(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記1制御信号が前記発光部を消灯させる信号であるとき外部照明装置を消灯させる前記第2制御信号を外部照明装置へ伝達するよう指示することを特徴とする請求項4記載の照明装置。
前記制御部は、前記1制御信号が前記発光部を点灯させる信号であるとき外部照明装置を点灯させる前記第2制御信号を外部照明装置へ伝達するよう指示することを特徴とする請求項4または5記載の照明装置。
前記制御部は、前記1制御信号が前記発光部を点灯させる信号であるとき外部照明装置を消灯させる前記第2制御信号を外部照明装置へ伝達するよう指示することを特徴とする請求項4記載の照明装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、照明装置の制御に関しては、さらに検討すべき課題が多い。
【0005】
本発明の課題は、上記に鑑み、有用な制御が可能な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するため、本発明は、発光部と、持ち運び可能な外部リモコンからの第1制御信号を受信可能な第1受信部と、外部照明装置からの第2制御信号を受信可能な第2受信部と、第1受信部および第2受信部の受信信号に基づいて発光部を制御する制御部とを有する照明装置を提供する。これによって、照明装置同士の連携による照明が可能となる。本発明の具体的な特徴によれば、第2制御信号は、発光部を点灯させる信号または発光部を消灯させる信号である。
【0007】
本発明の他の具体的な特徴によれば、制御部は、第1受信部および第2受信部の信号受信状態および受信内容に基づいて発光部を制御する。これによって例えばリモコンの位置による第1制御信号の受信可不可や外部照明装置の状況に応じた種々の連携が可能となる。
【0008】
本発明の他の具体的な特徴によれば、制御部は、第1受信部の受信信号がない状態で第2受信部が前記第2制御信号を受信したときに発光部を消灯させる。これによってリモコンの位置により照明装置が第1制御信号の受信範囲外となったときにも不要な点灯を防止して発光部を消灯させることが可能となる。
【0009】
本発明の他の具体的な特徴によれば、制御部は、第1制御信号および第2制御信号のいずれによっても発光部を制御する。これによってリモコンの位置により照明装置が第1制御信号の受信範囲外となったときにも外部照明装置に連携して発光部を点灯または消灯させることが可能となる。
【0010】
本発明の他の具体的な特徴によれば、制御部は、第1制御信号および第2制御信号がいずれも受信され互いに異なる時は第1制御信号を優先する。これによって、これによってリモコンの位置により照明装置が第1制御信号の受信範囲内にあるときはこれを優先した制御を行うことができ、常にリモコンの近くにある照明装置の制御が優先されて遠くにある照明装置がこれに連携するよう混乱のない制御が可能となる。
【0011】
本発明の他の具体的な特徴によれば、制御部は、第2制御信号の外部照明装置への伝達を指示する。これによって、照明装置は自身の点灯および消灯制御を行うとともにこれに連携して外部照明装置を制御することができる。より具体的な特徴によれば、制御部は、1制御信号が前記発光部を消灯させる信号であるとき外部照明装置を消灯させる第2制御信号を外部照明装置へ伝達する。一方、制御部は、1制御信号が発光部を点灯させる信号であるとき外部照明装置を点灯させる第2制御信号を外部照明装置へ伝達するよう指示する。
【0012】
上記本発明の他のより具体的な特徴によれば、制御部は、リモコンからの第1制御信号が発光部を点灯させる信号であるとき外部照明装置を消灯させる第2制御信号を外部照明装置へ伝達するよう指示する。これによって、リモコン近傍の照明装置が点灯させられたとき、リモコンの受信範囲にない遠くの外部照明装置を連携消灯させることができ、リモコンの位置に応じた適切な照明装置の制御が可能となる。
【0013】
本発明の他のより具体的な特徴によれば、制御部は、第2受信部による第2制御信号の受信に応答してこれを外部照明装置に転送するよう指示する。これによって連携を連鎖させることができ、例えば広い範囲に配置された多数の照明装置を連鎖連携させることができる。
【0014】
本発明の他の具体的な特徴によれば、第2制御信号は、外部照明装置から無線で伝えられる。さらに具体的な特徴によれば、第2制御信号は、外部照明装置の照明光に含まれている。より具体的な特徴によれば、制御部は、第2制御信号を外部照明装置に伝達するため発光部を制御する。
