特許第5719337号(P5719337)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5719337
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】バックガードカバー
(51)【国際特許分類】
   A47B 77/00 20060101AFI20150430BHJP
【FI】
   A47B77/00
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-244799(P2012-244799)
(22)【出願日】2012年11月6日
(65)【公開番号】特開2014-90980(P2014-90980A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2013年8月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】313014077
【氏名又は名称】トクラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三島 亮祐
【審査官】 蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−116748(JP,U)
【文献】 実開昭61−158234(JP,U)
【文献】 特開昭61−025505(JP,A)
【文献】 実開平06−050538(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/00−77/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁部に沿って配置され上面にシンクが形成されたカウンターの後部から前記壁部に沿って上方に延びるバックガードの上部を覆うとともに、収納部材を移動可能に支持するバックガードカバーであって、
前記バックガードの前面上端部分に沿って配置されるバックガード覆い部と、
前記バックガード覆い部の上方に位置し、前面が前記バックガード覆い部の上端から後側上方に延びる傾斜面で構成された中間部と、
前記中間部の上端から上方に延びて、前記収納部材を移動可能に支持するハンガーレールとを備え、
前記バックガード覆い部、前記中間部及び前記ハンガーレールが一体に形成され、
前記中間部が、前記バックガード覆い部の上端から後方に延びる水平片と、前記バックガード覆い部の上端から後側上方に延びる傾斜片とで構成されていることを特徴とするバックガードカバー
【請求項2】
前記ハンガーレールを、前記中間部の上端から上方に延びて前記壁部に固定される固定片と、前記固定片の上端から前方に延びる天井片と、前記天井片の前端から下方に延びてその下端部と前記バックガード覆い部の上端部との間に前記収納部材の上端部を挿入できる隙間を設けて形成された上部前面片と、前記上部前面片の下端から後方に延びてその後端部と前記固定片の下部との間に前記収納部材の上端部を挿入できる隙間を設けて形成された係合片とで構成した請求項1に記載のバックガードカバー
【請求項3】
前記バックガード覆い部の前面と、前記上部前面片の前面とが同一面上に位置するように形成されている請求項2に記載のバックガードカバー。
【請求項4】
前記カウンターにおける前記シンクの近傍に水栓が設けられており、前記バックガード覆い部の上端部が前記水栓の吐水口よりも高い位置になるようにして設置されている請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載のバックガードカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面にシンクが形成されたカウンターの後部から上方に延びるバックガードの上部を覆うとともに、収納部材を移動可能に支持するバックガードカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、システムキッチンや流し台のシンクの後部には、バックガードが設けられており、このバックガードの上部には、バックガードカバーが取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。この水切カバー(バックガードカバー)は、バックガード部の上端面及び前面上部を覆うバックガードカバー部と、壁面に取り付けられたタイルの下端部を覆うタイルカバー部と、バックガードカバー部とタイルカバー部との間に設けられ、壁面におけるバックガード部とタイルとの間の部分に、収納部材が取り付けられる取付け部とで構成されている。そして、収納部材がねじによって固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−50538号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、前述した水切りカバーでは、バックガードカバー部の上部がバックガード部の上端面に沿って水平に配置されているため、水栓から出た水が飛び散ったときには、溜まりやすくなる。このため、バックガードカバー部の上部に汚れが付着しやすくなる。また、バックガードカバー部と取付け部との間は直角の入隅部になっているため、この部分も汚れ易く、さらに清掃の際には、その汚れを除去し難くなる。また、前方からバックガードカバー部と取付け部との入隅部が見えるため美観を損なうという問題もある。さらに、収納部材が固定されているため、状況に応じて収納部材を移動させながら使用することができないという問題もある。
