特許第5719367号(P5719367)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5719367
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】弁の較正
(51)【国際特許分類】
   F16K 37/00 20060101AFI20150430BHJP
   F16K 51/00 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   F16K37/00 D
   F16K37/00 Z
   F16K51/00 F
【請求項の数】19
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2012-526753(P2012-526753)
(86)(22)【出願日】2010年6月29日
(65)【公表番号】特表2013-503309(P2013-503309A)
(43)【公表日】2013年1月31日
(86)【国際出願番号】US2010040441
(87)【国際公開番号】WO2011031368
(87)【国際公開日】20110317
【審査請求日】2013年6月27日
(31)【優先権主張番号】12/550,072
(32)【優先日】2009年8月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591055436
【氏名又は名称】フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】カーター, ペリー, ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】セバーガー, シュテフェン, ジー.
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平4−282004(JP,A)
【文献】 特開平11−166655(JP,A)
【文献】 特開昭64−66403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリを較正する装置であって、前記アセンブリは、位置決め可能部材と、位置制御器と、位置センサとを含み、前記装置は、
前記位置センサからの前記位置決め可能部材の位置を示す位置信号外部から提供される前記位置決め可能部材の推定または測定された現在位置を示す第1の値、および前記位置センサの感度を示す第2の値とを受信するためのインターフェースと、
前記位置信号ならびに前記第1の値および第2の値に基づいて前記位置決め可能部材の全開位置に対応する位置信号の第1の推定値を計算し、前記位置信号ならびに前記第1の受信値および第2の受信値に基づいて前記位置決め可能部材の全閉位置に対応する前記位置信号の第2の推定値を計算する終点推定器であって、前記第1の推定値および第2の推定値は、前記位置決め可能部材の再位置決め無しに計算される、終点推定器と、
を含む、装置。
【請求項2】
位置制御モジュールをさらに含み、前記位置制御モジュールは、前記位置決め可能部材の所望の位置を示す制御信号に応答して、前記位置信号ならびに前記第1の推定値および第2の推定値に基づいて、前記位置決め可能部材を実質的に前記所望の位置に位置決めするように前記位置制御器を制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記位置決め可能部材が移動停止部に到達した際に前記第1の推定値を更新して第3の推定値を形成するための終点調整器をさらに含み、前記位置制御モジュールは、前記終点調整器が前記第1の推定値を更新した際、前記位置信号ならびに前記第2の推定値および第3の推定値に基づいて前記位置制御器を制御する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の推定値および第2の推定値に基づいて前記位置決め可能部材の現在位置を示す位置値を計算する位置値決定器と、
プロセス制御器、監視デバイス、自動遮断システムまたはプロセスインターロックのうち少なくとも1つに計算された前記位置値を送信する送信器と、
をさらに含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第2の受信値は、前記位置制御器の単位移動距離あたりの前記位置信号の変化または前記位置決め可能部材のフルストロークにおける前記位置信号の変化のうち少なくとも1つを示す、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の値および第2の値を要求するプロンプトを提示するディスプレイと、
前記第1の値および第2の値を受信する入力デバイスと、
をさらに含む、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記アセンブリは、弁アセンブリであり、
前記位置決め可能部材は、弁であり、
前記位置制御器は、アクチュエータである、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記計算された位置値が範囲外である場合、前記第1の推定値を更新して第3の推定値を形成する終点調整器をさらに含み、前記位置値決定器は、前記第2の推定値および第3の推定値に基づいて、前記位置決め可能部材の現在位置を示す位置値を計算する、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記終点推定器は、前記位置決め可能部材の期待全開位置を超えた位置を示すように前記第1の推定値を計算する、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記終点推定器は、前記位置決め可能部材の期待全閉位置を超えた前記位置決め可能部材の位置を示すように前記第2の推定値を計算する、請求項3に記載の装置。
【請求項11】
前記位置制御器が移動終点に到達した際に前記第1の推定値を更新して第3の推定値を形成する終点調整器をさらに含む、請求項3に記載の装置。
【請求項12】
弁位置制御器を較正する方法であって、
位置センサからの弁の位置を示す位置信号を受信するステップと、
外部から提供される前記弁の推定または測定された現在位置を示す第1の値を受信するステップと、
位置センサの感度を示す第2の値を受信するステップと、
前記受信された位置信号ならびに前記第1の受信値および第2の受信値に基づいて前記弁の期待全開位置に対応する前記位置信号の第1の推定値を計算するステップと、
前記受信された位置信号ならびに前記第1の受信値および第2の受信値に基づいて前記弁の期待全閉位置に対応する前記位置信号の第2の推定値を計算するステップであって、前記第1の推定値および第2の推定値は、前記弁の現在位置が固定された状態で計算される、ステップと、
前記弁の所望の位置を示す制御信号に応答して、前記位置信号ならびに前記第1の推定値および第2の推定値に基づいて、前記弁を実質的に前記所望の位置に位置決めするように弁アクチュエータを制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記弁の期待全開位置を超えるかまたは前記弁の期待全開位置を下回る前記弁の位置のうち少なくとも1つを示すように前記第1の推定値を計算するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記弁アクチュエータが移動停止部に到達した際に前記第1の推定値を更新して第3の推定値を形成するステップをさらに含み、前記弁アクチュエータは、前記第1の推定値の更新後、前記位置信号ならびに前記第3の推定値および第2の推定値に基づいて制御される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の推定値を更新して前記第3の推定値を形成するステップは、
前記第1の推定値と、前記位置信号の実際の値との間の差を計算するステップと、
前記弁の所望の位置に基づいて調整係数を計算するステップと、
前記差および前記調整係数の積を計算するステップと、
前記積を前記第2の推定値から減算して、前記第3の推定値を形成するステップと、
によって行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の受信値は、前記弁アクチュエータの単位移動距離あたりの前記位置信号の変化または前記弁のフルストロークに対応する前記位置信号の範囲のうち少なくとも1つを示す、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
機械可読型命令を保存する製造物品であって、前記機械可読型命令は、実行されると、 弁の位置を示す位置信号を受信するステップと、
前記弁の推定される現在位置を示す第1の値を受信するステップと、
位置センサの感度を示す第2の値を受信するステップと、
前記受信された位置信号ならびに前記第1の受信値および第2の受信値に基づいて、前記弁の期待全開位置に対応する前記位置信号の第1の推定値を計算するステップと、
前記受信された位置信号ならびに前記第1の受信値および前記第2の受信値に基づいて、前記弁の期待全閉位置に対応する前記位置信号の第2の推定値を計算するステップであって、前記第1の推定値および第2の推定値は、前記弁の現在位置が固定された状態で計算される、ステップと、
前記位置信号ならびに前記第1の推定値および前記第2の推定値に基づいて、前記弁の実際の位置を示す第3の値を計算するステップと、
プロセス制御デバイス、監視ステーション、監視デバイス、自動遮断システムまたはプロセスインターロックのうち少なくとも1つに前記第3の値を送信するステップと、
を機械に行わせる、製造物品。
【請求項18】
前記機械可読型命令は、実行されると、
前記計算された位置値と、一定範囲の値とを比較するステップと、
前記計算された位置値が前記一定範囲の値から外れている場合、前記第1の推定値を実質的に前記位置信号の現在値と等しくなるように更新するステップと、
を前記機械に行わせる、請求項17に記載の製造物品。
【請求項19】
前記第2の受信値は、前記弁アクチュエータの単位移動距離あたりの前記位置信号の変化または前記弁のフルストロークにおける前記位置信号の変化のうち少なくとも1つを示す、請求項17に記載の製造物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は主に弁に関し、より詳細には、弁が取り付けられた器具を較正するための方法、装置および製造物品に関する。
【背景技術】
【0002】
加工工場の要素(例えば、弁)は典型的には、取り付けられた器具(例えば、弁位置制御器および/または位置送信器)と関連付けられていることが多い。このような器具は、前記要素の制御および/または前記要素に関する情報の送信を行って、これにより、加工工場内における1つ以上の所望のプロセス(単数または複数)および/または動作(単数または複数)が実行される。例示的な弁アセンブリは、ダイヤフラム型またはピストン型の空気圧式アクチュエータを含む。この空気圧式アクチュエータは、電空弁位置制御器によって制御される。例示的な電空弁位置制御器は、1つ以上の制御信号(例えば、4〜20ミリアンペア(mA)の制御信号、0〜10ボルトの直流(VDC)制御信号、デジタル制御信号など)を受信し、前記制御信号(単数または複数)を1つ以上の空気圧に変換する。前記1つ以上の空気圧が前記空気圧式アクチュエータに提供されると、対応する弁の位置が開口、閉口または保持される。例えば、空気圧によって作動する常閉ストローク型弁によってプロセス流体の通過量および/または速度を増やすべきとプロセス制御ルーチンにおいて決定された場合、前記弁と関連付けられた電空弁位置制御器に供給される制御信号の大きさが、4mA〜8mAへと増加され得る(ただし、現在の種類の制御信号の利用を前提とする場合)。
【0003】
