(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
カメラを用いた画像処理装置において、画像データと画像処理実行ごとに扱う計測・判定関連データを高速に外部記憶装置に全数デジタル保存する画像処理用高速データ保存方法であって、
保存用画像である画像データに計測・判定関連データをインプラントする工程と、
前記保存用画像である画像データを圧縮するか、無圧縮のままにするかを判定する工程と、
前記画像データを圧縮する場合に前記インプラントされた計測・判定関連データを取り出す工程と、
前記計測・判定関連データを取り出された前記画像データを指定された圧縮率に基づき画像の圧縮を行う工程と、
前記指定された圧縮率に基づき圧縮された圧縮画像データのヘッダに前記計測・判定関連データをインプラントする工程と、
指定されたアーカイブ枚数に基づき、前記圧縮画像データのパッキング処理を行う工程と、
前記圧縮画像データのパッキング処理において、前記アーカイブ枚数に到達したか否かを判定する工程と、
前記パッキング処理された画像処理用データアーカイブファイルを外部記憶装置へ転送し保存する工程と、
を備えることを特徴とする画像処理用高速データ保存方法。
カメラを用いた画像処理装置において、画像データと画像処理実行ごとに扱う計測・判定関連データを高速に外部記憶装置に全数デジタル保存する画像処理用高速データ保存装置であって、
前記カメラからの製品に関わる画像データをアナログ−デジタル変換するA/D変換部と、
前記製品の不良判定に関わる閾値を設定する不良判定閾値設定部と、
前記製品の画像計測に関わる計測パラメータを設定する計測パラメータ設定部と、
アナログ−デジタル変換された前記画像データを前記計測パラメータ設定部のパラメータに基づいて画像計測に関わる演算処理をする画像計測演算処理部と、
前記画像計測演算処理部で演算処理された計測データを前記不良判定閾値設定部の閾値に基づいて不良判定に関わる演算処理をする不良判定演算部と、
データ保存に関わるパラメータを設定するデータ保存用パラメータ設定部と、
画像処理用データ保存処理部と、
を備え、
前記画像処理用データ保存処理部は、
保存用画像である画像データに計測・判定関連データをインプラントし、
前記保存用画像である画像データを圧縮するか、無圧縮のままにするかを判定し、
前記画像データを圧縮する場合に前記インプラントされた計測・判定関連データを取り出し、
前記計測・判定関連データを取り出された前記画像データを指定された圧縮率に基づき画像の圧縮を行い、
前記指定された圧縮率に基づき圧縮された圧縮画像データのヘッダに前記計測・判定関連データをインプラントし、
指定されたアーカイブ枚数に基づき、前記圧縮画像データのパッキング処理を行い、
前記圧縮画像データのパッキング処理において、前記アーカイブ枚数に到達したか否かを判定し、
前記パッキング処理された画像処理用データアーカイブファイルを外部記憶装置へ転送し保存する
ことを特徴とする画像処理用高速データ保存装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の画像処理用高速データ保存装置の実施の形態について説明する。
なお、以下においては、主として画像処理用高速データ保存装置の構成、動作の説明であるが、画像処理用高速データ保存方法の説明も兼ねる。
【0011】
(実施形態)
本発明の画像処理用高速データ保存装置の実施形態を
図1〜
図2を参照して説明する。
図1は、本発明に係る画像処理用高速データ保存装置の一実施形態の構成と、関連する周辺機器との関係を示すブロック図である。
【0012】
<画像処理用高速データ保存装置と関連する周辺機器との関係の概要>
図1において、画像処理用高速データ保存装置10には、まず生産ラインにおいて製品の画像を映すカメラ21から画像データが入力される。入力された画像データは、画像処理用高速データ保存装置10で後記する処理をされて、外部記憶装置22に送られる。外部記憶装置22においては、処理されたデータを保存する。
また、PC(Personal Computer)などの保存データ検索表示装置23は、外部記憶装置22における前記処理をされたデータを入力して、製品の画像とその関連情報に関わるデータを検索し、表示する。
