(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記平面ギャザーの幅は、前記立体ギャザーの突出部分の幅の80〜120%であり、前記ギャザー接合部は、幅が前記立体ギャザーの突出部分の幅の50〜90%であり、前後方向長さがおむつ全長の10〜50%である、請求項1記載の使い捨ておむつ。
前記平面ギャザーの弾性伸縮部材は、幅方向に間隔を空けて複数本並設されるとともに、幅方向外側のものほど伸長率が高い状態で固定されている、請求項2記載の使い捨ておむつ。
前記ギャザー接合部における前記立体ギャザーの基端側部分と前記平面ギャザーの基端側部分との間に、基端部弾性伸縮部材が前後方向に沿って伸長した状態で挟持されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
前記ギャザー接合部における前記立体ギャザーの基端側部分と前記平面ギャザーの基端側部分との間に、補助吸収体が挟持されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつにおいては、脚周りに対するフィット性を高めるために、おむつ内面における幅方向両側部に、身体側に突出する立体ギャザーがそれぞれ前後方向に沿って延在しているものが一般的となっている(例えば特許文献1、2参照)。このような立体ギャザーを備えることによって、両立体ギャザー間に排泄物が留まり、特に着用者の脚周り部からの排泄物の漏れが防止される。
【0003】
図11〜
図13に、立体ギャザーを備えた使い捨ておむつの従来例を示す。この使い捨ておむつの立体ギャザー60は、おむつ内面に固定された付根部分65と、この付根部分65から突出する突出部分66とを有しており、この突出部分66のうち前後方向両端部67,67がトップシート30表面に接着固定されるとともに、中間部が非固定の自由部分68とされ、この自由部分68の少なくとも先端部に、前後方向に沿って細長状弾性伸縮部材63が伸張状態で固定されることによって、弾性伸縮部材63の収縮作用により自由部分68がトップシート30表面から起立するようになっている。なお、
図8及び
図9中の網掛け部分(点模様部分)は接着固定部分を示しており、また符号50は吸収要素、符号56は吸収体、符号11は液不透過性シート、符号12は外装シート、符号40は中間シート、符号130はファスニングテープ、符号74はターゲットテープをそれぞれ示している。
【0004】
また、脚周りにおける更なる漏れ防止を図るため、吸収体56の幅方向両側に延在するサイドフラップ部SFのうち、立体ギャザー60の付根部分65と突出部分66との境界よりも側方に延在する脚周り部分80に、前後方向に延在する細長状弾性伸縮部材81を伸張状態で固定することにより、サイドフラップ部SFの脚周り部分80を、装着者の脚周りに対して弾性的にフィットする平面ギャザー80(立体ギャザーに対する意味で「平面」と呼ぶが、装着時には平面とはならず脚周りに沿う曲面となるものであることはいうまでもない)とすることも一般的となっている。
【0005】
しかしながら、従来の使い捨ておむつの立体ギャザーには次のような問題点があった。すなわち、使い捨ておむつは、製造時に折り畳まれて多数枚が集積され、集積方向に圧縮された状態でポリバッグに収納されて出荷される。突出部分の前後両端部がトップシート表面に接着固定されている立体ギャザーは、倒れた状態でポリバッグ内に圧縮収納されているため、接着剤の染み出しや圧縮による密着により、立体ギャザーの自由部分もトップシート表面に軽く付着される。これが原因となって、おむつ装着の際、立体ギャザーの自由部分が適切に立ち上がらず、横漏れを引き起こすおそれがあった。
【0006】
この問題を解決するものとして、立体ギャザーを2枚並設するとともに、これら立体ギャザーを前後方向中央部付近で接着し、肌に面として接するY字型(T字型)の立体ギャザーを形成することで足まわりのフィット性を向上させるとともに、装着時に立体ギャザーが自然と立ち上がるおむつ(特許文献3参照)も提案されているが、この先行技術の立体ギャザーは、既存の製造技術では製造が困難であり、また立体ギャザーの増加により資材使用量が増加するため、資材コストのみならず、柔軟性や通気性の低下をもたらすおそれがある。
【0007】
また、根本的に異なる解決方法として、立体ギャザーを設けずに、足まわりにフィットするサイド吸収体を設け、そのサイド吸収体に伸縮性を持たせて足まわりにフィットさせ、モレを防止するおむつ(特許文献4参照)も提案されているが、現実的な解決策とは言い難いものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の主たる課題は、装着に際して立体ギャザーを適切に立ち上げることができ、漏れ防止性能に優れるものでありながら、簡素で製造も容易な構造である、使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前後方向中央より前側及び後側にそれぞれ延在する腹側部分及び背側部分を有し、
腹側部分から背側部分にかけて延在する吸収体を有し、
おむつ内面における幅方向両側部に、身体側に突出する立体ギャザーがそれぞれ前後方向に沿って延在しており、