いくつかの例において、前記電空弁位置制御器は、フィードバック感知システムまたは要素(例えば、位置センサ)を介して生成されたフィードバック信号を用いる。このようなフィードバック信号は、空気圧式アクチュエータおよび対応する弁の位置を示す。弁位置制御器は、前記フィードバック信号と、所望のセットポイントまたは所望の弁位置(例えば、35%開口)を示す制御信号とを比較し、前記アクチュエータに提供される空気圧のうち1つ以上を調節すべきかを決定する。前記弁位置制御器については、前記アクチュエータおよび前記弁の組み合わせを前記加工工場内において意図するように作動させるには、前記弁位置制御器を前記フィードバック感知要素に対して較正する必要がある場合がある。
【発明の概要】
【0004】
弁が取り付けられた器具(例えば、位置制御器および/または位置送信器)を較正するための、例示的な方法、装置および製造物品が開示される。弁アセンブリ(例えば、弁、アクチュエータおよび位置センサ)を較正するための開示の例示的装置は、インターフェースと、終点推定器とを含む。前記インターフェースは、弁位置値を受信し、位置センサ感度値を受信する。前記終点推定器は、前記位置信号ならびに前記第1の値および第2の値に基づいて前記弁の期待全開位置に対応する第1の推定値を計算し、前記位置信号ならびに前記第1受信値のおよび第2の受信値に基づいて、前記弁の期待全閉位置に対応する第2の推定値を計算する。前記第1の推定値および第2の推定値は、前記第1の推定値および第2の推定値の計算間の前記弁の再位置決めすることなく、計算される。
【0005】
弁位置制御器を較正するための、開示される例示的方法は、弁の位置を示す位置信号を受信するステップと、前記弁の現在位置を示す第1の値を受信するステップと、位置センサの感度を示す第2の値を受信するステップと、前記受信された位置信号ならびに前記第1の受信値および第2の受信値に基づいて、前記弁の期待全開位置に対応する前記位置信号の第1の推定値を計算するステップと、前記受信された位置信号ならびに前記第1の受信値および第2の受信値に基づいて、前記弁の期待全閉位置に対応する前記位置信号の第2の推定値を計算するステップとを含む。前記弁の現在位置が固定された状態で、前記第1の推定値および第2の推定値が計算され、前記弁の所望の位置を示す制御信号に応答して、弁アクチュエータを制御して、前記位置信号ならびに前記第1の推定値および第2の推定値に基づいて、前記弁を実質的に前記所望の位置において位置決めする。
【0006】
開示される例示的製造物品は、機械可読型命令を保存する。前記機械可読型命令が実行されると、弁の位置を示す位置信号を機械に受信させ、前記弁の推定される現在位置を示す第1の値を受信し、位置センサの感度を示す第2の値を受信し、前記受信された位置信号ならびに前記第1の受信値および第2の受信値に基づいて、前記弁の期待全開位置に対応する前記位置信号の第1の推定値を計算し、前記受信された位置信号ならびに前記第1の値および第2の値に基づいて、前記弁の期待全閉位置に対応する前記位置信号の第2の推定値を計算する。前記弁の現在位置が固定された状態で、前記第1の推定値および第2の推定値が計算される。前記位置信号ならびに前記第1の推定値および第2の推定値に基づいて、前記弁の実際の位置を示す第3の値を計算する。プロセス制御デバイス、監視ステーション、監視デバイス、自動遮断システムまたはプロセスインターロックのうち少なくとも1つに前記第3の値を送信する。
【0007】
開示される例示的装置は、アセンブリを較正するためのものである。前記アセンブリは、位置決め可能部材と、位置制御器と、位置センサとを含む。前記装置は、インターフェースと、終点推定器とを含む。前記インターフェースは、前記位置決め可能部材の位置を示す位置信号を受信し、前記位置決め可能部材の現在位置を示す第1の値を受信し、前記位置センサの感度を示す第2の値を受信する。前記終点推定器は、前記位置信号ならびに前記第1の値および第2の値に基づいて、前記位置決め可能部材の全開位置に対応する位置信号の第1の推定値を計算し、前記位置信号ならびに前記第1の受信値および第2の受信値に基づいて、前記位置決め可能部材の全閉位置に対応する前記位置信号の第2の推定値を計算する。前記第1の推定値および第2の推定値は、前記位置決め可能部材を再位置決めすることなく、計算される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本明細書中に記載される例示的方法および装置を用いて較正可能な弁位置制御器を有する例示的弁装置を示す。
図2A図1の例示的弁アセンブリの例示的状態を示す。
図2B図1の例示的弁アセンブリの例示的状態を示す。
図2C図1の例示的弁アセンブリの例示的状態を示す。
図3図1の例示的弁位置制御器によって実行され得る例示的較正動作を示す。
図4図1の例示的弁位置制御器によって実行され得る例示的較正動作を示す。
図5図1の例示的弁位置制御器によって実行され得る例示的較正動作を示す。
図6図1の例示的弁位置制御器を実行する例示的様態を示す。
図7図1および図6の例示的弁位置制御器の据え付け時に実行され得る例示的プロセスを示す。
図8図1および図6の例示的弁位置制御器の較正および/または実行において行われ得る例示的プロセスを示す。
図9図1および図6の例示的弁位置制御器の較正および/または実行において行われ得る例示的プロセスを示す。
図10図1および図6の例示的弁位置制御器の較正および/または実行において行われ得る例示的プロセスを示す。
図11図1および図6の例示的弁位置制御器の較正および/または実行において行われ得る例示的プロセスを示す。
図12】本明細書中に記載される例示的方法および装置を用いて較正可能な位置送信器を有する例示的弁装置を示す。
図13図12の例示的位置送信器を実行する例示的様態を示す。
図14図12および図13の例示的位置送信器の据え付け時に実行され得る例示的プロセスを示す。
図15図12および図13の例示的位置送信器の較正および/または実行において行われ得る例示的プロセスを示す。
図16図7図11図14および図15の例示的プロセスの実行ならびに/あるいは(より一般的には)図1および図6の例示的弁位置制御器および/または図12および図13の例示的位置送信器の実行において用いることが可能かつ/またはプログラム可能な例示的プロセッサプラットフォームの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の弁の較正においては、1つの端移動終点または位置(例えば、全開位置)と、別の端移動終点または位置(例えば、全閉位置)との間で当該弁をストロークさせることが必要である。しかし、このような方法の場合、当該弁を完全にストロークさせるためには、当該弁を使用不能状態またはオフラインにする必要があるため、不利である。しかし、場合によっては、弁位置制御器および/または位置送信器較正の支援のためにプロセスシステムを中断または電源遮断することが不可能な場合もある。また、プロセスシステムを中断できた場合でも、このような中断に起因して、金銭的および/または効率的悪影響が発生し得る。バイパスラインを用いた弁の絶縁およびプロセスシステムのオンライン状態保持が可能であるものの、バイパスラインは必ずしも所望、利用可能または実行可能ではない。
【0010】
付加的にまたは代替的に、実質的に類似または同一の特性(例えば、ストローク長さ、移動終点など)を有する、ベンチ、試験または較正弁、アクチュエータおよび位置センサを用いて、当該弁位置制御器および/または位置送信器の取り付け先となる弁、アクチュエータおよび位置センサに対して、いくつかの弁位置制御器および/または位置送信器が較正され得る。試験弁、アクチュエータおよび位置センサは、実際の加工工場から遠隔位置にある例えば整備工場または研究所内に配置され得る。前記研究所または整備工場において、新規のかつ/または交換用の弁位置制御器および/または位置送信器を較正するために、前記試験弁、アクチュエータおよび位置センサをフルまたは完全ストロークさせることができる。較正後、前記較正された弁位置制御器および/または位置送信器は、試験セットアップから取り外され、前記加工工場内のターゲット弁アクチュエータに動作可能に接続または取り付けられる。このような較正方法は効果的ではあるものの、時間がかかり、また、適切な試験デバイスの利用が必要となる場合がある。
【0011】
これらの欠陥を少なくとも解消するために、本明細書中に記載される例示的な弁位置制御器および位置送信器は、外から供給される単一の位置値を用いた自己較正が可能である。この位置値は、弁位置制御器が取り付けられている、取り付けられていた、かつ/または取り付けられることとなる弁アセンブリ(すなわち、前記弁、アクチュエータおよび位置センサを集合的にみなしたもの)の現在位置(例えば、70%閉口)の推定値を示す。本明細書中に記載される例において、加工工場内における弁位置制御器または位置送信器の動作前において、弁位置制御器または位置送信器にさらなる位置値を提供する必要が無い。前記単一の位置値は、インストーラーによって容易にかつ/または簡単に決定および/または推定することが可能である。前記決定および/または推定は、例えば、前記弁位置制御器の取り付け時において弁アセンブリの現在位置の外観検査および/または測定を行うことにより、行うことができる。前記インストーラーは、例えばユーザインターフェースを用いて、前記測定されたまたは推定された現在位置値を前記弁位置制御器または位置送信器内に入力および/または提供する。前記提供された測定されたまたは推定される現在位置値に基づいて、本明細書中に記載される例示的な弁位置制御器および位置送信器は、稼働中の加工工場内の弁アセンブリの後続動作時において、学習、適合および/または自己較正を行う。よって、加工工場の関連付けられた部分をオフラインまたは使用不能状態にする必要無く、本明細書中に記載される弁位置制御器および位置送信器を較正するための方法および装置を利用することが可能であり、その際、前記弁をストローク、調節または再位置決めする必要が無く、また、バイパスラインも不要であり、また、弁アセンブリのベンチ、試験または較正も不要である。
【0012】
図1は、例示的弁装置100を示す。弁装置100は、弁アセンブリ102と、本開示の教示内容に従って構築された弁位置制御器104とを含む。弁位置制御器を較正するための例示的な方法および装置について図1の例示的弁アセンブリ102を参照して説明するが、本明細書中に記載される例示的な方法および装置は、任意の数および/または種類(単数または複数)のさらなる弁アセンブリまたは別の弁アセンブリと共に用いられる弁位置制御器の較正に利用可能であることが理解されるべきである。例えば、図1中に示す弁106はスライディングステム制御弁であるが、前記弁位置制御器の較正のための例示的な方法および装置は、他の任意の種類(単数または複数)の弁(例を非限定的に挙げると、回転制御弁、クオーターターン制御弁など)とも利用可能である。付加的にまたは代替的に、図1の例示的アクチュエータ108を複動ピストンアクチュエータとして図示しているが、他の任意の種類(単数または複数)のアクチュエータ(例えば、回転アクチュエータ、単動スプリングリターンダイヤフラムまたはピストンアクチュエータ)も代替的に利用可能である。本明細書中に記載される単一の位置値較正方法および装置を任意の数および/または種類(単数または複数)の他の制御可能デバイス(例を非限定的に挙げると、ダンパー、エレベーター、つり上げデバイス、スケールなどがある)と共に利用することも可能である点がさらに理解されるべきである。よって、図1の例はひとえに説明目的のための例であり、本特許の範囲はこれに限定されない。
【0013】
