(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5719429
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】インクカートリッジ充填装置および当該装置を用いたインクカートリッジ充填方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20150430BHJP
B41J 2/19 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
B41J2/175 131
B41J2/19
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-506448(P2013-506448)
(86)(22)【出願日】2010年11月2日
(65)【公表番号】特表2013-525148(P2013-525148A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】CN2010078316
(87)【国際公開番号】WO2011137637
(87)【国際公開日】20111110
【審査請求日】2013年11月1日
(31)【優先権主張番号】201010169525.X
(32)【優先日】2010年5月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512246042
【氏名又は名称】珠海納思達企業管理有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081053
【弁理士】
【氏名又は名称】三俣 弘文
(72)【発明者】
【氏名】欽雷
(72)【発明者】
【氏名】陳偉健
【審査官】
桐畑 幸▲廣▼
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−089215(JP,A)
【文献】
特開2002−067351(JP,A)
【文献】
特開2005−248783(JP,A)
【文献】
特開平09−174868(JP,A)
【文献】
特開2007−055076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクカートリッジ充填装置において、
インクカートリッジ(12)に充填するインクを貯留するインクタンク(2)を有し、 前記インクタンク(2)は、
(A)前記インクカートリッジ(2)の注入口に接続するインク注入流路(3)と、
(B)一端に吸引器(10)と協働して前記インクカートリッジ(12)内の空気を吸い出す吸引端(51)と、他端に前記インクカートリッジ(12)のインク吐出口(14)と直接接続する吸引口(52)とを有する空気抽出流路(5)と、
(C)前記インクタンク(2)に空気を引き込む空気注入流路(4)と、
を有し、
前記空気抽出流路(5)と空気注入流路(4)とは、同一の軸上に設けられている
ことを特徴とするインクカートリッジ充填装置。
【請求項2】
前記空気注入流路(4)には、漏れ防止部材が設置されている
ことを特徴とする請求項1記載のインクカートリッジ充填装置。
【請求項3】
前記漏れ防止部材は、バルブ型部材(6)である
ことを特徴とする請求項2記載のインクカートリッジ充填装置。
【請求項4】
前記バルブ部材(6)は、密封リング(61)と、弾性部材(62)と、バルブ台座(63)とを有し、
前記密封リング(61)は、前記バルブ台座(63)と緊密に嵌め合い、
前記弾性部材(62)の一端は、前記密封リング(61)と当接し、他端は空気注入流路(4)と当接している
ことを特徴とする請求項3記載のインクカートリッジ充填装置。
【請求項5】
前記バルブ部材(63)は、軸受筒(64)を更に有し、
前記軸受筒(64)の硬度は、前記密封リング(61)の硬度より高く、
前記密封リング(61)は、前記バルブ台座(63)と緊密に嵌め合い、
前記軸受筒(64)は、前記密封リング(61)と緊密に嵌め合い、
前記弾性部材(62)の一端は、前記密封リング(61)と当接し、他端は前記空気注入流路(4)と当接している