この立体ギャザーは、おむつ内面に固定された付根部分と、この付根部分から突出する突出部分と、この突出部分のうち前後方向両端部
が先端部までおむつ内面に対して固定されて形成された固定部分と、前記突出部分のうち前後の
固定部分間に位置する非固定の自由部分と、この自由部分の少なくとも先端部に、前後方向に伸張した状態で固定された弾性伸縮部材とを有するものであり、
吸収体の幅方向両側に延在するサイドフラップ部を有しており、
各サイドフラップ部は、おむつの前後方向中央を含む前後方向中間範囲に、立体ギャザーにおける付根部分と突出部分との境界よりも側方に延在する脚周り部分を有しており、
各脚周り部分における前記境界から側方に離間した位置に、弾性伸縮部材が前後方向に伸張した状態で固定されることにより、各脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている、
使い捨ておむつにおいて;
前記立体ギャザーの自由部分の前後方向中央を含むおむつの前後方向範囲において、前記立体ギャザーの自由部分における基端側部分と、前記平面ギャザーにおける基端側部分とが接合されることにより、ギャザー接合部が形成されており、
前記平面ギャザーの弾性伸縮部材は、前記ギャザー接合部から側方に離間しており、
前記平面ギャザーの収縮力が前記立体ギャザーを起立させるように作用するとともに、前記立体ギャザーの収縮力が前記平面ギャザーを脚周り表面に押し付けるように作用する構造とされている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
【0011】
(作用効果)
本発明の特徴は、立体ギャザーと、サイドフラップ部に形成される平面ギャザーとを基端側部分において接合したところにある。これにより、平面ギャザーの収縮力が立体ギャザーを起立させるように作用し、反対に立体ギャザーの収縮力が平面ギャザーを脚周り表面に押し付けるように作用するため、装着に際して立体ギャザーが自動的に且つ適切に立ち上がるとともに、立体ギャザー及び平面ギャザーが互いに支え合うため、両者のフィット性が相乗的に向上し、漏れ防止性能に優れるものとなる。また、汎用構造の立体ギャザーと平面ギャザーとを基端側部分において接合するだけで製造できる簡素な構造であるため、立体ギャザーの数を増加させる従来例のように製造が困難となることもなく、資材の追加も最小限度で済む。
【0012】
<請求項2記載の発明>
前記平面ギャザーの幅は、前記立体ギャザーの突出部分の幅の80〜120%であり、前記ギャザー接合部は、幅が前記立体ギャザーの突出部分の幅の50〜90%であり、前後方向長さがおむつ全長の10〜50%である、請求項1記載の使い捨ておむつ。
【0013】
(作用効果)
ギャザー接合部の寸法は適宜定めることができるが、通常の場合、この程度の寸法とするのが好ましい。
【0014】
<請求項3記載の発明>
前記平面ギャザーの弾性伸縮部材は、幅方向に間隔を空けて複数本並設されるとともに、幅方向外側のものほど伸長率が高い状態で固定されている、請求項2記載の使い捨ておむつ。
【0015】
(作用効果)
このような構造とすることによって、平面ギャザーが外側に向かって反り易くなり、脚周りへのフィット性がより一層良好となる。
【0016】
<請求項4記載の発明>
前記ギャザー接合部における前記立体ギャザーの基端側部分と前記平面ギャザーの基端側部分との間に、基端部弾性伸縮部材が前後方向に沿って伸長した状態で挟持されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0017】
(作用効果)
ギャザー接合部は、立体ギャザー及び平面ギャザーの双方に共通する支持基盤となる部分である。よって、このようなギャザー接合部に基端部弾性伸縮部材を設け、コシ(剛性)を強くし、しかも単に強くするだけでなく弾力性を伴いつつ強くすることにより、立体ギャザー及び平面ギャザーが強く且つ弾力的に起立するようになる。
【0018】
<請求項5記載の発明>
前記ギャザー接合部における前記立体ギャザーの基端側部分と前記平面ギャザーの基端側部分との間に、補助吸収体が挟持されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0019】
(作用効果)
このような補助吸収体を設けることにより、排泄物が立体ギャザーを乗り越えたとしても、平面ギャザーで堰き止められるとともに、補助吸収体で吸収保持されるため好ましい。
【発明の効果】
【0020】
以上のとおり、本発明によれば、装着に際して立体ギャザーを適切に立ち上げることができるようになる、等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
以下の説明において、「前後方向(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味し、「上下方向」とはおむつの装着状態、すなわちおむつの腹側部分両側部と背側部分量側部を重ね合わせるようにおむつを股間部で2つに折った際に胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
