特許第5719311号(P5719311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5719311画像系リーダー用のモジュール式焦点システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5719311
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】画像系リーダー用のモジュール式焦点システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/08 20060101AFI20150423BHJP
   G02B 7/02 20060101ALI20150423BHJP
   G02B 7/04 20060101ALI20150423BHJP
   G06K 7/015 20060101ALI20150423BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   G02B7/08 Z
   G02B7/02 C
   G02B7/02 Z
   G02B7/04 E
   G06K7/015
   G06K7/10 300
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-545480(P2011-545480)
(86)(22)【出願日】2010年1月11日
(65)【公表番号】特表2012-515359(P2012-515359A)
(43)【公表日】2012年7月5日
(86)【国際出願番号】US2010020584
(87)【国際公開番号】WO2010081060
(87)【国際公開日】20100715
【審査請求日】2012年12月20日
(31)【優先権主張番号】12/352,109
(32)【優先日】2009年1月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500576452
【氏名又は名称】コグネックス・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100108017
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】ヌニンク、ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ロイター、リヒャルト
【審査官】 辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06669093(US,B1)
【文献】 国際公開第2008/076399(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/08
G02B 7/02
G02B 7/04
G06K 7/015
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ハウジング内に固定されたレンズ取り付け構造と、
(B)前記レンズ取付構造によって回転自在に収容されたレンズバレルと、
(C)標的物体から反射された画像データを獲得するセンサーと、
(D)前記レンズバレル内に光学軸の周りに固定された、前記センサー上に前記画像データの焦点を合わせる、撮像レンズアセンブリと、
(E)標的向きの端部に配置された焦点リング、及び、センサー向きの端部に配置された保持フランジを有する(E1)第1の取り外し可能なレンズ付属品、並びに、液体レンズハウジング内に固定された液体レンズ、及び、前記液体レンズと電気的に接触された一対の電極を有する(E2)第2の取り外し可能なレンズ付属品を有するモジュール式焦点システムと、
を備えた画像系コードリーダーであって、
(i)前記第1のレンズ付属品が前記コードリーダーに固定されたときに、前記第1のレンズ付属品を調整すること、及び、(ii)前記第2のレンズ付属品が前記レンズバレルに接続されたときに、前記液体レンズに電圧を供給すること、のうちいずれか一方によって、前記コードリーダーの焦点が合わせられるようになっている、画像系コードリーダー。
【請求項2】
前記第1のレンズ付属品が回転されると、前記撮像レンズアセンブリが前記センサーから軸方向に動いて、前記コードリーダーの焦点が合わせられるようになっている、請求項1に記載の画像系コードリーダー。
【請求項3】
前記画像系コードリーダーが、ロッキングタブを含むカバーを備え、そして、前記ロッキングタブが、前記ハウジングに接続されたときに前記第1のレンズ付属品のスロット内に収容されて、前記第1のレンズ付属品の回転を防ぐようになっている、請求項2に記載の画像系コードリーダー。
【請求項4】
前記レンズ取付構造が、1以上の位置合わせ用タブを有し、前記第1のレンズ付属品が前記レンズバレルに配置され、かつ、前記第1のレンズ付属品が、前記レンズバレルから取り外されたときに、1以上の前記位置合わせ用タブと合わせられる1以上のキースロットを含み、そして、前記1以上の位置合わせ用タブが、前記撮像レンズの所定の焦点距離に相当する、請求項2に記載の画像系コードリーダー。
【請求項5】
前記1以上の位置合わせ用タブが、前記レンズ取付構造に配置されたリセプタクルに形成され、そして、前記1以上のキースロットが、前記保持フランジに形成されている、請求項4に記載の画像系コードリーダー。
【請求項6】
前記液体レンズハウジングが、前記レンズバレルに配置され、かつ、前記レンズバレルから取り外されたときに、前記1以上の位置合わせ用タブと合わせられる1以上のキースロットを含み、そして、前記1以上の位置合わせ用タブが、前記撮像レンズの所定の焦点距離に相当する、請求項に記載の画像系コードリーダー。
【請求項7】
前記画像系コードリーダーが、前記第2の取り外し可能なレンズ付属品が前記コードリーダーに接続されていることを検出するコントローラを含む、請求項に記載の画像系コードリーダー。
【請求項8】
