如く前記コントローラ26の出力処理部から予熱制御弁開度指令2aとして前記予熱制御弁2(
図1参照)へ出力すれば良い。
【0040】
同時に、前記加熱器7による必要加熱量Q
hは、
[数21]
Q
h=C2×風量×(T
hd−T
phd)
=C2×風量×(T
f−T
phd)
と表され、この式に給気吹出温度設定値T
fと外気予熱温度設定値T
phdを代入すれば、必要加熱量Q
hの算出が可能となる。この場合の加熱制御弁6の開度は、前記必要加熱量Q
hが前記最大加熱量Q
hmaxと等しくなるので、常に全開(100[%])となり、これを
図8に示す如く前記コントローラ26の出力処理部から加熱制御弁開度指令6aとして前記加熱制御弁6(
図1参照)へ出力すれば良い。
【0041】
更に、前記加湿器9による必要加湿量Q
huは、
[数22]
Q
hu=C3×風量×(X
kd−X
g)
=C3×風量×(X
f−X
g)
と表され、この式に、給気吹出露点温度設定値DP
fと一対一の関係があって[表1]の値より内挿(補間)で求まる給気吹出状態設定点絶対湿度X
fと、測定される外気露点温度DP
gと一対一の関係があって[表1]の値より内挿(補間)で求まる外気絶対湿度X
gを代入すれば、必要加湿量Q
huの算出が可能となる。ここで、加湿制御弁8の開度は、最大加湿時を全開とし、リニア特性のバルブを使用することで、前記必要加湿量Q
huと前記最大加湿量Q
humaxとの比、即ち、
[数23]
Q
hu/Q
humax×100[%]
として算出できるため、これを
図8に示す如く前記コントローラ26の出力処理部から加湿制御弁開度指令8aとして前記加湿制御弁8(
図1参照)へ出力すれば良い。
【0042】
又、前記領域Cに外気が存在している場合について説明する。前述した通り、領域Cは、前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
f以下で且つ前記外気温度T
gが外気予熱温度設定値T
phdより高く且つ給気吹出温度設定値T
f以下となる領域で、前記加熱器7による加熱と前記加湿器9による加湿とが必要となる。尚、この場合、前記予熱器3による予熱と冷却器5による冷却は必要ない。
【0043】
図6及び
図16に示す如く、前記加熱器7による必要加熱量Q
hは、
[数24]
Q
h=C2×風量×(T
hd−T
g)
=C2×風量×(T
f−T
g)
と表され、この式に給気吹出温度設定値T
fと測定される外気温度T
gを代入すれば、必要加熱量Q
hの算出が可能となる。この場合の加熱制御弁6の開度は、前記領域Aに外気が存在している場合と同様、[数18]に示すように、前記必要加熱量Q
hと前記最大加熱量Q
hmaxとの比として算出できるため、これを
図8に示す如く前記コントローラ26の出力処理部から加熱制御弁開度指令6aとして前記加熱制御弁6(
図1参照)へ出力すれば良い。
【0044】
更に、前記加湿器9による必要加湿量Q
huは、前記領域Bに外気が存在している場合と同様、[数22]より算出が可能となる。この場合の加湿制御弁8の開度も、前記領域Bに外気が存在している場合と同様、[数23]に示すように、前記必要加湿量Q
huと前記最大加湿量Q
humaxとの比として算出できるため、これを
図8に示す如く前記コントローラ26の出力処理部から加湿制御弁開度指令8aとして前記加湿制御弁8(
図1参照)へ出力すれば良い。ここで、外気調和機に予熱器3を備えない場合は、前記領域Bと前記領域Cとを合わせた領域C´となり、前記加熱器7による必要加熱量Q
hは、上記と同様に、[数24]の式に給気吹出温度設定値T
fと測定される外気温度T
gを代入すれば良い。
【0045】
又、前記領域Dに外気が存在している場合について説明する。前述した通り、領域Dは、前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
