【実施例】
【0030】
実施例1
糖分18重量%からなる黒色の糖蜜アルコール発酵蒸留残渣(日本アルコール産業株式会社製)の液体品5Lを80℃に加熱してケイソウ土ろ過を行った。
その後、分画分子量5千の限外ろ過膜(ダイセル化学工業(株)製、NADIRスパイラル型モジュール、型番:UP005、膜材質:ポリエーテルサルホン)で限外ろ過を実施して黄色の膜透過液3.3Lを得た。この膜透過液の糖分の組成を分析したところ、プソイドフルクトースの純度は75.6%であった。
その後、カルシウム型の強酸性陽イオン交換樹脂:アンバーライトCR1310(ロームアンハース社製)1.13Lを充填したカラム(カラム内径20mm、高さ90cm、4本)からなる擬似移動層方式クロマト分離装置(オルガノ社製)を用いて、充填カラム内温度60℃で濃縮膜透過液を原液として、原液供給量:0.080L、水供給量:0.490L、プソイドフルクトース区分液抜取量(吸着質画分):0.287L、その他糖区分液抜取量(非吸着質画分):0.287L、循環量:0.903L、1サイクルあたりの時間:0.71Hの条件で運転した。
定常状態において抜き出された吸着質画分のプソイドフルクトースの純度は96.1%であった。回収率は95.5%であった。
本明細書の実施例および比較例において、プソイドフルクトースの組成の分析は、純度99.2%のD−プソイドフルクトースの試薬(東京化成工業(株)製品)を標準物質として下記の条件で実施した。
使用機器:ダイネクスHPAEC−PAD:DX−500、カラム:CarboPac PA−20カラム、溶離条件:10mM NaOH(0.4mL/min)
ポストカラムシステム:ポストカラムサプレッサー 300mM NaOH
他に純度98%以上のグルコース、スクロース、フラクトースの試薬を標準物質として同様に分析した。分析の結果、各糖の溶出順序は、グルコース(RT:11.2 min)、スクロース(RT:12.7 min)、フラクトース(RT:14.5 min)、プソイドフルクトース(RT:18.0 min)であった。
【0031】
実施例2
糖分18重量%からなる黒色の糖蜜アルコール発酵蒸留残渣の液体品(日本アルコール産業株式会社製)5Lを80℃に加熱してケイソウ土ろ過を行った。
その後、分画分子量1000に相当するナノろ過膜(コーク社製、スパイラル型モジュール、型番:MPS−36)で、水を補給しながらナノろ過膜処理を実施して淡黄色の膜透過液2.5Lを得た。この膜透過液の糖分の組成を分析したところ、プソイドフルクトースの純度は79.6%であった。
その後、カルシウム型の強酸性陽イオン交換樹脂:アンバーライトCR1310(ロームアンハース社製)1.13Lを充填したカラム(カラム内径20mm、高さ90cm、4本)からなる擬似移動層方式クロマト分離装置(オルガノ社製)を用いて、充填カラム内温度60℃で濃縮膜透過液を原液として、原液供給量:0.080L、水供給量:0.490L、プソイドフルクトース区分液抜取量(吸着質画分):0.287L、その他糖区分液抜取量(非吸着質画分):0.287L、循環量:0.903L、1サイクルあたりの時間:0.71Hの条件で運転した。
定常状態において抜き出された吸着質画分のプソイドフルクトースの純度は98.1%であった。回収率は96.5%であった。
【0032】
実施例3
糖分18重量%からなる黒色の糖蜜アルコール発酵蒸留残渣の液体品(日本アルコール産業株式会社製)5Lを80℃に加熱してケイソウ土ろ過を行った。
その後、分画分子量10万の限外ろ過膜(ダイセル化学工業(株)製、スパイラル型モジュール、型番:US100、膜材質:ポリサルホン)で、水を補給しながら限外ろ過膜処理を実施して黒色の膜透過液3.8Lを得た。この膜透過液の糖分の組成を分析したところ、プソイドフルクトースの純度は73.5%であった。
その後、カルシウム型の強酸性陽イオン交換樹脂:アンバーライトCR1310(ロームアンハース社製)1.13Lを充填したカラム(カラム内径20mm、高さ90cm、4本)からなる擬似移動層方式クロマト分離装置(オルガノ社製)を用いて、充填カラム内温度60℃で濃縮膜透過液を原液として、原液供給量:0.080L、水供給量:0.490L、プソイドフルクトース区分液抜取量(吸着質画分):0.287L、その他糖区分液抜取量(非吸着質画分):0.287L、循環量:0.903L、1サイクルあたりの時間:0.71Hの条件で運転した。