前記画像系コードリーダーが、焦点が外れた画像データ、標的距離、及び、オペレータ入力のいずれか1以上を検出するコントローラを有し、そして、焦点が外れた画像データ、標的距離、及び、オペレータ入力のうちいずれかが検出されたときに、前記コントローラが、前記液体レンズ用の出力電圧を生じさせるようになっている、請求項に記載の画像系コードリーダー。
【請求項9】
リセプタクルを有するレンズ取付構造と、
前記リセプタクル内に少なくとも部分的に配置されたレンズバレルと、
前記レンズバレル内に光学軸の周りに固定された、物体から反射された画像データをセンサー上に集束する、撮像レンズと、
手動焦点レンズ付属品、及び、可変焦点レンズモジュールを含む、前記リーダーの焦点を調整するための複数の取り外し可能なレンズ付属品と、
を備えた、画像系コードリーダー用のモジュール式焦点システムであって、
前記手動レンズ付属品の回転が前記センサーに対する前記撮像レンズの軸方向の移動に変換されるように前記手動焦点レンズ付属品が前記レンズバレルに固定され、そして、
前記可変焦点レンズモジュールが前記レンズバレルに固定され、かつ、コントローラに電気的に接続されて、前記コントローラからの出力によって前記コードリーダーの焦点が調整されるようになっている、モジュール式焦点システム。
【請求項10】
前記手動焦点レンズモジュールが、標的向きの端部に配置された焦点リングと、センサー向きの端部に配置された保持フランジと、を含む、請求項9に記載のモジュール式焦
点システム。
【請求項11】
前記手動焦点レンズモジュールが、前記レンズバレルの回転を所定範囲に制限する機械的ストップを有している、請求項10に記載のモジュール式焦点システム。
【請求項12】
前記可変焦点レンズモジュールが、ハウジング内に配置された液体レンズと、前記液体レンズと電気的に接触された一対の電極と、を含む、請求項に記載のモジュール式焦点システム。
【請求項13】
前記可変焦点レンズモジュールが、前記ハウジング内に前記液体レンズ及び前記電極を保持するための付勢部材を含む、請求項12に記載のモジュール式焦点システム。
【請求項14】
前記リセプタクルが、1以上の内側に延設された位置合わせ用タブを含み、そして、前記複数のレンズ付属品がそれぞれ1以上のキースロットを有して、前記1以上の位置合わせ用タブ及び前記1以上のキースロットが、前記レンズ付属品と前記コードリーダー間の結合・分離を可能とするように合わせられる、請求項に記載のモジュール式焦点シス
テム。
【請求項15】
前記リセプタクルが、前記可変焦点レンズモジュールに形成された伸張部を収容する切り抜きを含む、請求項14に記載のモジュール式焦点システム。
【請求項16】
ベース及びカバーを備えたハウジングと、第1の電気接点と、液体レンズ部品と、スペーサと、第2の電気接点と、付勢部材と、を備えた、画像系コードリーダー用の取り外し可能な可変焦点レンズモジュールであって、
前記ベース及び前記カバーによって、モジュール軸の周りに前記ハウジングを通して延在する開口及び空洞が形成され、
前記第1の電気接点は、前記空洞内に設けられ、
前記第1の電気接点には、前記モジュール軸と概して平行して前記モジュール軸から延設された1以上の電極が設けられ、
前記スペーサによって、前記モジュール軸の周りに前記液体レンズ部品が配置され、
前記第1及び第2の電気接点が前記液体レンズ部品を挟むように前記第2の接点が前記空洞内に配置され、
前記付勢部材は、前記第1及び第2の電気接点のうち一つと、前記ベース及び前記カバーのうち一つとの間に配置されて、前記第1及び第2の接点が前記液体レンズ部品と電気的及び機械的に接触された状態を保持するようにされ、
前記モジュール軸が前記コードリーダーの光学軸と概して合わせられるように、前記可変焦点可変レンズモジュールが、前記コードリーダーに取り外し可能に固定され、そして、
前記可変焦点レンズモジュールが、手動焦点レンズモジュールと交換可能で、前記手動焦点レンズモジュールの軸が前記コードリーダーの光学軸と概して合わせられるようになっている、画像系コードリーダー用の取り外し可能な可変焦点レンズモジュール。
【請求項17】
前記ハウジングが、キースロットを含んで、前記可変焦点レンズモジュールが前記コードリーダーに固定され、又は、前記コードリーダーから取り外されたときに、前記キースロットが、前記コードリーダー内に設けられた位置合わせ用タブに合わせられるようになっている、請求項1に記載の取り外し可能な可変焦点レンズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マシン・ビジョウ・システム(machine vision system)に関し、特に、画像系ID又はコードリーダーが手動フォーカスリーダー(manual focus reader)及び可変フォーカスリーダー(variable focus reader)として動くことを可能にするモジュール式フォーカスシステム(modular focus system)に関する。
【背景技術】
【0002】
マシン・ビジョン・システム(machine vision system)は、様々な物体の画像を得るためにカメラのような画像取得装置(image acquisition device)を用いる。これらの画像は、画像化された物体それぞれに関する情報を得るために任意の数の解読アルゴリズム(decoding algorithm)に基づいて処理される。部品検査(parts inspection)、(店内の)全商品(inventory)、品質管理(quality control)等の様々な識別(identification)及び/または意思決定機能(decision-making function)は、得られた情報に基づいて作られる。
【0003】