図1の例示的弁アセンブリ102は、弁106と、空気圧式アクチュエータ108と、位置センサ110とを含む。図1の例示的弁106の内部には、弁座112が設けられて、オリフィス114を規定する。オリフィス114は、開口部116と開口部118との間において、弁106内の流体流路を提供する。図1の例示的アクチュエータ108は、バルブ軸122を介して流れ制御部材120に動作可能に接続される。バルブ軸122は、流れ制御部材120を第1の方向(例えば、弁座112から離隔方向)において移動させることができ、これにより、開口部116と開口部118との間の流体流れを増加させることができ、流れ制御部材120を第2の方向(例えば、弁座112に向かう方向)に移動させることができ、これにより、開口部116と開口部118との間の流体流れをさらに制限または回避することが可能になる。
【0014】
図1の例示的空気圧式アクチュエータ108は、ピストン130を含む。ピストン130は、ハウジング132内に配置されて、第1のチャンバ136および第2のチャンバ137を規定する。アクチュエータ軸138は、ピストン130に接続され、関連付けられた移動インジケータ140を有するコネクタ139を介して、バルブ軸122に動作可能に接続される。弁106を通じて可能とされる流量は、ピストン130のハウジング132に対する位置を調節することで流れ制御部材120の弁座112に対する位置(およびよって弁106の位置)を調節することにより、制御される。
【0015】
例示的ピストン130の位置を制御するために、図1の例示的電空弁位置制御器104は、流体供給源150からの制御流体(例えば、加圧空気、作動液など)を第1の通路152を介して第1のチャンバ136に供給し、第2の通路154を介して第2のチャンバ137に供給する。例示的ピストン130上に圧力差が少しでも存在する場合、この圧力差により、ピストン130が静止しているかまたは移動しているかが決定される。例えば、第1の方向(例えば、図1の方位における下方方向)にピストン130を移動させるために、弁位置制御器104は、第2のチャンバ137に提供される制御流体よりも高い圧力で制御流体を第1のチャンバ136に供給し、これにより、正味の下方方向の力をピストン130上に付加する。ピストン130がこのように第1の下方方向に移動すると、アクチュエータ軸138およびバルブ軸122ならびに従って流れ制御部材120が弁座112に向かって移動し、これにより、オリフィス114内を通過する流体がさらに回避または制限される。逆にピストン130が第2の方向(例えば、図1の方位における上方方向)に移動すると、弁位置制御器104は、第2のチャンバ137に提供される制御流体よりも低い圧力で制御流体を第1のチャンバ136に供給し、これにより、正味の上方方向の力をピストン130上に付加する。ピストン130がこのように第2の上方方向に移動すると、アクチュエータ軸138、バルブ軸122および従って流れ制御部材120は弁座112から離隔方向に移動し、これにより、オリフィス114内を通過する流体流れを増加させることができる。
【0016】
図1の図示の例において、アクチュエータ108は、移動停止部160および162を含む。例示的移動停止部160は、アクチュエータ108の全開または100%移動範囲位置(すなわち、最大または最高移動終点)(図2Aを参照)に対応する。例示的移動停止部162は、アクチュエータ108の全閉または0%移動位置(図2Cを参照)(すなわち、最小または最低移動終点)に対応する。図2Bは、ピストン130が停止部160と停止部162との間の中間にある(すなわち、50%移動位置に対応する)様子を示す。いくつかの例において、移動停止部160および/または162は調節可能である。
【0017】
図1に戻って、アクチュエータ108の位置を測定するために、図1の例示的弁アセンブリ102は、例示的位置センサ110を含む。図1の例示的位置センサ110は、移動インジケータ140の静止位置センサ110に対する位置を測定および/または感知し、信号170を出力および/または提供する。信号170は、移動インジケータ140の現在位置(すなわち、弁106の位置)を(例えば、開口または範囲のパーセンテージとして)示す。例示的位置センサ110は、直線配列のホール効果センサであり、異なる位置の移動インジケータ140について異なる値(例えば、電圧または電流)を有するアナログ信号170を出力する。図1の例示的アナログ信号170は、移動インジケータ140の絶対移動または位置を示す。例えば、アクチュエータ108のストローク長さが100ミリメートル(mm)でありかつ位置信号170が0ミリボルト(mV)と40ミリボルト(mV)との間で変化すると仮定すると、バルブ軸122が10%だけ移動すると、アナログ信号170が4mVだけ変化する(4mVは40mVの10%)。移動インジケータ140が停止部162(図2C)と接触しているピストン130に対応する第1の位置にある場合、アナログ信号170は第1の現在の移動値および/または電圧(PTV)を有し、移動インジケータ140が停止部160(図2A)と接触しているピストン130に対応する第2の位置にある場合、アナログ信号170は第2のPTVを有し、移動インジケータ140が第1の位置と第2の位置との間にある場合、アナログ信号170は、第1のPTVと第2のPTVとの間の一定範囲の可能なPTVを有する。例えば、ピストン130が停止部160と停止部162との間にある場合(図2B)、アナログ信号170は、第1のPTVと第2のPTVとの間の中間にあるPTVを有する。いくつかの例において、位置センサ110は、アクチュエータ108によって物理的に支持される運動範囲よりも広い運動範囲を測定し得る(すなわち、位置センサ110の長さは、アクチュエータ108のフルストローク長さよりも長い)。図1の例示的位置センサ110がアナログ信号170を出力している間、位置センサは、移動インジケータ140の相対位置を示すデジタル値を有するデジタル信号を付加的にまたは代替的に出力する。さらに、位置センサ110により出力されたアナログ信号170を弁位置制御器104によってデジタル信号に変換した後、処理を施すことができる。
【0018】
図1の例示的弁位置制御器104は、外から供給される単一の位置値PPPから自己較正を行うことが可能である。位置値PPPは、アクチュエータ108の現在位置(例えば、70%開口)あるいはその推定値および/または近似値を示す。本明細書中に記載されるように、加工工場内の弁位置制御器104の動作開始前において、弁位置制御器104は、外から供給されるさらなる位置値を必要としない。また、加工工場内の図1の例示的弁装置100の動作前にアクチュエータ108の位置を調節、変更またはストロークする必要も無い。単一の位置値PPPは、インストーラーにより例えば弁位置制御器104の取り付け時において位置インジケータ140の現在位置を例えば外観検査(例えば、推定)および/または測定することにより、容易かつ/または簡単に決定および/または推定することが可能である。インストーラーは、例えば弁位置制御器104の入力デバイス640(図6)を介して、前記推定または測定された位置値PPPを弁位置制御器104に提供および/または入力する。例示的弁位置制御器104は、単一の推定される位置値に基づいて自己較正を行うことが可能であるが、さらなる位置値(インストーラーから提供された推定値または測定値ならびに/あるいは弁106のストローキングによって決定された推定値または測定値のいずれか)が利用可能である場合、このようなさらなる値を利用して、例えば較正精度を上げることが可能である。
【0019】
位置インジケータ140の移動距離単位におけるPTV170の変化を示す単一の推定される位置値PPPおよび感度値SENSITIVITYと、前記弁のフルストローク距離値とに基づいて、図1の例示的弁位置制御器104は、弁アクチュエータ108の移動終点に対応する期待かつ/または予測されるPTV170を推定する。あるいは、値SENSITIVITYは、弁106のフルストロークを示すカウント数を示す。さらに、値SENSITIVITYは、弁106のフルストロークにわたるPTV170の変化を示し得る。図3を参照して、時間T1において、図1の例示的弁アセンブリ102は75%開口であり、電流75%位置に対応するPTV170を有し、アクチュエータ108が全開100%位置にある場合にPTV170としてHI_ACTを有し、アクチュエータ108が全閉0%位置にある場合にPTV値170としてLO_ACTを有する。時間T2において、弁位置制御器104は、アクチュエータ108の推定または期待される全開位置に対応する第1の値HI_CALを計算し、アクチュエータ108の推定または期待される全閉位置に対応する第2の値LO_CALを計算する。PPP値およびSENSITIVITYが実質的に正確である場合、値HI_CALは実質的にHI_ACTに等しく、値LO_CALは実質的にLO_ACTに等しい。しかし、実際には、値PPPはアクチュエータ108の位置の推定値(例えば、誤差を有する測定値)でありかつ/または前記SENSITIVITYが製作公差および/または取り付けアライメント変動に起因して不正確である場合がある。そのため、いくつかの例において、HI_ACTおよびLO_ACTによって示される、推定されるおよび/または予測される移動範囲が(時間T3に示すような)アクチュエータ108のより広い移動範囲を包含するように図1の例示的弁位置制御器104が推定終点値を意図的に調節する。
【0020】
値HI_ACTおよび値LO_ACTは、以下の数式を用いて計算が可能である。弁104の開口と共にフィードバック信号170が増加すると仮定する。
HI_CAL=PTV+(100−PPP)*(1+RAF)*SENSITIVITY EQN(1)
LO_CAL=PTV−PPP*(l+RAF)*SENSITIVITY EQN(2)
上記式中において、RAFは例えば0.1の範囲調整係数であり、その結果、値HI_CALは10%だけ増加し、値LO_CALは10%だけ低下し、値PPPはアクチュエータ108の移動範囲のパーセンテージとして表される。一方、弁104の開口と共にフィードバック信号170が低下した場合、以下の数式を用いて値HI_ACTおよび値LO_ACTを計算することができる。
HI_CAL=PTV+PPP*(1+RAF)*SENSITIVITY EQN(3)
LO_CAL=PTV−(100−PPP)*(1+RAF)*SENSITIVITY. EQN(4)
【0021】
任意の数および/または種類(単数または複数)の方法(単数または複数)、アルゴリズム(単数または複数)および/または論理を用いて、図1の例示的弁位置制御器104は、位置センサ110によって生成されたPTV170と、プロセス制御器185から受信された制御信号180(制御信号180は、弁106の所望の位置および/またはセットポイント(SP)(例えば、40%開口)を示す。)とを比較して、推定される終点値HI_CALおよびLO_CALに基づいて、チャンバ136および137に提供される制御流体の圧力(単数または複数)を調整および/または維持すべきかを決定する。例えば、HI_CALおよびLO_CALに基づいて、例示的弁位置制御器104は、弁106の所望の位置に対応する位置信号170の値TARGETを計算する。その後、弁位置制御器104は、実際のPTV170が実質的に値TARGETと整合するかまたは等しくなるまで、チャンバ136および137内の圧力を調整する。値TARGETは、以下の数式を用いて計算することができる。
TARGET=LO_CAL+SP*(HI_CAL−LO_CAL)/100. EQN(5)
【0022】
