【実施例1】
【0025】
図1は、本発明の実施例1である横編機17の選針装置20について、主要部分の構成を簡略化して、横編機17としての右側方から見た断面図として示す。横編機17は、歯口18を挟んで前後に対向する一対の針床2を備え、各針床2は歯口18に向う先端側が高く、歯口18から離れる尾端側が低くなるように傾斜しているけれども、前側の針床2のみを水平な姿勢で示す。
【0026】
図2は、(a)と(b)とで、
図1の選針装置20の吸着状態と吸着状態を解除した直後の釈放状態とをそれぞれ部分的に、横編機17としての右側方から見た断面図として示す。
図1は、
図2(b)に相当する。なお、以下の説明では、歯口18に向う方向を先端側として、歯口2から離れる方向を尾端側として、それぞれ示す場合がある。また、針床2からキャリッジ11に向う方向を上として、キャリッジ11から針床2に向う方向を下として、それぞれ示す場合がある。
【0027】
セレクタ19を含む選針装置20は、キャリッジ11に搭載する選針機構20aも含む。選針機構20aは、キャリッジ11に搭載する選針用のカム装置20bも含む。セレクタ19は、基体19aと、バット19bと、弾性脚片19cと、接極子19dとを有する。基体19aは、歯口18に進退する前後方向に、大略的に直線状に延びる形状を有し、選針結果に応じて、編針6のセレクトジャック7を歯口18に向って進出するように押すことが可能な先端部19eと、尾端部19fとを有する。バット19bは、基体19aの先端部19e付近で、先端部19eから基端側に間隔をあけた位置を基部として、キャリッジ11側に頭部が突出するように立設される。バット19bの頭部は、先端がキャリッジ11側に突出する。接極子19dは、基体19aの中間付近よりも尾端部19f寄りの位置で、キャリッジ11側に向って立設される頭部がキャリッジ11側に設ける選針アクチュエータ24の吸着面24aに吸着状態で吸着され、釈放状態では吸着面24aから離れる。弾性脚片19cは、バット19bの基部から頭部までの高さの中間付近から、基体19aとほぼ平行に、基体19aの中間付近で、接極子19dよりは先端部19e寄りの位置まで延出されて、先端がキャリッジ11側に湾曲する。
【0028】
なお、編針6の歯口18側は、針本体21となり、先端のフック21aが歯口18に進退し、編目の形成や対向する針床2との間の目移しなどを行う。編針6はべら針であり、フック21aはべら21bで開閉される。目移しでは、針本体21の側面に設けられる羽根21cが使用される。したがって、目移し時には、対向する針床2側に渡す編目を係止する羽根21cが歯口18に進出するまで、編針6は図の右方に移動するように駆動される。目移しを行う場合、歯口18で羽根21cに係止される編目を、対向する針床2側から歯口18に進出する編針6のフック21aに受ける動作も必要となる。このため、ニードルジャック7には、バット7aとともに、バット7cも設けられる。バット7a,7cは、キャリッジ11のカム板12に搭載される編成駆動用のカム機構12aによる駆動を受ける。
【0029】
横編機17では、各針床2の歯口18側に、可動シンカー22も用いられる。可動シンカー22は、紙面に垂直な方向に、編針6と交互に配列される。可動シンカー22は、ニードルプレート4の歯口18側の先端部分を利用して揺動変位が可能な状態で設置され、線ばね23で歯口18側に進出するように付勢される。
【0030】
選針機構20aは、選針アクチュエータ24を含む。選針アクチュエータ24はキャリッジ11の選針板13に搭載され、吸着面24aが針床2側に臨む表面に設けられる。吸着状態がいったん解除されて、セレクタ19の接極子19dが吸着面24aから離れている状態から、接極子19dの頭部を吸着面24a側に寄せて吸着状態に復帰させるために、キャリッジ11には、ブラケット25を介して、復帰および分岐カム26も取付けられる。復帰および分岐カム26は、針溝5の底面側からセレクタ19を押込んで浮上させ、吸着状態に復帰させてから、選針結果に応じて異なる経路に案内する。セレクタ19には、復帰および分岐カム26の作用を受けるように、針溝5の底面側に向って突出するように立設される分岐突起19gも設けられる。