画像系コードリーダー(image-based code reader)は、一種のマシン・ビジョン・システム(machine vision system)である。コード・リーディング(code reading)のために取得された画像(DPM(direct part mark)またはラベル系識別(label-based identification)としても知られている。)は、物体に配された1以上の1D(即ち、バーコード)、又は、2D(即ち、データマトリクスコード)シンボルを含む。このコードリーティングプロセス(code reading process)は、CMOSカメラ、CCD等のような画像取得センサー(image acquisition sensor)の視野内で1D又は2Dコードのいずれかで印された物体を繰り返し導入し、そのコードに光を当て、そして、そのコードを含んだ画像(即ち、画像データ)を取得することを含む。各コードは、所定のパターン組(そこからコンピュータのような付属されたデータプロセッサーによって物体に関する有用な情報が導き出される。)(例えば、一連の数字、タイプ、モデル、価格など)を含む。
【0004】
しかし、そのコードリーダーによって取得された画像データは、有効かつ反復可能な処理(processing)が可能なように十分集中される必要がある。これまでの画像系コードリーダーは、固定焦点(fixed focus)、手動焦点(manual focus)、及び/または、可変焦点リーダー(variable focus reader)として構成され得る。リータータイプに関係なく、その画像データが、リーダーの焦点面(focus plane)内に配された画像取得センサー上に十分焦点が合わせられたときに、解読可能な画像が得られる。
【0005】
固定焦点コードリーダー(fixed focus code reader)は、調整不可能であるため、画像系コードリーダーの最もベーシックな種のレンズを有する。このレンズは、各レンズの変化をなくすファクトリフォーカス処理(factory focus process)を経てから、画像センサーに対して所定の場所に固定される。設置されると、標的距離、即ち、レンズから標的物体までの距離は、リーダーの焦点距離によって語られる。当然のことながら、固定焦点リーダーは、標的距離が比較的一定であるか、又は、解像度の低い画像データが許容されるような場合には非常に有用である。しかしながら、この固定焦点リーダーは、標的距離が変わって(例えば、異なるサイズの標的物体)確実に解読できない分解(劣化)画像が得られる場合には、適していない。固定焦点コードリーダーが焦点合わせられた画像を得るために再配置されるか、又は、異なる標的距離に複数のリーダーが設置され得るにもかかわらず、複雑性及び費用の増加の点からすると、その解決策は特に満足できる程度のものではない。
【0006】
手動焦点コードリーダーは、こうした固定焦点コードリーダーの欠点の一部を克服できるものである。手動焦点コードリーダーは、固定焦点リーダーに近似しているが、リーダーを移動させずに、レンズを調整することによってリーダーの焦点を合わせるという限られた能力を有する。背景技術として、市販される固定型(fixed-mount)画像系コードリーダー2を図5に示す。このコードリーダー2は、レンズバレル8内に固定して組み付けられたレンズ6を含む光学アセンブリ4を有する。このレンズ6は、画像データ、即ち、画像から反射された光を画像面10、及び、平面10と位置合わせられた画像センサー20上に焦点を合わせる。リーダー2は、照明を制御し、画像データを取得し、そして、取得された画像データを有用な情報に処理/解読するように設けられたソフトウェアによって符号化されるハードウェア(図示せず)を含む。
【0007】
コードリーダー2は、コードリーダー2の焦点位置を手動で設定するために焦点リング(focus ring)14及びレンズバレル(lens barrel)8を支持するレンズ取付アセンブリ(lens mount assembly)12を含む。これらの部品は、標的物体18(即ち、画像化されるべき物体)と、画像センサー20との間に延設された光学軸16の周りに組み立てられる。このセンサー20は、光学軸16と画像面10との交差(点)に対して配置され、それにより、レンズ6によってセンサー20上に画像データの焦点が合わせられる。
【0008】
レンズバレル8の遠位端(distal end)は、レンズ取付アセンブリ12内に形成されたリセプタクル(receptacle)22にネジ式接続を通じて固定されている。レンズバレル8の近位端(proximal end)は、それに固定された焦点リング14を有する。このネジ式接続に基づいて、焦点リング14が手動回転されると、レンズバレル8がリセプタクル22の内側または外側へ動くようになる。この回転は、レンズ6と画像センサー20間の軸移動に変わる。
【0009】
このレンズ取付アセンブリ12は、ハウジング24内に固定され、かつ、透明なレンズカバー26によって覆われているので、光学及びハードウェア部品はダスト及び水分のような環境から保護されている。カバー26及びシーリングカスケット(sealing gasket)(図示せず)はスクリュー40によってハウジング40に固定されている。ケーブル28は、コードリーダー2とその他の装置(例えば、データベースアプリケーションを動かすホストコンピュータ)とを結ぶ役割をする。コンピュータは、コードリーダー102のための引き金信号を生じさせるとともに、画像データを受信する。ケーブル28は、またコードリーダー2に電源を供給する。
【0010】
手動焦点コードリーダー2は、複数の所定の焦点位置のうちいずれか一つで作動するようになっている。それらの位置はそれぞれユニークな焦点距離及びそれに相応するコードリーディング距離範囲を有している。各焦点位置は、焦点リング14上にマーキング30(例えば、"40", "65", and "105")で印されており、それは、メーカーによって定められたミリメータ単位の最適リーディング距離を表す。各焦点位置は、焦点リング14の外周(periphery)に形成された相応するスロット32を有する。そのスロット32は、焦点リング14に対し間隔を置いて配置され、かつ、レンズカバー26に形成されたロッキングタブ(locking tab)34を収容する。各スロット32の角度位置は、相応する所定の焦点距離、即ち、レンズ6と画像センサー20間の軸距離によって決められる。
