(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記緩衝部材は、前記第1の支持部材と固定され、回転に対して緩衝機能を有する軸受けを貫通する軸を介して、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材とを連結することを特徴とする請求項1記載のゲーム装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置の外観構成を示す図である。
図1に示すゲーム装置は、プレイヤのジャンプ台におけるジャンプを検出し、このジャンプに連動させてゲーム画面中のキャラクタをジャンプ(ホッピング)の動作をするように表示制御するホッピングゲームを実行するものとする。
図1に示すゲーム装置は、同時に二人のプレイヤがゲームを実行できる構成とした例を示している。
【0011】
図1に示すように、ゲーム装置は、本体ユニット10、ディスプレイユニット12、及び基台13が設けられている。本体ユニット10は、例えば直方体形状をしており、ゲーム装置を制御する制御回路等が収納されている。本体ユニット10の上部には、ディスプレイユニット12が搭載されている。ディスプレイユニット12には、二人のプレイヤ用の2つのディスプレイ15a,15bが収納されている。本体ユニット10の上にディスプレイユニット12が搭載されていることにより、後述するジャンプ機構ユニット16(ジャンプ台18)の上に乗っているプレイヤのほぼ正面で、ディスプレイ15a,15bにおいて表示されるゲーム画面を視認できるように配置されている。また、本体ユニット10の正面には、ゲーム使用の対価であるコインを投入するためのコイン投入口17が設けられている。
【0012】
基台13は、本体ユニット10の正面に配置されている水平面が形成された台である。基台13の上には、二人のプレイヤ用の2台のジャンプ機構ユニット16(16a,16b)が設置されている。ジャンプ機構ユニット16(16a,16b)の底部には、プレイヤが乗ってジャンプするためのジャンプ台18(18a,18b)(板部材)が設けられている。さらに、ジャンプ台18の前方(本体ユニット10側)の中央には、垂直方向に伸びるシャフト19(19a,19b)が取り付けられている。シャフト19(19a,19b)の上部先端には、左右に水平に伸びるグリップ20(20a,20b)が設けられ、左右のグリップ20(201,20b)の中央にはボタンユニット21(21a,21b)が設けられている。シャフト19は、ジャンプ台18に乗ったプレイヤがグリップ20を容易に把持しやすい高さに構成されている。従って、グリップ20を持ちながら安定してジャンプ台18の上でジャンプすることができる。ボタンユニット21は、ゲームスタートの指示や、ゲームメニューの選択指示(コースの選択など)をする場合に使用される。
【0013】
本体ユニット10に収納された制御回路には、CPU、メモリ、記憶装置、表示コントローラ、I/Oインタフェース回路等の回路が設けられている。
【0014】
CPUは、ゲーム装置全体の制御を司るもので、メモリに記憶された基本プログラムやゲームプログラムなどを含むプログラムにより各種の処理を実行する。CPUは、メモリに記憶されたゲームプログラムを実行することで、ホッピングゲームを制御する。ホッピングゲームでは、ゲーム画面中においてキャラクタをジャンプ(ホッピング)表示させ、このキャラクタの動作をジャンプ台18上におけるプレイヤのジャンプに応じて制御する。CPUは、ジャンプ機構ユニット16に設けられた各種のセンサにより検出された検出信号をもとに、ジャンプ台18の上でプレイヤがジャンプしたことを検出する。CPUは、この検出されたプレイヤのジャンプと連動させて、ゲーム画面中において表示されるキャラクタの動き(ジャンプのタイミング)を制御する。
【0015】