図1の例示的弁装置100が加工工場内において動作している間、例示的弁位置制御器104は、任意の数および/または種類(単数または複数)のアルゴリズム(単数または複数)、論理、基準および/または方法(単数または複数)を用いて、推定される終点値HI_CALおよびLO_CALに対して適合、調整および/または更新を行う。加工工場の動作時においてピストン130がその物理的移動停止部160および162のいずれかに到達した場合、例示的弁位置制御器104は、対応する較正された終点値HI_CALおよびLO_CALを調整する。ピストン130の停止部160および162への到達の検出は、圧力がピストン130に印加されているためピストン130が移動するはずであるのにPTV170の変化が無くなったことを検出することにより、行うことができる。例えば、図3中の時間T4において、停止部160が100%全開となり、弁位置制御器104は値HI_CALをPTV170の現在値に整合するように更新し、その結果HI_ACTに等しくなる。同様に、時間T5において、停止部162が0%全閉となり、弁位置制御器104が値LO_CALを現在のPTV170と整合するように更新し、その結果LO_ACTに等しくなる。
【0023】
いくつかの状況において、図3に示す例示的較正方法を用いた場合において、弁の位置決めに起因する悪影響が発生し得る。図3の図示例において、ピストン130が対応する移動停止部160および162に到達するたびに、較正値HI_CALおよびLO_CALは完全に調整され、その結果、弁106が対応する終点160および162から離隔方向に移動する可能性が出てくる。例えば、ピストン130が5%開口の位置SP180において全閉停止部162に到達し、値LO_CALをその直後に完全に上述したように調整した場合、弁位置制御器104は、弁160を5%に開口させることによってすぐに応答し、その結果、プロセス流体流れが急変する。このような弁位置の変化に起因して、進行中のプロセスが混乱し得かつ/または他の悪影響が発生し得る。
【0024】
図1を再度参照して、このような影響の可能性を低減するために、別の例示的自己較正方法においては、弁106がその移動限界のうちの1つに到達する値を超えてプロセス制御器104がSP180を移動させた場合のみに、較正値HI_CALおよびLO_CALを調整する。このような状況下において、弁106の位置を変化させることなく、適切なHI_CALまたはLO_CAL値を調整することができる。SP信号180が実際に0%および100%双方に到達した場合、対応する終点HI_CALおよびLO_CALの較正が完了する。そうではない場合、終点HI_CALおよびLO_CALの較正は部分的に未完了のままである。
【0025】
図3に関連して上述したようにLO_CALおよびHI_CALの初期値が拡大移動範囲を示すと仮定した場合において、弁制御器104が(例えばアクチュエータ圧力によってピストン130が停止部162へと付勢されていることを検出することにより)弁106が0%に到達したと検出した場合、値LO_CALを以下の数式を用いて更新することができる。
LO_CAL=HI_CAL−(HI_CAL−PTV)*100/(100−SP). EQN(6)
SP180の値が0%未満である場合、SP180の値をEQN(6)〜(9)において0%に設定すべきである。例えば位置フィードバック信号170内に存在する不正確な信号バイアスに起因する可能な制御誤差を低減するために、以下の数式を用いて、値LO_CALを1%の安全係数を含むように更新することができる。
LO_CAL=HI_CAL−(HI_CAL−PTV)*101/(100−SP). EQN(7)
弁106が100%開口物理的停止部に達したことを弁制御器104が検出した場合、例えばアクチュエータ圧力に起因してピストン130が停止部160に付勢されたことを検出することにより、以下の数式のうち1つを用いて、値HI_CALも同様に更新することができる。
HI_CAL=LO_CAL+(PTV−LO_CAL)*100/SP EQN(8)
HI_CAL=LO_CAL+(PTV−LO_CAL)*101/SP. EQN(9)
EQN(7)と同様に、EQN(9)も1%の安全係数を含む。
【0026】
図4は、EQN(6)またはEQN(7)の例示的式を用いたLO_CALの例示的更新を示す。図4の例において、アクチュエータ圧力405は、通常の動作の進展と共に低下する。一定時間410において、SP180は、アクチュエータ108が全閉0%位置に到達する値を下回る。しかし、不正確な較正に起因して、SP180は未だ0%を超えている。制御器ゲインに起因して、アクチュエータ圧力405はSP180の継続的低下と共に急速に低下する。図1の例示的弁位置制御器104は、このアクチュエータ圧力405の低下から、アクチュエータ108が全閉であることを認識し、数式EQN(6)またはEQN(7)のうち1つを用いてLO_CALを新規の最小値に更新し、これにより、図4中の例における値LO_CALの精度を5%だけ向上させる。SP180が最終的に0%位置になった場合、LO_CALの較正は実質的に理想的になる。いくつかの例において、アクチュエータ108が全閉0%位置にありかつSP180が変化している状態において、EQN(6)またはEQN(7)を繰り返し適用する。付加的にまたは代替的に、アクチュエータ108が全閉0%位置にある際に発生するSP180の最小値にEQN(6)またはEQN(7)を適用する。
【0027】
図1に戻って、いくつかの例において、ピストン130が対応する移動停止部160および162にある状態において、EQN(6)〜EQN(9)中に示す更新のうち適切な1つを適用する。
【0028】
さらに別の例において、弁106がその移動限界のうちの1つに到達する値にSP180が到達した場合、図1の例示的弁位置制御104は、PTV170を記録する。その後、ノイズによる起動を除外する量だけSP180が変化するたびに、例示的弁位置制御器104は、対応する較正値LO_CALおよびHI_CALに対して少量の修正を適用する。この少量の修正により、記録されたPTV170と、対応する較正値LO_CALおよびHI_CALとの差が低減する。SP180の変化時において較正値LO_CALおよびHI_CALを経時的にゆっくりと変更することにより、任意の継続中のプロセス(単数または複数)に対する混乱を低減、最小化および/または排除することができる。いくつかの例において、較正修正の適用率を、全移動範囲/分または1移動カウント/分の0.1%に限定する。SP180の動的性質(例えば、SP180の変化量および/またはSP180の変化率)に応じて、前記較正修正率を低減および/または増加させる必要があり得る。
【0029】
上記の例は初期において意図的に拡大された較正値HI_CALおよびLO_CALに基づいていたが、弁位置制御器108は、アクチュエータ108の移動範囲を初期において図5に示すように過小評価している場合がある。例えばEQN(l)〜(4)を−0.1のRAFと共に用いることにより、圧縮較正値HI_CALおよびLO_CALを計算することができる。時間T4において、アクチュエータ108はチャンバ136および137上の圧力差に起因して未だに移動しているが、値PTV170はHI_CALの現在値を超えており、値HI_CALを現在値PTVを反映するように調整する。推定される移動下限LO_CALも同様に時間T5に示すように調整する。SP180が0%〜100%の弁位置に対応する値を超えることができない場合、弁106はその移動終点に到達することができず、よって、図5に示すようなHI_CAL値およびLO_CAL値の較正は不可能である。
【0030】
SP180が0%および100%の弁位置に対応する値を超え得ると仮定した場合、SP180が前記0〜100%の範囲を超えるときを検出することにより、HI_CAL較正値およびLO_CAL較正値を付加的にまたは代替的に調整することができる。いくつかの例において、弁位置制御器104はカットオフを実行し、これにより、SP180が各所定値(例えば、5%または95%)に到達した際、アクチュエータ108は、1組の機械的停止部160および162のうちの1つに意図的に完全付勢される。このような例において、初期圧縮較正値HI_CALおよびLO_CALを用いた場合、カットオフを不活性化すると有用である場合がある。SP180がこの範囲を超え、ノイズによる起動を除外する量だけ移動した場合でありかつアクチュエータ圧力がピストン130を対応する停止部160および162内に付勢していない場合、例示的弁位置制御器104は、対応する較正値HI_CALおよびLO_CALを少量だけ調整する。その結果、アクチュエータ108は、停止部160および162に向かってかつ/または停止部160および162内に移動する。時間と共に、1つ以上の上記条件が満たされなくなっていき、較正が実質的に完了する。いくつかの例において、ピストン130が付勢されておらずかつSP180が変化しておりかつ前記0〜100%の範囲から外れている場合、較正値HI_CALおよびLO_CALを繰り返し調整する。付加的にまたは代替的に、ピストン130の非付勢時に発生したSP180の値のうち最も範囲から外れている値を用いて、較正値HI_CALおよびLO_CALを調整する。
【0031】
さらに別の例において、弁106がその移動限界のうちの1つに到達する値にSP180が到達した場合、図1の例示的弁位置制御104は、PTV170を記録する。その後、ノイズによる起動を除外する量だけSP180が変化するたびに、例示的弁位置制御器104は、対応する較正値LO_CALおよびHI_CALに対して少量の修正を適用する。この少量の修正により、記録されたPTV170と、対応する較正値LO_CALおよびHI_CALとの間の差が低減する。SP180の変化時において較正値LO_CALおよびHI_CALを時間と共に徐々に変更することにより、任意の継続中のプロセス(単数または複数)に対する混乱を低減、最小化および/または排除することができる。いくつかの例において、較正修正の適用率を、全移動範囲/分または1移動カウント/分の0.1%に限定する。SP180の動的性質(例えば、SP180の変化量および/またはSP180の変化率)に応じて、前記較正修正率を低減および/または増加させる必要があり得る。
【0032】
上記した例示的弁較正方法のうちいずれかは、新規LO_CAL値およびHI_CAL値の計算時に前記新規LO_CAL値およびHI_CAL値を自動的に適用および/または活性化することができるが、付加的にまたは代替的に、弁位置制御器104が明確に命令および/または指示された場合に、新規LO_CAL値および/またはHI_CAL値の保存および活性化のみならびに/あるいは適用を行う。例えば、弁位置制御器104は、1つ以上の新規較正値LO_CALおよびHI_CALが起動のために利用可能である旨を示すインジケータディスプレイ645(図6)上に表示し得る。例えば例示的入力デバイス(単数または複数)640を介してユーザが新規のかつ/または更新された較正値LO_CALおよびHI_CALを適用すべきと指示した場合、弁位置制御器104は、後続弁制御動作時において、前記活性化された較正値LO_CALおよびHI_CALの使用を開始する。
【0033】
さらなる例において、上記した較正方法の組み合わせが実行可能である。例えば、SP180が0〜100%範囲に入ることにより、ピストン130が停止部160および162内に付勢されたことが検出された場合、初期拡張された範囲のための上記した較正方法のうちの1つを適用することができる。しかし、SP180が0〜100%の範囲から外れたことが検出された場合、初期圧縮範囲のための上記した較正方法のうち1つを適用することができる。さらなる例において、初期較正値HI_CALおよびLO_CALを意図的に拡張または圧縮する代わりに、検出された条件に応じて適用されている上記した較正手順(単数または複数)のうち適切なもの(単数または複数)を用いて、較正値HI_CALおよびLO_CALをできるだけ正確に推定および/または計算する。
【0034】
図1に戻って、弁位置制御器104の取り付け時、校正時、活性化時および/または弁位置制御器104による初期推定値終点値HI_CALおよびLO_CALの計算時における弁アセンブリ102の位置を固定するために、図1の例示的装置100は、任意の数および/または種類(単数または複数)のホルダを含む。これらのホルダのうち1つを参照符号190によって示す。これらのホルダは、弁アセンブリの現在位置を保持および/または維持する。例示的ホルダ190を非限定的に挙げると、クランプ、ブロックおよび/または流体トラップがある。