【0011】
焦点リング14は、レンズ6が完全1周(one complete revolution)を超えて回転することを防止する機械的ストップ(stop)36を含む。そのストップは、焦点リング14が焦点範囲のいずれかの端(end)にあるときに、フォーカス・セレクター・タブ(focus selector tab)38を押圧する焦点リング14の突起部(protrusion)として形成されている。そのストップ36は、レンズバレル8を完全1周以下に収めるために、画像センサー20に対するレンズ6の軸方向移動を制限する。
【0012】
リーダー2の焦点位置を設定するために、焦点リング14を手動で調整して、所定の焦点位置セッティング30をフォーカス・セレクター・タブ38と整合させる。ロッキングタブ34は、カバー26がオンである(即ち、立っている)ときに、レンズバレル8の回転を防止するので、いずれかの所定の焦点位置にレンズ6をロックする。カバー26は、ピン34がいずれかの焦点位置スロット32と合わせられてそこに収容されたときに、単にハウジング24に固定され得る。
【0013】
手動焦点コードリーダー2が、前述のようなある程度の焦点柔軟性(focusing flexibility)を提供するにもかかわらず、コードリーダー2の焦点位置を変えることは複雑だけでなく時間を要する作業でもある。また、こうしたコードリーダー2の焦点位置を変えるためには適切なツールが必要となる。さらに、レンズ6及びその他の内部構成要素(部品)は、レンズカバー26が取り外されたときに、ダスト、汚れ、水、化学物質などを含んだ環境に露出される可能性がある。
【0014】
可変焦点コードリーダーは、手動及び固定焦点コードリーダーの数多くの欠点を克服できる。この明細書に記載された「可変焦点コードリーダー」は電気的に制御可能な焦点システムを採用したコードリーダーであり、自動焦点システム(autofocus system)の一部をなし得る。既存の可変焦点コードリーダーは、画像センサーに対しレンズを動かせる圧電モータ又はステッパーのような非常に小さい電子機械部品を有する。しかしながら、これらのリーダーは、多数の高価な電子機械部品を備え、壊れやすく、かつ、限られた使用回数しか使えない。また、従来の可変焦点コードリーダーは、レンズ部品間の摩擦に基づいて必要とされる光学公差(optical tolerance)を有さず、その作動速度も遅い。こうした理由から、交換可能なレンズ付属品(interchangeable lens attachment)を備えたモジュール式焦点システムを有して、前述の欠点をなくすとともに、どのレンズ付属品がリーダーに固定されたかに基づいて、単一のコードリーダーが固定焦点、手動焦点、又は、可変焦点リーダーとして動くようにしたコードリーダーは全く知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、前述した焦点システムを組み合わせるとともに前述の欠点を克服するコードリーダー2のようなマシン・ビジョン部品(machine vision component)用の焦点システムを持たせることが望ましい。また、可変焦点「追加(add-on)」又は「付属品オプション(accessory option)」レンズ付属品を追加することで容易に可変焦点コードリーダーに転換可能な固定又は手動焦点コードリーダーを持たせることがより望ましい。また、移動性部品を有しないためハウジングの内部を、それを取り巻く環境に露出させない小型モジュール式可変焦点システムを有することがさらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の実施例によれば、ハウジング内に固定されたレンズ取り付け構造と、前記レンズ取付構造によって回転自在に収容されるレンズバレルと、物体から反射された画像データを獲得するセンサーと、前記レンズバレル内で光学軸の周りに固定された、前記センサー上に画像データの焦点を合わせる、撮像レンズと、モジュール式焦点システムと、を備えた画像系コードリーダーが提供される。このモジュール式焦点システムは、標的向きの端部に配置された焦点リング、及び、センサー向きの端部に配置されたフランジを有する第1の取り外し可能なレンズ付属品を有する。レンズバレルに接続されているとき、前記第1のレンズ付属品は回転されて、コードリーダーの焦点を合わせるようになる。モジュール式焦点システムは、ハウジング内に組み付けられた液体レンズと、前記液体レンズに電気的に接続された一対の電極と、を備えた第2の取り外し可能なレンズ付属品を含んでも良い。第2のレンズ付属品が前記レンズバレルに接続されたときに、前記液体レンズに電圧を加えることによって、前記コードリーダーの焦点が合わせられるようになっている。
【0017】
本発明の別の実施例によれば、リセプタクルを有するレンズ取付構造と、前記リセプタクル内に少なくとも部分的に配置されたレンズバレルと、前記レンズバレル内に光学軸の周りに固定された、物体から反射された画像データをセンサー上に集束する撮像レンズと、前記リーダーの焦点を調整するための複数の取り外し可能なレンズ付属品と、を備えた、画像系コードリーダー用のモジュール式焦点システムが提供される。前記複数の取り外し可能なレンズ付属品は、手動焦点レンズ付属品、及び、可変焦点レンズモジュールを含む。前記手動レンズ付属品の回転が前記センサーに対する前記撮像レンズの軸方向の移動に変換できるように前記手動焦点レンズ付属品は前記レンズバレルに固定され、かつ、前記可変焦点レンズモジュールは、そこに配置された液体レンズが前記コードリーダーに電気的に接続されるように前記レンズバレルに固定され得る。
【0018】
