特許第5719890号(P5719890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立アロカメディカル株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5719890-放射線測定装置 図000002
  • 特許5719890-放射線測定装置 図000003
  • 特許5719890-放射線測定装置 図000004
  • 特許5719890-放射線測定装置 図000005
  • 特許5719890-放射線測定装置 図000006
  • 特許5719890-放射線測定装置 図000007
  • 特許5719890-放射線測定装置 図000008
  • 特許5719890-放射線測定装置 図000009
  • 特許5719890-放射線測定装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5719890
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】放射線測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01T 7/00 20060101AFI20150430BHJP
   G01T 1/16 20060101ALI20150430BHJP
   G01T 1/169 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   G01T7/00 A
   G01T1/16 A
   G01T1/169 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-172454(P2013-172454)
(22)【出願日】2013年8月22日
(65)【公開番号】特開2015-40788(P2015-40788A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2014年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029791
【氏名又は名称】日立アロカメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 典央
(72)【発明者】
【氏名】谷野 寿和
【審査官】 藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−053881(JP,A)
【文献】 特開2004−093456(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/019060(WO,A1)
【文献】 特開2001−004757(JP,A)
【文献】 特開平02−198385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/16
G01T 1/167
G01T 1/169
G01T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型の放射線測定装置であって、
放射線を検出する先端部と、平板状のグリップ部と、を有する本体と、
前記グリップ部の下側において下方へ突出する形態を有し、1又は複数の電池を収容する電池ボックスと、
を含み、
前記本体の下側において前記本体の下面と前記電池ボックスの前面とにより段差構造が形成された、
ことを特徴とする放射線測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の放射線測定装置において、
前記電池ボックス内において前記1又は複数の電池が前記本体に対して傾斜した姿勢で収容された、
ことを特徴とする放射線測定装置。
【請求項3】
請求項2記載の放射線測定装置において、
前記本体の下面と前記電池ボックスの前面との間の角度は90度未満である、
ことを特徴とする放射線測定装置。
【請求項4】
請求項3記載の放射線測定装置において、
前記電池ボックスの下面は前記本体の下面に対して傾斜している、
ことを特徴とする放射線測定装置。
【請求項5】
可搬型の放射線測定装置であって、
放射線を検出する先端部と、前記先端部の後側に設けられた中間部と、前記中間部の後側に設けられたグリップ部と、を有し、長手方向に伸長した本体と、
前記グリップ部の下側において下方へ突出する形態を有し、1又は複数の電池である所定本の電池を収容する電池ボックスと、
を含み、
前記本体の下側において前記本体の下面と前記電池ボックスの前面とにより段差構造が形成され、
前記電池ボックス内に前記所定本の電池が収容されている場合に当該放射線測定装置の重心が前記長手方向において前記段差付近にある、
ことを特徴とする放射線測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線測定装置に関し、特に、可搬型の放射線測定装置の形態に関する。
【背景技術】
【0002】
