【文献】
Sa'ndor Antus,Enantiomeric separation of racemic isoflavanones and related compounds on (+)-poly(triphenylmethyl methacrylate)-coated silica gel,Journal of Chromatography A,1992年,603(1)-(2),pp. 133-137
【文献】
Sandor Antus,Enantiomeric separation of racemic pterocarpans by high-performance liquid chromatography on (+)-poly(triphenylmethyl methacrylate)-coated silica gel,Journal of Chromatography A,1990年,508,pp. 212-216
【文献】
Theunis G. van Aardt,The first direct synthesis of pterocarpans via aldol condensation of phenylacetates with benzaldehydes,Tetrahedron Letters,1998年,39(22),pp.3881-3884
【文献】
AWALE,CONSTITUENTS OF BRAZILIAN RED PROPOLIS AND THEIR PREFERENTIAL CYTOTOXIC ACTIVITY AGAINST HUMAN PANCREATIC PANC-1 CANCER CELL LINE IN NUTRIENT-DEPRIVED CONDITION,BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY,英国,ELSEVIER SCIENCE LTD,2008年 1月 1日,V16 N1,P181-189
【文献】
LI F,CYTOTOXIC CONSTITUENTS FROM BRAZILIAN RED PROPOLIS AND THEIR STRUCTURE-ACTIVITY RELATIONSHIP,BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY,英国,ELSEVIER SCIENCE LTD,2008年 5月15日,V16 N10,P5434-5440
【文献】
Prabha Bhandari,Biosynthesis of the A/B/C/D-ring system of the rotenoid amorphigenin by Amorpha fruticosa seedlings ,Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1,1992年,pp.839-849
【文献】
Jaco C. Breytenbach,Some photochemical and oxidative conversions of pterocarpans and isoflavans: functional requirements for cyclization of isoflavans to pterocarpans ,Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1 ,1981年,pp.2684-2691
【文献】
Kazu Kurosawa,Vestitol and vesticarpan, isoflavonoids from Machaerium vestitum ,Phytochemistry,1978年,17(8),pp.1413-1415
【文献】
Kazu Kurosawa,Mucronulatol, mucroquinone and mucronucarpan, isoflavonoids from Machaerium mucronulatum and M. villosum ,Phytochemistry,1978年,17(8),pp.1405-1411
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1又は2に記載の化合物を有効成分に含み、タイプII/年齢性/老人性骨粗しょう症罹患の際の骨形成、高骨密度を達成する成長期の骨形成に使用されることを特徴とする、骨粗しょう症、骨量の減少及び骨形成の治療剤。
請求項1又は2に記載の化合物、又は、前記化合物とともに薬理学的に有効性があるキャリア又は希釈剤又は賦形剤を含み、骨粗しょう症、骨量減少により引き起こされる病気や症候群の治療又は予防、骨形成、骨折の治療、成長期投与による骨量の高いピークの達成、及び新しい骨形成の促進のために使用されることを特徴とする骨粗しょう症、骨量の減少及び骨形成の治療剤。
請求項1又は2に記載の化合物と、薬理学的に許容されるキャリア又は希釈剤又は賦形剤との率は、コア材の1〜20%であり、コア材において薬剤充填のmgあたりの非イオン性界面活性剤が10〜40%であり、その後のカプセル化において反対電荷の高分子電解質の割合が10〜60%であり、表面改質のための胆汁酸塩の割合が10〜30%であることを特徴とする請求項5に記載の骨粗しょう症、骨量の減少及び骨形成の治療剤。
前記医薬的希釈剤は、ラクトース、マニトール、ソルビトール、ショ糖、クエン酸ナトリウム、二塩基リン酸カルシウムからなる群より選ばれ、単独又は適切な組み合わせによる希釈剤であることを特徴とする請求項5に記載の骨粗しょう症、骨量の減少及び骨形成の治療剤。
請求項5に記載の骨粗しょう症、骨量の減少及び骨形成の治療剤であって、前記医薬的賦形剤は以下の薬剤からなるグループより選ばれることを特徴とする骨粗しょう症、骨量の減少及び骨形成の治療剤。
1.単独又は適切な組み合わせによる希釈剤、
2.単独又は適切な組み合わせによるバインダー、
3.単独又は適切な組み合わせによる崩壊剤、
4.単独又は適切な組み合わせによる潤滑剤、
5.単独又は適切な組み合わせによる滑剤、
6.単独又は適切な組み合わせによる甘味剤、
7.単独又は適切な組み合わせによる着香剤、
8.単独又は適切な組み合わせによる湿潤剤、
9.単独又は適切な組み合わせによる吸収剤。
前記治療剤の効果的な投与量は、体重あたり0.1mg〜5000mgの範囲で、毎日、週1回又は週2回、又は更に細かい分割投与であることを特徴とする請求項5に記載の骨粗しょう症、骨量の減少及び骨形成の治療剤。
前記治療剤の効果的な投与量は、体重あたり1mg〜500mgの範囲で、毎日、週1回又は週2回、又は更に細かい分割投与であることを特徴とする請求項9に記載の骨粗しょう症、骨量の減少及び骨形成の治療剤。
前記治療剤は、口腔投与、経皮投与、筋肉投与、腹腔内投与、静脈内投与、及び局所投与から選ばれる送達系によって投与されることを特徴とする請求項5に記載の骨粗しょう症、骨量の減少及び骨形成の治療剤。
前記治療剤は、タブレット、シロップ、粉末状、カプセル、懸濁液、溶液、軟膏、及びこれらの混合物の形態で使用されることを特徴とする請求項5に記載の骨粗しょう症、骨量の減少及び骨形成の治療剤。
請求項13に記載する化合物の製造方法であって、(vi)のプロトン性又は非プロトン性溶媒はDMSO、エタノール、メタノール、THF、又はDMFであることを特徴とする、製造方法。
6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-オール、その塩類又はそのキラルもしくはアキラル化合物を有効成分に含み、タイプII/年齢性/老人性骨粗しょう症罹患の際の骨形成、高骨密度を達成する成長期の骨形成、又は骨折治療のために使用されることを特徴とする骨粗しょう症、骨量の減少、骨形成の治療剤。
【図面の簡単な説明】
【0032】
以下に記載する図や表を参照することにより、本発明をより明らかに理解することができる。
【
図1a】骨芽細胞増殖に関して、化合物S006-1709の効力を示す。
【
図1b】骨芽細胞増殖に関して、化合物S006-1710の効力を示す。
【
図1c】骨芽細胞増殖に関して、化合物S006-1711の効力を示す。
【
図2a】骨芽細胞増殖に関して、化合物S006-1713の効力を示す。
【
図2b】骨芽細胞増殖に関して、化合物S006-1714の効力を示す。
【
図3a】10
-16M〜10
-6Mの範囲の濃度における骨芽細胞ALP活性に関して、化合物S006-1709の効力を示す。
【
図3b】頭蓋冠及び骨髄骨芽細胞両方の骨芽細胞分化におけるS006-1710の効力を示す。
【
図3c】骨芽細胞に由来する頭蓋冠及び骨髄におけるS006-1711の効力を示す。
【
図5】頭蓋冠骨芽細胞の石化に関してS006-1709〜S006-1711の効力を示す。
【
図6】骨髄骨芽細胞の石化に関してS006-1709〜S006-1711の効力を示す。
【
図7】10
-12M〜10
-6Mの範囲の濃度におけるS007-1351、S007-1352、S007-1353、S007-1495、S007-1500による骨芽細胞ALP活性を示す。
【
図8a】8日間の実験の終わりに形成される脂肪細胞を示す。
【
図8b】異なる濃度における脂質生成に関して、化合物S006-1709、S007-1495、及びS007-1500の効力を示す。
【0033】
[表1]化合物S006-1709のエストロゲン及び非エストロゲン活性を示す。
[表2]S006-1709のインビボでの薬効を示す。
[表3]S007-1500のインビボでの薬効を示す。