【0015】
本発明の他の具体的な特徴によれば、第2制御信号は、外部照明装置から有線で伝えられる。さらに具体的な特徴によれば、第2制御信号は、外部照明装置から電力線通信により伝えられる。
【発明の効果】
【0016】
上記のように、本発明によれば、複数の照明装置の連携により有用な制御が可能な照明装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る照明装置の実施例を示すブロック図である。実施例は、独立に制御可能な複数のLED照明装置およびリモコンを含むが、
図1では簡単のため、第1LED照明装置2および第2LED照明装置4の二つを図示し、これと一つのリモコン6との関係を説明する。なお、第1LED照明装置2と第2LED照明装置4は天井に隣接して配置されているものとする。また、リモコン6は操作者8がこれを操作するものとする。照明装置の内部構成については第1LED照明装置2について説明し、これと同じ構成の第2LED照明装置4については、十の位と一の位が共通する百番台の番号を付し、必要のない限り個々の説明は省略する。
【0019】
第1LED照明装置2は、可視照明光11を発生する第1発光部10を有し、家庭電力線に接続される第1電源部12から給電を受けて発光する。また、第1発光部10の発光は、マイクロコンピュータ等を含む第1照明制御部14によって制御される。第1記憶部16は、第1照明制御部14の機能を実行するためのプログラムを記憶するとともに、制御に必要な種々のデータを一時記憶する。第1照明制御部14は、リモコン6の赤外通信部18からの赤外光20を受信する第1赤外通信部22からの信号に応じ、第1発光部10の発光のオン・オフおよび明るさ調節(以下「調光」と称する)を行う。
【0020】
上記のようなリモコン6による制御に加え、第1照明制御部14は、第1人感センサ24による検出信号に応答して第1発光部10の発光のオン・オフおよび調光を行う。具体的に述べると、第1人感センサ24は、人体からの赤外線23の検出により、第1発光部10の照明直下の所定範囲内における人体の存否に応じた検出信号を出力しており、第1照明制御部14は、第1人感センサ24の検出信号に基づいて第1発光部10の発光のオン・オフおよび調光を行う。第1照明制御部14はさらに、隣接する第2LED照明装置4の第2発光部110からの可視照明光111を傍受する第1受光部26の検出信号に応じ、第1発光部10の発光のオン・オフおよび調光を行う。同様にして、第2LED照明装置4の第2照明制御部114も、第1LED照明装置2の第1発光部10からの可視照明光11を傍受する第2受光部126の検出信号に応じ、第2発光部110の発光のオン・オフおよび調光を行う。
【0021】
なお、第1発光部10および第2発光部110の調光は、PWM制御によるデューティーサイクルの変化によって行われる。このとき、明るさを決める全体としてのデューティーサイクルは変わらないようにしてPWM制御の制御パルスのタイミングを変更することで第1発光部10または第2発光部110からの可視照明光11または111に制御情報を乗せる。第1受光部26または第2受光部126は、それぞれ、上記のようにして制御情報が乗った相手側の可視照明光111または11を傍受し、制御情報を検出する。このような可視照明光による相互制御情報のやりとりの詳細は後述する。なお、第1発光部10または第2発光部110が消灯するタイミングで制御信号を送信する必要があるときは、第1発光部10または第2発光部は消灯に先立って可視照明光11または111を乗せた短時間発光を続け、その後消灯する。
【0022】
リモコン6は、オンオフ操作部28の制御に基づきリモコン制御部30が赤外通信部18に照明装置のオンオフを行うための赤外光20を送信させる。また、リモコン制御部30は、調光操作部32の操作に基づき、赤外通信部18に照明装置の調光を行うための赤外光を送信させる。さらに、リモコン制御部30は、指示操作部34の操作に基づき、赤外通信部18に点灯状態変更の指示を行うための赤外光を送信させる。上記の制御において、各照明装置はそれぞれ異なったチャンネルが設定可能となっており、赤外通信部18からチャンネル指定情報を含む赤外光を送信することで、各照明装置を個別に制御できるようになっている。
【0023】
以上のような構成における