【0005】
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、汚れが付着し難く、かつ汚れが付着しても容易に除去でき、さらに、ハンガーレールに支持された収納部材を任意の位置に移動させることのできるバックガードカバーを提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0006】
前述した目的を達成するため、本発明に係るバックガードカバーの構成上の特徴は、壁部(11)に沿って配置され上面にシンク(14)が形成されたカウンター(13)の後部から壁部に沿って上方に延びるバックガード(18)の上部を覆うとともに、収納部材(41)を移動可能に支持するバックガードカバー(20)であって、バックガードの前面上端部分に沿って配置されるバックガード覆い部(22)と、バックガード覆い部の上方に位置し、前面がバックガード覆い部の上端から後側上方に延びる傾斜面で構成された中間部(23)と、中間部の上端から上方に延びて、収納部材を移動可能に支持するハンガーレール(24)とを備え、バックガード覆い部、中間部及びハンガーレールが一体に形成され、中間部が、バックガード覆い部の上端から後方に延びる水平片(23a)と、バックガード覆い部の上端から後側上方に延びる傾斜片(23b)とで構成されていることにある。また、本発明係るバックガードカバーの他の構成上の特徴は、ハンガーレールを、中間部の上端から上方に延びて壁部に固定される固定片(25)と、固定片の上端から前方に延びる天井片(26)と、天井片の前端から下方に延びてその下端部とバックガード覆い部の上端部との間に収納部材の上端部(42a)を挿入できる隙間を設けて形成された上部前面片(27)と、上部前面片の下端から後方に延びてその後端部と固定片の下部との間に収納部材の上端部を挿入できる隙間を設けて形成された係合片(28)とで構成したことにある。
【0007】
本発明に係るバックガードカバーは、バックガードの前面上端部分を覆うバックガード覆い部と、前面が傾斜面で構成された中間部と、収納部材を移動可能に支持するハンガーレールとを備えている。そして、ハンガーレールの固定片を壁部に固定することによって、バックガードカバーはバックガードの上方に設置されている。このため、バックガードに、高さのばらつきや傾きがあったりした場合でも、バックガード前面上端部がバックガード覆い部で覆われるため、前方から見た外観は、一定の美観を備えた状態になる。言い換えると、外観を一定にしながら、バックガードの上端面に対するバックガードカバーの位置を調節することができる。
【0008】
さらに、バックガード覆い部の下端部が、バックガードの上端部よりも下方に位置しているため、バックガードの上端面や裏面側に水が浸入し難い。また、中間部の前面を傾斜面で構成しているため、バックガード覆い部の上端部と上部前面片の下端部との隙間から中間部の傾斜面側に水が入っても、その水は傾斜面およびバックガード覆い部に沿って下方のバックガード側に流れていく。このため、バックガードカバーの内部に水が溜まって汚れが付着するといったことが生じ難くなる。また、バックガードカバーの内部に汚れが付着したとしても、バックガード覆い部と固定片とが傾斜面を介して連なり入隅部が鈍角に形成されるため、その汚れを容易に拭き取ることができる。ここで、バックガードカバーの内部とは、バックガード覆い部、中間部、固定片、天井片、上部前面片で形成された空間を言う。
【0009】
さらに、バックガード覆い部の上端部と上部前面片の下端部との間に前後方向に開口して、収納部材の上端部を挿入できる隙間が設けられ、係合片の後端部と固定片の下部との間に上下方向に開口して、収納部材の上端部を挿入できる隙間が設けられている。ここで、収納部材の上端部にはハンガーレールに係合できる係合部が形成されている。さらに、収納部材の上端側部分を、係合片の後端部とバックガード覆い部の上端部とに当接できるように屈曲させることで、収容部材の自重を利用して、収容部材をバックガードカバーに取り付けることができる。この場合、収容部材は固定でなく、係合片とバックガード覆い部とに引っ掛けるだけであるため、ハンガーレールに沿って自由にスライドさせることができる。
【0010】