[表4]S006-1709の薬物動態評価を示す。
【0034】
[発明の詳細な説明]
本発明は式Iで表される化合物に関する:
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8は、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルコキシル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアルキルチオ、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアシルアミノ、任意に置換されたアリールアミノ、任意に置換されたアシルチオ、任意に置換されたアシル、任意に置換されたアロイル、任意に置換されたアシルオキシ、任意に置換されたチオアミド、ハロゲン、ニトリル、エステル、ヒドロキシ、メルカプト、三フッ化カーボン、ニトロ、からなる群よりそれぞれ選択されるが、これに限らない。
R
1、R
2、又はR
2、R
3、又はR
6、R
7は結合して、任意に置換されたフラン、任意に置換されたジヒドロフラン、任意に置換されたピラン等の五員環又は六員環のいずれかを形成してもよいし、メチレンジオキシ部分を介して結合してもよい。
Xは、ケトン群、メチレン群、任意に置換されたメチレン群、任意に置換されたアルケン群からなる一群より選択される。
Y及びZは、CH、C-OH、C-Me、C-OMeからなる群より選択される。ただし、YとZの結
合は単結合である。
Y及びZは炭素原子であってもよい。ただし、YとZの結合は二重結合であり、薬理学的に許容されるそれらの塩類又はその成分を提供すると共に、人間及び/または動物に起こるエストロゲン依存性疾患又は症候群に関連するさまざまな医学的適応症の症状の予防又は治療のための上記薬剤を使用した方法を提供する。
【0035】
本明細書中及び添付の請求項で使用される「薬理学的に許容される塩類」という用語は、Berge et al. (J. Phramaceutical Sciences, 66(1), 1-19, 1977)に開示された種類の塩類を示す。薬理学的に許容される適切な塩類として、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、次リン酸等の無機酸によって形成される塩類の他、脂肪族モノカルボン酸及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、芳香族酸、脂肪酸及び芳香族スルホン酸等の有機酸に由来する塩類などが挙げられる。このような薬理学的に許容される酸添加塩類として、ギ酸塩、酢酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリレート、アスコルビン酸塩、安息香酸エステル塩、クロロ安息香酸塩、ブロモベンゾアート、ヨード安息香酸塩、ニトロベンゾアート、ヒドロキシベンゾアート、アルキルベンゾアート、アルキロキシベンゾアート、アルコキシカルボニルベンゾアート、ナフタレン-2-ベン
ゾアート、ブチラート、フェニルブチラート、ヒドロキシブチラート、カプリン酸塩、カプリル酸塩、シンナマート、マンデル酸塩、メシラート、クエン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、シュウ酸塩、フタル酸塩、テレフタラート、リン酸塩、リン酸一水素、リン酸二水素、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、プロピオラート、プロピオナート、フェニルプロピオナート、サリチル酸塩、セバシン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、ピロ硫酸塩、亜硫酸塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。最も
好ましい塩類は、フマル酸エステル塩又はアスコルビン酸塩又は塩酸塩である。
【0036】
本明細書中及び添付の請求項で使用される本発明の薬剤の「薬理学的に許容される成分」という用語は、公知の「薬理学的に許容される賦形剤」という用語を使用した従来技術に則って作成したものである。
【0037】
ここに記載する疾患や病気を予防又は治療するための方法は、このような治療を必要とする人間又は他のいかなる哺乳類又は他のいかなる動物に対し、治療的に有効な量の本発明に係る一又はそれ以上の薬剤、又は一又はそれ以上の薬理学的に許容されるキャリア、賦形剤等を添加した薬理学的に許容される塩類又は薬理学的に許容されるその成分を投与することを含む。
【0038】
本発明の薬剤又は、一又はそれ以上の薬理学的に許容されるキャリア、賦形剤等を添加した薬理学的に許容され塩類又は薬理学的に許容されるその成分の投与法や投与形態は、ここに記載する疾患や病気の種類に応じてさまざまであり、医療従事者の判断に委ねられる。
【0039】
本発明の薬剤又は一又はそれ以上の薬理学的に許容されるキャリア、賦形剤等を添加した薬理学的に許容されるそれら塩類又は薬理学的に許容されるその成分を、0.1mg〜5000mgの範囲の投与量で、好ましくは0.5〜1000mgの範囲の投与量で、更に好ましくは1mg〜500mgの投与量で、週1回又は週2回、毎日又は一日に2回又は一日に3回又は更に細かい分割投与にて効果的に投与してもよい。
【0040】
本発明に係る治療的に有効な量の薬剤又は薬理学的に許容されるその成分は、ゼラチンカプセル包含されるか又はタブレットやピルに圧縮されるか又は薬用キャンディー、シクロデキストリン誘導体を添加した包接錯体、注入可能な徐放性製剤、エアロゾル、顆粒状、粉状、経口液剤、粘膜接着性投与、ジェル製剤、トローチ、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウェハース、リポソーム送達系、インプラント、座薬、ペッサリー、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、マイクロパーティクル、ナノパーティクル、又は単クローン体の抗体又はその他適切なキャリア部分との複合体等、制御放出送達系、経皮投与送達系、標的送達系の形態に製剤されてもよい。
【0041】
上記投与は、本発明に係る化合物又は一又はそれ以上の薬理学的に許容されるキャリア、賦形剤等を添加した薬理学的に許容される塩類又は薬理学的に許容されるその成分を、従来の送達、制御送達又は標的送達例えば、経口、組織的、局所的送達、静脈内投与、動脈内投与、筋肉投与、皮下投与、腹腔内投与、皮内投与、口腔投与、経鼻投与、吸入投与、膣内投与、直腸投与、経皮投与又は従来の液状又は固形投与形態における他のいかなる適切な液状又は固形投与形態によって投与されてもよい。
【0042】
本発明の薬剤又は薬理学的に許容される塩類又は薬理学的に許容されるその成分等の、好ましい投与形態は、経口である。
【0043】
経口成分は、一般的に本発明に係る薬剤又は薬理学的に許容されるその成分及び一又はそれ以上の薬理学的に許容される賦形剤からなる。
【0044】
タブレット、ピル、カプセル、粉状、顆粒状等の経口成分は、以下のいかなる薬理学的に許容される賦形剤を含んでもよい。
1.ラクトース、マニトール、ソルビトール、結晶セルロース、スクロース、クエン酸ナトリウム、二塩基リン酸カルシウム、又は同様な性質の成分単独又は適切な組み合わせによる希釈剤、
2.トラガントゴム、アカシアゴム、メチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、澱粉又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによるバインダー、
3.寒天培地、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、シリケート、アルギン酸、コーンスターチ、じゃがいもタピオカ澱粉、プリモゲル、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる崩壊剤、
4.マグネシウムステアリン酸塩、カルシウムステアリン酸塩、タルク、固形ポリエチレングリコール、ナトリウムラウリル硫酸、又は同様な性質の成分単独又は適切な組み合わせによる潤滑剤、
5.コロイド状二酸化ケイ素、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる滑剤、
6.スクロース、サッカリン、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる甘味剤、
7.ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジフレーバー、バニラフレーバー、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる着香剤、
8.ヘキサデシルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる湿潤剤、
9.カオリン、ベントナイト粘土、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる吸収剤、
10.ワックス、パラフィン、又は他のいかなる同様な性質の成分単独又は組み合わせによる溶液遅延剤。
【0045】
以下に挙げる実施例はあくまでも例示として挙げるもので本発明の権利範囲を規定するものと解釈されてはならない。
【0046】