【0023】
図1〜
図7は本発明に係るテープタイプ使い捨ておむつの一例を示している。
図3及び
図4は、
図1における6−6線断面及び7−7線断面をそれぞれ示した図であり、
図5及び
図6は、
図1における8−8線断面及び9−9線断面をそれぞれ示した図である。なお、
図1、
図4及び
図7中の網掛け部分(点模様部分)はホットメルト接着剤等の接着剤や溶着による固定部分を示している。
【0024】
このテープタイプ使い捨ておむつは、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部までを覆うように延在する部分であって、且つ身体側表面を形成する透液性トップシートと、外面側に位置する液不透過性シートとの間に吸収体56が介在する部分である吸収性本体部10と、この吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分である腹側エンドフラップ部FE及び背側エンドフラップ部BEと、吸収性本体部10の幅方向両側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収体56を有しない部分であるサイドフラップ部SF,SFを有するものである。
【0025】
また、背側部分Bのウエスト側部分におけるサイドフラップ部SF,SFには、係止部材としてのファスニングテープ130がそれぞれ設けられている。
より詳細には、吸収性本体部10ならびに背側および腹側の各サイドフラップ部SF,SFの外面全体が外装シート12により形成されている。特に、吸収性本体部10においては、外装シート12の内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収要素50、中間シート40、およびトップシート30がこの順に積層されている。トップシート30および液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収要素50よりも前後方向および幅方向において若干大きい寸法を有しており、トップシート30における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収要素50の側縁より食み出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより固着されている。また液不透過性シート11は透湿性のポリエチレンフィルム等からなり、トップシート30よりも若干幅広に形成されている。
【0026】
さらに、この吸収性本体部10の両側には、装着者の肌側に突出(起立)する立体ギャザー60,60が設けられており、この立体ギャザー60,60を形成するギャザーシート62,62が、背側および腹側の各サイドフラップ部SF,SFの内面を含め、吸収性本体部10の幅方向外側の全体にわたり延在されている。
【0027】
さらにまた、各サイドフラップ部SF,SFは、おむつの前後方向中央Cを含む前後方向中間範囲に、立体ギャザー60の側方に延在する脚周り部分80を有しており、この脚周り部分80が平面ギャザーとして構成されている。脚周り部分80の前後方向範囲は、適宜定めることができるが、図示例のように脚周りに沿うくびれ部分を有する場合は、このくびれ部分と対応する前後方向範囲とすることができる。
【0028】
以下、各部の素材および特徴部分について順に説明する
(外装シート)
外装シート12は吸収要素50を支持し、着用者に装着するための部分である。外装シート12は、両側部の前後方向中央部が括れた砂時計形状とされており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。
【0029】
外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布12相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m
2、特に15〜30g/m
2のものが望ましい。
【0030】
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
【0031】
(トップシート)
トップシート30は液透過性を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
【0032】
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
【0033】
(中間シート)
トップシート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートもいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30表面を肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
【0034】
