【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明によれば、この目的は、冒頭で述べた能動型網膜インプラントの場合、網膜の細胞を光学的に直接刺激するための光学的刺激信号を送出する放射線送出素子として刺激素子が設計されることにより達成される。
【0037】
このインプラントは、Lagaliらによって報告(上記引用箇所)されているように、たとえばチャネルロドプシン−2の発現のための(ウイルス)ベクターの導入等によって、網膜の神経細胞に光受容性チャネルをあらかじめ付与されている患者に対して提供されるものである。
【0038】
このような患者において、該新規なインプラントは網膜上または網膜下に挿入され、該インプラントの直接近傍に存在する光感受性を付与された細胞に対し、いわば現場で、空間的に分解された画像情報を以て、基本的に「光学的な方法」で、光学的刺激を与える。
【0039】
Lagaliらの刊行物を出発点とすれば、光感受性を付与された神経細胞での光放射の吸収が通常の視覚過程と比較して少ないことから、まずは眼球外で使用する暗視装置に似た装置が提供されるだろう。該暗視装置とは、入射光パターンを増幅して十分な明るさの光パターンを形成し、次いでそれを、水晶体を介した結像という自然の手段によって眼底の細胞集団上に描画するものである。この外部装置の増幅力は、ほぼ任意に引き上げられるよう設計できる可能性がある。
【0040】
しかしながら本発明者らは、先の認識に基づき、外付け「光増幅器」の使用によって本発明の新規な解決法では生じることのない根本的な短所が生じることから、その使用を的確に回避した。
【0041】
光感受性を付与された神経細胞を外部から刺激する際に要する光エネルギーは非常に高いため、外付けの光増幅器の使用は、光毒性反応による直接的な、または熱の発生による間接的な眼球損傷が起こる恐れがあるという短所を本質的に伴う。
【0042】
本発明者らは、眼球上の光学条件、特に立体角の制限による損失により、外付けの放射線送出素子アレイ、たとえばLEDフィールドから送出される放射線では、その0.02%すら網膜に到達しないことを確認した。
【0043】
網膜の可視スペクトル許容放射線照度が最大200mW/cm
2であり、被照射面が3mm×3mmであるとすれば、放射電力としては18mWに相当し、LEDアレイは120Wという放射電力を出さなければならない。技術的な観点からは可能に思われるが、この方法は、眼球、特に場合によっては残っている最後の光受容体に対し、予測できない損傷を与える危険性を伴う。さらに、このような装置は、サイズおよびエネルギー消費の点から、使用が制限される。
【0044】
これに対し、埋め込み型LEDアレイは、部分空間に照射された個々のLED光の全パワーを使用して網膜に光を当てる。したがって、「光学的」な損失はない。
【0045】
しかしながら、電気から光への現場変換において損失があり、これが網膜に対する熱負荷の一因となる。この損失は、利用する技術や送出される放射線の波長によって異なる。この損失は90〜95%になることもあるが、現在利用可能な高効率LEDやOLEDにおいては、わずか50%となることもある。
【0046】
網膜の許容最大熱負荷が200mW/cm
2であるとすれば、照射面が3mm×3mmであるLEDアレイにおける許容電力はせいぜい1〜2mWである。適切な熱伝導面によって眼球内で熱出力の消散が配分されるのであれば、この値は大幅に増加させることができる。
【0047】
光パワーが1mWである3mm×3mmの照射面は、500nmではおよそ27×10
15光子cm
−2s
−1に相当する。Lagaliらの報告によれば、光受容体の非存在下で、修飾された神経細胞によって網膜のオン経路に光覚が記録されるのに少なくとも10
15光子cm
−2s
−1という光強度が必要とされているので、この光強度は、そのおよそ27倍に当たる。これにより、大きな安全域が提供される。
【0048】
したがって、この新規なインプラントによれば、網膜や残存する光受容体に(さらなる)損傷を与える危険性も問題もなく、必要な光強度が得られる。
【0049】
したがって、この新規なインプラントは、外付けの光増幅器と比較して顕著な長所を提供しつつ、勝らずとも同程度の刺激を与えることができる。