なお、本発明に係るカウンターは室内の壁面に沿って配置されるものであってもよいし、キッチンの使用者がリビング側に向くように配置される対面式のものであってもよい。カウンターが室内の壁面に沿って配置される場合は、本発明に係る壁部は室内の壁面になり、バックガードカバーは、固定片を介して室内の壁面に固定される。また、カウンターが対面式の場合は、本発明に係る壁部は、カウンターの後方に配置されたキャビネットの背面や、カウンターにおけるシンクの後部に設けられた高さの低い壁等の壁面になり、バックガードカバーは、固定片を介してこれらの壁部に固定される。
【0011】
さらに、本発明によると、水平片と傾斜片との間に空間を形成しているため、中間部を形成する部分の材料を少なくしてコストを低減できるとともにバックガードカバーの軽量化が図れる。また、水平片と傾斜片との間に形成される空間を、バックガードカバーの端部に、保護用のキャップを取り付ける場合の係合部として利用することができる。この場合、キャップに、水平片と傾斜片との間に係合できる突起と、天井片と上部前面片との角部に係合できる突起を設けることにより、キャップをバックガードカバーの端面に着脱可能に固定することができる。
【0013】
本発明に係るバックガードカバーのさらに他の構成上の特徴は、バックガード覆い部の前面と、上部前面片の前面とが同一面上に位置するように形成されていることにある。本発明によると、バックガードカバーの前面の清掃が容易になるとともに、美観が増すようになる。
【0014】
また、天井片の上面と、上部前面片の前面と、係合片の下面とを覆うレールカバーをハンガーレールに着脱可能に取り付けられていることが好ましい。この場合、上部前面片に前後に貫通するねじ挿通穴を形成するとともに、固定片におけるねじ挿通穴に対向する部分に前後に貫通するねじ係合穴を形成して、頭部とねじ部とからなるねじをねじ挿通穴を挿通させて頭部をねじ係合穴に係合させた状態でねじ部を壁部に螺合させることにより固定片を壁部に固定するようにする。
【0015】
これによると、バックガードカバーは、バックガード覆い部、中間部及びハンガーレールからなる本体部分とレールカバーとで構成されるようになる。そして、バックガードカバーの本体部分の壁部への固定が、上部前面片の前面側からねじをねじ挿通穴に通し、そのねじの頭部をねじ係合穴に係合させた状態でねじ部壁部に螺合させることにより行えるため、本体部分を固定する操作が容易になる。そして、バックガードカバーの本体部分を壁部に固定したのちに、天井片の上面と、上部前面片の前面と、係合片の下面とをレールカバーで覆うため、前方からねじ挿通穴が見えなくなり、ねじ挿通穴を設けることによって美観が損なわれることを防止できる。
【0016】
なお、このレールカバーは、可撓性を備えた部材で構成することが好ましい。これによると、レールカバーをハンガーレールの側方からスライドさせて取り付けるのではなく、レールカバーにおける天井片の上面を覆う部分と、係合片の下面とを覆う部分との端部間を広げるようにして、ハンガーレールの前方から取り付けることができる。これによると、レールカバーのハンガーレールへの取り付けが極めて容易になる。また、レールカバーにおける天井片の上面を覆う部分と天井片の上面及び、レールカバーにおける係合片の下面とを覆う部分と係合片の下面には、それぞれ係合可能な突部と凹部とからなる係合部を設けておくことが好ましい。
【0017】
また、本発明に係るバックガードカバーのさらに他の構成上の特徴は、カウンターにおけるシンクの近傍に水栓(17)が設けられており、バックガード覆い部の上端部が水栓の吐水口(17a)よりも高い位置になるようにして設置されていることにある。
【0018】
本発明によると、バックガード覆い部と上部前面片との隙間の最下部であるバックガード覆い部の上端部が、水栓の吐水口よりも高い位置にあるため、水栓の吐水口から吐出された水が直接バックガードカバーの内部に入り難い。また、水栓から吐出された水が、シンクの底面や、洗いものをしている使用者の手や食器等から跳ね返った場合にも、バックガード覆い部の上端部の位置が高いため、水はバックガードカバーの内部に入り難くなる。これによって、バックガードカバーの内部に汚れが発生することがさらに確実に防止される。また、バックガード覆い部の上端部の位置が高くなることによって、バックガードの高さも高くなるため、美観が増すとともに清掃がし易くなる。なお、この場合、バックガード覆い部の上端部は、カウンターの上面から100mm〜180mm上方に位置していることが好ましく、最も好ましいのは、140mm程度上方に位置していることである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係るバックガードカバーを備えたキッチンシステムを示した斜視図である。
図2】キッチンシステムの内部を示した断面図である。
図3】バックガードの上端部をバックガードカバーで覆った状態を示した断面図である。
図4】バックガードカバー本体を示しており、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図5図4(a)の5−5断面図である。