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材を用いることができる。中間シート40はトップシート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材はトップシート30と同程度の融点をもつものが好ましい。また、便中の固形分を透過させることを考慮するならば中間シート40に用いる繊維の繊度は5.0〜7.0dtexであるのが好ましいが、トップシート30における液残りが多くなる。これに対して、中間シート40に用いる繊維の繊度が1.0〜2.0dtexであると、トップシート30の液残りは発生し難いが、便の固形分が透過し難くなる。よって、中間シート40に用いる不織布の繊維は繊度が2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。
【0035】
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
【0036】
(吸収要素)
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分である。吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包装シート58とを有している。包装シート58は省略することもできる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
【0037】
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m
2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m
2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。
【0038】
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56は、高吸収性ポリマー粒子を含むのが好ましく、特に、少なくとも液受け入れ領域において、繊維の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。
【0039】
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、繊維の集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子が繊維の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子が繊維の集合体を通り抜けて包装シート58上にある形態も排除されるものではない。
【0040】
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
【0041】
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
【0042】
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m
2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m
2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m
2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。
【0043】
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5〜40g/m
2、特に10〜30g/m
2のものが望ましい。
【0044】
この包装シート58は、
図3に示すように、吸収体56の全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包装するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包装シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収体56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
【0045】
(ファスニングテープ)
図1及び
図2に示されるように、ファスニングテープ130は、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材からなるファスニング基材130Cの基部がおむつに取り付けられており、おむつから突出する先端側部分に腹側に対する係止部として、メカニカルファスナーのフック材130Aが設けられている。フック材130Aはファスニング基材130Cに接着剤により剥離不能に接合されている。
【0046】
