【文献】
夢見るテクノロジー,ASCII,日本,株式会社アスキー,2006年 6月 1日,第30巻 第6号,p.94〜97
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
配信されたコンテンツを表示する表示端末からなるクライアントに第1のネットワークを介してコンテンツを配信するサーバを有するコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信方法であって、
前記サーバは、前記表示端末を介さず、前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークを介して直接接続された入力端末から前記コンテンツの配信を制御するための入力情報を受信し、
さらに、前記コンテンツが表示可能であり、かつ、前記コンテンツの配信を制御する入力情報を他の入力端末から前記第2のネットワークを介して受信可能であり、
前記入力情報に基づき、前記表示端末に対する前記コンテンツの配信を制御することを特徴とするコンテンツ配信方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のいずれの技術においても、コンテンツが配信される特定のクライアントに対して、入力デバイスを接続する構成であるため、入力デバイスは、このクライアントが有する機能の制約を受けた。上記のように、汎用の入力デバイスを接続可能としたクライアントであっても、このクライアント側は多様な入力デバイスからの入力に合わせて容易に入力機能を拡張したり入れ替えたりすることができない。また、クライアントと入力デバイスが同一の場所になくてはならないという制約がある。
【0007】
また、クライアントは、入力デバイスからの操作入力を中継してネットワークを介しサーバとの間で通信する構成であるため、ユーザが入力デバイスを操作してからクライアントが入力信号を受信しサーバに送信する処理が、クライアントの性能や方式に依存する。このため、入力信号を送信するのに時間がかかり、クライアントに表示等するまでの応答時間に所定の遅延が生じた。特に、ゲーム等のリアルタイム通信のコンテンツでは、クライアントのデータ処理の遅延により、コンテンツの実行動作(操作反応)が遅いと、ユーザに対して処理遅延による実行待機をさせてしまう。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、クライアントの性能の制約を受けずにコンテンツの配信を迅速に行うことができ、多様な入力機能に対応できるコンテンツ配信システム、コンテンツ配信装置およびコンテンツ配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のコンテンツ配信システムは、サーバからクライアントにコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおいて、前記クライアントとして、前記サーバから第1のネットワークを介して配信されたコンテンツを表示する表示端末と、前記コンテンツの配信を制御する入力情報を前記サーバに出力する入力端末とを備え、前記入力端末は、前記表示端末を介さず、前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークを介して直接前記サーバに接続され
、さらに、前記コンテンツが表示可能であり、かつ、前記コンテンツの配信を制御する入力情報を前記サーバに出力可能な他の入力端末が前記第2のネットワークを介して接続可能なことを特徴とする。
【0011】
また、前記第1のネットワークは広帯域ネットワークであり、前記入力端末は、汎用の通信機能、入力機能および表示機能を有する携帯端末であり、前記第2のネットワークは、前記携帯端末が通信可能な通信網であることを特徴とする。
【0012】
また、前記サーバは、前記表示端末に配信する一つの前記コンテンツに対して、複数の入力端末の同時接続を許可し、各入力端末の入力情報に基づいて前記コンテンツの配信を制御することを特徴とする。
【0013】
また、前記コンテンツは、インタラクティブコンテンツであり、前記サーバは、前記入力端末の入力情報に基づいて、配信内容を変更することを特徴とする。
【0014】
また、前記入力端末は、前記入力情報として連続値を取得・送信することを特徴とする。
【0015】
また、前記入力端末は、前記入力情報としてバイナリデータを取得・送信することを特徴とする。
【0016】
また、本発明のコンテンツ配信装置は、配信されたコンテンツを表示する表示端末にコンテンツを配信するコンテンツ配信装置であって、前記コンテンツの配信を制御するための入力情報を出力する入力端末が出力する前記入力情報を、前記表示端末を介さず、直接前記入力端末との間の通信のネットワークを介して受信
し、さらに、前記コンテンツが表示可能であり、かつ、前記コンテンツの配信を制御する入力情報を自コンテンツ配信装置に出力可能な他の入力端末が前記表示端末を介さず、直接前記入力端末との間の通信のネットワークを介して接続可能なことを特徴とする。
【0017】