【0050】
さらに、網膜下インプラントでは、網膜と密に接触する小さな照射面を提供でき、これによって、光感受性を付与された(以下本文中、「修飾された」とも言う)神経細胞における非線形の挙動、たとえば刺激閾値、が考慮される。この場合、国際公開第2007/128404(A1)号パンフレットに開示されている純粋な電気刺激で知られているように、時間オフセットされ重ね合わせられる部分画像を利用することも可能である。該文献については冒頭で述べたが、その開示内容は参照により本発明に含まれる。
【0051】
このような部分画像では、各画像の単位面積当たりの光強度をより高くすることができ、それによって網膜の許容最大熱負荷を超えることなく、修飾された個々の神経細胞は十分な光強度で刺激される。外付けの光増幅器の使用においては、これは不可能であった。
【0052】
この新規なインプラントのさらなる長所は、ヒトに対して実際に使用する際、残存する光受容体、場合によっては損傷を受けずに完全なまま残っている光受容体を損傷しないということである。これに対し、外付け光増幅器を使用する場合、照射光パワーが高いために、これらの残っている光受容体が損傷を受ける危険性があり、医学的観点、および特に倫理的観点から容認できない。
【0053】
また、以下で説明するが、この新規なインプラントが網膜に直接接触することによるさらなる長所が存在する。
【0054】
このようにして、発明の基をなす目的は完全に達成される。
【0055】
一実施形態によれば、好ましくは、入射周囲光を変換して放射線送出素子アレイを制御するための空間的に分解された電気信号とする画像受信機が提供される。
【0056】
したがって、この空間的に分解された電気信号は、該アレイを作動させるのに必要な画像情報を含んでおり、該アレイは画像受信機によって光学画像として「見えた」画像を再送出し、修飾された神経細胞を光学的に刺激する。
【0057】
ここで、画像受信機は、眼球外に配置される外付け画像受信機として設計することができる。
【0058】
ここで、既知の網膜上インプラントの場合と同様に外部で記録され、さらに処理された画像情報は、ワイヤーを介して、またはワイヤレスで、電気信号の形態でインプラントに送信される。該インプラントでは、これらの信号は場合によってはさらなる処理を受け、「内部画像」として放射線送出素子アレイによって再送出され、修飾された神経細胞を照射する。
【0059】
ここで、外付け画像受信機、電子処理装置および眼球への「データ送信」の設計詳細は、(場合によっては適切な改変を伴って)既知の網膜上のインプラントから取り入れることができる。
【0060】
あるいは、画像受信機を埋め込み可能な画像増幅器として設計することもでき、これは同様に眼球内へ埋め込まれる。
【0061】
したがって、この場合、画像受信機と「画像送信」アレイとが眼球内へ埋め込まれる。このような設計は一見したところ型破りに思われるが、照射光による眼球損傷の危険性を伴うことなく、驚くべきことに、外付け光増幅器の場合に見られる照射光による眼球損傷の危険性を伴うことなく、修飾された神経細胞を興奮させるために必要な放射エネルギーを提供することができる。
【0062】
しかしながら、この代替法は、さらなる大きな長所につながる。
【0063】
すなわち、眼球外に配置される光増幅器や画像受信機の場合、物体を捕捉する際に重要な機能を果たす眼球の動きは利用できない。したがって、眼位が異なっても、患者の頭部が動かない限り、患者は常に同じ画像を見ることになる。これは患者を混乱させ、また本発明者らの認識するところでは、インプラントの使用を減らすことにもなっている。眼球運動の検出および利用を意図した、いわゆる眼球追従制御の使用は、外付け画像受信機において既に提案されているが、このアプローチは非常に複雑であることが分かっている。また、十分な精度が得られるか否かに関して、利用可能な経験は未だ存在しない。
【0064】
しかしながら、画像受信機も眼球内へ埋め込むのであれば、患者は画像を見て物体を走査する際、自然の眼球運動および頭部の動きを従来通りに利用することができる。
【0065】
このとき、埋め込むフォトダイオードのアレイ、制御・処理用電子デバイスおよび眼球へのエネルギー伝達の設計詳細は、(場合によっては適切な改変を伴って)冒頭で述べた網膜下インプラントから取り入れることができ、この理由から、上述の知的財産権の開示は、参照により本願に含まれる。