図1の状態における操作者等の位置について説明すると、操作者8は第2LED照明装置4の第2人感センサ124に感知される位置にあるとともに、操作者8が操作するリモコン6からの赤外光20は、それぞれ第1LED照明装置2の第1赤外通信部22および第2LED照明装置4の第2赤外通信部122によって検知される位置にある。なお、操作者8は、第1LED照明装置2の第1人感センサ24に感知される位置にない。一方、同室者36は、第1LED照明装置2の第1人感センサ24に感知されるとともに第2LED照明装置4の第2人感センサ124には感知されない位置にいる。
【0024】
次に、上記の状態における点灯制御について説明する。まず、人感部分点灯モードにおいて、操作者8がオンオフ操作部28による照明装置のオン操作を行うと、リモコン6からの赤外光20が第2LED照明装置4の第2赤外通信部122によって検知され、さらに第2人感センサ124が操作者8を感知するので第2照明制御部114は第2発光部110を点灯させる。一方、リモコン6からの赤外光20は第1LED照明装置2の第1赤外通信部22によっても検知されるとともに、第1人感センサ24が同室者36を感知するので第1照明制御部14は第1発光部10を点灯させる。ここで、仮に同室者36がいないとすると、リモコン6からの赤外光20は第1LED照明装置2の第1赤外通信部22によっても検知されるが、第1人感センサ24による感知がないので第1照明制御部14は第1発光部10を点灯させない。以上のようにして、人感部分点灯オードにおける第1照明制御部14および第2照明制御部114は、リモコン6からの赤外光20、および人体からの赤外線23および123の検出状況に基づいてそれぞれ第1発光部10および第2発光部の点灯または消灯を制御する。なお、上記の説明においては、第1受光部26および第2受光部126における可視照明光による相互制御情報のやりとりに基づく制御機能は省略している。
【0025】
図2から
図5は、6つの照明装置2、4、40、42、44、46を天井に配置するとともに、これを一つのリモコン6で制御する場合の種々の制御状況を説明する点灯状況ブロック図である。なお、各照明装置の構成は、
図1と同様であるが、
図2から
図5においては、人感センサ24、124などの機能なしに点灯制御する単純制御モードについて説明するので、これら人感センサの図示を省略している。さらに、各受光部および各赤外通信部の検知と各発光部の点灯または消灯の因果関係を結論的に説明するので、これを仲介制御する各制御部についても図示を省略している。
【0026】
上記の前提に基づき、
図2から
図5では、リモコン6からの赤外光20の検知可能範囲および可視照明光による相互制御情報のやりとりによる制御について説明する。なお、
図2から
図5において太線で示したブロックの発光部は発光中であることを示し、細線で示したブロックの発光部は消灯中であることを示す。また白抜き実線の太矢印および各ブロック間の実線矢印は、発光部が点灯する由来となった制御信号の流れを示す。一方、白抜き破線の太矢印および各ブロック間の破線矢印は、発光部が消灯する由来となった制御信号の流れを示す。さらに、白矢印の中の丸印内数字は、原因と結果が連鎖している時の連鎖順を示す。また、各ブロックにおいて煩雑を避けるため、LED照明装置内の各ブロックの番号は説明に必要がない限り省略する。
【0027】
まず、
図2は単純独立モードにおける点灯状況ブロック図である。単純独立モードとは、人感センサを関与させず、なおかつ赤外通信部18からは、チャンネルを指定した赤外光20が送信されるモードである。
図2では、第2LED照明装置4を指定する赤外光20が送信されている例を示しており、赤外光20の到達範囲にあって自チャンネルを指定する赤外光20を検知した第2赤外通信部122の出力に基づいて、第2発光部110が点灯している。第1赤外通信部22および第3赤外通信部222も同じ赤外光20の到達範囲にありこれを受光しているが、自分のチャンネルが指定されていないので、第1発光部10および第3発光部210を発光させることはない。さらに、第4赤外通信部322、第5赤外通信部422および第6赤外通信部522は、そもそも赤外光20の受光範囲内にないので。第4発光部310、第5発光部410および第6発光部510を点灯させることはない。
【0028】
図3は連携全灯制御モードにおける点灯状況ブロック図である。連携全灯制御モードとは、各LED照明装置を連携または連鎖させることにより、リモコン6をどの位置で操作して赤外光20を送信したとしても、全ての各LED照明装置が連携して点灯または消灯するモードである。