また、I/Oインタフェース回路40には、ジャンプ台18に乗ったプレイヤのジャンプと、ジャンプした時の傾斜を検出するためのセンサ群が接続されている。本実施形態におけるゲーム装置では、ジャンプ台18の上下方向の大きな変化を検出するための位置センサ群、ジャンプ台18の上下方向の僅かな変化を検出するための加速度センサ群、ジャンプ台18の傾斜の変化を検出するための傾きセンサ群が接続されている。
【0016】
本実施形態のゲーム装置では、位置センサ群、加速度センサ群、傾きセンサ群による検出状況を組み合わせることで、体重の違いやジャンプのタイミングの違いなどがある様々なプレイヤを対象として、ジャンプ台18でのプレイヤのジャンプを精度良く検出することができる。
【0017】
次に、ジャンプ機構ユニット16の詳細な構成について説明する。
図2は、1台分のジャンプ機構ユニット16(ジャンプ台18)の平面図である。
図2において、上部がシャフト19を設けた側として説明する。ジャンプ台18の上面部は、中央付近が水平となっており、左右の端部近傍が僅かに端部側を高くするように傾斜されている(
図5に示す傾斜18a参照)。
【0018】
図3は、
図2における右側から見た側面図、
図4は、
図2のジャンプ機構ユニット16のA−A線における断面図、
図5は
図2の手前(下)側から見た側面図を示している。
【0019】
図3〜
図5に示すように、ジャンプ台18は、第1の支持部材30と第2の支持部材32によって、上下方向に移動可能となるように支持する状態が維持されている。
【0020】
第1の支持部材30と第2の支持部材32は、それぞれの長手方向の中間部において、1つのラバースプリング36(緩衝部材)と貫通軸34を介して連結されている。ラバースプリング36は、第1の支持部材30と固定されており、回転に対して緩衝機能を有する軸受けに貫通軸34を貫通させている。ラバースプリング36は、貫通軸34の軸回転に対するスプリング機能、緩衝機能を有しており、第1の支持部材30と第2の支持部材32とを連結させた状態で所定の範囲内で回動(取り付け角度を変位)させることができる。これによりラバースプリング36は、ジャンプ台18の上でプレイヤがジャンプすることに伴ってジャンプ台18を上下方向に移動可能とすると共に衝撃を吸収することができる。ラバースプリング36の詳細な構成については後述する(
図6、
図7)。
【0021】
第1の支持部材30は、一方の端部がジャンプ台18の長手方向の一端部近傍において回転軸46によって回動可能となるように装着され、他方の端部が設置面(基台13上)において水平方向に移動可能となるようにスライド機構が設けられている。また、第2の支持部材32は、一方の端部がジャンプ台18の他端部(回転軸46が設けられた側と反対側)近傍に水平方向に移動可能となるようにスライド機構47として構成され、他方の端部が設置面(基台13上)において回転軸48によって回動可能となるように装着されている。
【0022】
従って、プレイヤがジャンプ台18の上に乗る(ジャンプする)と、回転軸46,48において第1の支持部材30と第2の支持部材32が回動し、またスライド機構47,49によって端部が水平方向に移動することによって、ジャンプ台18が水平状態を維持したままで押し下げられる。
【0023】
図4に示すように、ジャンプ台18には、上面板部材39、回動軸40、ジャンプ支持台41、スプリング42、係合部材43、係止部材44が含まれている。
【0024】
上面板部材39は、ジャンプ支持台41の上に回動軸40、スプリング42を介して装着されている。上面板部材39とジャンプ支持台41の上面との間には、回動軸40を介して若干の隙間(例えば2cm程度)が設けられ、回動軸40の左右両側にスプリング42が配置されている。回動軸40は、正面(本体ユニット10の設置側)に対して垂直方向で軸回転する。このため、プレイヤは、ジャンプ台18の上で本体ユニット10(ディスプレイ15)に正対した状態で、回動軸40において左右方向に上面板部材39を傾斜させることができる。
【0025】
上面板部材39の底部には、左右それぞれの端部と回動軸40との間に係合部材43が設けられている。係合部材43には、縦方向に複数の凹部(例えば3箇所)が形成されており、上面板部材39が左右に傾斜することで、その傾斜角度に応じて何れかの凹部がジャンプ支持台41に固定して設けられた係止部材44と係合する。従って、係合部材43に設けられた凹部の位置で複数段階で上面板部材39の傾斜角度を保持することができる。