乳幼児用おむつにおいては、ファスニングテープ130の取り付け部分の寸法のうち、おむつの幅方向の長さX1は10〜50mm、特に20〜40mmであるのが好ましく、前後方向長さY1は、20〜100mm、特に40〜80mmであるのが好ましい。また、ファスニングテープ130の先端側部分の寸法のうち、おむつの幅方向の長さは30〜80mm、特に40〜60mmであるのが好ましく、前後方向の長さ(高さ)は20〜70mm、特に25〜50mmであるのが好ましい。なお、ファスニングテープ130の一部または全部が例えば略テーパ形状をなし、前後方向長さや幅方向長さが一定でない場合は、上記数値範囲は平均値にて定める。ファスニングテープ130の形状は、矩形形状などの左右対称形状でもよいが、幅広の取り付け部分と細長状の先端側部分からなる凸型形状であると、先端側部分の摘み部が摘みやすく、かつ左右の基部間の張力が広範囲に作用するため、好ましい。フック材130Aは、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。フック材130Aに代えて、ファスニングテープ130の係止部として粘着材層を設けることもできる。
【0047】
おむつの装着に際しては、背側部分Bのウエスト側におけるサイドフラップ部SFを腹側部分Fのウエスト側におけるサイドフラップ部SFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープを腹側F外面の適所に係止する。ファスニングテープ130の係止箇所の位置及び寸法は任意に定めることができる。乳幼児用おむつにおいては、係止箇所は、前後方向20〜80mm、幅方向150〜300mmの矩形範囲とし、その上端縁と腹側上縁との高さ方向離間距離を0〜60mm、特に20〜50mmとし、かつ製品の幅方向中央とするのが好ましい。
【0048】
ファスニングテープ130は、背側エンドフラップ部BEと吸収要素50の境界線上にファスニングテープ130の取り付け部分が重なるように取り付けられていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ130の取り付け部分間に働く張力により、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。また、ファスニングテープ130の取り付け部分が、おむつの背側端部(後端部)と離れすぎていると、おむつ装着時に左右のファスニングテープ130の取り付け部分間に働く張力がおむつの背側端部にまで及ばないため、おむつの背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすい。従って、背側エンドフラップBEの前後方向長さは、ファスニングテープ130の基部の前後方向長さと同じか又は短いことが好ましい。
【0049】
(ターゲット印刷シート)
腹側Fにおけるファスニングテープ130の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット印刷を有するターゲット印刷シート74を設けるのが好ましい。ターゲット印刷シート74は、係止部がフック材130Aの場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。ここで、ターゲット印刷は、シート基材に対して施すのが好ましい。
【0050】
また、腹側Fにおけるファスニングテープ130の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ130の係止部がフック材130Aの場合には、ターゲットテープ74を省略し、フック材130Aを外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲット印刷シート74を外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
【0051】
(エンドフラップ部)
エンドフラップ部は、吸収性本体部10の前側及び後側にそれぞれ延出する部分であって、且つ吸収要素50を有しない部分であり、前側の延出部分が腹側エンドフラップ部FEであり、後側の延出部分が背側エンドフラップ部BEである。
【0052】
背側エンドフラップBEの前後方向長さは、前述の理由によりファスニングテープ130の取り付け部分の前後方向長さと同じか短い寸法とすることが好ましく、また、おむつ背側端部と吸収要素50とが近接しすぎると、吸収要素50の厚みとコシによりおむつ背側端部と身体表面との間に隙間が生じやすいため、10mm以上とすることが好ましい。
【0053】
腹側エンドフラップ部FE及び背側エンドフラップ部BEの前後方向長さは、おむつ全体の前後方向長さLの5〜20%程度とするのが好ましく、乳幼児用おむつにおいては、10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。
【0054】
(背側伸縮シート)
図示形態では、両ファスニングテープ130間に、幅方向に弾性伸縮する帯状の背側伸縮シート70が設けられ、おむつ背側部におけるフィット性を向上させている。背側伸縮シート70の両端部は両ファスニングテープ130の取り付け部分と重なる部位まで延在されているのが好ましいが、幅方向中央側に離間していても良い。背側伸縮シート70の前後方向寸法は、ファスニングテープ130の取り付け部分の前後方向寸法と概ね同じにするのが適当であるが、±20%程度の範囲内とするのがよい。また、図示のように背側伸縮シート70が背側エンドフラップ部BEと吸収要素50の境界線と重なるように配置されていると、吸収要素50の背側端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。背側伸縮シート70は、ゴムシート等のシート状弾性伸縮部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布や紙を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性伸縮部材を用いることもできるが、