本発明の更なる別の実施例によれば、ベース及びカバーを備えたハウジングと、第1の電気接点と、液体レンズ部品と、スペーサと、第2の電気接点と、付勢部材と、を備えた、画像系コードリーダー用の取り外し可能な可変焦点レンズモジュールであって、前記ベース及びカバーによって、モジュール軸に沿って前記ハウジングを通して延在する開口及び空洞が構成され、前記第1の電気接点は、前記空洞内に設けられ、前記第1の電気接点には、前記モジュール軸と概して平行して前記モジュール軸から延設された1以上の電極を設けられ、前記スペーサによって、前記モジュール軸の周りに前記液体レンズ部品が設けられ、前記第1及び第2の電気接点が前記液体レンズ部品を挟むように前記第2の接点が前記空洞内に配置され、前記付勢部材は、前記第1及び第2の電気接点のうち一つと、前記ベース及び前記カバーのうち一つとの間に配置されて、前記第1及び第2の接点が前記液体レンズと電気的及び機械的に接触された状態を保持するようにされた画像系コードリーダー用の取り外し可能な可変焦点レンズモジュールが提供される。前記可変焦点可変レンズモジュールは、前記モジュール軸が前記コードリーダーの光学軸と概して整合されるように前記コードリーダーに取り外し可能に固定され得る。
【発明の効果】
【0019】
本発明の特徴によれば、変換可能なレンズ付属品を通して画像系コードリーダー用の交換可能な(interchangeable)焦点システムを提供できるので、手動及び可変焦点モード操作が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の特徴に基づく画像系コードリーダー用のモジュール式焦点システム(実施例)の部分分解斜視図である。
図2図2は、本発明の実施例に基づくモジュール式焦点システムの第2の実施例の部分分解斜視図である。
図3図3は、本発明の実施例に基づくモジュール式焦点システムの第3の実施例の部分分解斜視図である。
図4図4は、本発明の実施例に基づくモジュール式焦点システムの第4の実施例の部分分解斜視図である。
図5図5は、背景技術に記載した手動焦点システムを採用した固定型画像系コードリーダーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
画像系コードリーダー102用のモジュール式焦点システム100の第1の実施例が図1に示されている。このモジュール式焦点システム100は、レンズバレル(lens barrel)108内にしっかり固定され、かつ、光学軸116に関して配置された撮像レンズアセンブリ(imager lens assembly)、又は、レンズ106を有する光学アセンブリ(optics assembly)104を含む。このモジュール式焦点システム(modular focus system)100は、多数の取り外し可能な(removable)、又は、交換可能な(swappable)レンズ付属品(lens attachment)を含むが、これらの付属品はそれぞれ各画像化アプリケーション(imaging application)の要求に合わせてコードリーダー102に解放可能なように(releasably)固定されている。
【0022】
図示された第1の交換可能なレンズ付属品は、焦点リング114が一体に形成されたバレル形状のハウジング127を有する手動焦点レンズキャップ107である。手動焦点レンズキャップ107は、コードリーダー102の手動焦点調整を可能にする。図示された第2の交換可能なレンズ付属品は、そこに配置された液体レンズ部材(liquid lens element)145を備えた概して円筒状のハウジング128を有する可変焦点レンズキャップ109である。その他の交換可能なレンズ付属品(例えば、望遠レンズ、又は、フィルター)は示されていないが、本発明の技術的範囲に属する。
【0023】
レンズバレル108は、円筒状ベース111、半径方向のより小さいレンズ付属品取付構造(lens attachment mount)113、及び、ベース111とその取付構造113との間に延在する環状の肩部(shoulder)115を有する。そのレンズバレル108は、レンズ取付アセンブリ112を通じてコードリーダー102に固定されている。レンズ取付アセンブリ112は、円筒状のボア117と、隣接したレンズ付属品リセプタクル119と、ボア117及びリセプタクル119間の接合部(juncture)に形成されたボア肩(bore shoulder)121を含む。
【0024】
レンズバレル108は、レンズバレルベース111とボア117間のネジ式接続部を介してレンズ取付アセンブリ112に回転自在に接続されている。ベース111がボア117内に完全に収容されると、レンズバレル肩部115及びボア肩121が互いに近接されるようになる。そのレンズ付属品取付構造113は、レンズ付属品リセプタクル119内へ軸方向に伸び、かつ、そこに配置されたときに交換可能なレンズ付属品107、109のいずれかを収容できるようになっている。レンズ取付アセンブリ112は、リセプタクル119内へ軸方向に延設された対向角をなす(angularly opposed)キータブ(key tab)123と、リセプタクル119から外向きに半径方向に延設された半円の切り抜き(cutout)189と、を更に含む。
【0025】
以下に説明するように、キータブ123及び切り抜き189は、レンズ付属品107、109のハウジング127、128に形成されたスロット125及び突起159に整合(一致)するので、レンズ付属品は撮像レンズ106の所定の角度位置において、レンズバレル108に接続され、かつ、そこから切り離される(即ち、取り外される)ようになっている。したがって、レンズ付属品107、109が取り換えられると、焦点距離(即ち、レンズ106と画像センサー(図示せず)間の距離)は常にレンズが工場にて焦点が合わせられたときと同じ状態にある。リーダー102の焦点距離が、付属品107、109の取り換えの際に固定されなければ、焦点位置のインディシア(indicia)は正しくないだけでなく、ソフトウェアによる焦点合わせもできないであろう。
【0026】