【0026】
本実施形態では、例えば左右方向にそれぞれ水平状態(0°)から5°の範囲で上面板部材39を傾斜させることができるものとする。傾きセンサは、例えば上面板部材39の傾斜角度を検出するように配置され、加速度センサは、例えば上面板部材39の中央付近の裏面に装着されてジャンプ台18上のプレイヤの動きに伴う上下方向の変動(加速度)を検出するようになっている。なお、位置センサ群は、縦方向に配列されて、ジャンプ台18の上でプレイヤがジャンプすることによるジャンプ台18(ジャンプ支持台41)上下方向の位置変動を検出する。
【0027】
また、
図4に示すように、第1の支持部材30にはスライド機構49が構成されている。スライド機構49は、第1の支持部材30の下端部が設置面において水平方向に移動可能とするもので、第1の支持部材30の下端部に設けられたローラと、同ローラを保持すると共に移動範囲を規定する筐体構造から構成される。
【0028】
また、
図5に示すように、第2の支持部材32にはスライド機構47が構成されている。スライド機構47は、第2の支持部材32の上端部をジャンプ支持台41の底部において水平方向に移動可能とするもので、第2の支持部材32の上端部に設けられたローラと、同ローラを保持すると共に移動範囲を規定する筐体構造から構成される。
【0029】
第1の支持部材30と第2の支持部材32とは、貫通軸34と両端部との間に設けられた連結軸52,53,57,58と、連結軸52,53に連結された連結部材55a,55bと、連結軸57,58に連結された連結部材59a,59bとにより、ラバースプリング36の作用により第1の支持部材30と第2の支持部材32が貫通軸34により回動しても貫通軸34の長さ方向で位置を規定するように連結されている。連結部材55a,55b,59a,59bは、ジャンプ台18(ジャンプ支持台41)の上下方向の移動に応じて、連結軸52,57が摺動可能となるように形成されており、第1の支持部材30と第2の支持部材32とが変動している状態においても位置関係を維持する。
【0030】
次に、ラバースプリング36の詳細について説明する。
図6(a)は、ラバースプリング36の詳細な構成を示す図である。
図6(a)に示すように、ラバースプリング36は、断面がほぼ四角に形成された金属製の外殻70と、外殻70の内部に挿入された断面がほぼ四角に形成された金属製の内殻71と、円柱形の4本のゴム72により形成されている。内殻71は、角部を外殻70の辺部と相対させる位置となるように挿入されている。ゴム72は、外殻70の角部と内殻71の辺部との間に形成される4箇所の空隙に圧入されている。
【0031】
図7は、ラバースプリング36と第1の支持部材30、第2の支持部材32との関係を示す図である。
図7に示すように、ラバースプリング36は、第1の支持部材30と固定され、内殻71の内部に形成された軸受けを貫通する貫通軸34を介して、第1の支持部材30と第2の支持部材32とを連結している。
【0032】
ジャンプ台18の上にプレイヤが乗ることで第1の支持部材30と第2の支持部材32とが貫通軸34により回動されると、ラバースプリング36の内殻71が外殻70内で回転される。これにより、
図6(b)に示すように、4箇所に圧入されたゴム72が変形されスプリング作用、緩衝作用が発生する。また、ジャンプ台18からプレイヤが降りるとゴム72が元の状態に戻ろうとするため、第1の支持部材30と第2の支持部材32とを元のプレイヤが乗っていない状態にする。
【0033】
ラバースプリング36のばね特性は、非線形となっており、円柱形のゴム72が転がりながら圧縮されて作用する。従って、体重が軽いプレイヤであってもジャンプ台18を押し下げることができ、また体重が重いプレイヤであっても第1の支持部材30と第2の支持部材32を介してジャンプ台18を支持することができる。ゴム72を用いたラバースプリング36は、永久変形が少なく、衝撃荷重に対しても耐久性が高いため、体重が異なる幅広いプレイヤに対応することを可能にする。