また、本発明のコンテンツ配信方法は、配信されたコンテンツを表示する表示端末からなるクライアントに第1のネットワークを介してコンテンツを配信するサーバを有するコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ配信方法であって、前記サーバは、前記表示端末を介さず、前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークを介して直接接続された入力端末から前記コンテンツの配信を制御するための入力情報を受信し、
さらに、前記コンテンツが表示可能であり、かつ、前記コンテンツの配信を制御する入力情報を他の入力端末から前記第2のネットワークを介して受信可能であり、前記入力情報に基づき、前記表示端末に対する前記コンテンツの配信を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、クライアントの性能の制約を受けずにコンテンツの配信を迅速に行うことができ、多様な入力機能に対応できるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるコンテンツ配信システム、コンテンツ配信装置およびコンテンツ配信方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
(コンテンツ配信システムの全体構成)
図1は、本発明のコンテンツ配信システムの全体構成を示す図である。コンテンツ配信システム100は、コンテンツの配信元のサーバ101と、ユーザ(クライアント)に設けられる表示端末102および入力端末103とにより構成される。サーバ101と表示端末102との間は、ブロードバンド(広帯域)なインターネット等のネットワーク104によって通信接続されている。
【0022】
また、入力端末103は、表示端末102を介さずにサーバ101との間が通信接続されている。図示の例では、サーバ101と入力端末103との間は、ネットワーク104以外の入力端末103が通信可能な他の通信網として携帯網105を介して通信接続されている。なお、サーバ101と入力端末103との間についても、ネットワーク104を介して接続する構成としてもよい。
【0023】
サーバ101は、表示端末102のユーザに提供するコンテンツ110を保有している。また、受信処理部111は、ユーザによる入力端末103の操作に対応して携帯網105を介して受信したコンテンツ配信に対する入力操作の情報(コンテンツ110の配信要求等)を受信処理する。
【0024】
表示端末102は、サーバ101から配信されるコンテンツ110を表示処理部121を介して表示部122に表示し、図示しないスピーカから音声出力する。この表示端末102は、TVやPC等を用いることができる。
【0025】
入力端末103は、表示端末102に対するコンテンツ110の配信にかかるユーザ操作を受け付ける入力処理部131と、操作画面等を表示するGUI(Graphical User Interface)132等を有している。この入力端末103は、携帯電話、スマートフォン、PDA等の汎用端末を用いることができる。ユーザ操作により、入力処理部131は、操作情報を携帯網105を介してサーバ101の受信処理部111に送信する。
【0026】
この入力端末103は、例えば、スマートフォンを用い、このスマートフォンにコンテンツ配信操作用のプログラムをインストールすることにより、表示端末102に対するコンテンツ110の配信を操作できるようになる。これにより、汎用端末を用い、コンテンツ配信操作用のプログラムのインストールあるいは変更等により、コンテンツの配信にかかる操作機能を容易に拡張できる。
【0027】
図1に記載のように、例えば、コンテンツが配信される1台の表示端末102に対し、複数台の入力端末103を操作してコンテンツの配信をそれぞれ操作することができる。例えば、ゲーム等を多数のユーザにより同時に操作することができるようになる。このコンテンツに対する配信先の表示端末102の情報、および同時操作を許容する複数の入力端末103にかかる情報は、入力端末103のコンテンツ配信操作用のアプリケーション、あるいは入力端末103の操作による事前登録等により、サーバ101が関連付けて保持している。
【0028】
また、
図1に記載のように、表示端末102に対するコンテンツの配信と、入力端末103によるコンテンツの配信を操作する形態に限らず、コンテンツの表示および配信操作を1台の入力端末103aにより行う構成としてもよい。この入力端末103aは、上記入力端末103と同様の機能を有している。この入力端末103aは、接続可能なネットワーク(図示の例では携帯網105)を介してサーバ101から入力端末103aに対してコンテンツが配信され、入力端末103aからサーバ101に対して配信の操作を行う。この入力端末103aを用いることにより、例えばコンテンツの配信が許可されたユーザは、表示端末102が設置された宅外においてコンテンツの入力操作をすることができる。
【0029】
図2は、
図1に示したシステムの各機能を示すブロック図である。サーバ101は、上記の受信処理部111と、コンテンツ110を格納するコンテンツ格納部201と、セッション格納部202と、配信部203と、コンテンツ情報送信部204と、コンテンツメタデータ205と、を含む。コンテンツ110は、映像等のストリーミング用のデータ、ゲーム等のアプリケーションのデータ等を含む。