ベンゾフロクロメン及び関連化合物の実施例
実施例1
3-アリルオキシ4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン(S-007-1500):
化合物 4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg,
0.34mmol)をDMF(5ml)に溶解し、NaH(8.1mg, 0.34mmol)を室温でこの溶液に添加し
、次に臭化アリル(0.06ml, 0.68mmol)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、
氷水に注ぎ10%HClで中和し、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、クロロホル
ムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3-イソプロポキシ-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン(58mg, 50%)を白色固体として得た。
白色固体;mp 100-102℃;
1H NMR(300MHz, CDCl
3) δ 2.13(s, 3H, CH
3), 3.53-3.73 (m, 2H, H-6β + H-6a), 4.32 (dd, J = 4.4, 5.9 Hz, 1H, H-6α), 4.56(d, J = 5.0 Hz, 2H, CH
2), 5.27 (dd, J=1.4, 10.5 Hz, 1H, CH), 5.42(dd, J=1.5, 17.3 Hz, 1H, CH), 5.53 (d, J=6.6 Hz, 1H, H-11a), 5.97-6.11 (m, 1H, CH), 6.62 (d, J=8.6 Hz, 1H, ArH), 6.84 (d, J=8.0 Hz, 1H, ArH), 6.89-6.94 (m, 1H, ArH), 7.13-7.19 (m, 1H, ArH), 7.27 (d, J=8.0 Hz, 1H, ArH), 7.33 (d, J=8.5 Hz, 1H, ArH);
13C NMR (75.5 MHz, CDCl
3) δ 7.10, 38.98, 65.26, 67.86, 77.10, 104.59, 108.84, 111.46, 113.47, 115.77, 119.49, 123.45, 126.07, 127.06, 127.84, 132.18, 153.06, 156.32, 158.14; MS (ESI)
295(M
++1); HRMS calcd. for C
19H
18O
3 294.1256, found: 294.1241.
【0047】
実施例2
1-(2-(6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン-3-イルオキシ)エチル)ピペラジ
ン(S-008-0399):
化合物 6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg, 0.42mmol)を DMF(5ml)に溶解し、NaH(10mg, 0.42mmol)をこの溶液に室温で添加し、次に1-(2-クロロエチル)ピペラジン 塩酸塩(366mg, 0.84mmol)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、氷水に注ぎ10%HClで中和し、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-(2-(6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン-3-イルオキ
シ)エチル)ピペラジン(102mg, 70%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 202-204℃;
1H NMR(300MHz, CDCl
3)δ 1.44-1.72(m, 6H, 3CH
2), 1.88-2.20(m, 4H, 2CH
2), 3.28-3.40(m, 2H, CH
2), 3.55-3.73(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.29 (dd, J=3.6, 9.7 Hz, 1H, H-6α),4.46-4.58(m, 2H, CH
2), 5.50(d, J= 6.3 Hz, 1H, H-11a), 6.47(d, J=2.4 Hz, 1H, ArH), 6.63(dd, J=2.5, 8.5Hz, 1H, ArH), 6.81-6.95 (m, 2H, ArH), 7.10-7.28(m, 2H, ArH), 7.46(d, J=6.5 Hz, 1H, ArH);
MS(ESI)352(M
++1).
【0048】
実施例3
4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(S-007-1499):
0℃の無水エタノール(30ml)に撹拌溶解した7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-8-メチル-クロメン-4-オン(3gm, 11.2mmol)溶液にNaBH
4(2.6gm, 67.2mmol)を添加
した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。氷水を添加することによって反応をストップさせ、この溶液を10%HClで中和して、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、ク
ロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(1.56gm, 55%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 160-162℃;
1H NMR(300 MHz, CDCl
3)δ 2.12(s, 3H, CH
3), 3.52-3.75(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.33(dd, J=4.5, 5.8 Hz, 1H, H-6α), 4.87(s, 1H, OH,
D
2O exchange), 5.52(d, J=6.6 Hz, 1H, H-11a), 6.55(d, J=8.34 Hz, 1H, ArH), 6.81-6.94(m, 2H, ArH), 7.13-7.23(m, 1H, ArH), 7.24-7.30(m, 2H, ArH); IR(KBr)1479, 1552, 1599, 3383, 3407cm
-1(OH); MS(ESI)255(M
++1).
【0049】
実施例4
3-イソプロポキシ-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン(S-008-0398):
化合物 6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg, 0.42mmol)をDMF(5ml)に溶解し、NaH(10mg, 0.42mmol)を室温でこの溶液に添加し、次にイソ
プロピルヨウ化物(149mg, 0.84mmol)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、氷水に注ぎ、10%HClで中和し、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、クロロホル
ムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製
して、3-イソプロポキシ-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン(60mg, 51%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 96-98℃;
1H NMR(200 MHz, CDCl
3)δ 1.33(d, J=6 Hz, 6H, 2CH
3) 3.51-3.75(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.28(dd, J=3.3, 9.8 Hz, 1H, H-6α),4.42-4.64 (m, 1H, CH), 5.50(d, J=6.3 Hz, 1H, H-11a), 6.46(d, J=2.4 Hz, 1H, ArH), 6.62(dd, J=2.4, 8.4 Hz, 1H, ArH), 6.81-6.96(m, 2H, ArH), 7.13-7.29(m, 2H, ArH
), 7.43(d, J=8.5 Hz, 1H, ArH);
13C-NMR(75.5 MHz, CDCl
3)δ 22.00, 40.15, 66.36, 66.99, 77.78, 103.50, 110.21, 110.73, 112.00, 120.8, 124.72, 127.20, 129.19,
131.88, 156.55, 159.40; IR(KBr)744, 784, 876, 928, 981, 1038, 1132,1174, 1229, 1279, 1371, 1461, 1502, 1577, 1625, 2925, 2977, 3052 cm
-1; MS(ESI)283(M
++1
).