図3では点灯制御する場合について説明するが、消灯制御の場合も同様である。また、リモコン6の位置は、
図2と同様にして第1赤外通信部22、第2赤外通信部122および第3赤外通信部222が、同じ赤外光20の到達範囲にあるとする。また、連携全灯制御モードにおける赤外光は全LED照明装置に共通に設定された連携チャンネルにより送信される。この連携チャンネルはいずれかのLED照明装置の指定チャンネルと重複していてもよい。このようにして、各LED照明装置はモードに応じ自チャンネルまたは連携チャンネルの指定に応答して制御されることになるが、連携全灯制御モードでは、連携チャンネルに応答するよう設定される。
【0029】
以上の前提において、連携チャンネルにおいて赤外光20が送信されると、連鎖順(1)に示すように、まず赤外光20の到達範囲にある第1赤外通信部22、第2赤外通信部122および第3赤外通信部222がこれを検知し、第1発光部10、第2発光部110および第3発光部210をそれぞれ点灯させる。なお、このとき連鎖順(2)で示すように、第1発光部10からの可視光11、第2発光部110からの可視光111、211および第3発光部210の可視光311は互いに隣り合う第1受光部26、第2受光部126および第3受光部226でそれぞれ受信され、この結果、隣り合うLED照明装置が相互に受信しあうことによって、それぞれ第1発光部10、第2発光部110、第3発光部210およびを発光させる制御を行う。但し、LED照明装置が既にそれぞれ赤外光20の受信により正常に点灯している限り、上記可視光通信での制御によっては何も起こらない。
【0030】
しかしながら、万一、第1赤外通信部22、第2赤外通信部122および第3赤外通信部222のいずれかに故障があって点灯が行われなければ、フェイルセーフ機能として上記の可視光通信による相互制御により点灯が可能となる。例えば、第2赤外通信部122が故障しているとするとリモコン6から第2LED照明装置4への赤外光20による(1)の制御では点灯が不可能となる。しかし、このときリモコン6から第1LED照明装置2または第3LED照明装置40への(1)の制御およびこれに連鎖する第1LED照明装置2または第3LED照明装置40から第2LED照明装置4への可視光11または311による(2)の制御に基づいて第2LED照明装置4が点灯する。
【0031】
また、上記のように、第2LED照明装置4への可視光通信による(2)の連鎖は、両隣で生じるので、上記において、さらに第1LED照明装置2の第1発光部10が点灯しないという深刻な故障があったとしても、リモコン6から第3LED照明装置40への(1)の制御およびこれに連鎖する第3LED照明装置40から第2LED照明装置4への可視光311による(2)の制御がフェイルセーフとして機能し、第2LED照明装置4を点灯させることは可能である。なお、
図3に基づく上記の説明では、第2LED照明装置4とこの両隣の第1LED照明装置2と第3LED照明装置との関係のみに言及したが、一般には、例えばLED照明装置がマトリクス状に配置されている場合、基本的にそれぞれ隣接する4方の4経路、辺のLED照明装置では3経路、角のLED照明装置では2経路の複数のフェイルセーフ経路が成立することになる。さらに、上記では、簡単のため、隣り合わせのLED照明装置間の通信についてのみ説明したが、実際には、可視光通信による相互制御は、それぞれの発光部の直接および間接の照明範囲において充分な光強度が確保できる限り、互いに離れたLED照明装置間でも可能なので、フェイルセーフ経路はさらに多くなる。
【0032】
次に、第4LED照明装置42、第5LED照明装置44および第6LED照明装置46の点灯制御について説明する。上記のように、モコン6から第1LED照明装置2または第3LED照明装置40への(1)の制御により第1発光部10および第3発光部210が点灯するので、その照明範囲にある隣接する第4LED照明装置42および第6LED照明装置46に対し、それぞれ可視光411および511で示す(2)の制御が連鎖する。これによって、第1発光部10および第3発光部210の可視光を傍受する第4受光部326および第6受光部526がそれぞれ第4発光部310および第6発光部410を点灯させる。この点灯に連鎖して、さらに第4LED照明装置42または第6LED照明装置46から第5LED照明装置44に対し、可視光611および711で示す(3)の制御が成立し、第4発光部310の可視光611または第6発光部410の可視光711を傍受する第5受光部426が第5発光部410を点灯させる。この場合も、第5発光部410の点灯に至る経路は2つあり、互いにフェイルセーフ経路として機能する。