なお、画像処理用高速データ保存装置10の内部の構成については次に説明する。
【0013】
<画像処理用高速データ保存装置10>
図1における実施形態の画像処理用高速データ保存装置10の構成について説明する。
【0014】
《A/D変換部101》
A/D(Analog to Digital)変換部101は、前記した生産ラインの製品の画像を映すカメラ21のデータを入力してA/D変換を行う。そして、デジタルデータに変換された画像データを画像メモリ102に送る。
ただし、使用するカメラ21がデジタル転送の機能を具備している場合は、画像データを直接、画像メモリ102に送る。
画像メモリ102では、デジタルデータに変換された画像データが一時的に記憶される。画像メモリ102で記憶された画像データD11は、画像処理用データ保存処理部103に入力する。
また、画像メモリ102に記憶された画像データD12は、画像計測演算処理部104にも入力する。なお、画像データD11と画像データD12とは全く同じデータである場合もあるし、また、それぞれの送付先に必要なデータのみを取捨選択して送るときには、画像データD11と画像データD12とが完全には一致しない場合もある。
【0015】
《計測パラメータ設定部121》
計測パラメータ設定部121では、製品の画像計測に関わるパラメータを設定する。そして、設定されたパラメータをパラメータメモリ122(第1のパラメータメモリ)に送る。
パラメータメモリ122では、パラメータP122を記憶し、画像計測演算処理部104に送る。
【0016】
《画像計測演算処理部104》
画像計測演算処理部104には、前記した画像計測に関わるパラメータP122と、画像データD12とがそれぞれ入力し、パラメータP122にしたがって、画像データD12を画像計測に関わる演算処理をする。演算処理した出力の計測データD21を画像処理用データ保存処理部103に出力し、また計測データD22を不良判定演算部105に出力する。なお、計測データD21と計測データD22とは全く同じデータである場合もあるし、また、それぞれの送付先に必要なデータのみを取捨選択して送るときには、計測データD21と計測データD22とが完全には一致しない場合もある。
【0017】
《不良判定閾値設定部111》
不良判定閾値設定部111では、製品の不良判定に関わる閾値を設定する。そして、設定された閾値を閾値メモリ112に送る。
閾値メモリ112では、閾値T112を記憶し、不良判定演算部105に送る。
ただし、画像処理用高速データ保存装置10は、「不良判定する検査機」として使われる場合と、「計測・監視装置(システム)」として使われる場合とがある。
「計測・監視装置(システム)」として使われる場合には、不良判定閾値設定部111、閾値メモリ112、および後記する、不良判定演算部105、合否出力及び表示部106のルートの処理はしないことがある。
しかしながら、「不良判定する検査機」として使われる場合には、不良判定閾値設定部111、閾値メモリ112、不良判定演算部105、合否出力及び表示部106のルートの処理が行われるので、引き続き説明する。
【0018】
《不良判定演算部105》
不良判定演算部105には、製品の不良判定に関わる閾値T112と、前記した計測データD22とがそれぞれ入力し、閾値T112にしたがって、計測データD22を不良判定に関わる演算処理をする。
そして、演算処理した出力の判定結果データ及び処理時刻データD31を画像処理用データ保存処理部103に送る。
また、判定結果データ及び処理時刻データD32を合否出力及び表示部106に出力する。
なお、判定結果データ及び処理時刻データD31と判定結果データ及び処理時刻データD32とは全く同じデータである場合もあるし、また、それぞれの送付先に必要なデータのみを取捨選択して送るときには、判定結果データ及び処理時刻データD31と判定結果データ及び処理時刻データD32とが完全には一致しない場合もある。
【0019】
《データ保存用パラメータ設定部131》
データ保存用パラメータ設定部131では、データ保存に関わるパラメータを設定する。このパラメータとして、(1)識別コード、(2)画像サイズ、(3)圧縮/無圧縮指定、(4)圧縮率、(5)アーカイブ数などがある。