【0050】
実施例5
3-(アリルオキシ)-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン(S-008-0625):
化合物 6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg, 0.42 mmol)をDMF(5ml)に溶解し、NaH(10mg, 0.42mmol)を室温でこの溶液に添加し、次に臭化アリル(0.07ml, 0.84mmol)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、氷水に注ぎ
、10%HClで中和し、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、クロロホルムヘキサ
ンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3-(アイルオキシ)-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン(58mg, 50%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 72-74℃;
1H NMR(300 MHz, CDCl
3)δ 3.56-3.72(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.27(dd, J=4.3, 5.9 Hz, 1H, H-6α), 4.52(d, J=5.2 Hz, 2H, CH
2), 5.28 (dd, J=1.2, 10.5 Hz, 1H, CH), 5.40(dd, J=1.4, 17.3 Hz, 1H, CH), 5.49(d, J=6.4
Hz, 1H, H-11a), 5.96-6.06(m, 1H, CH), 6.48(d, J=6.5 Hz, 1H, ArH), 6.66(dd, J=2.4, 8.5 Hz, 1H, ArH), 6.81-6.94(m, 2H, ArH), 7.13-7.22(m, 1H, ArH), 7.22-7.28(m, 1H, ArH), 7.43(d, J=8.6 Hz, 1H, ArH);
13C NMR(75.5 MHz, CDCl
3)
δ 40.12, 66.36, 68.87, 77.7, 102.56, 109.83, 110.22, 112.42, 117.89, 120.88, 124.74, 127.25, 129.23, 131.91, 132.95, 156.52, 159.35, 160.00; IR(KBr)757, 803,
833, 869, 888, 907, 931, 995, 1033, 1086, 1111, 1178, 1230, 1266, 1304, 1337, 1385, 1432, 1461, 1478, 1504, 1585, 1619, 2898, 2925, 2989, 3016, 3050 cm
-1; MS(ESI)280(M
++1).
【0051】
実施例6
(4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-イルオキシ)-アセトニトリル(S-007-1501):
化合物 4-メチル-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg,
0.34mmol)をDMF(5ml)に溶解し、NaH(8.1mg, 0.34mmol)を室温でこの溶液に添加し
、次に2-ブロモアセトニトリル(0.05ml, 0.68mmol)を添加した。反応混合物を室温で6
時間撹拌し、氷水に注ぎ、10%HClで中和し、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄
し、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3-イソプロポキシ-6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメ
ン(63.5mg, 55%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 130-132℃;
1H NMR(300 MHz, CDCl
3)δ 2.12(s, 3H, CH
3), 3.56-3.74(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.35(dd, J=4.0, 6.0 Hz, 1H, H-6α), 4.79(s, 2H, OH, CH
2), 5.53(d, J=6.5 Hz, 1H, H-11a), 6.69(d, J=8.6 Hz, 1H, ArH), 6.85(d, J=8.0 Hz, 1H, ArH), 6.87-6.96(m, 1H, ArH), 7.14-7.23(m, 1H, ArH), 7.27(d, J=8.0 Hz, 1H, ArH), 7.41(d, J=8.6 Hz, 1H, ArH);
13C NMR(75.5 MHz, CDCl
3)δ 7.12, 38.89, 52.88, 65.29, 76.60, 104.54, 108.89, 113.90, 114.70, 119.67, 123.47, 125.73, 127.51, 127.97, 153.48, 154.22, 156.11, 158.01; IR(KBr)753, 798, 825, 891, 934, 986, 1018, 1121, 1176, 1234, 1277, 1316, 1352, 1390, 1481, 1612 cm
-1, 2273 cm
-1(CN); MS(ESI)293, 269(M
+,
M
++1-CN).
【0052】
実施例7
6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(S-006-1709):
0℃の無水エタノール(30ml)に撹拌溶解した7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(3gm, 11.8mmol)溶液にNaBH
4(2.7gm, 70.8mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。氷水を添加することによって反応をストップさせ、この溶液を10%HClで中和して、白色沈殿物を得た。この沈殿物を水で洗浄し、クロロホルム
ヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(1.6gm, 57%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 148-152 ℃;
1H NMR(200 MHz, CDCl
3)δ 3.57-3.74(m, 2H, H-6β + H-6a), 4.22-4.33(m, 1H, H-6α), 5.19(s, 1H, OH, D
2O exchange), 5.49(d, J=6.2 Hz, 1H, H-11a), 6.42(d, J=2.4 Hz, 1H, ArH), 6.56(dd, J=2.4, 8.4 Hz, 1H, ArH), 6.81-6.96(m, 2H, ArH), 7.17(d, J=7.76 Hz, 1H, ArH), 7.22-7.30(m, 1H, ArH), 7.41(d, J=8.4 Hz, 1H, ArH); IR(KBr)1017, 1082, 1122, 1170, 1222, 1259, 1289, 1351, 1381, 1476, 1516, 1597, 3396 cm
-1(OH); MS(ESI)241(M
++1).
【0053】
実施例8
3-ヒドロキシ-6H-ベンゾフロ[3,2-c]クロメン-6-オン(S-008-400):
この化合物6a,11a-ジヒドロ-6H-ベンゾ[4,5]フロ[3,2-c]クロメン-3-ol(100mg, 0.42mmol)をトルエン(10ml)中DDQ(190.7 mg, 0.84mmol)で10時間還流させた。沈殿したヒドロキノンを濾過し、溶媒を濾過物から取り除いた。残留物は、シリカゲルカラムを通し、クロロホルムメタノールで溶出させることによって精製した。
白色固体; mp 170-172℃;
1H NMR(300 MHz, CDCl
3)δ 6.90-6.97(m, 2H, ArH), 7.40-7.47(m, 2H, ArH), 7.60-7.68(m, 1H, ArH), 7.87(d, J = 8.2 Hz, 1H, ArH), 8.02-8.10(m, 1H, ArH);
IR(KBr)746, 773, 807, 855, 951, 1000, 1122, 1264, 1309, 1372, 1440, 1610, 1730(CO), 2927, 3085 cm
-1; MS(ESI)252(M
++1).