ことを特徴とする請求項4記載のインクカートリッジ充填装置。
【請求項6】
前記バルブ部材(63)は、自閉弁である
ことを特徴とする請求項3記載のインクカートリッジ充填装置。
【請求項7】
前記漏れ防止部材は、通気防水フィルムである
ことを特徴とする請求項2記載のインクカートリッジ充填装置。
【請求項8】
前記漏れ防止部材は、密封栓である
ことを特徴とする請求項2記載のインクカートリッジ充填装置。
【請求項9】
前記空気抽出流路(5)は、直線型で、前記インクタンク(2)を横切る
ことを特徴とする請求項1―8のいずれかに記載のインクカートリッジ充填装置。
【請求項10】
前記インクカートリッジ充填装置は、前記インクカートリッジ(12)を前記インクカートリッジ充填装置(1)に固定する留め部材が設けられている
ことを特徴とする請求項1−8のいずれかに記載のインクカートリッジ充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクカートリッジ充填装置および当該装置を利用してインクを充填するインクカートリッジ充填方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンターは、プリント信号の駆動によりインクをプリントヘッドのノズルから紙等の記録媒体に吹き付けて文字や図絵の記録を行うものである。インクジェット技術の日々の進歩により、インクジェットプリンターの体積もますますコンパクト化し、これにより、インクを貯留する容器であるインクカートリッジの容量も減り、使用者は頻繁にインクカートリッジを交換する必要があった。だが使い切ったインクカートリッジのほとんどはそのまま捨てられ、これらの使い捨てられたインクカートリッジはプラスチック、薄いフィルム等から作られ、そのほとんどは自然分解できず、資源のムダ使いや環境汚染につながっている。この問題を解決する方法として一番簡単なのはインクカートリッジを交換する必要もなくインクカートリッジにインクを充填するだけで利用価値をよみがえらせる方法である。実際でもこの需要を睨んで様々なインクカートリッジ充填用のインク充填グッズが市販されている。
【0003】
米国特許US7470008は負圧を利用してインクカートリッジ内部にインクを充填する一種のインクカートリッジを公開している。当該インクカートリッジ充填装置は、充填用インクを収容するインクボトル、充填待ちインクカートリッジを置く台座、インクカートリッジ内部を減圧させる為の吸引器、インクボトルおよびインクカートリッジとそれぞれ接続するL型コネクタおよび2つのL型コネクタと接続するチューブを含む。その使用プロセスは次の通り。インクカートリッジを台座に固定し、2つのL型コネクタをそれぞれインクボトルおよびインクカートリッジのインク注入口に接続した後、吸引器をインクカートリッジのインク吐出口に接続し、インクカートリッジ内部の空気を吸出し、インクカートリッジ内部を一定の負圧状態にする。圧力バランス原理により、インクボトルの中のインクは自然にインクカートリッジの中に流れるようになり、吸引器にインクがあることを確認した時点で、インクカートリッジの充填が完了する。
【0004】
しかし、上記の方法では、インクボトル、台座、インクカートリッジ等はいずれも別々に設けられ、使用の際に使用者はチューブを使って両者を接続させる必要があった。この方法だと取り扱いが不便、密封性が悪い、占用スペースが大きい欠点が伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、占用スペースが大きい、取り扱いが不便および生産コストが高い等の従来のインクカートリッジ充填装置に見受けられる技術的課題を解決できるインクカートリッジ充填装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現する本発明において採用した構成は次の通り。
【0007】
次のものからなるインクカートリッジ充填装置。
【0008】
インクカートリッジに充填するインクを貯留するためのインクタンク。
【0009】
前記充填待ちインクカートリッジの注入口と緊密に接続するインク注入流路。