そして、設定されたパラメータをパラメータメモリ132(第2のパラメータメモリ)に送る。
パラメータメモリ132では、パラメータP132を記憶し、画像処理用データ保存処理部103に送る。
なお、パラメータの(1)〜(5)については、後記する
図3を参照した<保存の処理手順>で説明する。
【0020】
《画像処理用データ保存処理部103》
画像処理用データ保存処理部103には、前記した画像データD11、計測データD21、判定結果データ及び処理時刻データD31、データ保存用のパラメータP132が、それぞれ入力する。
そして、データ保存用のパラメータP132に基づき、画像データD11、計測データD21、判定結果データ及び処理時刻データD31を画像処理用データ保存処理に関する演算処理を行い、外部記憶装置22に画像処理用データD4を送る。
【0021】
《合否出力及び表示部106》
また、合否出力及び表示部106では、不良判定演算部105の判定結果データ及び処理時刻データD32に基づき、判定結果と関連データを表示する。また、図示していない他の表示装置や管理装置などに判定結果と関連データD33を送る。
なお、判定結果データ及び処理時刻データ(判定結果と関連データ)D32と判定結果と関連データD33とは全く同じデータである場合もあるし、また、それぞれの送付先に必要なデータのみを取捨選択して送るときには、判定結果データ及び処理時刻データD32と判定結果と関連データD33とが完全には一致しない場合もある。
また、合否出力及び表示部106の表示、または、図示していない他の表示装置や管理装置などによる判定結果と関連データD33の表示によって、生産ラインの遠隔監視をすることができる。
【0022】
<画像処理用データ保存方法フローチャート>
次に、画像処理用データ保存処理部103(
図1)における画像処理用データ保存方法の処理について説明する。
図2は、本発明に係る画像処理用高速データ保存方法の一例を示すフローチャートである。
以下において、フローチャートに基づいて説明する。画像処理用高速データ保存の工程開始が
図2における「START」である。
【0023】
<ステップS201>
まず、ステップS201では、画像処理用データ保存処理部103は、画像メモリ102(
図1)から入力した画像データD11(
図1)に、画像計測演算処理部104(
図1)から入力した計測データD21(
図1)と、不良判定演算部105(
図1)から入力した判定結果及び処理時刻D31(
図1)などを含む計測・判定関連データをデータインプラント(データ書き込み)する。この計測・判定関連データには、判定結果や処理時刻のみならず後記するような識別コードや品種番号などが含まれることがある。
なお、判定結果及び処理時刻(計測・判定関連データ)などのデータを書込む箇所は、画像データの先頭から所定のバイト数(もしくはビット数)である。そのため、後の工程でデータを読み出す際に簡便に取り扱いやすい。
そして、ステップS202に進む。
また、
図2においては、ステップS201の工程を「保存用画像にデータインプラント」と表記している。
【0024】
<ステップS202>
次に、ステップS202において、画像処理用データ保存処理部103は、保存用画像を圧縮して保存するのか、無圧縮のまま保存するのかを判定する。
圧縮保存指定の場合(S202・圧縮)にはステップS203に進む。また、無圧縮保存指定の場合(S202・無圧縮)にはステップS206に進む。
なお一般的に、「無圧縮」保存を行う目的は、保存した画像データに対して検査・計測パラメータ条件を変えて再実行することにより検査・計測アルゴリズムやパラメータ検証作業に供することでありであり、「圧縮」保存を行う目的は、高速かつ大量数の検査・計測画像およびデータを全数保存しトレーサビリティに供することである。
また、
図2においては、ステップS202の工程を「保存用画像は圧縮/無圧縮?」と表記している。
【0025】
<ステップS203>
次に、ステップS203において、画像処理用データ保存処理部103は、書き込まれていたインプラントデータ402(
図3(b))を保存用画像から一旦、取り出す。これは画像圧縮の演算処理する際に、インプラントデータまで変換しないようにするためである。
そして、ステップS204に進む。
なお、