f以下で且つ前記外気温度T
gが給気吹出温度設定値T
fより高い領域で、前記冷却器5による冷却と前記加湿器9による加湿とが必要となる。尚、この場合、前記予熱器3による予熱と加熱器7による加熱は必要ない。
【0046】
図7及び
図17に示す如く、前記冷却器5による必要冷却量Q
cは、
[数25]
Q
c=C2×風量×(T
g−T
cd)
=C2×風量×(T
g−T
f)
と表され、この式に測定される外気温度T
gと給気吹出温度設定値T
fを代入すれば、必要冷却量Q
cの算出が可能となる。ここで、冷却制御弁4の開度は、前記領域Aに外気が存在している場合と同様、[数16]に示すように、前記必要冷却量Q
cと前記最大冷却量Q
cmaxとの比として算出できるため、これを
図8に示す如く前記コントローラ26の出力処理部から冷却制御弁開度指令4aとして前記冷却制御弁4(
図1参照)へ出力すれば良い。
【0047】
同時に、前記加湿器9による必要加湿量Q
huは、前記領域B或いは領域Cに外気が存在している場合と同様、[数22]より算出が可能となる。この場合の加湿制御弁8の開度も、前記領域B或いは領域Cに外気が存在している場合と同様、[数23]に示すように、前記必要加湿量Q
huと前記最大加湿量Q
humaxとの比として算出できるため、これを
図8に示す如く前記コントローラ26の出力処理部から加湿制御弁開度指令8aとして前記加湿制御弁8(
図1参照)へ出力すれば良い。
【0048】
そして、前述した本発明の外気調和機の制御方法の実施例における制御の流れをフローチャートとしてまとめると、
図9及び
図10に示すように、給気吹出温度設定値T
f、給気吹出露点温度設定値DP
fの設定が行われ、外気調和機の運転が開始されると共に、給気吹出温度設定最大値T
fmax、給気吹出露点温度設定最小値DP
fmin、外気予熱温度設定値T
phd、冷却器出口相対湿度設定値φ
cd、夏季外気最大エンタルピ設定値H
gmax、冬季外気最低温度設定値T
gmin、冬季外気最低絶対湿度設定値X
gminの前記最大制御量算出器27への設定読み込みが行われ、前記冷却器5の最大能力である最大冷却量Q
cmax、前記加熱器7の最大能力である最大加熱量Q
hmax、前記予熱器3の最大能力である最大予熱量Q
phmax、前記加湿器9の最大能力である最大加湿量Q
humaxの算出が行われた後、外気温度T
g、外気露点温度DP
gの測定が行われ、外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
fより高い場合、領域Aに外気が存在していると判定され、必要冷却量Q
c、必要加熱量Q
hの算出が行われ、冷却制御弁4、加熱制御弁6へそれぞれ、冷却制御弁開度指令4a、加熱制御弁開度指令6aが出力される。前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
f以下で且つ前記外気温度T
gが外気予熱温度設定値T
phd以下である場合、領域Bに外気が存在していると判定され、必要予熱量Q
ph、必要加熱量Q
h、必要加湿量Q
huの算出が行われ、予熱制御弁2、加熱制御弁6、加湿制御弁8へそれぞれ、予熱制御弁開度指令2a、加熱制御弁開度指令6a、加湿制御弁開度指令8aが出力される。前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
f以下で且つ前記外気温度T
gが外気予熱温度設定値T
phd以下でなく、給気吹出温度設定値T
f以下である場合、領域Cに外気が存在していると判定され、必要加熱量Q
h、必要加湿量Q
huの算出が行われ、加熱制御弁6、加湿制御弁8へそれぞれ、加熱制御弁開度指令6a、加湿制御弁開度指令8aが出力される。前記外気露点温度DP
gが給気吹出露点温度設定値DP
f以下で且つ前記外気温度T
gが給気吹出温度設定値T