図1によれば、手動焦点レンズキャップ107のハウジング127は、軸方向の内面(inner face)及び外面(outer face)129,131、並びに、その間に延設された半径方向の円筒状の内壁及び外壁135、139を含む。その焦点リング(focus ring)114は、一体に形成され、その外面131を構成する。従来の焦点リング14と同様に、全体焦点リング(integral focus ring)114は、複数のインディシア130と、スロット132とを含んで、所定の焦点位置及び機械的ストップ136を表す。そこに形成された一対の前述の位置合わせ(即ち、整合)スロット125を有する環状のフランジ137は、内面129に隣接して配置されている。軸方向の開口133は、円筒状の内壁135によって形成され、かつ、内面129と外面131との間に完全に延設されている。
【0027】
手動焦点レンズキャップ107は、レンズ取付構造112l上でスロット125をキータブ123と整合させるとともに、レンズキャップ107をリセプタクル119に付勢する(urge)ことによって、コードリーダー102に接続されている。レンズキャップ107がリセプタクル119内に収容されると、ハウジングの内壁135はレンズ付属品取付構造113と摩擦によって係合する。レンズキャップ107は、内面129がレンズバレルの肩部115に当接するまで、リセプタクル119の内部に向かってさらに付勢される。レンズキャップ107は、ハウジングの内壁135とレンズ付属品取付構造113との摩擦はめ合い(friction fit)又はスナップ式はめ合い(snap fit)のような機械的保持手段によってレンズバレル108に装着される。
【0028】
接続されたときに、全体焦点リング(integral focus ring)114を介したレンズキャップ107の回転によって、レンズバレル108が回転するようになる。ネジ式接続(threaded connection)に基づいて、レンズバレル108の半径方向の移動(運動)が、画像センサーに対するレンズ106の軸方向の移動に変換される。同様に、焦点位置インディシア(focus position indicia)130のうちいずれかがレンズ取付構造112上で焦点セレクタタブ138と整合されて(即ち、位置合わせられて)、所定の焦点距離で動くように焦点リング114を位置付けることによってリーダー102の焦点が合わせられる。
【0029】
手動焦点レンズキャップ107とリセプタクル119との整合(keyed arrangement)は、周知の焦点又は角度位置においてレンズキャップ107がコードリーダー102上に配置され、かつ、そこから取り外されることを保証する。コードリーダー102に取り付けられ、又は、そこから取り外されるときのレンズキャップ107の位置は、レンズアセンブリ106と画像センサー間の所定の距離(established distance)に相当する。フランジ137は、スロット125がキータブ123と合わせられたときを除いて、レンズキャップ107がレンズバレル108から取り外されることを防止する役割をする。したがって、レンズ106と画像センサー間の距離は、レンズ付属品が取り外され、かつ、再配置される回数に関係なく、一定に保たれる。
【0030】
図1によれば、可変焦点レンズキャップ109のハウジング128は、円筒状の内壁161を備えたカバー143及び軸方向に延在する側壁158を有するボウル形状のベース部品141を有する。そのハウジング128は、軸方向の内面162、外面164を含み、概して円筒状の収容空間165を構成する。その収容空間165の内部には、スペーサリング(spacer ring)147内に固定された液体レンズ145が、内側及び外側環形状の電気接点149、151間に軸方向に配置されている。付勢部材(biasing member)(例えば、圧縮性リング153)は、液体レンズ145及び接点149、151間の機械的接触を維持する。ベース141及びカバー143は、適当な締結手段(fastening means)によって互いに結合されているのが好ましい。
【0031】
ベース及びカバー部品141、143はモジュール軸155の周りに同軸開口157、163を有する。可変焦点レンズ付属品109を貫通する画像データ用の経路を形成できるよう、液体レンズ145、接点149、151、及び、圧縮性リング153はモジュール軸155の周りに(軸155を中心に)存在している。可変焦点レンズ付属品109がコードリーダー上に配置されていると、画像データは、画像センサーに到達するまで、さらにレンズバレル108及びレンズ106を通るようになる。
【0032】
カバー部品143は、前述の突起159を含み、それぞれの突起159は、入り込み(alcove)167を構成する。各接点149、151は、環状の本体部186、及び、タブ付き伸張部(tabbed extension)169を含む。その伸張部169には、カバー143の各入り込み167に収容され、かつ、軸方向に延在された金属製のピン(即ち、電極173)が備えられている。その電極173は、はんだ、金属ワッシャ、ナット等のような適当な締結手段によって接点149、151に機械的に接続される。
【0033】
ベース部品141は、凸凹のある部分181と、それぞれの電極を受け入れる孔部183とを備えた伸張部(extension)178を含む。相当する吹き抜き(cutout)179は側壁158内に形成されて、カバー143内に突起159を収容する。その吹き抜き179及び孔部183は、接点149、151、及び、ピン173を、レンズ取付アセンブリ112に配置された電源及びアースリセプタクル(power and ground receptacle)185を備えたピン173と合わせる。
【0034】
環状の接点149、151は、非導電性基板、例えば、プリント回路基板に用いられる非導電性基板から形成されるが、その他の適当な材料及び形状を用いることも可能である。その接点149及び151は、液体レンズに面する表面(liquid lens-facing surface)177に適用される導電性材料(好ましくは、銅)の環状のトレース(trace)175を含む。そのトレース175は、電気的に電極173に接続され、タブつき伸張部169と本体186間に延在する。可変焦点レンズキャップ109がコードリーダー102上に配置されると、その電極173はリセプタクル185を介して電源(voltage source)に電気的に接続される。こうして、コードリーダー102と液体レンズ部材145との間に電極173とトレース175を経由する導電性経路が設けられる。圧縮性リング153によってその接点149、151及び液体レンズ部材145に加えられた付勢力(biasing force)は、導電性トレース175と液体レンズ部材145間の一定の電気的接触を保証する。