図2においては、ステップS203の工程を「インプラントデータの取り出し」と表記している。
【0026】
<ステップS204>
次に、ステップS204において、画像処理用データ保存処理部103は、データ保存用パラメータ設定部131(
図1)で指定された圧縮率に基づいて、画像の圧縮を行う。また、この圧縮は例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)エンコーダハードウェアによって行う。
なお、ここで指定された圧縮率に基づいて画像の圧縮を行うのは、指定された圧縮率に統一した方が後の工程においても簡便かつ高速に処理しやすく、大量数の画像を扱えるからである。
そして、ステップS205に進む。
なお、
図2においては、ステップS204の工程を「圧縮率指定に基づき、画像の圧縮」と表記している。
【0027】
<ステップS205>
次に、ステップS205において、画像処理用データ保存処理部103は、圧縮画像のヘッダに、インプラントデータを書き込む。なお、ステップS204の工程の圧縮がJPEGの場合には、JPEGに準拠しているExif(Exchange image file format)ファイルに書き込みを行う。
そして、ステップS206に進む。
なお、
図2においては、ステップS205の工程を「圧縮画像のヘッダに、インプラントデータを書き込み」と表記している。
【0028】
<ステップS206>
次に、ステップS206において、画像処理用データ保存処理部103は、データ保存用パラメータ設定部131(
図1)で指定されたアーカイブ数(複数のファイルを一つのファイルにまとめる場合の枚数)に基づいて、圧縮画像のパッキング処理を行う。
なお、アーカイブ数に基づき圧縮画像のパッキング処理を行うのは、関連したファイルを一つのファイルと見なして処理する方が、保存処理の効率を高めることができるからである。また、このアーカイブ(パッキング処理)の工程においてファイルはZip形式(拡張子「zip」)となる。
そして、ステップS207に進む。
なお、
図2においては、ステップS206の工程を「アーカイブ枚数指定に基づき、圧縮画像のパッキング処理」と表記している。
【0029】
<ステップS207>
次に、ステップS207において、画像処理用データ保存処理部103は、パッキング処理をしているファイルの数が指定されたアーカイブ枚数に到達したか否かを判定する。
アーカイブ枚数に到達した場合(S207・Yes)は、ステップS208に進む。到達していない場合(S207・No)は、ステップS201に戻る。
なお、
図2においては、ステップS207の工程を「アーカイブ枚数に到達?」と表記している。
【0030】
<ステップS208>
次に、ステップS208において、画像処理用データ保存処理部103は、画像処理用データがパッキングされたアーカイブファイルを外部記憶装置22へ転送する。そして、外部記憶装置22では、その画像処理用データアーカイブファイルを記憶、保存する。
そして、ステップS209に進む。
なお、
図2においては、ステップS208の工程を「画像処理用データアーカイブファイルの転送と外部記憶装置への保存」と表記している。
【0031】
<ステップS209>
次に、ステップS209において、画像処理用データ保存処理部103は、生産が終了、つまり検査する必要が無くなったか否かを判定する。生産が終了して画像処理用データをそれ以上、取得する必要がなくなった場合(S209・Yes)には、終了(END)する。
また、生産が終了していない場合(S209・No)には、継続して画像処理用データを取得する必要があるので、ステップS201に戻る。
なお、
図2においては、ステップS209の工程を「生産終了?」と表記している。
【0032】
以上が、画像処理用データ保存方法のフローチャートである。
なお、保存された画像処理用データをPCなどの保存データ検索表示装置23(
図1)で利用する場合には、外部記憶装置22をアクセスして保存された画像処理用データアーカイブファイルを読み出し、ファイルを解凍して、画像処理用データを参照する。
なお、外部記憶装置22としては、NAS(Network Attached Storage)などのネットワークに対応したメモリ(記憶装置)が用いられる。
【0033】