図6】レールカバーを示した側面図である。
図7】レールキャップを示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は裏面図、(e)は下面図である。
図8】バックガードの上端部を覆ったバックガードカバーに収納部材を取り付けた状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1及び図2は、同実施形態に係るバックガードカバー20を備えたキッチン10を示している。このキッチン10は、壁部11に沿って設置されており、キャビネット本体12の上部に設けられたカウンター13にシンク14と加熱用のIHヒータ15とを並べて配置している。また、キャビネット本体12内には、複数の引き出し16aが設けられている。さらに、カウンター13におけるシンク14の近傍には、水栓17が取り付けられている。そして、カウンター13の後部からは、バックガード18が壁部11に沿って上方に延びており、バックガードカバー20は、バックガード18の上部に設置されている。このバックガードカバー20の下端部は、水栓17の吐水口17aよりも高い位置に位置している。
【0021】
バックガードカバー20は、バックガード18の上縁部に沿って水平方向に延びており、図3に示したように、カバー本体21と、レールカバー31と、レールキャップ34とで構成されている。以下、図3の左側を前方、右側を後方として説明する。カバー本体21は、左右に延びる長尺の部材からなっており、図4(a),(b)及び図5に示したように、バックガード覆い部22、中間部23及びハンガーレール24で構成されている。バックガード覆い部22は、カバー本体21の前面下部を構成する部分で高さ方向の長さを一定に保って左右に延びる板状に形成されている。
【0022】
中間部23は、バックガード覆い部22の上端から後方に延びる水平片23aと、水平片23aの前端側部分から後部側上方に傾斜して延びる傾斜片23bとで構成されており、水平片23aの後端には、上方に突出する突出片23cが形成されている。この突出片23cの後面と傾斜片23bの上端(後端)とは、突出片23cの後面全体が壁部11の表面に当接したときに、傾斜片23bの上端部も壁部11の表面に当接するように構成されている。また、水平片23aとバックガード覆い部22との厚みは略同じに設定され、傾斜片23bの厚みはそれよりも少し厚くなるように設定されている。
【0023】
ハンガーレール24は、傾斜片23bの上端から上方に延びる固定片25と、固定片25の上端から前方に延びる天井片26と、天井片26の前端から下方に延びる上部前面片27と、上部前面片27の下端からやや下方側の後方に突出した係合片28とで構成されている。固定片25は後面の前後方向の位置を突出片23cの後面に合わせて形成されており、左右方向に一定間隔を保って前後に貫通する複数のねじ係合穴25a(図4(a)には1個しか図示していない)が形成されている。このねじ係合穴25aは、前部側から後部側に向けて徐々に直径が小さくなるように形成されている。
【0024】
天井片26は、カバー本体21の上端部を構成する部分で、前後方向の長さが水平片23aと同じに設定されている。また、天井片26は、水平片23aと上下に間隔を保って平行して形成されている。この天井片26の後縁部には上方に突出する小突条26aが形成され、その小突条26aと少し間隔を保って小突条26aの前方に小溝26bが形成されている。
【0025】
上部前面片27は、カバー本体21の前面上部を構成する部分で、天井片26の前端から固定片25に平行して下方に延びている。また、上部前面片27の前面の前後方向の位置は、バックガード覆い部22の前面の前後方向の位置と一致するように設定されており、上部前面片27の下端部とバックガード覆い部22の上端部との間には隙間が形成されている。この隙間の上下方向の寸法は、上部前面片27やバックガード覆い部22の上下方向の長さよりも少し大きくなるように設定されている。そして、上部前面片27における固定片25のねじ係合穴25aに対向する部分(前方から見て重なる部分)に前後に貫通する複数のねじ挿通穴27aが形成されている。このねじ挿通穴27aの直径は、ねじ係合穴25aの前部の直径と同じに設定されている。
【0026】
また、固定片25、天井片26及び上部前面片27の厚みは、それぞれ傾斜片23bの厚みと略同じに設定されている。係合片28は、先端部と、傾斜片23bや固定片25との間隔が上部前面片27やバックガード覆い部22の上下方向の長さと同程度になるようにして、後方側やや下方に延びており、固定片25、天井片26等の厚みよりも少し薄い突出片で構成されている。この係合片28の下面における先端近傍部分には、係合片28の先端縁部に沿って左右に延びる小溝28aが形成されている。
【0027】