【0010】
一端は吸引器と協働して前記充填待ちインクカートリッジ内の空気を吸い出し、他端は前記充填待ちインクカートリッジのインク吐出口と直接接続する吸引口からなる空気抽出流路および
【0011】
外部からインクタンクに空気を引き込むための空気注入流路。
【0012】
本発明によれば、前記空気抽出流路と空気注入流路はいずれも前記インクタンク上に成型されている。
【0013】
本発明によれば、前記空気注入流路の上には漏れ防止部材が設けられている。
【0014】
本発明によれば、前記空気注入流路は前記空気抽出流路と同一の軸に設けられている。
【0015】
本発明によれば、前記空気注入流路と前記空気抽出流路はそれぞれ前記インクタンクの異なる位置に設けられている。
【0016】
本発明によれば、前記漏れ防止部材は一つのバルブ部材である。
【0017】
本発明によれば、前記バルブ部材は、密封リング、弾性部材およびバルブ台座から構成され、このうち前記密封リングは前記バルブ台座と、前記弾性部材の片側は前記密封リングとそれぞれ当接し、もう片側は前記空気注入流路と当接する。
【0018】
本発明によれば、前記バルブ部材はさらに軸受筒を含み、前記軸受筒の硬度は前記密封リングの硬度より高く、このうち前記密封リングは前記バルブ台座と緊密に嵌め合い、前記軸受筒は前記密封リングと緊密に嵌め合い、前記弾性部材の一端は前記密封リングと当接し、他端は前記空気注入流路と当接する。
【0019】
本発明によれば、前記バルブ部材は一つの自閉弁である。
【0020】
本発明によれば、前記漏れ防止部材は一つの透気防水フィルムである。
【0021】
本発明によれば、前記漏れ防止部材は一つの密封栓である。
【0022】
本発明によれば、前記空気抽出流路は直線型かつ前記インクタンクを横方向に貫通している。
【0023】
本発明によれば、前記インクカートリッジ充填装置にはさらに前記インクカートリッジを前記インクカートリッジ充填装置に固定するのに用いる一つのストッパーが設けられている。
【0024】
下記のステップを含む請求項1記載のインクカートリッジ充填装置を利用したインクを充填するインクカートリッジ充填方法。
【0025】
A、充填待ちインクカートリッジを前記インクカートリッジ充填装置に固定し、そのインク注入口を前記インク注入流路と、インク吐出口を吸引口とそれぞれしっかり接続させる。
【0026】
B、前記インクカートリッジ充填装置を逆さまにし、前記充填待ちインクカートリッジを前記インクカートリッジ充填装置の下に位置するようにする。
【0027】
C、吸引器と空気抽出流路の吸引端と接続し、前記充填待ちインクカートリッジの中の空気を吸い出す。
【0028】
前記ステップCを終えた後、次のステップDに進む。(D)吸引器にインクがあることを確認し、吸引器を取り外し、前記インクカートリッジを取り外すステップ。
【0029】
前記ステップDにおいて、前記インクカートリッジを取り外す前に、先に前記インクカートリッジを前記インクカートリッジ充填装置とともに回して、前記インクカートリッジをインクの上部に位置するようにする。
【発明の効果】
【0030】
上記技術的手段を採用すると、空気抽出流路、空気注入流路はいずれもインクタンクの中に位置するため、全体的な構造がコンパクトで、占用スペースが少なくかつ取り扱いも簡単で、製造過程においては、鋳型の数は従来よりも少なく、製造コストを最大限に削減でき、占用スペースが大きい、取り扱いが不便および製造コストが高い等の従来のインクカートリッジ充填装置の技術的課題を解決した。また、空気注入流路には漏れ防止部材が設けられているため、インクカートリッジ充填装置は、使用の時や運搬の時もインクの漏出を効果的に防ぐことかできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明に係る実施例1、実施例2および実施例3における充填待ちインクカートリッジを示す説明図である。
【
図2】本発明に係る実施例1におけるインク充填装置を分解した状態を示す説明図である。
【
図3】本発明に係る実施例1においてインク充填装置でまだ充填を始めていない状態を示す説明図である。
【