【0033】
図4および
図5は、連携部分制御モードにおける点灯状況ブロック図であり、
図4では第1部分が点灯している状態を示し、
図5では点灯部分を第2部分に変更した状態を示す。この点灯部分の変更は、リモコン6を操作する位置を変えることにより可能となり、基本的に操作されるリモコン6の近辺にあるLED照明装置が点灯するとともにリモコンから離れているLED照明装置は消灯する。
【0034】
まず
図4の状態について説明する。
図4の状態では、リモコン6を持った操作者が第1LED照明装置2、第2LED照明装置4および第3LED照明装置40の近傍にいるものとする。この状態でリモコン6が操作され、連携部分制御モードにおいて連携チャンネルで赤外光20が送信されると、その到達範囲にある第1赤外通信部22、第2赤外通信部122および第3赤外通信部222がこれを検知し、第1発光部10、第2発光部110および第3発光部210をそれぞれ点灯させる。連携部分制御モードにおいては点灯制御の連鎖はないので、以上で制御が終了する。因みに、LED照明装置の点灯により、赤外光20の到達範囲外で既に点灯しているLED照明装置を消灯させるための可視光による連携が生じるが、
図4では該当するLED照明装置がないので、このような連鎖については
図5で説明する。
【0035】
なお、
図4の状態では、リモコン6を持った操作者が第4LED照明装置42、第5LED照明装置44および第6LED照明装置46から離れており、第4赤外通信部322、第5赤外通信部422および第6赤外通信部522は、そもそも赤外光20の受光範囲内にないので、連携チャンネルでリモコン6が操作されても、第4発光部310、第5発光部410および第6発光部510が点灯することはない。
【0036】
次に、
図4の状態から操作者8が第1LED照明装置2、第2LED照明装置4および第3LED照明装置40を離れ、第4LED照明装置42、第5LED照明装置44および第6LED照明装置46の近傍に移動してリモコン6により点灯操作を行ったものとする。
図5はこの操作の結果の点灯状態を示す。この点灯操作により、連携部分制御モードにおいて連携チャンネルで連鎖順(1)に示すような赤外光20が送信されると、その到達範囲にある第4赤外通信部322、第5赤外通信部422および第6赤外通信部522がこれを検知し、第4発光部310、第5発光部410および第6発光部510をそれぞれ点灯させる。点灯に関する連鎖はこれで終了するが、
図4では、第1LED照明装置2、第2LED照明装置4および第3LED照明装置40が点灯していたのでこれらを消灯させる連鎖が生じる。
【0037】
具体的に述べると、第4発光部310および第6発光部510の点灯により、連鎖順(2)で示すように、第4発光部10からの可視光811および第6発光部510からの可視光911による連携消灯信号がそれぞれ隣り合う第1受光部26および第3受光部226でそれぞれ受信される。そして、第1発光部10および第3発光部は、これまで
図4のように点灯しておりかつ連携消灯信号受信時においてリモコン6からの点灯信号を赤外通信部22および222が受光していないので、この条件成立により、それぞれ消灯する。なお、第1発光部10および第3発光部は、消灯に先立ち、第1受光部26および第3受光部226が検知した連携消灯信号を連鎖順(3)で示すように連携消灯信号に基づき中継発光する。これらの連携消灯信号はいずれも隣り合う第2受光部126で受信検知され、第2発光部110は、
図4のようにこれまで点灯しておりかつ消灯信号受信時においてリモコン6からの点灯信号を赤外通信部122が受光していないので、この条件成立により消灯する。以上により、第4発光部310、第5発光部410および第6発光部510(第1部分)の点灯に連鎖して、これまで点灯していた第1LED照明装置2、第2LED照明装置4および第3LED照明装置40(第2部分)が連携消灯する。また、このような消灯連携信号についても、
図3の連携全灯制御モードの説明で述べたような複数経路による連鎖(例えば
図5における第2発光部の消灯経路)が生じるのでそれぞれの経路が互いにフェイルセーフとして機能する。
【0038】
上記の
図4および