【0034】
図8及び
図9には、ジャンプ台18の上下方向の変動を図示している。
図8は、ジャンプ台18の上にプレイヤが乗っていない状態(あるいはジャンプ台18の上のプレイヤが静止している状態)を示している。この場合、ラバースプリング36の作用によって、第1の支持部材30と第2の支持部材32によって高い位置でジャンプ台18が支持されている。
【0035】
ここで、プレイヤがジャンプ台18に乗った場合(あるいはジャンプ台18の上にいたプレイヤがジャンプした場合)には、
図9に示すように、ジャンプ台18が下方向に移動する。すなわち、ラバースプリング36は、貫通軸34において第1の支持部材30と第2の支持部材32とを相反する方向に回動させる。この時、回転軸46,48において第1の支持部材30と第2の支持部材32の一端部がそれぞれ回転されると共に、スライド機構47,49によって、第1の支持部材30と第2の支持部材32の他端部が水平方向に移動される。
【0036】
このように、本実施形態におけるゲーム装置では、第1の支持部材30と第2の支持部材32とを貫通軸34により回動可能とする1つのラバースプリング36を利用した機構によりジャンプ台18を上下方向に移動可能としている。ラバースプリング36は、
図6に示すようなゴム72を用いた構成であるため、体重が軽いプレイヤがジャンプ台18の上でジャンプすることでジャンプ台18を押し下げることができ、また体重が重いプレイヤがジャンプ台18の上でジャンプすることにより発生する衝撃を軟らかく吸収することができる。従って、機構を複雑にすることなく、体重が異なる幅広いプレイヤに対応することが可能となる。また、バネなどのように機械的な部品を使用した緩衝機構ではないため、使用経過に伴って作用が低下(へたり)しにくい。また、1つのラバースプリング36を用いた簡単な構造により構成されているので、部品点数減らすことで製造工程を簡略化し、またジャンプ機構ユニット16(底部筐体)の小型化が可能であるので、コストの低減を図ることができる。
【0037】
なお、前述した説明では、1台分のジャンプ機構ユニット16を対象としているが、
図10及び
図11には、2台分のジャンプ機構ユニット16a,16bの詳細な構成を示している。
図10(a)は、
図10(b)のA−A線における断面図、
図10(b)は、2台分のジャンプ機構ユニット16a,16b(ジャンプ台18a,18b)の平面図である。
図11は、
図10(b)のB−B線における断面図である。
【0038】
図10(a)(b)に示すように、2台のジャンプ機構ユニット16a,16bは、基台13によって連結されている。各ジャンプ機構ユニット16a,16bの構成は、
図2〜
図9を用いて説明した構成と同様にして実現することができる。すなわち、1台のラバースプリング36によって第1の支持部材30と第2の支持部材32とを連結して、ジャンプ台18a,18bに対する緩衝機能、スプリング機能を提供する。
【0039】
なお、
図2〜
図9では、第1の支持部材30に対して1つの第2の支持部材32を連結する構成としているが、
図11に示すように、2つの第2の支持部材32a,32bを用いる構成とすることもできる。すなわち、第1の支持部材30に対して、貫通軸34の両端側にそれぞれ第2の支持部材32a,32bを設けて連結している。これにより、ジャンプ台18bを第1の支持部材30と2つの第2の支持部材32a,32bによって支持することにより、ジャンプ台18の上でのプレイヤのジャンプに対する上下変動を安定化することができる。
【0040】
なお、前述した説明では、
図6及び
図7に示す構造を有するラバースプリング36を用いて、第1の支持部材30と第2の支持部材32とを連結する構成としているが、同等の機能を有する他の緩衝部材を用いて構成することが可能である。
【0041】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。