レールカバー31は、側面視による形状が、図6に示したように略L形に形成されており、ハンガーレール24の天井片26、上部前面片27及び係合片28を覆うことのできる大きさに形成されている。このレールカバー31は、天井片26の上面を覆う上部覆い部31aと、上部前面片27の前面を覆う前部覆い部31bと、係合片28の下面を覆う下部覆い部31cとで構成されている。そして、上部覆い部31aの下面における後端近傍には、天井片26の小溝26bに係合できる小突条32aが形成されている。この小突条32aが小溝26bに係合したときに、上部覆い部31aの後端部は小突条26aに当接し、このとき、上部覆い部31aの上面と小突条26aの上端との高さは同じになる。
【0028】
前部覆い部31bは、上下方向の長さが、上部前面片27の上下方向の長さよりも長くなった左右に長い板状に形成されている。そして、下部覆い部31cは、側方から見た状態で、前部覆い部31bの下端部から下方に突出半円を描くようにした屈曲部を形成したのちに真っ直ぐに後方に延びる前後方向の長さが短い板状に形成されている。この下部覆い部31cの上面における後端近傍には、係合片28の小溝28aに係合できる小突条32bが形成されている。
【0029】
このレールカバー31は、薄い板で構成されて可撓性を有しており、上部覆い部31aを天井片26の上面に沿わせてスライドさせるようにして、前方からハンガーレール24に取り付けることができる。この場合、下部覆い部31cの先端部は、係合片28の下面に沿って下方に撓むようにして後方に移動し、上部覆い部31aの小突条32aが小溝26bに係合するときに、下部覆い部31cの小突条32bも小溝28aに係合する。そして、この小突条32bが、小溝28aに係合したときに、係合片28と下部覆い部31cとの間には隙間が形成される。また、下部覆い部31cの前端に下方に突出する屈曲部を設けたため、レールカバー31をハンガーレール24から取り外す際に、この屈曲部に指を掛けることにより、取り外しが容易になる。
【0030】
レールキャップ34は、図7(a)〜(e)に示したように、キャップ本体34aに、嵌合凸部34b,34cを設けて構成されている。キャップ本体34aは、レールカバー31が取り付けられた状態のカバー本体21からバックガード覆い部22を除いた部分の側面を隙間の部分も含めて覆うことのできる略四角形の板状に形成されている。嵌合凸部34bは、天井片26の前部側部分、上部前面片27及び係合片28で囲まれる空間に、ハンガーレール24の端面側から挿し込める断面形状が略四角形の筒状体の上面、前面お及び下面にそれぞれ左右に延びる四角形の凸起35を形成して構成されている。
【0031】
嵌合凸部34bの上面と下面には、それぞれ1個の凸起35が形成され、前面には、2個の凸起35が上下に並んで形成されている。嵌合凸部34cは、水平片23a、傾斜片23b及び突出片23cで囲まれる空間に、ハンガーレール24の端面側から挿し込める断面形状が三角形の筒状体の各面にそれぞれ左右に延びる四角形の凸起36を形成して構成されている。嵌合凸部34cは、三角形の断面の角部を、キャップ本体34aの後側下部の角部近傍に合わせて配置されており、下面と傾斜面とには、それぞれ2個の凸起36が前後に並んで形成され、後面の下部に1個の凸起36が形成されている。嵌合凸部34b,34cは、それぞれ複数の凸起35,36が設けられることによって、レールキャップ34がレールカバーから外れることを防止する。
【0032】
なお、図7(a)〜(e)には、ハンガーレール24の左端部に取り付けられるレールキャップ34が示されているが、ハンガーレール24の右端部に取り付けられるレールキャップは、このレールキャップ34と左右対称に形成される。また、このレールキャップ34等は、通常は、ハンガーレール24の左右両端に取り付けられるが、ハンガーレール24の端部側に壁部が位置する場合等、取り付けができない場合には、どちらか一方だけにレールキャップを取付ける場合もある。
【0033】
このように構成されたカバー本体21、レールカバー31及びレールキャップ34からなるバックガードカバー20を、バックガード18の上方に取り付ける場合には、まず、カバー本体21を、頭部37aとねじ部37bとからなるねじ37を用いて壁部11に固定する。この場合、まず、バックガード覆い部22の後面に、両面テープ等の接着部材を介してスポンジからなるシール材38を貼り付ける。そして、シール材38が貼り付けられたカバー本体21を、バックガード18の上方の所定位置に位置合わせする。
【0034】
カバー本体21は、水平片23aをバックガード18の上端面に当接させるのではなく、バックガード覆部22がバックガード18の前面上端部を覆うことができるように予め設定された高さに合わせる。この場合の設定高さは、カウンター13の上面からバックガード覆部22の上端部までの高さが140mmになるように設定されている。なお、水平片23aがバックガード18の上端面に当接させてもよい。
【0035】