【0030】
受信処理部111は、入力端末103からの操作情報(例えば、後述するトークン)の受信に基づき、セッション格納部202に格納された情報を参照し、該当するユーザに対するコンテンツ110の送出を要求する。セッション格納部202は、コンテンツ配信先である入力端末103およびユーザの情報を格納する。配信部203は、コンテンツの配信時にセッション格納部202に格納された情報を参照し、該当するユーザの表示端末102を認証後、この表示端末102に対するコンテンツの配信を制御する。
【0031】
コンテンツメタデータ205は、コンテンツに関する情報である。コンテンツ情報送信部204は、入力端末103からのコンテンツ配信にかかる操作情報の入力に対応して、入力端末103に対し、コンテンツの情報を送信する。
【0032】
(コンテンツ配信装置のハードウェア構成例)
図3は、サーバのハードウェア構成例を示す図である。
図3において、サーバ101は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read‐Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、ディスプレイ308と、I/F(Interface)309と、キーボード310と、マウス311と、を有している。また、各構成部はバス300によってそれぞれ接続されている。
【0033】
ここで、CPU301は、サーバ101のコンテンツ配信にかかる全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0034】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク307に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0035】
ディスプレイ308は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ308は、例えば、CRT、LCDなどを採用することができる。
【0036】
I/F309は、通信回線を通じてネットワーク104に接続され、ネットワーク104を介して他の装置に接続される。そして、I/F309は、ネットワーク104と内部のインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。I/F309には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0037】
キーボード310は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス311は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などを行う。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0038】
また、
図1に示したクライアント側の表示端末102および入力端末103は、上述したサーバ101と同様のハードウェア構成により実現することができる。また、
図2に示したコンテンツ格納部201は、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などによって実現される。また、サーバ101は、上述した構成部のうち、例えば、光ディスクドライブ306、光ディスク307、ディスプレイ308、キーボード310、マウス311などを有しないことにしてもよい。
【0039】
入力端末103は、汎用の通信機能、センサ機能、表示機能、入力操作機能を有する携帯電話やスマートフォン、PDA等を用いることができ、コンテンツ配信の入力操作をCPU上でソフトウェアが実行する構成のものを用いることができる。入力操作は、ユーザの手操作に限らず、音声入力、センサの傾き検出に基づく方向入力など入力端末103が備える機能をコンテンツ配信の制御用に用いることができる。
【0040】
(コンテンツ配信にかかるシステム内での全体の処理手順について)
図4は、コンテンツ配信にかかるシステム内での全体の処理手順を示す図である。
図2の各構成部に処理手順を記載してある。
図4には、全体制御を統括する制御部(
図3のCPU301相当)の構成を記載していないが、以下に説明する各手順は、この制御部が各構成部に対して処理を指示する。また、各処理毎の手順は括弧()の表記で記載してある。
【0041】
システム全体の処理手順は、1.事前登録、2.配信の開始、3.入力端末の接続、4.入力操作、5.入力端末の切断、6.配信の終了の順に実行される。以下、全体の処理手順について順に説明する。
【0042】
1.事前登録
セッション格納部202は、入力端末103の端末IDと、ユーザIDの対応関係を、保持しておく(手順1−1)。端末IDは、入力端末103の出荷時もしくは初回アクセス時に発行され、ユーザログイン時に、ユーザ登録時に発行されたユーザIDと入力端末103のIDとの対応関係が保持される。具体的にユーザIDは物理的な人に対して払い出される場合もあれば、配信サービスの使用権がある契約毎に払い出された世帯/家族に対するIDの場合もある。