新規なイソフラボン前駆体:
【0054】
実施例9
7,8-ジヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-007-1352):
合成物BF
3-OEt
2(7ml, 56mmol)を、0℃でDMF中の2-(2-メトキシ-フェニル)-1-(2,3,4-トリヒドロキシ-フェニル)-エタノン(3.8gm, 14mmol)溶液に徐々に添加した。結果得られた溶液を30分間撹拌した。そこにメシチル塩化物(1.5ml, 42mmol)を50℃で徐々に添
加した。それからこの溶液を5時間110℃まで加熱した。次にこの混合物を濃縮した。そして残留物を氷で処理し、得られた固体を、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、7,8-ジヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(0.98gm, 25%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 220-222℃;
1H NMR(300 MHz, CDCl
3 + DMSO)δ 3.10(s, 3H, OCH
3),
6.94-7.05(m, 3H, ArH), 7.25-7.38(m, 2H, ArH), 7.55-7.65(m, 1H, ArH), 7.98
(s, 1H, CH), 8.74(s, 1H, OH), 9.54(s, 1H, OH);
13C NMR(50 MHz, CDCl
3 +DMSO)d60.85, 110.37, 119.53, 121.53, 123.21, 125.53, 126.46, 126.69, 134.77, 136.96, 138.08, 152.23, 154.99, 158.81, 162.73, 180.92 ; IR(KBr)1629 cm
-1(CO); MS(ESI)285(M
++1).
【0055】
実施例10
7,8-ジヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-007-1351):
-80℃の乾燥CH
2Cl
2(50ml)に撹拌溶解した7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-8-メチル-クロメン-4-オン(3gm, 11.2mmol)溶液にBBr
3(1.4ml in DCM, 14.2mmol)を
添加した。反応混合物を-80℃で1時間、室温で12時間撹拌した。それから氷水を使用して反応を冷却し、反応混合物をCH
2Cl
2で抽出し、有機層を分離し、塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。残留物は、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して7,8-ジヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フ
ェニル)-クロメン-4-オン(0.95gm, 50%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 240-242℃;
1H NMR(300 MHz, CDCl
3 + DMSO)δ 6.91-7.00(m, 1H, ArH), 7.01-7.13(m, 2H, ArH), 7.21(d, J=7.6 Hz, 1H, ArH), 7.25-7.35(m, 1H, ArH), 7.72(d, J=7.6 Hz, 1H, ArH), 8.18(s, 1H, CH), 9.17(s, 1H, OH);
IR(KBr)1723 cm
-1(CO); MS(ESI)271(M
++1).
【0056】
実施例11
6-クロロ-7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-007-1355):
合成物BF
3-OEt
2(7ml, 56mmol)を、0℃でDMF 中の1-(5-クロロ-2,4-ジヒドロキシ-フ
ェニル)-2-(2-メトキシ-フェニル)-エタノン(4.1gm, 14 mmol)溶液に徐々に添加した。結果得られた溶液を30分間撹拌した。そこにメシチル塩化物(1.5ml, 42mmol)を50℃で
徐々に添加した。それからこの溶液を5時間110℃まで加熱した。次にこの混合物を濃縮した。そして残留物を氷で処理し、得られた固体を、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、6-クロロ-7-ヒドロ
キシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(2.5gm, 60%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 228-230℃;
1H NMR(300 MHz, CDCl
3 + DMSO)δ 3.79(s, 3H, OCH
3),
6.95-7.09(m, 3H, ArH), 7.24-7.40(m, 2H, ArH), 7.91(s, 1H, ArH), 8.13(s, 1H, CH), 10.85(s, 1H, OH);
13 C NMR(75.5 MHz, CDCl
3 + DMSO)d 59.16, 107.43,114.68, 121.50, 123.75, 123.90, 124.32, 125.70, 130.29, 133.23, 135.11, 157.33, 159.60, 160.96, 161.45, 178.50; IR(KBr)1625 cm
-1(CO); MS(ESI)303 (M
++1).
【0057】
実施例12
6-クロロ-7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-007-1354):
-80℃の乾燥CH
2Cl
2(25ml)に撹拌溶解した6-クロロ-7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシフェニル)-4H-クロメン-4-オン(2.5gm, 8.3mmol)溶液にBBr
3(1.6ml in DCM, 16.6mmol)を添加した。反応混合物を-80℃で1時間、室温で12時間撹拌した。それから氷水を使用して反応を冷却し、反応混合物をCH
2Cl
2で抽出し、有機層を分離し、塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。残留物は、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して6-クロロ-7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキ
シ-フェニル)-クロメン-4-オン(1.4gm, 60%)を白色固体として得た。
白色固体; mp>250℃;
1H NMR(300 MHz, CDCl
3 + DMSO)δ 6.95-7.04(m, 3H, ArH),
7.20-7.32(m, 2H, ArH), 8.11(s, 1H, ArH), 8.20(s, 1H, CH), 9.05(s, 1H, OH); IR(KBr)1625 cm
-1(CO); MS(ESI)289(M
++1).
【0058】
実施例13
7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-8-メチル-クロメン-4-オン(S-007-1498):
-80℃の乾燥CH
2Cl
2(50ml)に撹拌溶解した7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシフェニル)-8-
メチル-4H-クロメン-4-オン(5gm, 17.7mmol)溶液にBBr
3(3.4ml in DCM, 35.4mmol)を添加した。反応混合物を-80℃で1時間、室温で12時間撹拌した。それから氷水を使用して反応を冷却し、反応混合物をCH
2Cl
2で抽出し、有機層を分離し、塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。残留物は、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニ
ル)-8-メチル-クロメン-4-オン(3.5gm, 72%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 196-198℃;
1H NMR(300 MHz, CDCl
3 + DMSO)δ 2.34(s, 3H, CH
3), 6.90-7.06(m, 3H, ArH), 7.22-7.32(m, 2H, ArH), 7.95-8.04(m, 1H, ArH), 8.18
(s, 1H, CH), 10.18(s, 1H, OH, D
2O exchange);
IR(KBr)1625 cm
-1(CO); MS(ESI)269(M
++1).
公知のイソフラボン前駆体:
【0059】
実施例14
7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-006-1710):
合成物BF
3-OEt
2(14ml, 112mmol)を、0℃でDMF 中の1-(2,4-ジヒドロキシ-フェニル)-2-(2-メトキシ-フェニル)-エタノン(7.2gm, 28mmol)溶液に徐々に添加した。結果得ら
れた溶液を30分間撹拌した。そこにメシチル塩化物(6.5ml, 84mmol)を50℃で徐々に添
加した。それからこの溶液を5時間110℃まで加熱した。次にこの混合物を濃縮した。そして残留物を氷で処理し、得られた固体を、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(5.6 gm, 75%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 222-224℃;
1H NMR(200 MHz, CDCl
3 + CD
3OD)δ 3.80(s, 3H, OCH
3), 6.85-7.07(m, 4H, ArH), 7.23-7.41(m, 2H, ArH), 7.96(s, 1H, CH), 8.08(d, J=8.8 Hz, 1H, ArH); IR(KBr)1628 cm
-1(CO); MS(ESI)269(M
++1).