【0031】
接極子19dの吸着面24aへの吸着状態を解除する際には、弾性脚片19cのキャリッジ11側に湾曲している先端が、キャリッジ11側で吸着面24aの前側に設けるばね支点カム27のカム面に当接して、弾発力を受けるばね支点となる。また、吸着状態では、セレクタ19の基体19aの尾端部19fがキャリッジ11側で吸着面24aよりも尾端側に設ける支点板28の表面に当接する。基体19aに対し、針溝5の底面側には、紙面に垂直な方向にニードルプレート4を貫通するワイヤなどの支点部材29が設けられる。図に示すような釈放状態では、支点部材29は基体19aの回転支持部19hに当接している。なお、キャリッジ11側に設ける選針用のカム装置20bは、復帰および分岐カム26、ばね支点カム27、支点板28、および選針カム30を含む。なお、セレクタ19の近傍には、支点部材29とともにニードルプレート4を紙面に垂直な方向に貫通する帯金4aやワイヤ4bも存在している。帯金4aは、ばね支点カム27のカム面で弾性脚片19cの先端が押えられない位置で、弾性脚片19cの上面を押え、弾性脚片19cが針溝5の表面側に浮上しすぎないように規制している。ワイヤ4bは、セレクトジャック8が針溝5内で浮上しすぎないように規制している。
【0032】
図2(a)に示すように、吸着面24aに接極子19dが吸着状態となっている場合、基体19aの下面の回転支持部19hは支点部材29から離れる。また、弾性脚片19cの上面と帯金4aの下面との間も離れている。基体19aからバット19bが立設される基部の下側は、ワイヤ4bとの接触を避ける形状となっている。さらに、先端部19eの下面は、セレクトジャック8の上面からは離れているので、セレクタ19の支持は針床2側に依存しない。キャリッジ11側からのセレクタ19の支持は、吸着面24aに当接する接極子19dの頭部、支点板28の表面に当接する尾端部19f、およびばね支点カム27のカム面に当接する弾性脚片19cの先端で安定に行われる。この場合、尾端部19fが支点板28の表面に当接する位置が支点となる。接極子19dには吸着面24aへの吸着力が作用する。弾性脚片19cの先端には、ばね支点カム27のカム面からの弾発力が作用する。この吸着力と弾発力とは、支点板28への当接位置を支点とする反対方向のモーメントとなる。キャリッジ11が走行しても、弾発力によるモーメントは選針板13と針床2との間の間隔の変動の影響を受けずに、安定する。吸着力によるモーメントが、選針アクチュエータ24への通電で低下し、弾発力によるモーメントよりも小さくなると、セレクタ19の基体19aは、支点板28への尾端部19fの当接位置を支点として回転する。なお、吸着力を通電で低下させることが可能な接極子19dの釈放位置に対応して、分岐突起19g側の復帰および分岐カム26では、後述するように、分岐突起19gの頭部を逃すようにしている。回転の方向は、接極子19dが吸着面24aから離れる方向、すなわち図の時計回り方向となり、接極子19dは吸着面24aへの吸着状態が解除されて釈放される。吸着状態では弾性脚片19cの弾発力による吸着を解除する方向のモーメントが安定して作用するので、選針アクチュエータ24で吸着状態を解除させる動作も安定して行わせることができる。
【0033】
支点となる基体19aの尾端部19fと接極子19dの吸着面24aへの吸着位置との間の距離よりも、尾端部19fと弾性脚片19cの先端がばね支点カム27のカム面に当接する位置との間の距離の方が大きい。このため、尾端部19fを支点とするモーメントとしては、弾性脚片19cの弾発力によるモーメントを相対的に大きく利用することができる。
図8のようなセレクタ9の構成では、先端が回転支点となるバット9fの当接部分13bと弾性脚片9cの先端のばね支点8cとの間の距離よりも、当接部分13bと接極子9bが選針アクチュエータ14に吸着される位置との間の距離の方が大きい。したがって、弾性脚片9cの弾発力によるモーメントは、相対的に小さく利用することしかできない。
