(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5719622
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】スティック型インスタント飲料
(51)【国際特許分類】
B65D 77/00 20060101AFI20150430BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
B65D77/00 J
B65D77/04 E
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-24483(P2011-24483)
(22)【出願日】2011年2月7日
(65)【公開番号】特開2012-162299(P2012-162299A)
(43)【公開日】2012年8月30日
【審査請求日】2013年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】504149041
【氏名又は名称】三隅 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100102266
【弁理士】
【氏名又は名称】舩坂 俊昭
(72)【発明者】
【氏名】三隅 龍一
【審査官】
結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−164964(JP,A)
【文献】
実開平06−009489(JP,U)
【文献】
特開2001−204453(JP,A)
【文献】
特開2000−325020(JP,A)
【文献】
実開昭50−153283(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/00
B65D 77/04
A47J 31/06
A23L 2/00
A23L 2/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末珈琲・紅茶などの飲料粉末主材と、砂糖・ミルクなどの飲用時粉末添加材を外包装体に収容してスティック型に構成するインスタント飲料であって、
前記飲用時粉末添加材は、粉末添加材毎に水に溶解可能な包装体に収容されて前記外包装体に複数個格納されており、前記飲料粉末主材を収容しているステイック型外包装体は、前記粉末添加材を収容した包装体を同一内容物毎に順次格納してなるスティック型インスタント飲料。
【請求項2】
前記外包装体は、スティック上端および下端に破断可能な切断誘導切り込みを形成している請求項1記載のスティック型インスタント飲料。
【請求項3】
前記外包装体には、包装体に収容する飲用時粉末添加材の種類および前記包装体に収容する粉末添加材の収容量を記載していることを特徴とする請求項1または2記載のスティック型インスタント飲料。
【請求項4】
前記スティック型インスタント飲料は外包装体の上端・下端のいずれか、または両方を前記切断誘導切り込みを破断して開封したとき、収容されている飲料粉末主材、および粉末添加材を収容する包装体が開口から落下可能であるとともに、前記粉末添加材を収容する包装体を外包装体上から押圧して落下を阻止することにより、落下させる粉末添加材の種類・個数を選択できることを特徴とする請求項1ないし3記載のスティック型インスタント飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、珈琲、紅茶等インスタント飲料粉末主材及び砂糖、ミルク等飲用時粉末添加材を
一包として構成し、とくに飲用時粉末添加材をカプセル単位包装化することで飲用者嗜好に適した量を片手で摘まみながら投入調合可能とする携帯型インスタント飲料に関わる。
【背景技術】
【0002】
珈琲、紅茶等を簡易的作成製法により飲む場合、公知である防湿処理等を為された紙製またはアルミフィルム等のスティック状の包装内に格納された粉末珈琲、紅茶などのインスタント飲料粉末主材と飲用者嗜好に合わせて前記同等の個別包装による砂糖、ミルク等の飲用時粉末添加材をカップ内等に追加投入混合し最適飲用状態とすることが一般的である。
【0003】
しかし、インスタント飲料粉末主材と飲用時粉末添加材が別包となっている為、インスタント飲料本来の携帯性を疎外していた。また、投入後の粉末残によるテーブルへの散乱やスティック包装廃材の処理には多くの手数がかかることに重ね、各包材がそれぞれの専用メーカーであることから材質、カロリー、嗜好的状態を主材の特色を活かせる最良の選択が出来ない等、供給側・飲用者側双方に品質、工数、心理的負担がかかる問題点があった。
【0004】
この改善策としてインスタント飲料粉末主材と飲用時粉末添加材を混合して
一包にされた所謂混合製品が公知であるが、嗜好性を重要視する飲用者からは出来あい製品として敬遠されることとなり、またインスタント飲料粉末主材と飲用時粉末添加材の量を調整することは不可能となっていた。このような問題点を改善することを目的として、特開平7−52972号公報(特許文献1)に表面に複数の透孔を形成した筒状の外ケースと、中にコーヒー豆を挽いて得たコーヒー粉,紅茶等の飲料用原料を収容したメッシュ,不織布等からなる中袋の構成をとり砂糖、ミルクはケース内格納されキャップを外し添加する構成が開示されている。
しかし、このインスタント飲料も飲料粉末主材と飲用時粉末添加材の最適量を飲用者意思により選択する余地はなく飲用までに手数がかかる等問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−52972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題を解決すべく、粉末タイプのインスタント飲料を飲む時、飲料粉末主材と複数分包した粉末添加材を
一包化包装することにより、包装の簡略化と嗜好に合わせた砂糖、ミルクなどの添加材量の混合を可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスティック型インスタント飲料は、インスタント飲料粉末主材と飲用時粉末添加材を