【0035】
液体レンズ部材145によって、機械的構成要素を要することなく、コードリーダー102の迅速かつ正確な焦点合わせが可能となる。その液体レンズ145は、電気的に制御され、即ち、エレクトロウェッティング(electrowetting)系技術などで操作され、それにより、画像データに焦点を合わせ、コードリーダー102に到達する前にレンズ付属品109を通るようになる。好ましくは、液体レンズ145は、2つの混じらない液体を含んでいる:その一つが導電液(conducting fluid)で、もう一つが絶縁液(insulating fluid)である。例えば、水とオイルである。接点149、151のいずれか一方は導電液に満たされるに対し、接点149、151のうち他方は絶縁体及び疎水性被膜によって導電液から離れている(即ち、分離されている)。導電液と絶縁液の界面の形状は、そこに加えられる電圧に比例して影響を受ける。こうして、レンズ106の焦点距離、つまり、リーダー102の焦点はコードリーダー102のコントローラで動くソフトウェアによって制御される。
【0036】
適当な液体レンズ部品145は、フィリップス社製のFluidFocus(登録商標)可変焦点レンズ、及び、フランス、リヨンのバリオプチックSA(Varioptic SA)社製のバリオプチックエレクトロウェッティング可変焦点レンズアセンブリを含む。米国特許出願11/XXX,XXX(発明の名称:選択可能な焦点ダイレクト部品マークリーダー)は、参照のための本願明細書の一部をなす。その出願明細書には、ダイレクト・パーツ・マーク・コードリーダーの内部における液体レンズ部品部材の構造及びその作動が記載されている。
【0037】
手動焦点レンズキャップ107のように、キースロット125をキータブ123と合わせて、レンズキャップ109をリセプタクル119内に付勢する(urge)ことによって、可変焦点レンズキャップ109をコードリーダー102に接続させる。レンズキャップ109がリセプタクル119に収容されると、ベース部品141の同軸開口157がレンズ付属品取付構造113を収容する。ピン173及び伸張部178は、リセプタクル185及び切り抜き189内にそれぞれ収容される。レンズキャップ109は、内面162がレンズバレル肩部115に当接するまでに、リセプタクル119内へ押圧される。その可変焦点レンズキャップ109は、取付構造113及びベース部品141の相当する軸方向の開口157間の摩擦、及び、電極173と相当するリセプタクル185間の摩擦を通じて、レンズバレル108のほうに保持される。スロット191はカバー143内に設けられ、レンズカバー26内でロッキングタブ32(図5)と整合するように配置されて、コードリーダー102にレンズ付属品109をさらに締め付ける。
【0038】
図示されていないが、コードリーダー102は、コード化ソフトウェア・アプリケーションを有するプロセッサを含む。それにより、照明(illumination)が提供され、液体レンズ部品145が制御され、そして、画像が獲得、処理、かつ、利用可能な情報として解読される。一つの例を挙げると、可変焦点レンズモジュール109(の存在)は、液体レンズ145の電気抵抗(impedance)及び/または電気容量(capacitance)を測定することによって検出することができ、そして、コードリーダー102は可変焦点モードで作動する。モジュール109がそれ以上検出されなくなったら、コードリーダー102は手動焦点動作を再開する。
【0039】
可変焦点レンズキャップ109は、標的距離測定器(target range finder)又は焦点アルゴリズムと組み合わせた形で使用され、自動焦点モードで作動する。その自動焦点モードにおいて、各標的に対する最適な焦点設定は、同一物体の前回の画像の鮮やかさ(clarity)に基づいて、コードリーダー102によって推定される。米国特許第6、636,298号は(発明の名称:光学検査システムの集束方法及び装置)は参照のために本願の明細書の一部をなす。この特許明細書には、光学画像化システムの最適な焦点設定方法が記載されている。また、コードリーダー102と物体18間の距離を計算し、それに応じて液体レンズ145を調整するために、距離測定器(range finder)、赤外線センサー、照準照明(aiming illumination)、又は、その他の周知の方法を用いることができる。決められた焦点設定に基づいて、コードリーダー102は電極149、151を通じて液体レンズ部品145を横切って相当する電圧を加える。よって、その液体レンズ部品145は、人手を要することなく、明確かつ鮮明な画像を提供することができる。或いは、液体レンズ145は、オペレータの命令に基づいて調整され得る。
【0040】
図2には、画像系コードリーダー102用のモジュール式焦点システムの200の第2の実施例が記載されている。そのモジュール式焦点システム200は、レンズバレル208内にしっかり固定されたレンズ206を備えた光学アセンブリ(optics assembly)204と、図示された2つの取り外し可能なレンズ付属品(lens attachment)、即ち、前述した手動焦点レンズキャップ107、及び、変更された接点249、251を有する可変焦点レンズキャップ209と、を備えている。
【0041】
図1に示したモジュール式焦点システム100と同様に、可変焦点レンズキャップ209は、ベース241と、カバー243と、を備えたハウジング229を有する。レンズキャップ209は、スペーサリング(spacer ring)247内に保持された液体レンズ部材245、液体レンズ245を挟む接点249、251、及び、弾性リング253をさらに含む。その接点249、251、液体レンズ245、及び、弾性リング253は、ハウジング229の内部にモジュール軸255を中心に組み立てられている。