図5の説明は、簡単のため、第1部分と第2部分が隣接しており、かつ可視光通信が隣接するLED照明装置間で行われることを前提に説明した。しかしながら、連携は旧点灯部分と新点灯部分が隣接している場合に限らない。上記実施例によれば、消灯連携信号を受けたLED照明装置で消灯中のものは、中継目的で短期間点灯する。この点灯の総エネルギーは弱いので人間の目には感知されない。これによって、消灯しているLED照明装置が経路の途中に介在していても消灯連携信号は順次連鎖し、点灯しているLED照明装置に至ってこれを消灯させる。なお、
図3の連携全灯制御モードの説明で述べたように、それぞれの発光部の直接および間接の照明範囲において充分な光強度が確保できる場合は、隣り合わせのLED照明装置間に限らず、互いに離れたLED照明装置間でも可視光通信が可能となる。従って、このような場合の消灯連携信号は、消灯しているLED照明装置が経路の途中に介在していても、その中継なしに直接、あるいは適宜中継を省略して、点灯しているLED照明装置に至り、これを消灯させることができる。
【0039】
図6は、
図2から
図6に示した第1LED照明装置2から第6LED照明装置46における相互可視光通信のタイミング図である。
図6(A)は、各LED照明装置に共通に電源供給を行っている交流電力線の50Hzまたは60Hzから生成された基準タイミング信号であり、例えばt1、t9に示すその立ち上がりにより各LED照明装置における可視光通信のタイミング合わせが行われる。
図6(B)から
図6(G)は、それぞれ第1LED照明装置2から第6LED照明装置46に対して基準タイミング信号を元に割り当てられる送信および受信タイミングを示している。
【0040】
図6においてt1からt8までが通信に割り当てられる時間帯であり、t8からt9が調光のためのPWM制御に充てられる時間帯である。つまり、t8からt9の時間帯においてPWM制御を行い、そのデューティーサイクルを変化させることにより調光が行われる。一方、t1からt8の時間帯においては、各LED照明装置は基本的に非発光状態にあり、その受光部が他のLED照明装置からの通信用可視光を受信できるよう待機している。そして、それぞれのLED照明装置に割り当てられた時間帯でのみオンオフ制御されて通信用可視光を発信する。
【0041】
具体的には、
図6(B)は、第1LED照明装置2のタイミング図であり、時間帯t2からt3の間が通信用可視光を発信可能な送信時間帯であり、この時間帯において他のLED照明装置は非発光状態にあって第1LED照明装置2からの通信用可視光を受信するよう待機している。また、第1LED照明装置2はt1からt2およびt3からt8の時間帯は非発光状態にあって他のLED照明装置2からの通信用可視光を受信するよう待機する。同様にして、
図6(C)は、第2LED照明装置4のタイミング図であり、時間帯t3からt4の間が送信時間帯で、他は非発光待機時間帯である。
図6(D)から
図6(G)はそれぞれ、第3LED照明装置40から第6LED照明装置46のタイミング図であるが、上記と同様にして理解できるので説明は省略する。
【0042】
上記
図6においては、説明の便のため、t1からt8の時間帯が比較的大きくなるよう図示しているが、実際には、t1からt8の時間帯に対するt8からt9の時間帯の割合を適宜大きくすることでデューティーサイクルの最大値を大きくし、PWM制御による調光のダイナミックレンジを広げることができる。
【0043】
以上では説明の便のため、
図1において、リモコン6からの赤外光20、および人体からの赤外線23および123の検出状況に基づく制御について述べるとともに、
図2から
図6では、リモコン6からの赤外光20および可視照明光による相互制御情報のやりとりによる制御について述べる形で説明を分けた。したが、実際には、これらを組合せ、リモコン6からの赤外光20の検知、人体からの赤外線23および123の検出、および可視照明光による相互制御情報のやりとりに基づいて種々の制御を行うことが可能である。
【0044】
本発明の実施にあたっては、上記の実施例に限らず、本発明の利点を享受できる限り、他の種々の実施例において本発明を実施することができる。例えばLED照明装置間の連携のための相互通信は、上記実施例に示したような可視光通信に限らず、互いの間の有線通信によっても可能である。また有線通信としては各LED照明装置の電源部に電力を供給している電力線を通じた電力線通信を採用することもできる。