【0034】
図2(a)に示す吸着状態は、吸着状態の解除で、基体19aが支点板28に当接する尾端部19fの支点まわりに回転すると、基体19aの中間部分の回転支持部19hが支点部材29に当接する。
図2(b)に吸着状態の解除直後として示すように、回転支持部19hが支点部材29に当接すると、回転支持部19hが新たな支点となって、基体19aはこの支点まわりの反時計回り方向に回転し、尾端部19fの先端は支点板28の表面から離れる。バット19bの基部は、回転支持部19hよりも先端側にあるので、反時計回り方向の回転で、バット19bの頭部は針溝5から突出する。弾性脚片19dの先端はキャリッジ11側の支点カム27のカム面への当接を続けるので、釈放状態のセレクタ19は、キャリッジ11側と針床2側との両方から支持される。釈放状態から吸着状態への復帰は、復帰および分岐カム26で機械的に確実に行われるので、キャリッジ11の走行に伴う針床2との間の間隔変動があっても、選針動作が不安定にはならない。
【0035】
図3は、
図1の選針装置20に使用するセレクタ19の構成を、横編機17としての右側方から見て示す。セレクタ19は、接極子19dよりも尾端部19f寄りに接極子19iを設けて、接極子19d,19iの位置を異ならせる。接極子19d,19iの位置が異なるセレクタ19を交互に用いることによって、編針6が密に配置されるような場合でも、確実に編針6毎の選針を行うことができる。
【0036】
なお、接極子19iの位置は、吸着状態で支点となる尾端部19fに、接極子19dの位置よりも近くなる。このため、弾性脚片19cの先端がばね支点として受ける弾発力の作用が接極子19dの位置よりも大きくなり、同じ吸着力では、吸着状態を続けることが困難となる。そこで、接極子19iでは、吸着面に接触する先端の長さLiを接極子19dの先端の長さLdよりも長くして、吸着力が増大するように調整している。
【0037】
図4は、
図1の横編機17に使用するキャリッジ11でのカム機構および選針機構の構成を、右側面で示す編針6の構成と対比させて示す。選針アクチュエータ24の吸着面24aは、セレクタ19の接極子19dを吸着する吸着面24dと、
図3に示す接極子19iを吸着する吸着面24iとに分けられる。実際には、単一の接極子を吸着する吸着面を有するユニットを、二段に並べて選針アクチュエータ24を形成している。接極子の位置が3以上ある場合でも、対応する数だけユニットを並べればよい。
【0038】
二つの吸着面24d,24iに対しては、図の左右方向で示すキャリッジ11の走行方向に対して、同一の釈放位置24b,24cが設定される。釈放位置24b,24cを接極子19d,19iが通過するタイミングに合わせて電磁的に吸着力を弱めれば、吸着面24d,24iに対する接極子19d,19iの吸着状態を解除して釈放させることができる。
【0039】
なお、図の左側の選針アクチュエータ24では、選針アクチュエータ24の下側に、復帰および分岐カム26のカム面を対応させて示す。復帰および分岐カム26は、セレクタ19の分岐突起19gに作用する。分岐突起19gの頭部を針溝5の底面側から浮上させると、吸着状態の解除で釈放された接極子19d,19iを再び吸着面24d,24iに接触させて、吸着状態に復帰させることができる。また、吸着状態が解除される釈放位置24b,24cに応じて、セレクタ19の分岐突起19gを異なる経路に案内する。また、吸着面24aの先端側に設けるばね支点カム27では、弾性脚片19cのたわみを大きくして弾発力を増大させるように、針床2側に突出するカム面27aでセレクタ19の弾性脚片19cの先端を押圧し、接極子19d,19iが釈放されやすいようにしている。
【0040】
キャリッジ11の選針板13では、選針アクチュエータ24の先端側に、選針カム30が配置される。選針カム30は、復帰および分岐カム26による分岐突起1