可搬型の放射線測定装置としてサーベイメータが知られている。サーベイメータは、環境放射線や放射性汚染源からの放射線等を測定する装置である。特許文献1には、全体として平板形の形態を有するサーベイメータが開示されている。そのサーベイメータは、先端部、中間部及びグリップ部を有する。先端部は中間部に対して屈曲部を介して連結されている。中間部の上面には表示器や操作部が設けられている。グリップ部は水平方向から見て薄い平坦な形態を有し、その内部には充電可能な二次電池としての板状のバッテリが収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5042383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可搬型のサーベイメータの電力源としては、二次電池の他、一次電池があげられる。後者の場合、十分な容量を確保するためには、複数の(例えば4本)の一次電池をセットできるように構成する必要がある。平板形のサーベイメータの場合、その本体内に、複数の一次電池を収容するための十分なスペースは存在していない。そこで、電池ボックスを本体から突出した状態で設ける必要があるが、漫然と電池ボックスを配置すると、保持性や操作性が低下してしまう。例えば、水平方向にグリップ部に並んで電池ボックスを付加的に連結するならば、グリップ部の原形を維持できるとしても、重量バランスが大きく崩れて、操作性が悪くなる。グリップ部の上側に電池ボックスを設ける場合においても操作性が悪くなる。
【0005】
本発明の目的は、肥大した電池ボックスを有し、手で把持される放射線測定装置において、操作性を向上することにある。あるいは、本発明の目的は、平板形の放射線測定装置において、手で自然に保持できるグリップ形態を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、可搬型の放射線測定装置であって、放射線を検出する先端部と、平板状のグリップ部と、を有する本体と、前記グリップ部の下側において下方へ突出する形態を有し、1又は複数の電池を収容する電池ボックスと、を含み、前記本体の下側において前記本体の下面と前記電池ボックスの前面とにより段差構造が形成された、ことを特徴とするものである。
【0007】
上記構成によれば、本体におけるグリップ部の下側に電池ボックスが設けられており、その電池ボックス内の1又は複数の電池から本体内の電子機器に対して電力が供給される。電池ボックスは、望ましくは、複数の一次電池(円筒形電池)を交換可能に収容するものである。複数の一次電池を使用しない場合に、その電池ボックスを取り外せるように構成するのが望ましい。その場合、望ましくは、本体内の電池スペースに例えば薄い平板状の二次電池が収容される。上記構成においては、電池ボックスの前面とが本体の下面とによって段差構造が形成される。
【0008】
望ましくは、段差構造に例えば人差し指を引っ掛けつつ、電池ボックス及びグリップ部の全体が手で把持される。段差構造に2本の指を引っ掛けることも可能である。このような引っ掛けによって、手から放射線測定装置が前方へ滑り出てしまうことが自然に制限される。例えば、空間線量測定に際して、あるいは、対象物からの放射線の測定に際しては、本体が水平姿勢あるいは前方にやや傾斜した姿勢にされる場合が多い。そのような姿勢において、段差構造に指を引っ掛ければ、力を入れなくても放射線測定装置を安定的に楽に保持することが可能である。平板状つまりおよそ平たいグリップ部を上方から見てくびれ形状にすれば、手での保持をより容易に行える。段差構造に指を引っ掛けた状態では上記のように放射線測定装置の姿勢が安定化するから、例えば、本体上面の操作部に対して親指で操作を行っても、放射線測定装置の姿勢が大きく崩れることはなく、あるいは、放射線測定装置が前方へ滑り出てしまうことはない。なお、電池ボックスを取り外して、平板状のグリップ部を手で保持する場合に、その保持を支援するために、上記の段差構造に相当する引っ掛かりを別途設けてもよい。なお、段差構造に対して常に指を引っ掛けている必要はなく、それは必要に応じて行われるものである。
【0009】
望ましくは、前記電池ボックス内において前記1又は複数の電池が前記本体に対して傾斜した姿勢で収容される。本体内に電池収容スペースが存在している場合、1又は複数の電池の一部がその電池収容スペース内に差し込まれつつ1又は複数の電池が配置されるようにしてもよい。これによれば電池ボックスの下方への突出量を小さくできる。1又は複数の電池が傾斜した姿勢で配置される場合、それを収容する電池ボックスの下面が自然に斜面となる。その場合、電池ボックスの下方への突出量は、その前端から後端にかけて徐々に増大することになる。そのような電池ボックスの形態は、手による保持に馴染むものである。
【0010】
望ましくは、前記本体の下面と前記電池ボックスの前面との間の角度は90度未満である。この構成によれば、段差構造に対して指を引っ掛けることが容易となる。例えば、本体を前傾姿勢にして測定を行う場合、前記角度が90度の場合に比べて、前記角度が90度未満であれば、より良好な指の引っ掛け状態を形成できる。
【0011】
望ましくは、前記電池ボックスの下面は前記本体の下面に対して傾斜している。上記のように、電池ボックスの下方への突出量が、その前端から後端にかけて徐々に増大していれば、電池ボックスを手で自然に保持することが可能である。
【0012】
本発明は、可搬型の放射線測定装置であって、放射線を検出する先端部と、前記先端部の後側に設けられた中間部と、前記中間部の後側に設けられたグリップ部と、を有し、長手方向に伸長した本体と、前記グリップ部の下側において下方へ突出する形態を有し、1又は複数の電池を収容する電池ボックスと、を含み、前記本体の下側において前記本体の下面と前記電池ボックスの前面とにより段差構造が形成され、当該放射線測定装置の重心が前記長手方向において前記段差付近にある、ことを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、段差構造に引っ掛けている指の付近に重心が位置する。よって、本体が水平姿勢にある場合、電池ボックスやグリップ部を手で強く握らなくても、その姿勢を安定的に維持することが可能である。よって、操作上の負担を軽減できる。先端部が中間部に対して斜め下方へ屈曲している場合、段差構造の両側において垂れ下がった形態が構成され、重心位置は下方へ下がる。