定常状態において抜き出された吸着質画分のプソイドフルクトースの純度は97.9%であった。回収率は96.1%であった。
【0033】
実施例4
黒色の黒糖アルコール発酵蒸留残渣の液体品(奄美大島産)を固形分30%になるように水を加えて5Lに調製し、80℃に加熱してケイソウ土ろ過を行った。
その後、分画分子量3万の限外ろ過膜(ダイセル化学工業(株)製、NADIRスパイラル型モジュール、型番:UP030、膜材質:ポリエーテルサルホン)で限外ろ過を実施して黒褐色の膜透過液3.3Lを得た。この膜透過液の糖分の組成を分析したところ、プソイドフルクトースの純度は65.3%であった。
その後、カルシウム型の強酸性陽イオン交換樹脂:アンバーライトCR1310(ロームアンハース社製)1.13Lを充填したカラム(カラム内径20mm、高さ90cm、4本)からなる擬似移動層方式クロマト分離装置(オルガノ社製)を用いて、充填カラム内温度60℃で濃縮膜透過液を原液として、原液供給量:0.080L、水供給量:0.490L、プソイドフルクトース区分液抜取量(吸着質画分):0.287L、その他糖区分液抜取量(非吸着質画分):0.287L、循環量:0.903L、1サイクルあたりの時間:0.71Hの条件で運転した。
定常状態において抜き出された吸着質画分のプソイドフルクトースの純度は95.6%であった。回収率は96.7%であった。
【0034】
実施例5
糖分18重量%からなる黒色の糖蜜アルコール発酵蒸留残渣の液体品(日本アルコール産業株式会社製)5Lを80℃に加熱してケイソウ土ろ過を行った。
その後、分画分子量180に相当するナノろ過膜(ダイセル化学工業(株)製、スパイラル型モジュール、型番:NP030、膜材質:ポリエーテルサルホン)で、水を補給しながらナノろ過膜処理を実施して淡黄色の膜透過液1.5Lを得た。この膜透過液の糖分の組成を分析したところ、プソイドフルクトースの純度は85.3%であった。
その後、カルシウム型の強酸性陽イオン交換樹脂:アンバーライトCR1310(ロームアンハース社製)1.13Lを充填したカラム(カラム内径20mm、高さ90cm、4本)からなる擬似移動層方式クロマト分離装置(オルガノ社製)を用いて、充填カラム内温度60℃で濃縮膜透過液を原液として、原液供給量:0.080L、水供給量:0.490L、プソイドフルクトース区分液抜取量(吸着質画分):0.287L、その他糖区分液抜取量(非吸着質画分):0.287L、循環量:0.903L、1サイクルあたりの時間:0.71Hの条件で運転した。
定常状態において抜き出された吸着質画分のプソイドフルクトースの純度は98.7%であった。回収率は97.5%であった。
【0035】
実施例6
糖分18重量%からなる黒色の糖蜜アルコール発酵蒸留残渣(日本アルコール産業株式会社製)の液体品3Lと、固形分20%になるように調製した黒色の黒糖アルコール発酵蒸留残渣の液体品(奄美大島産)2Lを混合してから80℃に加熱してケイソウ土ろ過を行った。
その後、分画分子量5千の限外ろ過膜(ダイセル化学工業(株)製、NADIRスパイラル型モジュール、型番:UP005、膜材質:ポリエーテルサルホン)で限外ろ過を実施して黄色の膜透過液3.2Lを得た。この膜透過液の糖分の組成を分析したところ、プソイドフルクトースの純度は69.1%であった。
その後、カルシウム型の強酸性陽イオン交換樹脂:アンバーライトCR1310(ロームアンハース社製)1.13Lを充填したカラム(カラム内径20mm、高さ90cm、4本)からなる擬似移動層方式クロマト分離装置(オルガノ社製)を用いて、充填カラム内温度60℃で濃縮膜透過液を原液として、原液供給量:0.080L、水供給量:0.490L、プソイドフルクトース区分液抜取量(吸着質画分):0.287L、その他糖区分液抜取量(非吸着質画分):0.287L、循環量:0.903L、1サイクルあたりの時間:0.71Hの条件で運転した。
定常状態において抜き出された吸着質画分のプソイドフルクトースの純度は97.1%であった。回収率は96.9%であった。
【0036】
実施例7
糖分18重量%からなる黒色の糖蜜アルコール発酵蒸留残渣(日本アルコール産業株式会社製)の液体品5Lを80℃に加熱してケイソウ土ろ過を行った。