【0043】
2.配信の開始
表示端末102をコンテンツ配信接続のために起動すると(手順2−1)、この表示端末102の端末情報がサーバ101に送信される(手順2−2)。サーバ101では、表示端末102の認証を行い(手順2−3)、コンテンツ(プログラム)110が起動され(手順2−4)、配信部203を通じて、クライアント側の表示端末102の表示部122との間が接続される。この対応関係をセッションと呼び、接続を識別するための一意なIDが発行される。
【0044】
サーバ101に表示端末102が接続されている期間は、これら表示端末102、入力端末103についてのユーザ・セッションの関係がセッション格納部202に保持される(手順2−5)。そして、配信部203は、コンテンツ110を表示端末102に送信開始する(手順2−6、2−7)。表示端末102は、配信開始されたコンテンツを表示開始する(手順2−8)。
【0045】
サーバ101に設けられる配信部203は、コンテンツ(プログラム)110が出力する映像および音声のエンコードを行う。表示端末102に設けられる表示部122は、サーバ101から送信された映像および音声情報をデコードし、モニタ出力する。
【0046】
3.入力端末の接続
次に、配信されるゲーム等のコンテンツ110を入力端末103によりインタラクティブに操作する場合について説明する。ユーザが入力端末103を起動させると(手順3−1)、入力端末103のコンテンツ配信用のアプリケーションは、ユーザ操作によるユーザIDの認証を行い(手順3−2)、ユーザ情報をサーバ101に送信する(手順3−3)。
【0047】
サーバ101では、受信処理部111が、セッション格納部202内で該当ユーザのセッション情報を検索し(手順3−4)、該当するコンテンツ110に接続する(手順3−5)。
【0048】
ここで、セッションが複数存在する場合、すなわち接続中の表示端末102が複数ある場合は、表示端末102のリストを入力端末103に返却し、ユーザに選択させる(手順3−4’)。接続ができると、サーバ101の受信処理部111は入力端末103に、そのセッション内でのみ有効なトークンを返却する(手順3−6)。そして、入力端末103がサーバ101に接続されたときに、入力端末103の接続通知が配信部203を介して表示端末102に送信され(手順3−7)、表示端末102の表示部122に入力端末103の接続が表示される(手順3−8)。
【0049】
このとき、サーバ101のコンテンツ情報送信部204は、コンテンツ110の情報や、コンテンツメタデータ205を取得し(手順3−9)、コンテンツの情報を更新し、入力端末103に送信し、入力端末103のGUI132の表示情報や入力モードを変えることもできる(手順3−10)。
【0050】
また、サーバ101は、同一セッション内で、他の入力端末103(103aを含む)が接続されている場合は、入力端末103に対して、新たな入力端末103が接続されたことを通知することができる(手順3−11)。具体的には、入力端末103のGUI132は、「接続しているユーザの数やニックネームを表示させる」、「ゲーム/映像コンテンツの説明や画像などを表示させる」、「リモコンをゲームパッドの表示と映像プレイヤの表示に切り替える」などを行うことができる。
【0051】
4.入力操作
入力端末103に対し、ユーザが操作情報を入力すると(手順4−1)、入力処理部131はこの入力された操作情報を、上記の手順3−6で取得したトークンとともに、サーバ101に送信する(手順4−2)。このとき、具体的には、「キーのPress/Release(0/1のデジタル値)」、「テキストデータ」、「触った場所の座標値(連続値)」、「3次元空間における加速度値(連続値)」、「入力端末で取得した音声・画像(バイナリデータ)」などを取得し、サーバ101に送信する。
【0052】
サーバ101の受信処理部111は、受信したトークンの検証(照合)を行い、合致していれば、コンテンツ110に入力情報を渡す(手順4−3)。トークンが合致しない場合は、不正なアクセスとみなし、入力を破棄する。
【0053】
コンテンツ110は、入力内容に対応してコンテンツの表示内容を変更し(手順4−4)、表示端末102は変更したコンテンツを表示する(手順4−5)。このとき、コンテンツ(プログラム)110の状態が変わるため、コンテンツ情報送信部204を通じて、入力端末103に対し、更新した表示を行うこともできる(手順4−6〜4−7)。前記、入力端末103の操作入力に応じて表示の変更を行うことができ、例えば、「ボタンを押したときに、ゲーム内でのキャラクタ移動」、「映像データのチャプター送り/戻し」、「選択に応じたストーリーの分岐」「入力されたメッセージ・画像の表示」などが行える。
【0054】
5.入力端末の切断
入力端末103で切断操作(電源のOFFなどを含む)を行った場合は(手順5−1)、この切断情報を、手順3−6で取得したトークンとともに、サーバ101に送信する(手順5−2)。サーバ101では、該当するトークンを削除する(手順5−3)。切断が通知されると、コンテンツ(プログラム)110は、切断に応じて表示を変更し(手順5−4)、表示端末102で表示を変更(更新)する(手順5−5)。