fより高い場合、領域Dに外気が存在していると判定され、必要冷却量Q
c、必要加湿量Q
huの算出が行われ、冷却制御弁4、加湿制御弁8へそれぞれ、冷却制御弁開度指令4a、加湿制御弁開度指令8aが出力される。外気調和機が停止していなければ、一定時間(例えば、一分程度)経過後に、前記外気温度T
g、外気露点温度DP
gの測定が再び行われて、前述と同様の操作が繰り返し行われる形となる。尚、外気調和機が停止している場合は制御が終了する形となる。
【0049】
因みに、前記給気吹出温度設定値T
f、給気吹出露点温度設定値DP
f、外気予熱温度設定値T
phd、冷却器出口相対湿度設定値φ
cd、夏季外気最大エンタルピ設定値H
gmax、冬季外気最低温度設定値T
gmin、冬季外気最低絶対湿度設定値X
gminの具体的数値の一例を示すと、
T
f=23[℃]
DP
f=12[℃]
T
phd=10[℃]
φ
cd=95[%]
H
gmax=85[kJ/kg]
T
gmin=−2[℃]
X
gmin=0.0016[kg/kg(DA)]
となる。尚、前記夏季外気最大エンタルピ設定値H
gmaxの85[kJ/kg]という値は、例えば、
図12の湿り空気線図において、夏季の外気絶対湿度X
gを0.0202[kg/kg(DA)]、夏季の外気温度T
gを33[℃]と仮定した場合のものであって、この場合、夏季外気相対湿度φ
gmaxは63[%]に相当する。又、
図11の湿り空気線図において、前記冬季外気最低温度設定値T
gminを−2[℃]、前記冬季外気最低絶対湿度設定値X
gminを0.0016[kg/kg(DA)]とした場合、冬季外気相対湿度は50[%]に相当する。
【0050】
上記実施例のように外気調和機の制御を行うと、測定した外気温度T
gと外気露点温度DP
gに基づくフィードフォワード制御となるため、従来のように、予熱器3の出口側の温度を測定しつつ、吹き出される給気の温度と露点温度に基づいて、いわゆるフィードバック制御を行うのとは異なり、制御点が多くならず、給気の温度と露点温度を安定させるまでに時間がかからなくなる。
【0051】
又、測定した外気温度T
g及び外気露点温度DP
gと、設定した給気吹出温度設定値T
f、給気吹出露点温度設定値DP
f及び外気予熱温度設定値T
phdとの関係から区分される領域A,B,C,Dのうちいずれの領域に外気が存在しているかを判定し、該領域に応じて、予熱器3による必要予熱量Q
phと最大予熱量Q
phmaxとの比で表される予熱制御弁開度指令2a、冷却器5による必要冷却量Q
cと最大冷却量Q
cmaxとの比で表される冷却制御弁開度指令4a、加熱器7による必要加熱量Q
hと最大加熱量Q
hmaxとの比で表される加熱制御弁開度指令6a、加湿器9による必要加湿量Q
huと最大加湿量Q
humaxとの比で表される加湿制御弁開度指令8aのうちの必要となる開度指令を対応する制御弁へ出力するようにしているため、従来のような予熱温度調節器12、給気温度調節器15、給気露点温度調節器20(
図18参照)は不要となり、これらの調節器にPID設定値を予め設定する必要もなく、給気の温度や露点温度がそれぞれの設定値を基準としてオーバーシュートとアンダーシュートを繰り返し周期的に波を打つように変動してしまうことが避けられ、温水又は蒸気、並びに冷水の消費量が減り、収束過程でのエネルギロスが増加しなくなると共に、給気の温度や露点温度それぞれの設定値に対するブレが残ってしまう心配もなくなる。
【0052】
こうして、外気温度T
gと外気露点温度DP
gを測定するだけで、吹き出される給気の温度と露点温度を制御して短時間で安定させることができ、該給気の温度と露点温度の周期的な変動やブレを防止して収束過程でのエネルギロスを最小限に抑制し得る。
【0053】
尚、本発明の外気調和機の制御方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。