その後、分画分子量5千の限外ろ過膜(ダイセル化学工業(株)製、NADIRスパイラル型モジュール、型番:UP005、膜材質:ポリエーテルサルホン)で限外ろ過を実施して黄色の膜透過液3.3Lを得た。この膜透過液の糖分の組成を分析したところ、プソイドフルクトースの純度は75.6%であった。
その後、分画分子量180に相当するナノろ過膜(ダイセル化学工業(株)製、スパイラル型モジュール、型番:NP030、膜材質:ポリエーテルサルホン)で、水を補給しながらナノろ過膜処理を実施して淡黄色の膜透過液1.2Lを得た。この膜透過液の糖分の組成を分析したところ、プソイドフルクトースの純度は88.3%であった。
その後、カルシウム型の強酸性陽イオン交換樹脂:アンバーライトCR1310(ロームアンハース社製)1.13Lを充填したカラム(カラム内径20mm、高さ90cm、4本)からなる擬似移動層方式クロマト分離装置(オルガノ社製)を用いて、充填カラム内温度60℃で濃縮膜透過液を原液として、原液供給量:0.080L、水供給量:0.490L、プソイドフルクトース区分液抜取量(吸着質画分):0.287L、その他糖区分液抜取量(非吸着質画分):0.287L、循環量:0.903L、1サイクルあたりの時間:0.71Hの条件で運転した。
定常状態において抜き出された吸着質画分のプソイドフルクトースの純度は99.0%であった。回収率は98.0%であった。
【0037】
実施例8
黒色の黒糖アルコール発酵蒸留残渣の液体品(奄美大島産)を固形分30%になるように水を加えて5Lに調製し、80℃に加熱してケイソウ土ろ過を行った。
その後、活性炭100gを加えて70℃で30分間撹拌処理して、茶色の糖蜜アルコール発酵蒸留残渣の脱色液を得た。この茶色の脱色液の糖分組成を分析したところ、プソイドフルクトースの純度は71.3%であった。
【0038】
比較例1
糖分45重量%、水分20重量%、塩類20重量%、その他15重量%からなる黒色の種子島産糖蜜(新光糖業株式会社製)に含まれる糖分中のプソイドフルクトースを分析したところ、純度は約0.1%であった。
【0039】
比較例2
糖分93.5重量%、水分4.7重量%を含む黒色の種子島産黒糖(沖ケ浜田生産者組合製)に含まれるプソイドフルクトースを分析したところ、純度は約0.05%であった。
【0040】
比較例3
糖分45重量%、水分20重量%、塩類20重量%、その他15重量%からなる黒色の種子島産糖蜜(新光糖業株式会社製)1kgに水4Lを加え、80℃に加熱してケイソウ土ろ過を行った。
その後、分画分子量5千の限外ろ過膜(ダイセル化学工業(株)製、NADIRスパイラル型モジュール、型番:UP005、膜材質:ポリエーテルサルホン)で限外ろ過を実施して黄色の膜透過液3.3Lを得た。この膜透過液の糖分の組成を分析したところ、プソイドフルクトースの純度は0.15%であった。
その後、カルシウム型の強酸性陽イオン交換樹脂:アンバーライトCR1310(ロームアンハース社製)1.13Lを充填したカラム(カラム内径20mm、高さ90cm、4本)からなる擬似移動層方式クロマト分離装置(オルガノ社製)を用いて、充填カラム内温度60℃で濃縮膜透過液を原液として、原液供給量:0.080L、水供給量:0.490L、プソイドフルクトース区分液抜取量(吸着質画分):0.287L、その他糖区分液抜取量(非吸着質画分):0.287L、循環量:0.903L、1サイクルあたりの時間:0.71Hの条件で運転した。
定常状態において抜き出された吸着質画分のプソイドフルクトースの純度は21.4%であった。回収率は39.5%であった。
【0041】
さとうきび由来の糖蜜アルコール発酵蒸留残渣および/または黒糖アルコール発酵蒸留残渣にはプソイドフルクトースが高い濃度で含まれており、分画分子量180以上のナノろ過膜や限外ろ過膜で処理することによって得られる膜透過液の分画物からは、更に高い濃度のプソイドフルクトースを得ることができることが明らかである。
糖蜜アルコール発酵蒸留残渣および/または黒糖アルコール発酵蒸留残渣の分画分子量180以上のナノろ過膜や限外ろ過膜の分離膜処理液を擬似移動層カラムでクロマト分離を行うことにより、高純度のプソイドフルクトースを得ることができることが明らかである。