【0066】
この場合、画像受信機および放射線送出素子のアレイは、別個の構成要素であることが好ましい。
【0067】
この場合、該構成要素は、放射線送出素子のアレイから放射される散乱光が画像受信機に直接入射してその場で電気に変換され、それによって正のフィードバックがもたらされる事態が起こらないように眼内に配置されることが有利である。この問題は、光増幅器や画像受信機が外付けである場合には生じない。
【0068】
したがって、画像受信機を埋め込んだ場合の散乱光問題は、たとえば画像受信機と画像送信機とを空間的に離れた別個の構成要素として埋め込むことによって解決できる。これによって、散乱光問題を見越した眼内における幾何学的配置が提供される。
【0069】
このとき、該2つの構成要素いずれもが好ましくは柔軟性を有する支持体上または支持体を介して配置されていることが好ましい。
【0070】
このとき、画像受信機は、たとえば網膜上に配置することができる。ここで、支持体を網膜の端で網膜下に導くことにより、画像送信機を画像受信機の下にまたは隣接するように配置することができる。
【0071】
一方、画像受信機および放射線送出素子のアレイが支持体上または支持体を介して互いに隣接して配置されることが好ましい。
【0072】
この場合、幾何学的な近接の結果として、画像送信機からの散乱光が画像受信機に直接到達し得ないことが有利であり、これによって散乱光問題は軽減される。
【0073】
好ましくはフィルムである支持体は、画像送信機と画像受信機とが互いに隣接するよう、網膜下腔に配置される。このとき、画像送信機と画像受信機は約10°離して配置される。患者はプリズム収差のような知覚を得ることになるが、これはプリズム眼鏡または簡単な斜視手術によって矯正できる。
【0074】
また、画像受信機と放射線送出素子のアレイが、一方が他方の上になるよう配置されることも好ましい。
【0075】
この場合、大きいほうのチップの上に小さいほうのチップを、たとえばフリップチップボンディング等により配置できる。ここでは、プリズム収差の問題は生じないか、生じたとしても先に述べた他の代替法で見られるほど顕著なものではない。なぜなら、2つの構成要素が上下に配置されているからである。
【0076】
このインプラントは、網膜下または網膜上に挿入できる。
【0077】
網膜上インプラントの場合には、画像受信機/フォトダイオードと電子デバイスとをシリコンチップの上面に配置し、画像送信機を含むたとえばGaAlAs等でできたさらなるチップを下面に配置できる。2つのチップは接触により相互に接続される。
【0078】
網膜を通り抜けた照射光はわずかながらも散乱光の一因となりうるが、この場合のさらなる長所は、その一部が自然の色素層に吸収されることである。
【0079】
これらの代替法において、画像送信器は光を発生させる技術(GaAs、InP、GaP)を、画像受信機は光を電気に変換してさらなる電子的処理を行う技術(Si)を最適に利用して、それぞれ別個のチップとして設計できることは、いずれの場合にも全体として有利である。
【0080】
一方、画像受信機と放射線送出素子のアレイとが1つのチップに組み込まれる形で配置されることも好ましい。
【0081】
たとえば、この組み込みは、高効率かつ安定な光源をシリコンに組み込んだ、いわゆるOLEDによって可能になる。VogelおよびAmelungによる“OLED on CMOS” Electronik 1/2009,54−58を参照のこと。
【0082】
この場合、この新規なチップは、2つのチップすなわち2つの構成要素からなるインプラントよりも容易に埋め込みができる点で有利であり、また画像送信機と画像受信機の関連するピクセル同士が互いに直接接触するよう隣接させてあるいは上下に配置することができるため、プリズム収差の問題も生じない。
【0083】
この実施形態では、該新規なインプラントは、2つの相反する機能自体を特に有利な方法で組み合わせている。カメラチップのように画像を記録し、同時に同じ場所で対応する画像を高輝度かつピクセル単位の高精度で再放出する。
【0084】