その場合、段差構造に指を引っ掛けると、その指の上にやじろべえ(balance toy)のように放射線測定装置が乗っかる。そのような状態では放射線測定装置が一方側に傾斜しても他方側に傾斜しても姿勢復元力が働く。このような状態で放射線測定装置を把持するならば放射線測定装置の姿勢を安定化するための負担が大きく軽減される。重心の位置が上記のような姿勢安定化を得られる範囲内に設定されるのが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、可搬型の放射線測定装置において操作性を向上することができる。あるいは、全体としておよそ平板形の本体を有する放射線測定装置において手で自然に保持できるグリップ形態を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る放射線測定装置の好適な実施形態としてのサーベイメータを示す斜視図である。
図2図1に示したサーベイメータを斜め下方から見た様子を示す図である。
図3】電池ボックスの底面図である。
図4図3におけるB−B断面を示す断面図である。
図5図3におけるC−C断面を示す断面図である。
図6図4におけるDに示される断面を示す断面図である。
図7】蓋を取り外した電池ボックスを示す図である。
図8】段差構造の作用等を説明するための図である。
図9】電池ボックスが取り外された状態にあるサーベイメータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る放射線測定装置の好適な実施形態が示されており、図1はサーベイメータを示す斜視図である。このサーベイメータは環境放射線や放射性物質からの放射線を測定する放射線測定器である。測定対象となる放射線はγ線である。
【0018】
サーベイメータ10は大別して本体12と電池ボックス16とにより構成されている。本体12は、長手方向に伸長した全体として平板状の形態を有する。具体的には、本体12は、先端部18、中間部22及びグリップ部24を有している。それらは長手方向における前側から後側にかけて並んでいる。先端部18と中間部22との間は屈曲部20である。屈曲部20において本体12は屈曲しており、その先の部分が先端部18である。先端部18内には放射線検出器が設けられている。中間部22の上面側には表示器26が設けられている。表示器26は例えば液晶表示器により構成される。そこには、線量率、積算線量等が表示される。中間部22とグリップ部24との間には操作部28が設けられている。操作部28は本実施形態において例えば3つのボタンにより構成されている。グリップ部24は、上方から見てくびれた形態を有しており、すなわちグリップ部24の前側及び後側がやや肥大しており、その中間部分がやや細くなっている。
【0019】
グリップ部24の下側に下方に突出した形態をもって電池ボックス16が設けられている。電池ボックス16は、本実施形態において4本の一次電池を収容するものである。各一次電池は円筒状の形態を有している。もっとも、一次電池として様々な一次電池を利用することが可能である。本実施形態におけるサーベイメータ10は平板型を有する二次電池を搭載することも可能であり、その場合においては電池ボックス16は取り外される。これについては後に図9を用いて説明する。
【0020】
図2には、斜め下方から見たサーベイメータが示されている。上述したように、サーベイメータは本体12と電池ボックス16とからなり、電池ボックス16はグリップ部24の下側から突出している。電池ボックス16は、本実施形態において、中空のハウジング30と、そのハウジング30の開口に装着される蓋32と、を有するものである。ハンドル34の回転操作により蓋32を取り外し可能である。蓋32を取り外した状態において、ハウジング30内に本実施形態において4本の一次電池が差し込まれる。その後、ハウジング30の開口に対して蓋32が取り付けられる。開口と蓋32との間におけるシール性を良好にするためにパッキンが設けられている。
【0021】
図3には電池ボックス16の下面が示されている。B−B断面が図4に示されており、C−C断面が図5に示されている。
【0022】
図4において、電池ボックス16は、中空のハウジング30を有する。ハウジング30内は4つの電池を収容する空間であり、図4においては、そのうちで2つの電池38,40が示されている。サーベイメータの本体におけるグリップ部内には収容スペース36が形成されている。収容スペース36は板状の二次電池を収容する空間である。電池ボックス16が本体に取り付けられている状態では、収容スペース36の開口がハウジング30によって覆われる。ハウジング30内に4つの電池を挿入した状態では、それらのうちで本体側の2つの電池40の一部分が収容スペース36内に差し込まれる。本実施形態においては、電池ボックス16内において、本体に対して傾斜した姿勢をもって4つの電池が配置されている。このような構成によれば、電池ボックス16への各電池の差し込みを容易に行える。また、後に説明するように、電池ボックス16の前面及び下面が自然に傾斜面となる。
【0023】
収容スペース36の長手方向のサイズは、各電池の長手方向のサイズよりも小さく、収容スペース36内に水平姿勢をもって電池を配置することはできないが、上記の構成によれば、収容スペース36内に複数の電池の一部分を収容して、電池ボックス16の突出量を低く抑えられる。図4において、電池38と電池40との間には傾斜した隔壁42が設けられている。図5において、右側の2本の電池と左側の2本の電池との間に隔壁44が設けられている。
【0024】
図6には、図4に示すD位置から見た断面が示されている。図6において、符号50は4つの一次電池を収容する空間を示しており、その空間50は大別してハウジング内空間46と本体内空間48とからなる。本体内空間48は上述した収容スペースに相当するものである。それはグリップ部24内に形成されている。ハウジング30の前壁内面には、4つの電池に接続される端子部材が配置されている。