図4】本発明に係る実施例1におけるバルブ部材が閉鎖状態の時の局部拡大図で、即ち
図3のA拡大図である。
【
図5】本発明に係る実施例1においてインク充填装置で充填を始めた時の状態を示す説明図である。
【
図6】本発明に係る実施例1におけるインク充填装置のバルブ部材を使用している時の局部拡大図で、即ち
図5のB拡大図である。
【
図7】本発明に係る実施例1においてインク充填装置で充填を完了した時の状態を示す説明図である。
【
図8】本発明に係る実施例2におけるインク充填装置の構造を示す説明図である。
【
図9】本発明に係る実施例3におけるインク充填装置の構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、図面および実施例を用いて本発明の具体的なステップについて説明する。
【実施例1】
【0033】
図1は、本実施例における充填待ちインクカートリッジ12の構造を示す図である。インクカートリッジ12はプラスチック製で、内部にはプリンターにインクを供給するインクタンク14が設けられ、その上にはプリンターのインク供給針と協働してインクをプリンターの印刷ヘッドに送るインク吐出口15、インクをインクタンク14に充填するためのインク注入口、プリンターの構造を利用してインクカートリッジ12をプリンターの上に固定するため弾性取っ手17が設けられる。
【0034】
インクタンク14とインク吐出口15の間にあるインク流路には薄膜逆止弁16が設けられており、通常時は、当該薄膜逆止弁16はオフの状態にあるが、必要によって、インクタンク14とインク吐出口15の間の圧力差に応じて自由に開閉することができる。この例を見てもわかるように、当該薄膜逆止弁16を採用することで、インクカートリッジ12内部の負圧を効果的に調節し、インクをより安定的にインク吐出口15に供給できるようになる。
【0035】
図2は、本実施例におけるインクカートリッジ充填装置1を分解した状態を示す説明図である。上の図面からわかるように、インクカートリッジ充填装置1は、インクカートリッジ12に充填するインクを貯留するインクタンク2、前記インクカートリッジ12のインク注入口と接続して内部にインクを注入するためのインク注入流路3、インクタンク2の中に設けられた充填装置を使用する際に外部空気をインクタンク2に取り込んで内部圧力を調整するための空気注入流路4、吸引口52と吸引端51を含めた吸引流路5から構成されている。吸引口52は、インクカートリッジ12のインク吐出口15と連通し、吸引端51は吸引器10と協働して充填待ちインクカートリッジ12の中の空気を吸い出してインクカートリッジ12の内部を負圧状態に変える。このうち、本実施例において、空気抽出流路5は直線型で、インクタンク2を貫通してインク吐出口15と連通する。即ち空気抽出流路5はインクタンク2の中にあるが、インクタンク2と連通しておらず、インクカートリッジ12としか連通していない。よってインクタンク2の中の空気を吸い込まず、空気抽出流路5を利用してインクカートリッジ12の中の空気しか吸い込んでいない。これにより、繰り返し充填する際に吸い込む空気量の不変性を確保することができる。また、充填装置の構造をよりコンパクト化するため、本実施例において、空気注入流路と空気抽出流路を同一の軸に設置する方案を優先的に採用した。
【0036】
図2に示すように、充填装置にはさらにインクカートリッジ12を固定するためのストッパー7、空気抽出流路5の吸引端51と協働して空気を吸い込む吸引器10、充填装置を掴みやすくさせる把持部11が設けられている。把持部11は、充填装置の外壁と並行する数本の凹溝から構成され、当該把持部11は、さらに隣接する充填装置同士の接続部として使用することもできる。そのため、別の充填装置の外部に上記凹溝形状とかみ合う突起(図示せず)を設置するだけ実現することができる。この方法を採用することで、使用者は簡単に異なる色のインクの充填装置を一つにつなげて保存することができる。
【0037】