9gへの作用で異なる経路に分岐され、針溝5から突出するセレクタ19のバット19bの頭部に作用する。選針アクチュエータ24は、接極子19d,19iの吸着状態の解除が可能な釈放位置24b,24cを、キャリッジ11の走行方向に間隔をあけて二つ有している。復帰および分岐カム26と選針カム30とを組合せることで、接極子19d,19iの吸着状態を解除する二つの釈放位置24b,24cに応じて、バット19bを異なる二つの経路31,32に分けて案内することができる。
【0041】
キャリッジ11は往復走行するので、カム機構や選針機構は左右対称に配置されている。たとえば、キャリッジ11が図の右側に走行する場合を想定すると、編針6はキャリッジ11に対し、相対的に図の左に移動する。編針6の尾端側に設けるセレクタ19の接極子19dは、吸着面24dに吸着され、釈放位置24bに至る。釈放位置24bで接極子19dが釈放されると、復帰および分岐カム26での分岐突起19gの案内に基づく分岐に続き、バット19bは選針カム30の経路31に進入して案内される。経路31は前方に山型に突出するので、セレクタ19の先端部19eはセレクトジャック8を歯口18側に押出す。経路31の山型の頂部までの押出しで、セレクトジャック8のバット8aをAポジションの選針位置に進出させる。釈放位置24bで接極子19dが釈放されずに、釈放位置24cで接極子19dが釈放されると、復帰および分岐カム26での分岐突起19gの案内に基づく分岐に続き、バット19bは選針カム30の経路32に進入して案内される。セレクタ19は、先端部19eでセレクトジャック8を歯口18側に押出し、山型の経路32の頂部でセレクトジャック8のバット8aをHポジションの選針位置に進出させる。接極子19dが釈放位置24b,24cのいずれでも釈放されずに、吸着面24dへの吸着が続けられると、セレクトジャック8のバット8aは、Bポジションの選針位置を保つ。
【0042】
セレクトジャック8のバット8aは、キャリッジ11のカム板12で、編針6の編成駆動を行うカム
機構12aが設けられる範囲のBプレッサ33やHプレッサ34が設けられる領域に案内される。Bプレッサ33は、固定式のプレッサであり、Bポジションのバット8aに作用して、バット8aを針溝5内に押込む。これによって、ニードルジャック7のバット7aも針溝5内に沈み、編成カム35の作用を受けなくなり、編針6はフック21aが歯口18に進出しないで針床2側に留まり、編目形成を行わないミスの動作となる。Hプレッサ34は、例えば三つの部分に分けて配置され、それぞれが揺動して、二点鎖線で示す位置まで退避することが可能な可動式のプレッサである。退避していない状態のHプレッサ34も、Bプレッサ33と同様に、セレクトジャック8のバット8aを針溝5内に押込み、編針6は、タックや目移しの動作を行うこととなる。バット8aがAポジションを通過する場合は、プレッサが配置されていないので、バット7aは針溝5から突出する状態を保ち、編成カム35による駆動を受けて編針6はニットの動作を行うこととなる。
【0043】
編成カム35よりも先端側には、ニードルジャック7のバット7cに作用し、目移しに関連する動作を編針6に行わせるように駆動する目移しカム36が配置される。編成カム35の左右には、セレクトジャック8のバット8aをBポジションに戻すガイドカム37が配置されている。
【0044】
なお、吸着面24aに二つの釈放位置24b,24cを設け、選針カム30には対応する経路31,32を設けて、AポジションまたはHポジションへの切換えを行っているけれども、釈放位置24b,24cの数を増やし、対応して経路31,32の数を増やせば、一つの選針装置で多くの動作切換えを行わせることもできる。
【0045】
図5は、
図1の選針装置20の主要部分の構成を示す右側方および正面から見て示す。
図6は、
図5の選針アクチュエータ24を下方から、復帰および分岐カム26を上方から見てそれぞれ示す。
図5(a)に示すように、選針アクチュエータ24には、ばね支点カム27および支点板28が吸着面24aに近接して取付けられ、復帰および分岐カム26はブラケット25を介して間隔をあけて取付けられている。