【0035】
図6は、図1の例示的弁位置制御器104の例示的実行方法を示す。フィードバック位置信号170を受信するために、図6の例示的弁位置制御器104は、位置センサインターフェース605を含む。任意の数および/または種類(単数または複数)の回路(単数または複数)、コンポーネント(単数または複数)および/またはデバイス(単数または複数)を用いて、図6の例示的位置センサインターフェース605は、フィードバック信号170を弁制御器610および/または較正器615による処理に適した形態に調整および/または変換する。例えば、位置センサインターフェース605は、アナログフィードバック信号605をデジタル値607に変換し得る。デジタル値607は、移動インジケータ140の現在位置PTVを示す。付加的にまたは代替的に、移動インジケータ140が位置センサ110の正中線よりも上または下にあるかによって変化する極性をフィードバック信号170が有する場合、位置センサインターフェース605は、フィードバック信号170を例えば正の値のみを有するようにオフセットさせた後、デジタル値607へ変換する。
【0036】
制御信号180を受信するために、図6の例示的弁位置制御器104は、制御信号インターフェース620を含む。任意の数および/または種類(単数または複数)の回路(単数または複数)、コンポーネント(単数または複数)および/またはデバイス(単数または複数)を用いて、図6の例示的制御信号インターフェース620は、制御信号180を例示的弁制御器610による処理に適した形態に調整および/または変換する。例えば、制御信号インターフェース620は、制御信号180をデジタル制御値622に変換し得る。デジタル制御値622は、アクチュエータ108の所望のセットポイントおよび/または位置SPを示す。
【0037】
チャンバ136および137に供給される空気圧を制御するために、図6の例示的弁位置制御器104は、圧力制御器625を含む。任意の数および/または種類(単数または複数)の回路(単数または複数)、コンポーネント(単数または複数)および/またはデバイス(単数または複数)を用いて、例示的弁制御器610から提供された圧力制御値627に基づいて、例示的圧力制御器625は、線152および154を介して提供された空気圧を増加または低下させるかを決定する。
【0038】
任意の数および/または種類(単数または複数)方法(単数または複数)、アルゴリズム(単数または複数)および/または論理を用いて、図6の例示的弁制御器610は、デジタル位置値607と、所望のセットポイントおよび/または位置値622とを比較して、圧力制御値627(すなわち、チャンバ136および137に提供された制御流体の圧力(単数または複数)を調整する方法)を決定する。図1およびEQN(5)に関連して上述したように、弁制御器610は、推定された終点値HI_CALおよびLO_CALに基づいて、圧力制御値627を決定する。
【0039】
アクチュエータ108の期待移動終点に対応するデジタル値607の推定値HI_CALおよびLO_CALを決定および更新するために、図6の例示的弁位置制御器104は、例示的較正器615を含む。外から供給される単一の位置値PPPに基づいて一対の初期推定値HI_CALおよびLO_CALを計算するために、例示的較正器615は終点推定器617を含む。例えば数式EQN(1)〜(4)を用いて、例示的終点推定器617は、初期値HI_CALおよびLO_CALを計算する。
【0040】
図1の例示的弁装置100の加工工場内における動作時においてアクチュエータ108の期待移動終点に対応する値HI_CALおよびLO_CALを更新するために、例示的較正器615は終点調整器619を含む。例えば図1および図3図5に関連して上述した例示的方法のいずれかおよび/または例示的数式EQN(6)〜(9)を用いて、例示的終点調整器619は、弁位置制御器104のオンライン動作時において値HI_CALおよびLO_CALを更新する。付加的にまたは代替的に、弁106を較正目的のために意図的にストロークさせるべき場合、例示的終点調整器619を用いて、HI_CALおよびLO_CALを計算および/または更新することが可能である。
【0041】
制御変数を保存するために、図6の例示的弁位置制御器104は記憶部630を含む。制御変数は、任意の数および/または種類(単数または複数)のデータ構造を用いて記憶部630内に保存することができ、記憶部630は、任意の数および/または種類(単数または複数)の揮発性メモリ(単数または複数)および/または不揮発性メモリ(単数または複数)、メモリデバイス(単数または複数)および/または記憶部デバイス(単数または複数)(例えば、ハードディスクドライブ)を用いて実行され得る。例示的記憶部630内に保存可能な例示的制御変数を非限定的に挙げると、外部から供給される位置値PPP、感度値SENSITIVITY、および推定された移動終点値HI_CALおよびLO_CALがある。
【0042】
ユーザが位置値PPPおよび/または感度値SENSITIVITYを提供することを可能にするために、図6の例示的弁位置制御器104は、任意の種類のユーザインターフェース635、任意の数および/または種類の入力デバイス(単数または複数)640、ならびに任意の種類のディスプレイ645を含む。いくつかの例において、ユーザインターフェース635は、ディスプレイ645を介してプロンプトを提示する。このプロンプトは、ユーザに対して提示を提供しかつ/あるいは値PPPおよび/またはSENSITIVITYを提供および/または入力するようユーザを促す。例示的入力デバイス640の例を非限定的に挙げると、デジタル通信インターフェースおよび/またはキーパッドがある。いくつかの例において、タッチスクリーンを用いて、ディスプレイ645および入力デバイス640双方を実現することができる。
【0043】
図1の例示的弁位置制御器104の例示的実行方法を図6中に例示してきたが、図6中に示す前記インターフェース、データ構造、要素、プロセスおよび/またはデバイスのうち1つ以上を組み合わせ、分割、再配置、省略、除去および/または他の任意の様態での実行が可能である。さらに、例示的位置センサインターフェース605、例示的較正器615、例示的終点推定器617、例示的終点調整器619、例示的制御信号インターフェース620、例示的圧力制御器625、例示的記憶部630、例示的ユーザインターフェース635、例示的入力デバイス(単数または複数)640、例示的ディスプレイ645および/またはより一般的には図6の弁位置制御器104は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアならびに/あるいはハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの任意の組み合わせによって実現可能である。よって、例えば、例示的位置センサインターフェース605、例示的較正器615、例示的終点推定器617、例示的終点調整器619、例示的制御信号インターフェース620、例示的圧力制御器625、例示的記憶部630、例示的ユーザインターフェース635、例示的入力デバイス(単数または複数)640、例示的ディスプレイ645および/またはより一般的には弁位置制御器104は、1つ以上の回路(単数または複数)、プログラム可能なプロセッサ(単数または複数)、特定用途向け集積回路(単数または複数)(ASIC(単数または複数))、プログラム可能な論理デバイス(単数または複数)(PLD(単数または複数))、フィールドプログラマブル論理デバイス(単数または複数)(FPLD(単数または複数))および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(単数または複数)(FPGA(単数または複数))などによって実現可能である。これらの要素のうち1つ以上を用いた本特許の任意の請求項を純粋なソフトウェアおよび/またはファームウェアインプレメンテーションを網羅するものとして読解した場合、例示的位置センサインターフェース605、例示的較正器615、例示的終点推定器617、例示的終点調整器619、例示的制御信号インターフェース620、例示的圧力制御器625、例示的記憶部630、例示的ユーザインターフェース635、例示的入力デバイス(単数または複数)640、例示的ディスプレイ645および/またはより一般的には弁位置制御器104のうち少なくとも1つは、タンジブルなコンピュータによって読み取り可能な媒体を含むものとして明示的に定義される。例示的なタンジブルなコンピュータによって読み取り可能な媒体を非限定的にあげると、フラッシュメモリ、コンパクトディスク(CD)、DVD、フロッピーディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブルROM(PROM)、電子的プログラマブルROM(EPROM)、および/または電子的に消去可能なPROM(EEPROM)、光学保存ディスク、光学保存デバイス、磁気保存ディスク、磁気保存デバイス、ならびに/あるいは他の任意のタンジブルな媒体がある。このような他の任意のタンジブルな媒体は、プログラムコードおよび/または命令を機械可読型命令またはデータ構造の形態で保存する際に利用することができ、また、プロセッサ、コンピュータおよび/またはプロセッサ(例えば、図16に関連して以下に説明する例示的プロセッサプラットフォームP100)を有する他の機械によってアクセス可能である。上記の組み合わせも、タンジブルなコンピュータによって読み取り可能な媒体の範囲に含まれる。さらに、例示的弁位置制御器104は、図6に示すものの代わりまたは図6に示すものに加えて、インターフェース、データ構造、要素、プロセスおよび/またはデバイスを含んでもよく、また、上記したインターフェース、データ構造、要素、プロセスおよび/またはデバイスのうちの2つ以上の任意のものまたはこれら全てを含んでもよい。
【0044】
図7は、図1および図6の例示的弁位置制御器104の取り付け時に用いられ得る例示的プロセスを示す。図8図11は、図6の例示的較正器615および/またはより一般的には図1および図6の例示的弁位置制御器104の実行時に用いられ得る例示的プロセスを示す。図7図11の例示的プロセスを実行するように、プロセッサ、制御器および/または他の任意の適切な処理デバイスを利用および/またはプログラムすることができる。例えば、図7図11のプロセスは、符号化命令および/または機械によるアクセスが可能な命令として具現化して、任意の製造物品(例えば、タンジブルなコンピュータによって読み取り可能な媒体(例えば、フラッシュメモリ、CD、DVD、フロッピーディスク、ROM、RAM、PROM、EPROMおよび/またはEEPROM、光学保存ディスク、光学保存デバイス、磁気保存ディスク、磁気保存デバイスならびに/あるいは他の任意のタンジブルな媒体))上に保存することができる。このような他の任意のタンジブルな媒体は、プログラムコードおよび/または命令を機械可読型命令またはデータ構造の形態で保存する際に利用することができ、また、プロセッサ、コンピュータおよび/またはプロセッサ(例えば、図16に関連して以下に説明する例示的プロセッサプラットフォームP100)を有する他の機械によってアクセス可能である。上記の組み合わせも、コンピュータによって読み取り可能な媒体の範囲に含まれる。機械可読型命令を挙げると、例えば、プロセッサ、コンピュータおよび/またはプロセッサを有する機械に1つ以上の特定のプロセスを行わせるための命令およびデータがある。あるいは、図7図11の例示的動作のうちいくつかまたは全てを、ASIC(単数または複数)、PLD(単数または複数)、FPLD(単数または複数)、FPGA(単数または複数)、個別論理、ハードウェア、ファームウェアなどの任意の組み合わせ(単数または複数)を用いて実行することもできる。また、図7図11の例示的動作のうち1つ以上を手作業でまたは上記の技術(例えば、ファームウェア、ソフトウェア、個別論理および/またはハードウェアの任意の組み合わせ)のうち任意のものの任意の組み合わせとして実行することが可能である。さらに、図7図11の例示的動作を実行するための多くの他の方法も利用可能である。例えば、上記ブロックを実行する順序を変更しかつ/または上記したブロックのうち1つ以上を変更、除去、再分割または組み合わせ可能である。さらに、例えば別個の処理スレッド、プロセッサ、デバイス、個別論理、回路などにより、図7図11の例示的機械プロセスの任意のものまたは全てを逐次的におよび/または並列に実行することが可能である。