【0055】
また、接続している他の入力端末103がある場合、サーバ101は、その入力端末103に対して、上記の手順3−9〜3−11と同様に、コンテンツの情報を更新し、入力端末103の表示更新をすることができる(手順5−6〜5−8)。この表示の更新とは具体的には、「あるユーザが切断したことをニックネームと一緒に通知する」、「切断したユーザが操作していたキャラクタが消える」などがある。
【0056】
6.配信の終了
コンテンツ(プログラム)110が終了した場合(手順6−1)、配信部203は配信を終了させ(手順6−2)、表示端末102は表示部122のコンテンツ110の表示を終了させる(手順6−3)。このとき、配信部203は、セッション情報の削除を行う(手順6−4)。これにより、該当するユーザのセッションはなくなり、新たな入力端末103からの接続はできなくなる。また、接続している入力端末103がある場合、その入力端末103に対して、上記手順3−9〜3−11と同様に、切断の通知をする(手順6−5〜6−6)。このコンテンツ(プログラム)110の終了の契機は、入力端末103あるいは表示端末102からのコンテンツ配信に対する終了操作や、コンテンツ(プログラム)110の意図的な終了、ネットワーク104の通信不良による切断など、に基づく。
【0057】
(セッション情報の状態遷移)
図5は、セッション格納部に格納されるセッション情報の状態遷移を示す図である。
図5の(a)〜(g)にセッション情報の状態遷移を順に記載してある。上述したように、セッション格納部202に格納されるセッション情報は、各入力端末103の端末ID毎に、ユーザIDと、セッションIDと、トークンとを関連付けて更新される。
【0058】
はじめに、
図5の(a)に示すように、例えば、セッション格納部202にはあらかじめ入力端末103の端末IDが事前に登録されているものとする。以下、端末ID=1001の状態遷移について説明する。そして、該当する端末ID=1001の入力端末103がログインすると(手順1−1)、
図5の(b)に示すように、ユーザID(=契約者A)が記録される。次に、
図5の(c)に示すように、コンテンツ110の配信を開始すると(手順2−5)、セッションID(=20001)が記録される。
【0059】
次に、
図5の(d)に示すように、1つめの入力端末103が接続されると、この入力端末103に対しセッション(ID=20001)内でのみ有効なトークン(=ABC)を返却する(手順3−6)。同様に、2つめの入力端末103が接続されると、
図5の(e)に示すように、この入力端末103に対しセッション(ID=20001)内でのみ有効なトークン(=XYZ)を返却する(手順3−6)。これにより、1つのコンテンツ110に対し、2台の入力端末103の同時入力操作が許可される。
【0060】
この後、1つめの入力端末103が終了すると、
図5(f)に示すように、この入力端末103に対しセッション(ID=20001)内でのみ有効なトークン(=ABC)を削除する(手順5−3)。この後、コンテンツ110の配信が終了すると(手順6−4)、
図5(g)に示すように、セッションIDおよびトークンが削除される。
【0061】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、表示端末とは異なる入力端末からの入力操作を行い、この入力端末が表示端末を経由せず、直接サーバと通信を行ってコンテンツの配信の制御を操作する。これにより、表示端末におけるコンテンツ操作の制約を受けずに、入力端末が独自にコンテンツ配信のための入力機能の拡張および入れ替えを行うことができるようになる。また、表示端末はコンテンツ表示の機能に特化でき、入力操作に関与しないため、入力端末側での入力機能の拡張等の影響を受けない。入力端末は、表示端末を経由せずに直接サーバと通信を行うため、入力操作に対するコンテンツ配信の制御を遅延無く迅速に行えるようになる。
【0062】
また、入力端末だけを交換して入力機能を高機能化することができる。また、汎用の入力端末を用い、入力端末が通信可能な既存の通信網(携帯網等)を経由してコンテンツの配信を行うことができるようになる。また、入力端末上でコンテンツ配信のアプリケーションをソフトウェア実行するため、入力端末を交換せずとも、アプリケーションの更新により入力機能を容易に拡張できるようになる。
【0063】
さらには、サーバは、セッションIDとトークンを用い、コンテンツ配信の制御を複数の入力端末から受け付けることができるため、1つのコンテンツを複数台の入力端末を同時に用いて配信制御できるようになる。例えば、家族個々に入力端末を用いて操作し、1つのゲームを複数人で同時プレイすることができる。また、表示端末が映画館やパブリックビューイングのスクリーンとし、観客にそれぞれ入力端末を配布することにより、コンテンツ上映時の各観客からの入力操作に基づき、例えば場面毎の選択を多数決して上映内容(シナリオ)を変更することもできる。
【0064】
また、宅内において表示端末と複数の入力端末を組として配信を制御するとともに、宅外の入力端末においても、離れた場所から同じコンテンツの視聴(同じゲームへの参加)を行うこともできるようになる。