【0060】
実施例15
7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-006-1711):
-80℃の乾燥CH
2Cl
2(50ml)に撹拌溶解した7-ヒドロキシ-3-(2-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(5gm, 18.7mmol)溶液にBBr
3(3.6ml in DCM, 37.4mmol)を添加した。反応混合物を-80℃で1時間、室温で12時間撹拌した。それから氷水を使用して反応を冷却し、反応混合物をCH
2Cl
2で抽出し、有機層を分離し、塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。残留物は、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(3.8gm, 80%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 196-198℃;
1H NMR(200 MHz, CDCl
3 + CD
3OD)δ 6.89-7.05(m, 4H, ArH), 7.20-7.36(m, 2H, ArH), 8.12(s, 1H, CH), 8.15(d, J=9.04 Hz, 1H, ArH);
IR(KBr)1621 cm
-1(CO); MS(ESI)255(M
++1).
【0061】
実施例16
3-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシ-クロメン-4-オン(S-006-1713):
合成物BF
3-OEt
2(14ml, 112mmol)を、0℃でDMF 中の1-(2,4-ジヒドロキシ-フェニル)-2-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-エタノン(8.1gm, 28mmol)溶液に徐々に添加した。結果
得られた溶液を30分間撹拌した。そこにメシチル塩化物(6.5ml, 84mmol)を50℃で徐々
に添加した。それからこの溶液を5時間110℃まで加熱した。次にこの混合物を濃縮した。そして残留物を氷で処理し、得られた固体を、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシ-クロメン-4-オン(5.9 gm, 70%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 238-240℃;
1H NMR(200 MHz, CDCl
3 + CD
3OD)δ 3.78(s, 3H, OCH
3), 3.85(s, 3H, OCH
3), 6.53-6.59(m, 2H, ArH), 6.83-6.98(m, 2H, ArH), 7.20(d, J=8.9 Hz, 1H, ArH)7.92(s, 1H, CH), 8.08(d, J=8.8 Hz, 1H, ArH); IR(KBr)1621 cm
-1(CO); MS(ESI)299(M
++1).
【0062】
実施例17
7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オン(S-006-1714):
化合物 3-(2,4-ジメトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシ-クロメン-4-オン(2gm, 6.7mmol
)を CH
3CN(25ml)に溶解し、AlCl
3(2.6gm, 20mmol)を0℃でこの溶液に添加した。反
応を10時間還流させ、混合物を冷却して氷水に注入した。沈殿固体を濾過し、水で洗浄し、クロロホルムヘキサンを溶離剤として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、7-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-クロメン-4-オ
ン(0.95gm, 50%)を白色固体として得た。
白色固体; mp 210-212℃;
1H NMR(300 MHz, CDCl
3 + CD
3OD)δ 3.86(s, 3H, OCH
3), 6.51-6.65(m, 2H, ArH), 6.90(d, J=1.9 Hz, 1H, ArH), 7.03(dd, J=2.2, 10.28 Hz, 1H, ArH), 7.13(d, J=8.4 Hz, 1H, ArH), 8.07(s, 1H, CH), 8.15(d, J=8.9 Hz, 1H, ArH); IR(KBr)1619 cm
-1(CO); MS(ESI)285(M
++1).
【0063】
生物学的評価
本発明の純化合物は、骨原性骨形成の強化、哺乳類におけるエストロゲン欠乏又は欠損状態を含むエストロゲン欠乏又は欠損症状の予防又は治療、特に人間や他の動物における骨粗しょう症、骨形成、骨欠損の予防又は治療に使用されるために、評価された。本発明に係る分離化合物の評価の詳細な手順を次に説明する。本発明の化合物S006-1709の薬物
動態評価を実験動物において行い、その詳細な手順を以下に記載する。しかしながら、以下の実施例に例示する活性試験は、本発明の範囲を制限するものと解釈されてはならない。
【0064】
骨原性又は骨形成活性を判断するための手順:
本発明のテスト化合物のテスト溶液が、濃度範囲10
-14 M〜10
-6Mの適切な溶媒中に作成された。それぞれの濃度のうち2μlが、インビトロで行う骨形成の評価に使用された。コントロール実験において、テスト薬剤の代わりに、同等量の適切な溶媒が使用された。
【0065】
骨芽細胞培養:
骨芽細胞は多分化能性幹細胞から発生する。前骨芽細胞の最も豊富な発生源の一つとして、ラット又はマウスの新生児の頭蓋冠が挙げられる。骨芽細胞は骨髄にも存在する。培養の過程で、前骨芽細胞は、骨芽細胞に特徴的な以下に記載する3段階のステージを経て
、それぞれのステージで特異的遺伝子の発現を伴う。
・分裂増殖及び分化:1〜12日間
遺伝子-アルカリホスファターゼ、コラーゲン-I、Osterix, cbfa1(転写因子)
・細胞外マトリックス成熟:12〜18日間
遺伝子-オステオカルシン、オステオポンチン、フィブロネクチン
・石灰化:14〜35日間
機能石灰化(結節形成)
【0066】
多少の変更をした新生児ラット頭蓋冠細胞培養を前記のように用意した(内分泌学145:3451)。簡単に言うと、新生児SDラット(生後1-3日)から採取した前頭葉と頭頂骨を、
α-MEMにおけるコラゲナーゼ0.1%/ディスパーゼ0.1%で消化し、5連続消化を得た。こ
のうち、2番目から5番目の消化が結合し、α-MEMにおいて37℃及び大気中5%CO
2下で集密し、ここに10%のウシ胎児血清(FBS)、2Mmのグルタミン、100U/mlのペニシリンストレプトマイシン、非必須アミノ酸溶液、及びピルビン酸ナトリウムを補充した。
骨芽細胞及び溶骨細胞に関して、純化合物の試験を行った。
【0067】
MTT 細胞増殖アッセイ
方針
Mosmann(1983)が最初に開示したMTT [3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-yl)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム ブロミド] アッセイは、生細胞から遊離したミトコンドリア脱水素酵素が、淡黄色のMTTのテトラゾリウム環を劈開して細胞膜を概して透過しない青黒いホ