【0046】
図5(b)に示すように、復帰および分岐カム26には、中央に凸部26a、左右に凹部26b,26cが設けられる。凹部26b,26cの右側および左側には、それぞれ凸部26aの高さに連なる傾斜面26d,26eが設けられる。たとえば傾斜面26eでは、セレクタ19の分岐突起19gの頭部への当接状態で、経路39として示すように押上げて、接極子19d,19iを吸着面24aに接触させて、吸着状態に復帰させることができる。傾斜面26dも同様の機能を有する。凹部26b、26cは、接極子19d,19iが吸着面24aから釈放される際に、復帰および分岐カム26の分岐案内作用を分岐突起19g側方で受けることを可能にするため、分岐突起19gの頭部に対する逃がしとなっている。凹部26b,26cは、凸部26aよりは低い一定の高さを有し、端にはさらに低くなる傾斜部26f,26gがそれぞれ設けられる。
【0047】
また、
図5(b)に示すように、ばね支点カム27は、カム面27aの両側に傾斜面27b,27cを有している。セレクタの弾性脚片19cの先端が傾斜面27b,27cに当接している状態では、ばね支点カム27にかかる弾発力は弱くなる。この弾発力は、接極子19d,19iを吸着面24d,24
iから釈放する方向に作用する。セレクタ19が選針アクチュエータ24が配置されている領域に入り始める際には、弾性脚片19cの先端は、ばね支点カム27の傾斜面27b,27cに当接してから平坦なカム面27aに移行する。したがって、接極子19d,19iの吸着面24d,24iに作用する弾性脚片19cの弾発力は、ばね支点カム27への当接位置の移動とともに、ほとんど作用しない状態から、傾斜面27b,27cに沿って次第に増大し、カム面27aで最大に効く状態を続けるように設定することができる。
【0048】
図6(a)に示すように、ばね支点カム27の傾斜面27b,27c両端付近から吸着面24d,24iが開始されるので、弾性脚片19cからの弾発力がほとんど作用しない状態で、接極子19d,19iを吸着面24d,24iに、確実に吸着させることができる。また、カム面27aによって押圧され、弾性脚片19cからの弾発力が最大に効いている状態で、接極子19d,19iは釈放位置24b,24cに達するので、電磁的な吸着の解除で、確実に釈放させることができる。
【0049】
図6(b)に示すように、復帰および分岐カム26では、セレクタ19の分岐突起19gの頭部を経路39に沿って押上げて、接極子19d,19iを吸着状態に復帰させた後、釈放位置24b,24cのいずれかで吸着状態を解除すると、分岐突起19gを凹部26b,26cに落込ませ、経路39A,39Hにそれぞれ分岐させることができる。凹部26b,26cで分岐突起19gが針溝5の底面側に沈むので、回転支持部19hに支点部材29が当接するタイミングが早まり、バット19bを迅速に選針カム30側に突出させることができる。経路39Hは、傾斜部26fを通るので、分岐突起19gの頭部をさらに沈ませ、バット19bを突出させるタイミングを早めることができる。釈放位置24b,24cで吸着状態を解除しなければ、経路39の延長上の経路39Bを通る。経路39A,39Hは、
図4に示す選針カム30の経路31,32まで、セレクタ19のバット19bを針溝5からキャリッジ11側に突出させた状態で、をそれぞれ案内する。
【0050】
なお、吸着面24d,24iでの吸着力を強くするために永久磁石に大形で強力なものを使用すると、釈放位置24b,24cでの吸着状態の解除にも大形で強力な電磁石が必要になる。選針アクチュエータ24の小形化のためには、電磁石を非選針時には永久磁石の磁束を補強する方向に通電し、選針時には永久磁石の磁束を打消す方向に通電するバイポーラ駆動を行うようにすることが好ましい。
【0051】
また、
図1の編針6としては、べら21bでフック21aを開閉するべら針を用いているけれども、フックをスライダで開閉する複合針を用いることもできる。