<画像処理用データ保存に関する実施例>
次に、画像処理用データ保存実施例として、製品の画像データから製品に印字されたデータを検査(印字検査)する例について説明する。
図3は、缶の底に賞味期限と製造年月日が印字された入力画像から無圧縮保存の場合と圧縮保存の場合についての処理手順を示した図である。なお、(a)は無圧縮保存手順を示したものであり、(b)は圧縮保存手順を示したものである。
また、
図4は、印字検査において、画像処理用データに書き込むデータの例の一覧を示した図である。
【0034】
<保存の処理手順>
まず、
図3の保存の処理手順から説明する。(a)無圧縮保存手順、(b)圧縮保存手順について順に説明する。
【0035】
<無圧縮保存手順>
まず、画像データを圧縮しないで保存する場合の無圧縮保存手順について説明する。
図3(a)において、保存用画像データ301は、
図2のフローチャートのステップS201を経た画像データである。また、保存用画像データ301は、入力画像の一例である。
したがって、既に、この保存用画像データ301の先頭から1024byteに、画像計測演算処理部104(
図1)の計測データD21(
図1)と、不良判定演算部105(
図1)の判定結果データD31(
図1)とを含む計測・判定関連データが書込みデータ302として書き込まれている。
画像データ301のデータは左上から始まっているので、先頭に書き込まれた書込みデータ302は、画像データ301の左上に配置されている。
また、書込みデータ302には、計測データと判定結果データである判定結果、処理時間、計測データ、判定値などが含まれるほかに、さらに製品のタグ用データである識別コードや品種番号なども前記した1024byteの中に含まれている。
【0036】
次に、書込みデータ302を含む保存用画像データ301を、画像処理用データ保存処理部103内部の次の演算を行う演算部(不図示)に、ハード転送をする(高速ハード転送310)。
【0037】
次に、書込みデータのタグ用データを用いてファイル名を作成する(ファイル名作成320)。
具体的な例としては、「識別コード」、「処理時間」、「品種番号」、「判定結果」をそのまま用いて、(識別コード+処理時間+品種番号+判定結果).rawのファイル名を生成する。なお、raw(未加工、生のraw)は、無圧縮の場合の拡張子である。
また、「識別コード」、「処理時間」、「品種番号」、「判定結果」をそのまま用いているのでファイル名からファイルの素性が理解しやすいととともに、異なる画像処理用データのファイル名が重複する危険性がない。
【0038】
次に、所定の複数枚の画像処理用データを一つのファイルにするパッケージングをする(アーカイブ330)。
【0039】
次に、画像処理用データ保存処理部103(
図1)から外部記憶装置22(
図1)、つまりNAS350へアーカイブされた画像処理用データをFTP(File Transfer Protocol)転送する(FTP転送340)。
【0040】
NAS350、つまり外部記憶装置22(
図1)では、転送された画像処理用データアーカイブファイルを記憶、保存する。
以上が無圧縮保存手順である。
【0041】
<圧縮保存手順>
次に、画像データを圧縮して保存する場合の圧縮保存手順について説明する。
図3(b)において、保存用画像データ401には計測データや判定結果データやタグ用データの表示データ403、404が表示されている。これは、検査機で表示している処理画像の例である。
この表示データ403、404に表示された計測データや判定結果データやタグ用データを、さらに書込みデータ402として保存用画像データ401の先頭から所定のバイト(byte)数に書込む。前述した場合と同様の理由により、書込みデータ402は、画像データ401の左上に配置されている。
【0042】
書込みデータ402は、判定結果、処理時間、計測データ、判定値などが含まれるほかに、さらに製品のタグ用データである識別コードや品種番号なども前述した1024byteの中に含まれている。
なお、表示データ403、404に表示された計測データ、判定結果データ、タグ用データは、検査機操作者の視認のためのものであるため、保存/取出用には、先頭から所定のバイト数に書込まれた書込みデータ402の計測データ、判定結果データ、タグ用データを用いる。