【0045】
図7の例示的プロセスは、例示的ホルダ190によって弁アセンブリ102の位置をオペレータおよび/またはインストーラーが固定または保持する(例えば、手作業で固定する)ことから開始する(ブロック705)。例えば、前記オペレータは、アクチュエータ108内の制御流体の移動を回避する(例えば、トラップする)ことにより、クランプおよび/またはブロックを用いて弁106を手作業で固定し得るか、または、アクチュエータ108の位置を固定し得る。
【0046】
交換すべき弁位置制御器を取り外し(ブロック710)、交換用および/または新規の弁位置制御器104を取り付ける(ブロック715)。インストーラーは、弁位置制御器104を起動(例えば、電力供給)し、ユーザインターフェース635にアクセスする(ブロック720)。インストーラーは、構成データ(例えば、位置センサ110の感度値SENSITIVITY(例えば、位置センサ110上のプレートまたはラベルから検索されたもの)を入力する(ブロック725)。その後、インストーラーは、位置インジケータ140の単一点位置PPPを入力する(ブロック730)。特定の例において、位置PPPは、アクチュエータ108の移動範囲(例えば、50%開口)のパーセンテージとして入力される。
【0047】
前記入力された情報に基づいて、弁位置制御器104は較正値LO_CALおよびHI_CALを計算し、前記インストーラーはこれらの値を適用する(ブロック740)。
【0048】
インストーラーは、弁位置制御器104を活性状態にし(ブロック745)、弁アセンブリ102の位置を固定解除または解放する(ブロック750)。
【0049】
図8図11の例示的プロセスは、制御信号180を介して弁位置制御器104が弁アセンブリ102の位置を変更するよう命令され、このようなコマンドに応答して弁位置制御器104が弁アセンブリ102の位置を変更しているたびに、実行される。図8の例示的プロセスは、図3および図5の上記した例に対応する。図9の例示的プロセスは、例示的EQN(6)〜(9)に基づいた較正値更新に対応する。図10の例示的プロセスは、移動停止部に到達した際の保存されたPTV170に基づいた較正値更新に対応する。図11の例示的プロセスは、範囲から逸脱したSP180の場合の較正値更新に対応する。図8図11の例示的プロセスを最初に行う前に(例えば、弁位置制御器104を自動制御モードで起動する前に)、図1および図6に関連して上述したように、図6の例示的終点推定器617は、初期推定値HI_CALおよびLO_CALを計算する。
【0050】
図8の例示的プロセスにおいて、一対の修正ステータスビット0%および100%と、単一点較正ステータスビットとについて説明する。単一点較正が完了した際、0%修正ステータスビットおよび100%修正ステータスビットをクリアし、単一点較正ステータスビットを設定する。これらの0%修正ステータスビットおよび100%修正ステータスビットは、単一点較正が行われた後に弁106およびアクチュエータ108が0%移動限界および100%移動限界にそれぞれ到達したかを示す。単一点較正ステータスビットは、(不正確である可能性がある)単一点較正が行われた(例えば、図7のブロック740)が未だ改善していないことを示す。図8の例において、値NEW_LO_CALおよびNEW_HI_CALは、計算および/または設定されていはいるがユーザがその適用を選択するまでは適用されていない状態である新規較正値である。図8の例示的プロセスは、例示的弁制御器610がアクチュエータ108が全閉0%位置に到達したかを決定すること(ブロック805)から開始する。全閉0%位置に到達している場合(例えば、0%移動停止部162に到達している場合)(ブロック805)、終点調整器619は、前記全閉位置または0%位置の較正に対応するステータスビット(例えば、0%修正ステータスビット)が設定されているかを決定する(ブロック810)。前記全閉0%ステータスビットが設定されている場合(ブロック810)、制御はブロック805に戻って、0%移動停止部に到達したか確認する。
【0051】
前記全閉ステータスビットに到達していない場合(例えば、NEW_LO_CAL値が未だ設定されていない場合)(ブロック810)、終点調整器619は、フィードバック信号170の現在値LO_ACTをNEW_LO_CALとして記録し(ブロック815)、全閉ステータスビットを設定する(ブロック820)。較正器615は、新規のかつ/または改善された較正データが適用可能である旨を(例えば、例示的ディスプレイ645を介して)ユーザに通知する(ブロック835)。前記ユーザが前記新規値(単数または複数)を適用しない場合(ブロック840)、前記利用可能な改善されたデータについて前記ユーザに繰り返し通知し、制御はブロック805に戻って、0%移動停止部に到達したか確認する。
【0052】
前記ユーザが前記新規値のうち1つのみを適用した場合(ブロック845)、前記利用可能な改善されたデータについて前記ユーザに繰り返し通知し、制御はブロック805へと戻って、0%移動停止部に到達したか確認する。NEW_LO_CALおよびNEW_HI_CAL双方が適用された場合(ブロック845)、更新された終点値LO_CALおよびHI_CALを例示的記憶部630内に保存し、単一点較正ステータスビットをクリアすることで、任意の可能な不正確さが修正されたことを示す(ブロック845)。例示的較正器615の実行が終了し(ブロック850)、その後制御は図8の例示的プロセスを終了する。
【0053】
ブロック805に戻って、全閉0%移動停止部に到達していない場合(ブロック810)、弁制御器610は、全開100%移動停止部に到達したかを決定する(ブロック860)。
【0054】
全開100%位置に到達した場合(ブロック860)、終点調整器619は、全開100%ステータスビットが設定されているかを決定する(ブロック865)。全開100%ステータスビットが設定されている場合(ブロック865)、制御はブロック805に戻って、0%移動停止部に到達しているか確認する。
【0055】
全開100%ステータスビットが設定されていない場合(例えば、NEW_HI_CAL値が設定されていない場合)(ブロック865)、終点調整器619は、フィードバック信号170の現在値HI_ACTをNEW_HI_CALとして記録し(ブロック870)、全開100%ステータスビットを設定する(ブロック875)。その後、制御はブロック835へと進んで、ユーザに新規較正データを通知する。
【0056】
図9の例示的プロセスは、ピストン130が停止部160および162のいずれかに対して付勢されるのを例示的終点調整器619が待機する状態から開始する(ブロック905)。ピストン130が付勢されると(ブロック905)、終点調整器619は、SP180が停止部160および162に向かって変化しているかを決定する(ブロック910)。SP180が付勢されている停止部160および162に向かって変化している場合(ブロック910)、終点調整器619は、EQN(6)〜(9)のうち対応するものを用いて、対応する較正値HI_CALおよびLO_CALを更新する(ブロック915)。
【0057】
SP180が付勢された停止部160および162に向かってこれ以上変化しなくなった場合(ブロック910)、制御はブロック905へと戻って、ピストン130が機械的制限160および162に対して付勢されているかを決定する。図9の例において、更新された較正値HI_CALおよびLO_CALを自動的に適用する。付加的にまたは代替的に、更新された較正値HI_CALおよびLO_CALが自動的に適用されない場合、図8のブロック835、840、845、850および855に関連して上記に述べたものと実質的に同様の通知および新規較正データ適用プロセスを実行することができる。
【0058】
図10の例示的プロセスは、ピストン130が停止部160および162のいずれかに対して付勢されているかを例示的終点調整器619が決定することから開始する(ブロック1005)。ピストン130が付勢されている場合(ブロック1005)、終点調整器619は、現在のPTV170を保存し(ブロック1010)、SP180が停止部160および162に向かって変化しているかを決定する(ブロック1015)。SP180が付勢された停止部160および162に向かって変化している場合(ブロック1015)、終点調整器619は、対応する較正値(単数または複数)HI_CALおよびLO_CALを各保存されたPTV(単数または複数)170に向かって更新する(しかし、必ずしも各保存されたPTV(単数または複数)170に等しい値には更新しない)(ブロック1020)。例えば、較正値HI_CALおよびLO_CALは、較正値HI_CALおよびLO_CALと、各保存されたPTV170との間の差のパーセンテージとして更新される。前記更新された較正値HI_CALおよびLO_CALが各保存されたPTV値に等しい場合(ブロック1025)、制御は図10の例示的プロセスを終了する。なぜならば、これ以上の較正値調整が不可能かつ/または不要であるからである。更新された較正値HI_CALおよびLO_CALのうちいずれかがその各保存されたPTVに等しくない場合(ブロック1025)、制御はブロック1015に戻る。
【0059】
ブロック1005に戻って、ピストン130が付勢されていない場合(ブロック1005)、制御はブロック1015へと進んで、SP180が変化しているかを決定する。
【0060】
図10の例において、更新された較正値を自動的に適用する。付加的にまたは代替的に、前記更新された較正値(単数または複数)が自動的に適用されない場合、図8のブロック835、840、845、850および855に関連して上述したものと実質的に同様の通知および新規較正データ適用プロセスが実行可能である。
【0061】
図11の例示的プロセスは、SP180が0〜100%の範囲から逸脱するのを例示的終点調整器619が待機することから開始する(ブロック1105)。SP180が前記0〜100%の範囲から外れた場合(ブロック1105)、終点分析器619は、ピストン130が停止部160および162のいずれかに対して付勢されているかを決定する(ブロック1110)。ピストン130が付勢されている場合(ブロック1110)、制御はブロック1105へと戻る。
【0062】
ピストン130が付勢されていない場合(ブロック1110)、終点調整器619は、ピストン130が対応する停止部160および162に向かって移動するように、対応する較正値HI_CALおよびLO_CALを調整する(ブロック1120)。
【0063】
SP180が変化していない場合(ブロック1115)、ピストン130は機械的制限160および162に向かって付勢される(ブロック1110)か、または、SP180は前記0〜100%の範囲内において戻り(ブロック1105)、制御はブロック1105へと戻って、SP180が再度前記0〜100%の範囲を超えて移動するのを待機する。
【0064】
図11の例において、更新された較正値は自動的に適用される。付加的にまたは代替的に、前記更新された較正値(単数または複数)が自動的に適用されない場合、図8のブロック835、840、845、850および855に関連して上記に述べたものと実質的に同様の通知および新規較正データ適用プロセスを実行することができる。
【0065】