図5に示すように、二枚の不織布等のシート基材71をホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせるとともに、両シート基材71間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材72を幅方向に沿って伸張した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート基材71としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性伸縮部材72の伸張率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性伸縮部材72として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
【0055】
また、図示のように弾性伸縮部材72の一部が吸収要素50を横断するように配置すると、吸収要素50のフィット性が向上するため好ましいが、この場合は、弾性伸縮部材72が吸収要素50と重なる部分の一部又は全部を、切断等の手段により収縮力が働かないようにすると、吸収要素50の背側端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
【0056】
なお、弾性伸縮部材72は、シートの長手方向(おむつの幅方向)にシート基材71の全長にわたって固定されていてもよいが、おむつ本体への取り付け時の縮みやめくれ防止のため、シートの前後方向(おむつの幅方向)端部の5〜20mm程度の範囲においては、収縮力が働かないように、または弾性伸縮部材72が存在しないようにするとよい。
【0057】
背側伸縮シート70は、図示形態では、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザーシート62と外装シート12との間に挟まれ、且つ液不透過性シート11と重なる部位では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に挟まれるように設けられているが、液不透過性シート11と外装シート12との間に設けても良いし、外装シート12の外面に設けても良く、またトップシート30と吸収要素50との間に設けてもよい。また、背側伸縮シート70はトップシート30の上に設けても良く、この場合、液不透過性シート11の幅方向両側ではギャザーシート62の上に設けても良い。また、外装シート12を複数枚のシート基材を重ねて形成する場合には、背側伸縮シート70全体を、外装シート12のシート基材間に設けても良い。
【0058】
(立体ギャザー)
トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために、製品の両側に、使用面側に突出(起立)する立体ギャザー60,60が設けられている。
【0059】
立体ギャザー60は、展開状態において、吸収体56の側部領域からその幅方向外側の領域の実質的に全体にわたりおむつ内面を覆うギャザーシート62と、このギャザーシート62の幅方向中央側の端部に、前後方向に沿って伸張状態で固定された弾性伸縮部材63とにより構成されている。ギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、また弾性伸縮部材63としては糸ゴム状、帯状等の細長状のもの、特に太さが470〜940dtex程度のものを150〜250%程度の伸張率で前後方向に沿って設けるのが好適であり、その場合、
図1及び
図3に示すように各立体ギャザー60に複数本設ける他、各立体ギャザー60に1本設けることができる。
【0060】
ギャザーシート62の内面は、トップシート30の側部上に幅方向の固定始端を有し、この固定始端から幅方向外側の部分は、液不透過性シート11の側部およびその幅方向外側に位置する外装シート12の側部に接着剤や素材の溶着などにより固定された付根部分65とされている。
【0061】
脚周りにおいては、立体ギャザー60の固定始端から突出する突出部分66は、前後方向両端部にそれぞれ設けられたおむつ内面に対する固定部分67と、前後の固定部分67間に位置する非固定の自由部分68とを有しており、この自由部分68の先端部に弾性伸縮部材63が設けられている。固定部分67は接着剤や素材の溶着により構成することができ、その前後方向長さは30〜100mm程度、又は製品長さLに対して1/15〜1/8程度であるのが好ましい。
【0062】
(平面ギャザー)
立体ギャザー60における付根部分65と突出部分66との境界から幅方向外側に延在する部分のうち、おむつの前後方向中央Cを含む前後方向中間の範囲は、脚周りに当接される脚周り部分80となる。この脚周り部分80では、ギャザーシート62と外装シート12とが対向する部分のシート間に、前後方向に沿って糸ゴム等からなる弾性伸縮部材81がそれぞれ設けられており、この弾性伸縮部材81の収縮により脚周り部分80が平面ギャザーとなる。