【0043】
次に、圧縮した画像データ401(402、403、404含む)を画像処理用データ保存処理部103内部の次の演算を行う演算部(不図示)に、ハード転送をする(高速ハード転送410)。
【0044】
次に、処理420において、次の処理(1)、(2)、(3)を行う。すなわち、(1)書込みデータ402を取り出す(書込みデータ取出し)。
次に、(2)取り出した書込みデータ402の中のタグ用データを用いてファイル名を作成する。具体的な例としては、「識別コード」、「処理時間」、「品種番号」、「判定結果」をそのまま用いて、(識別コード+処理時間+品種番号+判定結果).jpgのファイル名を作成する。なお、jpg(Joint Photographic Experts Group)は圧縮の場合の拡張子である。また、無圧縮の場合と同様に「識別コード」、「処理時間」、「品種番号」、「判定結果」をそのまま用いているのでファイル名からファイルの素性が理解しやすいととともに、異なる画像処理用データのファイル名が重複する危険性がない。
また、(3)JPEG用exif(Exchange image file format)データ生成も行う。
【0045】
そして、画像処理用データ(画像データと書込みデータ)をJPEGに変換する(JPEGエンコード421)。
なお、このとき、パラメータメモリ132(
図1)に指定された画素サイズ、圧縮率などに基づき変換が実施される。
【0046】
また、次にexifデータに、取り出していた書込みデータ402の書き込みを行う(exifデータ書込み422)。
【0047】
次に指定されたアーカイブ枚数に基づき画像処理用データのパッキング処理を行う(アーカイブ430)。
このとき、1枚ずつの(識別コード+処理時間+品種番号+判定結果).jpgのファイルは、アーカイブ枚数だけパッキングされて、パッキングされた画像処理用データは、(識別コード+アーカイブ開始時刻+品種番号).zipのファイルに変換される。なお、zip(ファイル圧縮の一形式)も圧縮の場合の拡張子である。
【0048】
次に、画像処理用データ保存処理部103(
図1)から外部記憶装置22(
図1)、つまりNAS450へ、アーカイブされた画像処理用データをFTP転送する(FTP転送440)。
【0049】
NAS450、つまり外部記憶装置22(
図1)では、転送された画像処理用データを記憶、保存する。
以上が圧縮保存手順である。
なお、無圧縮保存手順の場合のNAS350と、圧縮保存手順の場合のNAS450とは、実際には兼用される同一の外部記憶装置22(
図1)である。
【0050】
<印字検査書込みデータ例>
図4は、前記したように、印字検査において、画像処理用データ(画像データ)に書き込むデータの例の一覧を示した図である。
図4において、左側の欄に書込みデータの項目が列挙され、右側の欄に左側の欄の各項目に対応する具体的な内容が書込まれている。
実際の例としては、「1 検査機種別コード」として、「検査機種別や出荷製品固有番号」が書込まれる。以下、「2 処理時刻(年月日時分ミリ秒)」として、「2011年12月31日23時59分59秒999ms」、「3 検査品種番号」として、「画像処理品種番号n」、「4 判定値結果」として、「OK、NG及びNG要因コード(無印字、文字欠け、誤印字、文字変形など)」、「5 判定値」として、「文字形状一致度判定値、サイズ判定値、位置判定値、明るさ判定値など」、「6 計測パラメータ」として、「処理領域、文字抽出の画像パラメータなど」、「7 計測データ」として、「文字形状一致度、サイズ、位置、明るさの各計測値など」である。
【0051】
<保存データ検索手順例>
次に、NAS350(NAS450、
図3)、つまり外部記憶装置22(
図1)に保存された画像処理用データをPC(保存データ検索表示装置23、
図1)で検索する手順について説明する。
図5は、NAS350(外部記憶装置22)の画像処理用データの保存データを、PC23で検索する手順の一例を示した図である。
【0052】
図5において、まず、操作者599がPC23を操作して、検索条件を入力する(検索条件入力501)。
【0053】
さらに、操作者599がPC23に対して、検索の実行を指示、操作する(検索実行502)。
【0054】