図12は、例示的弁装置1200を示す。例示的弁装置1200は、例示的弁アセンブリ102と、本開示の教示内容に従って構築された位置送信器1205とを含む。図12の例示的装置1200の要素は図1の例示的装置100に関連して上述したものと同じであるため、同一要素については説明を省略する。その代わりに、同一要素は図1および図12中の同一参照符号によって示し、興味を持った読者におかれては、同一参照符号の要素の完全な記載については、図1に関連して上述した記載に戻られたい。
【0066】
弁アセンブリ102の位置を示す位置信号(POS_SIG)1210を例えば例示的プロセス制御器185および/または監視システム、監視デバイス、自動遮断システムおよび/またはプロセスインターロック1215に提供するために、図12の例示的弁装置1200は、例示的位置送信器1205を含む。図12の例示的位置送信器1205は、PTV170からPOS_SIG1210の値を計算および/または決定する。例えば、位置送信器1205は、以下の数式を用いてPOS_SIG1210を計算し得る。
【数1】
EQN(10)
上記式において、MAXは、全開弁に対応するPOS_SIG1210の値であり、MINは、全閉弁に対応するPOS_SIG1210の値である。いくつかの例において、MINは4mAであり、MAXは20mAである。位置送信器1205は、以下のようにしてLO_CALの値およびHI_CALの値を計算、選択および/または更新する。
【0067】
図12の例示的位置送信器1205は外部から供給される単一の位置値PPPから自己較正を行うことが可能である。この位置値PPPは、アクチュエータ108の現在位置(例えば、70%開口)あるいはその推定値および/または近似値を示す。本明細書中に記載されるように、加工工場内における弁装置1200の動作開始前において、位置送信器1205は、さらなる外部から供給される位置値を必要としない。さらに、加工工場内における図12の弁装置1200の動作前におけるアクチュエータ108の位置の調整、変更またはストロークも不要である。この単一の位置値PPPは、例えば位置送信器1205の取り付け時においてインストーラーによって位置インジケータ140の現在位置を例えば外観検査(例えば、推定)および/または測定することにより、容易かつ/または簡単に決定および/または推定することが可能である。インストーラーは、例えば位置送信器1205の入力デバイス640(図13)を介して、推定または測定された位置PPPを位置送信器1205に提供および/または入力する。例示的位置送信器1205の単一の推定される位置値PPPに基づいた自己較正が可能であるが、インストーラーから提供された推定値または測定値であれならびに/あるいは弁106のストローキングによって決定された推定値または測定値によって決定されたものであれ、さらなる位置値が利用可能である場合、このようなさらなる値を用いて、例えば較正精度を向上させることが可能である。
【0068】
単一の推定される位置値PPPと、位置インジケータ140の移動距離あたりのPTV170の変化を示す感度値SENSITIVITYと、弁およびアクチュエータの総移動距離とに基づいて、図12の例示的位置送信器1205は、期待されかつ/または弁アクチュエータ108の移動終点に対応すると予測されるPTV170を推定する。あるいは、前記値SENSITIVITYは、弁106のフルストロークを示すカウント数を示す。さらに、値SENSITIVITYは、弁106のフルストロークにおけるPTV170の変化を示し得る。図5を参照して、時間Tlにおいて、図12の例示的弁アセンブリ102は75%開口であり、電流75%位置に対応するPTV170を有し、アクチュエータ108が全開100%位置にあるときにPTV170としてHL_ACTを有し、アクチュエータ108が全閉0%位置にあるときにPTV値170としてLO_ACTを有する。時間T2において、位置送信器1205は、アクチュエータ108の推定または期待される全開位置に対応する第1の値HI_CALを計算し、アクチュエータ108の推定または期待される全閉位置に対応する第2の値LO_CALを計算する。PPP値およびSENSITIVITY値が実質的に正確である場合、HI_CALの値は実質的にHI_ACTに等しく、LO_CALの値は実質的にLO_ACTに等しい。しかし、実際は、PPPの値は、アクチュエータ108の位置の推定値(例えば、誤差のある測定値)であり、かつ/または、SENSITIVITY値が製作公差および/または取り付けアライメント変動に起因して不正確である場合がある。従って、図12のいくつかの例において例示的位置送信器1205は、図5中の時間T3に示すようにHI_ACTおよびLO_ACTによって示される推定および/または予測される移動範囲がアクチュエータ108のより小さな移動範囲を包含するように、前記推定される終点値を意図的に調整する。
【0069】
フィードバック信号170が弁104の開口と共に増加すると仮定して、HI_ACTおよびLO_ACTの値を以下の数式を用いて計算することが可能である。
HI_CAL=PTV+(100−OFF−PPP)*SENSITIVITY*TRAVEL*(100−GAIN) EQN(11)
LO_CAL=PTV−(PPP−OFF)*SENSITIVITY*TRAVEL*(100−GAIN) EQN(12)
上記式において、OFFは、PPP推定における(移動範囲のパーセンテージにおける)許容差であり、TRAVELは、工学単位の物理的ストローク長さまたは弁106の回転度であり、GAINは、センサ140の較正、センサ140の励起、センサ出力170の増幅および/またはフィルタリングならびに/あるいはセンサ出力170のアナログ/デジタル変換における(移動範囲のパーセンテージにおける)許容差である。
【0070】
例示的数式であるEQN(10)〜EQN(12)を用いて、例示的位置送信器1205は、例示的弁装置1200の加工工場内における後続動作時における0%弁位置および100%弁位置に対応するPOS_SIGN1210の値を出力することを意図する。図12の上記した例示において、例示的位置送信器1205は、弁106が実際に全開100%位置に到達する前の100%開口弁を示す出力1210としてMAXを送信し、弁106が全閉0%位置に実際に到達する前の0%開口弁を示す出力1210としてMINを送信する。
【0071】
図12の例示的位置送信器1205の加工工場における動作と共に、例示的位置送信器1205は、推定される終点値HI_CALおよびLO_CALを適用、調整および/または更新する。加工工場における動作時において位置送信器1205内のソフトウェアが[MIN、MAX]の範囲から外れるPOS_SIG1210の値を計算した場合、例示的位置送信器1205は、対応する較正された終点値HI_CALおよびLO_CALを調整する。例えば、POS_SIG1210がMAXを超えて計算された場合、位置送信器1205は、HI_CALの値をPTV170の現在値に整合するように更新する。同様に、POS_SIG1210がMIN未満と計算された場合、位置送信器1205は、LO_CALの値を現在のPTV170と整合するように更新する。POS_SIG1210が[MIN、MAX]の範囲外であると計算されるたびにHI_CALおよびLO_CALの値を更新することにより、例示的位置送信器1205の較正が経時的に改善される。弁106が全開100%位置または全閉0%位置に実際に到達した場合、対応するHI_CAL較正値またはLO_CAL較正値は実質的に理想的になる。好適には、位置フィードバック170にフィルタリングをかけることでノイズによる影響を低減して、ノイズに起因して較正誤差が導入および/または発生されないようにするとよい。
【0072】
図12の例示的位置送信器1205は、上記段落において記載したように、新規LO_CALおよびHI_CAL値が計算される際に前記LO_CALおよびHI_CAL値を自動的に適用および/または活性化することができ、かつ/または、位置送信器1205が明確に命令および/または指示された場合のみに、新規LO_CALおよび/またはHI_CAL値の保存および活性化のみおよび/または適用を行ってもよい。例えば、位置送信器1205は、インジケータをディスプレイ645(図13)上に表示することで、1つ以上の新規較正値LO_CALおよびHI_CALが起動のために利用可能である旨を示すことができる。例えば例示的入力デバイス(単数または複数)640(図13)を介してユーザが新規および/または更新された較正値LO_CALおよびHI_CALを適用する意志を示した場合、位置送信器1205は、活性化された較正値LO_CALおよびHI_CALを用いた後続値POS_SIG1210の計算を開始する。
【0073】
図13は、図12の例示的位置送信器1205を実行する例示的方法を示す。図13の例示的位置送信器1205の要素は、図6の例示的弁位置制御器104に関連して上述したものと同一であるため、同一要素については説明を控える。その代わり、図6および図13において、同一要素を同一参照符号によって示し、興味を持った読者におかれては、同一参照符号の要素の完全な記載については、図6に関連して上述した記載に戻られたい。
【0074】
推定値HI_CALおよびLO_CALを決定、計算および更新するために、図13の例示的位置送信器1205は、較正器1305を含む外部から供給される単一の位置値PPPに基づいて初期の一対の推定値HI_CALおよびLO_CALを計算するために、図13の例示的較正器1305は、終点推定器1310を含む。例えば数式EQN(11)およびEQN(12)を用いて、図13の例示的終点推定器1310は、初期値HI_CALおよびLO_CALを計算する。
【0075】
図12の例示的弁装置1200の加工工場内における動作時において値HI_CALおよびLO_CALを更新するために、図13の例示的較正器1305は、終点調整器1315を含む。図13の例示的終点調整器1315は、位置送信器1205のオンライン動作時において、値HI_CALおよびLO_CALを更新する。動作時においてPOS_SIG1210が[MIN、MAX]の範囲外であると計算された場合、例示的終点調整器1315は、対応する較正された終点値HI_CAL、LO_CALをデジタル値607の現在値に調整する。前記弁106を較正目的のために意図的にストロークさせる場合、例示的終点調整器1315を用いて、HI_CALおよびLO_CALを付加的にまたは代替的に計算および/または更新することが可能であることが理解されるべきである。
【0076】
POS_SIG1210のデジタル表現1320を計算するために、図13の例示的位置送信器1205は、位置値決定器1325を含む。図13の例示的位置値決定器1325は、較正値HI_CALおよびLO_CALに基づいて、例えば例示的数式であるEQN(10)を実行することにより、デジタル信号1320の値(単数または複数)を計算する。
【0077】
POS_SIG1210をプロセス制御器185および/またはプロセスインターロック1215に送信および/または提供するために、図13の例示的位置送信器1205は、任意の種類の送信器またはトランシーバー1330を含む。図13の例示的送信器1330は、任意の数および/または種類(単数または複数)の回路(単数または複数)、デバイス(単数または複数)および/または方法(単数または複数)を用いて、デジタル値(単数または複数)1320をアナログ信号(例えば、4〜20mAの信号)に変換する。付加的にまたは代替的に、トランシーバー1330は、デジタル値(単数または複数)1320を信号1210としてデジタル的にかつ/またはワイヤレスに送信し得る。
【0078】