ルマザン結晶を形成する能力に基づくものであるが、このホルマザン結晶は、健康な細胞
内で蓄積してしまう。洗剤添加によって細胞の可溶化が起こると、可溶化する結晶の遊離を招く。細胞の生存数はホルマザン生成レベルに比例する。色は比色分析法によって定量化することができる。結果は、マルチウエル走査分光光度計(Mosmann T. Rapid colorimetric assay for cellular growth and survival: application to proliferation and cytotoxicity assays. J Immunol Methods. 1983 Dec 16; 65(1-2):55-63)で読むこと
ができる。
【0068】
材料及び方法:
頭蓋冠骨芽細胞を、2.0×10
3 cells/200ulの濃度で、96のウェルプレート上に置く。
細胞は60%の集密度に成長し、これら成長した細胞に対し、10
-10M〜10
-6Mの濃度の化合
物S006-1709、S006-1710、S006-1711、S006-1713及びS006-1714で、24時間処理を行った
。そして処理媒体を取り除いた後、フエノールレッドフリーのDMEM媒体に10mMのMTTを添
加した。4時間の定温培養の後、MTT溶液を取り除いた。DMSOに溶解する青色結晶が形成され、ELISAプレートリーダー上で、570nmの波長にて、吸収度を読んだ。
結果:化合物S006-1709は、骨芽細胞の増殖に効果なし(
図1a)。
【0069】
骨芽細胞の分化を起こすアルカリホスファターゼ活性
70%〜80%の集密的頭蓋冠骨芽細胞に対し、アスコルビン酸塩とグリセロリン酸塩の存在下、μM S006-1709で、48時間処理を行った。定温培養の終わりに、p-ニトロフェニル
リン酸(PNPP)を基材として使用する方法によって、ALP活性をトータルで測定した。反
応混合物は、ジエタノールアミンバッファ(1mol/L, pH 9.8), 0.5mmol/L MgCl
2・6H
2O
、及び10mmol/L PNPPを含む。PNPPの脱リン酸化を波長405nmで行うことによって形成される着色生成物分の光学濃度を測り、ALP活性を測定した。この結果、10
-16M〜10
-6Mの濃度範囲で、S006-1709によって処理することにより、骨芽細胞ALPの著しい増加があることが判明した(
図3a)。更に、頭蓋冠骨芽細胞の石灰化に対するS006-1709の影響を調べた
。データによると、10
-12 M 及び 10
-10 Mにおけるアリザリンレッド抽出のコントロール下、S006-1709によって、初期のカルシウム沈着の石灰化に著しい増加があることが判明
した(
図5)。
【0070】
最近の調査結果によると、さまざまな成長因子に対して、頭蓋骨芽細胞は骨髄骨芽細胞とは異なる反応を示すことが分かった。明確に言うと、S006-1709は、頭蓋冠骨芽細胞に
おいて成長促進剤及び機能促進剤として作用する。閉経後や老化に関連した骨量の減少において、骨髄と海綿骨が影響を受ける。骨髄の骨芽細胞は、骨量減少に見合う率で骨形成することができない。よって、骨量減少疾患の最も好ましい治療形態として、骨芽細胞の骨形成能を強化する方法が考えられる。
【0071】
更に、骨髄の石灰化に対するS006-1709の効果も研究された。
データによると、10
-12 M 及び 10
-10 Mの濃度範囲において、18日間の骨髄培養法におけるアリザリンレッド抽出のコントロール下、S006-1709によって、初期のカルシウム沈
着の石灰化に著しい増加があることが判明した(
図6)。
S006-1710: S006-1709と同様に調査した結果、S006-1710には骨芽細胞増殖効果がない
ことが分かった(
図1b)。
【0072】
そこで、頭蓋冠及び骨髄骨芽細胞における骨芽細胞分化の効果を調べた。集密的頭蓋冠骨芽細胞(70〜80%)に対し、アスコルビン酸塩とグリセロリン酸塩の存在下、10
-16M〜10
-6Mの濃度範囲で、S006-1710で、48時間処理を行った。定温培養の終わりに、先に使用した同じ方法、p-ニトロフェニルリン酸(PNPP)を基材として使用する方法によって、ALP活性をトータルで測定した。その結果、コントロール媒体と比べて、調査したあらゆる
濃度範囲において、S006-1710治療を施した方が、骨芽細胞ALP活性の著しい増加があることが分かった(
図3b)。
【0073】
S006-1710は、初期カルシウム沈着量を測定するアリザリンレッド染色によって評価す
る10
-12 M 及び 10
-10 Mの濃度範囲における頭蓋及び骨髄骨芽細胞の石灰化を促すことが分かった。この効果は、S006-1709と同様であることが分かった(
図5)。
更に、骨髄骨芽細胞の石灰化に対するS006-1710の効果も調べた。データによると、10
-12 M 及び10
-10Mの濃度範囲において、18日間の骨髄培養法におけるアリザリンレッド抽
出のコントロール下、S006-1710によって、初期のカルシウム沈着の石灰化に著しい増加
があることが判明した(
図6)。
【0074】
S006-1711: S006-1711は骨芽細胞増殖に何ら影響を与えなかったが(
図1c)、10
-16M 〜10
-6M濃度の頭蓋及び骨髄抽出骨芽細胞におけるALP活性を促した(
図3c)。S006-1711は10
-12M〜10
-10M濃度の頭蓋及び骨髄抽出骨芽細胞の石灰化も促した(
図5及び
図6)
。
S006-1713: S006-1713は、骨芽細胞の増殖に何ら影響を与えず(
図2a)、ALP活性に対する刺激も目立たなかった(
図4a)。
S006-1714: S006-1714は、骨芽細胞の増殖に何ら影響を与えず(
図2b)、ALP活性に対する刺激も目立たなかった(
図4b)。
【0075】
骨芽細胞分化を起こすアルカリホスファターゼ活性
S007-1351:
70%〜80%の集密的頭蓋冠骨芽細胞に対し、アスコルビン酸塩とグリセロリン酸塩の存在下、S007-1351で、48時間処理を行った。定温培養の終わりに、p-ニトロフェニルリン
酸(PNPP)を基材として使用する方法によって、ALP活性をトータルで測定した。反応混合
物は、ジエタノールアミンバッファ(1mol/L, pH9.8)、0.5mmol/L MgCl
2・6H
2O、及び 10mmol/L PNPP等を含む。PNPPの脱リン酸化を波長405nmで行うことによって形成される着
色生成物の光学濃度を測り、ALP活性を測定した。この結果、10
-12M〜10
-6Mの濃度範囲で、S007-1351によって処理することにより、骨芽細胞ALPの著しい増加があることが判明した(
図7)。
S006-1352:
70%〜80%の集密的頭蓋冠骨芽細胞に対し、10
-12M〜10
-6 Mの濃度範囲のアスコルビン酸塩とグリセロリン酸塩の存在下、S007-1352で、48時間処理を行った。定温培養の終わ
りに、先に使用した同じ方法、p-ニトロフェニルリン酸(PNPP)を基材として使用する方法によって、ALP活性をトータルで測定した。その結果、コントロール媒体と比べて、調
査したあらゆる濃度範囲において、S007-1352治療を施した方が、骨芽細胞ALP活性の著しい増加があることが分かった(
図7)。
S007-1353: S007-1353は、10