すると、検索する入力条件で指定された対象のファイルにおいて、後記する手順(503〜508)が繰り返される対象アーカイブ数ループ509に入る。
【0055】
対象アーカイブ数ループ509に入ると、まず対象となるデータをNAS350から検索する(対象アーカイブデータ検索503)。
【0056】
NAS350において、検索された保存データ504が読み出される準備がなされる。
【0057】
次に、PC23は、NAS350から検索された保存データ504をファイルコピーして、アーカイブデータを取得する(アーカイブデータ取得(ファイルコピー)505)。
【0058】
次に、PC23において、取得したアーカイブデータを解凍する(ファイル解凍506)。
【0059】
次に、PC23において、ファイル解凍506したデータから画像情報を読み込む(画像情報読込507)。
【0060】
次に、PC23において、読み込んだ画像情報の詳細な検索結果を表示する(詳細検索結果表示508)。
【0061】
以上の手順(503〜508)が、対象アーカイブ数ループ509において繰り返される。
【0062】
入力された条件のデータ検索が終了すると、PC23において、検索結果の保存(検索結果保存510)が行わる。なお、ファイル511に拡張子「.CSV」のCSV(Comma Separated Values)の形式で検索結果が保存される。
【0063】
なお、以上においては、外部記憶装置22(
図1)がNAS350の場合について説明したが、前記したようにNAS450(
図3)でも同様である。
【0064】
<保存データ検索表示例>
図6Aは、保存データ検索表示例の画面のイメージの一例を示す図である。
図6Aにおいては、保存データを表示する画面領域と、検索に係る操作を表示する画面領域とがあるが、細部は
図6Aでは必ずしも鮮明とはいえないので、項目を一覧として、次に
図6Bで説明する。
【0065】
図6Bは、保存データ検索表示例における表示項目と操作項目の一覧の例を示す図であり、(a)は表示項目の一覧、(b)は操作項目の一覧を示している。
図6B(a)において、表示項目とその内容が示されている。(1)「画像表示エリア」では検索結果により選択されている画面を表示する。なお、
図6Aにおいて、「画像表示エリア」は、左上の画面の領域に相当し、圧縮された画像データとそれに付随する計測データ、判定結果データなどが表示されている。
(2)「検索結果」は検索した結果を表示する。なお、
図6Aにおいて、「検索結果」は左下の画面の領域に相当し、「No」、「検査機名」、「計測時間」、「検査結果」などが一例として示されている。
【0066】
図6B(b)において、操作項目とその内容が示されている。項目名を列挙すれば、(3)検索結果、(4)識別コード、(5)IPアドレス(Internet Protocol Address)、(6)期間、である。
また、検索オプションとして、(7)品種、(8)計測結果、(9)軽不良ステータス、(10)重不良ステータス、である。
また、画像保存として、(11)保存先ディレクトリ、(12)保存先設定、(13)画像保存、である。
また、NAS容量確認として、(14)確認NAS ID(NASのIdentity)、(15)確認(容量)、である。
また、(16)検索、(17)終了、である。
以上の「操作項目」とその「内容」は、
図6Aの右半分の画面の領域に相当する。
なお、以上は一例であるので「内容」については説明を省略する(
図6B参照)。
【0067】
<本実施形態の性能の一例>
次に、印字検査機での全数デジタル画像/データ保存の実施形態の性能の一例を示す。
前提条件として、
<1>画像メモリの保存処理部への転送とJPEG圧縮処理をハードウェアで行う。
<2>ソフト処理にて500枚アーカイブして転送保存する。
<3>元の対象画像は、512×480画素サイズの8ビットグレー画像。
<4>圧縮は、1/10JPEGファイル化。
<5>アーカイブ枚数は、500枚。
<6>データの付与は、JPEGのExifファイルに書込みとする。
以上の条件で圧縮保存を60fps(Frames Per Second)以上の性能が実現できる。
したがって、倍速カメラ能力での全数デジタル保存が可能となり、システム処理時間のボトムネックとならずに印字検査機での全数デジタル画像/データ保存が実現できる。