一般に、特に画像受信機と放射線送出素子のアレイとが異なる電磁スペクトル領域で作動する場合、放射線送出素子は可視スペクトル内および/または可視スペクトル外の電磁放射を行うことが好ましい。
【0085】
これによって「見えた画像」と「送出された画像」のスペクトルが分離され、上述の散乱光問題がさらに軽減される。
【0086】
このとき、画像受信機が可視スペクトル領域での電磁放射を、また放射線送出素子アレイが可視スペクトル領域外、好ましくは近赤外領域での電磁放射を行うことが特に好ましい。
【0087】
このとき、画像受信機が通常の周囲光の記録および処理を行う一方、画像送信機によって送出された画像が不可視であるため、患者の眼球が外からわかるような「光り方」をしない点で有利である。
【0088】
この場合、放射線送出素子は、発光ダイオード、たとえばGaAlAs系赤外発光LEDまたは有機系LED(OLED)であることが好ましい。
【0089】
一般に、画像受信機が光学フィルターを備え、該フィルターが放射線送出素子アレイから送出された電磁放射のスペクトルを遮断することが、さらに好ましい。
【0090】
この手段によっても散乱光問題は軽減されるが、それは、見えた画像と送出された画像とのスペクトル分離がさらに進むからである。
【0091】
さらにまた、放射線送出素子アレイ内の素子が互いに間隔をあけて配置され、異なる集団に属する神経細胞が別々に反応することが好ましい。
【0092】
ここで、アレイは、寸法がたとえば3mm×3mmであり、マトリックス状に配置された、たとえば40×40または100×100のLEDを支持する。
【0093】
別の実施形態によれば、画像受信機および放射線送出素子のアレイは時間オフセットで作動する。
【0094】
この手段によっても、画像の記録が画像の送出から時間的に分離されるという点で、散乱光問題が軽減される。この分離は、ピクセル、列、または画像単位で実施できる。まず、光学画像の記録および処理が行われ、次いで画像受信機が「受信停止」に切り替えられ、処理された画像が画像送信機により送出される。
【0095】
さらにまた、放射線送出素子のアレイは、異なるスペクトル放射を行う素子を含むことが好ましい。
【0096】
この場合、それぞれ分光感度が異なるロドプシンによって修飾された直接に隣接する細胞集団を別々に作動させることができ、これによって見えた画像の分解能および/またはコントラストを上げられることが有利である。
【0097】
さらに、放射線送出素子アレイの素子が規定された幾何学的配置で提供されることが好ましい。
【0098】
この配置は、最適化された認識を保証する種々のパターンを生成できるように、行と列を有するマトリックスの形態またはビームの形態であってもよい。
【0099】
一般に、素子は互いに、たとえば50nmずつ離れて配置されることが好ましい。
【0100】
上述したように、この新規なインプラントは、Lagaliらによって報告(上記引用箇所)されているように、たとえばチャネルロドプシン−2の発現のための(ウイルス)ベクターの導入等によって、網膜の神経細胞に光受容性チャネルを付与されている患者用に提供されるものである。当然、この新規な網膜インプラントと修飾された神経細胞とは、そのプロセスにおいて、特に分光感度に関して、互いに適合していなければならない。
【0101】
本発明によれば、修飾された神経細胞の特性を試験し改善するために、たとえばチャネルロドプシン−2発現用のベクター、場合によってはウイルスベクターの導入等によって光受容性チャネルを備えた、細胞、細胞培養物、および/または器官型細胞凝集体のための試験装置が提供される。該試験装置は、細胞、細胞培養物、および/または器官型細胞凝集体をその上で培養するための微小電極アレイ、可視スペクトル内および/または可視スペクトル外の電磁放射線を使用して、細胞、細胞培養物、および/または器官型細胞凝集体に対する空間分解型の電磁放射を行うための放射線送出素子アレイ、空間分解型の電磁放射を行うための放射線送出素子アレイを作動させるための駆動デバイス、ならびに放射線送出素子アレイによる照射を受けて、細胞、細胞培養物、および/または器官型細胞凝集体から微小電極に向けて送出される信号を検知し評価するための評価ユニットを備える。
【0102】