【0025】
図7には、蓋を取り外した電池ボックスが示されている。ハウジング内の空間50内には4つの電池38,40,42,44が収容されている。
【0026】
図8には、サーベイメータ10の側面図が示されている。サーベイメータ10は本体12と電池ボックス16とを有し、本体12は、先端部18、中間部22及びグリップ部24を有する。先端部18と中間部22との間が屈曲部20である。この屈曲部20によって先端部18が斜め下方に向けられている。符号100は本体12の軸線であり、それは長手方向に平行である。軸線102には、先端部18の中心線であり、その軸線102の方向として主感度方向54が定義される。先端部18内には検出器52が設けられ、この検出器52によって外部から飛来するγ線56が検出される。検出器52は、例えば半導体検出器である。
【0027】
本体12における中間部22及びグリップ部24は横方向から見ておよそ平板状の形態を有し、本体12における上面は平面であり、また下面12Aも実質的に平面である。下面12Aから下方に突出するように電池ボックス16が設けられている。電池ボックス内には上述したように4つの電池が収容されている。電池ボックス16が有するハウジングが本体12に形成された収容スペース36を覆っている。電池ボックス16に収容された4つの電池のうちで、本体12に近い側の2本の電池40の一部分40Aが収容スペース36内に進入している。
【0028】
電池ボックス16は、傾斜した下面16B及び傾斜した前面16Aを有する。下面16Bは、前側から後側にかけて下がっている斜面である。下面12Aと前面16Aとの間のなす角度θは90°未満であり、例えば75〜85°である。
【0029】
下面12Aと前面16Aとにわたって段差構造104が形成されている。その段差構造104は、電池ボックス16の前側において、例えば人差し指58を引っ掛けることが可能なものである。符号68は、電池ボックス16が装着されたサーベイメータ10の重心位置を示している。重心位置68は、図8に示す実施形態において、段差構造104付近にあり、それは下面12Aよりもやや下側に位置しており、段差構造104に例えば人差し指58をあてがうと、その人差し指58上においてサーベイメータ10がやじろべえのように安定する。
【0030】
図8には、サーベイメータ10が水平状態にある場合における手57による保持が示されている。例えば、上述したように、手57における人差し指58が段差構造104に引っ掛けられつつ、中指60、薬指62及び小指64が下面16B上に回りこむようにして手57によってサーベイメータ10が保持される。その場合において、必要に応じて親指66によって操作部を構成するボタンを操作することが可能である。親指66が本体12から離れたとしても、段差構造104に対して人差し指58が引っ掛けられているので、サーベイメータ10が手57から前方に滑りだして脱落してしまうといった問題は生じない。また、サーベイメータ10を側面から見た場合、グリップ部24と電池ボックス16とが台形状あるいは楔型形状を有しており、すなわち、把持部分が手に馴染みやすい形態となっているため、サーベイメータ10を自然に手57で保持することが可能である。ちなみに、人差し指58を含む4本の指を下面16上にあてがうことにより、手57によってサーベイメータ10を保持するようにしてもよい。
【0031】
電池ボックス16の下面を本体12の下面12Aと平行な面とすることも可能である。その場合においては、複数の電池が水平姿勢で配置されることになる。一方、本実施形態のように、前面16Aを傾斜した面とし、かつ、下面16Bを傾斜した面として構成すれば、サーベイメータ10の保持をより自然に行うことが可能である。ちなみに、段差構造104に対して2つの指をかけることもでき、あるいは全ての指で電池ボックス16を包み込むようにして保持を行うようにしてもよい。状況に応じてサーベイメータ10に対するさまざまな持ち方を選択することが可能である。サーベイメータ10を前傾姿勢にしつつ放射線の測定を行う場合、上述したように段差構造104に少なくとも1つの指を引っ掛ければサーベイメータ10が手57から前方に脱落してしまうことを容易に防止することができる。その場合においても強く握る必要はないから、保持上の負担を軽減できる。また、そのような場合において親指66を本体12の上面から離すことができるから、操作性を良好にできるという利点も得られる。
【0032】
図9には、電池ボックスが取り外された状態にあるサーベイメータ10が示されている。収容スペース36内には二次電池68が配置されている。この二次電池68は一次電池とは異なり充電可能なものである。もちろん、電池ボックス内に充電可能な電池を収容することも可能である。収容スペース36内に板状の二次電池68がセットされたのち、収容スペース36が有する開口がカバー70によって閉じられる。このように本実施形態に係るサーベイメータ10は二次電池による駆動及び一次電池による駆動のいずれかを選択することが可能である。さらに、電源ケーブルを接続できるように構成してもよい。電池ボックスが取り外された状態においては、本体12が実質的に平板状の形態を有し、この場合においてはグリップ部24が有するくびれ形状が機能し、本体12をしっかり手で持つことが可能である。
【符号の説明】
【0033】
10 サーベイメータ、12 本体、16 電池ボックス、18 先端部、22 中間部、24 グリップ部、26 表示器、28 操作部、104 段差構造。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9