【0068】
<本実施形態の効果>
以上、本実施形態によれば次の効果がある。
《1》検査機の画像(画像データ)及びデータ(計測・判定関連データ)を高速に全数デジタル保存することで、画像処理装置でのトレーサビリティに必要な全てのデータを簡易に保存できる。
《2》市販の外部記憶装置を使用できるため、賞味期限までの全画像/データを安価に保存できる。例えば、外部記憶装置が8TB容量のNASの場合、1200個/分製造ライン×10時間/日×20日/月の条件では約18ヶ月分(長期記録)、保存可能となる。
《3》画像及びデータをデジタル一体保存しているため、データの保全性が高く、検索表示やデータの統計評価(トレンド、ばらつき)を、データベースを用いることなく容易に実現できる。
また、さらに高速検索を志向する場合は、データベースを構築することで対応可能である。
《4》画像及びデータをデジタル一体保存しているため、選択した画像群から計測データ統計処理を行ったり、判定結果データや計測データ条件での画像のみを抽出したりするなどの、画像とインプラントデータの相互検索や評価を行うことができる。
《5》画像データの先頭に検索データをインプラントしているので、サーチが高速で容易である。
《6》画像データを、パッキング処理をしているので、ファイル転送時間のロスを極小にし、高速での保存ができる。
《7》製品検査の判定結果を保存するのみならず、リアルタイムに表示をするので製造ラインの遠隔監視もできる。
《8》無圧縮画像の保存も可能であるため、画像処理装置に無圧縮画像を戻すことで、デジタル無圧縮画像の再処理やアルゴリズム検証に供することも可能である。
《9》画像処理用高速データ保存装置10(
図1参照)は、一体化された装置であるのでコンパクトであって、大きな占有面積(体積)を必要とせず、取り扱いが簡便である。
【0069】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、本発明はこれら実施形態およびその変形に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があってもよく、以下にその例をあげる。
【0070】
図1の実施形態において、使用するカメラ21がデジタル転送の機能を具備している場合は、A/D変換部101を使用せずに、画像データを直接、画像メモリ102に取込んでもよい。
【0071】
また、
図1の実施形態において、画像処理用高速データ保存装置10を計測システムや監視システムに適用する場合は、不良判定演算部105における不良判定演算や合否出力及び表示部106における合否出力を省略してもよい。
【0072】
また、
図2のフローチャートは一例であって、例えば、ステップS201の「保存用画像にデータインプラント」の工程に先立って、ステップS202の「保存用画像は圧縮/無圧縮?」の工程を行うようなフロー構成もある。
【0073】
また、保存用画像が圧縮もしくは無圧縮のどちらかに限定される場合には、
図2のフローチャートにおいて、ステップS202、S203、S204、S205の工程を削除したフロー構成もある。
【0074】
また、
図2のフローチャートにおいてステップS209は「生産終了?」と表記しているが、このフローは「生産」に関わる検査に限定されるものではない。品目の検査に関わる事象であれば、必ずしも生産工程である必要はない。
【0075】
また、
図2のステップS204ではJPEGの圧縮形態であり、ステップS205ではExifファイルの形態であり、ステップS206ではZipファイルの形態であったが、これらの圧縮方法やファイル形式は一例であり、他の圧縮方法やファイル形式を用いてもよい。用途や時代の趨勢によって、そのときの都合のよい、様々な形態をとりうることは可能である。
【0076】
また、
図3のファイル名作成320やファイル名作成420(2)においては、「識別コード」、「処理時間」、「品種番号」、「判定結果」をそのまま用いて(識別コード+処理時間+品種番号+判定結果)のファイル名を作成したが、他の項目を用いてもよい。
また、アーカイブ430においては、(識別コード+アーカイブ開始時刻+品種番号)によるzipのファイル名を作成したが、他の項目を用いてもよい。