一包化すると共に、内包される飲用時粉末添加材はさらに定量毎に包装体(ハードカプセル)に封入されて複数個収容される構成を具備している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の片手2指動作で開封できるスティック型インスタント飲料は、飲用者嗜好に適した飲料粉末添加材料の混合を可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態例を図面を参照して詳述する。
図1は本発明の概念図である。
本発明は珈琲、紅茶等インスタント飲料粉末主材1.2及び砂糖、ミルク等飲用時粉末添加材1.3,1.4,1.5を外包装
体1.1内に収容してスティック形状としている。外包装
体1.1は周知である防湿処理等を施した紙製またはアルミフィルム等で形成する。
外包装
体1.1の下端縁には、鋏などの切断用具を用いることなく切断可能な切断誘導切込み1.6を配設し、上端縁にも同様な切断誘導切込み1.7を配設している。
【0011】
砂糖、ミルクなどの飲用時粉末添加材1.3,1.4,1.5は定量ずつ包装体(以後ハードカプセルという)に封入(収納)されている。粉末状で外包装
体1.1に収容されているインスタント飲料粉末主材1.2と、包装体(ハードカプセル)2に封入されている複数の飲用時粉末添加材1.3,1.4,1.5は、カプセルにより完全に区画され、各材同志の匂いの移行及び粉末の混入・変質を防止している。
ハードカプセル2の材質については医用薬剤に使用される動物性ゼラチン、植物性トウモロコシを原料プルラン、針葉樹や綿などの繊維を原料としたセルロース誘導体HPMC植物性が望ましい。HPMCは高価であるが乾燥状態での割れに強く、特に好ましい。食品安全性については薬剤仕様の規格品を使用することにより障害は極めて少ない。また、ハードカプセルはインスタント飲料作成時の適温水に溶解可能な素材である。
【0012】
図1、
図3、
図4はスティック型インスタント珈琲包装内にグラニュー糖1.3を500mg封入したハードカプセル2個,グラニュー糖1.4を500mg封入したハードカプセル2個、粉ミルク1.5を500mg封入したハードカプセル2個を順次格納した例を示す。
上記のように、飲用時粉末添加材1.3〜1.5は定量ずつカプセル2に格納されている。
図2に示す如く、外包装
体1.1表面に前記各材の収納グラム数やカロリー数2.1〜2.3等を正確に明記することにより、飲用者の嗜好や健康状態に合わせて使用量を適正化することが可能となる。
【0013】
次に実際の使用方法を
図5、
図6、
図7、
図8により順次説明する。
各図は珈琲スティック包装を例としているが、本発明は飲料粉末主材、飲用時粉末添加材の種類、カプセル数、カプセル内格納容量を限定するものではない。以下飲料粉末主材としてインスタント珈琲を使用する例を示す。
【0014】
図5は飲用者が珈琲のみを嗜好する、所謂ブラック派の使用を示す。
先ず、スティック下端縁の切断誘導切込み1.6を切断して外包装
体1.1を開封する。片手2指動作で、例えば親指と人差し指で、最下部に位置する添加材1.3を外包装
体1.1上から押圧しながら、スティックを上下動作する。この動作により最下部の添加材1.3は指圧により落下することなく、添加材1.3より下部に収容されている粉末主材(珈琲粉)1.2が落下する。
このように、外包装
体1.1に内包した飲料粉末主材1.2である珈琲のみをカップ1.8等に投下して熱湯を注ぐことで、ブラック派嗜好珈琲飲料とする。
【0015】
図6は飲用者が珈琲と少量の砂糖を嗜好する、所謂甘味抑え派の使用を示す。
スティック下端を開封した後、右手親指と人差し指などによる片手2指による動作で、外包装
体1.1上から、下から2番目に位置する添加材1.4を押圧しながらスティックを上下動作し、外包装
体に内包した飲料粉末主材珈琲1.2と最下部に位置する飲用時粉末添加材である砂糖(500mg)カプセル1.3をカップ1.8等に投下して熱湯を注ぐことで、甘味抑え派嗜好珈琲飲料とする。
【0016】
図7は飲用者が珈琲と通常の砂糖を嗜好する所謂一般派の使用を示す。
スティック下端を開封した後、片手親指と人差し指などの2指動作で外包装
体1.1上から、粉ミルクなどの粉末添加材1.5を押圧しながらスティックを上下動作し外包装
体1.1に内包した飲料粉末主材珈琲1.2と、飲用時粉末添加材である砂糖カプセル(500mg)1.3および砂糖カプセル(500mg)1.4を、カップ1.8等に投下して熱湯を注ぐことで、一般派嗜好珈琲飲料とする。
【0017】
図8は飲用者が珈琲とミルクのみを嗜好する所謂ミルクのみ入れる場合を示す。
図5で説明したように片手2指動作で珈琲粉のみをカップに落下させた後、スティック上端縁の切断誘導切込み1.7よりスティックを切断して開封する。外包装
体1.1を上下逆として、投入しない砂糖カプセル(飲用添加材)1.4を押圧しながらスティックを上下動作し外包装
体に内包した上端に近い飲料粉末添加材1.5であるミルクのみをカップ1.8等に落下させて熱湯を注ぐことで、ミルクのみ入れる派嗜好珈琲飲料とする。
【0018】
前記
図5、
図6、
図7、
図8に示す使用法に関わらず、本発明の珈琲スティック(外包装
体1.1)の誘導切込み1.6を切断し、収容材の全量をカップ1.8等に投入することは勿論可能である。
本発明の飲用時粉末添加材は定量毎に1以上のハードカプセルに封入されているので、カップ1.8等への各飲用時粉末添加材投入の際、
図2に示す外包装
体収容内容に従い、各ハードカプセルを希望量選択することにより飲用者の目的に沿った飲料を作ることが可能であり、嗜好、健康面へのより細やかな配慮を達成できる。
【0019】
図2に示す外包装
体の表面に記載する内容は一例であり、記述内容を限定するものではない。
さらに、スティック状外包装
体1.1に収容する飲料粉末主材1.2の量、粉末添加材収容量、およびカプセルの個数は、上記形態例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0020】
1.1 外包装
体
1.2 飲料粉末主材
1.3 飲用時粉末添加材
1.4 飲用時粉末添加材
1.5 飲用時粉末添加材
1.6 切断誘導切り込み
1.7 切断誘導切り込み
1.8 カップ