運搬過程あるいは使用過程においてインクが空気注入流路4から漏れることを防ぐため、空気注入流路4にさらに一つの漏れ防止部材を設置した。当該漏れ防止部材は、空気を吸い込み、インクの流出を防ぐことのできる防水通気フィルムか、もしくは使用者が自ら装着・取外できるゴム栓を使用する。本実施例においては、当該漏れ防止部材に自由に開閉可能なバルブ部材6を使用した。空気注入流路4と空気抽出流路5は同じの軸に設けられ、バルブ部材6は空気抽出流路にある吸引端51の上に設けられる。
図4に示すように、本実施例において、バルブ部材6は密封リング61、バネ62およびバルブ台座63から構成される。よって当該バルブ部材6は空気注入流路4を自由に開閉できる。
図4に示すように、インクカートリッジ充填装置1が未使用の場合、当該バルブ部材6は閉鎖状態となり、このうちバネの一端は密封リングと接続し、他端は空気注入流路と接続する。密封リング61はバネ62の弾性力でバルブ台座63としっかりくっつき、インクタンク2への空気の混入を防ぐ。
【0038】
図6に示すように、インクカートリッジ充填装置1を用いて、インクカートリッジ12にインクを充填する際に、吸引器10は吸引端と協働して下向きの力を引き起こし、かつ下向きの力はバネ62の弾力より大きく、これによりバネ62は変形して下方向に移動し、それによって密封リング61を下方向に移動させてバルブ台座63から離れさせる。すなわち当該バルブ部材6は下向きに移動して空気注入流路4を開け、外部空気が図の示すルートに沿ってインクタンク2に流れ込む。吸引器10を外すと、密封リング61はバネ62の力で再び台座63としっかりくっつき、空気注入流路4を再び閉じる。
【0039】
また、
図2に示すように、インクカートリッジ充填装置1が未使用の時、運搬過程においてインク漏れが発生するのを防ぐため、インク注入流路3とインク注入口との接続端は密封部材で密封する。
図2に示すように、当該密封部材はスリーブ8とゴム栓9から構成され、しかもスリーブ8の硬度は、ゴム栓9の硬度よりも高い。理由としては、充填装置のコンパクト化を実現するために、その上方のインクカートリッジ12を収容するスペースは比較的狭くゴム栓9だけで密封すると、使用者は使用する時に手を狭いスペースに入れてゴム栓9を取り出す必要があってとても不便だからである。ゆえにゴム栓9と一体化可能な長さが比較的長く、かつインクカートリッジ12より若干短い一つのスリーブ8を設置すれば、使用者は使用する時にスリーブ8を抜き出すだけでゴム栓9を抜き出し、インク注入流路3を開けることができるため、使用者の利便性を向上させることができる。
【0040】
次にインクカートリッジ充填装置1を用いたインクカートリッジ12のインク充填方法やステップについて説明する。
(1)インクカートリッジ充填装置1を平らの場所に置き、インク注入流路3の密封部材8および9を取り出す。
(2)
図3に示すように、インクカートリッジ12をインクカートリッジ充填装置1の上に置き、この時のインクカートリッジ12の弾性取っ手17は充填装置のストッパー7とかみ合ってインクカートリッジ12を固定し、インクカートリッジ12のインク吐出口15、インク注入口はそれぞれ充填装置の空気抽出口とインク注入流路3と連通する。
(3)すでに固定したインクカートリッジ12およびインクカートリッジ充填装置1を完全に逆さまにし、インクタンク2をインクカートリッジ12の上方にあるようにする。
(4)事前に用意した吸引器10を空気抽出流路5の吸引端51と連通し、インクカートリッジ12の中の空気を吸い出す。この時にインクカートリッジ12の薄膜逆止弁は開けられ、インクタンク14の中の空気も抜き取られ、即ちインクカートリッジ12の内部は真空状となる。このとき圧力バランス原理により、
図5に示すようにインクタンク2の中のインクはインクカートリッジ12に流れ、かつこの時、空気抽出流路5にあるバルブ部材6も開けられ、外部の空気は空気注入流路4からインクタンク2に入り込み、これによりインクタンク2の圧力の安定化を図ることができる。
(5)吸引器10にインクがあることが確認された場合、インクカートリッジ12の充填が完了し、印刷を始めることができることを意味する。この時、先に吸引器10を外し、バルブ部材6はバネ62の作用をもって空気注入流路4を閉じてインクタンク2を密封する。
(6)