図12の例示的位置送信器1205を実行する例示的方法について図13中に図示しているが、図13中に示すインターフェース、データ構造、要素、プロセスおよび/またはデバイスのうち1つ以上を組み合わせ、分割、再配置、省略、除去および/または他の任意の様態で実行することが可能である。さらに、例示的位置センサインターフェース605、例示的較正器1305、例示的終点推定器1310、例示的終点調整器1315、例示的記憶部630、例示的ユーザインターフェース635、例示的入力デバイス(単数または複数)640、例示的ディスプレイ645、例示的位置値決定器1325、例示的送信器/トランシーバー1330および/またはより一般的には図13の位置送信器1205は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアならびに/あるいはハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの任意の組み合わせによって実行することが可能である。よって、例えば、例示的位置センサインターフェース605、例示的較正器1305、例示的終点推定器1310、例示的終点調整器1315、例示的記憶部630、例示的ユーザインターフェース635、例示的入力デバイス(単数または複数)640、例示的ディスプレイ645、例示的位置値決定器1325、例示的送信器/トランシーバー1330および/またはより一般的には位置送信器1205のうち任意のものを1つ以上の回路(単数または複数)、プログラム可能なプロセッサ(単数または複数)、特定用途向け集積回路(単数または複数)(ASIC(単数または複数))、プログラム可能な論理デバイス(単数または複数)(PLD(単数または複数))、フィールドプログラマブル論理デバイス(単数または複数)(FPLD(単数または複数))、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(単数または複数)(FPGA(単数または複数))などにより実行することが可能である。これらの要素のうち1つ以上を用いた本特許の任意の請求項を純粋なソフトウェアおよび/またはファームウェアインプレメンテーションを網羅するものとして読解した場合、例示的位置センサインターフェース605、例示的較正器1305、例示的終点推定器1310、例示的終点調整器1315、例示的記憶部630、例示的ユーザインターフェース635、例示的入力デバイス(単数または複数)640、例示的ディスプレイ645、例示的位置値決定器1325、例示的送信器/トランシーバー1330および/またはより一般的には位置送信器1205のうち少なくとも1つは、タンジブルなコンピュータによって読み取り可能な媒体を含むものとして明示的に定義される。例示的なタンジブルなコンピュータによって読み取り可能な媒体を非限定的にあげると、フラッシュメモリ、コンパクトディスク(CD)、DVD、フロッピーディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブルROM(PROM)、電子的プログラマブルROM(EPROM)、および/または電子的に消去可能なPROM(EEPROM)、光学保存ディスク、光学保存デバイス、磁気保存ディスク、磁気保存デバイスならびに/あるいは他の任意のタンジブルな媒体がある。このような他の任意のタンジブルな媒体は、プログラムコードおよび/または命令を機械可読型命令またはデータ構造の形態で保存する際に利用することができ、また、プロセッサ、コンピュータおよび/またはプロセッサ(例えば、図16に関連して以下に説明する例示的プロセッサプラットフォームP100)を有する他の機械によってアクセス可能である。上記の組み合わせも、タンジブルなコンピュータによって読み取り可能な媒体の範囲に含まれる。さらに、例示的位置送信器1205は、図12に示すものの代わりまたは図12に示すものに加えて、インターフェース、データ構造、要素、プロセスおよび/またはデバイスを含んでもよく、かつ/または、上記したインターフェース、データ構造、要素、プロセスおよび/またはデバイスのうちの2つ以上の任意のものまたはこれら全てを含んでもよい。
【0079】
図14は、図12および図13の例示的位置送信器1205を取り付ける際に実行可能な例示的プロセスを示す。図15は、図13の例示的較正器1305および/またはより一般的には図12および図13の例示的位置送信器1205を実行する際に実施可能な例示的プロセスを示す。図14および図15の例示的プロセスを実行するために、プロセッサ、制御器および/または他の任意の適切な処理デバイスを利用および/またはプログラムすることが可能である。例えば、図14および図15のプロセスは、符号化および/または機械によるアクセスが可能な命令として具現化することが可能である。このような命令は、プロセッサ、コンピュータおよび/またはプロセッサを有する他の機械(例えば、図16に関連して下記に説明する例示的プロセッサプラットフォームP100)によるアクセスが可能な任意の製造物品(例えば、タンジブルなコンピュータによって読み取り可能な媒体)上に保存される。あるいは、ASIC(単数または複数)、PLD(単数または複数)、FPLD(単数または複数)、FPGA(単数または複数)、個別論理、ハードウェア、ファームウェアなどの任意の組み合わせ(単数または複数)を用いて図14および図15の例示的動作の一部または全てを実行してもよい。また、図14および図15の例示的動作のうち1つ以上を手作業で実行することも可能であるし、あるいは、上記した技術(例えば、ファームウェア、ソフトウェア、個別論理および/またはハードウェアの任意の組み合わせ)のうちの任意のものの組み合わせとして実行することも可能である。さらに、図14および図15の例示的動作を実行するための多くの他の方法も利用可能である。例えば、前記ブロックを実行する順序が変更可能であり、かつ/または、上記したブロックのうち1つ以上を変更、除去、再分割または組み合わせることも可能である。さらに、例えば別個の処理スレッド、プロセッサ、デバイス、個別論理、回路などにより、図14および図15の例示的機械プロセスのうち任意のまたは全てを逐次的に実行および/または並列に実行することが可能である。
【0080】
図14の例示的プロセスは、オペレータおよび/またはインストーラーが例示的ホルダ190によって弁アセンブリ102の位置を固定または保持する(例えば、手作業で固定)することから開始する(ブロック1405)。例えば、前記オペレータは、クランプおよび/またはブロックを用いて手作業で弁106を保持することもできるし、あるいは、アクチュエータ108内の制御流体の移動を(例えば、トラップすることにより)回避することにより、アクチュエータ108の位置を固定することができる。
【0081】
交換対象である位置送信器を取り外し(ブロック1410)、交換用および/または新規の位置送信器1205を取り付ける(ブロック1415)。インストーラーは、位置送信器1205を活性化し(例えば、電力を位置送信器1205に供給し)ユーザインターフェース635にアクセスする(ブロック1420)。インストーラーは、構成データ(例えば、位置センサ110の感度値SENSITIVITY(例えば、位置センサ110上のプレートまたはラベルから検索されたもの)(ブロック1425)を入力する。その後、インストーラーは、位置インジケータ140の単一点位置PPPを入力する(ブロック1430)。特定の例において、前記位置PPPは、アクチュエータ108の移動範囲のパーセンテージ(例えば、50%開口)として入力される。
【0082】
前記入力された情報に基づいて、位置送信器1205は、較正値LO_CALおよびHI_CALを計算し、インストーラーはこれらの値を適用する(ブロック1440)。
【0083】
インストーラーは、位置送信器1205を活性状態にし(ブロック1445)、弁アセンブリ102の位置を固定解除または解放する(ブロック1450)。
【0084】
図15の例示的プロセスは、POS_SIG1210の計算値が範囲[MIN、MAX]から外れるのを例示的終点調整器1315が待機することから開始する(ブロック1505)。POS_SIG1210の計算値が[MIN、MAX]から外れた場合(ブロック1505)、較正改善を自動的に適用し(ブロック1510)、終点調整器1315は、対応する較正値HI_CALおよびLO_CALをPTV170の現在値に更新する(ブロック1515)。
【0085】
前記較正改善を自動的に適用しない場合(ブロック1510)、終点調整器1315は、(例えば、例示的ディスプレイ645を介して)新規および/または改善された較正データが適用可能である旨をユーザに通知し(ブロック1520)、PTV170が上記NEW_CAL値の範囲から外れているかを決定する(ブロック1525)。PTV170が上記範囲から外れている場合(ブロック1525)、終点調整器1315は、更新された較正値NEW_HI_CALおよびNEW_LO_CALを後続の検索および/または起動のために保存する(ブロック1530)。その後、制御はブロック1505に戻って、POS_SIG1210の値が上記[MIN、MAX]の範囲から外れるのを待機する。
【0086】
図16は、例示的プロセッサプラットフォームP100の模式図である。例示的プロセッサプラットフォームP100は、本明細書中開示される弁位置制御器を較正するための例示的装置および/または方法のうち任意のものを実行するように、利用および/またはプログラムすることができる。例えば、1つ以上の汎用プロセッサ、プロセッサコア、マイクロコントローラなどが、プロセッサプラットフォームP100を実行することができる。
【0087】
図16の例のプロセッサプラットフォームP100は、少なくとも1つプログラム可能なプロセッサP105を含む。プロセッサP105は、プロセッサP105の主要メモリ内に存在する(例えば、RAM P115および/またはROM P120内に存在する)符号化命令P110および/またはP112を実行する。プロセッサP105は、任意の種類の処理ユニット(例えば、プロセッサコア、プロセッサおよび/またはマイクロコントローラ)であり得る。プロセッサP105は、特に、図7図11および図14の例示的プロセスを実行しかつ/またはより一般的には図1および図6の例示的弁位置制御器104および/または図12および図13の例示的位置送信器1205を実行することができる。
【0088】
プロセッサP105は、任意の数および/または種類(単数または複数)のタンジブルなコンピュータによって読み取り可能な記憶部媒体(例えば、ROM P120および/またはRAM P115)とバスP125を介して通信する。RAM P115は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、および/または他の任意の種類のRAMデバイスによって実行可能であり、ROMは、フラッシュメモリおよび/または他の任意の所望の種類のメモリデバイスによって実行可能である。メモリP115およびメモリP120は、メモリ制御器(図示せず)によって制御される。例示的メモリP115およびP120を用いて、例えば図6および図13の例示的記憶部630を実行することができる。
【0089】
プロセッサプラットフォームP100は、インターフェース回路P130も含む。任意の種類のインターフェース標準(例えば、外部メモリインターフェース、シリアルポート、汎用入力/出力など)により、インターフェース回路P130を実行することができる。1つ以上の入力デバイスP135および1つ以上の出力デバイスP140が、インターフェース回路P130に接続される。入力デバイスP135を用いて例示的入力デバイス(単数または複数)640を実行することができ、出力デバイスP140を用いて図6および図13の例示的ディスプレイ645を実行することができる。
【0090】
特定の例示的方法、装置およびシステムについて本明細書中に記載してきたが、本特許の範囲はこれに限定されず、本特許は、文言的にまたは均等論の下において添付の請求項の範囲内に収まる全ての方法、装置、システムおよび製造物品を網羅する。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16