そして、複数のねじ37をそれぞれ上部前面片27の前方からねじ挿通穴27aを挿通させて、さらに、そのねじ部37bを固定片25の係合穴25aを通して壁部11に螺合させる。これによって、ねじ37の頭部37aが係合穴25aの周縁部に係合して、カバー本体21は、壁部11に固定される。このとき、シール材38は、バックガード18とバックガード覆い部22とによって押圧されて収縮する。このシール材38は、水の浸入を防止する機能の他、クッション材としても機能する。
【0036】
つぎに、前方側からハンガーレール24にレールカバー31を取り付けて、その両端部にレールキャップ34を取り付ける。これによって、図3に示したように、バックガード18の上部にバックガードカバー20が取り付けられた状態になる。なお、バックガード18の後面における上端近傍部分と壁部11との間には、シール材38と同様のスポンジからなるシール材19が設置され、バックガード18の後面上端と壁部11との間には、シリコーン19aなどでコーキングされている。
【0037】
また、バックガードカバー20のハンガーレール24には、図1に示したように、収納部材41を移動可能に組み付けることができる。この収納部材41は、洗剤やスポンジ等を置くためのもので、水平に配置された四角枠体の左右の両辺に、前後に間隔を保って左右に延びる複数の金属棒を連結して構成される収納部本体41aの後部両側から、上方に一対の吊棒42を延ばして構成されている。この吊棒42の上端側部分は、図8に示したように、屈曲部42aで構成されている。この屈曲部42aは、吊棒42の後側上方に曲がって延びたのちに、再度曲がって上方やや後側に延びており、先端には、直径が屈曲部42aの線径よりも大きい球状部42bが形成されている。また、屈曲部42aの下方の曲部の外周には、高摩擦を有する保護部42cが取り付けられている。
【0038】
屈曲部42aは、下方の曲部に取り付けられた保護部42cが、バックガード覆い部22と中間部23との境界部に位置したときに、球状部42bが係合片28の後端部よりも僅かに上方に位置するように形成されている。そして、そのとき、屈曲部42aの保護部42cが取り付けられた部分と球状部42bとの間の部分は、傾斜片23bおよび固定片25と少し間隔を保った位置に保持される。収納部材41をハンガーレール24に支持させるときには、収納部本体41aと、球状部42bとを同じ程度の高さにした状態で、球状部42b側を、バックガード覆い部22とレールカバー31との間の隙間に挿し込んで、収納部本体41aを下方に移動させながら、球状部42b側を、傾斜片23bおよび固定片25に沿わせるようにして上方に移動させることにより、ハンガーレール24に係合させることができる。このとき、傾斜片23bが収納部材の球状部42bを係合片28と固定片25とで形成される隙間へ差し込むときのガイドとなるので、収納部材41をハンガーレール24に係合させることが容易になる。
【0039】
この状態からハンガーレール24から収納部材41を外す場合には、収納部本体41aが球状部42bと同程度の高さに位置するように、収納部材41を球状部42bを中心に回転させなければならない。ハンガーレール24に係合した収納部材41には、その自重や荷重によって、下方向への力が付加されているので、屈曲部42aの球状部42bまたはその近傍が係合片28の後端部に押さえ付けられ、保護部42cがバックガード覆い部22と中間部23との境界部に押さえ付けられて、収納部材41は確実にハンガーレール24に係合する。また、収納部材41をハンガーレール24に沿って移動させる場合には、収納部材41を少し上方に持ち上げることにより移動可能になり、任意の場所で収納部材41を放すことにより、屈曲部42aをハンガーレール24に係合させて、その場所に収納部材41を静止させることができる。
【0040】
以上のように、本実施形態に係るバックガードカバー20は、カバー本体21と、レールカバー31と、レールキャップ34とで構成されている。そして、カバー本体21は、バックガード18の前面上端部を覆うバックガード覆い部22と、前面が傾斜片23bで構成された中間部23と、収納部材41を移動可能に支持するとともに壁部11に固定されるハンガーレール24とで構成されている。このため、バックガード18に、高さのばらつきや傾きがあったりして、バックガード18の上端面と中間部23との間に隙間が生じていても、その隙間はバックガード覆い部22によって覆われるため、前方から見た外観は、一定の美観を備えたものになる。
【0041】
また、バックガード覆い部22の下端部がバックガード18の上端部よりも下方に位置していることに加えて、バックガード覆い部22とバックガード18との間にシール材38が設けられているため、バックガード18の上端面や裏面側に水が浸入することを防止できる。さらに、バックガード18と壁部11との間にも、シール材19やコーキング材19aが設けられているため、例え、バックガード18の上端面に水が浸入したとしても、その水がバックガード18の裏面側に浸入することは防止できる。
【0042】