【0042】
内側接点249は、両方の電極273を含むが、それぞれの電極273は、個々のトレーシング(tracing)275a、275bを有する。外側接点251は、導電性材料で構成され、かつ、軸方向に延在された接触アーム(contact arm)266を備えた本体285を含む。接点249、251は、1つのトレーシング275aは液体レンズ245の軸方向の接面(axially-facing surface)と直接に接触されるるが、他方のトレーシング275bは外側接点251のアーム266及び本体286を通じて液体レンズ245の反対面(opposite surface)に電気的に接続されるように、液体レンズ245の各面上に組み立てられる。図示された2つのレンズ付属品107、209を含めて、モジュール式焦点システム200は、図1の焦点システムと同様に作動する。
【0043】
図3には、画像系コードリーダー102用のモジュール式焦点システム300の第3の実施例が示されている。このモジュール式焦点システム300は、レンズバレル308内にしっかり固定されたレンズ306を備えた光学アセンブリ304を含む。このモジュール式焦点システム300は、取り外し可能なレンズ付属品、即ち、可変焦点操作のための可変焦点レンズキャップ309と、手動焦点のための手動焦点レンズキャップ307と、を更に含む。図1及び2に示した実施例とは異なり、この第3の実施例に係る焦点システム300は、レンズバレル308上のレンズ付属品取付構造313にしっかり固定された中間結合リング(intermediate coupling ring)310を含む。この結合リング310は、レンズ付属品307、309のいずれかを受け入れるように設けられている。
【0044】
結合リング310は、取付構造313上の曲がったリブ(angled rib)314と、結合リング310の内面316間の圧入(press fit)によって、レンズバレル308に装着され得る。手動焦点レンズキャップ307及び可変焦点レンズキャップ309は、それぞれはめ合わせ伸張部318を有し、そのはめ合わせ伸張部318は摩擦はめ合い(friction fit)によって結合リング310の内面316と係合する。両方のレンズ付属品307、309は、結合リング310の位置合わせ用切り込み(alignment notch)322と整合できる位置合わせ用タブ(alignment tab)320を有し、それにより、コードリーダー102に取り付けられたときに適切な角度位置調整(angular positioning)を保証する。結合リング310は、一対の切り抜き324をさらに含んで、可変焦点レンズキャップ309内に電極伸張部378を収容する。手動焦点キャップ307は、焦点調整が一周完全回転(one full rotation)より少なくなるように制限する機械的なストップ336を更に含む。
【0045】
図4には、画像系コードリーダー102用のモジュール式焦点システム400の第4の実施例が示されている。そのモジュール式焦点システム400は、レンズバレル408内にしっかり固定されたレンズ406を備えた光学アセンブリ404を含む。その焦点システム400は、バレル形状のハウジング428内にしっかり固定された液体レンズ部品445を有する取り外し可能な可変焦点レンズキャップ409を含む。そのハウジング428は、成型プラスチック(molded plastic)から形成され、かつ、コードリーダーレンズバレル408上にレンズキャップ409を位置付ける際に必要なフィンガーグリップ(finger grip)を含む。
【0046】
焦点リング404は、リーダー102が工場にて焦点合わせされた後、レンズバレル408にしっかり固定されている。可変焦点レンズキャップ409がなければ、リーダー402は、手動焦点モードで動くので、レンズ406の列挙焦点位置430のいずれか一つに限られる。焦点リング414は、2つの列挙焦点距離位置430(即ち、「40」及び「110」)(様々な解読アルゴリズム用のソフトウェア・アプリケーションによって使用される、ミリメータ単位の予め定められた2つのリーディグ距離範囲に相当する。)を有する。
【0047】
焦点リング414は、第3の可変焦点位置431(即ち、「LL」)(予め定められた第3の焦点位置に相当する。)を有する。切り抜き420は、可変焦点位置418から半径方向に反対側にある焦点リング414内に設けられている。可変焦点モードを選択するために、その切り抜き420を、レンズ取付アセンブリ412の一対のリセプタクル485と軸方向に合わせる。そのリセプタクル485は、可変焦点レンズモジュール409の軸方向に延在する電極473を収容するように設けられている。コードリーダー402は、切り抜き420がリセプタクル485と合わせられたときに可変焦点レンズキャップ409を収容できる。可変焦点レンズモジュール409は、レンズバレル取付構造413との圧入又はスナップ式はめ合いを通じてレンズバレル408に接続されている。
【0048】
本発明の特徴によれば、変換可能なレンズ付属品を通して画像系コードリーダー用の交換可能な(interchangbeable)焦点システムを提供できるので、手動及び可変焦点モード操作が可能になる。前述のとおり、その可変焦点システムは、様々な形状(shape)及び保持方法(retaining method)を有する。しかしながら、本発明のモジュール式焦点システムは、前述の実施例に制限されない。むしろ、本発明は、以下の特許請求の範囲によって定められる本発明の技術的範囲内に属する変形、同等物、及び、代替手段を含む。
【0049】
本発明に基づいて構成された画像系コードリーダーは、ベーシックコードリーダー装置(市販されるもの)に付属品を取り付けることで可変焦点装置に変わるので、より安価であり、そしてまた、モジュール式の変換可能な部品によって容易に拡張又は縮小可能な装置だけで対応できる、といった利点を有する。
図1
図2
図3
図4
図5