-12M〜10
-6Mの濃度範囲において、頭蓋抽出骨芽細胞におけるALP活性を促した(
図7)。
S007-1495: S007-1495は、10
-12M〜10
-6Mの濃度範囲において、頭蓋抽出骨芽細胞におけるALP活性を促した(
図7)。
S007-1500: S007-1500は、10
-12M〜10
-6Mの濃度範囲において、頭蓋抽出骨芽細胞におけるALP活性を促した(
図7)。
S007-1354、S007-1355、S007-1496、S007-1497、S007-1498、S007-1499及びS007-1501:
これら化合物のALP活性に対する刺激は目立たないことが分かった。
【0076】
さまざまな合成化合物の抗脂質生成効果
方針:脂質生成の増加は、骨量減少を促進することがインビボで示されたため、この実験は脂質生成を阻害する合成化合物を同定することを目指した。インビトロでの最も顕著な脂質生成モデルは3T3-L1細胞株、つまりスイス3T3細胞(マウス胎仔由来線維芽細胞株)
の亜株である。基準状態下で伝搬する3T3-L1細胞株は線維芽細胞の形質を有する。しかしながら、デキサメタゾン、イソブチルメチルキサンチン(IBMX or MIX)、及びインシュ
リンの組み合わせにより治療する場合、3T3-L1細胞株は丸みを帯びた形質をとり、5日以
内に、脂肪滴の形態で細胞内に脂質を蓄積し始める。
【0077】
方法:
脂肪細胞分化のプロセス(インビトロ)
3T3-L1細胞株を、40,000細胞/ウェルの48ウェルプレートに置いた。この細胞を、DMEM含有ウシ胎児血清中で2日間、細胞が併合するまで定温培養した。その後、10%のFCS、IBMX、及びデキサメタゾンとDMEMを含む脂質生成開始媒体で、48時間、37℃、5%のCO
2下で、細胞を定温培養した。2日後、媒体をDMEM/10%FCSとインシュリンを含む脂質生成促進媒体に置き換え、48時間、37℃、5%のCO
2下で、細胞を定温培養した。媒体を徐々に脂質生成保持媒体に変更し、48時間、37℃、5%のCO
2下で、細胞を定温培養した。実験8日後
、細胞を固定し、オイルレッドOで染色して、脂質滴を染色した。染料を抽出し、抽出した染料を96-ウェルプレートに移し、抽出したオイルレッドOの吸収度を490nmの波長のプレートリーダーで測定した。
【0078】
結果:
化合物S006-1709、S007-1351-53、S007-1495及びS007-1500を、10
-10M及び10
-12Mの濃
度で、3T3L1細胞株中、インビトロでテストした。
図8aは、8日間の実験後に形成された脂肪細胞を示す。固定された細胞はオイルレッドOで染色した。その後染料を抽出して定量化した。あらゆる化合物の中で、S006-1709、S007-1495及びS007-1500が、異なる濃度
における脂質生成を著しく阻害した(
図8b)。化合物S007-1353は、10
-10Mの濃度で脂
質生成を阻害したが、統計的に重要ではないことが分かった。その他の化合物S007-1351
(両濃度において)、S007-1352(両濃度において)、及び10
-12Mの濃度におけるS007-1353は、抗脂質生成物質というより、脂質生成の誘導物質であることが分かった。
【0079】
エストロゲン性及び抗エストロゲン性
閉経後女性におけるエストロゲン治療を断念せざるを得ない主な障害となる、閉経後女性におけるエストロゲンの癌促進性を考慮して、これら女性における潜在的なエストロゲン性を引き出す活性純化合物をテストした。
【0080】
生後21日の雌ラット(25-30グラム)の卵巣切除を行い、術後7日間静置した。その後、これらに対し、参考基準としての、テスト薬剤(体重当たり10mg/Kg)又は媒体又はエチ
ニルエストラジオールで3日間継続して経口治療を施した。抗エストロゲン性に関して、
テスト薬剤の他にエチニルエストラジオール(0.01mg/kg)を、テスト薬剤投与前に15分
間隔で投与した。最後の治療後24時間後に解剖して、子宮生体重を取り出した。
【0081】
化合物S006-1709は非エストロゲン性であることが分かり、一方S006-1710及びS006-1711はエストロゲン性であることが分かった(表1)。化合物S006-1709は抗エストロゲン性であることが分かり、一方S006-1710及びS006-1711は抗エストロゲン性でないことが分かった(表1)。
【表1】
【0082】
S-006-1709及びS007-1500のインビボでの有効性
S006-1709 及び S007-1500は、骨芽細胞の機能のあらゆるステージで、いかなるエストロゲン性も発揮することなく、増殖、分化、石灰化等の刺激性作用を発揮することが知られている。よって、インビボでの有効性を求めるため、S006-1709(表2)及びS007-1500(表3)の評価を行った。
【0083】
成熟していない生後21日の雌のSDラットをモデルとして選択し、大まかに4グループに
分け、テスト薬剤又は媒体を1カ月間毎日投与して治療を行い、31日目に解剖した。
【0084】
解剖の1日前に、ラットを代謝ケージに移し、24時間餌と水を与えて馴養した。馴養し
たラットを代謝ケージに残し、更に24時間餌を与えず水だけ与えた。24時間後、血液と尿のサンプルを採取した。血清カルシウム、血清リン、血清オステオカルシン、血清アルカリ性ホスファターゼ(ALP)等のさまざまな生化学的パラメータを評価した。31日目にラッ
トの解剖を行い、腰椎、大腿骨、脛骨を分離、洗浄し、BMD測定まで70%のエタノールを
含む生理食塩水中に固定し、4℃で保存した。初期体重と最終的な体重及び解剖時の子宮
重量を記録した。対象領域(腰椎:全体、L1-L4; 大腿骨:全体、首及び背骨;脛骨:全体、局所、及び脛腓接点)に対し、インビボで小動物の骨密度測定及び身体組成の測定を行う市販されているファンビームDXA装置用ソフトウェア(QDR 4500 ACCLAIM シリーズ)を備える骨密度測定器(型:4500 Elite, Hologic)を使用してBMD測定を行った。
結果:大腿骨と脛骨において、10mg/kgのS006-1709投与でBMDの著しい増加が見られた。
又、1.0及び5.0mg/kgのS007-1500の2回投与でBMDの著しい増加が見られた。
【表2】
【表3】
薬物動態の検討:
実験動物を使用して本発明の化合物S006-1709の薬物動態評価を行い、そのデータを表
4に示すと共にその詳細な手順を以下に記載する。
【0085】
経口投与によってSDラットに5mg/Kg投与することにより、インビボで薬物動態パラメータを得た。0.25、0.5、0.75、1.0、1.5、2.0、2.5、4.0、6、8、10、12、18、24、28、36及び48時間毎に血液サンプルを採取し、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)によって加工、分析した。異なる時点における血漿濃度をプロットして血漿濃度タイムプロファイルを作成し、Win NonLin 5.1 版ソフトウェアを使用して非コンパートメント解析によ
ってデータ合わせを行い、薬物動態パラメータの概算をSD平均値で得た。最大血漿濃度(C
max)、最大血漿濃度を達成する時点(t
max)、曲線下面積、排出半減期(T
1/2)、及び平均滞留時間(MRT)はそれぞれ17.533 ± 1.76、15分、32.12±12.0 hr.ng/ml、2.5時間及び3.5時間であることが分かった。
【表4】