また、中間部23の前面を傾斜片23bで構成しているため、バックガード覆い部22とハンガーレール24との間の隙間からカバー本体21の内部に水が入っても、その水は傾斜片23bおよびバックガード覆い部22に沿って下方に流れていく。このため、中間部23に水が溜まって汚れが付着するといったことが生じ難くなる。また、中間部23に汚れが付着したとしても、中間部23の前面を構成する傾斜片23bには角部がないため、その汚れを容易に拭き取ることができる。
【0043】
さらに、ハンガーレール24の前面を構成する上部前面片27の下端部からは、後方に向かって係合片28が突出している。そして、バックガード覆い部22の上端部から傾斜片23bの前面にかけての部分の前方には、前方から上方に曲がりながら、収納部材41の屈曲部42aを挿入できる隙間が設けられている。このため、係合片28の後端部とバックガード覆い部22の上端部とに当接できるように屈曲した屈曲部42aを備える収納部材41を、ハンガーレール24に沿ってスライド移動可能な状態で取り付けることができる。これによって、収納部材41を邪魔にならない場所に移動させながら調理を行うことができる。
【0044】
また、バックガード18の上端近傍に位置するバックガード覆い部22の上端部が、水栓17の吐水口17aよりも高い位置に位置しているため、水栓17から吐出された水が直接バックガードカバー20の内部に入ることはない。また、水栓17から吐出された水が、シンク14の底面等から跳ね上がった場合にも、バックガード覆い部22の上端部の位置が高いため、水はバックガードカバー20の内部に入り難くなる。これによって、バックガードカバー20の内部に汚れが発生することがさらに確実に防止される。また、バックガード18の高さが高くなるため、美観も増すようになるとともに清掃もし易くなる。
【0045】
さらに、バックガード覆い部22の前面と、上部前面片27の前面とが同一面上に位置するように形成されているため、レールカバー31の前部覆い部31bとバックガード覆い部22の前面も同一面上に近い位置に位置するようになる。これによると、バックガードカバー20の前面の清掃が容易になるとともに、美観が増すようになる。また、レールカバー31が上部前面片27を覆うため、前方からねじ挿通穴27aが見えなくなり、ねじ挿通穴27aを設けることによって美観が損なわれることを防止できる。さらに、レールカバー31は、前方からハンガーレール24に取り付けることができるため、ハンガーレールへ24の取り付けが極めて容易になる。
【0046】
また、中間部23を、水平片23aと、傾斜片23bとで構成して、水平片23aと、傾斜片23bとの間に空間を形成している。このため、中間部23を形成する部分の材料を少なくしてコストを低減できるとともに軽量化が図れる。また、水平片23aと傾斜片23bとの間に形成される空間を、レールキャップ34を取り付ける場合の係合部として利用することができる。
【0047】
そして、カバー本体21とレールカバー31との端部にレールキャップ34を取り付けることによって、カバー本体21とレールカバー31との端部を保護すると共に、カバー本体21とレールカバー31との端部を隠して美観を向上することもできる。さらに、屈曲部42aに保護部42cを取り付けたため、屈曲部42aに当接することによって、バックガード覆い部22と中間部23との境界部に傷がつくことを防止できる。また、カバー本体21に対して屈曲部42aが滑り難くなるため、収納部材41を安定した状態で静止させることができる。
【0048】
また、本発明に係るバックガードカバーは、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、前述した実施形態では、壁部11を室内を区切るための壁部としているが、この壁部11は、対面式のキッチンのカウンターに設置されたパネル状の壁部であってもよい。また、前述した実施形態では、カウンター13の上面からバックガード覆い部22の上端部までの高さを140mmにしているが、この高さは100mm〜180mmの範囲であれば好ましい。また、バックガード覆い部22の上端部の位置を、水栓17の吐水口17aよりも高い位置にすることにより、バックガード18の美観の向上や、バックガードカバー20の汚れ防止の点で大きな効果が生じる。また、本発明に係るバックガードカバーのそれ以外の部分の構成についても本発明の技術的範囲内で適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0049】
11…壁部、13…カウンター、14…シンク、17…水栓、17a…吐水口、18…バックガード、20…バックガードカバー、22…バックガード覆い部、23…中間部
23a…水平片、23b…傾斜片、24…ハンガーレール、25…固定片、25a…係合穴、26…天井片、27…上部前面片、27a…挿通穴、28…係合片、41…収納部材、42a…屈曲部。
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