このような微小電極アレイは自体既知である。MEAと呼ばれ、たとえば独国、Aspenhaustrase 21,72770 ReutlingenのMultichannel Systems MCS GmbHなどから商業的に入手可能である。
【0103】
MEAは、たとえば、Naturwissenschaftliches und Medizinisches Institut Reutlingenの、独国特許出願公開第19529371(A1)号明細書、独国特許出願公開第19712309(A1)号明細書、欧州特許出願公開第1309856(A1)号明細書、および独国特許出願公開第19549731(A1)号明細書に開示されており、それぞれの開示内容は、参照により本願に含まれる。
【0104】
培養した拍動心筋細胞のQT間隔を測定するための、このようなMEAの使用は、たとえば国際公開第2004/067734号パンフレットに記載されており、その開示内容は、参照により本願に含まれる。
【0105】
MEA上で細胞の培養および操作を行うことが可能であり、評価ユニットによって、細胞から送出される電気信号を検出し評価することができる。本発明において、光受容性チャネルを備えた、細胞、細胞培養物、および/または器官型細胞凝集体は、このようなMEA上で培養され、そのプロセスにおいて、放射線送出素子アレイによって空間分解型の電磁放射による照射を受ける。
【0106】
このアレイは駆動デバイスによって電気的に作動させることができ、前記新規な網膜インプラントの放射線送出素子アレイも使用することができる。ここで、該新規な網膜インプラントの画像受信機も、駆動デバイスとして利用することができる。
【0107】
光受容性チャネルおよび/または放射線送出素子アレイの機能および/または効率の測定およびモニタリングは、場合によっては画像受信機との連携により、測定された信号に基づいて実施できる。
【0108】
このように、該新規な試験装置により、生体外でかつ動物実験を行うことなく、細胞の修飾および/または該新規な網膜インプラントまたはその必須構成要素の最適化を行うことができる。
【0109】
ここで、放射線送出素子アレイは、細胞、細胞培養物および/または器官型細胞凝集体の上方に配置することも、また微小電極アレイに組み込むこともできる。
【0110】
上記に鑑み、本発明はさらに、たとえばチャネルロドプシン−2発現用のベクター、場合によってはウイルスベクターの導入等によって光受容性チャネルを備えた、細胞、細胞培養物、および/または器官型細胞凝集体がその上で培養される、微小電極アレイ、可視スペクトル内および/または可視スペクトル外の電磁放射線を使用して、細胞、細胞培養物、および/または器官型細胞凝集体に対する空間分解型の電磁放射を行う請求項1〜18のいずれかに記載の網膜インプラント、ならびに該網膜インプラントが照射を受けた際、細胞、細胞培養物、および/または器官型細胞凝集体から微小電極に向けて送出される信号を検知し評価するための評価ユニット、を備えた網膜インプラント用試験装置に関する。
【0111】
上記に鑑み、本発明のさらなる目的は、治療の必要な患者を治療する方法に関し、該方法は、盲目のあるいは視覚障害のある人々の少なくとも片眼の神経細胞へ光受容性チャネルを導入し、光の照射により神経細胞の電気的活動を調節できるようにする工程、およびそのような処置を施した眼球内に前記新規な網膜インプラントを埋め込む工程を含む。
【0112】
この方法において、分光感度の異なるロドプシンまたはロドプシン誘導体を使用して、光で作動するチャネルを遺伝子組み換え技術によってオン双極細胞およびオフ双極細胞内に作製することが好ましく、たとえばチャネルロドプシン−2の発現のための(ウイルス)ベクターの導入等によって網膜の神経細胞が光受容性チャネルを備えることが好ましい。
【0113】
神経細胞のそのような修飾を達成するために、Lagaliらによって開示(上記引用箇所)された技術を使用することができる。
【0114】
さらなる利点が、本明細書および添付の図面から導かれる。
【0115】
上述した特徴および以下で説明する特徴が、個々に挙げた組合せに限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく他の組合せまたは単独で使用できることは理解されるであろう。
【0116】
本発明の一実施形態を図面によって例示し、以下でより詳細に説明する。