【0063】
平面ギャザー80の幅80wは適宜定めることができるが、立体ギャザー60の突出部分66の幅66wの80〜120%程度とするのが好ましい。
【0064】
平面ギャザー80の弾性伸縮部材81としては、糸ゴム状、帯状等の細長状のもの、特に太さが470〜940dtex程度のものを150〜250%程度の伸張率で前後方向に沿って設けるのが好適であり、特に平面ギャザー80の弾性伸縮部材81の太さ及び伸長率の少なくとも一方は、立体ギャザーよりも太く又は高くするのが好ましいが、より細く又は低くすることもできる。
【0065】
平面ギャザー80の弾性伸縮部材81としては、一本でも良いが、幅方向に間隔を空けて複数本並設するのが好ましく、その間隔81dは適宜定めることができるが3〜8mm程度とするのが好ましい。
【0066】
(ギャザー接合部)
特徴的には、立体ギャザー60の自由部分68の前後方向中央を含むおむつの前後方向範囲において、立体ギャザー60の自由部分68における基端側部分と、平面ギャザー80における基端側部分とが接合されることにより、ギャザー接合部90が形成されている。ギャザー接合部90の寸法は適宜定めることができるが、幅90xは立体ギャザー60の突出部分66の幅66wの50〜90%程度とするのが好ましく、前後方向長さ90yはおむつ全長Lの10〜50%程度とするのが好ましい。ギャザー接合部90は接着剤や素材の溶着により形成することができる。
【0067】
また、平面ギャザー80の弾性伸縮部材81は、ギャザー接合部90から側方に離間している。この離間距離81fは、適宜定めることができるが、立体ギャザー60の突出部分66の幅66wの70〜130%程度とするのが好ましい
【0068】
このように、立体ギャザー60と平面ギャザー80とが基端側部分において接合されていると、
図7及び
図9に各種の状態を示すように、平面ギャザー80の収縮力が立体ギャザー60を起立させるように作用し、反対に立体ギャザー60の収縮力が平面ギャザー80を脚周り表面に押し付けるように作用するため、装着に際して立体ギャザー60が自動的に且つ適切に立ち上がるとともに、立体ギャザー60及び平面ギャザー80が互いに支え合うため、両ギャザー60,80の脚周り(
図9中の二点鎖線)に対するフィット性が相乗的に向上し、漏れ防止性能に優れるものとなる。
【0069】
製造に際しては、
図10に順を追って示すように、汎用構造の立体ギャザー60と平面ギャザー80とを備えた使い捨ておむつを製造した後に、その両側部のギャザー接合位置に接着剤90Bを塗布した後に、この接着剤90B塗布部(又はその近傍でも良い)を折目として平面ギャザー80を立体ギャザー60上に折り返し、両ギャザー基端側部分を接合するだけである。この折り返し部分を広げてから販売しても良いが、折り畳んだ状態のまま(あるいはさらにコンパクトに折り畳んで)パッケージングして販売しても良い。このように、上述のギャザー接合部90を有する使い捨ておむつにおいては、立体ギャザー60の数を増加させる従来例のように製造が困難となることもなく、資材の追加も最小限度で済むことが判る。
【0070】
<その他>
(イ) 図示例のように、平面ギャザー80の弾性伸縮部材81を、幅方向に間隔を空けて複数本並設する場合、幅方向外側のものほど伸長率が高い状態で固定すると、
図9(b)に示すように、平面ギャザー80が外側に向かって反り易くなり、脚周りへのフィット性がより一層良好となる。
(ロ) ギャザー接合部90における立体ギャザー60の基端側部分と平面ギャザー80の基端側部分との間には、接着剤等の接合手段以外に何も介在させなくても良いが、
図3に示すように、基端部弾性伸縮部材91を前後方向に沿って伸長した状態で挟持させるのも一つの好ましい形態である。ギャザー接合部90は、立体ギャザー60及び平面ギャザー80の双方に共通する支持基盤となる部分であり、この部分に基端部弾性伸縮部材91を設け、コシ(剛性)を強くし、しかも単に強くするだけでなく弾力性を伴いつつ強くすることにより、立体ギャザー60及び平面ギャザー80が強く且つ弾力的に起立するようになる。
基端部弾性伸縮部材91としては、糸ゴム状、帯状等の細長状のもの、特に太さが470〜940dtex程度のものを150〜200%程度の伸張率で前後方向に沿って設けるのが好適であり、特に太さ及び伸長率の少なくとも一方は、平面ギャザー80の弾性伸縮部材81及び立体ギャザー60の弾性伸縮部材63よりも太く又は高くするのが好ましいが、より細く又は低くすることもできる。
(ハ) また、
図8に示すように、ギャザー接合部90における立体ギャザー60の基端側部分と平面ギャザー80の基端側部分との間に補助吸収体95を挟持させ、この補助吸収体95によって、立体ギャザー60を乗り越えた排泄物を吸収保持できるように構成するのは好ましい。この補助吸収体95の構造は特に限定されないが、パルプ等の繊維集合体、高吸収性ポリマー粒子等を、紙や不織布等からなる透液性袋材内に充填したもの等を好適に用いることができる。