図7に示すように、インクカートリッジ12とインクカートリッジ充填装置1を再びひっくり返し、インクカートリッジ12をインクタンク2上方にあるようにし、インクカートリッジ12を外して、吸引器10をインク注入流路3と接続し、中の余分なインクをインクタンク2に戻していく。
(7)最後に吸引器10を外して、元の密封部材8および9でインク注入流路3を密封して終了する。
【0041】
上述のとおり、本発明では空気注入流路と空気抽出流路がいずれもインクタンクに設けられたインクカートリッジ充填装置1とその充填方法を紹介し、これによりインクカートリッジ充填装置の使用スペースの削減、利便性の向上、製造コストの低減を実現したほか、使用者の使用コストも低減した。
【実施例2】
【0042】
図8に示すように、実施例2と実施例1の違いは、バルブ部材の構造が異なる点である。本実施例において、バルブ部材6は軸受筒64、密封リング61、バネ62およびバルブ台座63から構成され、このうち、密封リング61はバルブ台座63としっかりとかみ合い、軸受筒64は密封リング61と併用し、しかも軸受筒64の硬度は密封リング61よりも大きく、軸受筒64は前記空気抽出流路5に沿ってスライドする。理由としては、軸受筒64は密封リング61と同じ直径を持つ協働部64aおよび空気抽出流路5より若干直径が大きいスライド部分64bから構成されているからである。このため、インクカートリッジ充填装置1を使用する時、吸引器10と吸引端51を併用して生じる力のもとで、密封リング61はバルブ台座63から離れ、この時、軸受筒64と密封リング61は連動関係であるため、軸受筒64も空気抽出流路5に沿って下向きに移動し始める。この時バルブ部材6は既に開けられ、空気はインクタンク2の中に入り込みインクタンク2の内部圧力を調整し始める。
【0043】
バルブ部材6を採用する場合は、実施例1のバルブ部材6と比べると1点しか部材が増えていないが、実際は吸引器10が装着されているとそれほど大きな力がなくでも簡単に開けることができ、制御精度が向上した。
【0044】
インクカートリッジ充填装置1のその他構造や具体的な取り扱い方法について実施例1と変わらないため、ここでの説明は割愛する。
【実施例3】
【0045】
図9に示すように、実施例3と実施例1の違いは、空気注入流路4と空気抽出流路5はインクタンク2の異なる位置に別々に設けられ、しかも空気注入流路4には空気の流入を制御する逆止弁(図に未記載)が設けられている点である。このうち、当該逆止弁は空気注入口と協働して内外の圧力差に応じて開閉できる自閉弁、あるいはその他薄膜弁等である。これらはいずれも成熟した技術で、適切な構造を持つものであってもよい。ここでの説明を割愛する。空気抽出流路5は一つの密封リング61によって密封されている。当該密封リング61は大きい弾力性を持つシリカゲル製で、使用するときは、吸引器10は密封リング61を通ってインクカートリッジ12の空気を吸い込む。吸引器10を取り出した後、インクがインクタンク2から漏れ出すのを防ぐ対策として、密封リング61上の吸引器10の通った部分が弾力で自動的に閉鎖する。
実施例3は実施例1と比べ、部材の数が増えたものの、技術的ハードルが低いのは明らかである。
【0046】
インクカートリッジ充填装置1のその他構造や具体的な取り扱い方法について実施例1と変わらないため、ここでの説明は割愛する。
【0047】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0048】
1 ・・・ インクカートリッジ充填装置
2 ・・・ インクタンク
3 ・・・ インク注入流路
4 ・・・ 空気注入流路
5 ・・・ 空気抽出流路
51 ・・・ 吸引端
52 ・・・ 吸引口
6 ・・・ バルブ部材
61 ・・・ 密封リング
62 ・・・ バネ
63 ・・・ バルブ台座
7 ・・・ ストッパー
8 ・・・ スリーブ
9 ・・・ ゴム栓
10 ・・・ 吸引器
11 ・・・ 把持部
12 ・・・ インクカートリッジ
13 ・・・ インクタンク
14 ・・・ インク吐出口
15 ・・・ インク注入口
16 ・・・ 薄膜逆止弁
17 ・・・ 弾性取っ手
64 ・・・ 軸受筒
64a ・・・ 協働部
64b ・・・ スライド部